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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2024年4月30日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡では6V 15Wの特殊な形の角巻きタングステン電球を使っています。これのトランスがきょうの画像の1枚目のような可愛らしいものです。この時代の光源用トランスあるなるなのですが交流波形が出力されますので高速シャッターが使えません。そこで直流電源と接続したいところなのですが,動態保存なので本体に改造などの手を加えることなく,オリジナルの姿で目的を達成しなくてはなりません。
そこで考えて,ドイツの特殊なプラグを日本国内の差込プラグに変換するコネクターを買ってきました。国内のプラグに変換してしまえば,プラグ受けはどこにでも転がっているわけなので,適当な直流電源にプラグ受けを付ければいいわけです。思いの外簡単に問題が解決しました。これでフリッカーなど気にすることなくJamin-Lebedeff干渉顕微鏡像を撮影することができるようになりました。電圧も細かく調整できますし良いことばかりです(画像/MWS)。
2024年4月29日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡の動態保存を命ぜられてからまだ日が浅いにも関わらず,筆者にはJamin-Lebedeff干渉顕微鏡仲間がいます( こちら )。この方は筆者など足下にも及ばない顕微鏡使いの名手です。高感度カメラが欲しいなぁと嘆く筆者に,「私はフラッシュを使った」とのアドバイスがすかさずやってきました。いやーさすがですね。基本ができてる。
鞭毛や繊毛が動いていたらフラッシュ(ストロボ)撮影というのが基本なのです。本ページでは開業2日目にそのことを記しています。微分干渉で暗すぎる像で鞭毛藻の鞭毛を写すにはフラッシュが有効なのです。そんなことは30年ちかく前からやっていましたが,カメラの進歩に伴い,ついついカメラの高速シャッターに頼るように思考が傾いてきました。最終的なS/Nを考えても,低いISO感度でのフラッシュ撮影はよい結果をもたらすだろうと理論的にはいえます。ただ,動き回るものについては当てずっぽうでの撮影になるのが欠点と言えます。しかしデジタル撮影では何千枚撮影してもいいので,当てずっぽうの撮影は,じつは強力な方法ともいえます。Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡仲間からの一言で目が覚めました。
きょうの画像もJamin-Lebedeff干渉顕微鏡によるもの。細胞内の一部の構造がこんな感じに表現できるのはほんとうに驚きです。明視野画像に相当するコントラスト分布ですが,見ている感覚はヘキスト染色で蛍光画像を眺めているような感じがします。それほど,選択的に構造を浮かび上がらせています(画像/MWS)。
2024年4月28日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡でみたアメーバ。画像2枚目は背景色を減算して消したもの。実際に目に見える光景とは異なりますが画像表現としては見やすい絵ですね(画像/MWS)。
2024年4月27日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡でみたワムシ。不思議なことは,この検鏡法でイメージングすると,飽和領域や黒つぶれの領域があまりみられないこと。まだ使用経験が足りないのでほんとうにそうなのかはわかりませんが,干渉縞をずらして光路差を色に変換するモードにできればそうなるのかなとも思ったりしています。そういったいっけんフラットな像は,ビデオエンハンスに向いている可能性もあり,撮像後の画像処理はどうしたらいいんだろうとお勉強が必要な感じです(画像/MWS)。
2024年4月26日
