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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2008年10月31日


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珪藻を星形(star pattern)に並べたプレパラートに関する問い合わせがありましたので,オリジナルのデザインで製作してみました。星形のトリケラチウムという珪藻を中心に据え,菱形のスタウロネイスという珪藻を組み合わせて五角形と星形を作り上げています。星の頂角を結ぶ線はピンヌラリアという珪藻で,頂点にはアラクノイディスクス,トリケラチウム(三角タイプ),アクチノプチカスを順に並べてあります。並べていて思ったのですが,これは五稜郭ですね(DF,撮影/MWS)。





2008年10月30日


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顕微鏡対物レンズのテストプレートを試作中です。どんな種をどのように並べれば良いか試行錯誤しているのですが,なかなか難しく,適切な方法が浮かびません。通常は間隔を空けて一列に並べるのですが,Jシリーズでは珪藻のピント面が揃う特殊な封入法を採用しているため,間隔を空けて並べるといろいろな不都合が出ることがあります。それで,必要とする珪藻を詰めて並べてみました。これですと視野中に複数の珪藻被殻(=微細構造)が見えるためにコントラスト試験に適していると考えられます(oblique,撮影/MWS)。





2008年10月29日


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この機会にもう一つ放散虫を紹介しましょう。この個体も相模湾の珪藻試料から分離したものです。一つの試料からいろいろな形態の放散虫が見つかることがあり,ピックアップは宝探しのような面白さがあります(見つからないと疲れるだけですが)。放散虫は一つ一つがブローチにでもしたくなるような造形美があって,実際に彫刻を制作している人もいます。海外には放散虫の有名なサイトがあります。興味のある方,ない方,ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか。この3日間で紹介した放散虫は一枚のプレパラートにマウントされています(計36個体)。Jシリーズの一枚として販売予定です(DIC,撮影/MWS)。





2008年10月28日


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放散虫とはケイ酸の骨格を持つ原生生物の一種で,世界中の海に分布しています。珪藻と比較すると数は少ないのですが,その形態は多様性に富んでおり,根気強く探すといろいろなかたちの放散虫を見つけることができます。上の画像も相模湾から採集した珪藻試料に含まれていたものです。放散虫はその姿の美しさから,海外の顕微鏡観察家には特に人気の高いものとなっています。日本国内ではどうでしょうか(DIC,撮影/MWS)。





2008年10月27日


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きのう紹介したNikon small world顕微鏡写真コンペティションの第15位には「放散虫」がランクインしています。よい放散虫個体は入手が難しいので,珪藻ほどにはメジャーではありませんが,顕微鏡写真分野では多くの人を魅了する標本の一つです。美しい形態を持つ良い個体を拾い出してマウントすれば,良い写真を得ることはそれほど難しいことではありません。上の画像は相模湾から採集した放散虫をピックアップしてマウントし,微分干渉法のカラーモードで撮影したものです(DIC,撮影/MWS)。





2008年10月26日


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今年のNikon small world顕微鏡写真コンペティションの優勝作品は「珪藻」を撮影したものでした。当サービスでも供給しているプレウロシグマという仲間の珪藻を撮影したものです。このコンテストは毎年開催されていますが,必ずといっていいほど,珪藻の作品が登場します。これはやはり,珪藻の持つ微細構造が生み出す独特の美しさが多くの人々を魅了するからでしょう。入賞作品を見ても,それほど技巧的なものは少なく,当サービスのプレパラートを購入している方であれば,このレベルの画像は取得可能ではないかと思います。筆者もそのむかし,応募しようかと一瞬思ったこともありましたがやめました。この程度のレベル(上の画像)であればいつでも撮影できるわけで,評価してもらう必要もないか,という気がしましたので。審査員としてならば参加しましょうか(笑)。きょうの画像はスタウロネイスという珪藻を並べたものを微分干渉法のカラーモードで撮影したものです(DIC,撮影/MWS)。





