画像のご利用について





本日の画像

MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2011年2月28日


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これは出先で散歩中に撮影した川の画像です。なぜこれを撮影したのかというと,この川の形状は,昔は水運が盛んだったことを示しているからです。現在は水位も低く,生活排水の通り道になっています。でも,そのむかし,おそらく70年以上前のことでしょうが,この川にはたくさんの船が行き交い,海からの積み荷を山に運んでいたに違いありません(撮影/MWS)。






2011年2月27日


ps

巨大なファイルとにらめっこしていたら,あっというまに夜中に…。こういうときは大量にある珪藻画像ストックから一枚それとなくアップ(^^;。Plan40(0.65),明視野という標準的な検鏡法で撮影したトリケラチウムです。分厚くてコントラストの高い種ですが,もっと高開口数で撮影すると,さらに微細構造が出てきます(撮影/MWS)。






2011年2月26日


ps

ほほう。(^^)きれいだー。巨大なクモノスケイソウを3つも並べると,なぜか宇宙的な美しさを感じます。不思議です(撮影/MWS)。






2011年2月25日


ps

こころ忙しい感じが続いていますので,ちょっと和んでみました。レンズとコンデンサと照明法の組合せを変えると,まだ見たことがないような色があらわれて,ほほう,と思いました。このような「ほほう」の時間があると脳はリラックスするようですねぇ。筆者の場合は(撮影/MWS)。






2011年2月24日


ps

このところいろいろ用事が入っている関係で,2/25〜3/5は休業とさせていただきます。この間,発送はできませんのでご了承下さい。メールは通じていますが,チェックする回数が少なくなりますので,返事が遅くなります。本日の画像もお休みする日があると思います。ご不便をお掛け致しますが,珪藻は逃げませんのでゆっくりとお待ち頂ければと思います(撮影/MWS)。






2011年2月23日


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22日は研究打ち合わせでした。旧知の間柄の研究者と珪藻類を中心とした話題に花が咲きました。久しぶりに(といっても8月以来なのですが)会いましたが,珪藻類休眠期細胞の話に始まって,パルマ藻や放散虫,培養液の組成や人事異動など話が尽きることがなく,顕微鏡のデモを始める前に6時間が経過し,時間切れとなりました。学識の深い研究者と話をすると,勉強になることがたくさんあって,感心しますが,自分の頭の中にもこんなに情報が入っていたのかと自分にも感心します。ねんねん記憶があやふなになることが多くなってきましたが,知識を使う(会話する)ことが必要だと痛感させられました。画像は話題の中心になった珪藻Chaetoceros pseudocurvisetus Manginの休眠胞子です(撮影/MWS)。






2011年2月22日


ps

顕微鏡メーカは,どういうわけか,一般顧客の開発には不熱心な印象があります。研究用顕微鏡を職業研究者以外の方が利用しても何の問題もないのですが,情報が閉ざされていて,販売元はおろか,どこで市販しているのかもわかりません。この点でメイジテクノは良心的な供給元だと思います。ほかのメーカのカタログをご覧になりたい方は,(株)三啓が強い味方になってくれるかもしれません。ここをご覧になってください(撮影/MWS)。






2011年2月21日


ps

暗視野で珪藻を観察すると色が美しい種があって見飽きないものです。単純な格子構造ではどうも青色の干渉色がでやすいようです。格子構造が複雑なものでは,ピンクや黄色っぽいものもあって,この色は何と何が合わさってできたのだろうかと興味が尽きません。皆さんもお手持ちの珪藻プレパラートを用いて,低倍率の暗視野検鏡を楽しんでみてください。うまく照明ができるとけっこうカラフルです(撮影/MWS)。






2011年2月20日


ps

回折・干渉・分解能を理解するための実験材料として,珪藻以外にもよいものがないか試しています。手近には,CD-Rが使えそうですが,カバーグラス厚さの問題と,表面の傷が邪魔でなかなかうまく使いこなせません。CD-Rはトラックピッチが1.6μmほどなので,NA=0.25の対物レンズの解像限界付近です。上手に照明しないと見えません。その観点からは,練習用試料として使える感じがします。上の画像は10倍対物レンズ(NA=0.25)で撮影したCD-Rの溝です。アルミ蒸着面をガムテープで引きはがして,透過回折格子としての利用です(撮影/MWS)。






2011年2月19日


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Web上の情報によれば,岩国市立ミクロ生物館において,筆者製作の珪藻プレパラート(Jシリーズ)が展示されているようです。めずらしい機会ですので,お近くの方は覗いてみるのもよいかもしれません(撮影/MWS)。