めったなことでは画像処理によるゴミ消しなどはやらないのですが,先日分与いただいた池の水に入っていたPhacusが可愛らしかったのでついついゴミ消しをやってしまいました。やり方は簡単で面倒な方法。ゴミのすぐ近くの小さな領域を選択してコピー,ゴミの上にそれを貼り付けるという手法です。これを延々と繰り返すのです。この作業を行っていると照明ムラなどの細かいことも発見できます。ゴミを消されたPhacusはいい感じになりました。NA=1.2,水浸対物での撮影。透過明視野中央絞り。Phacusの中ではそれほど大きくない種です。そのことは色素体の大きさと全体の大きさのバランスでなんとなくわかるでしょう(画像/MWS)。
2024年4月25日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡のコントラスト変換機能は微少な位相差を発見して,それをリアルタイムで最適なコントラストに追い込めることにあるのかもしれません。池の水の中に,なかなかお目にかかれないハナビワムシがいたのですが,これは明視野中央絞りではぎりぎりまで絞り込んでもなかなかコントラスト生成しないのです。そこでJamin-Lebedeff干渉顕微鏡の出番です。光路の構成としては透過明視野中央絞りですので絞りは自由です。そこにJamin-Lebedeff干渉顕微鏡の干渉縞を出して局在面を微調整していくと,ハナビワムシの超超微細な繊毛がブライトコントラストにも,カラーコントラストにも,ダークコントラストにもできます。ダークコントラストのGチャンネルを抜きだして微細構造抽出を行えば本体と繊毛の構造関係をフラットに表現することもできます。
ノマルスキーDICなどでの微分干渉像はシャーが小さく像面は光学的切片となります。コンデンサ絞りの効果は小さいです。しかしJamin-Lebedeff干渉顕微鏡ではシャーが極端に大きく,干渉効果(コントラスト効果)を大きくするにはコンデンサの絞り込みが有効です。つまりJamin-Lebedeff干渉顕微鏡では,透過明視野中央絞りの効果がそのまま活用でき,さらに位相差顕微鏡のようにダークコントラスト,ブライトコントラスト,カラーコントラストができるのです。
これが昨日,めったに使わない表現,「武器」を使った理由です。Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡,どこか現代の技術で生産再開してくれー。プランアポ長作動で(画像/MWS)。
2024年4月24日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡で見たアメーバ生細胞。なるほどこのように見えるのかーと感動。原生生物の豊富な池の水を分与頂いたのでいろいろな生物の新しいコントラスト法による像を勉強することになります。Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡では光路長の差をダークコントラスト,ブライトコントラスト,カラーコントラストに変換でき,それぞれのコントラスト強度も可変なので,透明体で見づらい生物を明瞭に可視化できます。細胞内の特定の構造をわかりやすく表現することも可能で,これはじつに強力な武器ですね,という感想を抱きました。ひとつ欠点をあげるとすれば,偏光干渉顕微鏡の常として像が暗いことです。動き回る原生生物の撮影は高感度カメラがない限りは困難です(画像/MWS)。
2024年4月23日
ツリガネムシのある種では表面には微細な周期構造が見られるのだけれども,とにかく活発に動き回るので撮影はけっこう難しいのです。きょうの画像は水浸対物NA=1.2で明視野絞り込み,照明輝度をあげてやや早いシャッターで撮影したもの。周期構造が何とか写っています。しかしノイズが目立っています。こうなってくると超高感度で撮影できるカメラを調達したくなりますね…(画像/MWS)。
2024年4月22日