2008年10月25日


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これはJシリーズとして製作した放散虫プレパラートに含まれている一個体を撮影したものです。10月24日付けの画像の中心に写っている個体ですが,典型的な放散虫,といった格好で,強く太い骨針の透明感がなかなか美しいと思います。たくさん入手できればいいのですが,いまのところ新潟県の珪藻土から一つ見つかっただけです。ということで今秋配布分でこの放散虫が入ったプレパラートは一枚限定と言うことになりそうです。Jシリーズではめずらしい個体を拾って並べますので,こうした「限定もの」が多くなります(BF,撮影/MWS)。





2008年10月24日


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Jシリーズの製作準備が進み,プレパラートの作製に入りました。今期配布分は観賞用,テストプレート用,研究教育用標本などを重視して製作の予定です。上の画像は日本海側に産出する珪藻土に含まれていた放散虫を集めたものです(かなり貴重です)。これもJシリーズのプレパラートとして販売予定です。他に現世の放散虫を集めたプレパラートや,約10種類を整然と並べたテストプレートなどの試作品を製作中です。11月上旬にはいくつか掲示できると思いますのでお楽しみに(DF,撮影/MWS)。





2008年10月23日


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これはガラスの破片です。一片が数分の1ミリメートル程度の大きさです。ガラスは細かく割った破片でも鋭利そのもので,そのエッジは鋭い切れ味を持ちます。この画像も大きさを知らなければ肉眼サイズの破片と同じ形態です。このガラス片はカバーガラスを砕いて作ったものですが,封入剤の厚み調整用に使います。厚みがあって割れやすい標本を封入する場合は,封入時の硬化収縮などで標本が破損するのを防ぐために封入剤に厚みを持たせます。適当なスペーサーがあればいいのですが,手近に見当たらなかったのでカバーグラスを砕いて使っています。ガラスは意外に丈夫で,0.1ミリサイズの小片が欲しいのですが,金槌でたたいてもなかなか細かくなりません。圧縮強度は飛び抜けて高いからです(DF,撮影/MWS)。





2008年10月22日


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珪藻プレパラートを製作するという作業には,魅力的な珪藻を含む試料探しが欠かせません。珪藻は顕微鏡ではじめてその精緻な姿がわかりますので,筆者の心眼を持ってしても,現場ではどんな種がいるのかは判別できません(わかる場合もありますが)。しかし珪藻には定番中の定番ともいえる種があって,ぜひともそのような種は大量に集めたいところです。上の画像は,そのような願いが叶って?,ジュウジケイソウ(スタウロネイス)を豊富に含む試料が得られたときの画像です。下の画像をみてわかるように,無傷の個体が多く含まれていて,おそらく数千〜数万個体が良質な状態だろうと思われます。こうして,一種,また一種とコレクションが増えていき,Jシリーズなどの材料になります(DF,撮影/MWS)。





2008年10月21日


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先日採取した試料から小さな巻貝が出てきました。殻の高さ3mmほどで,とても綺麗です。早速表面を検鏡してみると,美しい斑模様のところどころに珪藻が見えます(上の画像)。中央付近の粒々がそれですが,おそらくコッコネイス属の珪藻が貼り付いているのでしょう。巻貝の表面にはこうした付着生物が多く,光を乱反射して白っぽくなるので,貝自体の美しさを撮影するのに妨げとなります。そこでグリセリンで表面を拭いて,珪藻などを見えなくして全体を撮影したのが下の画像です。照明とレンズが良くありませんので今ひとつの写りですが,表面の傷や珪藻が消えて貝の模様が見やすくなっているのがおわかりいただけると思います(DF,撮影/MWS)。





2008年10月20日


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きょうは久しぶりにステージハンドルとコンデンサ上下ハンドルのゴムを巻き替えたので撮影してみました。旧型機種などでは,ハンドルやツマミに金属が用いられているものも多いですが,一日中金属ハンドルを操作していると指先が荒れて皮膚がボロボロになってしまいます。これを防ぐのには指サックが有効です。ふつうの天然ゴムタイプでも良いですし,画像のように肉厚ゴムのタイプも有用です。適当な長さにカットしてはめるだけです。こうすると指先が荒れないばかりか,操作性が著しく向上するのでオススメです(撮影/MWS)。