2011年2月18日


ps

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蛍光用対物レンズ(フルオール)には,乾燥系,液浸系,長作動などいろいろ種類があります。これらのレンズを比較すると結像特性にも違いがあることがわかります。きょうの画像は蛍光用対物レンズの比較ですが,上から順に乾燥系長作動(NA=0.7),乾燥系(NA=0.85),液浸系(NA=0.8)となります。それぞれ,像面湾曲,色収差の補正状況が異なることが一目瞭然です。フルオール対物レンズの色収差補正は,アクロマートとアポクロマートの中間と言われますが,実際に比較してみると,アクロマート寄りのものもあれば,アポクロマートに近いものもあります(撮影/MWS)。






2011年2月17日


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像面湾曲が残っている対物レンズで撮影した画像は,平面の物体を撮影しても,視野中心のみにピントが合い,視野周辺ではピンぼけになります。これは像面がお椀の底のように湾曲していて,それを受けるCCDやCMOSが平面なために起こる現象です。対物レンズに「Plan」と書かれているものでは,像面湾曲は除去されていますので,平面のCCDを使っても画像の隅々までピントがあいます。このため,Plan対物レンズは写真撮影用に好まれ,中級以上の研究用顕微鏡に標準で装備されていることが多いのです。

ところで,物体が平面でないとしたらどうなるでしょうか。物体がお椀の底のような形状であれば,像面湾曲を打ち消して,像面が平面になることが予想されます。実際にその通りで,中央部が凹んだ珪藻を撮影する場合は,Plan対物レンズを用いるよりも,像面湾曲のある対物レンズを用いた方が広い範囲にピントが合うことがあります。きょうの画像がその例で,上が像面湾曲を除去したPlanApo対物レンズによるもの,下が強い像面湾曲が残っている蛍光用対物レンズによるものです。下の画像は全面でピントが合っています。このようにレンズの使い分けを行えば,珪藻の撮影も一層楽しくなることでしょう(撮影/MWS)。






2011年2月16日


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東京都心では雪は嫌われ者ですが,筆者は一つ気に入っていることがあります。それは雪の吸音作用です。首都圏は農地や緑を潰すことによりその面積を拡大し,以後も計画性のない開発を続けたために,緑がほとんどありません。土もありません。見渡す限りコンクリートやアスファルトで覆われ,そこにコンクリートを多用した建築物がたっています。すると何が起こるかというと,音の逃げ場がなくなるのです。一度発生した騒音が,道路や建物で反射を続け,なかなか消えないのです。深夜でも,ゴーっという低い音や車の通過音が途切れることはありません。でも,雪が積もった夜だけは,静かな時間が訪れます(撮影/MWS)。






2011年2月15日


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『東京湾 人と自然のかかわりの再生』という本が出版されます。出版社のホームページから解説を引用します。

東京湾の過去、現在、未来を総括し学際的な知見でまとめた決定版。流域や海域のすがたから東京湾とのかかわりの歴史、そして過去から学ぶ東京湾再生への展望を様々な視点から解説する。東京湾の環境はどう変わり、これからどう向かうべきなのか、 30名以上の執筆者によって現状の東京湾生態系のデータを集めた集大成ともいうべき充実の内容(2011年2月28日刊行予定)。

目次はこちらにあります。この本は構想から完成までかなり時間を要した労作です。B5判で408ページですから,たいへんな情報量です。定価は1万500円ですが,一ページが2.5円で読めると考えれば情報を得た対価としては納得かもしれません。水環境に関心をお持ちの方,東京湾について知りたい方,来年度の講義準備をされている環境系の先生方,一冊いかがでしょうか。いっけんクールに見えながら,じつは環境保全に熱き心を燃やしている学生の方,これがあなた方の先輩の仕事です。隅から隅まで読んでフィードバックに努めて下さい。

3月10日までに申し込めば,予約特価が適用されて8400円だということです。2000円以上も割引になりますので,かなりお得です。お申し込みは

こちら

です。きょうの画像は荒川河口からみた東京湾です。多くの人が関心を持ち努力を続ければ,再び,江戸前の名に恥じない海を再生することができるかもしれません。環境保全は政治と同じです。他力本願では解決できません。まず関心をもって勉強し,どんな小さなことでもアクションを起こすことが大切です。『東京湾 人と自然のかかわりの再生』は小さな一歩を踏み出すための,よい材料になることと思います(撮影/MWS)。






2011年2月14日


ps

ps

今年はとても寒くコンクリートに囲まれて暮らす筆者にとっては厳しい日々が続いています。冬は毎年寒いとはいえ,今年の寒さが厳しいことはこちらを見ればわかります。筆者が毎年冬の寒さを客観的に見るために参考にしているサイトです。都心もまだまだ寒いのですが,少しずつ春らしい雰囲気も見えてきています。木々は芽吹きや開花の準備が進み,水辺ではメロシラ・バリアンスという珪藻に包まれながらカエルの卵が漂っています。カエルはちゃーんと珪藻が繁茂する水質良好なところに産卵するのです。えらいですね(撮影/MWS)。






