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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【今月】 2012年11月30日
Jシリーズは暗視野検鏡で最高の美しさが出るような設計のものが多かったのですが,今年は明視野でも抜群に美しいシリーズを製作できないかと考えています。珪藻の殻は薄いガラス質なので,これを適当な封入剤で封じても,どうしてもコントラストが低くなります。しかし一部の厚みのある珪藻などでは,低倍率でくっきりと鮮明に見える種もあって,そのような種を多量に集めることができれば明視野用に最適化したプレパラートができるものと考えます。まぁ,実際のところ考えるのは簡単で,作業は…(絶句)という感じなのですが。なにしろ,材料がなければ手も足も出ないわけですから(画像/MWS)。 2012年11月29日
東京西部ではモミジが鮮やかな彩りです。公園のもみじもこの通りです。久しぶりによいタイミングで見ることができて嬉しい気分です。この木は通学路の途中にあったので,むかしは毎日みていたのですが,なぜかあまり記憶に残っていません。あのころはこころに余裕がなかったのかも…と一本の木を見上げつつ中年オヤジは振り返るのでした。あまりに美しいので大きな画像もご用意致しました。 こちら をどうぞ(画像/MWS)。 2012年11月28日
年末にむけてラストスパートという感じで標本製作しています。わっせわっせという感じです。今年は何としてでもJシリーズをお届けしなければならない,とのつよい 2012年11月27日
研究用試料のtravel sampleをチェックしています。輸送に伴う変質をチェックするために本来の宛先と,同じ距離の別の宛先に同じ試料を送付し,両方の場所で試料の状態をチェックします。こういったチェックは分析化学の相互校正実験などで行われますが,慎重を期するときは生物試料でもおこなってよいわけです。試料は直ちに開封し,シャーレに分取して実体顕微鏡で目的生物を探します。今回は珪藻類でしたが,採取時にすでに試料の状態がよくなかったようで,活きがよいとはいえないものでした。なかなか難しいものです(画像/MWS)。 2012年11月26日
都内はようやくこんな感じです。まだイチョウは少しだけ緑が残っている感じもあって,黄色の色づきが少ない感じがします。2010年11月29日付けの画像でも同じイチョウの木を撮影していますが,都内のイチョウは大体この頃が見頃なんですね(画像/MWS)。 2012年11月25日
テスト封入品の検品を切り上げて,さて早めの夕飯にでもしようかしらと思い顕微鏡の電源を切りました。席を立とうとしましたが,なんだか地震が来る予感がして,普段は使っていないシリコンのストッパーを顕微鏡に挟むことにしました。それから二分後,刺身でも切ろうかと準備していたら来ました。ゆさゆさゆさ。恐ろしいですね。地震の予感はあまり感じない方なのですが,きょうは違いました。はっきりと意識しましたから。ピカピカするものばかりいじり回して,いよいよ筆者はカラスに近づいてきたのでしょうかー。画像は本文と何の関係もない,干潟でみかける珪藻でセラタウルスの仲間です(画像/MWS)。 2012年11月24日
トップページに簡単な珪藻の説明を加えてみました。興味ある方はぜひご覧になってくださいませ。顕微鏡仲間や友人知人にもご紹介いただけますと有り難いです(画像/MWS)。 2012年11月23日
このライレラという珪藻はこれまでもたくさん撮影してきましたが,写りが良いものと悪いものがいます。きょうの画像は比較的写りがよくないものです。どうも点紋の間隔が狭いようで,条線のすき間も(条線間隔ではなく)狭いようです。ピントの範囲がシビアで,コントラストも低めです。照明を慎重に調節して最適なピント位置にしても,やや甘い感じの絵になります。種の査定をしたことはないのですが,手持ちの標本に何種類かが入っているようです。 2012年11月22日