2008年10月19日


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18日未明の相模湾は多少の風がありましたが比較的穏やかでサンプリング日和でした(画像1枚目)。久しぶりに潮位が大きく下がりましたので,夏から初秋にかけて増殖した珪藻が大量に入手できるのではないかと期待しています。特に今年は雨が多く,沿岸では大量の栄養が供給されたことと思いますので,珪藻には好都合だったことでしょう。それを物語るように,磯周辺は非常に滑りやすくなっていてたいへん危険でした。画像2枚目は歯ブラシで石に付着している珪藻を採集している様子で,遠方からLEDライトの光を白色容器に当ててランタン代わりにして,その明かりを頼りに,容器の中に歯ブラシで掻き取った珪藻を集めています。イソスジエビ,サラサエビ,イシガニ,ショウジンガニ,ウツボ,ガンガゼ,ムラサキウニ,アメフラシ,マナマコ,イトマキヒトデ,ギンポ,ハオコゼ,ソラスズメ,チョウチョウウオなど,サンプリング中にもたくさんの生き物が目に付きました。月夜で薄雲がありましたが,空には冬の星座も見え(画像3枚目),自然を満喫しました。なお,この星座の撮影を最後に,このデジタルカメラは星になりました。本体の一部が海水に一秒間だけ浸ったのですが,二度と起動することがありませんでした。数万枚の撮影に耐えましたから,よく働いた機材でした(撮影/MWS)。





2008年10月18日


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顕微鏡は非常に耐久性のある機材ですが,グリップなどの樹脂・ゴム部分は経年劣化があります。10年も過ぎるとかなりへたってきて20年もすればボロボロになります。こうした部分には少し手を入れてやるとまた使い勝手が向上します。きょうの画像は実体顕微鏡のゴムグリップの補修例です。釣具店に置いてある極太の補修糸を巻き付けて処理してあります。耐久性は抜群ですし,使用感も悪くありません。また各色ありますので気に入ったものを選べます。他に,コルクテープを巻くというのも良いアイデアでしょう。劣化の少ない,ホコリの出にくい素材を選ぶと良いと思います(撮影/MWS)。





2008年10月17日


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市販の顕微鏡はそのまま使えるようになっているわけですが,それが個々のユーザーにとって使いやすくできているかどうかはまた別の話です。使用方法も使用環境も異なるからです。少しの改良を施すとずいぶんと使い勝手が良くなったりすることがあります。上の画像はその一例です。実体顕微鏡で作業を行うとき,金属部分に指先がずっと接触していると,その部分が冷やされて,感触がなくなったりしびれたりすることがあります。そこで本革張りにすると作業性がとてもよくなります。覗く高さが合わない場合は肩こりに直結しますので防振ゴムで高さ調整しています。ピンぼけ像を長時間みていると目が疲れて頭痛につながりますので,緑色LEDでシャープな像を結ぶようにしてあります。照明角度は自在に調整でき,またLED4灯は,硬すぎず,しかしフレアが出ない程度の角度で集光しています。こうしたちょっとの工夫があるのとないのとでは,作業性は全く異なります(撮影/MWS)。





2008年10月16日


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きのうの画像でわかるように,透過照明(下から照らすこと)というのは逆光撮影になりますので,背景が明るくなり,物体が暗くなります。しかしこれを逆転させる方法があります。それは偏光を使うことです。コンデンサ(またはスライドグラスの下)に直線偏光板を入れ(ポラライザ),対物レンズ上にも偏光板(アナライザ)を入れます。簡易偏光法の配置です。ポラライザを回して背景が暗くなるところで止めると,物体が明るく浮かび上がります。これは,物体を通過した光が多かれ少なかれ偏光していて,アナライザを通過してくるからです。上の画像はそうやって撮影したものです。見ている像は物体の偏光特性なので,落射照明によって物体を浮かび上がらせた場合とは違った画像になります。それにしても,このダニ画像を見て「カニ」(特にハナサキガニ)を連想してしまうのは筆者だけでしょうか。ダニもカニも同じ節足動物なのですがー(Pol,撮影/MWS)。





