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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【今月】 原子力災害関係の記事だけを見たい人は こちら をどうぞ(2011年9月再開)。 2011年11月30日
岩手県釜石市にある県の水産技術センターに行ってきました。このセンターでは顕微鏡が大量に流失し,まったく業務ができないとのこと。このうち,赤潮,貝毒予測の専門家から,津波をかぶった顕微鏡は塩抜きして保管してあるがどうにもならない,捨てるにもあきらめきれない,使い慣れたBH2がどうしても手元に一台ほしい,との依頼が筆者のもとに届きました。依頼者は機材を送付して修繕して欲しいようでしたが,現物を見ないと修理可能か判断できませんし,一度海水に沈んだらまず修理は不可能なので,現地まで行くことにしました。 2011年11月29日
筆者がクロネコヤマトを褒めすぎたせいか,超高圧水銀灯の破損事故が発生しました。5年ほど前にも超高圧水銀灯のチョークコイル型電源のフレームを曲げられたことがあって,どうも,筆者は水銀灯関係の輸送時にはクロネコさんとの相性があまりよくないようです。このランプは高価で小さくない損失なのですが,今回は大目に見ることにしました。上の画像を見ればわかるように,超高圧水銀灯がポッキリ折れていますが,このランプホルダは振動時には片側のソケットに過大な力がかかる設計なのです。ランプは外しておくべきでした。勉強不足を痛感した出来事です(画像/MWS)。 2011年11月28日
旅先に連れて行きたいアイテム,皆さんは何がありますか。筆者は,そのむかしは一眼レフにレンズごろごろでしたが,最近はデジタルカメラが小さく軽くなってホント助かります。軽くなったリュックに新たに詰め込まれるようになったのは,望遠鏡です。設計不良の粗悪な中国製望遠鏡を分解し,きちんと光学性能が出るように作り直し,アメリカンサイズのアイピースを付けられるように改造し,ついでに徹底的に軽量化し,さらにコンパクトになるようにしたものです。水筒よりも軽いおもちゃのような望遠鏡ですが,e線のフィルタを付ければ木星の大赤斑も見えることを実証済みです。これを光害の少ない地域に旅行するときに持っていくわけです。うまく晴れれば,それは素晴らしい眺めなのです(画像/MWS)。 2011年11月27日
筆者はストレスが襲ってきてもとくに発散することもなく毎日の晩酌とともに飲み込んでいたのですが,あるときそれを続けていたら大量の白髪が発生して驚きました。まだ20代の半ばなのに床屋さんが気にして抜きはじめたくらいです。すごいですね,ストレスホルモンというのは。種々の細胞に働きかけて機能を変質させるのですから。人間の身体というモノは不思議なもんだと思いました。ここ10年くらいは,検鏡がよい具合です。強力なストレッサーがときどき現れるのですが,そういうときは珪藻を検鏡しながら照明法の追求を続けていると,ストレッサーの影響を最小限にできるようです。じっさい,そのような生活を始めてから白髪が減りました。すごいですね,珪藻というのは。繊細な美しさが脳に働きかけてストレスを減らしてしまうのですから(画像/MWS)。 2011年11月26日
『ずかんプランクトン』は素晴らしいですね〜というメールがちらほら舞い込むようになってきました。ありがたいことです。この本,ホントに編集者の目のつけどころが良く,画像選別する目も確かで,筆者も感心させられました。構成も面白く,多様なプランクトンの世界をいろいろな視点から紹介しています。そしてまた秀逸なのはイラストです。プランクトンの構造を的確に押さえたイラストは,写真だけではわかりにくい構造を上手く説明しています。このイラスト,友永たろさんの担当です。筆者も一度お会いしましたが,要点をとらえるセンスが光っているように感じられました。その友永さんのブログはこちらにあります(画像/MWS)。 2011年11月25日
そのお勉強の成果が,たとえば上のレンズ。これよりも良いレンズはたくさんあるけれども,買い物1回ごとに清水の舞台から飛び降りなければならない貧乏学生には,価格と性能のバランスを見れば最高の買い物といってもいいでしょう。トキナーSL17mmF3.5,今では知る人も少なくなった手軽な超高角です。このレンズは夕焼けの撮影用にと考えたものだったのですが,かなり周辺減光があって,撮影はむずかしいものでした。その代わりに,スナップに活躍しました。狭い部屋にたくさん人を詰め込んで大宴会のときなど,全員を一度に写せるので便利なこと。またサンプリングなどの全景を一枚で写すのにも好都合でした。300mmF5.6は中学生のときに望遠が欲しくて買った2本目のレンズですが,安価にもかかわらず性能は十分なものでした。これの記憶に残る一枚は,修学旅行で相輪(そうりん)を撮影したものです。スナップ写真をみてきゃぁきゃぁ言っているクラスの女の子は,「こういう写真を撮るのは何?何の意味があるの?バカみたい」と陰口をたたいていましたが,いいんです…。写真なんて所詮自己満足の世界ですから(画像/MWS)。 2011年11月24日
これは筆者の中学〜高校時代の愛読書で,今も捨てられません。お金のない中学生は,年に一度,お年玉を注ぎ込んでレンズを買うのが精一杯です。だから間違った買い物はできないのです。カタログは隅々まで読み,テストレポートは丸暗記してしまうくらい何度も読んだものです。きょうの画像の本は,カメラレンズのテストレポートが延々と掲載されているという,一般人には理解のできない代物ですが,この本からは大変多くを学びました。特に,中二病の一つとして,ニコン病にかかっていた筆者は,この本により病が治りました。以後,ニコンを買うくらいならトキナーレンズを購入して現在に至ります。 2011年11月23日
皆さんはコンパスカッターをお持ちでしょうか。筆者はコレが市販されていることを知らずに人生を長く過ごしてしまい,十数年前に学校の先生から教わったときには素晴らしいものを教わった気持ちで一杯になりました。何しろ,それまでは,ふつうのコンパスにドライバーを研いで作った刃を取り付けるなどして使っていたのですが,ねじれ剛性が低く,ほとんど実用性はなかったのです。なのでハサミでチョキチョキやることもしばしばでした。ところがこのコンパスカッター,プラスチックの割りには丈夫に作ってあって,けっこう精密なカッティングもできます。光学系を手入れしていると,遮光環や開口絞り,偏光フィルタ,ディフューザーなどのドーナツ型や円盤形の薄板が必要になることもしばしばです。そんなとき,このカッターは大変役に立ちます。上の画像は蛍光観察用対物レンズに落とし込み絞りを入れようとしているところです(画像/MWS)。 2011年11月22日
【お詫び】 毎年一度は販売している珪藻プレパラートJシリーズですが,本年はこのプレパラートのためのまとまった作業時間(少なくとも50日)をとることができず,本年中の販売見込はなくなりました。お待ち頂いているお客様にはまことに申し訳なく,お詫び申し上げます。 2011年11月21日
珪藻のずかんとなると,一気に専門的になり手軽に入手というわけにもいきません。このコーナーでもいくつか紹介してきましたが,いずれも高価格の本が多く,上等な日本酒が五升〜十五升も買えるほどです。上の画像も有名な本の一つです。ドイツ語の本で,中身は珪藻の一部の属について延々と分類のデータと図版が続いています。珪藻学者であればお持ちの方も多いと思います。このような本が日本語でも次々と出版されると有り難いのですが,需要が少ないでしょうから,難しいでしょうね(画像/MWS)。 2011年11月20日
きのうの本と一緒に連れて帰ったのがきょうの画像『日本の海産プランクトン図鑑』です。この本は,出版されたことは知っていたのですが,買おう買おうと思っていてついつい先延ばしになっていました。第一線の研究者によりまとめられた図鑑で,何より,この種の図鑑が一般向けに発売されることが素晴らしいです。いままでは,淡水の生物に関しては図鑑も出ていたのですが,海の珪藻や鞭毛藻となると,一般の方々の目にふれるような図鑑は少なかったのです。この図鑑の評価はすでに確立していて,それはamazonのレビューを見ればわかります。この種の文献としては驚くレビューの多さです(画像/MWS)。 2011年11月19日
先日のつくばでの集まりのときに,同席した研究者から教えてもらったのがきょうの画像『淡水微生物図鑑』です。確かな顕微鏡技術による美しい画像が満載で,収録種数も多いので大変参考になります。こういった本は,枕元に転がしておいて,パラパラと見ていると自然に頭に入ります。それにしても,最近,古書店ばかりでふつうの書店に行くのをさぼっていたのですが…。やっぱり本は,本屋で手に取ってみないとわかりませんね。深く反省した次第です。ご紹介頂いたM先生には御礼申し上げます(画像/MWS)。 2011年11月18日
蛍光顕微鏡の投光管ほか一式をメンテナンス中です。この機器も津波の被災地で活躍する予定です。蛍光顕微鏡(300万円〜)のような高額機器は,震災といえども,そう簡単に予算が認められるものではないので,被災地では顕微鏡を用いた業務が著しく困難になっています。整備された蛍光顕微鏡を丸ごと貸出可能な機関は少ないと思うので,当サービスの保有機材を活用して全力で応援するつもりです。本ページの読者ならご理解頂けると思いますが,検鏡を仕事としている人は,顕微鏡の前に座っていると心が落ち着くのです。当サービスが機材支援を行うのは,被災地の研究者に,落ち着く時間を提供できればと考えているからです(画像/MWS)。 2011年11月17日
さいきんはトマトといえば桃太郎です。けっこう熟れたものが出回るようになったのは有り難いのですが,桃太郎は皮がかったいので,口触りがよろしくありません。ひまなときは湯むきしたりしていましたが,湯の使い途がないときなどはもったいないし,手間もかかります。それで最近はリンゴの皮むきのように,トマトも包丁で皮をむいています。丸尾山砥石のお陰で,まったく問題なくするすると皮がむけ,湯むきよりも薄くて無駄がないと思うほどです。 2011年11月16日
津波の被災地では業務再開に向けていろいろな活動が始まっています。しかし津波をかぶるというのは大変なことで,現場を仕事のできる状態に持ち込むだけでも,容易な作業ではありません。筆者のところには,県の水産技術センターから,顕微鏡十数台以上が津波をかぶり全損で仕事にならない,どうにかならないかとの連絡が入りました。残念ながら,海水をかぶった顕微鏡は,まず修理不可能で,一部の部品救済を目指すしかありません。しかし,赤潮監視業務や,貝毒モニタリングの仕事は,国民の食品安全に結びつく大切な仕事です。そこで,筆者の機材をやりくりして,二台の研究用顕微鏡をセンターに発送しました。筆者の顕微鏡ですから,フタをあければパーフェクトに見える,すぐ使いの品物です。仕事の即戦力になることと思います。 2011年11月15日
今年は(有り難いことに)法人様からの問い合わせがそれなりにあり,いろいろな作業が発生しています。けっこう忙しくて大変なのですが,その合間に研究用の機材を仕入れたりしています。本来は3月に購入するはずだったものが,今ごろ入手することになったりと,予定も何もあったものではありません。それもこれも震災,原子力災害の影響が大きすぎました。災害以前からもいくつかのシナリオを見ていた筆者は,東京でも10μSv/hを越えたら一時的に避難しようと思っていましたので,機材の発注などは見合わせたのです。これを大げさだと思う人もおられるかもしれませんが,菅直人前総理は最悪の場合東京も避難区域になりかねないと考えていたそうですし,福島第一原子力発電所の吉田所長も, 2011年11月14日
13日は電子工学の専門家のところに,モミジ材を引き取りに行きました。恐らくはイロハモミジで,樹齢40年の中径木を数年寝かせたものです。これを手挽きで玉切りにして17kgほどを頂戴し,ハンドキャリーで持ち帰りました(重い…)。乾燥したモミジ材は緻密で,工作用のまな板にいいだろうとのことで,一つは数センチ厚に切ったのですが,これを筆者の切り出しで削り比べしてみました。切り出しはそれぞれ形も刃先角も異なるので同列な比較はできませんが,どれも厚削り用に研いであります。 2011年11月13日
大開口数のコンデンサに偏光を用いて適度に暗視野光束を入れて検鏡すると,珪藻がガラスのようにキラキラと輝く照明ができます。このとき背景光は残っているので,暗視野とは違う透明感のある雰囲気になり,筆者のお気に入りでもあります。似たような照明は,やはり大開口数のコンデンサに拡散板を入れて,適当に明視野光束と暗視野光束を混ぜれば,やはりエッジが光る美しい照明になります。これらの方法は肉眼検鏡ではとても美しいのですが,デジタル画像ではなかなか表現しきれないという欠点もあります。筆者の技量が足りないのも原因の一つと思いますが,上の画像のような,なんとなく間抜けな,締まりのない絵になってしまうことが多いのです。微妙な質感は,やはり生の光を見るのが一番です(画像/MWS)。 2011年11月12日
研ぎは筆者にとって鎮静剤,カンフル剤のようなもので,求道的な時間でもあります。どれほど忙しくても研ぎを行うことが,作業全体の効率を高めます。それで同じ刃物を何度も研いだりしています。きょうはハイスの金鋸で作った切り出しを天然砥石の上で転がして相性を調べてみました。このハイスは硬く,シャプトンのオレンジやグリーンでも,そのままだと滑るほどです。WAを撒けば砥石のかかりはよくなりますが,それほどに硬い感じです。これを,炭素鋼の切り出しには最高の相性を見せる神前産の巣板に載せてみたところ,そこそこ切れますが,やや滑る感じがして,砥石のかかりがいま一つです。そんな時には筆者が絶大に信頼している丸尾山の千枚に登場願い,研いでみましたが,やはりかかりが今ひとつです。そこで今度は丸尾山の新大上の出番です。研いでみてビックリ。研ぎ出しからしっかりと砥石にかかります。しかもサラサラと研げるので,平面を崩しにくくて助かります。切れ味もとてもよいです。 2011年11月11日
10日は,つくば市にある研究所へお出かけでした。旧知の研究者から初対面の若手研究者まで,色々な方々とお話しできて実に有意義な時間でした。あまりに楽しすぎて 2011年11月10日
当サービスの提供する珪藻プレパラートは,封入剤の粘度をあげてかなり硬化させていますので,気泡が抜け切れていないことがあります。たぶん,ほとんど真空の泡になっていると思います。この泡は面積が甚だしく大きくなければ実害はまったくないので,そのまま出荷しています。ご理解いただければと思います。きょうの画像は,その泡の界面による反射を撮影しています。泡のおかげで,そのままでは見えない珪藻の側面が見えています(画像/MWS)。 2011年11月9日
栃木県内のクリタケ(露地栽培もの)から相次いで暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されています。クリタケは晩秋のきのこで,紅葉も始まる頃に山歩きをしていると,登山道の脇にある切り株などからひょっこり顔を出す,素敵なきのこです。秋の味わいとして秀逸で,筆者も幾度か採集して食べたものです。機会があれば栽培してみたいと思い,十数年前に栽培のテキストも買い,菌糸の販売コーナーを横目で見ては,広い庭のある家が羨ましくも思ったものでした。というのも,クリタケは原木に種駒を打ち込んで菌を成長させたら,あとは土に半分埋め込んで栽培するのです。条件のよい庭が必要になるわけです。 2011年11月8日
きのう紹介した『ずかんプランクトン』には多数の珪藻が収録されていますが,珪藻全体からみたら,ほんのほんの一部です。何しろ珪藻は数万種はいるだろうとされていますので,ぜんぶ収録したら,うまく編集しても数千ページの書物になってしまいますから,ほんの一部しか掲載できないのです。たとえば,上に示したような珪藻は収録されていません。けれども,珪藻はとても身近な生物であって,上に示したような珪藻も,東京湾に生息しています。身近な自然は,図鑑の中以上に興味深い世界であることも,ぜひ忘れないように(画像/MWS)。 2011年11月7日
素晴らしい本が出版されました。『ずかんプランクトン(技術評論社)』です。 2011年11月6日
せんじつ骨董市で仕入れたハイスの切り出し原料は無事に形作りが終わりました。全国の研ぎファンから「そろそろ研ぎの記事をかかんかい!」という声が聞こえる気もしますので,備忘録的に記します。研ぎ前の画像は2011年10月13日付けの記事を参照して下さい。 2011年11月5日
ハネノケの下に拡散板を入れて,その拡散板の上に遮蔽物を置いて偏斜照明にしたのが上の画像です。きのうと同じジュウジケイソウを用いています。偏斜にするには,コンデンサ下に遮蔽物を置いてもいいですし,拡散板上でもいいのです。拡散板に投影された光と陰が光源の役割をするので,どちらでもいいのです。構図が違うのが申し訳ないですけど,やはり分解能の高い,マイルドで上品な写りになっています。珪藻の微細構造を見るには,偏斜照明が19世紀半ばから利用されている最も良い方法です。最近は珪藻学の学者でもこれを知らない人がいます。そのような人が200万円の顕微鏡を使うのと,偏斜照明の達人が20万円の顕微鏡を使うのとでは,後者が圧倒的に高解像の観察像を得ることでしょう(画像/MWS)。 2011年11月4日