プレウロシラという珪藻をマウントしたので記念撮影しました。この珪藻は微細構造が見事なうえに被殻がフラットで全面でピントが合うのでお気に入りです。画像一枚目はその微細構造にピントを合わせた例です。例によってNA=0.95の手抜き画像です。ほんの少しだけピントを手前にもってきたのが画像二枚目です。細かな突起のようなものがあるのがおわかりでしょうか。珪藻を観察しているとついつい最もコントラストの高い構造にピントをあわせてしまいがちですが,注意深く前後を探ってみると気がつかなかった構造が現れることがあります。画像撮影では少しのピント変化でだいぶ異なるイメージになってしまうので狙った画像にするには注意深くピントを調節する必要があります(画像/MWS)。 2012年11月21日
むかしこの場所に中古カメラ屋さんがあったのだけれども,ちょっと前に閉店してしまいどうなることかと思ったら牛丼屋になっていました。これが時代の移り変わりというものかもしれません。ながねん時代の風雪に耐えてきたカメラ屋さんも,ネット上の取引には勝てなかったということでしょうか。ちょっと残念ですね。何しろ,できたての牛丼はネットで売り買い配達はできませんから…(画像/MWS)。 2012年11月20日
多数の顕微鏡と暮らしていると,室内での油や煙の発生は可能な限り排除しないといけません。少しくらい大丈夫と思って暮らしているうちにだんだんと取り返しがつかなくなってくるのです。また油というのは簡単に味に深みを与えてくれる便利なものですが,多食すれば健康を害します。そいういうわけで筆者は和食中心の生活を続けていて,炒め物や油物はたまにしか食べません。たまに食べるときも揚げ物は自分では作りませんので買い食いです。では買ってきたからそれを食べられるかというと世の中はそれほど甘くはなく,市販の揚げ物はほとんどが劣化した油を使っていて,そのままではとても食べられる代物ではありません。筆者は胃が弱く,悪い食べ物に敏感で,油の悪い揚げ物など食べようものなら,コロッケ一個とか,からあげ数個程度で一日苦しみます。そういうわけで,食用可能なものを売っている店を厳選することになります。現在までのところ,近所のスーパーで,土日に買えば食べられないことはない程度のものがあることが判明しています。筆者の胃は,その店はどうやら土曜日に油を交換している,と告げています。平日は食べられません。。 2012年11月19日
17,18日は原子力災害/環境経済学の研究集会に出席してきました。学生の頃から続けている勉強会です。講演者は原発災害/事故の国会事故調委員をはじめとして,現地で実効性ある除染を実践している先生や,企業会計の観点から原発再稼働について研究している経済学者などで,非常に勉強になりました。いままでは,稼働している原発をいかにして止めるか,という勉強を20年間続けてきたわけですが,現在は,止まっている原発を止めたままにすると何が起こるか,再稼働要求の中身を解析する観点の必要性など,これまで考えたこともなかったことを検討しなければならない事態になっていることを強く認識しました。日頃は顕微鏡を覗いて珪藻を封じている身ですが,筆者のパワーはこの勉強会から沸いています。充電のために参加し続けているのです(画像/MWS)。 2012年11月18日
きのうは照明開口数の重要性を述べましたが,きょうは照明波長の効果を示しました。いちばん上は紫色(400nm),真ん中は530nm(緑色),下は600nm〜(赤色)で照明しています。顕微鏡の像は光の波で作った模様なので,光の波が細かいほど(波長が短いほど)細部が再現できます。きょうの画像は全て同じ対物レンズ(NA=0.95)と同じコンデンサ(NA=0.8-0.95)を用いているのですが,照明波長を変えただけで,見えるものも見えなくなっています。 2012年11月17日
珪藻の微細構造を浮き上がらせるには照明技術が求められます。きょうの画像はバーケレアという海の珪藻ですが,なかなか細かい条線があります。上の画像はNA=0.95の対物レンズを用いて,透過明視野中央絞りNA=0.8で撮影したものです。下の画像は対物レンズは同じで,乾燥系暗視野コンデンサを用いてNA=0.8-0.92の輪帯照明で撮影したものです。両方とも照明波長は400nmです。下の画像では(上の画像では見えない)被殻両端の微細構造がはっきり見えていて,微細構造を写し出すには照明開口数の分布がいかに大切かが一目瞭然となっています(画像/MWS)。 2012年11月16日
