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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2009年1月31日


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先日の東京湾海水試料にはたくさんの海藻も入っていました。ちぎれた藻類が海面近くを多数,漂っているのです。あずき色なので紅藻類と思いますが未同定です。非常に繊細で軟らかく,海水でマウントしてカバーグラスをかけてもかなり薄く封入できます。1枚目は4倍対物レンズ,2枚目の画像は10倍対物レンズを用いての撮影ですが,細胞がよくみえます。紅藻は植物ですから,緑色にみえなくでもクロロフィルを含んでいます。3枚目の画像がそれを示す例ですが,紫色光を当てると赤色に発光し,クロロフィル蛍光を観察することができます(BF/epiFL,撮影/MWS)。





2009年1月30日


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この珪藻も東京湾試料に含まれていたもので,キートセロス(Chaetoceros)属の仲間です(キートケロスとの読む人もいます)。この種は末端の刺毛が特別な形になっていて,細胞にはコブ状の突起があり,葉緑体は2個など特徴が揃っていますのでChaetoceros didymus var. protuberansではないかと思います。昨日,一昨日に紹介した珪藻と同様,この種も全世界に分布するありふれた珪藻種です。Chaetoceros属珪藻はこの画像に見るように,連鎖群体から刺毛が伸びている姿が特徴的です。この刺毛もガラス質でできています。刺毛があると水の抵抗が大きくなるので,沈みにくくするための役割があるのではないかと考えられています(DIC,撮影/MWS)。





2009年1月29日


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この珪藻も東京湾試料に含まれていたもので,ユーカンピア(Eucampia)属の仲間です。群体の一部を撮影していますが,全体はらせん状になっています。この珪藻の葉緑体は一個の細胞に数多く含まれ,それらの位置は光条件などによって刻々と変化します。上の画像は比較的暗い条件のもとに置いたもので,下の画像は顕微鏡照明を強く当てて,しかも封入液(海水)が蒸発してきているときの様子です。またこの珪藻の不思議なところは,冬になるとどこからともなく沸いてきて,たくさん見られるようになるのですが,夏になると細胞も小さくなり,数もずっと少なくなってしまいます。夏の間,どこで何をしているのか不明で,専門の研究者がいろいろ調べています。この珪藻が秋〜冬季に異常に増えると海水の栄養を奪ってしまうので,ノリ養殖に悪影響があるといわれています。珪藻を研究することは,私たちの生活にとっても重要なのです(DIC,撮影/MWS)。





2009年1月28日


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昨日掲載した画像に写っている珪藻一種を油浸で検鏡しました。スケレトネマ(Skeletonema)の仲間で,かつてSkeletonoma costatumと呼ばれた種です。この分類群は最近,詳細な見直しがなされていて,安易に同定することはできなくなりました。上の画像に見られるスケレトネマは東京湾で通年みられ,海の色を真っ茶色に染めるほどに増殖します。降雨後2,3日後のよく晴れた日に,湾内の水が茶色を呈していたら本種が多数増殖している可能性が高いので,採水して検鏡してみると面白いでしょう(DIC,撮影/MWS)。





2009年1月27日


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東京湾から採集した茶色いプランクトン群集を一滴とって観察すると,たとえばこんな具合です。10倍対物レンズを用いての撮影ですが,繊細な珪藻プランクトンが視野中に広がって見事です。ネット採集でなくても,東京湾や大阪湾のような透明度の低い海水ならば2リットルも汲んで沈殿させれば,十分に上の画像のようなプランクトン群集を観察することができますから,試してみるもの面白いでしょう。海が濁っているのは,たくさんのプランクトンがいるからだ,ということが実感できると思います(DIC,撮影/MWS)。





2009年1月26日


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昨日の茶色い海水を白いカップに入れて,よく観察すると肉眼でも珪藻プランクトンが見えます(上の画像)。きわめて細い繊維のように見えているのが珪藻の群体です。たくさん溜まっているところは濃い茶色になっています。他に紅藻が入っています。この濃い茶色は珪藻の塊ですから,光を当てると光合成が始まります。透明カップに入れ,上から白LEDの光を当て続けると,茶色の沈殿物から気泡が発生してきます(下の画像)。珪藻が光合成を行い,酸素を発生したのです。珪藻による光合成は全地球規模で行われているのですから,私たちの吸っている酸素も,その一部は珪藻が作ったものなのです(撮影/MWS)。





