本日の画像
MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【今月】 原子力災害関係の記事だけを見たい人は こちら をどうぞ(2011年9月再開)。 ユーザー様には海洋の放射能汚染に関するテキストを こちらで配布中です。 2012年4月30日
29日は都内で打ち合わせの一日となりました。午前中はひとけのない大学研究室で手持ち測定機器の校正データをとらせていただき,研究室の機材も紹介いただきました。午後は機材関連の用件で顕微鏡に詳しい方のお宅を訪問し,顕微鏡の午後となりました。顕微鏡に詳しい大人三人が,多種類の専門的な標本とともに,機材をいじり回しました。大学院在学中の二人の若い方には, 2012年4月29日(2)
集中して本が読みたくなり,電車に乗ることにしました。そのむかし,一日4時間の通学時間で山ほど本を読んだせいか,読書タイムは電車の中が最上です。どうしても,というときは大した用事がなくても車内で読書ということもあります。28日はせっかくのお天気でしたから,山手線でぐるぐるはやめて,フランスのタイヤ屋さんが三つも星をつけてしまったお山のふもとまで行くことにしました。先々週はまだ山も緑になる前の輝きだったのですが,きょうはすっかりと新緑になっていました。もみじで有名なところですから,春の芽吹きも美しいのです(画像/MWS)。 2012年4月29日
身のまわりにはいろいろ光を発するものがありますが,見た目は同じでも分光するとまるで異なるものも多いです。きょうは昼光色の蛍光灯(日立)と白色発光ダイオード(日亜化学)のスペクトルを示しました。両者とも見た目は同じ白ですが,分光したグラフは異なります。蛍光灯はRGB的にピークがあり,演色性を意識した製品のように思えます。白LEDの方は450nm(青)付近の鋭い立ち上がりで蛍光体を叩き,550nm付近をピークとする幅広の蛍光で,見た目に白い色を作り出しています。両方とも白色光ですが,紫や赤の成分に大きな違いがあるので,物体によっては色が違って見えたりします(画像/MWS)。 2012年4月28日(2)
太陽光と蛍光灯では光の成分が異なりますので,ものの色彩が変わって見えることがあります。きょうの例では特殊なガラス二種を画像で示します。画像一枚目は曇天の自然光で見たネオジムガラス(右)とホルミウムガラス(左)です。ネオジムガラスはピンク色,ホルミウムガラスは黄色に見えています。このガラスを昼光色の蛍光灯の下で見ると,ネオジムガラスは緑色に,ホルミウムガラスはピンクっぽく見えます。ガラスの吸光特性と蛍光灯の波長特性(と目の感色性)によってこのようになります。ガラスの吸収特性を画像三枚目に示しましたが,じつに複雑なグラフになっています(画像/MWS)。 2012年4月28日
方解石の蛍光(燐光)に関しては数名の方からコメントを頂戴しました。有り難いことです。むかしボスから,「コンタクトをとってきた人が1人いれば,興味を抱いているヤツは10人はいる」と言われましたので,きっと「本日の画像」の読者の中には,ほかにも方解石で遊ぼうと思っている方もおられることでしょう。そこで,方解石は持っているけど,ブラックライトも紫外線ランプも紫色レーザーも持っていない人のために,紫色LEDで方解石を光らせてみたのがきょうの画像です。LEDは通販や秋葉原店頭などで安価に販売されているもので,400nm程度の発光波長です。電流は20mA流していて,4灯を束ねています。ビームを収束させるためにプラスチックレンズを一枚入れています。方解石の赤色発光がはっきり見えることがわかります。もちろん,部屋は暗くします(画像/MWS)。 2012年4月27日
こんどはF-TESTの製作です。この検査板は,耐久性の高い蓄光粒子をマウントしたもので,蛍光顕微鏡の調整などに使用するものです。紫外線から青色光の広い範囲で励起することができ,緑色の光を発します。マウントする粒子のサイズは幅を持たせており,これにより,観察者が必要な輝度の粒子を利用することができます。蓄光粒子は,大きなものは明るく輝き,小さなものは暗いという特性があります。紫外線励起などでまぶしいほどに輝く場合は,NDフィルタを入れるか,粒子の細かいところを検鏡することで対応できます。反対に,B励起で輝きが不足しているときは,粒子の大きなところを選んで覗けばいいわけです。 2012年4月26日