2011年2月13日


ps

顕微鏡写真撮影ではレンズの組合せが画質に影響することが多くあります。各顕微鏡メーカーで,対物レンズに組み合わせるべき接眼レンズ,リレーレンズ,投影レンズなどが決まっています。この組合せを守ることにより,収差の補正された像になります。倍率の問題や,顕微鏡とカメラの接続の問題を優先させ,組み合わせるべきでないレンズを用いると,いろいろな問題が生じます。上の画像がその一例で,対物レンズ単独で収差が補正されたレンズに対して,対物レンズの収差を打ち消すタイプの接眼レンズを用いて撮影したものです。画像四隅に大きな倍率色収差が生じているのがわかります。このほか,入射瞳面と射出瞳が一致していない関係で歪曲や像面湾曲のような症状も見えています。手作りのアダプタでカメラを接続していたり,市販の純正品以外のカメラアダプタを利用するとこのような症状が出ることがありますので注意が必要です(撮影/MWS)。






2011年2月12日


ps

暗視野法はコントラストが高いので,プレパラートの概要を示す場合などにとてもわかりやすく便利です。しかし広い範囲に対して均一に暗視野照明を行うのはかなり難しい作業となります。そのような場合は,むしろ明視野で撮影し,画像処理で反転(ネガ)すれば均一に照明された暗視野画像ができます。画像は2倍対物レンズで撮影した珪藻プレパラートで,明視野,コンデンサは用いていません。その画像をノイズ減算,コントラスト強調,反転などを施して暗視野画像としています。フィルム時代から知られた方法ですが,デジタルになっても生き残っています(撮影/MWS)。






2011年2月11日


ps

ちょっと研ぎでもして気分転換,と思っていたところ,ひじょうに面白そうな本が目について衝動買いしてそのまま読了してしまいました。このお二人の業績は,個人的には,ノーベル賞程度では勿体ないと思うほどのものです。その二人が,対談しているというのですから,これは読むしかなかったのです。第一線の研究者の対談というのは,例えて言えば,イチロー選手のインタビューを読んでいるような感じで,スーパースターの仕事の流儀が垣間見られて興味深いわけです。研究者の場合は,インタビューだとだめで,分野は異なっても研究者との対談が面白いのです。さーてさてさてと読んでみると,この本,面白いどころの騒ぎではなく,そう思う暇もなく,目が離せずに一気に読まざるを得ませんでした。何が面白かったのかはまだわかりません。とにかく,恐らくは初対面であろうお二人が,ここまでシャープで筋の通った会話ができるというところに,研究という営為の将来を心から心配している様子が伝わってきたように思います。研究者の対談録としては傑作です(撮影/MWS)。






2011年2月10日


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設計不良問題に関しまして,どこのメーカーのどんな機種か関心をお持ちの方もおられるかと思います。しかし筆者はメーカー・機種情報に関してここで開示することはありません。といいますのは,一つのメーカーの一つの機種に限定した問題ではありませんし,実用上,まったく問題を感じていないユーザーも多いと思うからです。少なくとも2社が製造した顕微鏡にこの問題がみられ,その顕微鏡は今でも,世界中で研究に,業務用に,利用されていることは間違いありません。いちばん大切なのは,ユーザーご自身が確かめることです。筆者は自分で確かめ,筆者の高度な利用には使い物にならないと判定を下しました。他の人は,異なる判定をするかもしれません。

ところで,メーカーに対する厳しい言葉を続けましたが,きょうはユーザーにもひとこと書いておきましょう。

メーカーがプリセットランプハウスを開発したのは,ユーザーがランプの心出しもまともにできていないという現場に遭遇したことが一つの原因ではないかと筆者は思います。実際,筆者はいろいろな場面で,ランプ位置が不適当な顕微鏡を見てきました。説明書を理解して操作すればできるはずのランプ交換,心出しも,できていないのです。中には,50Wの電源に100Wのランプを接続して明るくならないというひどい事例もありました。さらに,ランプとコレクタレンズの距離の問題はもっと深刻で,コンデンサ絞り面を光源像(フィラメント像)で満たすという意味がわかっていないユーザーが多く,「タダ明るければよい」といった使い方の顕微鏡が多数見られます。これでは高NAの対物レンズの性能が活かされません。

ほかにも問題がいろいろあります。プランアポクロマートセット(油浸含む)を購入して,アクロマチックアプラナートコンデンサを油浸で使わない人がいます。組織標本の検鏡であれば,それでも良い場面があることは確かです。しかし,たとえば,珪藻研究者でそのような使い方をしている方がいるとすれば,それは高級なオモチャで遊んでいるだけです。珪藻には光学顕微鏡でも見えない微細構造があり,可能な限り高分解能な検鏡法を選択するのがプロの研究者というものです。当サービスのユーザーであるアマチュアが少ない小遣いをはたいてコンデンサ油浸で品質の高い画像を得ているのに,当サービスをちっとも利用しない給料をもらっているプロの研究者がそれをしないとすれば,そのプロはアマチュア以下の知識・技量・意欲しかないのです。

せっかく顕微鏡を購入したなら,暗視野コンデンサは購入したでしょうか。油浸暗視野コンデンサと,12V100W〜12V50W以上の高輝度光源を使った暗視野検鏡では,どんなものが見えてくるか知っていますか? 通常検鏡ではまず見ることのできないprostasomeや,大型のウイルスなどの生体内に存在する顆粒などが,たった5万円程度のコンデンサを入手することで可視化ができるようになります。微生物の鞭毛を見る場合もきわめて有用です。でも,暗視野コンデンサを買いました,という話は,全然聞きませんし,研究の現場でも見かけません。

メーカーがせっかく高品質な,利用価値の高い製品を供給していても,ユーザーがそれを理解せずに,購入もしないなら,その製品は消えていくことになります。メーカーが価値ある製品を供給しているのなら,ユーザーはそれを購入することにより,メーカーを儲けさせ,製品の供給が続くように支援しなければなりません。ユーザーは,よい製品について,それを勉強して理解し,購入するという活動を通じて,メーカーに支持の意志を伝える責務があるのです。

儲けさせるという言葉に引っかかった方,よく考えて下さい。あなたは儲けによって生活しているのです。正しい商売による正しい儲けは,誇らしい正当なことです。私たちが,日本の農作物・水産物を好んで購入する限りは,日本の農漁業に儲けが発生し,継続性が生まれます。安いからと輸入食品ばかりを皆が購入すれば,日本の農漁業は潰れます。光学産業も同じで,ユーザーがメーカーを儲けさせることが継続性の基本です。私たちが正当に評価して支えなければ,ただ滅びるのみです。日本は世界でも恵まれた,優れた光学機器メーカーが存在する国です。よく勉強して,良い品を買い,メーカーを支えることが日本の恵みを失わないことだと思います。

現在の状況を見ると,残念なことに,ユーザーの質は低下し,安ければいいと思いこみ,それに合わせてメーカーは製品のメンテナンスフリー,自動化をすすめ,コストダウンを徹底し,双方が不幸になっているように思います。

望遠鏡を見ればわかりますが,無収差回折像を見せる良い望遠鏡は13cmのレンズの筒が一本50万円だって売れるのです。天文ファンは光学的知識が豊富で,価値をよく理解しているのです。顕微鏡対物レンズなら,NA=1.4のレンズが約30万円で無収差回折像を結びます。こんな安い買い物はありません。ユーザーの皆さん,よいものは高くても買いましょう! よいものなんですから。 

問題は,このページを楽しみにしている方々ではありません。「本日の画像」を毎日ご覧になっている方々は,皆さん,高い探求心と工夫能力をお持ちで,珪藻のイメージングについても素晴らしい技術をお持ちです。困った先生方は,「本日の画像」すら,読まないのです。

きょうの画像は,筆者が8年前に撮影したものです(等倍切り出し,未処理画像)。COS-01などに入っている珪藻の一部分ですが,限られた機材のなかで,ちゃんと暗視野コンデンサを油浸にしていて,フィルタも使っていますし,振り返ってみても,やるべきことはやっていたな,と思います(撮影/MWS)。






2011年2月9日


ps

筆者がこと細かに設計不良を報告するのにはワケがあります。光学顕微鏡というのは,ながいながい時間の中で,先人達の失敗や苦労が積み重なってついに到達した,光学・工学技術の終着駅のような存在です。細かい点ではまだまだ進化の途上にありますが,光の波長,λ/2NAという制約の中で行う通常の検鏡では,どのメーカの顕微鏡でも,行き着くところに行き着いています。誰が使っても,λ/2NAという壁に到達して,そこから先は見えません。

だからこそ,λ/2NAという性能がきっちりと発揮されるような照明系,鏡基の設計でなければならないのです。そこを手抜きして,λ/2NAがきちんと出せないような製品を作ったら,それは顕微鏡の歴史に対する冒涜です。技術的に未熟なメーカならば今後に期待すればよいでしょうが,少なくとも,まともな製品を数十年以上供給してきたメーカがこのようなものを作ったら,それは会社の信用を落とすだけでしょう。しっかりして欲しいものです。

上の画像は当サービスが供給しているRL-TESTの限界画像です。190nm-210nmの格子構造が可視化されています。十分な拡大率が必要なので,部分しか写っていませんが,全体の画像はこちらにあります。

この画像は三十数年前設計の顕微鏡に,20年以上前の設計の対物レンズで撮影したもので,7枚の画像をつなぎ合わせてあります。照明系の不具合はないので,限界性能を引き出せます。また,鏡基も簡単に伸び縮みするような設計ではないので,ステージを送って撮影に数十秒〜数分かかっても,ピントズレは起きていません。まともな顕微鏡といえます。

ぜひ覚えておいて欲しいのですが,顕微鏡というのはきちんと使うと,ここまで性能を発揮するものなんです。

同じことを設計不良の顕微鏡で行えば,人様にはとても見せられない画像になることは,試すまでもありません。きちんと使うことができず,性能が発揮できないのです。もしメーカーさんが,開発の途中で,このような画像撮影を試みたならば,直ちに不良を発見し,製品の改良につながったことかと思います。

読者の皆様も,いろいろな方がおられることと思いますが,ぜひ,油浸検鏡レベルで利用可能な標本を常備しておくことをお薦めします。そして新機種を導入するときには,徹底的に性能評価を行うことをお薦めしたいと思います(撮影/MWS)。

*1 オマエは毎日珪藻を覗いているくせに不良品を手にしたじゃないか,というツッコミはなしです。筆者はこれが不良であることを直ちに見抜き,不良の内容も解析し,対策方法を考案し,装置も自作して,鏡基価格ゼロ,支払い内容は対物レンズ代のみと考え,それでも価値があると判断したので購入したのです。使えない顕微鏡でも,どこがだめなのか判断できる人は,一応は使うことができます。まぁ,今は木材接着用の錘(おもり)として使っていますがー。





2011年2月8日


ps

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改造が終了すれば問題なく使えるほど,この顕微鏡の設計は素性のよいものではありません。もっと根本的な問題が潜んでいるのです。電源を入れなくても,外部光源を使っても,この顕微鏡は変形して使い物にならないことがあるのです。一枚目の画像は,この顕微鏡で撮影した珪藻です。上左側が最初の一枚,右側が,顕微鏡のフレーム左側を1分間手でつかんだあと,1分22秒後に撮影したものです。鏡基が熱膨張して完全にピンぼけになっています。両者の画像を減算すると,珪藻の右側に光った部分が現れます。これが何を意味するかというと,光軸ズレです。

なぜフレーム(≠支柱部)をつかんだだけで,ピンぼけ&光軸ズレが起こるのかというと,この顕微鏡の鏡基設計が悪いからです。画像二枚目に示すように,この顕微鏡は支柱部(画像中央)と電源ハウジング部が,アルミダイキャストの一体成型になっています。すると,電源ハウジング部分を,例えば運搬などで,手で握っただけで,その部分の温度が変化して変形します。変形は全体に伝わり,支柱部分に不均一な応力が加わり,アームの先にある対物レンズが微妙に動くというわけです。支柱部が伸びれば均等にピンぼけしますが,偏って伸びているので光軸ズレも加わるわけです。

そもそも,顕微鏡の支柱部近くに電源を配置するだけで,このフレームの設計は失格なのですが,強度確保と経済性を優先させるあまり,一体成型にしたことも相まって,絶望的に使えない顕微鏡に仕上がってしまいました。電源部の画像を三枚目に示してありますが,これの出力が12V100Wなのですから,この回路が発熱することは考えるまでもないでしょう(実際,発熱するから,放熱パネルに回路が貼り付けてあるのです!)。そして,アルミニウムの線膨張率を考えれば,この回路の発熱に伴う,わずか数度の温度変化が,顕微鏡対物レンズの焦点深度以上の熱膨張をもたらすことは,技術者であれば自明だと思います。

この顕微鏡はデザインも悪く,運搬するときに安定して保持できる,持つべき部分がありません。唯一,落下の危険がないように保持できる部分は,何とアームです。アームをしっかり持って,鏡基をぶら下げるように運搬するしか方法がありません。すると,どうしても,アームの部分に手の熱が加わります。アーム自体も微妙に変形します。この変化が元に収まるのには,数十分〜数時間を要します。つまり,一度運搬したら,数時間放置しないと高度なイメージングには使えないのです。鏡基に手を触れた場合も同じです。作業上,フレームに数秒以上手を触れれば,温度変化によるピントズレが検出できます。フィルタの着脱も要注意です。1分以上鏡基に触れれば,もとにもどるのは1時間コースです。

うんざりしますね。

このメーカーがなぜこんなものを作ってしまったのか,その原因はいくらでも推測できますが,筆者のいいたいことを余すことなく表現しているサイトがありますので,こちらとか,こちらこちらをご覧いただければと思います。

この顕微鏡の開発グループの方々は,大企業ですから,一流大学卒のエリート揃いでしょう。そして各自それぞれの分野では,文句のないエキスパートなのでしょう。では,そのグループに,顕微鏡が好きで好きで仕方がない顕微鏡の鬼もメンバーに入れたでしょうか。

このグループで開発された顕微鏡を,最高度の技術で扱える人は誰なのでしょう。開発グループの中に,ユーザーとして最高の技術を持つメンバーをちゃんと加えていたでしょうか。加えていないなら,顕微鏡観察のエキスパートに各種の厳しい試験を依頼したでしょうか。そういったことが抜けてるからこういう製品を作るんですね。

欠陥のある製品を作ってしまったのなら,カタログや取扱説明書に,

・精密な検鏡の場合はランプハウスを改造してください
・ピントずれが気になる方は本体の電源をOFFにしてください
・また,顕微鏡と同じ温度の手で運搬して下さい
・本体の電源を使いたい人は,電源を取り外して外部に配置して下さい
・検鏡中は本体に指一本触れないように取扱ください

と特筆大書しておくべきでした。リコールされない製品だからと,欠陥を隠して販売を継続したとするならば,それは製造者のとるべき態度でないことは明らかです。それにしても,三鷹光器が生物顕微鏡を作ってくれませんかね。世界最高の鏡基を作ってくれると思うのですが(撮影/MWS)。






2011年2月7日


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顕微鏡本体の電源を入れることができず,本体付属の光源が設計不良の顕微鏡をそのまま使う方法は存在しません。金属バットを力の限り振り下ろして叩き壊すのも一法ですが,まずは使えるように改造してみましょうか。古い50Wハロゲンのランプハウス(ニコン)を使い,これに高輝度LEDを仕込みます。比較的口径・NAの大きいコレクタレンズ(オリンパス)を用いて瞳の大きさを確保します。投影距離を調べて接続方法を検討した結果,かなりの距離が必要になったので,望遠鏡用のパーツ(笠井トレーディング)を用いて接続し,投影距離は調節できるようにしてあります。

これで一応は,対物レンズBFPを全面覆うことができ,50W高輝度ハロゲンランプ(外部電源)か,高輝度LEDのどちらかで照明が行えます。ハロゲンでもLEDでも外部電源を使いますので鏡基に熱を与えることはありません。ランプハウスの熱は鏡基に伝わらないように,接続部は熱的に絶縁され,さらに念を入れて放熱できるようになっています。この結果,像質は改善し,支柱の温度変化によるピントズレも許容範囲に収まりつつあります。

コレクタレンズとフィラメントの距離は,厳密には,対物レンズを換えるごとに微調整が必要なのですが,投影距離が伸びたので,手が届かず,調整が面倒です。困ったものです。

しかしまぁ,光学も機械設計も一度も習ったことのない筆者でも,2時間で問題が解決しました。山ほど不満が残っていますが,購入時と比べれば,「使えない」ブツから「使える」ものにはなりました。

メーカーさんは何やってるんでしょうかね。

・支柱とアームはInvar材
・電源部のフレームと光学系の鏡基(支柱)は分離
・電源は2系統
・ランプは高輝度ハロゲンと高輝度LEDの両方が使用可能
・台座に排気ファンを設置
・支柱下部はサーモスタット機能を装備
・落射,透過照明両用
・高NAコレクタレンズ(フォーカス付き)
・フライアイレンズ着脱可能
・ランプ心出し,軸外し可能
・コンデンサ絞り共役部分に瞳操作マスク挿入可能
・xy可動式フィールドレンズ(+補正レンズ)
・光路上にレンズシャッタ配置可能
・またはLEDドライバ制御により露光制御可能
・照明光学系340nm対応
・h,g,e線用干渉フィルタ内蔵
・鏡筒長調節可能
・7レボ
・変倍レンズ着脱可能
・対物レンズとコンデンサの距離を固定可能

こんな顕微鏡どこかにありませんかね。Axioimagerを使えという声が飛んできそうですがー(撮影/MWS)。






2011年2月6日


ps

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ピントが保持できないという顕微鏡も世の中には存在します。上の画像がその例ですが,珪藻の点紋列に正確にピントを合わせて撮像し(左側),一切顕微鏡にもデスクにも触れることなしに58秒後に撮像したところ,見事にピントがずれています(右側)。普通に顕微鏡の電源を入れ,NCBとNDフィルタを入れ,電圧を上げて撮影しただけです。最初はステージが壊れているのかと思いましたが,メンテナンス屋さんの意見も参考にしながら検討したところ,熱による支柱の伸びであることが判明しました。電源部の熱が鏡基に伝わり,支柱部やアームが熱膨張してピントがずれるのです。30分後には何が何だかわからないほどにピントがずれました(下の画像)。

それで熱的な観点から眺め直してみると,ひどい設計です。アルミニウムの線膨張率を考慮せずに設計するとは,とても考えられないのですが,とにかく,何も考えていないようにさえ見えるのです。メーカーさん,この顕微鏡は電源を入れちゃいけないんですか?

熱でピントがずれるという現象は,精密な顕微鏡観察ではよく知られたことです。この顕微鏡に限らず,多くの機種で認められる現象ですが,こんなにひどいものにお目にかかったのは初めてです。

メーカ技術者が見栄えのする鏡基を設計し,そこに第一級の光学素子を詰め込んで,使えない照明装置に伸縮自在の支柱…。何ですかこれは。200万円弱のこのセットは,高価なゴミですか? 苦心して研究予算を確保して,さんざん選び抜いて備品として購入した世界のユーザーに対して,この設計を何と説明できるのですか。

この顕微鏡の開発グループは真剣さが足りませんね。もし,この機器に人命がかかっていたらどうするつもりなのでしょう。自動車なら,リコールして全品回収・無償修理となることでしょうね。

開発グループの方々には,自己研鑽研修と称して,一年間朝から晩まで珪藻検鏡して過ごすことをお薦め致します。そこいらへんにあるようないい加減なプレパラートですと,まともに見えませんから,ご自身で海・川に行き,珪藻を採取して,よい標本とは何かを勉強することからはじめるのがお薦めです。

これは決して言い過ぎではありません。珪藻を注意深く検鏡(*1)することにより顕微鏡の本質が明らかになるからです。筆者がこの顕微鏡の種々の不具合をすぐに見抜いたのも,毎日珪藻を見ているからです。19世紀のヨーロッパでも,新しいレンズが開発されるたびに,珪藻検鏡して性能を調べたのです。その地道な積み重ねの延長線上に,いまの光学機器があります。いくら時代が進歩しようとも,実視テストや先端的専門家のフィードバックは大切です。それを怠り,パソコンを眺めて顕微鏡を作っているようじゃ,そのメーカは潰れますね。予言しておきましょう(撮影/MWS)。

*1 光学的知識と観察経験を結びつけるという意味です。毎日珪藻を覗いていても顕微鏡に詳しくなれるわけではありません…





2011年2月5日


ps

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近年販売されている多くの顕微鏡ではプリセンタ型のランプハウスが採用されています。ランプは顕微鏡光学的にきわめて重要な部品ですから,調整機構がなくてはなりません。ですが,プリセンタ型のランプハウスでは,ランプの心出しも,フォーカスも調整できません。それでも,光学設計が正しく,使用する対物レンズとコンデンサに対して正しく照明光を送れるのならいいのですが,残念ながら設計不良のものが市販品に見られます。対物レンズ後側焦点面(BFP)を光源像で覆うことができないのです。

このようなゴミ箱にぶち込みたくなる設計ミスの顕微鏡を正しく使うには,改造するしかありません。上の画像は,不良の光源部を改造しようとしているところです。調整機構がないので,自分で調整できるように改造しなければならないのですが,手を加える余地が少なく,どうにもなりません。この光源部で唯一改造可能なのは,電球取り付け部分の碍子(ガイシ)ですが,ダイヤモンドで削ってみたところ,猛烈に硬く,全然掘り進みません。仕方なく,コンマ1ミリメートルほど削ったところであきらめて組み直しました。

こうなると,残された方法はランプの足を曲げて心出しとフォーカス調整するしかありません。12V100Wのハロゲンランプは,PHILIPS Focusline (No.7724)に見えます。手持ちがあるので幾つか比較して,フィラメントがいちばん大きく,コレクタレンズからいちばん遠ざかるものを選び,なるべく対物レンズBFPを覆うようにしてあります。しかしそれでも,コレクタレンズとフィラメントの位置関係が悪く(近すぎる),厳密な用途には使い物にならないので,足をぐいぐいと曲げて,なるべくよい位置になるようにしてあります。

プリセット型のランプハウスでも,ランプをそのまま刺しただけでは,所定の性能が出ない場合が多いのです。ランプを差し込みすぎないように,少しずつ対物レンズBFPを見ながら調整します。もちろん調整に先立って,珪藻プレパラートをセットしてピントを合わせ,コンデンサを正しい高さに調節しておきます。当然コンデンサ絞りは開放にして,光路にディフューザーがあれば抜いておきます。

こうした様々な調整を行ったにもかかわらず,画像で示したランプの位置は,まだ正しくありません。あと2ミリメートル以上,コレクタレンズから離さなければなりません。しかし,ランプの足をこれ以上曲げるのは現実的ではありません。もうどうすることもできません。あとはディフューザーでごまかすしかないのですが,光学設計の致命的欠陥がリカバーできるものでもありません。ディフューザーを入れれば,目視では対物レンズBFPが均一に照明されているように感じます。しかしイメージングすれば,大開口数の照明光が不足していることはすぐに判別できます。ディフューザーは気休めにしかならないのです。

この顕微鏡ではプランアポクロマート対物レンズをフルセットで装着したセットもあります。しかし照明系がこれでは,せっかくの対物レンズも活かされません。ケーラー照明80%絞りを標準的な検鏡法とする,臨床系の方々には何ら不満は生じないと思います。しかし非染色の物体を様々なコントラスト法で可視化する研究者,たとえば微分干渉法で微小管を観察する方や,プランクトン検鏡を日常とする方,珪藻のイメージングを行う筆者のような方,鞭毛の動態を暗視野検鏡で研究している方には,かなり大きな問題になりえます。

そもそも,コレクタレンズの開口数・口径・収差補正が適切でハロゲンランプとの間に調整機構があれば,PHILIPS No.7023のようなフィラメントが小さく高輝度で色温度の高いハロゲンランプが使えるのです(照明範囲の問題はありますが)。それを,このランプハウスでは,安価で品質の悪いガラスモールドプレスレンズを使い,調整機構を省略したことによるしわ寄せを,フィラメントの大きさでごまかそうとしているのです。No.7023が使える光学設計にしておいて,しかしNo.7023は寿命が短いから,No.7724を使うという考えではないのです。

この顕微鏡の設計者は,想像するに,光学屋さんであって,顕微鏡の観察経験が不足しているのでしょう。熟練観察者であれば,見慣れた標本を検鏡して照明系を調節しようとした瞬間に,この顕微鏡が研究に役立たない粗大ゴミ設計不良であることを見抜くと思います。

想像は膨らみます。この顕微鏡が世に出るまでに,何回も会議があったことでしょう。試作機ができあがったときに,何人もの人が検鏡したでしょう。そのときに,光学屋さんがこの問題に気づかなかったはずはありません。しかし,この問題がどれほど重要かを認識し警告を発した人がいなかったのでしょう。対物レンズBFPを覗き込み,「ま,こんなもんですよね」とお気楽に会話を交わして,問題を問題とも思い込まなかったに違いありません。

対物レンズの生産工場では,熟練技術者が,細心の注意を払って油浸対物レンズを組み立てていると聞きます。そうして厳しい品質チェックを経て,性能を限界まで発揮できる対物レンズが世に出回るのです。もし対物レンズの組み立て技術者が,この顕微鏡の照明系の設計を知ったなら,怒りに打ち震えて叩き壊すかもしれません。

無知なユーザーのためにプリセンタランプハウスを開発するのもいいでしょう。コストダウンのために調整機構を簡略化するのも許します。しかし対物レンズの限界性能に影響を与えるような設計のものを世に出すことは断じて許せません。筆者が開発の現場にいたなら,生産中でもストップをかけたことでしょう。ランプホルダーを10mm後方にずらすだけで問題のほとんどは解決するのですから(撮影/MWS)。

追記: ユーザーの方から改造法に関する情報をいただきました。ハロゲンランプソケットごと交換してはというご提案で,参考になる面が多く,記して御礼申し上げます。





2011年2月4日


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顕微鏡の観察像は光の当て方で見え方が変わりますので,どうやって光をあてるかが大切です。光はランプで発生させるわけですが,このランプの刺し方一つで像が変化します。ランプの種類によっても当然変化します。もっと厳しく見れば,ランプには表裏があります。差し替えてみて,コントラストが低くなるほうが正しい向きです。このランプ問題はとても悩ましく,随所でトラブルとなります。何も気づかずに使っているケースがもっとも多いかと思いますが,中には,フィラメントが変形した不良品ランプを刺していることに気づかず,顕微鏡が故障したと思いこみ,丸ごと廃棄されたしまったという例もあるのです(撮影/MWS)。






2011年2月3日


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機材テストはまだ続いています。シビアなテストは珪藻で行いますが,カラー撮影のテストには染色標本も使います。染色標本は分解能テストには使えませんが,色の再現やコントラストの低い繊維部分の写り具合などは,光学系のよいテストになります。このようなテストを行うときには,日常使っている白LED照明を外し,ハロゲンランプで照明します。ハロゲンランプは熱が多量に発生する上に,電圧一定の条件でも輝度が一定でなく,フィルタも必要という厄介な代物ですが,演色性だけはほかの光源よりもよいと感じます。で,肝心の画像ですが…もうちょっと改善が必要のようです(撮影/MWS)。






2011年2月2日


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昨日の画像は二枚の暗視野照明像を加工して,ダニの毛まで表現できるようにしてみたものです。きょうは偏斜照明のみの画像です。偏斜照明ではピントが深くなりますし,偏斜の方向で解像感が増しますから,上手に照明すればダニのシワシワが写ります(お腹の辺りをよくみてくださいね)。20年ほど前に,ダニの微分干渉像をみて,一度はみてみたいと思っていたものをようやく見ることができました。ダニは,筆者にとってはきれいに封じるのが難しいです。今回はたまたま,珪藻試料に埋もれてミイラ化したダニがいましたので,これを封じてみたのです。生きている姿とは異なりますが,思いの外,薄く,かっこいい形に封じることができました。くだらないとお笑いの方もおられるかもしれませんが,筆者にとっては大切な標本です(撮影/MWS)。






2011年2月1日


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これはダニの顕微鏡写真です。ダニはどこにでもいますので,うまくつかまえられれば格好の検鏡対象となります。このダニは大型の珪藻くらいのサイズで,微細な構造もありますので,被写体としてもなかなかのものです。畳の上などに多数いますので,探してみるのも面白いでしょう。黒いプラスチック板を畳の上に置き,その中央に餌をおけばつかまえられるかもしれません。小さな点がプラスチック板の上を移動するのが見られるでしょう。餌は,筆者の高校生時代の実験によれば,ハナ○ソが有効でした。ダニは人間からはがれ落ちた皮膚片などを食べているらしいので,ハナク○もおいしく食べるのかもしれません(撮影/MWS)。






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