2008年10月15日


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きのうの赤いダニを生物顕微鏡のステージに載せて,透過照明(下から照らすこと)するとこんな画像が得られます。落射照明による反射光で見ると真っ赤なダニですが,透過光で見ると茶色です。透過光で見ると,体全体の剛毛をまんべんなく観察できます。このような不透明体を透過照明で得た画像は処理に注意が必要です。背景が白飛びしているので,それに埋もれないように処理する必要があるからです。たとえばこのダニの剛毛は,オリジナル(2048×1536画素)から縮小(700×525画素)しただけでかすれてしまいます(上の画像)。そこでジャープフィルタを縮小前と縮小後に必要なだけかけて,見たい構造が残されるように画像処理を行います。下の画像はその例で,剛毛がはっきりと保たれています(BF,撮影/MWS)。





2008年10月14日


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試料処理に使うホコリよけのカップに赤い生物が見えました。1ミリもない大きさです。真っ赤なので,たぶんタカラダニだと思いましたが,検鏡してみました。タカラダニは春に大発生して話題になりますが,いまは秋ですし,上の画像に見られるように,このダニにははっきりとした剛毛が生えています。春先に見られるタカラダニとは異なる種類のようです。上の画像はダニの上面,下の画像はそれをひっくり返したものです。ふだん珪藻をつつきまわしていると,ダニをひっくり返したり,足を伸ばしたりする作業はそれほど難しくないように感じました(DF,撮影/MWS)。





2008年10月13日


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これは北秋田市の珪藻化石から見つかった素敵な珪藻です。いろいろな試料を検鏡している筆者としても,はじめての出会いです。数え切れないほど(おそらく数十万〜数百万粒)の珪藻化石をかき分けて探し,たった一粒だけ見つけました。桜の花を連想させるような優美な姿で,ぜひともたくさん欲しいものですが,いったいどうすれば良いのか皆目見当がつきません。形態から考えると,これはトリゴニウムという三角形の珪藻の,五角形バージョンのように見えます。三角形,四角形バージョンは大量確保に成功しているのですが,五角形はいったいどこにいるのでしょうか。存在すること自体,初めて知ったくらいですから,なかなか難しい課題です。誰か,この珪藻が大量に存在しているところがあったら教えていただけませんでしょうかー(BF,撮影/MWS)。





2008年10月12日


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きょうは北秋田市の珪藻土(珪藻化石)をつつきまわしていました。ここの珪藻土は高品質のものが多く,処理がうまくいけば粘土分の少ない珪藻が取り出せます(上の画像)。ここから放散虫や珪藻を拾い出す作業を続けているのですが,きょうは2時間以上も刃研ぎをしたせいか,今ひとつ指先の加減が効きません。上の画像で写っている珪藻は,その多くが0.05ミリメートル〜0.1ミリメートルです。ですからその程度で指先を操らなければならないのですが,腕が疲れていたり,お腹が空きすぎたり,部屋が寒すぎたり,いろいろな要因で指先の調子が変わってきます。どうにも調子の乗らないときは,気晴らしに珪藻をつつきます。きょうは珪藻化石でオリオン座を作ってみました。三つ星の下にある扇形は,ゴミではなくて,珪藻の破片です。M42オリオン大星雲のつもりです(DF,撮影/MWS)。





2008年10月11日


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細菌(バクテリア)は大体どのくらいの倍率から見えるようになるでしょうか。バクテリアの標準的なサイズが0.001〜0.003ミリメートルとすると,100倍に拡大して0.1〜0.3ミリメートルの大きさとなります。この大きさは肉眼の分解能ぎりぎりですので,ようやく粒々が判別できるという程度でしょう。400倍に拡大すれば0.4〜1.2ミリメートルの大きさになりますから,丸いとか細長いとか,形態もある程度わかるようになります。ということは,40倍対物レンズに10倍接眼レンズを用いて観察すれば,拡大率の観点からはバクテリアが見えるということになります。上の画像は総合倍率600倍で撮影したバクテリアのコロニーで,微分干渉法での撮影です。バクテリアのコロニーは排水管のぬめりから採取しました(DIC,撮影/MWS)。





