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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2008年4月30日




これはトリケラチウム(三角形の珪藻)という仲間の四角タイプです。三角の四角タイプというのはヘンですが,そういうことになっています。そして六角形の格子構造を持っています。自然界というのは本当に不思議で,こんな小さな生物がガラスでできていて,三角になったり四角になったり,六角形の構造をもっていたりと,まるで幾何学を知っているかのようです。珪藻プレパラートには,このような自然の不思議がいっぱいつまっていて,存分に味わうことができます(oblique,撮影/MWS)。





2008年4月29日




これも放散虫で,きのう用いた試料から見つかった別の個体です。放散虫は中〜大型の珪藻と同じくらいの大きさで,材質もケイ酸質ですから化石に残りやすいのです。しかし珪藻の方が海水に溶けやすく,放散虫の方が化石としての保存性が良いことが知られています。陸からずっと遠い外洋では,ただでさえ数少ない珪藻が深い海に沈む間にほとんど溶けてしまうのに対して,放散虫は溶け残りが海底に堆積します。これが長い年月を経てチャートという岩石に生まれ変わったり,京都の周辺で砥石として産出したりします。岩石は生物となり,生物は岩石となり,地球を巡っています。あなたも今日,かつての放散虫を踏んづけたかもしれません(BF,撮影/MWS)。





2008年4月28日




海底から泥を採集し,有機物を除去して鉱物と珪藻を分離していると,放散虫も見つかります。沿岸の泥の場合は珪藻よりずっと数が少なくて,珪藻の山をかきわけて探さないと見つかりませんが,珪質の骨格に多様性があり,珪藻と同様にとても美しいのです。並べスライドの素材として適当なので集めておこうと思うのですが,きょうは数十個体程度拾うのに数時間かかりました。もうちょっと効率的な方法を見つけないといけませんね(BF,撮影/MWS)。





2008年4月27日






きょうは干潟(愛媛県)の珪藻を検鏡しました。干潟は非常に生産性が高い水域で,たくさんの珪藻類が生息しています。この試料も例外でなく,ナビキュラ,ニッチア,アクナンテス,プレウロシグマ,カロネイスなどがたくさん見られました。干潟の珪藻は運動性のものが多く,短時間で干潟表面の色を変えることもあります。検鏡していても絶えず動き回り,撮影しにくい対象です。また干潟試料には淡水の珪藻も結構混じっています。今回の試料ではキンベラ,シネドラ,ディアトマなどが被殻だけの状態で混入していました。これらは河川上流部から干潟にたどり着き,そこで堆積したものでしょう(oblique,撮影/MWS)。





2008年4月26日






採集してきた付着珪藻の試料を生で検鏡すると,こんな感じに見えます。ほとんどが鉱物粒子などの凝集物で,その間に珪藻がちらほら見られます。水封で検鏡するときは大体,一滴の半分程度をマウントしますから,その中にお目当ての珪藻が一個体でも入っていたら,処理に回されます。鉱物粒子は処理の過程で個々の粒子にほぐれ,非常に微細な粒子となって漂いますのでこれを除去し,大きな粒子は早く沈むのでこれも除去します。こうして注意深く珪藻を濃縮していき,99%の鉱物を捨てれば,処理後の試料を一滴とるとお目当ての珪藻が数十個体になっている可能性があるわけです。非常に希少な個体は,このような濃縮物であっても数千〜数万個体に一つ程度の濃度なので,散らしスライドで見つけるのは困難で,珪藻の山をかき分けて拾った方が早いことが多いです(BF,撮影/MWS)。





2008年4月25日




きのうとおとといの画像では水中の海藻を示しましたが,水面の反射がほとんど見えないことに気づいた方もおられるでしょう。これにはいくつかのコツがあります。まず第一は,当たり前ですが,偏光フィルタで反射をカットすることです(デジタルカメラではふつう円偏光フィルタを使います)。第二は,カメラを構えるときに,ブリュースター角(Brewster's angle)を意識しながら構図を決めるということです。この角度(水面に対して約37度)のときに水面からの反射光は直線偏光が卓越し,偏光フィルタでもっとも効率よくカットできるからです。第三は,水中の物体に対して最適なコントラストになるように画像処理をすることです。残存する反射光成分は水中の物体に対してコントラスト低下成分として働きますから,コントラストを上げて修正するというわけです。上の画像は,左1/4が水面上,右3/4が水面下,上半分がブリュースター角付近,下半分がそれとは外れた条件です。画像からいろいろ読み取ることができるでしょう(撮影/MWS)。





