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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【12月】 【今月】 2009年8月31日
昨日の砥石薄片をまずは明視野で検鏡してみました。対物レンズは10倍(開口数0.45),接眼レンズも10倍で,顕微鏡側の総合倍率は100倍です。画像は昨日のプレパラート画像の左上部分で,毛筋を視野中心に置いています。この砥石(新田産巣板)がひじょうに細かい粒子でできていることが一目でわかります。また,毛筋の幅は粒子よりもずっと大きなサイズであることもわかります。このプレパラートはエポキシ樹脂で接着していますので,樹脂と同じ屈折率の鉱物は(明視野では)見えなくなります。上の画像は,明視野法で確認できる鉱物粒子を表しているだけで,実際には,ほかの鉱物が含まれている場合もあります(BF,撮影/MWS)。 2009年8月30日
これは先日撮影に使用した砥石のかけらで,新田産の巣板です。小さくて薄いものがありますので,これをプレパラートにすることができます(下の画像)。きれいに面付けした砥石をスライドグラスに貼付,これを気長に薄くしていきます。光が透けるくらいになったら封入剤を滴下してカバーグラスをかけて固めます。今回は厚みにムラが出てしまいましたが,薄いところや厚いところがあるので,適当なところを選べばそこそこ検鏡できます。専門的には,石英の干渉色が決められた色になるように研磨して厚みを決めます。天然仕上げ砥石のような,微粒子で構成されている石は,どれが石英なのか判別するのも(筆者には)容易ではありません。どうやって厚みを決めるのでしょう(撮影/MWS)。 2009年8月29日
これは各戸に配布された印刷物の顕微鏡写真です。それなりにまともな紙に,それなりに上質のカラー印刷されたものであることがわかります。このビラによれば,試しに民主党に政権を取らせただけで日本は取り返しのつかないことになるそうです。まるで民主党は戦争中の敵国かといわんばかりの書き方です。真偽の程はわかりませんが,ただひとこと言うならば,下品です。政府与党が下品では困ります。政治家には品格が必要でしょう。それは他人への配慮を示す指標だからです。 2009年8月28日
これは天然仕上砥石の拡大像です。新田産の巣板ですが,欠片を数枚所持している中の一枚です。これを適当に切り,面だしして,包丁などの刃物手入れ用にしています。この砥石は研磨力が抜群で,包丁(割り込みや合わせの出刃,柳など)に浮き出てきたわずかな錆や変色層を磨き取ることができます。しかも,地鉄,鋼にも引っかき傷を付けないのです。顕微鏡で拡大しても,数マイクロメートル以下の細かな粒子がどこまでも均一に広がっています。ところどころ橙色の部分が見られますが,粒子組成は同じで鉄分などにより着色されているようです(DF,撮影/MWS)。 2009年8月27日
煎茶が濁っていたので検鏡してみました。淹れたときは濃いように見えても飲んでみると薄く,やがて粉(粒子)が沈殿するようなお茶があります。その沈殿を一滴取ってカバーグラスをかけ,10倍対物レンズを用いて覗いたのが上の画像です。画像から明らかなように,粉のように見えたものは茶葉の細胞のようです。不思議なことは,製品によってはこの濁りが全くないことです。見た目を重視,あるいは他の理由で,茶葉の粉末を混ぜているのかもしれませんね(BF,撮影/MWS)。 2009年8月26日
野生の「きのこ」を採集して食べ,中毒する事例が毎年のように起きています。きのこは良く似た形態のものが多く,「キノコ型」なら食べられると思ってしまうのでしょう。きのこ狩り歴ウン十年という人でも,単にカンと迷信を頼りに続けている人が驚くほど多いのです。まずは図鑑を読み解き,記載事項に合致するか正しく判断できる訓練が必要です。そしてできることなら,顕微鏡を一台入手して,胞子やシスチジアなどの形態を観察するようにしましょう。きのこ(菌類)は微生物なので,顕微鏡観察は欠かせないのです。講習会に参加して資料の読み方と検鏡法の両方を習うのもよいことです。科学的知識が増えてくると,その辺のきのこを採集して喫食することがどれほど危険なことか理解できてくると思います。筆者もたまに山野に出向いてきのこ狩りをすることがありますが,判断を躊躇するようなものは,どれほど魅力的に見えても絶対に食べません。ハタケシメジという,比較的見分けやすいきのこを初めて食べたときも,種を確かめるのに何度も顕微鏡を覗いたものです(撮影/MWS)。 2009年8月25日