きのうと同じジュウジケイソウを用いて,先月製作した拡散板型偏斜照明コンデンサのテストを行いました。結果はきょうの画像の通りです。きのうの画像と比較して,何ら遜色ない写りになっていることがおわかりいただけることと思います。仔細に見れば,微細構造の再現はこちらのほうが上です。適切な封入剤にマウントされた珪藻の場合は,微分干渉よりも偏斜照明の方が勝るのです。この画像で用いた拡散板型偏斜照明コンデンサは,コンデンサ絞りの近くに拡散板を配置したものです。偏斜照明を行うときには,明るさを稼ぐために,ランプ近くの拡散板は外します。偏斜のかけかたは簡単で,コンデンサ直下に適当な形の紙などを差し込み,光を遮るだけです。ハネノケコンデンサをお持ちの方は,ハネノケの下に拡散板を入れれば同じことができます(画像/MWS)。 2011年11月3日(2)
当サービスのプレパラートは発送前に検品しているのですが,この作業中にときどきべっぴんさんが現れます。自分用にとっておきたいくらいの珪藻が視野に飛び込んでくることもしばしばです。きょうも検品中に上の画像の珪藻が出てきたので,発送前に微分干渉法で撮影しました。周囲にゴミや珪藻が少なく,大型珪藻がピント深度内でこちらを向いていることは少ないのです。美しさに見惚れながらも,検品にパスしたことを確認し,全体を拭ってからラベルを打ち,もういちど拭ってからブロワをかけてケースに収納しました。お届け先でもきっと見つけてくれることでしょう。この珪藻,和名をジュウジケイソウ(十字珪藻)といい,学名ではStauroneis属の珪藻ということになります。池や沼の泥の上を探すと,けっこう見つかります。しかしたくさん集まるかというと,そうでもないことが多い珪藻です(画像/MWS)。 2011年11月3日
少し前にNKHのあさイチという番組で,食卓の丸ごとの放射能を測定するという放送がありました。筆者はそもそもテレビを持っていないですし,地上デジタルチューナーも買っていませんので,そのような番組は知らなかったのです。しかし誰だかに,こんな放送があったよ〜。放射能はぜんぜん入っていなくて,福島よりも東京の方がちょっとだけ入っていたんだって〜と聞きました。ふんふん,そんなこともまぁあるかもしれないと,あまり気にもしなかったのですが,きょうネットでこの番組に関する情報を見つけて,ふーむ,これはマズイと思いました。 2011年11月2日
暗視野法で珪藻を覗いていると干渉色の美しい珪藻があります。昨日の画像などはその一例で,青色の輝きが美しいのです。青色の干渉色が見える珪藻には決まって微細構造があって,対物レンズの開口数を上げていくと,だんだん青色が見えなくなって,青色が消えると代わりに微細構造が見えてきます。ところが,青色以外に輝く珪藻もあって,これは何だろうと不思議です。微細構造のピッチが関係していることは間違いないにしても,ほかに凸凹の問題などもあり,回折スペクトルの見え方に変化が起きる関係で,多様な色が出るものと想像していますが,真面目に検討したことはありません。きょうの画像は茶色系統に発色する珪藻で,これも不思議です。珪藻から発する干渉色と言うよりは,カバーグラスと珪藻の間で光の干渉が起きている気もします(画像/MWS)。 2011年11月1日
液浸対物レンズと液浸系コンデンサの組合せで暗視野検鏡を行うと,乾燥系対物レンズ・コンデンサを使用した場合よりも透明感の高い絵に見えることがあります。これは照明側も観察側も液浸系にすることにより光の反射が起こりにくくなり,背景光が減少するからだと考えられます。背景光となる原因は,コンデンサの先玉,スライドグラスの両面,封入剤,カバーグラスの両面,対物レンズの光学面のそれぞれに存在します。液浸系にすれば,コンデンサとスライドグラス,カバーグラスと対物レンズ先玉から発生するフレアが格段に減少します。封入剤やスライドグラスについては,市販のものをそのまま使うと盛大なフレアが発生することがありますが,当サービスのリサーチグレードやJシリーズでは,フレア対策を施していますので,背景光の少ない観察ができます。きょうの画像はJシリーズ(見本品)の珪藻を撮影したもので,コンデンサは水浸(NA=1.2),対物レンズはNA=0.8でグリセリン浸です。30年以上前のレンズとは思えないクリアな絵に見えます(画像/MWS)。 Copyright (C) 2011 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |