画像のご利用について





本日の画像

MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】  【2月】  【3月】  【4月】  【5月】  【6月】  【7月】  【8月】  【9月】  【10月】  【11月】  【12月】  【2009年1月】  【2月】  【3月】  【4月】  【5月】  【6月】  【7月】  【8月】  【9月】  【11月】  【12月】  【2010年1月】  【2月】  【3月】  【4月】  【5月】  【6月】  【7月】  【8月】  【9月】  【10月】  【11月】  【12月】【2011年1月】  【2月】  【3月】  【4月】  【5月】  【6月】   【7月】   【8月】   【9月】 【10月】 【11月】 【12月】  【2012年1月】  【2月】  【3月】  【4月】  【5月】  【6月】  【7月】  【8月】  【9月】  【10月】  【11月】  【12月】  【2013年1月】  【2月】  【3月】  【12月】  【今月】

2009年10月31日


ps

ps

顕微鏡は物理法則に基づいて設計された機器です。珪藻を検鏡しているとそのことを実感します。光は電磁波の一種であり,波の干渉によって像を作ります。波で模様(像)を作るわけですから,波の波長が短いほど細かい模様(像)ができます。つまり光の波長が短いほど分解能が上がるということです。上の画像は550nmで撮影したHyalodiscus,下は同じものを365nmで撮影しています(開口数は0.85で乾燥系です)。光の波長を短くしただけで,見えないものが見えるようになっていることがわかります。まさに物理法則の通りです(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月30日


ps

これはゴンフォネマという珪藻で,寒天質の軸足のようなものの先に珪藻本体がくっついている不思議な群体を作ります。珪藻被殻も相当に変わった格好をしています。それでいて珍しいかというとそうでもなく,都会の池でも見つかったかと思えば,人里離れた川や池でも見つかります。この珪藻,生試料を見ていると何となく「いけばな」を連想します(DIC,撮影/MWS)。





2009年10月29日


ps

新しい試料が入荷するとまず,生で検鏡します。生きている状態で観察する細胞数は数が知れているので,処理後のきれいになった被殻で見る種組成とは必ずしも一致しませんが,それでも何が入っているのか楽しみな時間です。処理後の珪藻はばらばらの被殻になっていますが,生きている珪藻は群体を作るものも多く,違った姿が楽しめます。上の画像は淡水試料の検鏡例で,ディアトマ属珪藻の群体です(DIC,撮影/MWS)。





2009年10月28日


ps

現場の石をタガネで割って整形し,それを面だしして作ったのがこの砥石です。長径約30センチメートルで,堆積面がうまく出ています。10年近く前にも作ったことがあるのですが,そのときは小振りのもので質も今ひとつでしたので,今回は硬めで緻密な物を作ってみました。早速研いでみると,中砥〜中仕上げといった粒度で,研磨力はかなり弱めです。砥石よりも置物として活用した方がよいかもしれません。難しいものです(撮影/MWS)。





2009年10月27日


ps

このサンプリング地点は小仏層という地層が走っていて,その昔は海の中だったということです。それを傍証するかのように,露頭は斜めになった頁岩となっています。海で堆積した頁岩は堆積面から剥離するように割れますので,地層を見ても判別しやすいものの一つです。ここに珪藻を取りに来た理由は,河川上流部の流水性珪藻を採取するという目的もさることながら,久しぶりにこの頁岩で砥石を作ってみたくなったのです(撮影/MWS)。





2009年10月26日


ps

サンプリング中にもいろいろ自然観察するのが筆者の習性です。川原にはいろいろな石が転がっているのですが,たまに化石が見られます。このサンプリング地点でも,粘土に埋もれたメタセコイヤが少しだけ見つかります。上の画像はメタセコイヤ化石の一例で,化石が含まれているであろう堆積岩を割ってみたところです。まだ炭化途中で,たまには細胞組織が保たれているものもあります。その点,貴重な化石ということができます。今を遡ること約200万年前,この東京西部ではメタセコイヤが茂り,ステゴドンゾウがずしんずしんと歩いていたのです。信じられないようなお話です(撮影/MWS)。





2009年10月25日


ps

晴天が続き雨が降らないと河川の石には珪藻が濃密に付着します。この画像はその一例で東京・八王子市内の小河川の様子です。茶色に見えるコケが珪藻です。珪藻プレパラートの原料になるかどうか,試しに採集して持ち帰りました。検鏡してみたところ,超小型の羽状目珪藻ばかりで,処理は難航することがわかりました。こういった試料を完全に純化するにはとてつもない手間と時間がかかるので,まずはエタノールで固定して保管しました。こうすればいつまでも保存できますし,その間に脱脂もできて有機物の分解がやりやすくなるのです(撮影/MWS)。





2009年10月24日


ps

学会気分も抜けはじめ,たまっていた作業を順次片づけています。きょうは砥石薄片の撮影を行いました。上の画像はその一枚で,丸尾山の敷内曇りという砥石切片を撮影したものです。画面横幅は0.11ミリメートルです。画像中央に見える黒い物体は大きさ約0.06-0.07ミリメートルで,その構造から生物の化石であることは間違いないと思います。億年前の海に沈殿して日本まで届いたこの生物はいったい何者でしょうか(BF,撮影/MWS)。





2009年10月23日


ps

ps

学会の帰路は青森県内で淡水珪藻のサンプリングを試みましたが,時間が足りずうまくいきませんでした。野辺地駅周辺の河川で適当な採取地点を探しましたが,意外に富栄養化が進んでいたり,農業排水が多量に流入していたり(農薬などの影響で珪藻が少なくなります),小河川なのにダムの影響が見られたりといった具合でした。人工物の影響を受けない小さな流れが理想だったのですが,そのような場所は青森県といえども,きちんと探さないと難しいようです。おみやげは珪藻の代わりに,駅前で購入したホタテカレーになりました(撮影/MWS)。





2009年10月22日


ps

筆者は旅行先でも,必ず同じ定点に立ち寄って時間の移り変わりを観察します。今年の春は名古屋の緑地でそれを確認し,そして秋は函館で確認することとなりました。この場所からの風景は,2002年,2005年,2007年,2009年に見たことになります。少しずつ高層建築物が増えていることがわかります。国土交通省による容積率上限の緩和通達が,人の気づかないところでこっそりと行われ,これまで建てられなかった高さの建築物が建設可能になり,結果として伝統ある街並みが壊されていくのです(撮影/MWS)。





2009年10月21日


ps

ps

今回の会場となった北海道大学周辺はちょうど紅葉が見頃を迎えた感じで,校舎周辺でも美しい彩りが見られました(上の画像)。この大会で筆者は『プランクトン・ベントス観察における紫外線顕微鏡法の再検討』という題目でポスター発表を行いました。照明の波長を短くして解像限界を追求するこの技術は約100年前のものですが,現在のデジタルデバイスと画像処理技術を用いて再評価を行い,珪藻検鏡にきわめて有用であることを示しました。多くの方に訪れていただき,非常に有意義な時間を過ごさせていただきました(下の画像)。

今回,Jシリーズのプレパラートを持参したのですが,それを知った大会事務局の取り計らいで,特別に顕微鏡を設置して頂きました。そのおかげでJシリーズを来場者に直接検鏡していただくことができました。珪藻の美しさに感動している多くの方を目にして,筆者も,よりよいものを作っていこうと思いを新たにしたことでした。大会事務局にはたいへんお世話になりました。感謝申し上げます(撮影/MWS)。





2009年10月20日


ps

ps

日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会に参加のため函館に行っていました(10/16-10/19)。筆者の専門とする顕微鏡法について発表するためです。学会発表というのは,若い大学院生などにとっては緊張する時間だったりしますが,研究歴の長い方々には,勉強しつつ息抜きができる貴重な時間でもあります。しかし今回の大会はスケジュールが詰まっていて,ベテランにとってもなかなか歯ごたえのあるものだったようです。筆者も珍しくクタクタになって帰京しました(撮影/MWS)。





2009年10月19日


ps

方解石を使わなくても光の反射/屈折を使えば偏光を得られます。ガラス面で反射・屈折した光は多少なりとも偏光していますので,これを繰り返せば偏光の純度があがります。問題は反射屈折を繰り返させるのが難しい点ですが,いい材料を使えば比較的優しくできます。上の画像は筆者特製の積層ガラス板偏光素子です。カバーガラスを数十枚重ねて,偏光の純度を上げています。この偏光素子を光源に向けて傾けていくと,もっとも透過率がよくなる角度があります。その角度で透過してくる光がほぼ純粋な偏光になっています(撮影/MWS)。





2009年10月18日


ps

広い波長域で使える偏光素子の代表格はグラントムソンプリズムでしょう。方解石を切って製作するこのプリズムは紫外線から赤外付近まで透明で,偏光素子として使えます。しかし非常に高価で,とても手が出せる代物ではありません。そこで方解石を磨いて偏光素子として使えないか試しています。けっこう使える感じはあるのですが,ビームが曲がるので使いにくい感じもあります。それにしても方解石を磨くのは難しいです。非常に傷がつきやすく,なかなか透明にできません。研磨剤をいろいろと変えてみて辿り着いたのは耐水ペーパーでした。硬い平面に微粒子がついているような,砥石やダイヤモンド板などでは,どんなに目が細かくても研磨痕が残ります。柔らかい素材に研磨粒子がついているものでこするのが良いようです(撮影/MWS)。





2009年10月17日


ps

偏光フィルタは工業的にも広く用いられていますので大量生産されています。そのような製品には非常に安価なものがあって実験用素材に最適です。上の画像は大型量販店(東急ハンズ)で市販されている偏光フィルタで,一枚150円程度のものです。安いですが性能は侮れません。10枚くらい購入して消光のよいものを選ぶと,非常によい消光係数のものが手軽に得られます。また,ヨウ素などを用いた吸収型の偏光フィルタには,クロスにしたときに青〜紫色の光が漏れてしまう青漏れという現象がありますが,この安価な偏光板はよいものを選ぶと青漏れも非常に少ないのです。偏光フィルタは手軽に偏光が得られてたいへん便利なのですが,対応する波長範囲が狭いという欠点があります。たとえば昨日・一昨日に紹介した偏光フィルタは少々無理しても410nmまでで,だいたい430nm以上から700nm程度までの利用に限定されます(撮影/MWS)。





2009年10月16日


ps

光には偏光という性質があります。例えば水面を反射した光は多かれ少なかれ偏光していて,振動面に偏りがあります。偏光フィルタを使うと,偏光を通過させたりカットしたりすることができます。偏光フィルタは比較的入手しやすく,カメラ機材コーナーに置いてあることが多いようです。フィルムカメラ用には直線偏光フィルタ,デジタルカメラ用には円偏光フィルタが使われます。上の画像は市販の円偏光フィルタと直線偏光板を重ねたところです(撮影/MWS)。





2009年10月15日


ps

これは切り出しの切刃付近です。右が鋼(ハガネ),左側が地鉄です。研磨痕を消して模様が浮き出るようにな仕上砥石(出所不明,大平山?)で研いであります。鋼は均一な組織のように見えますが,地鉄は不均一で模様が見えます。よくみると波状の模様があり,また黒い粒々があります。これは純度の高い鉄を何度も折り返して打った証でしょう。この模様は刃物好きの間では特別な意味を持ち,これを美しく見せるための特殊な研ぎも存在します。日本の伝統文化というのは,どんな些細な部分にも手抜きせず,工夫を重ね,美の領域にまで踏み込みます。刃物の模様一つでも,それを表現するための技術が連綿と受け継がれているのです(epiDF,撮影/MWS)。





2009年10月14日


ps

ps

これは筆の穂先です。つまようじの先端ほどの,ひじょうに小さな筆で,素材はオオカミの毛だということです。肉眼では先端がよく揃っているように見えましたが,顕微鏡で見るとけっこうバラバラです(上の画像)。よく研いだハサミで先端をわずかにカットして揃えてみました(下の画像)。この筆は,特殊な基板(Jシリーズのカバーガラスや,フッ化カルシウムなど)の清掃用に買い求めたのです。柔らかい基板は紙で拭くことはできず,毛でゴミを払うのがやっとです。そこで,2〜3ミリメートル四方の範囲をこの筆で掃いて掃除をするわけです。この筆も骨董市で見かけて,安かったのでまとめ買いしたのです(epiDF,撮影/MWS)。





2009年10月13日


ps

骨董市で買い求めた勉強材料はもう一つありました。古い鉄の切り出しが欲しくて探していたのです。真っ赤に錆びた鉄くずだらけの箱をひっくり返して探してみると,切り出しに似た形の鉄くずが2本あります。両方とも原形をとどめていないので,刃物として再生できるかどうかは微妙です。早速購入して研ぎ出してみると,両方とも裏刃の再生がむずかしく手こずりました。切刃をつけて試し切りしてみると,一本は刃が鈍っていて使い物になりません。もう一本は非常によい刃がつき,あまり堅くない木をすかっと削るのによさそうです。この刃物,相性のよい合砥をかけると地金に美しい模様が浮かび上がります(撮影/MWS)。