2008年10月10日


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これはカルシウムが摂取できるというサプリメントの表面です。カキ殻カルシウム含有と書いてありますので,粉体にした貝殻が入っているものと思われますが,けっこう細かいようでよくみえません。ところどころに黒っぽい粒と薄片状の物体があるのでそれが貝殻かもしれません。全体としてはビスケットの表面を見ているようで,粉体を練って成型して,焼き固めたように感じます。実際の工程はどうなのでしょうか(DF,撮影/MWS)。





2008年10月9日


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これはトコブシの貝殻です。砂浜に打ち上げられた3cmくらいの貝殻を観察・材料用に拾ってきたものです。アワビとそっくりですが,貝殻にある穴が盛り上がっていないのでトコブシだとわかります。アワビは二枚貝か巻き貝か,などというクイズがありますが,こうしてよくみると巻き貝であることがよくわかります。貝殻にある穴は呼吸などのために開いているものですが,成長するとエラの部分も移動するために,新しい穴が開いて古い穴は塞がれます。この古い穴をたどっていくと,上の画像のように,発生初期の一ミリ程度の部分にも小さな穴の痕跡が見られます(DF,撮影/MWS)。





2008年10月8日


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MWSではほとんどの検鏡法においてLEDが使用できるようになっています。LEDライトは演色性があまりよくありませんが,熱を持たず,高輝度で,単色光も選べるという利点があります。実体顕微鏡でもLEDを常用していますが,上の画像はその一例で,駆動回路とそれにより点灯している白色LED(NSPW500シリーズ)です。ICを使った定電流回路を製作し,これによりLED(3.6-4V,20mA)が1〜8本の間で点灯できるようにしてあります。画像のように白LEDによる照明はもとより,紫外,紫,青,青緑,黄,アンバー,赤,深赤,赤外などの単色光照明も可能になっています(撮影/MWS)。





2008年10月7日


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沿岸から採集した生の試料ですと放散虫があまりにも少ないので,ここ数日は化石試料からの収集を検討していました。日本海側に良い保存状態の珪藻化石が出ますので,そこに混在している放散虫を取り出すわけです。生試料と同じく,化石であっても放散虫の数は少ないですが,化石の場合は大量の試料が簡単に入手できるのが強みです。日本沿岸の珪藻土の場合,粘土鉱物や火山灰にまみれていて珪藻や放散虫がなかなかきれいになりません。この点をクリアすれば放散虫採取用としても適当な材料です。上の画像は注意深く粘土鉱物を落としてきれいにした試料から拾い出した放散虫です。ある程度の数を集めることは可能になってきました(DF,撮影/MWS)。





2008年10月6日


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これはデンプンの画像ですが,何のデンプンかというと「くず粉」です。デンプンといえば馬鈴薯デンプンが一般的で,これは馬鈴薯を切って水にさらせば簡単に採集できますし,片栗粉として入手することもできます。この馬鈴薯デンプン(2008年1月23日付け画像参照)は大きいのですが,くず粉のデンプンは非常に小さくさらさらとしています。一見して形態が違うので,馬鈴薯デンプンではないことがわかります。もちろん,くず湯を作って一口味見をすれば,くず粉の香りが広がってすぐにわかります。しかし顕微鏡観察の良いところは,その検出能力の高いところです。馬鈴薯デンプンとくず粉を混ぜたものがあったとしても,一目見ればすぐに判別できます。味で判別するのはきっと難しいことでしょう(oblique,撮影/MWS)。





2008年10月5日


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東北方面から珪藻土が入荷しました。前回(6月3日付け画像参照)と同じ方からの協力で,異なるサイトの試料を入手したとのことです。願ってもないことで,このようなご協力に心から感謝の意を表する次第です。さて,この原石は固く締まっており,けっこう密度もあり,珪藻土っぽくありません。粘板岩や泥岩の感触に近い感じもします。そこで顕微鏡で覗いてみましたが,上の画像のように,火山灰由来かと思われる粘土鉱物にまみれて,ところどころ珪藻が顔を覗かせています。こんな観察でも,この原石が珪藻化石を含む堆積岩であり,形成場所は海底であったことがわかります。この試料からはどんな化石が出てくるでしょうか(DF,撮影/MWS)。





2008年10月4日


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きょうは12時間以上もの間,顕微鏡下の作業を行っていました。珪藻拾いの作業ですが,一日は1440分しかありませんので,1分間に一つ,良い個体を探し出してピックアップしたとしても,12時間の作業では720個体しか拾えません。上の画像はおおよそ1000個体くらいあるものと推測されますが,拾い出しには相当な日数を費やしています。これでも,50個体並べたスライドにして20枚分にしかなりませんから,まだまだ足りないのです。過去の文献で見た最大のアレンジスライドは1142種が整然と一枚のカバーグラスにならべてありました。それがすでに19世紀に作られていたのですから,いったいどのくらいたいへんだったのか,想像することもできません。なお上の画像は緑色LEDの作業用照明で撮影しています(DF,撮影/MWS)。





2008年10月3日


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次回のJシリーズでは放散虫も供給できるように準備を進めています。放散虫は珪藻と同じくらいの大きさで,頑丈なケイ酸質の骨格があり,その立体構造はゴージャスなシャンデリアのようです。それでこの放散虫を並べたスライドを製作したいのですが,いかんせん数が少なすぎます。試料にもよりますが,珪藻数千〜数万粒に一個体くらいしか見当たらないので,たいへん貴重なものになります。化石を使うともう少し集められますが,破損個体や粘土にまみれた個体が多くなります。チャートをフッ化水素分解すれば放散虫が取り出せますが,現世種の精密な構造を再現というわけにはなかなかいかないようです。それで,まずは日本沿岸にいる放散虫でスライド製作を試みます。上の画像は相模湾から採集した試料中から取り出した放散虫です。たったこれだけですが,集めるのにかかった労力はなかなかのものです(DF,撮影/MWS)。





2008年10月2日


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これはカサ(雨傘)の布地です。実体顕微鏡での撮影です。カサの布地はふつうの布と大して変わりがないように見えます。たとえば6月10日付けの画像と比較しても,開口の大きさがやや小さい他は同じような感じです。しかしこの開口部分をよくみると,何かでふさがれているように見えます。試しにLEDで裏側から照らしながら観察すると,どうやら透明な樹脂のようにも見えます。古くなったカサが破れてもいないのに雨漏りするのが昔から不思議だったのですが,この樹脂が劣化してなくなったものと考えれば納得です(DF/BF,撮影/MWS)。





2008年10月1日


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珪藻を並べる前に,欲しい種を拾い出して集めておくことは以前に記しましたが,たとえばこんな作業になります。まず珪藻を含む混合試料を広げます(上の画像)。この中には様々な珪藻がいて,壊れているものもあれば,被殻が分離していないもの,鉱物で汚れているもの,絡み合って外れないもの,残留有機物で貼り付いて剥がれないものなどがあり,完全な個体はむしろ少ないほどです。ここから顕微鏡下で欲しい種を拾い出し,ストックします。画像2〜5枚目はその例ですが,状態の良い個体をここまで集めるのにはかなりの時間がかかります。また,作業上の難しさもあります。珪藻はなるべく高倍率で確認したいのですが,あまり倍率が高いと作業上支障があります。照明条件により観察像は様々に変わります。かすれたようにしか見えない珪藻(らしきもの)を拾い上げなければならないこともしばしばです。また,静電気の具合によっては,遠くに飛んで二度と見つからない個体があったかと思えば,いくら外そうとしてもまとわりついて離れないものもあります。こうした作業を通して集めた珪藻はガラス板上に保管しますが,うっかりピンセットをぶつけたときなど,白い粉が舞い上がりすべての作業が無に帰したりします。しかしこの種の作業は(たいへんですが)練習次第で何とかなります。これよりももっと難しいのは,この集めた珪藻を並べる作業と,フィールドから目的の珪藻を探し出す作業です(DF,撮影/MWS)。






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