干潟の泥とともに採取した付着珪藻はどのように処理しようか困っていたのですが,珪藻の生態を利用して濃縮してみることにしました。海水と泥の入った容器を振り混ぜて静置し,上面から白LEDの強い光を照射します。白LEDはエネルギー的には青色光の成分が多いのですが,珪藻は青色光の方に集まる性質があるので好都合です。しばらく放置すると灰色だった泥の表面が褐色になり,珪藻が表面を覆い尽くしていることがわかります。やがて光合成による酸素の泡が発生してきます。 2012年4月25日
光生物学がご専門の方から,方解石の場合は蛍光よりも「燐光」のほうがいいかもしれませんと連絡をいただきました。0.1秒くらいのわずかな残光を認めたので筆者もそういう感触は持っていたのですが,調べないまま記事を書いてしまいました…。発光スペクトルの情報も教えていただきましたが,それによると(こちら),方解石の発光スペクトルはなかなか多様ですね。グラフを見ているだけで,各地の方解石を収集して紫外線を照射したくなります(笑)。 2012年4月24日
透明方解石の中には蛍光を発するものがあります。紫外線(365nm)でも励起できますし,405nmのレーザー(取扱注意)でもOKです。後者だとはっきりと鮮やかに発光します(きょうの画像)。発光波長は産地によって異なるようで,ブラジル産の透明方解石(画像の左側)は青緑とも黄緑とも判別できないような色で光ります。マダガスカル産の透明方解石は赤い蛍光を発します。出所の分からない方解石でも,蛍光スペクトルを見れば産地が判別できそうです。手持ちの方解石はこの他にもあるのですが,1cmくらいの小粒の3個はブラジル産と同じ色の蛍光で,3cmくらいの,かはくショップで購入した透明方解石はマダガスカル産と同じ色の蛍光でした。ところで,「蛍光」という言葉で説明してきましたが,実際はどのような現象か迷っている部分もあります。マダガスカル産の方解石で定性的に調べると,発光開始までに数十ミリ秒くらいかかるようで,残光も数十ミリ秒くらいはあるのです(画像/MWS)。 2012年4月23日
いつ透明になるかわからないはずだった方解石が,ちょっと気晴らしにと磨いていたら,あらあら,透明になってしまいました。面はきちんと出しましたが,キズ取りはかなり適当にやったので小キズがたくさん残っていますが,実用には十分です。といいますか,わざといい加減に磨いている感もあります。一点の曇りもなく仕上げてしまったら(そんな時間はありませんが),触ることもできず,ガラスケースを作って入れておくことくらいしかできなくなってしまいます。いろいろな人に触れてもらい方解石の面白さを体験してもらうには,多少のキズが残っているくらいでいいのです。 2012年4月22日
ロバートフックが『細胞』を『発見』したとされるコルクの絵はWikipediaにのっています。それを何気なくみていたら,コルク材を2方向から切って切片を得ていることに気付きました。たぶん木口面と板目面だろうと思い,自分でもやってみました。すると,なるほど,フックと同じように長方形の細胞壁と円形の細胞壁と,見え方の異なる切片となりました。さて,生物の教材としてはどちらがいいのかしら…。両方を使った授業の展開というのもありそうですが…(画像/MWS)。 2012年4月21日
DL-TESTが終わると今度はコルクの薄片です。ロバートフックが『細胞』を『発見』したとされる材料ですから,教育的な価値の認められやすい標本となります。コルクはどこにでもありますから,ワインの栓などを薄く切れば,それだけで観察できます。と,書くといかにも簡単そうですが,コルクの薄片をつくるのは意外にむずかしいのです。 2012年4月20日