2008年4月24日






23日の相模湾も穏やかで,サンプリング日和としてはなかなかの条件でした(上の画像)。タイドプールで紅藻類を観察しながら(下の画像),石ころに歯ブラシをかけて珪藻を採集していると,観光客のご一行様に声をかけられました。

「なにとってるんですか?」
「石についているコケ,藻の採集です」

「調査ですか」
「そうです」

皆さん,久しぶりに海にきたのか,生き物を発見しては大喜びです。

「カニだぁ〜,ヤドカリだぁ〜」
「これ,食べられるの?」
「ダシくらいなら出ますけど,ふつうは食べませんよ」

「あの緑色はなにだね?」
「ちょっと遠いですけど,あれはたぶんアオサでしょう。食べられますよ。」

「あのぷよぷよは?」
「うーんと,えーっと,ちょっと名前が出てきません。何とかノリといいます。(フクロノリでした)」
「あれがノリなのか」
「いわゆるふつーのノりとは全然違う種なのですけど,そういう名前になっています」
「へぇー」

「あれはオニヒトデだよね?」
「いいえ,イトマキヒトデです。オニヒトデはトゲトゲですよ」

「それは食べられるのか? 何でも食べられるか聞いちゃう。ワハハ。」
「食べてる人はいますけど,ほとんど骨格だからたべるところがないですよ」

「ウニがいますよ。お見せしましょうか。こいつは食べられませんけどね。」
「うわーすごいとげとげ,動いてる動いてる」

「あのシマシマの魚はなんだね?」
「あれはゴンズイです。あれは食べられますよ(笑)。でも刺されるから軍手はめないとあぶないですよ。」

「こういうところに来るには,オニギリが必需品ですよ(笑)」
「そうそう,いまちょうどその話をしてたとこなのよー」

「あそこまで歩くと相模湾が一望できるから行ってみてねー」
「よーし,いこういこう」

「いっぱい勉強になったねー。どーもありがとうございましたー。」
「いいえ,どういたしまして。どうぞお気をつけて。」

ご一行様は,にわかのガイド役を得て満足のようでした。

「お兄さんがんばってね。きれいな海のために。」

心に残る一言です。

サンプリングをしていると,時々こんなやりとりがあって,なぜか筆者が元気をもらった気になったりします。皆さんもお元気で(撮影/MWS)。





2008年4月23日






22日の相模湾は一部ベタ凪で,日和としてはなかなかの条件でした(上の画像)。しかし先々週の大雨&高波によって底層はことごとく洗われていて,低潮線付近に生えている海藻にも付着物は少なく,珪藻探しは難航しました(下の画像)。こういうときはタイドプールや岩陰で高波で底層がさらわれないような条件のところを探すのが先決になります。そのような場所はいわば吹きだまりのようになっていて,様々なゴミとともに珪藻が存在していることが多いからです。どうにか探して持ち帰った試料を検鏡すると,まぁまぁ珪藻が見られますが,99.9%以上が鉱物や他の不要物です。さてこの0.1%を95%まで持って行くことができるのでしょうか(撮影/MWS)。





2008年4月22日






春いっせいに新芽が吹き出すとアブラムシもいっせいにわき出します。プランターのミツバに毎年大発生して困らせてくれるアブラムシですが,自然観察の素材としてはなかなか優れています。30倍ほどでじゅうぶんに観察できますし,動作も遅いので取り扱いが簡単です。毒性もありませんし。こんなに小さくても触覚や複眼があり,それをルーペ+αくらいの倍率で観察できるのですから,たまには駆除する前に観察してみたらいかがでしょうか(DF,撮影/MWS)。





2008年4月21日


ps

MWSプレパラートJシリーズは,一つ一つ想いを込めて珪藻を並べて製作します。注文が入りますと検品の上で発送になりますが,MWSにとっては,検品作業は最後の見納めでもあります。お気に入りのプレパラートを発送する作業は,育てた何かを送り出すような気持ちになります。新たなユーザーの手に渡り,満足感を与えてくれることを願うばかりです(oblique,撮影/MWS)。





