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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2008年6月30日


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蚊の羽(コガタアカイエカ,他)は数枚のプレパラートとなりましたが,大切に保管していた試料であることもあって,けっこう構造が保たれています。羽の外側には鱗粉のようなものが取り巻いているのですが,古くなった試料ではこれが落ちていることがあります。上の画像には,縁の鱗粉が整然と並んでいる部分が写っていて,原型が保たれていることがわかります。昆虫の羽などは透明なものが多く,このような試料は暗視野照明で検鏡すると輪郭がわかりやすくなりますので,明視野照明と併用しながら観察すると良いでしょう(BF,撮影/MWS)。





2008年6月29日


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これは昨日(28日)に近くの山で採集してきたきのこです。トレーに載せるとおいしそうに見えるでしょうか。ごくふつうのきのこで,「シメジ」だと思ってこのきのこを食べた人も多いのです。そして食べてしまった人は下痢・腹痛・おう吐を繰り返し,苦しい一晩を過ごしたことでしょう。このきのこは和名をクサウラベニタケといい,この時期から秋まで身近に見られる毒きのこの代表種です。筆者の身近にも「毒だから絶対食べるな」と念を押したのにこっそり食べて苦しんだ人がいます。それほど食べられそうに見えるきのこです。このきのこの胞子は多角形型であることが特徴です。「シメジ」の仲間は丸っこい胞子なのです。きのこ狩りをする人たちが顕微鏡を持ち,自分が食べる分だけでも検鏡観察するならば,きのこによる食中毒は激減することでしょう(BF,撮影/MWS)。





2008年6月28日


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昨日の羽(コガタアカイエカ)をアクリル系封入剤で封じてみました。気泡が入りやすく,歩留まりが悪くなりがちなのが面白くありません。まだまだ技能的に未熟な証拠です。うまく封入できたものを観察してみると,とてもよく見えます。低倍率から高倍率まで鮮明に見え,光学的な問題はなさそうです。室内に侵入した蚊は手づかみで捕獲し,乾燥して保存していますが,一夏で30個体弱ほどが得られます。羽は60枚とれますから,歩留まりを7割とすれば40枚ほどのプレパラートになります(oblique,撮影/MWS)。





2008年6月27日


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蚊の羽をプレパラートにして欲しいという要望がありましたので取りかかっています。小さな昆虫を分解する作業には小さな道具が必要になります。蚊の羽根はピンセットでも外すことができますが,傷だらけになる恐れもあるので小さな刃物を作りました。画像は0.5mmのステンレス線を研いで作った刃物と,それで切断された蚊の羽です。こうした小作業は意外に簡単ですが,これをきれいに封じるにはどうしたら良いでしょうか。勉強の日々です(epiDF,撮影/MWS)。





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昨日のDemodexは腹側からの画像でしたが,背中側からも撮影できましたので,尾部の表面構造とあわせて掲載します。この生き物は和名をニキビダニ,俗に「顔ダニ」と呼ばれていて,ヒトの皮脂腺などに生息しています(顔だけではありません)。成人への寄生率は100%ではないかとも言われ,皮膚に常在細菌がいるように,腸内に大腸菌がいるように,ヒトとともに存在する生物です。おそらくは,皮膚の角質カスや常在菌などを食べてくれているのでしょう。「顔ダニ退治」などの言葉に惑わされて,薬用セッケンや薬剤を乱用すると,かえって皮膚の健康を損ねる恐れがあります。この生物は,ヒトに悪さをもたらさないことはすでに歴史が証明していますので,仲良く暮らすのがいちばんです。ふつーに顔を洗ってふつーに暮らせばよいのです(BF,撮影/MWS)。





2008年6月25日


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これはDemodexという生物で,人の生活圏内なら発見は容易な生物とされています。しかしこれまでに何度も採集を試みたのですが果たせず,近頃ようやく観察することができました。知名度もあり,顕微鏡観察家なら見たことのある人も多いことでしょう。この画像は20倍対物レンズを用いていますが,大きさもちょうどよく,迫力ある姿が観察できます。生きているものをグリセリンでマウントしましたが,数十分は観察可能なようです。尾部には蛇腹ホースのような構造があり,胸部はよちよち歩きをするクマムシを連想させ,見ていて飽きない生き物です(oblique,撮影/MWS)。





2008年6月24日


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ここのところの雨で植木鉢の水受けにはいつも水が溜まっています。一ヶ月前には乾燥していた水受けですが,しばらく水が溜まっただけでいろいろな微生物が繁殖してきて一つの生態系ができあがります。ときおり顕微鏡で覗いてみるのですが,ゾウリムシ,ワムシ,緑藻,貧毛類,少数の珪藻など,だいたい同じ分類群が発生してきます。乾燥に耐え,環境適応力が高い種は限られているのでしょう。不思議なことは,必ず藻類と動物が沸いてきて,発生する藻類を食べる動物,動物や植物に群がる細菌,細菌を食べる動物という系が発達してくることです。画像はこの水受けに出現した貧毛類?で,緑藻を食べています(oblique,撮影/MWS)。





2008年6月23日


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これはカイコが吐き出した絹糸の画像です。マユの部分ではなく,マユを支持して壁とつながっている部分の絹糸です。ふつう糸というとナイロンなどのように真円〜楕円の断面を思い浮かべますが,絹糸はかなり不規則な形をしていて,ところどころにヒラヒラする部分も見られます。おそらくは吐き出す直前までは流体で,何らかの化学反応で重合・固化して糸になるものと想像しますが,次々と吐き出される糸が状況によっては断面が変化するということなのでしょう。簡易偏光で観察すると,偏光性があるように見えます。かつては国内の重要な産業であった絹糸製造ですが,現在は風前の灯火です。しかしこの昆虫の吐き出す糸は今でも世界中で利用されており,重要性が減じたわけではありません。太陽光がクワを育て,そのクワを食べてカイコが育ち,カイコの作る糸が人間に利用される。この生態学的な連鎖は今後も地球上のどこかで続くことでしょう(BF/Pol,撮影/MWS)。





2008年6月22日


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トマトの皮は切れ味の鈍った包丁に抵抗する代表的な食材です。あの薄い皮がなぜ刃物に抵抗できる強度があるのかと,検鏡してみました。10倍対物レンズを用い表側から観察すると,かなり緻密な細胞がきっちりと詰まっていて綻びがありません。おそらくこれが一つのヒントなのでしょう。表皮の裏面を同じ倍率で観察すると,果肉の細胞が見えますが,まるで水の入った袋です。大きさも緻密さもまるで違います。果肉の食感は柔らかでジューシーですが,そのようなものは顕微鏡下では水の袋に見えることが多いようです。トマトの赤い成分はリコピンとされていますが,上の画像にも赤い針状結晶がたくさん見えています。おそらくこれがリコピン含有物でしょう(BF,撮影/MWS)。





2008年6月21日


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6月17日付けの画像では放散虫に色を付けてみましたが,こんどは珪藻に色を付けてみました。同じ技法を使っていて,コンデンサの外周部に色つきセロハンを配置し,コンデンサ中央部はマイルドに遮光して輪帯照明としています。画像をよくみて下さい。珪藻の格子を観察すると,特定の方向が決まった色に着色しているのがわかると思います。コンデンサの外周部に配置された青,赤,黄,緑のセロハンによって着色に方向性が生じているわけです。この方法をうまく使うと,縦横を別の色にしたり,微細構造と粗大構造を異なる色にしたり,バックを紺色にして海中のような背景光にしたりすることができます(Rheinberg/col,撮影/MWS)。





2008年6月20日


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そろそろ蒸し暑くなってきて,プール開きも近い季節になってきました。水泳用のプールでは,水質を維持するために浄化装置を運転していますが,そこに白い粉を投入した経験を持っている方もおられることでしょう。あの白い粉は珪藻土を焼成分級(有機物を焼却除去し,粒度を揃えたもの)したもので,ろ過剤・ろ過助剤としての役割を持っています。上の画像はろ過用珪藻土を水でマウントして撮影したものです。たくさんの珪藻破片がみられ,よく観察すると海の珪藻からできていることがわかります。1千万年以上も前の海で増殖していた珪藻が,現代生活に有用な資源となっているのです(DF,撮影/MWS)。





2008年6月19日


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光学顕微鏡は文字通り光を使って微細構造を顕わにする道具です。その発達には光に関する深い考察と研究の歴史があります。それを利用する私たちも光に関する知識を深めておいた方が良いことは言うまでもありません。そこできょうの画像は,天下の文部科学省が配布する一家に一枚シリーズから,『光マップ』をご紹介しましょう。専門家が執筆したこのシリーズはどれも面白いですが,この『光マップ』は波長別の特徴がまとめられていて電磁波の性質理解にたいへん有用です。上記の画像は可視光の一部しか表していません。ぜひ現物にアクセスしてお確かめ下さい(配布先:文部科学省,画像一部加工/MWS)。





2008年6月18日


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カラー印刷された10枚セットの紙片から一枚を抜き取り検鏡してみました。この紙片は特定の通し番号が振ってあり,その番号によってはドリームがもたらされるらしいのです。しかし手元の紙片からは落胆しかもたらされなかったという現実があります。そこで気分一新,カラー印刷面を検鏡すると,なるほど極彩色が広がります。蛍光検鏡で鮮やかに見える部分もあります。そして肉眼サイズ以下のアルファベットも印字されています。しかしこの検鏡によってもドリームは見つかりませんでした(BF/epiFL,撮影/MWS)。





2008年6月17日


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カラーコントラスト法は微分干渉や偏光法の専売特許ではありません。古くからレインバーグ照明法(異色照明法)という手法が知られていて,それによれば透明体に対して光学的に着色した像を得ることができます。上の画像はその応用ですが,ハネノケアクロマートコンデンサの高開口数となる部分に色つきセロハンを置いて,試料を高開口数で照明する部分に着色しています。この画像ではさらに拡散光による輪帯照明を同時に施し,得られた画像はネガ反転しています。無色透明な放散虫が鮮やかな色で表現されています(Rheinberg/col,撮影/MWS)。





2008年6月16日


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これは半透明ポリスチレン板の画像です。ポリスチレンは透明な樹脂で容器やケースに多用されています。ものによってはこの画像のような表面処理によってざらざらにしてあるものもあります。CDROMのケースなどでよくみかけます。このざらざらは,凹凸の微少なレンズが敷き詰められているような構造になっていますので,ここを通過した光は拡散光になります。そこでこの素材を拡散光照明用のディフューザー(拡散板)として使うことができます。耐久性は劣りますが照明ムラなどを取り除きたいときや拡散光を用いた特殊照明を施したいときなどに有用です(BF,撮影/MWS)。





2008年6月15日


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微分干渉法による検鏡では,光を透過する試料の厚みがわずかでも異なれば,それを明暗またはカラーのコントラストとして表現できます。その検出感度は明視野透過照明を大きく上回りますので,低コントラストの物体に対しては大きな効果があります。一方,高コントラストの物体に関しては,微分干渉法を用いても,必ずしも細部が観察しやすくなったりしない場合があります。むしろ明視野透過照明法の方が,解像に方向性がない分,好ましいこともあります(上の画像)。このような事情があるにしても,微分干渉法を用いて,色彩効果を狙った撮影が行われる場合が多くあります(下の画像)。分解能向上よりも,人目を惹きつける効果を狙ったものと言えるでしょう(BF/DIC,撮影/MWS)。





2008年6月14日


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窓際でチョウが干からびて死んでいたので,羽を検鏡してみました。子どものころによく覗いたものですが,整然と並ぶ鱗粉は何回見ても飽きないものです。4倍対物レンズでも上の画像のように鱗粉が鮮明に観察できます。総合倍率で100倍もあれば,鱗粉の持つ微細構造も見えてきます。鱗粉には電子顕微鏡レベルの微細構造もあって,この構造により干渉色が生じ,これがチョウの羽の鮮やかな色彩のもととなっています。鱗粉一枚一枚の微細構造を観察する場合は封入剤で封じて透過照明を行いますが,干渉色を観察するには試料の斜め上側から照明を行います(epiDF,撮影/MWS)。





2008年6月13日


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サンプリング時に砂浜を歩いているとカイメンが打ち上げられていました。すでに骨格だけになっていましたので,骨針の採取用によいと思い持ち帰りました。手触りがやや柔らかに感じたので念のため検鏡してみると,どうも骨針はないようです。ガラス海綿については本日の画像4月13日付けで取り上げていますが,明らかに形態が違います。試しに火であぶってみると焦げます。これはタンパク質でできた骨格のようで,俗に沐浴海綿(モクヨクカイメン)と呼ばれている種類のようですね。ガラス海綿の場合は焼いても焦げません(epiDF,撮影/MWS)。





2008年6月12日


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これは6月10日付けの画像で掲示したポリエステル繊維と同じものです。白い繊維には蛍光剤が含まれていることが多いので,試しにブラックライト(400nm)で照明するとよく光ります。この場合自己発光体を撮影していることになりますので,透過照明で撮影したものとは全くイメージが異なります。蛍光剤は繊維全体に含まれているようです。落射蛍光で観察する場合,表面の輝度が高くなるので,表面付近の構造が観察しやすくなります(epiFL,撮影/MWS)。





2008年6月11日


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ミョウガの花穂は夏の食材として定番ですが,この赤紫色が気になり検鏡してみました。植物の赤紫色というとアントシアニンが思い浮かびますが,web上を検索してみるとミョウガもアントシアニン系色素を持っているようです。低倍率で検鏡しても大きな細胞がはっきりとわかり,その中に赤紫色の色素が詰まっているものがいくつもあります。花穂の表面には気孔もみられます。蛍光観察を行うと,アントシアニン色素部分は無蛍光で,細胞の特定部分だけが青色蛍光を発します。これは何でしょうか。他にクロロフィルの赤色蛍光と思われるものがごく僅かに見られます。ミョウガは入手しやすく,細胞も大きいので,理科教育の教材としては適しているように感じました(BF&DF/epiFL,撮影/MWS)。





2008年6月10日


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これはポリエステル繊維で織られた布の画像で,スカートの裏地によく使われているものです。上の画像は4倍対物レンズを用いたものですが,やや不規則ながらも,0.03〜0.05mm程度の開口を持つメッシュとなっていて,ろ過用途に使用できそうなことがわかります。10倍対物レンズでは繊維の交差がよくみえます(下の画像)。理科教育などの現場ではナイロンストッキングを使ったプランクトンネット作りが定番ですが,ストッキングは網目が荒く,小さなプランクトンは抜けてしまうこともあります。その点,このポリエステル繊維は目が細かく,小さなプランクトンや原生生物も濃縮することができます。たとえば,茶こしの枠を利用して小さなプランクトンネットを作り,そこに試料水をゆっくり注いでプランクトンを濃縮すればよいわけです。廃棄する衣類があれば,一度顕微鏡で覗いてみて,何かの素材として使えるか検討すると思わぬ発見があるかもしれません(BF,撮影/MWS)。





2008年6月9日


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これはプレウロシグマという珪藻で,斜めに交差する規則正しい刻印を持つことで昔から有名な種類です。ここで昔から,というのは1800年代中頃から,という意味で,当時のヨーロッパではこの珪藻をいかに美しく撮影するかを競ったかのような記録が残っています。日本でも,メガネケイソウという和名があり,これは対物レンズのテストができる珪藻,というほどの意味です。この由緒正しい珪藻を含む試料を調整できましたので,リサーチグレードとして供給を開始いたします(BF,撮影/MWS)。





2008年6月8日


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これは巻貝(マツバガイ)の歯舌です。岩に付着している藻類を餌とする巻貝などでは,これを剥がすために丈夫な歯をもっており,これが歯舌(しぜつ)です。長いベルトに丈夫な歯が生えており,固い基盤に付着している藻類でも強大な力で引き剥がして食べることができます。口にベルトサンダーが備わっているような感じですね。実体顕微鏡サイズでもよく見えますので,ヒザラガイやカサガイの仲間を手にする機会があったら検鏡してるのも面白いかもしれません。この歯舌の歯の部分は非常に固いので,人が食べても砂を噛んだようなシャリシャリとした感触があります(DF,撮影/MWS)。





2008年6月7日


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6月5日は雨のためサンプリングが中止になりました。翌日(6日)は晴れましたが,今度は風が強く波打ち際にはほとんど近づけませんでした。波が回り込んでこない岩場に出向いても,先月まであった海藻類が跡形も見られません。ここのところの荒天ですっかりはぎとられたようです。タイドプールもかなり洗われていて,また,相当量の漂着物がありました。小型船の船外機が千切れて岩場に突き刺さっているのは恐ろしい光景でした。収穫はほとんどありませんでしたが,わずかな量のヨコエビの巣を見つけたのでそれを持ち帰りました。ヨコエビは砂を材料に自分の巣を作りますが,その砂に混じって珪藻が入っていることがあるのです。珪藻を集めるのもなかなか大変です(撮影/MWS)。





2008年6月6日


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6月3日付けで紹介した珪藻土はかなり質のよい物であることがわかってきました。すでに教育用珪藻プレパラートの一部に使用を決めましたが,リサーチグレードにもラインナップとして加えられそうです。上の画像のように豊富な中心目珪藻を含み,また,海綿骨針や放散虫もたくさん入っています。よい珪藻土は時間をかけて集積したものを一度に観察できるので,少々破片が多いことを気にしなければ,たくさんの種が観察できて楽しいものです。もちろん,楽しいだけでなく,顕微鏡対物レンズのテスト用や,写真の練習用にも役立つ実用性の高さも持ち合わせています(oblique,撮影/MWS)。





2008年6月5日


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6月4日の相模湾は前日の台風の影響が残り,かなり荒れていてサンプリングはできませんでした。仕方がありませんので,付近の珪藻を含みそうな石ころと,貝を拾って時間をつぶしました。比較的波が静かな場所で水面に近づくと,ムカデミノウミウシがいました。画像ではよく見るウミウシですが,実物ははじめてです。そっとカップにすくって撮影させてもらいました。ヒジキのふさふさを真似たかのような形態が美しく,みていて飽きないウミウシです。体内に共生藻を持っているとされています(撮影/MWS)。





2008年6月4日


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MWSでは初心者でも気軽に楽しめる教育用珪藻プレパラートの販売を開始いたしました。海・川・池(沼)の珪藻と化石珪藻のラインナップで,セット品はさらに低価格になっています。低コストで多くの珪藻を楽しめる教育用珪藻プレパラートを趣味に,教育に,課外活動に,プレゼントにご活用下さい(撮影/MWS)。





2008年6月3日


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今度は東北地方から珪藻土が入荷しました。産出する場所はたくさんあるのですが,日本海側に良い産地が多いのです。そこで地元の方に採集のお願いを申し上げたところ,親切にも質のよい珪藻土を迅速に送って下さいました。願ってもないことで,心温まる経験が増えました。この珪藻土は精製して広く配布できればと考えています。さっそく珪藻土の破片を顕微鏡で見ると,ところどころに珪藻と海綿の骨針が覗いています。珪藻も原型にちかいものが含まれており,保存状態のよさを示しています。珪藻の間を満たしている粘土鉱物は微細なものばかりで,除去することが可能だと考えられます(撮影/MWS)。





2008年6月2日


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これはアラメ場・カジメ場の様子です。きれいな海の岩場では,比較的水深が浅いところにアラメやカジメが繁茂する海中林が形成されます。ワカメなどもこの位置に繁茂します。この大型藻類がゆらゆらと動く一帯はとても生産性が高く,また多くの海産動物の住み処ともなっています。さて,この大型藻類,じつは珪藻と非常に近縁な生物なのです。大きさは一万倍も違いますが,珪藻と褐藻をすりつぶして色素成分を分析(比較)すると,クロレラやアオコなどと比較してもずっと類似性が高いことがすぐにわかります(撮影/MWS)。





2008年6月1日


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新しい試料が入荷すると洗浄,脱脂,酸化分解,水洗い,粘土除去,有機物残渣除去,再酸化分解,水洗いなどの処理を経て,マウント用の試料となります。海産珪藻などの場合,混入する有機物が多く,きれいに処理するのにかなり時間がかかり,あまり面白くない作業が続きます。しかし作業が完了すれば,あとはマウントして顕微鏡で覗く楽しい作業が待っています。きょうの画像のように,美しい形態の珪藻が完璧な姿を保っているのを見ると一安心です(BF,撮影/MWS)。






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