RL-TESTが終われば今度はDL-TESTです。この検査板はJシリーズの技術を用いて珪藻を一列に並べたものです。Jシリーズと同じものともいえますが,珪藻の選別には特別な注意を払っており,また対物レンズの品質判定に使いやすそうな珪藻を選んでいることろが異なります。散布スライドの形態でも検査板として使えますが,封入剤に沈んでいたり,傾いているものは不適当なので,よい珪藻を探すのに時間がかかります。 2012年4月19日
特注が終われば今度は検査板です。画像はRL-TESTで,Amphipleura pellucidaの270nm,200nmの構造を用いた検査板です。この検査板は散布スライドの形態で,珪藻がばらばらに分布しています。その中から本種を探し出し,検査板として使える品質の被殻にダイヤモンドカッターでマークが入れられます。この段階のものはRL-TEST(データなし)として取り扱っていて,販売価格は5000円です。マークをつけた被殻の測定データをつけることもできます。この珪藻の構造を高分解能イメージング技術により解像し(上の画像),条線間隔を計測します。その測定値と画像をデータとして,検査板と一緒に納品します。こちらは9000円です。 2012年4月18日
特注の依頼を受けていた品物をようやく納品でき,これでずいぶんと気が楽になりました。昨年は震災関連で多くの時間を使い果たしてしまい,珪藻を拾い集めることができませんでしたので,飾りの珪藻が不足してツリーの製作ができない状態が続いていました。ようやく平常モード(に近い)の落ち着きを取り戻しつつあり,指先の感覚を思い出しながらコトを進めている次第です。最近は来客も多くさばくメールの量も増えてきて,時間管理が課題になりつつあります。それにしても,自分で製作したものでありながら,珪藻ツリーはなんと美しいこと。見惚れます。宝石よりも見飽きない感じがします(画像/MWS)。 2012年4月17日
最近のハトさんは,むかしよりも人を恐れない感じがするのですが,これって遺伝するのでしょうか。それとも,ハトさんネットワークで,人間はあんまりこわくないよ,と伝えあっているのでしょうか。不思議です。このハトさんもコンパクトデジカメを構えて,前方数十センチのところにいるのです。ときどき,おっとっと,という感じで距離をとるのですが,それも結構面倒くさそうな感じです。恐怖心を感じているようにはみえません(画像/MWS)。 2012年4月16日
15日はこころのふるさとへ出向きました。東京西部の筆者が育ったところです。この町は隅々まで走り回り,季節ごとにどこがどうなっているか,だいたい予想がつくのです。今ごろは芽吹きの美しさが最高だろうと行ってみると,±2日以内という好みの状態でした。 やや遅咲きの桜が満開ですばらしい樹勢でした。この繊細な美しさはカメラに収まりません。 そのまま額縁の中に放り込みたいような春の景色となる一瞬です。タイミングがよくないとこういう絵になりませんね。 芽吹きの明るい雑木林を歩く気分はこの上ない幸せです。 ヤマボウシも葉を広げはじめています。 クマシデの芽吹きはひときわ美しいのです。小学校に上がる前,裏山のシデの芽吹きを時間を忘れて眺めていた記憶があります。 林床ではボケがあちこちで咲いています。日本的な地味な鮮やかさとでもいいましょうか。 逆光に透ける芽吹きはいつまでも眺めていたい美しさです。 野原に出ると名も知らぬ花が咲き, ちょっと陰るとハナダイコンの群落が一斉開花で地面の色を変えています。 シバザクラはせいいっぱいに花びらを広げて, 菜の花は開花したばかりという感じです。 昨年の今ごろは災害に気をとられて新緑どころではありませんでしたが,そのせいか,エネルギーが足りない一年という感じがしました。白髪もどっと増えたのです。やっぱし人間たるもの,美しいものを鑑賞して心のけがれを洗い流し,大自然のエネルギーで心身充電しないといけません。久々にふるさとの公園に来て,つくづくそう思ったのでした(撮影/MWS)。 2012年4月15日
方解石は柔らかいので整形は難しくありません。砥石でゴリゴリやればどんどん削れていきます。劈開面に沿ってぴったりと研磨していけば,そのままの形を保持しつつ面だしができます。ただ,表面の傷を浅くするにはコツがいるようです。筆者は手持ちの材料で何とかしようとあがくのが通例ですので,今回もそんな感じで,刃物研磨用の砥石で最適な組合せを探します。方解石の研磨はこれまでも何度もやってきたのですが,そこから得た結論,というかコツは, 2012年4月14日
ここのところずっと寝不足が続いていて体調が今ひとつです。そういうときは集中力が途切れるので細かい作業にはなるべく手をつけないようにしています。13日の金曜日は,低気圧が近づいているせいか,頭が晴れません。そこで懸案であった巨大方解石の研磨に手をつけることにしました。8400円もしたこの巨大方解石は豆腐2パック分くらいの容積があります。劈開面はきれいに出ているところと,大きな段差があるところがあって,観察/観賞用には少し不便でした。そこで,凸凹部分からは光学素子用の薄片を製作することとして,全体を方解石の劈開の形に整形することとしました。 2012年4月13日
12日は,東北から若い珪藻研究者,関西から光合成の最先端の研究者の訪問を受けまして,朝から晩まで大勉強会でした。思い出したことをかいつまんで紹介するのも難しいくらい,レベルの高い議論が続き,脳内がスゴイことになって寝付きが悪そうです(笑)。藻類の生殖過程や光合成研究,分類のお話など,学ぶことが多く,それ以上に,理解が追いつかなかったことが多く,勉強になり,反省もした一日でした。最先端を突っ走って研究しておられる方にも,ちょっとだけJシリーズをご覧いただけたことは幸いでした。一枚だけご覧に入れるときには,偏斜透過落射同時暗視野法により,珪藻を干渉光で輝かせるのです(画像/MWS)。 2012年4月12日
ついにやりました。サンプリングの帰りにながねんの懸案であったターャジスの撮影に成功しました。しかも右面後方からで,そのパースペクティブによりターャジス感がアップしています。このクルマは学生時代から気になっていたのです。まったく予想していないときに突然現れるので油断ならない存在です。そしてまた左面だけが見えることも多く,右面をすかさず撮影するのはけっこうな難易度です(笑)。このターャジスは各クルマに番号が振ってあって,この画像では5391です。ようやくターャジス愛好家の仲間入りを果たしたような気がします…。 2012年4月11日
11日も大潮ですので,サンプリングとなるわけであります。こんどは三浦半島方面から浦賀水道側を攻めに行きます。3日間も連続で海辺での作業になりますので, 2012年4月10日
9日も大潮ですからサンプリングとなるわけです。こんどは三浦半島方面から相模湾を攻めに行きます。この時期は冬の間に育った海藻類がたくさんあって,その海藻に付着している珪藻を採取する好機です。ここで材料(種数)をたくさん集めておかないと,Jシリーズを製作するときに四苦八苦することになるので,楽しいピクニックのように見えながら(たのしいですが…),真剣勝負でもあります。 2012年4月9日
8日は大潮でしたのでサンプリングとなりました。まずは手始めに葛西臨海公園で干潟の珪藻を採取です。先日の大嵐でかなり場荒れしている予感もあったので,今回は付着珪藻で活発に移動する種を狙っての採集としました。公園内は花見客や行楽客であふれかえっていて,イベントも行われていました。誰も放射線量を気にすることなく遊んでいるように見受けられましたが,この公園では濃淡が激しく,けっこう線量が高いところもありました。皆が寝ころんでいる芝生の上で0.18μSv/h程度のところが多く,石畳などの道路の上では0.23μSv/hと高く,その一方で渚周辺の砂浜上では0.05〜0.03μSv/hと低い値を示しました。河川が放射性セシウムを運び込んで堆積しているような場所ですが,放射線量は石やコンクリートに付着したセシウムから発せられるものが多い印象です。 2012年4月8日
都内では桜が満開になってきました。ちょっと日陰気味のところではこれからで,ここ数日は楽しめそうです。きょうは寒くて,花見の宴会も大変そうでした。筆者も連れ回され,ベンチで缶ビール一本だけ空けましたが,真冬を思わせるさむさむ風に閉口しました。こういうときは早く帰宅して暖かいラーメンでも食べ,熱燗で一杯やるに限ります(画像/MWS)。 2012年4月7日