2008年4月20日


ps

これはエゾイソアイナメのウロコです。この魚はみそ煮にすると肝がとてもおいしいのです。で,食べない部分は顕微鏡観察の対象になるわけです。魚鱗の画像についてはすでにクロソイ(2007年10月31日),ニシン(2008年2月24日)を得ていますが,それらと比較してみてもまったく違う特徴を持っていることがわかります。他の鱗に隠されている部分は透明な角質ですが,体表面に露出している部分には色素の斑点がみられます。輪紋は均等な山と谷のように見えます。ウロコは低倍率で十分観察できますので,教材用の試料としても適当でしょう(oblique,撮影/MWS)。





2008年4月19日


ps

ps

ps

生きているアニサキスを検鏡してみました。魚やイカにふつうにみられるので,知っている人なら焼き魚からも見つけられるでしょう。尾部の巻いている部分を撮影してみましたがなかなか美しいですね(上の画像)。近紫外で蛍光撮影すると弱い自家蛍光がとらえられました(中段)。頭の部分は下の画像です。このアニサキス君,最近,興味深い研究がなされています。サバを食べてじんましんが出る人に対して,サバ抽出物とアニサキス抽出物で反応を調べたところ,サバ抽出物に陽性反応を示す人はゼロで,少なからぬ人がアニサキス抽出物に陽性反応を示したというのです。つまり普段から刺身を食べるなどしてアニサキスを摂取している人が,アニサキスのついたサバなどを食べるとアレルギー反応が起きてじんましんを発症するというわけです。これで,サバを食べても大丈夫だったり,ダメだったりする理由が説明できますね(DF,撮影/MWS)。





2008年4月18日


ps

これは物体Xを専用のアプリケーターにマウントしたものの画像です。研磨剤の接触面積を考えると,マウントする量はごくわずかで良く,たくさんマウントすると環境汚染を引き起こしますので注意が必要です。この物体Xもアプリケーターも一般家庭では洗面所においてあることが多いでしょう。というわけで物体Xはtoothpasteが正解でした。いくつかメールを頂戴しましたが,1名様が正解でした。この例のように,日用品の中にも,ミクロの目で見ることによって認識を新たにするものがたくさんあるのです(DF,撮影/MWS)。





2008年4月17日


ps

昨日に引き続き,べつの物体Xを水に溶いて観察しました。こちらの物体Xは全体的に粒子が大きく,石英の破片のように鋭い破断面を持っています。これなら研磨剤として利用すれば効果的でしょう。しかし間違って飲み込んだりしてしまったら,このような粒子が体内を通過することになるので,取り扱いに注意した方がよいかもしれません(oblique,撮影/MWS)。





2008年4月16日


ps

これはある物体Xを水に溶いてマウントしたものです。対物レンズNAは0.95で,かなり高倍率での撮影です。この物体Xは非常に多くの種類があり,このような石ころが見えないものもあります。この物体がなくても生きていけますが,一つの産業を成している以上,日常生活に深く入り込んでいます。たいていは一つの目的に利用されますが,発想を変えればいろいろな用途に転用できます。さて,何でしょうか(oblique,撮影/MWS)。





2008年4月15日


ps

これは巻貝のフタの拡大像です。直径7mmほどの小さなフタです。石灰化しているのでサザエ科の巻貝でしょうか。小さくとも見事ならせんを描いていて,それは中心部まで精密に続いています。このカーブは一見して,クロソイド曲線のように見えます。速度一定でハンドルを一定速度で回し続けると描かれるカーブのことで,高速道路のインターチェンジなどでおなじみですね。単なる円弧では成長して大きくなれませんから,このような曲線になるのでしょうが,どのようなメカニズムで一定の曲率変化を保っているのでしょうか(DF,撮影/MWS)。





2008年4月14日


ps

珪藻を並べた美しいプレパラートJシリーズの第二ロットを販売開始いたしました。ミクロの美しさを鑑賞する最適な永久プレパラートです。宝石もかなわない美しさでありながら,手軽に入手できるこのプレパラートをぜひ一度ご覧ください。この画像もきれいですが,実物の精緻な美しさはこんなものではありません(DF,撮影/MWS)。





2008年4月13日


ps

干潮時にタイドプールの岩を観察すると海綿がよくみられます。海綿(カイメン)はspongeのことで,手触りも台所用品のスポンジのようです。しかし海で普通にみかける海綿はなんとガラス質でできているのです。顕微鏡で見ると,ガラスよりもずっと純粋なケイ酸質の細い針(海綿骨針)が組み合わさって全体の形ができていることがわかります。ですからこんなスポンジで顔などこすったら大変です。観察して,そっと指で押して感触を確かめる程度にしておいた方が無難です(撮影/MWS)。





2008年4月12日


ps

大潮の干潮時に姿を現す石積みの港があります。このような場所はふだんは海底ですから,その年にいちばんの干潮時に訪れれば海底のサンプル(泥上や石上の)を入手できることになります。さっそく駆けつけると,地元の方々がサンプル採取に余念がありません。それを尻目に泥上にいるはずの珪藻を採取します。海藻や貝類を採取している方々の冷たい視線を浴びながら,食えもしない海藻で海水を濁らせたり石に歯ブラシをかけたりと,他人に理解されないであろう行為を続けるのはスリリングでもあります。持ち帰ったサンプルが状態のよくない試料だった場合は疲れがどっと増しますが,処理がうまくいって輝く珪藻を大量に取り出せたときなどは筆舌に尽くしがたい充実感を味わえます(撮影/MWS)。





2008年4月11日


ps

大潮の干潮時はタイドプールで微生物を採集するチャンスです。昨日の干潮は昼過ぎに-11cmでしたから,年に数回の好機であることは間違いありません。しかし前日の荒天のせいで海岸や底層はきれいに洗われていました。紅藻を振ってみても数種のプランクトンと稚貝が出てくるばかりです。海岸には大量の海藻が打ち上げられ,潮だまりには取り残されたタコが右往左往しています。こんなときはオニギリでも食べて,次の作戦を考えるに限ります(撮影/MWS)。





2008年4月10日


ps

このようなカッコイイ珪藻をぜひとも供給したいのですが,それには少なくとも数万個体以上を集めなければなりません。このタイプの種類(ギロシグマ・プレウロシグマ)は泥上を動き回っていることが多く,海底の泥を採集してくればたいてい入っているのですが,泥まみれです。これをうまく濃縮して比較的純粋な細胞に持ち込むには途方もない大変な作業になってしまいます。どこかにコイツが大量に固まって増殖していれば一攫千金なのですが…。宝探しはきょうも続きます(DIC,撮影/MWS)。





2008年4月9日


ps

動物プランクトンを撮影するときに困るのはその動きの早さで,うまい構図など考えている時間などありません。薬品処理等で動きを止めることもできますが,できるだけ生きている姿を撮影したいという欲求もあります。このようなときはカバーグラスに挟まっている水や海水を,小さく切ったちり紙に吸わせて水の厚さを調節します。うまくいけば,ねらった動物プランクトンが挟まって動けなくなる状態にできます。水を吸いすぎるとつぶれて形が崩れたり内容物が出てしまったりしますので加減が重要です(DIC,撮影/MWS)。





2008年4月8日


ps

ps

海水が茶褐色に見えるとき,肉眼的にはきたならしいのですが,顕微鏡的には美しいことが多いのです。その理由は茶褐色の原因が珪藻だからです。東京湾や大阪湾が,台風などの大出水でもないのに茶色い水に見えるのは,都市が吐き出した栄養分で珪藻が大増殖しているからです。なかでもよく見られる種は,スケレトネマ属の珪藻(Skeletonema costatum)で,茶色い海水をコップ一杯すくえば,ホコリのような細い細胞が肉眼でも観察できることでしょう。この珪藻は細胞が連接刺毛でつながっています(上の画像)。この刺毛は非常に細くてコントラストが低く,細胞内部にピントを合わせるだけで見えなくなってしまいます(下の画像)。本種は世界中に分布するコスモポリタン種の一つです(DIC,撮影/MWS)。





2008年4月7日


ps

ps

ps

東京都区部ではソメイヨシノ(染井吉野)も終わりに近づきましたが,風に舞い散りゆく一輪を検鏡してみました。桜はその上品な色が身上ですが,これは花弁(花びら)の基部から中間にかけて着色した細胞が分布していることにより表現されているようです。高倍率にすると,なんとこの細胞一つ一つには微細な凹凸が刻まれています。ひょっとすると,この構造が光を拡散反射してサクラ独特の柔和な明るさを醸し出しているのかもしれません。花粉は透き通っていて琥珀のような美しさでしたが,これはデジタル画像では表現が難しいようです(epiDF,撮影/MWS)。