これはカキ殻をアルカリと界面活性剤で長時間(1年10ヶ月)処理して得られた柱状の破片です。成分はもちろん炭酸カルシウムで,画像は偏光法(クロスニコル)で撮影したものです。きのうの貝はアラゴナイトでできていたのに対して,こちらの貝はカルサイトです。どーして同じ貝なのに炭酸カルシウムの結晶タイプが異なるのでしょうね。結晶化に関係したタンパクなどの違いによるのでしょうが,よくわかりません。常温常圧では(熱力学的には)カルサイトの方が安定とされていますから,みんなカルサイトを作ればいいようなものなのに,アラゴナイトを生成する生物もいるのが不思議です(画像/MWS)。 2012年11月15日
これはトコブシの殻を砕いてアルカリで煮て作った破片です。こうすると貝殻の中にある炭酸カルシウムの状態を見ることができます。画像一枚目の粒々が炭酸カルシウムの結晶で,トコブシの場合はアラゴナイトの形をとることが知られています。偏光(クロスニコル)で見ると消光した背景に明るく輝き,偏光性粒子であることがわかります。ポラライザの代わりに円偏光フィルタを入れると幾つかの粒子に偏光色を認めることができます。このアラゴナイトの微細結晶,20倍対物レンズ(NA=0.75)での撮影ですが,非常に細かいことがおわかりかと思います。すぐに粉々になるので取扱は難しく,どうやったらまともな標本にできるのかと考えてしまいます(画像/MWS)。 2012年11月14日
デジタル画像は自由に処理できますので,珪藻の明視野画像からきょうの画像のようなイメージも作成できます。まるで走査電顕で撮像したかのようなイメージですが,ふつうの透過明視野です。作り方は簡単で,明視野画像をコントラスト高めに(≒絞り気味に)撮影しておきます。この画像をImageJを用いてbackground subtractionを行います。処理後の画像に対して,コントラスト調整,反転処理を行えば暗視野・電顕風の画像ができあがります(画像/MWS)。 2012年11月13日
講義では興味の持続が大事といっても,まったく知らない分野では面白さを感じるところまで行き着くのも難しいですよね。筆者も大学一年生のときに,いきなり波動方程式の連続を浴びせられて困惑した覚えがあります。教える側としては興味を持たせることが大切ですが,学ぶ受講者の立場としては,分からなくても分かろうとする努力,最後まで食い付いてみる努力,苦しんで覚える努力は必要かと思います。きょうの画像は大学初年での講義「物理学要論」のノートです。シュレーディンガー方程式など,ほとんど理解できませんでしたが,ノートをとるのに必死だったものです(上の画像)。教養物理なのに回折強度の求め方までやってくれていたんですよね(下の画像)。ン十年後に見返して,ああ,あの頃にちゃんと理解しておけばよかったと反省してもいまや遅しです。方程式を見ると目が回ります…。化学反応式や流体力学の式は,取扱中は当たり前にわかるのですけど,違った分野に進んだりして10年後に見てみると,すっかり以前の能力が錆び付いていて使えなくなっていることに気付きます。毎日が大切なことを痛感しますが,用もない方程式を能力維持のためだけにこねくり回すのも現実的ではない気がして,うーん,どうしたらいいのでしょう。欲張りなんでしょうか。学生の頃の努力が足りなかったのでしょうか。それとも根本的な能力の問題なのでしょうかー(画像/MWS)。 2012年11月12日
在来工法(西岡常一)の話をしたついでに,お薦めの本をもう一つ紹介しましょう。『金閣寺 平成の茶室』です。数寄屋建築の第一人者である木下棟梁による書で,経験,口伝,技術,どれをとっても最高の本だと思っています。特に本書後半において,木下棟梁が物事の考え方を述べた部分は人生のあらゆる場面において何かを教えてくれそうな,そんな文章です。この本は全く知らなかったのですが,むかし環境論の講義をしていたときに,コンクリートの負の側面と木造建築・在来工法の重要さを寿命や熱の観点から紹介したところ,受講生の一人が授業後に教えてくれたのです。その受講生は木下棟梁の親戚に当たる方で,やはりは数寄屋建築に携わりたいとのことで,刃物も研げるとのことでした。素晴らしい仕事をしているお手本が身近に存在していると,自然に影響を受けるという好例に思えます。私たちも本を読んで素晴らしい仕事の影響を受けたいものです(画像/MWS)。 2012年11月11日