21日は画像捜索の一日でした。過去24年分の画像を捜索して抽出,画像処理。丸一日費やして深夜にようやく一区切りでしたが本ページの更新にはたどり着きませんでした…。ので昼過ぎの更新です。画像は今月初め頃に撮影したセネデスムス。ごくごく一般的な植物プランクトンです(画像/MWS)。
2024年4月21日
20日はロケの一日でした。屋外,屋内両方でしたが,屋内ロケは大変です。何しろ狭い当室をにわかのスタジオにしないといけませんので…。荷物の大移動,背景作り,顕微鏡のセットアップ,必要な材料集め。いつまでたっても作業が終わりません…。
しかしロケ自体は関係者のすばらしい働きにより,ただただ幸せな時間が流れていくような体験となりました。気がついたら夜になっていたくらいです。関係者のみなさまほんとうにありがとうございます(画像/MWS)。
2024年4月20日
あまりの忙しさに更新が遅れました。来客案件のときにはそちらが優先になるので,毎日更新のはずの本ページの更新が22時間も遅れてしまいました。
きょうの画像はよくみる青いビニール袋をカットしたもの。このビニールは千石電商でもらった電子部品を包んでくれるものですが,これが電球色を昼光色に変換するのにちょうどよいのです。それで携帯顕微鏡H型に電球をセットして,このビニールを付けて使っていました。時代はLEDとなり,電球色のLEDにこのビニールを使用しても大変好結果となります。白すぎない柔らかな温かみのある光にできます(画像/MWS)。
2024年4月19日
くまモンのイラストは熊本にちなんだものにしか使用許可が下りません( こちら )。ので,なんで東京の畳屋さんにくまモンが貼られているのか一瞬なぞだったのです。しかしよく見れば畳表は熊本県産のものを使用しており,正式な許可番号が記載されているのでした。畳表にまでくまモンのイラスト。大したものです。
閑話休題。
ぜんぜん別の話になりますが,きょうJAL機が無線交信不能に至ったとの記事が流れていました。そこで調べてみるとスコーク7600でライトガンにより誘導して着陸したとのこと。筆者がスコーク7700を知ったのは今から40年ほど前になります。7700は種々の破滅的事象で生じるので割と日常で目にするのです。しかし7600はこの40年の間,一度も目にしたことがありません。初めて知りました。単にニュースになっていないだけかもしれませんが,なかなか恐ろしい事象です。
もしこの状況で視程が悪くILSが不作動だったらパイロットはあんまり気分がよろしくない状況だったかと思います。まぁ新千歳なら離発着の数もやたらと多いし問題なくこなせる事象だったのかもしれませんが。スコーク7600,次に見かけるのはいつになるのだろうか(画像/MWS)。
2024年4月18日
なんで都心で暮らす筆者が都心でこのような風景に気づけるのかというと,それは幼児体験に基づくものなのかもしれません。3歳から8歳くらいまで,こんな風景のところで暮らしていたのです。小学校に入った頃か,それより一年前か,歩いてたぶん2分くらいのところにはこんな風景がありました。昆虫採集に余念のなかった児童が,春の風のゴーゴーという音に空を仰げば,落葉広葉樹の新緑の芽吹きが目に入ってきたのでした。その光景は生涯忘れることのないほどのものでした。
おそらくはその原体験があって,新緑の頃は芽吹きと空を一緒に脳裏に焼き付けたくなるのです。筆者にとって広葉樹の新緑は満開の桜を遙かに上回る「心が求める」風景なのです(画像/MWS)。
2024年4月17日
これだけの品物がワンフロアで揃ってしまう。なんでも通販で入手できる世の中ではありますが,実店舗に赴いてわずか15分足らずでこれが揃うなら,圧倒的に時間の節約になりますし,運動にもなりますし,いいことだらけです。しかも実店舗のいいところは,これ以外の商品も目に飛び込んでくることです。これは,言葉の意味を調べようとwebで検索するのと,辞書を開くのとくらいの違いがあります。優秀な実店舗はエンジニアの脳みそ刺激装置なのです。
この優れた店舗は千石電商といいます。通販もあります。webサイトは こちら です。こんな店が未来永劫続くようにみんなで支えましょう(画像/MWS)。
2024年4月16日
