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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2009年2月28日


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これはセラタウルスという珪藻で,沿岸の浅い海域に見られる付着種です。けっこう希な種で,これまで,化石から数粒,現生のサンプルから3粒だけみつけています。今年も来月から夏にかけて,珪藻を探し求めて彷徨うつもりですが,果たして何粒見つけることができるでしょうか。Jシリーズの原料用として,ぜひとも多数,集めたいものです(DIC,撮影/MWS)。





2009年2月27日


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珪藻の検鏡には,ふつう透過照明が用いられます。しかしほかの照明法で観察ができないということではありません。上の画像は落射照明で観察した例で,コスキノディスクス属珪藻の微細構造をはっきりと見ることができます。この画像では,ふつう単調に見えるはずの珪藻被殻に色がついて見えます。これは落射照明光と珪藻により反射した光が干渉を起こしているためでしょう。カバーグラスからの距離の違いで,照明光と反射光の干渉の強さが異なるので,色や濃淡に分布ができます。これを解析すれば,珪藻の立体構造に関する情報が取り出せるでしょう(epiDF,撮影/MWS)。





2009年2月26日


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クモ(蜘蛛)の子は糸にぶら下がって空を飛ぶことができます。風にのればどこまでも遠くまで,空を漂います。珪藻もこのような技を持っていて,たとえばタラシオシーラ科の珪藻などは,上の画像のように粘液を放射状に射出して,いつまでも水中を漂うことができます。この粘液は,生の水封試料で観察すると非常にコントラストが低いので,微分干渉法を用いて,得られた画像にはさらにコントラスト強調を行うと,かなり明瞭に見えるようになります。しかし一部の種では,それでも判別しがたいほどに,細い粘液糸を出しています(DIC,撮影/MWS)。





2009年2月25日


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珪藻を並べたテストプレートの需要がありますので,新しいページを作製しました(こちら)。珪藻の繊細な構造が透明感のある視野中に低いコントラストで浮かび上がります。Jシリーズと同等品で,珪藻種を選んでいるだけですので,すでにJシリーズをお持ちの方はそれをテストプレートとして使えばよいと思います。また,検鏡する珪藻を常に決めておけば,リサーチグレードやエデュケーショングレードのプレパラートもテストプレートとして利用可能なことはもちろんです(BF,撮影/MWS)。





2009年2月24日


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珪藻は粘液使いの名手といってもよいでしょう。粘液を使って,つながったり,浮いたり,付着したり,埋もれたり,移動したりします。きょうの画像は粘液を使って群体を形成し,浮遊することができるタラシオシーラ科の珪藻です。この珪藻もマボヤの消化管内から見つかったものです。タラシオシーラ科の珪藻は世界中に分布しますが,被殻に刻まれた微細構造はどれも似通っていて,光学顕微鏡による詳細な分類は困難を極めます。しかし一部の種では,生サンプルを検鏡することによって,粘液糸の広がりや群体の形により種の査定を行うことができます。生サンプルを直接覗くというのは光学顕微鏡の得意とするところで,その方法の方がむしろ役立つこともあるのです(DIC,撮影/MWS)。





2009年2月23日


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昨日観察したマボヤ消化管内の珪藻について画像を追加します。上からアクチノプティクス,プレウロシグマ,ディプロネイスの各属に分類される珪藻となります。マボヤは生きている状態で販売されていますから,消化が進んでいる最中に珪藻を取りだしたことになります。流通の早さから考えて,収穫から2日程度とみてよいでしょう。その割には,色素体などがかなり保たれている珪藻が多く見られました。また,昨日記しましたがキンベラやディアトマなどの淡水産珪藻が少量見られましたので,このマボヤが棲息(養殖)する海域は,河川水中の懸濁物(濁り物質のこと)が届く,河口から比較的近い海域であることが推察されます(DIC,撮影/MWS)。