秋山 実先生のお仕事で筆者が最も印象を深くしたのは道具や建築物の撮影です。もともと西岡常一の考え方に強く影響されていた筆者は,西岡氏の著作を見つけては読んでいました。きょうの画像の本もそのひとつで,じつに素晴らしい内容です。道具の撮影はお手の物なのでしょう。シンプルでとらえどころのない釘一本でも,見事な切り取り方と輪郭を表現したライティングで力強さが表現されています。秋山先生の写真集『マイクロスコープ』を拝見してまず第一に頭に浮かんだことは,これは大工道具の撮影の延長線上にあるお仕事なのだろうということでした。先生からかえってきた答えは,その通りだということでした。なるほど在来工法の建築物から柱一本,継ぎ手の仕口,礎石といったものを切り取り,鉋,ノミ,玄翁などの大工道具を見つめ続けてきた経験が活かされているのでした。「視点」がいかに大切かということがよくわかります。同じものをみていても,同じようには見えていないのです(画像/MWS)。 2012年11月10日
ある決まった物質に外部から他の物質が混ざってしまうことをコンタミネーション(異物混入)といいます。海水中の鉄を測定しようとしてみたら,海水を保存していた容器から鉄が溶け出していた…などというのがコンタミネーションの例です。この言葉を知らない分析化学屋さんがいたら,ちょっと疑いの目を持った方がよいかもしれないというくらい,誰でも知っている考え方です。さて筆者の場合には,例えば河川の珪藻サンプルを検鏡したら海の珪藻が出てきた,などというときがコンタミネーションといえるケースになります。海の珪藻サンプルに河川の珪藻が入っていることは珍しくもありませんが,逆の現象は滅多に起こらないはずで,もし起きていたら,それは当室の保有する大量の海産珪藻が空気中や容器になどを経由して混じってしまった,ということが考えられます。過去にせっかく製作した河川のプレパラートを検品していたら,一粒だけ海の珪藻が入っていて検査落ちしたことがあります。がっかりなのです。 2012年11月9日
『水中生物にやさしくしましょう』ということを『必ずお守り下さい』ということですから頭を抱えます。何をどのように考えても筆者には「水中生物にやさしくする」ということのイメージが思い浮かびません。。。東京海洋大学,北海道大学水産学部,高知大学農学部,神戸大学理学部,東京大学大気海洋研究所,水産総合研究センター東北区水産研究所,兵庫県立農林水産技術総合センター等の総力を結集して,「水中生物にやさしくする方法」を研究開発しなければなりません。もの凄く難しい課題のはずで,学問がそこに到達するまではまだ軽く100年はかかりそうですが(画像/MWS)。 2012年11月8日
素晴らしい顕微鏡の本が出版されましたのでご案内いたします。秋山 実先生による顕微鏡の写真集です。モデルとなった顕微鏡は「浜野コレクション」の名で知られる,東大赤門前の浜野顕微鏡所蔵の歴史的な顕微鏡たちです。世界的にも貴重なコレクションが,秋山先生の卓越した写真表現によって再現され,まるで実物が目の前にあるかのような気持ちで工芸品の美を鑑賞することができます。 2012年11月7日
携帯顕微鏡H型の記事をまとめたのですが,リンク切れでしたので修正しました。 2012年11月6日
たっぷり日光を浴びている珪藻は盛んに光合成をしています。光合成は学校で習うように,部分だけ取りだして大雑把に表現するなら『水+二酸化炭素+光エネルギー → 炭水化物+酸素』といえます(相当に問題のある表現ですが)。この酸素が常温常圧ならガスなので,水中で大量の光合成が行われると,水に溶け切れない酸素が泡となって見えるようになります。大気中で光合成が行われても酸素の発生は見えないので教育効果が今ひとつです。ぜひ学校の先生は,天気のよい昼間に酸素の泡を子どもたちに見せて,光合成の何たるかを教えてあげてください。 2012年11月5日