2009年1月25日


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24日の東京湾は小雪がちらつき寒い一日でしたが,波と風はそれほどでもなく,ネット採集にはまずまずでした。東京湾などの,陸から栄養が大量に流れ込む沿岸はプランクトンが豊富です。簡単に言うと汚い海ほどプランクトンが豊富なわけです。きょうも見た目にはそこそこ透明な海でしたが,ネットをひくとあっという間に茶色の海水となりました(下の画像)。これは珪藻が大量に濃縮されて茶色く見えるためです(撮影/MWS)。





2009年1月24日


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いろいろなトラブルからようやく解放されましたので珪藻の拾い出しを再開しています。いつものように緑色の光でコントラストを高めてピックアップしていますが,困るのは室温の低下です。東京は暖かいとはいえ,無暖房では10℃程度まで下がります。空調をつけると対流が起きて珪藻を拾い出すことができなくなりますし,塵などの落下物も飛躍的に増加して質の低下を招きます。足が冷えると顕微鏡レベルでの手の動作に支障があるので保温しますが,暖房を使うと対流が起きますので使えません。そこで画像二枚目に示す湯たんぽの登場となるわけです。ペットボトルに入れたお湯(計12リットル)を寝袋に入れてあります。水1グラムは1℃の温度低下で4.2ジュール(1cal)の熱を放出しますので,65℃のお湯が40℃になるまでに105ジュールの熱を放出します。これが12000グラムあるので,放出熱量は126万ジュールとなります。温度低下が5時間を要するものとすると,1秒当たり70ジュールの放出熱量,すなわち,70Wの暖房器具に相当します。これは安静にしている人間の発熱量にほぼ等しく,ほんのりと暖かいけれども激しい対流は起こさず,珪藻拾いにはちょうどよい局所暖房となります。珪藻を拾う,という単純な動作一つですが,真面目に考えると生活上の様々な工夫が要求されます(撮影/MWS)。





2009年1月23日


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ノートパソコンのハードディスク換装を行い,一応,正常動作を確認しましたので情報として記載します。故障したのはCF-Y2DW1AXSに搭載の40GBハードディスクで,論理部3.3V仕様の特殊品(MK4025GASL)です。その故障HDDを取り外し,別のCF-Y2DW1AXRに使用していた日立製ドライブ(2.5inch HDD HTS541680J9AT00,論理部5V)に載せ替えるという作業を行いました。日立製ドライブは論理部電圧が異なりそのままでは載せられませんので,41PINを除去して使います(CF-Y2DW1AXRでそのようにして使用していました)。この日立製ドライブにはすでにWinXP SP2が導入済みでしたので,試しにそのままCF-Y2DW1AXSで起動させてみると,何事もないようにWinXPが立ち上がりました。各ソフト,USB経由の機器類の動作を確認中ですが,いまのところ不具合は見つかっていません。サスペンドからの復帰も正常です。CF-Y2DW1AXSとCF-Y2DW1AXRでは,前者は2つあるUSBが2.0対応,後者は片方が1.1でもう一つが2.0という仕様の違いがあるのですが,単にHDDを載せ替えて何の設定もせずに,CF-Y2DW1AXSの両方のUSBポートが2.0の転送速度で動いています。ドライバはどちらにも対応しているようです。このまま正常に動けば面倒なOSインストールやソフトの再設定が省けて大変助かります。しばらく様子見をする予定です。なお,HDDの交換にはweb上にある個人HPの情報を多数参考にさせていただきました。有用な情報を掲載されていることに感謝いたします(撮影/MWS)。





2009年1月22日


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業務用メインパソコン(note)の動作が不安定で時々フリーズします。HDD不調が原因のようにも思いますがはっきりしたことはわかりません。パソコンは顕微鏡と比較するとあまりにもすぐに壊れてしまい困ります。特にノートパソコンは3年もすると各所に不具合が出てきてしまいます。30万円もするパソコンが3年で壊れれば年間10万円もの経費になります。対して筆者の使用する顕微鏡は古い物では1964年,1969年のものが現役で,新しいものでも1980年代前半の製品が多いです。これらは特に故障もなく,たまに分解清掃するくらいです。パソコンも,スペックはほどほどでいいので,耐久性に富むものを供給して欲しいのですが,それは無い物ねだりということでしょうか。90年代前半のMS-DOS時代のパソコンは未だに故障もなく動くのですがー(撮影/MWS)。





2009年1月21日


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微分干渉法によると無色透明体の微細構造を明暗またはカラーコントラストに変換することができます。上の画像は後者の例ですが,珪藻(Actinoptychus. senarius)の微細構造が種々の色で再現されています。これを銀塩写真で撮影するとそのまま綺麗に写るのですが,デジタル写真の場合はうまく色が出ないことがあります。直線偏光素子を使っていますので,それが原因で露出が狂うことや,CCDの性質により干渉色の色によっては再現が苦手なものがあること,などが原因と思われます。デジタル画像も見た目はきれいですし,干渉色の定性的効果だけを見るのなら何ら問題ありませんが,改善したいことの一つです。なおこの珪藻は,当サービスで供給しているE-M1に入っていたものです(BF,撮影/MWS)。





2009年1月20日


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珪藻は水のあるところならどこにでもいる,と言われるくらい,多様な環境に適応しています。したがってその生活様式もさまざまです。水中を浮遊する種や,付着して生活する種,動物に寄生する種などいろいろいます。上の画像の珪藻は潮だまりの付着珪藻サンプルに入っていたものですが,寒天質の鞘を作って,その中にぎっしりと詰まって生活しています。かなり小さな珪藻です(BF,撮影/MWS)。





2009年1月19日


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コンデンサのない顕微鏡,というものが学校教育機関を中心に出回っています。透過照明でコンデンサがない,というのは対物レンズの性能(分解能)を半分にして使うという使用法で,光学的には全くナンセンスなものです。しかしなぜか日本の小中学校にはこのような顕微鏡ばかりです。コンデンサがないと,上の画像のように,物体の輪郭がボールド的に強調され,細部が消えて混乱する絵になります。このような顕微鏡の分解能を,コンデンサを使わずに少しでも上げるには,拡散板が使えます。トレーシングペーパーや,スーパーのレジでもらえる不透明・白色のビニールなどがよいでしょう。これをスライドグラスの下,数ミリから数センチのところに配置して,下から強力なライトで照らします。すると拡散板からの多様な角度の光が入射して,コンデンサの絞りを開いたのと似た効果になり,対物レンズの性能(開口数)を活かした観察ができます(下の画像)。この方法の難しいところは,かなり明るいライトで照らさないと,視野が暗くなるという点です。もし面光源の発光体があれば,拡散板の代わりに使うことができます(BF,撮影/MWS)。





2009年1月18日


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プランクトン試料を検鏡するとき,通常は白色光を用いて明視野検鏡しますが,紫〜紫外線照射下で蛍光を見ることもあります。珪藻試料の場合は葉緑体が赤く光りますが,他にも蛍光を発する生物が見つかることがあります。上の画像はカイアシ類に属する甲殻類プランクトンですが,キチン質の殻が紫色光下で青白く光ります(赤い発光は植物プランクトンの葉緑体です)。これにどのような意味があるのか調べていませんが,おそらく海に降り注ぐ強い紫外線から体内細胞を守る働きがあるのではないかと思います。紫外線を吸収して蛍光放散すれば,細胞内部に紫外線が届きにくくなるからです(epiFL,撮影/MWS)。





2009年1月17日


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今回のサンプリングは潮だまり(タイドプール)の珪藻採取が目的でした。潮だまりは干潮時に海から切り離される水たまりですが,海底に生息する珪藻やプランクトン珪藻が多く採取できることもあります。それで適度に潮が引いた頃をねらって採取します。上の画像は数リットルもない小さな潮だまりから採取した珪藻,下の画像はそこから100メートルほど離れた比較的大きな潮だまりから採取した珪藻です。わずかに場所が異なるだけで珪藻群集も全く異なる場合があることがわかります(BF,撮影/MWS)。





2009年1月16日


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15日の相模湾は天気もよく風も弱まりサンプリングには好適でした。11月の下旬には裸だった岩肌にも,いっせいに海藻が付着して伸び始めていました。この時期の海水は,表面が冷却される関係で,深い水と混ざりやすくなっていて,深い層に溜め込まれていた栄養を豊富に含んだ水となっています。それで海藻が盛んに繁茂するのです。紅藻類,褐藻類,アオサ藻,もちろん珪藻も増えます。これから3月くらいまでは色とりどりの藻類が観察できますので,たまには寒い冬の海にでも出かけてみるのも面白いかもしれません。上の画像は基準面+70cm程度の干潮時に撮影した岩場ですが,アオサ,スサビノリ,ヒジキなどが写っています(撮影/MWS)。





2009年1月15日


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最近,虹色に光るホログラム印刷を応用したシールや包装が目立つようになりました。虹色に光るということは,周期構造で入射光をスペクトルに分解しているわけですから,これは回折格子に他なりません。CDの裏側が虹色に反射するのも,飾りではなく,情報が刻まれた溝のピッチが微細な周期構造になっているからです。さて,それならば虹色に光る印刷面を顕微鏡で見れば,非常に微細な縞々が見えるはずです。総合倍率20倍で観察すると,まだ虹色の反射光が見えるだけで周期構造は見えません。高開口数対物レンズ(NA=0.75)を用いて観察すると,とても細かい周期構造が見えました。これが白色光をそれぞれの波長に分解する回折格子の役割を担っているのだと考えられます。下の画像をよーく見てください。この周期構造は右上から左下に向かって走る直線群です(DF,撮影/MWS)。





2009年1月14日


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これはズアカムカデの幼体と思われる個体を丸ごと封入した標本の一部です。6,7ミリ程度の大きさがありますので,実体顕微鏡などで観察すると強烈な印象で迫ってきます。昆虫を丸ごと封入できれば標本として魅力的なのですが,顕微鏡観察にちょうどよいサイズである程度の平面性を持つ素材はそれほど多くはなく,なかなか製作までこぎ着けません。この標本も一枚限りですが,ご希望の方に販売しますので(2500円)興味ある方はメールしてください(BF/DF,撮影/MWS)。





2009年1月13日


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にごり酒が濁っていたので(笑),検鏡してみました。マウントは簡単で,一滴弱垂らしてカバーグラスをかけるだけです。なじむまでしばらく待ち,10倍対物レンズで検鏡すると,コメの破片らしき粗大なかけらと,ふわふわした実態のわからない塊と,粒々として見える酵母らしきものが判別できます。40倍対物レンズで見ると,この酵母らしきものは楕円形であることがよくわかります。にごり酒を飲む,ということはアルコールとともにこれらの微生物や炭水化物を一気に胃に流し込む,ということになるわけです(BF,撮影/MWS)。





2009年1月12日


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顕微鏡操作は当てずっぽうにやってよいものではなく,ある程度光学理論についても知る必要があります。原理がわかると検鏡時にやるべきことが明確に意識されるので,良い絵がコンスタントに得られるようになります。勉強の第一歩は本を読むことですが,筆者はこの本(上の画像)から勉強が始まりました。波動光学を避けすぎているきらいがありますが,初心者でも,何度も読めばきっと理解できることと思います。とても良い本です。残念なのは,すでに絶版で再販見込みがないことですが,大学図書館などでは所蔵されているところも多いので,こちらに書名を入力して調べてみてください。きっと見つけられることでしょう(撮影/MWS)。





2009年1月11日


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つい先日,当室の配管更新工事がありました。このため,年末からずっと試料精製やプレパラート製作ができない日々が続き不自由な思いをしました。ようやく工事も終了して元の状態に回復しつつありますが,一部,特注を頂いているお客様への納品が若干遅れそうです。急いでもよい物はつくれませんので,踏ん張りどころです(撮影/MWS)。





2009年1月10日


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日本沿岸の海産珪藻・特に付着珪藻については調査が遅れていて,どこにどんな種が分布しているのか十分な情報が蓄積されているとはいえない状況です。したがって種々の珪藻を集めようと思ったら,文献検索も大切ですが,まずは試料採取に出向くことも重要です。そして採取した試料を検鏡してはじめてどんな珪藻がいるのかわかるわけですが,そこからがまたたいへんです。名前のわかるものはむしろ少なく,ほとんどが属レベルまでしかわかりません。種によっては同定用の文献が少なくて,属レベルでも不安なものがあります。画像の珪藻はその形態からしてPodocystis属の一種と思われますが,そこから先は(筆者には)まだわかりせん。この珪藻は当サービスの教育用プレパラート,E-M1に入っていたものです(oblique,撮影/MWS)。





2009年1月9日


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これはヒト大腸の切片です。マッソントリクロム染色による標本ですが,筋肉組織と毛細血管,赤血球,他の細胞などが鮮やかに染め分けされていて非常に見やすくなっています。これは筆者のお気に入りの一つで,たまに思い出したように眺めています。色再現をチェックするための標本としても適当で,撮影画像のコントラスト調整などのパラメーター設定を調べるのに使うことができます。このクラスの標本は作成が難しく,筆者は知人の専門家から預かっているものを利用しています(BF,撮影/MWS)。





2009年1月8日


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これはJR乗車券の印刷面を撮影したものです。蛍光印刷を利用しているようで,紫外線で光ります(上の画像)。情報は磁気記録ですから光識別は必要ないものと思いますが,硬券時代の名残なのでしょうか。各社で傾向(蛍光)を比較するのも面白そうです(epiFL,撮影/MWS)。





2009年1月7日


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珪藻は真冬の寒さの中でも活発に増殖します。冬になると木々が葉を落としますので,たとえば河川敷などの木も枯れ木立になります。すると日光が水面まで到達しやすくなり,珪藻がより増殖しやすくなります。大雨も降らずにちょうど良い流れの状況が続くと河床は珪藻で覆い尽くされてしまいます。きょうの2枚の画像は珪藻が繁茂する河川の様子ですが,川が茶色に見えるのは,水の色でも,岩石の色でもなく,珪藻の色なのです(撮影/MWS)。





2009年1月6日


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これは天然仕上砥石の表面です。10倍対物レンズ(開口数0.45)での撮影ですが,粒子が非常に細かく,あまり見えません。また,粒径にあまりムラがなく均一です。この特徴からすると,この砥石は京都近辺から産出するものとよく似ています。このように非常に細かい粒子で構成されている砥石は,太平洋の真ん中あたりで,風により大気経由で輸送された鉱物粒子と,生物が作る鉱物分が堆積したものが起源です。陸上から遠く離れているために,細かい粒子しか供給されないのでキメの細かい砥石となるのです。これがプレートの動きに乗って日本までやってきて,運良くマントルに潜らずに浮き上がり,地面から顔を出したのが天然仕上げ砥石というわけです。この砥石は純度の高い鉄で作られた炭素鋼との相性がよく,ほどよい鋸歯も残るので,包丁・鉋・鑿を研ぐのに最適です(DF,撮影/MWS)。





2009年1月5日


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落花生の皮は紫外線に反応して良く光ります(蛍光)。表側の茶色い方(下の画像)はあまり光らないのですが,裏側の白っぽい部分はよく光ります(上の画像)。裏側は細胞,というよりは繊維状の組織になっていて,綿をみているかのようです。手触りはパリパリとした薄皮なのですが,顕微鏡的には組織を保護するかのような構造になっています(epiFL,撮影/MWS)。





2009年1月4日


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当サービスは年中無休で,学会参加や長期サンプリング以外はいつでも営業しています。発注が入らないときは試料処理などの好適な時間となります。年末年始はさすがに注文も入らず,午後の日だまりでお茶でも飲みながら落花生をつまんでいると,ああ,正月だなぁという実感がちょっと味わえます。しかし次の瞬間,落花生の皮が気になります。毎日顕微鏡とつきあっていると,薄くて光を通しそうなものはよい標本に見えてしまいます。落花生の皮はどうも三層構造になっているようですが,きょうの画像は表側の細胞をとらえたものです(BF,撮影/MWS)。





2009年1月3日


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これは付着珪藻を食べる貝の中腸腺内容物です。有機物を酸化処理で取り除いている途中の試料です。多数の珪藻が含まれており,そのほとんどがアクナンテスの仲間です。採取に用いた貝は汀線付近に生息しているもので,干潮時には陸上にいます。このためか,特定の珪藻だけを濃縮する結果になっているようです。貝類に珪藻を採取してもらう作戦は,種限定であれば使えるのかもしれません(DF,撮影/MWS)。





2009年1月2日


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教育用プレパラートは作業上の手順を省略して,お求めやすい価格になるよう努力しておりますが,試料処理は一切の手抜きをしていません。したがって鉱物等が除去されたきれいな珪藻を楽しむことができます。また,含まれる種も多様で,数えてはいませんが,セット5枚で含まれる珪藻種は100種以上になるのではないかと推測しています(もっと多いかもしれません)。そしてまた面白いことは,できあがったプレパラートにどんな種が入っているかは,精査した人しかわかりません。上の画像はE-M1に入っていた珪藻を撮影していますが,数が少なく貴重なものです。筆者もたまに検品で検鏡すると,この種がこのサンプルに入っていたのか!!,と,うなることもしばしばです(annular,撮影/MWS)。





2009年1月1日


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本年も,魅力的な珪藻をはじめとして種々の顕微鏡標本・試料を取り揃えて供給する所存でございます。どうぞみなさま,お引き立てくださいますよう,よろしくお願い申し上げます。すでに販売中のプレパラートの中にも,たくさんの繊細な構造を持つ珪藻が含まれております。これらはたいへんよい検鏡試料・練習用標本となりますので,どうぞご利用ください。 また顕微鏡を常用する方々に周知頂ければ幸いです。上の画像は教育用プレパラートE-M1に入っているアラクノイディスクス(クモノスケイソウ)という種で,大型でゴージャスな姿が印象的です(annular,撮影/MWS)。






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