これは紫外線発光ダイオード(UV-LED)です。UV-LEDは400nm付近の紫色光を放射するものから,365nmの目に見えない紫外線を発生するものまであります。中間の波長もあります。上の画像は日亜化学の365nmタイプのもので,数年前に購入したものです。筆者は光るものが好みで,珪藻も,刃物も,星も,レンズも,LEDもみな光り輝きます。あたらしい輝きを見つけると,まずは購入して性能試験を行いたくなります。上のLEDからは確かに紫外線が出ており,時代が変わったことを実感しました。すぐに蛍光顕微鏡の光源へと応用したのですが,さすがに出力が足りず,LED一本では,実用性はほとんどありませんでした。最近は高出力タイプのLEDが,各波長について揃ってきていますので,(蛍光/生物)顕微鏡の光源としてさらに広まっていくことでしょう(撮影/MWS)。 2009年8月24日
中古顕微鏡が複数入荷しております。国産機で耐久性よく安定した性能です。珪藻の観察も可能です。位相差もできますので,水封プレパラートの観察にも重宝します。この機種を安価に放出しますので,興味のある方はもちろん,興味のない方も(笑),処分品コーナーを覗いてみてください(撮影/MWS)。 2009年8月23日
【イベントのご案内】 2009年8月22日
刃物が切れ止む原因はいろいろあります。包丁の場合は,「硬いものを切る」「刃で食材を寄せる」「水切りかごに突っ込む」「冷凍食品を切断する」などが主な原因としてあげられるでしょうか。刃先は食材のような軟らかいものを切るためにあるもので,硬いものを切ればすぐに刃先は潰れ,切れなくなります。半解凍のマグロを刺身に切り出せば,氷の結晶で刃先は潰れます。水切りかごに入れれば,刃先が他の食器と衝突し,刃先が傷みます。まな板の上の食材を刃先で寄せている方も多いと思いますが,それは刃を潰す行為に他なりません。こうしたことに気が付きにくいのは,包丁の刃先変化が顕微鏡レベルだからです。 2009年8月21日
こんどはステンレスの包丁が持ち込まれましたので検鏡してみました。安価なプレス品で,鋼材もまともではなく,つくりもいい加減です。上に掲げた画像を見ると,鈍角にカットされた切刃が見え,製造時に付けた荒刃がそのまま残っていることを示しています。この部分がどのくらい鈍角かというと,包丁を30〜40度くらい立てて研がないと,刃先に砥石が当たらないくらいです。ですから,この部分に気づかず寝かせ気味に研ぐと,いつまでたっても刃先に砥石が当たらず,研いでいるつもりが側面を磨いているだけという結果になります。「研いでも切れるようにならない」という経験をお持ちの方も多いと思いますが,原因はそこにあるのです。 2009年8月20日
きのうの包丁を研いで修正しました。大きな傷はシャプトン(オレンジ)で消し,表裏ともにしのぎを付けて切刃を整えます。しのぎが付け終わったら刃線を決め,そこから切刃を修正します。次に丹波青砥に変えてしのぎを曇らせ,刃付けを行います。さらに高島妙覚山?と思われる軟らかな合砥を内曇の代わりにしてしのぎのステンレスを曇らせます。最後に,丸尾山砥石(天上戸前)で刃先を立て気味に研ぎ,蛤刃に仕上げます。これで本霞風仕上げの完成です。上の画像では昨日と同じ部分を撮影していますが,深い研磨の条痕は消え,錆もきれいに取れています。代わりに無数の浅い条痕が光の角度によっては見えてきます。刃線を拡大すると,丸尾山砥石で研磨した部分で光の反射方向が変わるので黒い線となって見えています。スウェーデン鋼と天然砥石の相性は最高で,切れ味は申し分ありません(DF,撮影/MWS)。 2009年8月19日
古い包丁が持ち込まれましたので検鏡してみました。かたちは菜切りで,ステンレスにスウェーデン鋼を割り込んだ,本割込と呼ばれるタイプのものです。切刃先端は欠けが多く手荒く扱われたことを示しています。側面(しのぎ面)には深い傷がありますが,これは#80〜#120程度のサンドペーパーで錆取り(研ぎ?)を試みた跡ではないかと思います。赤くベルト状に錆びている部分は,ステンレスとスウェーデン鋼の合わせ面です。電気的なものか,生物的なものかはわかりませんが,この部分は特に錆びやすい部分です。鉄の包丁は水分が乾燥する間際によく錆びます。また,放置すると,表面に付着している食材などを栄養源にバクテリアが増殖し,彼らが酸を分泌することにより錆が進むといわれています。したがって,包丁表面はなるべく傷がない方がよく,使用したらすぐに拭って乾燥させることが大切です(DF,撮影/MWS)。 2009年8月18日
これはラッピングフィルム(#8000)の画像です。開口数0.95での撮影です。ラッピングフィルムとは,樹脂製の薄いフィルムに研磨剤がコーティングしてあるもので,用途は耐水ペーパーと似ています。#8000は主に鏡面仕上げが必要な場面で使うものですが,筆者はこれをピンセットの先端仕上げに利用しています。ピンセットでラッピングフィルムを挟み,一方向に引くことにより,先端にできたバリを取り去ります。上の画像は,その作業によりできた研磨痕を拡大したものです。一方向に引いているので,研磨剤の片側にだけ,金属が付着しています(BF,撮影/MWS)。 2009年8月17日
【イベントのご案内】 2009年8月16日
これは筆者のお気に入りピンセット,FONTAX Taxal No.3です。大事な道具はすべて二重化しているのですが,ピンセットも例外ではありません。この3本は同じものですが,よく見ると,刃先への研ぎ出し,肉の厚み,刃先の太さなどが一本一本異なります。高級ピンセットの仕上げは,手作業なのでしょう。一般に刃物類は使う人が好みに応じて仕上げるものです。包丁など,購入時には機械で刃付けしてあるだけで切れ味は不十分です。きちんと研いだ刃とは比較になりません。ピンセットも自分の好みに研ぎ直せば,購入時よりもさらに使いやすくなります(撮影/MWS)。 2009年8月15日
検鏡時に必要な道具として重宝するのがピンセットです。筆者は7,8本ほどの常用ピンセットを持っています。ラフな使用に耐えるステンレス,万能選手のINOX,細い刃先のINOX,樹脂製,小さな光学素子をつまむときの竹製などです。いずれも,先端を耐水ペーパーや砥石で,好みの形状に研いで使うのです。これから揃えるという方は,ぜひ,INOX製の高級ピンセットをお薦めします。よいピンセットの作業性は,安価なピンセットをどのように改造しても到達するのが難しいほどです。ピンセットを使う上でいちばん難しいのは,必要な場面にピンセットを使うことを自然に思いつく,ということです。そうなれば手足の延長として使うことができます。机の上にはぜひ,ピンセットを転がしておき,いつでも手に取れるようにしておきましょう。筆者は高校生の頃,好みのピンセット2本を万年筆入れに収納してポケットに入れていましたが,そんな変なことをする必要はもちろんありません(撮影/MWS)。 2009年8月14日
ピンセットを研ぎ直しましたので,研磨に用いた砥石を検鏡してみました。使った砥石は「ポケットアルカン」と呼ばれるアルカンサス砥石の一種で,ふつうのスライドグラスに載るほどの小さなものです。種類は文房具店などで取扱があった,烏口を研ぐためのものです(白色不透明)。アルカンサス砥石は半透明の飴色のものはかなり高価なのですが,白色不透明のもので安価なものがあります。新鮮な面を見ると微細な,比較的角のある結晶が見えます(上の画像)。これでINOXのピンセットを空研ぎしてみると,砥石の小さな空隙が削り取られた金属で埋まっていきます(下の画像)。穴を埋めている金属は粒子には見えず,塗料を塗ったかのようです。研磨時に,砥石と金属の接触面でどのようなことが起きているのか,不思議な気がします(DF,撮影/MWS)。 2009年8月13日
これはワサビのデンプンです。デンプンはすでに片栗粉(馬鈴薯),くず粉(本葛)を観察していますが,ワサビのデンプンはどちらかといえば片栗粉に近い印象です。しかしデンプン粒は馬鈴薯デンプンよりも小さめです。デンプンは特徴的なので検鏡するとすぐにわかりますが,不安なときは偏光顕微鏡で観察すると,デンプン粒子は暗い背景に輝いて見えますので,さらにわかりやすいです。直線偏光板でクロスニコルの配置にした場合は,デンプン粒子の中央にクロスニコル(十字模様)が見えます(BF,Pol,撮影/MWS)。 2009年8月12日
これはワサビ根の断面です。大きめのワサビが余ったので,わさび漬けでも作ろうかと刻んだ根の一部です。維管束らしい裏打ち構造のある細胞と,顆粒が詰まった細胞が見えています(上の画像)。ワサビは明るい緑色をしていますが,これはクロロフィルの色です。蛍光顕微鏡(紫色励起)で見ると細かい葉緑体が鮮やかな赤色蛍光を発します(下の画像)。他の細胞は自家蛍光をあまり発しませんが,維管束は例外のようで,青色蛍光を発します。蛍光で細胞種を特定できるようです(BF,撮影/MWS)。 2009年8月11日
これはサンマのウロコです。片側のブルーがきれいで,サンマの背の青さは,ウロコの色素も関係あることがよくわかります。サンマは流通経路が確立しているので,鮮度が落ちやすい魚にもかかわらず,新鮮なまま消費地に届きます。東京でも,博多でも,「北海道産」と書かれたサンマを目にします。厚岸産の「鮮サンマ」など,たいへんおいしいですが,有名ブランドと化しています。この生サンマの塩焼きは,魚好きにはこたえられない一品です。筆者としては7月の,脂が乗りきらないサンマか,秋も深まる頃に南岸まで戻ってきたサンマが好みです。今ごろのサンマ,特に今年は脂がのっていて,かなり脂を落とす焼き方をしてもまだ油っこいですね。鮪のトロが好きな人には,この時期のサンマもとろけるようにおいしいことでしょう。酢洗いして,カラシ醤油で食べるのもたまらんですねぇ(BF,撮影/MWS)。 2009年8月10日
ずーいぶん遠いところが震源だなぁ〜と,揺れる蛍光灯を見ていると,どうもP波のようです。急にギシギシ音が鳴り出したかと思うと,ゆっさゆっさと大きな震動(S波)がやってきました。倒れる寸前のデスクライトを押さえ,顕微鏡が収納されている棚を押さえますが,けっこうたいへんな揺れです。これ以上揺れたら色々なものが落ちそうで恐ろしく,周囲を高速でスキャンしながら,押さえるものを探します。揺れが収まってほっとしましたが,皆様のところは大丈夫だったでしょうかー。(本文と画像は関係ありません)(BF,撮影/MWS)。 2009年8月9日
ごみだらけの試料を処理中,処理の進み具合を頻繁に観察します。ある程度処理が進むと鉱物も有機物も減り,珪藻が見えてきます。このチェック時に種構成もだいたいわかります。時には,探し求めていた貴重な種が見られることもあります。チェックが終わると,スライドグラス上の珪藻は再びビーカに戻して処理を続けますが,スライドグラスに固着して落ちない珪藻が少なからずいます。平面性のよいコスキノディスクスなどは特に貼り付きやすいですが,そうでない種も残存していることがあります。上の画像はスライドグラスに残っていたAuliscusです。記念に撮影しましたが,このあと,水鉄砲でビーカに戻しました。目で見ながら作業できるわけではないので,一か八かやるわけです。精製後のプレパラート数千枚分に相当する珪藻試料から,この珪藻が回収できると信じて,処理を続けるわけです。(oblique,撮影/MWS)。 2009年8月8日
全国のアメーバ愛好家の皆さん,お待たせいたしました。アメーバを執拗に追いかけて記録した映像製品,『アメーバ』を発売いたします。京都・日本海側から採取した海産アメーバを実時間で記録したモノクロムービーです。アメーバはそれほど珍しいものではありませんので,顕微鏡をお持ちの方なら覗いたことがあるかと思います。しかし,アメーバを何時間も観察するのは難しく,食作用や細胞分裂などは,滅多に見られるものではありません。このDVDには,アメーバ4個体の動きや,一部の個体では食作用(珪藻を捕食します),排出,細胞分裂などの貴重な映像が収録されています。アメーバの変幻自在な動きは興味深く,見飽きません。多くの方にお薦めしたい映像です(oblique,撮影/MWS)。 2009年8月7日
これも三陸沿岸の海水に入っていた珪藻でChaetoceros affinisという種です。世界中の海にいる種類で,プランクトン性です。海水を汲めば入ってくるのです。刺毛の形態に特徴があり,群体の末端にある刺毛を観察すれば分類は難しくありません。上の画像では細胞質がケイ酸被殻から剥離してきています。これはプレパラートの水分が蒸発して,海水の塩分が濃くなってきたときに起こる現象です。これを防ぐには,密封容器に入れて倒立顕微鏡で観察すれば良いのですが,そう何台も顕微鏡を持つことも難しいかもしれません。そんなときは,大きなカバーグラスを用いましょう。濃縮したプランクトン試料をスライドグラス中央部に滴下して,24×60mmなどの大型カバーグラスをかければ,細胞の状態をあまり変えることなく,比較的長時間検鏡できます(oblique,撮影/MWS)。 2009年8月6日
珪藻の分類は被殻上の微細構造が決め手になるわけですが,これが見えなくてもある程度分類できる種もいます。特にプランクトン性の珪藻類は,全体の姿形で属レベル,種レベルに分類できる場合もあります。上の画像は昨日掲載した種ですが,低倍率で見るとシリンダー型のリゾソレニア属に似た格好をしています。先端の突起部分を見ると,↑で示した部位に特徴的な凹みがあり,これでProboscia alataだと分かります。この珪藻の被殻上にある構造はきわめて微細なので,開口数0.95程度ではまったく見えません(oblique,撮影/MWS)。 2009年8月5日
三陸海岸から少量の試料が入荷したので検鏡してみました。プレパラート作成に使えないサンプルであっても,どこにどんな種がいるのか頭に入れるのは大切なことなのです。ネットで濃縮した試料を一目見ただけで,いろいろなことがわかります。今回の試料は海水がきれいで,滞留時間も短い,海水交換が盛んな海域の試料であることがみてとれました。上の画像はその中に入っていた珪藻の一部です。上が明視野,下が暗視野の画像となります(BF/DF,撮影/MWS)。 2009年8月4日
これはイトヨリダイのウロコで,偏光顕微鏡での撮影です。見る角度により虹色に輝く魚体は,魚屋さんでも存在感抜群です。イトヨリダイのウロコはかなり大きく,ウロコ引きでもバリバリと剥がれますので,一部をとって検鏡するのは容易です。検鏡は低倍率でも十分で,学習用顕微鏡でも面白く観察できることと思います。画像のように,場所により異なる模様が観察できます。夏休みの自由研究に,食べた魚のウロコ観察はいかがでしょうか(PL,撮影/MWS)。 2009年8月3日
CDやCD-Rに光が当たると回折と干渉が起こり,光がスペクトル成分に分かれます。このときできる光の模様を回折パターンと呼びますが,この形は元の物体(この場合はCDやCD-R)に含まれる構造により決まります。つまり,回折パターンを見れば,物体に存在する構造がわかるということです。このパターンは,数学的には,元の物体に対するフーリエ変換に相当するのだそうです。そして,この回折パターンを対物レンズで結像すると,物体と相似の像ができます。つまりレンズは逆フーリエ変換装置,ということになります(よね?)。フーリエ変換は高校で少しだけ触れ,大学でちょっと学んだ記憶があるのですが…。数学をもっと勉強しておけばよかったと悔やまれます(撮影/MWS)。 2009年8月2日
2009仮説実験授業研究会 夏の合宿研究会 岩手(鶯宿)大会では,小さなお店を設営したのですが,たいへん多くの方が関心を示して下さいました。設置してある顕微鏡を覗いた方も多く,珪藻の美しさを感じてもらいました。持ち込んだ販売物は好評で,映像・情報製品や教育用プレパラートなどがほぼ完売でした。訪問下さった方,お買い上げのお客様,どうもありがとうございました。何より,このマイナーとされる顕微鏡の世界に関心を示して下さったことが嬉しいです。売り切れ後にご注文いただきました分につきましては,早速,発送準備に取りかかっております。少々お待ち下さい(撮影/MWS)。 2009年8月1日
きのう覗いた珪藻をきょうは油浸で検鏡しました。中心部は微細構造がありそうでなかなか見えない,難物です。照明波長を短くしたり,カメラの感度を調整したり,偏斜照明の度合いを変えるなど種々の調整を行い,何とかざらついた様子を捉えることができました。この状態で9枚撮影してコンポジット。さらに画像処理で微細構造を抽出してできたのが,上の画像です。当サービスが供給しているRL-TESTの点紋よりも細かいもので,200nm以下のサイズ,電子顕微鏡の領域です。これは難しいはずです(oblique, 撮影/MWS)。 Copyright (C) 2009 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) トップに戻る |