東京西部では少しくらい紅葉が進んだかなと,いつもの定点に出向いてみましたがほとんどリューイーソーの状態でした。それでも秋の空気がすがすがしく,川原で食べるおやつ(焼きそばとから揚げとサラダ)はことのほかおいしく,リフレッシュとなる午後のひとときでした。この場所は少し開けていて,日射が川面に届きます。そのため陽当たりのよいところでは水中が見事な珪藻色に染まっていました。ふつうの人が見たら茶色くて汚いということになるのでしょうけど,筆者の目には黄金色の田園にも匹敵する,珪藻色の川底なのです(画像/MWS)。 2012年11月4日
これも有殻アメーバなのですけど,上が透過明視野中央絞り,下は透過輪帯照明の画像です。どこかに微細構造が隠されている珪藻などのイメージングでは,輪帯照明は多くの場面で有効な方法となります。しかし使用する対物レンズの分解能の範囲内の微細構造が存在しない場合は輪帯照明のメリットが出ません。きょうの画像はそのことを表していて,輪帯照明で新たに見えてくる像がなく一部の像は消えているようにも思えます。むしろ透過明視野中央絞りの方が物体の形態を自然に再現しているように見えます。物体の構造に対して最適な照明があることを教えてくれる例のように思われます(画像/MWS)。 2012年11月3日
天然試料を検鏡していると,何だかわからない物体が時々現れます。酸処理しても残存していることからケイ酸の殻らしいのですけど,どうみても珪藻っぽくはありません。その一例が上の画像なのですけど,これは有殻アメーバの殻だったのでした。淡水試料中に多いのですが,沿岸試料中にも出てきます。数年前,コイツがアメーバの殻と見抜けなかった頃,Jシリーズに並べてしまったことがあります。たぶん1,2枚だったと思いますが,世の中のどこかにそれをお持ちの方がいるはずです。。有殻アメーバという分類群も知っていて,姿も図鑑で見たことがあっても,転がっている殻を目の前にして気付かないという,知識を役に立たせることの難しさを実感したことでした。この殻は中型〜小型の珪藻くらいの大きさで,撮影はなかなか難しいです。きょうの画像はNA=0.95の明視野で,画像処理でコントラストをプラス側に補正しています(画像/MWS)。 2012年11月2日
今年もNikon Small Worldの2012 Photomicrography Competition発表の季節がやってきました。いつものように豪華で美しい顕微鏡画像が満載で,ひとつひとつ見ていると色々な工夫や機材が想起されて飽きません。個人的な感想としては,この大会の審査委員の先生方は顕微鏡写真という観点を離れて,ひとつの芸術写真として画像を審査しているように感じられます。一般的にはそれでいいのかもしれませんが,共焦点の多重染色蛍光画像や偏光,微分干渉法が多く選ばれていて,色彩効果に目を奪われすぎだと筆者は思います。顕微鏡写真の基本は明視野であり,偏斜であり,これらを使いこなすことは本当は大変な技量を要するのです。今回の絵で言えば,雪の結晶の画像が技術的に非常に高度で優れていると思います。また18位にランクされているサンゴ砂の画像は単純でありながら追い込み具合が優れています。試料調製や撮影技法にも評価の配分を増した方がいいようにも思えます。 2012年11月1日
珪藻を撮影するときのピント位置はいつも悩みます。ベッケ線によってコントラストが変化するので,どちらがよいのか悩むのです。きょうの画像は比較的平面性のよい珪藻を撮影したものですが,画像一枚目は点紋が黒のコントラストになるようなピント位置です。ここからごく僅かだけピントをずらすと,点紋が明るくなるピント位置もあります。どちらの位置でも構造は正確に再現されているように見えます。昔から不思議に思っているのですが,この非常に小さな孔がなぜ背景よりも明るく写るのでしょうか。高NAで珪藻に入射した光がメディアとの境界で漏れるのでしょうか。よくわかりません。画像三枚目は,画像一枚目から二枚目を減算したものです。コントラストが高くなり見やすくなっているように感じます(画像/MWS)。 Copyright (C) 2012 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |