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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2010年8月31日


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例年なら,あっというまに8月も終わり…などと言いたくなる頃ですが,今年は長かったですね。8月が3ヶ月くらいあった気分です。あまりの暑さに夏バテ気味の方も多いのではないでしょうか。筆者は7月の時点ですでにバテておりましたので,今年はなかなか厳しい8月でした。栄養補給に野菜ジュースでも飲まなければやってられません(上の画像)。この野菜ジュース,各社から出ていますが,比べて飲むと微妙に味わいが異なります。上の画像は多少水っぽい感じがするK社の製品ですが,トマト果肉の細胞が見えるほかは,"野菜"の細胞が見当たりません。みんな微粒子になっているようです(撮影/MWS)。





2010年8月30日


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画像(写真)にはノイズがついてまわります。ざらざらとしたノイズは見た目にも好ましくありませんし,S/N比も下げますので,できればなくしたいところです。顕微鏡写真撮影の場合は,標本が固定されており動かないことが多いので,このような場合は同じ構図でたくさんの画像を取得します。得られた多数の画像を一枚に合成すると,ノイズが少なくなることがあります。電子的なノイズがランダムに出現し,物体が固定されていれば,多数枚の合成によりノイズが平均化されてコントラストを失います。一方,物体はそのままですから,周囲のノイズが減少したことにより,より高いS/N比が得られることになります。こうした利点があるので,対物レンズの性能限界を探るようなときには,多数枚合成はよく行われる方法です。上の画像は6年ほど前に,Diatoma(ヌサガタケイソウ属)の点紋構造を撮影していた頃のサムネイルです。同じ構図でたくさん撮影しています(撮影/MWS)。





2010年8月29日


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今年の暑さは異常で,主な原因は太平洋高気圧の勢力によるのですが,人為的な側面もあります。政府の永年の政策によって,大都市圏がコンクリートで塗り固められているので,ここに熱が溜まってしまうのです。コンクリートは半分が水分みたいなもので,これが湯たんぽになってしまい,夜間にうまく冷えてくれません。おまけに,コンクリートからは,樹木の蒸散のような潜熱輸送は期待できません。水がなくて乾燥してしまった大気に,排気ガスなどが加われば,大気が不透明になり,熱が宇宙に逃げる経路を塞いでしまいます。こうして大都市圏は夜間の温度が下がりにくくなり,その結果,昼も温度が上がりやすくなっているのです。きょうの画像は東京西部,陣場山山頂(標高857m)です。筆者は1980年頃から度々訪れていますが,80年代中頃には,8月中旬の明け方の気温が17℃付近まで低下して寒いものでした。それが近年,24℃〜25℃もあるのです。夜景は年々ダストドームに埋もれて暗くなっています。この山を訪れるたびに,人間活動による自然の改変を思わずにはいられません。このコーナーでは何度も書いていますが,現在の都市に必要なのは高層建築ではありません。水であり,緑(樹木)であり,土が必要なのです(撮影/MWS)。





2010年8月28日


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90年前のレンズがついていた顕微鏡がコレです。Ernst Leitz Wetzlarの偏光顕微鏡です。磨きはかけていませんが,一応の整備は終了しています。回転ステージの動きも滑らかで,ラックピニオンも調子よく,まだまだ使えます。グラントムソンプリズム(らしきもの)は鏡筒内に,ニコルのプリズムはコンデンサ内部に入っています。この顕微鏡,台座の底面がしっかりと平面だししてあります。平らな砥石に載せて研磨したのか,鉄板に研磨材を使ったのか,手抜きのない作業に感心します(撮影/MWS)。





2010年8月27日


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きのうの画像はレンズの特性を伝えるために,縮小と若干の引き締めを行った以外の画像処理はしていません。きょうの画像はコントラスト・ヒストグラム・縮小・引き締め(アンシャープマスク)を行っています。レンズ性能の劣化はコントラストの低下を引き起こすことが多いのですが,デジタル画像ではそれを簡単に補正できます。90年前のレンズでも実用レベルの作画が可能です(撮影/MWS)。