この珪藻は海にいるニッチア属の一種ですが太さは1μmを切る程度のたいへん細い姿となっています。このくらい細いと並べるときも祈るような気持ちで取り扱います。ひじょうに細いケイ酸の殻は,ポキポキ折れてしまうようなものと,しなやかに自在に曲がるものとがあります。この珪藻の場合は後者なので,ひじょうに弱い力でゆっくりと操作すれば,何とか並べることができます。プランクトン性の珪藻では触れただけで破壊してしまうものもあって,そのような種は未だにJシリーズの技術で並べることには成功していません。もっとも,並べる以前に,乾燥試料を作る段階で壊れてしまうのですが…(画像/MWS)。 2012年4月6日
土佐土産といえば土佐刃物と相場が決まっています。なので昨年9月の学会では,台風で足止めになったのをよいことに,ひろめの市場近くの刃物屋をはしごしてお土産を買い漁りました。もっとも,お土産といっても人にあげたのは一本で,あとは全部自分用です。何が欲しかったのかというと,ほんとうは船行包丁の良いヤツなんですが,これは何十本みてもピンとくるものがなかったので次回に持ち越しとなりました。あと,ミニ包丁は常に探しているので,黒打ちの和包丁で小さなものを探し求めて歩きました。 2012年4月5日
珪藻が濁るのはまったく原因不明なのですが,じつに気分の悪い現象ですから,どうにかしなければなりません。これまでも種々検討してきましたが決定打がありません。濁る珪藻を使わないことが根本的な解決なのですが,そうすると大きくて美麗な種を失うことになり,それはまた残念なのです。試行錯誤的に濁らない方法を見つけようとしていますが,全て同じ材料を用いても濁ったり濁らなかったりするケースがあって,良い方法が見つかりません。被殻の水分含量や,その日の湿度,温度など,考えられるパラメータはいろいろあるのですが,どれも制御が簡単ではなく,途方にくれる日々です。きょうの画像は検討実験中のテストピース二種を撮影したもの。全て同じ材料を用いているのに,濁っていたり,濁らなかったりしています(画像/MWS)。 2012年4月4日
Jシリーズの製作技術は常に改変を加えていて,いつになったら技術的に満足するか,見当もつかないほどです。課題は山積みで,しかし一つを解決するにも思考,実験,いろいろと大変です。当初から悩みの種は,一部の種に封入剤が浸透しないこと。これは珪藻の殻の電子顕微鏡的な構造に問題があることと,珪藻の洗浄過程に問題があることの二つが原因なのではないかと考えていますが,解決の見通しが立ちません。また,封入剤が固まると同時に,珪藻が濁ってしまうという現象もあって,これも原因不明です。テストピースで実験を繰り返しますが,未知の要因があるようで,解決への道は遠い感じがします。そんなわけで,全てにおいて完璧な製品,というのはいつになってもできないような気もします。。 2012年4月3日
珪藻が生活史の一時期に作る特別に薄い殻を使うと,ひじょうにコントラストの低い標本ができます。明視野では発見が困難なほどで,検鏡のよい訓練になります。また,位相差法や微分干渉法の効果確認,イメージングの練習にも役立ちます。きょうの画像はクモノスケイソウの薄膜を用いた標本ですが,まだ微細構造ができる前の骨格構造が,かすかなコントラストとなって見えています。このような標本も多少は供給できるように,ここのところ薄膜を探す毎日です(画像/MWS)。 2012年4月2日
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先日掲載したヒトツメケイソウは10倍対物でしたが,こんどは20倍対物(NA=0.4)による画像です。照明開口数をNA=0.2まで絞り込むと美しい色が出ます。絞りをNA=0.6まで開くと暗視野光束が入り,珪藻がかすんで,色も消えてしまいます。うーむ不思議だ(画像/MWS)。 Copyright (C) 2012 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |