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2007年9月30日


sentyuu

sentyuu

排水管にできたバクテリアのコロニーを検鏡してみると,驚くべきことに大量の線虫が発生していました。水が流れ,湯が流れ,洗剤が流れる厳しい条件でも個体群を維持できる生命力には感心させられます。周囲に写っている粒子はバクテリア(細菌類)です。上の画像は偏斜照明,下は微分干渉法です。前者はピント深度が深く,後者は浅いです(光学的切片像)。またそれぞれ解像に方向性がありますので,コントラストを高めたい部分に対して最適な照明になるよう調節する必要があります(oblique, DIC, 撮影/MWS)。





2007年9月29日


hamamasu

珪藻の殻はガラス質でできているので,顕微鏡で覗いてもまるでガラス細工が散りばめられているように見えます。視野を移動して次々と現れるガラス細工は観察者を飽きさせず,時間を忘れてしまうほどです。ガラス質なので,きれいな観察には照明法やコントラスト法の工夫が欠かせませんし,像もいろいろ変化します。そこがまた,おもしろいのです。画像は淡水産の付着珪藻類で,北海道の渓流で採取したものです。(DIC, 撮影/MWS)。





2007年9月28日


fluor_dino

この画像は渦鞭毛藻(うずべんもうそう,単細胞藻類の一種)の蛍光顕微鏡写真です。藻は植物ですからクロロフィル(葉緑素)を葉緑体のなかに持っています。葉緑体は紫〜緑の光を吸収して赤く光る蛍光(けいこう)という性質があります。この性質を利用して,強力な青い光で照明して葉緑体を赤く光らせ,照明の青い光をカットすると,赤く光る葉緑体が観察できます。上の画像ではさらに,核を青く光らせる試薬を加え,細胞の輪郭は暗視野照明で緑色に浮きだたせています(落射蛍光−透過暗視野法)。核と葉緑体の励起光は紫色を使っています。黄色蛍光を発する球体は油球のように見えますがよくわかりません。このように,蛍光顕微鏡では技巧を凝らせば細胞内の構造を別々に色づけすることが可能です(epiFL+DF, Hoechst33342, 撮影/MWS)。





2007年9月27日


pol_light

画像は柳の鉋屑を封じたものです。封入剤で封じるとセルロースの木材などは見えにくくなりますが,偏光顕微鏡で観察すると浮かび上がるようによく見えます。これはセルロースの繊維が一方向に揃って並んでいるためで,ここを通過した光の多くは自然光から偏光に変換されます。この並んでいる繊維が,木材のすぐれた強度特性の秘密です。画像は偏光顕微鏡(クロスニコル)に手製の簡易λ板を入れて干渉色を表現したものです(Pol, 撮影/MWS)。





2007年9月26日


Stauroneis

珪藻は数万種もいて実に多様な形態をしています。どれも美しいのですが,中でも多くの人を魅了する種類があると思います。画像はスタウロネイスという珪藻で,微分干渉顕微鏡でλプレートを使い,コントラストを色で表現しています(実際にこのように見えます)。いかがでしょうか。(DIC, 撮影/MWS)。





2007年9月25日


model H

ひとくちに光学顕微鏡といっても様々な種類があります。工業製品として人々の間に浸透してから約100年の月日がたちますが,その間には惜しまれつつ生産終了になったものもあります。画像は日本光学(現ニコン)が1958年に発売を開始した携帯顕微鏡H型です。ボディーに3本のレンズが内蔵されていて,下側から覗く倒立顕微鏡の構成になっています。コンデンサは開口絞り付きで,スライド切り替え式によりハネノケコンデンサと同等の機能を実現しています。専用レンズを使用すれば油浸も可能です。倒立型なので一般検鏡はもとより,プランクトンなどの水試料検鏡に向いています。生産中止からン10年,発売開始から50年になる現在でも,本機種は顕微鏡愛好家の間で高い人気を誇っています(撮影/MWS)。






2007年9月21日


Ceratium

海には鞭毛藻類(べんもうそうるい)がたくさんいます。鞭毛をムチのように動かして泳ぐ藻類のことです。この画像は相模湾の水に入っていた鞭毛藻(ケラチウム フルカ)を撮影したものです。鞭毛の動きは速いので普通撮影では写りませんが,フラッシュを光源にすることで止めて撮影できます。ピントを合わせてから顕微鏡の照明を落とし,すぐにフラッシュを点灯させます。フラッシュは一眼レフ用のものでも良いし,使い切りカメラのユニットを外して再利用してもOKです(DIC, 撮影/MWS)。






2007年9月20日


fossil diatom

これは珪藻化石の顕微鏡写真です。日本は海に囲まれており,つい最近まで(といっても数千〜数千万年前ですが)海中だったところがたくさんあります。そのような場所にはたいてい珪藻が降り積もっています。この珪藻は宮城県を旅行中に何気なく拾った土の塊から出てきたものです。関連商品は【SGM-01】でほぼ同じものを見ることができます(BF, 撮影/MWS)。





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