2010年8月26日


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きのう紹介した旧式の対物レンズの分解清掃が終わりましたので,珪藻を撮影してみました。対物レンズは,簡易顕微鏡(コンデンサなし)の単眼鏡筒に拡散板による簡易照明としました。光源は凹面鏡に反射させた蛍光灯です。上の画像はNo.3(NA=0.25)の対物レンズよる作例,画像中段と下段はNo.5(NA=0.65)による作例です。対物レンズはノンコートですし,先端レンズは傷だらけで,後端レンズは曇りが見られ一部に擦り傷があります。さらに撮影に用いた鏡筒は,厳密には鏡筒長が合っていない恐れがありますし,内面反射はありますし,拡散板による簡易照明という問題があります。これだけの問題があるにもかかわらず,まず文句のない写りになっています。開口数から規定される分解能も出ているように見えます。レンズ設計/組み立てが優秀な証拠といって良いでしょう。大正11年以前製造の対物レンズですが,この頃のヨーロッパの光学製品の水準の高さがうかがえますね(撮影/MWS)。





2010年8月25日


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旧式の対物レンズでは,レンズに倍率も開口数も書いていないものがあります。倍率は書いてなくても,スケールを撮影すれば物体の大きさはわかりますので特に不自由を感じません。しかし開口数はわからないと困ります。そんなときには,開口数が既知のアクロマートコンデンサ,アクロマチックアプラナートコンデンサを装着した鏡基に対物レンズを装着し,物体にピントが合い,ケーラー照明の調整を施した上で,対物レンズ後側焦点面を覗き込みながら,コンデンサを絞り込んで開口数を探ります。この方法は簡易的なものですが,意外に正確です。筆者が所有する多数の対物レンズについて調べてみても,ぴったり公称値になります。上の画像の対物レンズは1,3,5と番号が振られているだけですが,開口数を調べてみると,それぞれ,0.1,0.25,0.65でした(撮影/MWS)。





2010年8月24日


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生物顕微鏡に油浸対物レンズが装着されていても,油浸検鏡を行ったことがないという方がたくさんおられます。生物の専門家やプランクトンの専門家でもそのような方々はよく見かけます。油浸で検鏡する必要がない試料を中心に検鏡していれば当然のことです。油浸検鏡の有り難みは,それがわかる標本を見たときにはじめて明らかになります。そのための良い材料が珪藻です。きょうの画像は同じ総合倍率で撮影した海産メロシラの被殻中心部です。上の画像がNA=0.95の乾燥系,下の画像がNA=1.40の油浸対物レンズです。見えている微細な部分が全然違います。油浸にすれば大きな角度を持った光も対物レンズが取り込むことができ,その結果,結像に使える情報の質が向上します。それで細かいところまで見えるようになるのです(撮影/MWS)。





2010年8月23日


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油浸検鏡後のプレパラートには多量のオイルが付着していますが,これの拭き取り法に関しての問い合わせが数ヶ月に一度くらいの頻度であります。一つの例は当サイトのQ&Aコーナーにも書かれていますが,別の方法を説明してみましょう(ここでの手法は当サービスで販売しているプレパラートに限定してください)。

まずティッシュペーパーを用意します。オイルを吸わせるにはキムワイプは不適で,ティッシュペーパーやチリ紙(桜紙)のような材質が適しています。これを細長い帯状に折り,その帯を二つ折りにします。二つ折りにした谷底の部分に,オイルのついたプレパラートを挟んで密着します(上の画像)。このままでしばらく待ちます。1,2分もたてば大部分のオイルが吸い取られます。

そうしたら,ティッシュの新鮮な面でオイルを拭うように一方向に引っ張りながら拭いていきます。ティッシュの面積を有効に使うために,多少ジグザグさせながら,指の腹をしっかりあてて,カバーグラスの感触を感じながら,から滑りしないように拭き取っていきます。ティッシュおびの長さを使い切ったら,オイルのほとんどは拭き取られ,薄い油膜が見えるだけになっていることでしょう。

そこまで来たら,同じことを繰り返してもいいですし,キムワイプに石油ベンヂン(成分はノルマルヘキサン)やオリンパスEE-3310などをつけて,さっと油膜を拭き取ってもいいでしょう。ある程度経験を積めば,対物/コンデンサ油浸のプレパラートを,ティッシュペーパー1枚できれいにできます。あとは練習あるのみです。

なお,Jシリーズはこの方法で拭かないでください。繊維がカバーグラスの角にひっかかり,剥離の恐れがあります。Jシリーズの油浸拭き取りは,キムワイプやレンズペーパーのような繊維の軟らかい素材を使い,片面ずつ,拭うようにして大部分のオイルを取り去り,あとは溶剤拭きで仕上げて下さい(撮影/MWS)。





2010年8月22日


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照明光の入射角によってチョウの羽の色が変化する様子を分光測定してみました。標準光源モドキで校正したUSB2000を用いての測定です。スペクトルの概略を知るには問題ないかと思います。緑,青,すみれ色にみえるときのスペクトルをグラフで示していますが,ピーク波長の移動が見られます。鋭い立ち上がりで,半値幅はあまり変わらず,スペクトルの形状もそれほど変化せず,ピーク波長が入射角度に依存しているようです。まるで真空蒸着で製作した干渉フィルタのようです。すみれ色に見えるときは,紫外線も若干反射しているようです。こういう測定を行うときには,照明光が連続スペクトルでなければ困ります。蛍光灯などは使えません。今回はハロゲンランプ12V50Wにコレクタレンズを装着しLBDフィルタを噛ませたもので照明しています(撮影/MWS)。





2010年8月21日


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チョウの羽の色は構造色により着色しているとされています。たいへん細かい微細構造があり,これにより特定の光が反射して色が出るのです。きょうの画像はミヤマカラスアゲハの羽ですが,照明の角度を変えて色の違いを表現してみました。開いた羽の真上から連続スペクトルの光が当たると,緑色が強調されて見えます。斜めから光が照射されると青色〜すみれ色まで変化します。画像は緑色と青色の例です(撮影/MWS)。





2010年8月20日


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こんなものも届いています。なんて素敵なプレゼントなのでしょう。熱帯のチョウのような派手さはありませんが,黒バックに干渉色が浮かび上がるしぶい美しさは最高です。これの撮影はライティングやカメラの方向,露出,色などいろいろなことを考慮する必要があり,かなり難しい被写体です。うまく撮影できても,本物の美しさには遠く及びません(撮影/MWS)。





2010年8月19日


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ここのところいろいろなものが入荷しているのですが,こんなスゴイものもあります。全国150人の(^^;研ぎファンのためにも砥石を当ててみたいものですが,いまは時間がありません。しかしコレ,眺めるだけで頭がぐるぐると回転し,時間が過ぎ去っていきます(撮影/MWS)。





2010年8月18日


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偏光顕微鏡は鉱物学方面での利用が主ですが,偏光性材料なら何でも楽しく検鏡できます。身近に入手できる偏光性材料はたくさんありますが,上の画像はその一つで鉋屑です。木材の繊維はセルロースの束で,偏光顕微鏡で観察するのに相応しい偏光特性があります。割り箸を薄く削ってもいいし,鉋屑が入手できるならそれでもいいでしょう。もっと手軽には,ティッシュペーパーを一枚にはがし,それをマウントしてもOKです。水やグリセリン,ダイヤテックスなどで封入すると,明視野ではコントラストが低いのに,偏光法では驚くほどはっきりと見え,じつに興味深い眺めとなります(撮影/MWS)。





2010年8月17日


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むかしの製品でも,メンテナンスで生き返る顕微鏡は多くあります。上の画像は恵与されたライツの偏光顕微鏡による岩石薄片の観察例です。1922-23年製造の顕微鏡なのですが,光学素子の基本的な配置は現代の偏光顕微鏡と何も変わりません。性能的には,方解石製のプリズムの研磨精度が低く,多少,分解能に影響を与えますが,偏光特性の検鏡にはこれでも十分です。なお試料の岩石は,上野原町(山梨県)の丘陵地を歩いているときに見つけた,卵形の堆積岩です。薄片にしてカバーグラスをかけてあります。軟らかいので研磨が容易でした(撮影/MWS)。





2010年8月16日


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帯状疱疹後の神経障害で顔面に説明不能な違和感が発生しています。何をするにも(寝るにも)集中できません。やっぱり筆者には運気が足りなかったのだと嘆いていると,見かねた天の神様からプレゼントが届きました。約90年前の偏光顕微鏡です。しかも未整備という素晴らしさです。外は35℃を越える酷暑であるし,さっそく室内作業となりました。ふむふむ。偏光子と検光子はニコルプリズムとグラントムソンプリズムの組合せですね。検板も揃っている。ベルトランレンズも入っている。プリズムはコルクに掘った穴にはめ込まれています。なるほど合理的な造りです。方解石上のカビは水拭きで除去しましたが,カビは酸を放出しますので,浸食されています。グラントムソンプリズムの工作精度は低く,像がゆがみます。貼り合わせ面にもスクラッチらしきものが見えます。昔の人の苦心がよくわかります。ネジ類の工作精度は特筆物で,現代の精密機器よりも厳しい公差で作られている印象です。反射鏡は平面と凹面で,裏面鏡になっているので劣化が少ないです。ここのところJaminーLebedeff型干渉顕微鏡を製作できないかと,ずっと考えていたのですが,1/4λ板もあるし,なかなかよい素材になりそうという印象です(方解石の薄板を作らないと…)。欠品していたネジは手持ちのコレクションでOK。対物レンズは2,3本は軽い清拭で使えそうです。かくかく〜,しかじか〜,と作業を続けていると,神経障害も気にならず集中している自分を発見するのでした。塗ったり飲んだりするばかりがクスリではないということがよくわかります(撮影/MWS)。





2010年8月15日


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珪藻の殻は表側から見た場合と,裏側(細胞の内側)から見た場合とでは模様が異なることが多くあります。上の画像はおなじみのクモノスケイソウ属(Arachnoidiscus)を裏側から見た場合の模様です。これまで何度も掲載してきた,表側から見た模様とはずいぶん印象が異なります。さらに内側にピントを移動すると,珪藻の殻を補強しているように見える構造に出会います。まるで斜張橋のワイヤーでも見ているような見事な構造です。これらの構造はおそらく,力学的に意味があるものと思いますが,珪藻はどうやって構造力学を学んだのでしょうか(撮影/MWS)。





2010年8月14日


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受注生産で大型珪藻プレパラートを30枚ほど作りました。大学の実習授業で利用するとのことです。珪藻プレパラートは,顕微鏡の練習用として申し分のない標本です。複雑な模様といろいろな周期構造は,照明法の練習用としてはこれ以外にないと言ってもいいくらい良い物体です。しかも覗いていて面白いので,その点でも利用価値が高いと言えます。多くの方々に役立つことを願っております。 (撮影/MWS)。





2010年8月13日


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照明ムラをなくしたいときや,コンデンサのない初級顕微鏡の像質改善などに有効なのが拡散板です。ディフューザーともいいます。光を拡散させればよいので,いろいろなものが拡散板として使えますが,性能は微妙に異なります。筆者はスリガラスをはじめとして,CD-Rの透明ケースの裏側や,半透明の下敷き,工作用の塩ビ板などを拡散板として利用しています。中でもお気に入りなのが上の画像の拡散板で,塩ビでできています。この拡散板は光の拡散度合いと明るさのバランスがよく,顕微鏡照明用になかなか使いやすいのです。取扱は光栄堂で,セミクリヤーEB-04という品番です。東急ハンズなどでも置いているところがあります(撮影/MWS)。





2010年8月12日


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8月10日発売の『子供の科学』(誠文堂新光社)にプランクトンに関する記事が出ていると聞き,さっそく買ってきました。この雑誌,最近は盛りだくさんで何が何だかわからないような構成ですが,プランクトンの記事だけは(?),わりとかっちりと丁寧に書いてあって好感を持ちました。大人にとって読みやすい記事は,子どもにも理解しやすいのです。たとえ子供向け雑誌といえど,論理性と丁寧な解説を怠ってはいけませんね。まぁ,大人になってから『子供の科学』読むと,乱雑な記事でも,ほう結構いろんなことが書いてあるなと,評論的に読めて面白いのですけどね(撮影/MWS)。





2010年8月11日


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鳥崎川試料の簡易検鏡結果はこんな具合です。塩素系漂白剤で試料をほぐし,315μmメッシュの通過画分を水ですすいで微粒子を流したあとに検鏡します。上の画像でわかるように,この試料はメロシラ・バリアンスを中心とした群集です。火山灰由来の鉱物もたくさん入っていて検鏡の邪魔をします(画像中段)。ときどき,沿岸種の珪藻化石が出てきます(画像3枚目)。この川の上流部右岸に露頭が見え,珪藻土のように見えましたが,その辺りが由来なのかもしれません(撮影/MWS)。





2010年8月10日


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鳥崎川の試料を検鏡してみましたが目的の珪藻を見つけることはできませんでした。存在するにしても,かなり密度が低そうです。北海道の河川試料を検鏡していると,河川試料なのに沼の試料に思えるときがよくあります。ディプロネイスやスタウロネイスが多量に入っていたりするのです。これらの珪藻は流れのほとんどない泥上で採取できることが多いのですが,北海道の河川はそのような場所が多いということでしょうか。この河川の試料にもスタウロネイスが多く見られました(撮影/MWS)。





2010年8月9日


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789系で帰ろうかと思いましたら,かなりの混雑であきらめました。次の列車は2時間後の発車なのですが,入線までは40分待てばよいので,プラットホームで潮風に吹かれていました。しばらくするとSLがやってきて退屈せずにすみました。結局帰りは485系となりました。改造しているとはいえ,32年を越える老朽化車両です。これを走らせるJR東日本は経済至上主義のお化けとても機材を大切にする会社ですね。特有のレール音を響かせながら疾走する車両に乗って,昭和50年代半ばのエル特急華やかなりし頃に思いを馳せたのでした(撮影/MWS)。





2010年8月8日


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あとは帰京するだけとなった前夜,まだ体調は本調子ではありませんでしたが,またここに立つことができました。昨年10月半ばに来て,今度はいつになるのだろうかと思っていましたが,一年も経ずに来ることができました。同じ場所に立つと,何年も前の訪問などが次々と思い出され,時間の移り変わり,季節の違いを感じることができます。ここから山頂に行けば100万ドルの夜景が待っているそうですが,この場所からでも8万ドルくらいの美しさに見えます。このあと,ふもとにあるコープさっぽろを覗いて,北の食材をみて安心し,宿に戻りました。筆者は毎回来るたびに同じことをします。移動経路も,宿も,夕食も,いつもほとんど同じなのです(撮影/MWS)。





2010年8月7日


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旅先での講習会では,多くの皆様に助けていただきました。特に大学院生の方々には,送迎から始まって,講習会の企画,会議室の予約や機材の確保について万全の体制で臨んで頂きました。こちらの細かい注文にも素早く応じていただき,時にはお茶や野菜ジュースの差し入れまで頂戴しました。そして最終日には,車で森方面まで連れて行ってもらい,あきらめていた鳥崎川の視察も行うことができました。とても言葉で言い表せるものではありませんが,研究室の皆様,本当にありがとうございました(撮影/MWS)。





2010年8月6日


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789系に乗った旅先での仕事は顕微鏡の講習会でした。北の帝国大学と,天然仕上砥石の産地にある帝国大学の両方を合わせて20名弱の学部,修士,博士,教官を対象にして,顕微鏡光学の基礎とデジタルイメージングについて,3日間の講習を行いました。ほんとうにすばらしい熱心な参加者で,楽しい時間となりました。顕微鏡を前にした実習も行うことができ(上の画像),珪藻プレパラートを標本として,正しいコンデンサ操作法や応用的な使い方を体験していただきました。病み上がりの筆者も顕微鏡の話をすると元気が出てきて,何とか無事に日程を終えることができました(撮影/K.I.)。





2010年8月5日


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コレに乗るのは,やはりJR北海道の熱い期待に応えたいということもあります(大げさですが)。こんな上等な車両はJR東日本は走らせてくれません。同じ時間,この車両に乗るのとはやてに乗るのを比較しても,断然前者が優れています。もう一つ気に入っているのは車内アナウンスです。昨年も乗車して,発車したとたんに大橋俊夫の声が聞こえてきて,その落ち着いたアナウンスに感嘆したものでした(撮影/MWS)。





2010年8月4日


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暑いので北に進路をとっています。この辺りまで来ると昼でも涼しい感じがします。平地なのにちょっと沢があるとマタタビが全開でヤマブドウのツルが絡み合っているのが車内からでもわかります。旅の楽しみですね(撮影/MWS)。





2010年8月3日


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これは帯状疱疹ウイルス様粒子が血漿中に析出した繊維に付着している様子です。こういう画像を撮るときには,この機材でなければ見えないという経験から幾つかレンズをピックアップし,照明光源を決め,コンデンサを決めます。今回は油浸暗視野と決め,光源は超高輝度白パワーLED,コンデンサはオリンパスDC-W(1.2-1.4),対物レンズはNCF Fluor 100(1.30-0.8), NCF Plan 100 (1.25-0.8), DApoUV 40 (1.30-0.5)で比較検鏡して良い絵を選別しています。暗視野ですからいずれも絞り付きレンズになっています。こうした機材選択が瞬時にできるようになり,実際にその機材を持っていないと,このような絵を撮ることはできないのです。たった一枚の「本日の画像」ですが,筆者にとっては,それを撮るにはどうしたらいいかを試す道場でもあるのです(DF,撮影/MWS)。





2010年8月2日


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仮説実験授業・夏の全国大会で販売した『能登半島の珪藻化石セット』を一目見て,「これはすごい奇麗だ」「何回上澄み捨てた?」と質問した方がおられます。たいへん鋭い観察眼です。製作経験があるに違いありません。ふつう珪藻土を水に溶いて細粒分画を流しても,きれいにするには限界があります。そして大抵の場合,カバーグラスに数個の珪藻が載れば良い方です。筆者製作のプレパラートは,珪藻は数百以上をマウント,鉱物粒子は徹底的に排除していますので,珪藻土の検鏡経験がある人は驚いたことと思います。

このプレパラートセットは,現在,10セット以上余りがあります。大会に参加した方で,当日買いそびれた方,一セット買って,授業用などにもっと欲しくなった方,やっぱ持ってた方がいいやと気が変わった方,8月中は対応致しますので,早めにお申し込みください。上の画像は『能登半島の珪藻化石セット』に時々入っている珪藻です。たぶん,エツキクンショウケイソウ属と思います(DF,撮影/MWS)。





2010年8月1日


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仮説実験授業・夏の全国大会では,いくつも嬉しいことがありました。中でも,Jシリーズに並ならぬ注目が集まったことです。今回はJシリーズにも力を入れて,120個,149個,270個といった,滅多に入手できないハイグレードな珪藻化石プレパラートを作りました。上の画像は270個の珪藻を並べたものですが,その作業の難しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。250個以上の珪藻が並べてあるプレパラートはたいへん貴重で,世界中でも,ほんの一握りの方々しか所有していないと思います。こういったプレパラートが次々と売れたことは,珪藻の美しさが人々の心をとらえた証拠であり,筆者としても心強く思いました。これらのプレパラートはすでに筆者の手を離れ,それぞれの場所で,いろいろな方々に感動と驚きを与えてくれることと思います。所有者の方々の「珪藻を見せる」活動に心から期待する次第です(DF,撮影/MWS)。





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