このところ深夜までメールを書いていて本ページの更新が時間切れになることが続いています。いろいろ仕事が積み上がっているので仕方のないことです。夏前には正常化するといいのですが。昨日は国民年金に20万円も吸い取られ大変気分の悪い一日でした。ハタチになったら国民年金のスローガンで所得のない学生からカネを巻き上げ,60歳になったら年金を支給のはずが,じっさいその年齢になれば65歳に引き上げられ約束は一方的に破られています。そしてその年齢までに亡くなってしまった方々はただの払い損。しかもこの巻き上げた金で政府は財政投融資という利権ギャンブル遊びでカネを企業にばらまいていた(過去形)のですからふざけるにもほどがありました。
筆者は学生時代学業に専念していましたので収入はありませんでした。しかし自分の年金なので親に払ってくれと言うわけにもいかず,払うことなく放置していました。のちに大学院になり大学図書館の夜間開館のアルバイトで収入ができるとコツコツと貯めて,過去の未納分も含めて,札束を持って納付に行きました。札束は目の前で消えました。忘れられませんね。
きょうの画像は納付に行く途中で見た風景。大変気分が悪くなることはわかっているので景色の良いところを歩いて納付先に行くようにしているのです(画像/MWS)。
2024年4月15日
ことしはホタルイカの当たり年でこのところ毎日のように食べています。食べ方はほとんど決まっています。目玉と軟骨とくちばしを取り除きキッチンペーパーの上に並べていきます。そこに藻塩を振ってなじませます。そうしたらラップをかけて電子レンジでチンします。解凍キーなどの160-200W,低出力モードでの加熱です。画像の量くらいで3分半加熱します。加熱によりホタルイカの身が締まり,水分が抜けて味も濃くなります。そしてあったかいうちにそのままつまむのです。釜揚げを食べているような感じで,ぷりぷりしてとてもウマいのです。このように処理したホタルイカにはしょうゆもわさびも酢味噌も必要ありません。そのままで完璧な味,と思いながらいつも食べています(画像/MWS)。
2024年4月14日
きょうの画像はヒラマサのマリネ。今年の初めくらいに顕微鏡のプロに連れられて入ったお店がちょっと凝ったお店で,アジのカルパッチョとかイカスミのカルドソとか,エビのアヒージョとか,筆者がふだん食べないものばかり出てくるところでした。そこで食べた一皿がヒラマサのマリネ。店主の魚の扱いが優れていることは一口食べてわかりました。この種の料理はとにかく素材の扱いを間違えないことが第一です。食べて「ほほう」と思いました。ヒラマサのような淡泊な白身魚はそのまま刺身が好みですがマリネも悪くないと思いました。
それから2ヶ月くらいが経過し冷蔵庫にヒラマサのサクが眠っています。じゃ,やってみるかと自己流調理です。ヒラマサのサクはまず水道水の流水で歯ブラシを使いながら全面を清掃します。そのあとにキッチンペーパーで水気を完全に拭き取ります。劣化相を取り除くこの工程が高級料亭の風味を生み出す秘訣です。
そのあと先に刺身に切り出してしまいます。そこに藻塩を多めに振り締めます。30分以上置いて締まったらそこに醸造酢を注いでこんどは酢締めにします。かきまぜながら冷蔵庫で一時間ほど。締まったら酢を捨てます。タマネギのみじん切りを用意して,ヒラマサの切り身と交互に積み上げます。そこに醸造酢を少し,そしてオリーブオイルを注ぎます。あとはよく馴染ませて数時間程度漬け込むだけです。
本場のマリネの作り方からはかけ離れたインスタントにできる自己流ですが,味の設計としては間違っていないのでじゅうぶん美味なマリネができあがります。ハーブやコショウとともにいただけば一ノ蔵もすすむというものです。
作った立場からは,これでいいよねという出来具合ですが,何も言わずにカミさんに提供したところ,驚くべきスピードでバクバク食べてしまいました。どうやら成功のようです。
むかしから,出先で一度食べたものは,それと同じような味の方向性の料理をすぐにつくれるという特技があったのですが,開業してからあんまり外食しないことになったのでその才能を活かす場面がありませんでした。ずいぶんひさしぶりに外で食べたものの真似をしました…。
あ,その特技は,中華料理は一切ダメです。ウチには「味の素」が置いていないので,あの中華料理のおいしさは出せません。昆布をいくら使っても別の味になります。味の素はほんとうに優れた調味料で何でもおいしくする魔法の粉なのですが,おいしい代わりに常用に慣れてしまうと素材を活かさなくなくなります。素材の味にこだわらずに完成された料理の味が美味なことで満足する人には最適な調味料だと思いますし,ラーメンなどには欠かせない面もあるでしょう。
ただ筆者は豆腐ものらぼうもそのまま食べてうまいとかそうでもないとか評論する類いの人間なので,なんでもおいしくしてしまう味の素は使いません。ので,毎日料理する兼業主夫の筆者でも中華料理は専門外です。味の素も使いつつ,素材の味も活かしつつ,ちゃんと料理をまとめ上げる技量をもつ職人さんもおられるのですが,これは特殊技能に近い才能なのではと思います。味の要素というもの凄く多量なパラメータを自在に操ることができる「脳みそ」をお持ちだからです。
まだまだそこまではいかないなー。でもマリネくらいならこうすればこうなるよね,とわかる程度のひよっこです。筆者は(画像/MWS)。
2024年4月13日
このチューリップを植えた人は完成予想図にしたがってレイアウトしたんだろうなー。球根植えてその結果を予想できるってなかなかすばらしいと思うのです(画像/MWS)。
2024年4月12日
11日は顕微鏡駆け込み寺的な感じで困り果てた方をお迎えして顕微鏡の午後となりました。困っている人は落ち着くことが大事。まずはJシリーズを当室の誇るフルオフォト超広視野の暗視野でご覧いただきます。その瞬間に俗世間との切り離しができて,珪藻の世界への案内がはじまります。ちょうどJamin-Lebedeff干渉顕微鏡も整備されていたのでご覧頂き,光のふしぎをみてもらいました。顕微鏡を覗きながら喜んでいる姿を見るのは筆者にとってもうれしい瞬間です。
そんな幸せな時間が続くわけですが,その困り果てたお客様が顕微鏡があれば…という感じのご意見を頂いたので,顕微鏡を進呈することにしました。ちょうど数日前に,この上なく完璧に整備され,指紋のひとつもつかないように手袋をはめた上でぴかぴかに磨き上げられたオリンパスGBのセットが顕微鏡自動増殖の法則により入荷していたのです。コンデンサのフロントレンズを見ても,おそらく国内最高レベルの保存状態です。あまりに素晴らしい状態ですしウチにはGCはあるけれどもGBはないので動態保存かなとも考えていました。でも狭いマンション暮らしで顕微鏡の隙間で寝袋で寝ているような生活なので,この機材はきっと次の新天地もあるかもとも思っていました。
そこに駆け込み寺的にやってきた方がほんとうに楽しそうに顕微鏡を覗いて,次々と現れる池の水の中の原生生物を覗いている姿をみて確信しました。オリンパスGBの行き先が決まった瞬間です。
自動増殖の法則でウチに来た顕微鏡は,短くとも2,3ヶ月はウチに滞在するのです。その理由はメンテナンスが必要だからです。しかし今回増殖したオリンパスGBは,ほぼ完璧なメンテナンスがなされており,状態もよく,そのまま譲渡可能なものでした。そんなわけでごく短い滞在日数で次の最良の新天地に移動したのです。GBをお譲り頂いた方に心より感謝申し上げますとともに,これを嬉々として受け取ってくれた方は,これからこの顕微鏡を使って,社会のためによい仕事をしてくれるものと思っています。全てがwin-winに処理できて爽快な気分です(画像/MWS)。
2024年4月11日
コロナ関連の報道はすっかりなくなり政府のコロナ隠しはますます進んでいます。しかし実感としては現在もコロナは流行中です。医療機関にかかっても自己負担額が半端でないので多くの人は病院にもいかなくなってしまいました。このため,感染者の実数はほぼ闇の中になってしまいました。こうした状況で「相場」を調べるのにはSNSが役立ちます。現状はきょうの画像の通りです(画像/MWS)。
2024年4月10日
9日は物品引き渡しなどの用事があり当室で二件の「顕微鏡の午後」となりました。もちろん使う顕微鏡はJamin-Lebedeff干渉顕微鏡です。この顕微鏡の干渉像を見たことのある人は国内ではほぼ皆無に近い状態ではないかと思います。推測ですがこの顕微鏡の国内流通数も人力で数えられるくらいなのかと思っています。そういった珍しい顕微鏡なので事情に詳しい方ならいつまでも覗いていられる不思議な像を鑑賞する時間となります。
ただ,この顕微鏡の神髄を知るにはとてつもない勉強と試行錯誤が必要な感じがします。とにかく調整の微妙さがスゴい。干渉コントラストに影響するパラメータがたくさんあります。物体屈折率,封入剤屈折率,物体厚さ分布,スライドグラス平面度合,カバーグラス平面度合,封入剤厚さ分布,物体の傾き,対物の干渉調整,コンデンサの傾き調整,コンデンサ高さ,開口絞り操作,コンデンサ高さ調整,コンデンサ-対物光軸調整,視野絞り中心あわせ,回転ステージ心出し,フィールドレンズ軸あわせ,光源心出し…。
あんまりここで言いたくはないのですが,顕微鏡像というのは,究極を求めると大変なことになるのです。まぁ80%の像がでていればヨシとしましょう。これはスーパーでいつも買う商品が2割引になっていたようなものです。それを購入して何も問題がないなら幸せなのです。
きょうの画像は相模湾の泥の中に入っていたオパール的に見えた微粒子。なんなのだろうと標本にしましたが顕微鏡でみてもさっぱりわかりませんでした。これをJamin-Lebedeff干渉顕微鏡で見ると,なんだかわからないのは同じですが,なんと構造が見えます。ほかの方法だと気づきにくい構造がはっきりと現れるのはじつに有り難いことです(画像/MWS)。
2024年4月9日
いそがしい時に限って絶体絶命みたいなことが起きます。きょうは過去の文章ファイルを開いてみたら表示がぐちゃぐちゃになっている上に文章が消失していて,記号や図がばらばらに配置されているというようなことになっていました。ファイルの破損を疑い,異なるドライブやメモリーカードの文章ファイルを開いてみましたが,やはり正常に開いてくれません。ファイルの破損ではなさそうですが何が起きているのかさっぱりわかりません。一太郎のソフトが壊れている可能性を疑い,ダメ元で削除・再インストールを行いました。
するとこんどは文章が読めます。レイアウトも正常です。しかしどのファイルを開いても代替フォントで表示していますと出てきます。…ということは一太郎は正常でフォントがなくなっていたから文章が消えたのかと思い至り,調べてみると筆者がいつも使っているMS明朝がなくなっています。どこにも見当たりません。WEBからフォントファイルをダウンロードできるかと検索してみても怪しいサイトばかり見つかります。もほや万事休すかとおもいましたが,そういえば「こんなこともあろうかと」昨年終わり頃にほぼ同型機のバックアップ中古を入手していたのでした。一度も電源も入れずに忙しさにかまけて放置していました。
さっそくバックアップを立ち上げてフォントを調べると当たり前にMS明朝が見つかります。このフォントファイルをSDカードにコピーして,トラブルパソコンにインストールします。これで解決。過去の膨大な文章や事務の記録が全部壊れたのか?と一時は真っ青になりましたが,何とか問題の切り分けができてほっとしました。
しかしそれにしても,なんで突然MS明朝だけが消えるのでしょう。バグといえばそれまでかもしれませんが,こんな基本的な部分が突然ぶっ壊れるのはほんとうに勘弁してほしいものです。見積書を作成するのに2時間以上も格闘することになってしまいました(画像/MWS)。
2024年4月8日
にちようびは花見のさんぽ。二時間ほど近所を歩きましたが何本の桜を見たのだろうか。たぶん二百や三百はいっているのかもしれません。満開の花を眺めていると脳みその中のゴミやカスが減ったような気がします。よい時間の過ごし方でした(画像/MWS)。
2024年4月7日
Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡は偏光顕微鏡の鏡基ですので回転ステージがついています。物体を見ながらステージを回転させる使い方があるわけですが,ステージを回すと物体がどこかに飛んで行ってしまったりしてはいけません。このため回転ステージの中心軸が対物レンズの視野中心に一致するように調節します。対物レンズホルダーについている軸出し用のネジをいじればいいのです。
で,この軸出しネジは筆者の強大な爪で難なく操作できますので特に問題はないのですが,でも専用工具があるのならそれに超したことはありません。動態保管を命ぜられたセットの中には似た形の部品が一個ありましたが関係ないものでした。それでしばらくは爪で操作して完璧に軸出ししたりしていました。
しかし数日もすると脳みそが,「この専用工具はたぶん持っているはず」と信号を出し始めます。ツァイスの部品は12年半前くらいに多数入荷しましたが,必要なもの以外は数年前に知人研究者に譲渡しましたので手持ちは対物レンズ,接眼レンズ,フィルター,コンデンサくらいしかありません。でも筆者の習性的に,工具や治具の類いはたとえそのときに不要でも手放すことはないのです。
そこで先ほど,ツァイス部品が眠っているかもしれない奥底に仕舞われた箱を探し出して調べてみると,脳みその指令通りに軸出し工具が発見されたのでした。袋に入っておりたぶん新品未使用(笑)です。ほんとうに脳みそというのは不思議です。一度も使ったことがなく,何をする工具かもよく理解せず,しかし心出し工具だよなと思って手放さず,12年以上も眠っていたのにちゃんと発掘されるのです。
きょうこの日のために発掘された心出し工具はこれから,10倍対物から油浸100倍対物まで,超高精度で心出し可能になりノーストレスの観察ができることでしょう(画像/MWS)。
2024年4月6日
なんの前触れもなく玄関先までいろんな荷物とともにピンセットが届けられました。たまにあるのですそんなことが。砥石だったり,回折格子だったり,煎餅だったりいろいろなのですが本ページ読者の方々の仕業であることは判明しています。人情味を感じて有り難いことですね。
そしてなんとそのピンセットがFONTAXのNo.1 Taxalなのです。いまいちばん欲しかったピンセットです。ふだんはFONTAX No.3 TaxalとFONTAX SS Taxalを常用していて,これらがないと仕事ができないのでたくさん買い集めてストックしています。ちょっと粗い仕事をするならばNo.1 Taxalが最高だろうと思っていましたが常に人気が高くたまに販売店で出土しても常連さん?がすぐに買ってしまい筆者の手元に来ることはありませんでした。
それが顕微鏡自動増殖の法則と同じように,ピンセット自動増殖の法則によって手元に転がり込んできたのです。これは嬉しいです。こんな金属片ひとつでしばらくニヤついてしまいます。刃先は開いていましたが軽微な修理で元に戻るはずです。手触りはFONTAX Taxalそのもの。ちょっとテンションがきつめなのでxxxをzzzしたりして調整します。No.3 Taxalと同等の使用感のNo.1 Taxalに仕上げるつもりです。
FONTAXの良さはハンドリング性を考慮して手に馴染むデザインを追求していることも素晴らしいですが,それ以上に優れているのが材質の特性を見抜いて形状を変えてあることです。InoxとTaxalでは先端をあわせたときにできる空間の角度が異なります。材質の強度と硬度に合わせて極限まで角度を減らしているのがTaxalです。筆者のような薄いガラスやペーパーをつまむ用途には最適な形状なのです(画像/MWS)。
2024年4月5日
のらぼう茎のシラス和えバター風味と,のらぼう葉とベーコンのパスタサラダ(バターと藻塩少々)。この二品は,天皇皇后両陛下にぜひともお試し頂きたいと思うような季節のお味。もうまもなくシーズン終わりです。本ページの読者のみなさまもお試しあれです(画像/MWS)。
2024年4月4日
オプチフォトPOLの鏡基が一台あるのですが中古で入手した当初から視野絞りの開閉に不具合があり大変なストレスを抱えつつもそのまま使っていました。どんな症状かというと,「閉まるのに開かない」というものです。力一杯視野絞りを開く動作をしても何かに引っかかったように動きません。仕方がないのでシリコン板を滑り止めにして力任せに操作していました。しかしついにそれでも開かなくなり分解修理となりました。
なぜ修理を渋っていたのかというと軸出しが面倒だからです。顕微鏡のピント深度内の平面に傾きなく視野絞りを結像させるためにはけっこうシビアに絞りの位置決めが必要です。完璧を目指すと泥沼になることはわかっています。
分解してみると,絞りに直結する筒を固定するリングネジが緩んでおり,このため筒にガタがでていて回らなくなっていたのでした。絞りを外さずに修理できればいいのですが,リングネジが特殊なもので工具もなく外すしか方法はありませんでした。外してみると,ガタついていたものを使用していた結果として摺動面も荒れていました。のでごく少量だけ注油して摺動のなめらかさを確保してすぐに油は拭き取りました。この部分は本来は注油禁止です。
動くようになったので軸出し。面倒そのもの。完璧にはできません。なぜなら手持ちのハネノケアクロマートコンデンサ自体が正確な軸がでていないからです。ほどほどのところであきらめて組み上げて作業はお仕舞いにします。それでも夕方から初めた作業は夕飯を挟んで夜中までかかりました。
まーでも視野絞りは信じられないくらいスカスカと気分良く動きます。厳密に見ると微量の傾きがありますがこれは視野絞りの問題なのかコンデンサの問題なのか切り分けできていません。実用上は精密なケーラー照明も可能なので像質に影響することは皆無です。明日からイメージングの仕事があるのですが,その仕事に最適な機材運用を心がけているので,重要な仕事が入ったときはまず顕微鏡のメンテナンスをする…といったことになることもよくあります。ちゃんとしていないと仕事をしていて気分がよくないですからね(画像/MWS)。
2024年4月3日
こんな視野が顕微鏡下で実現すると,まるで顕微鏡にも春が来たような気分になります。Jamin-Lebedeff干渉顕微鏡による像です。標本は経時追跡用のJシリーズ20番台未満のものです(画像/MWS)。
2024年4月2日
ようやく都心にも春の訪れが。最後の1枚はウチの植木鉢の中でひっそりと咲いていたスミレです(画像/MWS)。
2024年4月2日(2)
いままで毎日アクセスしてきた本駒込気象台が突然 404 not found になりええっ!と思い調べてみたらお引っ越ししていました。サーバー廃止に伴う移転とのことです。本駒込気象台は山根さんという大学の先生が個人で設営しているものですが(こちら),近所に住むものとしてこれ以上なく便利なものです。豊島区,文京区,新宿区辺りはこの観測値でそんなに外さない感じなので数十万数百万人に有用な情報を無料提供していることになります。有り難い話です。本駒込気象台の新しい引っ越し先は こちら です(画像/MWS)。
2024年4月1日
いつものさんぽコースでさくらまつりが開催されているのですが,桜はほぼ咲いていません…。それでもたくさんの人が桜の木の下で昼酒を飲んで桜のつぼみを眺めています。こういった期待感をつまみに酒を飲むのもいいもんです。中年オッサンになると細かいことはどうでもよくなり,日々が平和に過ぎゆくことに嬉しさ有り難さを感じるようになるのです。そしてこの桜の咲いていない桜並木を下っていくと,ちょうど演奏会が開かれていました。文京ジュニア・青少年吹奏楽団による演奏です。これがとても素敵な音色とパワーのある演奏で,思わず立ち止まって最後まで鑑賞させていただきました。音を聞いていて楽しい。ついついニコニコしてしまうような本物の「音楽」がそこにはありました。めちゃめちゃオトクな感じがしてその後ずっといい気分が続いています。調べてみるとこの吹奏楽団の定期演奏会が今月28日に文京シビックホールで行われるそうです( こちら )。なんと入場無料とのこと。文京区マジすげえ…。関心のある方はぜひどうぞ(画像/MWS)。
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