2009年10月12日


ps

ps

ps

ps

きょうは勉強の備忘録です。件の鉋は順調に?裏を掘り進み,表もガンガン叩いて何とか裏出しすることができました。裏刃は広いところで7ミリ近くあり,あまり好ましいものではありませんが,昨日の凸面裏刃よりもずっとマシです。裏を叩き出すときは裏押しと同時進行で,叩くべき所を裏押しで確かめながら叩いていきます。裏押しは(推奨されませんが)合砥石で行い,顕微鏡のスライドグラスが空気膜で滑走するくらいに平面にしておきます。この鉋は裏金も変形していて裏刃が凸面でしたので,これも叩き出して平面の裏刃をつけました。あとは表の刃研ぎですが,シャプトン#1000→#2000→青砥→丸尾山天上戸前で仕上げました。丸尾山の砥石は研磨力が強く使いやすいですが,サビの発生が早いのが気になります。このため筆者は重曹水で研いでいます(撮影/MWS)。





2009年10月11日


ps

10日は骨董市をはしごしてたくさんの店を覗いてきました。目的は勉強材料を見つけるためです。古道具の中には非常によいものがあり,それらを安価に買い求めて,分解したり修理したりすると,とても勉強になるのです。それで勉強用の鉋を仕入れてきました。安価に入手したのはいいものの,刃を取りだしてみると見事なベタ裏になっており,裏刃付近はわずかに凸に(!)なっています。手放した理由がわかりました。このままでは使えませんので,修理する必要があります。上の画像は荒砥とダイヤモンドでうらすきを掘り直しているところです。そう簡単に掘れるものではありませんが,凹面鏡を作るような気分で少しずつ削っては光の反射をみて,修正研磨しています。果たしてうまくいくでしょうか。たいへんなお勉強になりそうですが,このような学び方は道具関係には特に有効だと思います。顕微鏡も同じで,筆者は,自分で分解して組み立てるところから勉強したのです(撮影/MWS)。





2009年10月10日


ps

今月の16-18日に,北海道函館市にて日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会が開催されます。最新の研究成果が次々と発表され,非常に勉強になる集いです。今年は市民公開シンポジウムも開催され,プランクトンの世界について大御所が案内してくれます。休日ですし,参加費もかかりませんので,近所の方はぜひ覗いてみることをお薦めします(撮影/MWS)。





2009年10月9日


ps

ps

きのう掲載した自作偏斜照明装置による作例を示します。珪藻は海産のニッチアで,対物レンズ開口数は0.95,コンデンサは油浸せずに使っています(NA=約0.9)。上の画像はコンデンサ開放の画像です。理論分解能は高い照明ですが,低開口数の照明光束により物体の微細構造が消されています。下の画像は遮光板を操作して微細構造に対して適した位置に設定した場合の画像です。違いは一目瞭然で,この珪藻被殻に存在する,微細な点紋列が鮮明に可視化されています。この例で示すように,偏斜照明は,珪藻観察になくてはならないものなのです。逆に見れば,偏斜照明の練習には珪藻プレパラートが最適ともいえます。但しこれには条件があって,下手に封じられたものでは標本が収差を発生しますから,よい標本とはいえません。光学的によく吟味されたハイグレードなものが適しています(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月8日


ps

ps

偏斜照明装置は1970年代後半頃から姿を消していきました。メーカーは位相差や微分干渉法で代用できると思ったのかもしれません。しかし珪藻検鏡の立場からみると,偏斜照明は基本中の基本であって,これなくしては微細構造の満足な観察はできません。ですから,珪藻屋さんにとっては,1970年代後半に顕微鏡は退化したのです。ないものは作るしかありませんので,作例をお見せしましょう。アクロマチックアプラナートコンデンサを用いて,これの開口絞り(虹彩絞り形式)を外し,磁石を取り付け,薄い鉄板を遮光板にします。いろいろなタイプの偏斜照明状態になるように,鉄板の形状は加工しておきます。これを使えばフリーストップ式の偏斜照明装置となります。もちろん,鉄板の代わりに厚紙を使い,磁石で挟んで使ってもOKです。コンデンサの改造が不安なら,同じものを2個購入して,片方を偏斜照明用にすればよいでしょう(撮影/MWS)。





2009年10月7日


ps

ps

ps

1970年代ころまでの生物顕微鏡には,偏斜照明装置(斜光照明装置)が付属しているのがふつうでした。偏斜照明装置とは,簡単に言えば,レンズの縁に向かって絞り込んでいく装置です。コンデンサをそのまま絞れば,開口絞りはレンズの光軸に向かって絞り込みますが,偏斜照明機能を使うと,レンズの周囲に向かって絞り込むように操作できます(画像2,3枚目)。この照明法によれば,対物レンズの開口を一杯に使えますから,分解能は最大になります(しかし偏斜の方向のみです)。コンデンサを全開にしても理論上は分解能最大ですが,実際にはコンデンサ中央部を通過する光束が像形成に寄与しないコントラスト低下成分になってしまい,分解能最大にはならないケースがほとんどです。偏斜照明のミソは,斜めに照らすと言うよりも,このコントラスト低下成分となる光束をカットして,解像限界付近の像をコントラスト良く形成させるという点にあると思います(撮影/MWS)。





2009年10月6日


ps

これはスケレトネマという仲間の珪藻です(油浸での撮影です)。主に海に分布しており,浮遊生活をしています。小さくて検鏡が難しく,上の画像のような絵を得るには経験を要します。この珪藻の姿はすでに1900年代はじめ頃には明らかにされており,被殻上に存在する点紋も描かれています。昔の研究者は顕微鏡の扱いに熟練した人が多く,このような珪藻を見るためにはどのような封入剤,照明法,機材が必要かよく知っていたものと思われます。なお,この分類群を多く含むプレパラートは,当サービスのSKT-01として供給しています(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月5日


ps

ps

たまには散歩にと,沢沿いの小道を歩いていましたらツリフネソウが満開でした。この花には何となく深山の趣があって,山にきたなぁという気にさせられます。美しい赤紫色の花弁はぜひとも被写体として収めたいものですが,デジタルカメラの色再現がとても難しいのです。そのまま写すと大抵,全く似ていない青系の発色になります(上の画像)。補正方法はいろいろありますが,簡単には色温度の補正がよいかもしれません。下の画像は色温度を3900ケルビン,補正強度を30%に設定したケースです。細かく見れば色再現は正しくないのですが,元画像と比較すれば花の色はずいぶん本物に使いニュアンスです(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月4日


ps

昨日の珪藻(Chaetoceros didymus)の表面にピントを合わせたものが上の画像です。つるつるに見える表面も仔細に観察すると200nm弱の間隔で微少な点紋列が存在することがわかります。この点紋列は放射対称に並んでいるので,中心目の珪藻ということになります。なお上の画像は高解像になるようにNA=1.4で紫色光照明を施しています(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月3日


ps

この珪藻はChaetoceros didymusという種です。和名ではツノケイソウの一種ということになります。世界中の温帯沿岸域にふつうで,被殻上にあるコブが特徴的です。分類が難しいChaetoceros属では判別しやすい方です。この珪藻は画像でわかるように,細い刺毛が延びていて,それが和名の由来にもなっています。この刺毛の交差の仕方は種により特徴があり,本種では刺毛の交差部分が溶けてくっついているように見えるのでfused typeと呼ばれます。ぜひとも標本にしたい種ですが,大量入手・濃縮・処理に課題があり,まだ実現していません(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月2日


ps

これは海洋性プランクトンのフンです。おそらくカイアシ類という甲殻類の仲間のもので,長さ0.1mm幅0.01〜0.02mm程度の大きさです。画像はその一部分ですが,細かい繊維状のものがぎっしりと詰まっています。よく見るとこれは珪藻被殻や刺毛の破片です。フンは未消化排出物を含みますから,胃液でも酵素でも消化されない珪酸(シリカ)はそのまま排出されます。陸上の我々はセルロース繊維(植物性繊維)に富むフンをしますが,海洋動物プランクトンはガラスのフンをしているのです(oblique,撮影/MWS)。





2009年10月1日


ps

これはタラシオシーラ科に属する珪藻です。この仲間は群体を作って水中に浮遊しているものが多く,ほとんどが海産です。種類は非常に多く,構造の違いが小さいので分類はとても難しいとされています。この画像の珪藻は相模湾で採取したもので,当サービスのプレパラート,KMR-01に含まれています(BF,撮影/MWS)。





Copyright (C) 2009 MWS MicroWorldServices All rights reserved.
(無断複製・利用を禁じます)



トップに戻る



.