2009年2月22日


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マボヤが入荷しました。ホヤといえば夏にキュウリと酢の物と相場が決まっていますから,今ごろはあまり食べる物ではないと思います。そう思いつつ身を割ってみると,案の定ほとんど食べるところがありません。一パックで大さじ一杯というところです。これで200円は高いのですが,検鏡材料と考えると安いのです。ホヤは海水をろ過してプランクトンを食べていますから,プランクトン珪藻観察のよい材料になるのです。消化管の茶色い部分を取り分けておいて,そのままマウントすればOKです。このホヤも,じつに多くの分類群を食べていて,ざっとみただけでも,コスキノディスクス,アクチノプティクス,スケレトネマ,ステファノピキシス,コレスロン,オドンテラ,タラシオシラ,ディティルム,ディプロネイス,ディアトマ,キンベラ,ヒアロディスクスなどが分かりました。このような珪藻群集は宮城県から岩手県の沿岸海域でよくみられるものです。ホヤを食べるということは,珪藻が形を変えたものを食べるということなのです(DIC,撮影/MWS)。





2009年2月21日


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新しい珪藻試料を散布して,どんな種が入っているのか低倍率でスキャンしていると,「ん?これは見たことないぞ」という珪藻に行き当たることがあります。大抵は既知の種で,探し求めていた希少な種に出会えることは滅多にないので,新しい格好をした珪藻を見ると期待が高まります。それで対物レンズを交換して高倍率での観察に回し,再度スキャンして見つけると,ううむ,これはただの異形(奇形)細胞だったのか,ということに落ち着くことがほとんどです。上の画像は先日のサンプリングで採取した試料に見られたもので,低倍率で見ると家紋のような模様が鮮明で,見覚えのないものでした。しかし拡大するとこの通り,アラクノイディスクスArachnoidiscusの,ちょっと形が変わったやつでした(BF,撮影/MWS)。





2009年2月20日


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これはホログラムシート(白色光を当てると虹色に光る透明シート)の一部です。上の画像はLEDライトを裏側から照射して撮影したもので,小さなつぶつぶが種々の色に光っているのが見えます。おそらく,それぞれの粒々にはそれぞれの向きで微細周期構造が印刷されており,その回折現象によって白LEDの光がスペクトルに分解されているのでしょう。このシートを切ってカバーグラスをかけて検鏡したのが2枚目です。4倍対物レンズでの撮影ですが,何やら焼き印で押したかのような模様が見えます。さらに倍率を上げ,開口数0.95の40倍対物レンズを用いて撮影したのが3枚目で,数百ナノメートル周期のラインが走っているのがよくわかります。これが回折格子の役割を果たしているわけです。ホログラムシートは手近にある割には手強い対象です。遊んでみるのも面白いでしょう(BF,撮影/MWS)。





2009年2月19日


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千葉産の海苔が入荷したので食べてみると何か味がおかしい。焼いても鮮やかな緑にならず香りも薄く,とても良い海苔とはいえない代物です。検鏡してみると珪藻がちらほら見えますが,大幅な品質低下を招くほどには付着していません(上の画像)。口直しに三河湾産の海苔を焼いて食しましたが,こちらは実に香り高い良品でした。こちらにも珪藻がちらほら見えます(下の画像)。筆者は焼いていない海苔を購入して自分で網焼きにするのが好みですが,良い海苔の購入は非常に難しくなっています。そろそろ新海苔のシーズンですが,収穫された海苔は冷凍に回されてしまい,板海苔として出回るのは昨年以前の海苔です。そして値段により品質はまったく異なり,流通時の管理状態でも味が変わります。摘み立ての海苔を食べてみたくても,それほど簡単に入手できないのです(BF,撮影/MWS)。





2009年2月18日


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野菜ジュースにはいろいろなタイプがありますが,これは濃縮還元タイプのものです。あらゆる野菜が濃縮還元処理されているように書かれています。顕微鏡でみると,野菜の繊維はほとんど見当たらず,細かい粒子となっていて,それも数マイクロメートル以下になっています。おそらく圧搾したあとに,ろ過しているのでしょう。何だかもったいない感じがします。蛍光顕微鏡(紫励起)で見ると,ほとんどが繊維質の青色発光で,葉の成分から見られる赤色蛍光はきわめて僅かです。これは青汁を検鏡したとき(2007年12月13日)と大きな違いです。たまにらせん状の構造が見えますが,これはおそらくニンジンの一部だと思います(BF/epiFL,撮影/MWS)。





2009年2月17日


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先週のサンプリング以来,風邪(インフルエンザ?)で体調を崩してしまい寝込みました。風邪・インフルエンザには滅多にかからないのですが,5年に一度くらい罹患するとけっこう重くなります。今回もウイルス症状は速やかに消失したのですが,そのあとの細菌感染的な症状が引かずに苦戦しています。鼻汁を少量マウントして検鏡してみると,白血球の一種と思われる細胞が大量に見られ,肺や気管支粘膜上で戦いを繰り広げてくれているようです。この様子だと,あと一週間程度はおとなしくしておいた方がよさそうです(oblique,撮影/MWS)。





2009年2月16日


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これは1月17日付けで紹介した珪藻試料を処理したものです。4カ所から試料採取したのですが,3カ所はJシリーズ用に回し,この一カ所だけが処理後も比較的,量を確保することができました。アクナンテスを中心とした群集で,純度も高く楽しめそうです。3月中を目処に,いくつか散布スライドの新しい試料を供給できるよう取り組んでいます。主に海産種が多くなる見込みです(DF,撮影/MWS)。





2009年2月15日


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プレパラート製作で最も悩ましいことは,夾雑物の除去です。珪藻に混入してくる粘土鉱物や有機物の除去も大変ですし,カバーグラスやスライドグラスの汚れ,腐食,傷なども大敵です。さらに困ることは封入剤に混入している粒状物質で,市販の封入剤にもたくさんの夾雑物が入っているのです。そしてJシリーズなどの,手作業で珪藻を一つ一つ並べる作業を行うときには,空気中に漂う細かい粒子が落下してきますので,その管理も必要です。さらにまた恐ろしいことに,封入後に,封入剤が濁ったり,結晶を生じたりすることもあるのです。上の画像は海外の著名な制作者によるテストプレートを暗視野で撮影したものですが,マウントに使用した薬品,封入剤中の夾雑物,保存中に生じた結晶などが大量に存在している様子がわかります。プレパラートを供給している筆者にとっては身震いがするほど恐ろしい画像で,自分の制作物にはこのようなことが起きないように願うばかりです。なお,当サービスのプレパラートをお買い上げの方で,観察に支障があるほどに封入剤が濁った場合は,可能な限り対処させていただきますので,まずはメールでご一報下さるようにお願い申し上げます(DF,撮影/MWS)。





2009年2月14日


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これは毛包炎のかさぶたで,3ミリメートルほどの大きさです。中央部の黄色のところは膿と少量の血液が凝固したものでしょう。首のうしろに毛包炎らしきものができたのは,もう20年近くも前のことでしょうか。筆者の毛穴がブドウ球菌とって住みよい環境なのでしょう。以後なかよく共存し,特に悪さをすることもなく現在に至ります。酒量が多過ぎたり,体調が悪いと悪化します。禁酒して,甘いものを摂らず,野菜を主とした和食をおとなしく食べる生活が続くとほとんどなくなります。健康のバロメータなのです(BF,撮影/MWS)。





2009年2月13日


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これはコンタクトレンズ(ハード・酸素透過)表面にできた傷です。4年以上も使用したものですが,傷だらけになっています。両方のレンズ共に,方向がランダムな傷が多数ついていますが,これはレンズを洗浄するときに,紛れ込んだ硬い粒子で研磨された結果でしょう。また上の画像では,レンズを落下させるなどして,硬い物に擦った傷がはっきりと写っています。レンズに傷がつくとその部分に細菌の栄養となる物質が残りやすくなり,目に負担をかけることにもなりますので,早めに交換した方がよいでしょう(DF,撮影/MWS)。





2009年2月12日


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昨日検鏡した試料を処理にかけていますが,やはり思いの外,プランクトン珪藻が多いようです。プランクトンは沈降速度が小さいので,限界はあるものの,沈降速度の差で鉱物粒子と分けることができます。その処理中の画像が上の例ですが,ディティルムやスケレトネマ,細いニッチアなどが見られます。大型付着珪藻を採集に行ったはずだったのですが,なぜかプランクトン採取になってしまったかのようです。このあと,どうにかして,沈んでいる大型珪藻を分離しなければなりません(DF,撮影/MWS)。





2009年2月11日


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8日夜に採集したサンプルを一日遅れで検鏡しました。数センチメートルの水深に生えている褐藻類を海水と一緒に採取した試料で,よく振って付着珪藻を落としてあります。しかし検鏡すると意外にプランクトン藻類が多く,スケレトネマやディティルムが目立ちました。鉱物の混入も非常に多く,試料処理は難航しそうです(BF,撮影/MWS)。





2009年2月10日


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これはタイドプールの一例で,1月17日付けの2枚目の画像で紹介している珪藻を採取した場所です。陽当たりのよい岩盤部分が茶褐色にみえますが,これが珪藻の色です。これを採取するわけですが,種によってはけっこうしっかりと付着していることもあり,なかなか取りにくいものです。歯ブラシをかけてブラシに付着してくる種を集めたり,水を濁らせてスポイトで吸ったりしています。採取方法によって珪藻種に差がでてくるかどうかは,実感としてはよくわかりません(撮影/MWS)。





2009年2月9日


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8日の午後,関東地方では列車が運休するほどの暴風に見舞われました。しかし大潮なので干潮時刻を狙い相模湾に出向きました。上の画像は8日夜22時頃の様子ですが,1時間前までの暴風が嘘のように静かな凪となっていました。しかし足場が悪く,潮の引きも急速なために,まだ引きの流れがあちこちに残っていてサンプリングはむずかしいものでした。何とか少量の試料を採取しましたが,砂地に棲息する珪藻を採取するという目的が達成できたかどうかわかりません。翌日簡易検鏡してみる予定ですが,何が採取できているでしょうか(撮影/MWS)。





2009年2月8日


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上の画像は「現生の珪藻で,海産のものをなるべく多く列に並べて下さい」という注文をいただいて製作したものです。浮遊珪藻,葉上付着種,底泥上にいる種,石などの上をはい回っている種などを,なるべく近い分類群ごとに並べています。このようなプレパラートを作ることができますので,標本を製作して欲しい方は,まずはメールで連絡を頂ければと思います。仕様を打ち合わせの上,大まかな納期と価格をお知らせして,製作に入ります(価格は個体数や貴重種の有無により異なります)。オプションとして,各個体の撮影画像データ(+簡易同定リスト)をつけることができます(DF,撮影/MWS)。





2009年2月7日


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当サービスでは多くの珪藻を保有するように努めています。ご指定いただければ,Jシリーズとして希望の珪藻をマウントすることも可能ですので,教材や研究用途,またコレクションや贈答品などでアイデアがありましたら連絡をいただければと思います。上の画像は現在保有している海産珪藻です。このほかにも海産珪藻,放散虫,淡水産珪藻,海綿骨針などを保有しています。ここで保有というのは,それぞれの種ごとに拾い上げてストックしてある,というほどの意味です(DIC,撮影/MWS)。





2009年2月6日


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ブルーベリーを剪定しましたので,不要な枝を検鏡してみました。枝先端にある冬芽らしきものの大きさは3,4ミリメートルほどしかありません。しかしこれを二つ割りにして検鏡すると,まだ2月初旬というのに,いくつかの葉に包まれて花らしきものの原形が見えます。季節は冬でも,植物はこの先に訪れる春をしっかり察知して準備しているようです(DF,撮影/MWS)。





2009年2月5日


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これは東京湾で採取したSkeletonema属珪藻で,1/28日付けの画像と同じ種です。この種は細胞からきわめて細い粘液糸を放出していることが知られていますが,この糸はきわめて細くで,光学顕微鏡ではなかなか見ることのできない構造です。筆者はこれまで何回か撮影に成功していますが,いずれもデジタル画像を処理後に判明するという程度のコントラストの低さです。元画像(上の画像)ではほとんど判別できない状態ですが,コントラスト強調を行うと(下の画像),粘液糸が見えてきます。この例でわかりますが,デジタル画像を取得したら,何も写っていないと思っても,画像処理をしてみることが重要です(BF,撮影/MWS)。





2009年2月4日


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これはツブ貝(通称)のフタです。ツブ貝という名の貝はいろいろあるのですが,すでに殻を外したものを入手したので種名がわかりません。食べた感じではエゾボラでしょうか(?)。ツブ貝のフタはやや軟らかい角質で光が透けますので低倍率の顕微鏡で観察できます。上の画像は4倍対物レンズを用いて撮影したものですが,渦のような模様がよくわかります。きっと貝が生長するにしたがってフタも同調的に,外側に角質が発達してゆくのでしょう。ところで,ツブ貝は煮貝にするとおいしいですね。日本酒としょうゆを合わせて火にかけてアルコールを飛ばし,そこにツブ貝を入れて火が通ったらすぐに火を止めて冷まします。あとは煮汁に漬けておきます。一日もすれば噛んでも噛んでもおいしい煮貝のできあがりです(BF,撮影/MWS)。





2009年2月3日


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この画像も東京湾で汲んだ海水に入っていた珪藻プランクトンで,種名はわかりません。アクチノキクルス(Actynocycles)属に似ているようにも思いますが,もっと様々なピントで撮影しないといけません。ところで,珪藻類の観察では,水封試料だと殻の模様が見えないので,高屈折率の封入剤で封じる必要がある,との記述をよく見かけます。もちろんこれは正しいのですが,現代では微分干渉法も利用できますし,デジタル画像のコントラスト強調もできます。微細構造がよくみえなくでも,肉眼コントラスト以下で像形成している場合もありますので,そのような場合は画像処理で見えるようになることもあります。すると,生サンプルで,細胞内容物の様子を観察できるとともに,殻の微細構造もわかるようになるわけで(上の画像),種の査定法としても情報量が増します。本格的な応用はこれからですが,生サンプルでの検鏡分類は今後も発展性があるものと思います(BF,撮影/MWS)。





2009年2月2日


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この画像も東京湾で汲んだ海水に入っていた珪藻プランクトンで,Ditylum属の仲間です。暗視野照明での撮影です。この種は沿岸域にふつうの種で,全世界的に見られます。比較的ぜい弱な三角柱の中心に心棒が入ったような不思議な格好をしている珪藻で,浮遊種としてはかなり大型の部類に入ります。この種は大きいので細胞分裂の観察や,細胞内の葉緑体が移動する様子などを観察するのに好適です。スライドグラス上に工夫して小さな池をつくり,そこに海水と一緒にこの珪藻をいれて密封し,じっくりと観察するのです。静的だと思われた珪藻植物が,意外にも動きに富むことが発見できるかもしれません(DF,撮影/MWS)。





2009年2月1日


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1月31日付けで紹介した紅藻類を詳細にみてゆくと,所々に珪藻がみられます。群集の様子をみると,単に一緒に入っていたのではなく,紅藻に付着しているようです。かなり小さな種で,同定まで辿り着いていませんが,Hyalodiscusの仲間ではないかと考えます。この珪藻は沿岸のタイドプールや海藻サンプルからよく見つかるのですが,このように紅藻に付着して湾内を漂流しているとは意外でした。海底の泥からもよく見つかるので不思議だと思っていたのですが,海藻と一緒に漂流しているとするならば,岸から遠いところの海底で見つかることも納得できます。生サンプルを見ないと分からないことも多いものです(BF,撮影/MWS)。





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