2008年4月6日


ps

ps

透過明視野検鏡を行っているときにコンデンサを絞りすぎると視野にゴミが見えるようになります。まずアイピースのゴミ,次に目の中のゴミが眼球と一緒に動いて見えます。これは飛蚊現象と呼ばれ,軽度なものは多くの健常人にも存在します。もし日常生活で突然この現象が起こり始めたら網膜剥離など病気の前兆かもしれませんので,早めに眼科を受診しましょう(少量なら誰にでもあります。明るい曇りの日に空をみてみましょう)。さて,この現象は顕微鏡写真撮影でもよく見られます。コンデンサを開き気味にするとゴミはほとんど見えないのに(上の画像),いっぱいに絞り込むとたくさんのゴミが写り込みます(下の画像)。これはローパスフィルタ,CCD,レンズ上のゴミや,レンズの研磨跡,脈理,キズ,ブツなどが,細く絞られた光束により,投影像を形成しているものです。デジタル写真の場合はこれらのゴミをレタッチや減算で取り除くことができますが,面倒ですし,ノイズも増えますので,あらかじめコンデンサを開き気味の良好な画像を取得するように心がけると良いと思います(BF,撮影/MWS)。





2008年4月5日


ps

珪藻は広範囲に分布する種が多いのであまり遠くに出かけなくても多種多様な種を含む試料が採取できます…といいたいところですが,実際はあまりうまく集められません。特に海の珪藻は自然海岸が少なくなっている現在では,採集そのものが難しくなってきています。コンクリート護岸にも珪藻は付着していますが,危険で採集どころではありません。一見して砂浜に見えるところが,砂を持ち込んだ人口海浜公園だったなどという場所もあります。そのような場所にも珪藻はいますが,おもしろい試料に当たったことはまだありません。一方,どこにいるか見当がつかない珪藻がたまたま持ち帰った試料に入っているということもあります(上の画像)。このようなことから,採取時には場所はもとより,海岸の状況や波のあたり具合など,いろいろなことを考えて,いくつもの試料を持ち帰ることになります(BF,撮影/MWS)。





2008年4月4日


ps

MWSでは珪藻の魅力的な姿を多くの方に伝えたいと思っています。珪藻は数万種もいるといわれていますので,すべてを収集することは無理ですが,大きくて観察しやすい珪藻や,形がおもしろくてぜひ見てみたい種類,対物レンズのテストに好適な種類などを集めることはできるかもしれません。販売するほどに量を集めて質を保つことは難しいですが…。この春もせっせと珪藻探しの旅が続きますが,きょうの画像のようにおもしろい形の珪藻などが少しずつ集まってきました。希少な種などは数万細胞に一つ程度なので現場で顕微鏡をのぞいてもまず,わかりません。持ち帰った試料を処理して,大半を捨てて濃縮して,目的の種が含まれる部分を見つけるのです(BF,撮影/MWS)。





2008年4月3日


ps

ps

顕微鏡で生(なま)のサンプルを検鏡していると「これは何だ?」と思うものに出会います。その場でわからないときは後で調べることになるのですが,対象が原生生物などの場合は死ぬと形が変わったりしますので,生きているうちに写真撮影を行います。ところがこれが大変です。動き回るし,繊毛や鞭毛を振り回すしで,典型的な姿を撮影するのは一苦労です。きょうの画像は川の水に含まれていた原生生物ですが,名前が思い浮かびませんでしたので,鞭毛を伸ばしたところと,細胞表面の模様を写しておき同定の資料としました。さて,これで調べはつくでしょうか(DIC,撮影/MWS)。





2008年4月2日


ps

これは海岸に打ち上げられたアマモです。一見して汚れているように見えますが,このよごれを顕微鏡で見ると印象が変わるでしょう。びっしりと表面を覆うように珪藻が付着しているからです。海でも川でも湖沼でも,茶褐色に濁っていて汚いとか,汚れているとか思われているものの正体は,多くの場合において,珪藻だったりします。確かに見た目の印象は悪いのですが,顕微鏡下では生物がひしめき合う興味深い世界が広がっています(撮影/MWS)。





2008年4月1日


ps

先月末に赤潮生物に関するシンポジウムが都内で開かれました。コクロディニウムという分類群に属する生物のみを扱ったシンポジウムで,生態的に不明な点や赤潮被害,今後の課題など多くの点について研究発表と討議がなされました。当然,この会場にいるすべての人は顕微鏡を使って仕事をしている人たちです。赤潮,という自然現象を解明するにも,まずは試料を採取して顕微鏡でのぞくという作業が必要です。人間の視覚能力の延長として,高性能な顕微鏡はますます重要になってきています(撮影/MWS)。






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