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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2013年11月30日


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世界最高の品質を誇る珪藻プレパラートJシリーズは,12月下旬の販売を目指して全速前進で作業しております。日程などは「本日の画像」でアナウンスする予定ですので,これからも毎日ごらん頂きたく,お願い申し上げる次第でございます。今期(第8期分)はあまりムリせずに作れるものを中心に製作していますが,デザインは珪藻が教えてくれるので,どのようなものが出来上がるのか,作業しながらも(しんどいですが)楽しい時間を過ごしています。画像はプレウロシグマの破片で構成したお魚さん。暗視野検鏡で驚く輝きを目指して作ったものです(画像/MWS)。








2013年11月29日


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当HPでは研ぎ特集の記事がよく読まれているらしいのですが,いったいどんな人が研ぎの記事を読んでいるのか不思議な気もします。顕微鏡が好きでついでに研ぎも…というよりは,たぶん「研ぎ」や「砥石」で検索して飛んできた方々なのかもしれません。。いずれにしても,刃物が切れるのは良いことです。だって,包丁がよく切れれば,キュウリが転がらなくなるんですから(笑)。上の画像はキュウリを切ってそのまま。揃えることもしていません。薄く切るとキュウリは貼り付いて山ができ,転がらないのです。薄ければ塩もみしなくても直接しぼって,ザーサイとちくわにゴマ油少々。これで一品ができてしまいます(画像/MWS)。








2013年11月28日


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完璧な処理ができた珪藻乾燥試料は拾い出しも格段に楽になります。歩留まりが向上し,多くの珪藻が使えるようになります。どんなにきれいにみえても,封入してみて汚れがあったり,封入剤が入っていかないなどの問題が生じれば使い物になりません。そうやって多くの珪藻を捨ててきたわけですが,今回の試料はほとんどが使えそうな感じです。処理には多くの時間と労力を費やしましたが,珪藻が使えればそれ以上のリターンがあると思います,何しろ,気分が良いのです。画像は拾い出しの完了した様子で,これがJシリーズの原料になるのです(画像/MWS)。








2013年11月27日


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プランクトンのプロフェッショナルから届いた試料(2012年12月14日,17日付け記事)は処理に回していたのですが,北の荒れた海で採取したサンプルということもあって夾雑物が並大抵の量ではなく,まったく手足が出ない状態が続いていました。木くずや,カイアシ類,甲殻類の幼生の殻,粘土鉱物,ぼろぼろと崩れる火山灰系の堆積物,木炭,大量のホコリ(人家由来)などが入っており,これらが珪藻と同じサイズなので分けることが困難なのです。この種の試料から珪藻分離に成功したことは未だかつてありません。しかしながらこの試料には大量のトリケラチウムとコスキノディスクスが入っていることは確認していて,ぜひとも珪藻を取り出したいのです。良いアイデアが浮かぶまで水を加えては沈殿を繰り返していました。全然きれいになりません。それがある日,新しい手法を思いつき,試してみると珪藻を完全にきれいに分離できることがわかりました。ほぼ一年かかりましたが,回収率70%以上で,完璧に洗い上げたトリケラチウムを収穫できました。筆者は自己評価が厳しく,滅多なことでは合格点を与えませんが,これは100点満点の仕事です。プランクトンのプロフェッショナルから送付された試料は珪藻標本のプロが処理してプレパラートの原料として完璧な姿になりました。恵与頂いた貴重な仕事を無駄にすることなく作業を完了して,ほっと胸をなで下ろしています(画像/MWS)。








2013年11月26日


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筆者はリコーのGX8をいまだに使っています。2005年頃のモデルだったかと思います。なぜこの機種なのかというと,単三アルカリ電池に対応していたことと,フィルタやクローズアップレンズが使用可能なこと,そして微速度撮影ができることが主な理由です。当初はクールピクス99xシリーズの代用として考えていたのですが顕微鏡との相性が悪く,もっぱらスナップ用になっています。はじめは使いこなせていなかったのですが,このカメラのISO64の絵がそれほど悪くないことに気付いてからは良い絵になるようになってきました。画像は先日の秋晴れで撮影した樹木。1980年代半ばから秋晴れの紅葉は追いかけていたテーマですが,当時はよほど条件がよくても葉っぱの一枚一枚を解像する絵を撮るのは困難でした。それがいまは(といっても7年も前のカメラですけど)自転車を止めてぱちりと一枚とっただけで,むかしはなかなか撮れなかった絵になります。ラチチュードはフィルムの方が好みの気もしますが,誰もが簡単にこれだけ写せる時代になったというのは大したものだと思います。画像二枚目は,等倍の切り出しです(画像/MWS)。








2013年11月25日


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先日掲載した塗装が剥げたニコンS型ですが,このように復活しました。カッティングシートを貼り付けただけですが,違和感の少ない仕上がりです。底部のゴム足は劣化していたので除去して,ワインのコルク栓を打ち抜いたものをはめ込みました。光学系に直接関係ない部分でも,補修しておくと気分のよいものです(画像/MWS)。








2013年11月24日


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23日の都内は天気も良く,少ない緑も紅葉を拝める感じになってきていました。買い物のついでに文京区から台東区にかけて紅葉をみて歩きましたが,大きなイチョウが見頃でした。ここ最近の気象条件によるのか,それとも不況を反映しているのか,都内の空の青さが,数年前よりも深みを増しているように思えます。まだまだ東北の錦秋に比べたら恥ずかしいものですが,空がきれいになるのは良いことですよね。そんなことを思いながらお魚を買いに走る午後となったのでした(画像/MWS)。








2013年11月23日


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接眼レンズにマイクロメータを組み込みましたので備忘録です。多くのメーカで採用している接眼ミクロの取り付け方式は,接眼レンズのスリーブ側から,内部に切ってあるネジに沿ってリングネジで押さえつけるというもので,多くの方にとってお馴染みのものかと思います。しかし,ユーザーが組み込み不能な方法で取り付けているメーカーもあります。これが大変厄介なのです。ツァイスの一部の接眼レンズでは,スリーブのレンズ側から,特殊なリングで押さえつけています。オリンパスのWHK10/20Lでは,金属枠にはめ込んだマイクロメータをスリーブのレンズ側から接着しています。今回はWHK10/20Lのフォトマスクがついたものを,フォトマスクを外してマイクロメータに交換するという作業です。

まずレンズとスリーブを外します。ねじればはずれます。次にスリーブについている小ネジを外します。普通のドライバーだと合わないので,研いで先を細くしたドライバーを使います。筒の中を覗くとフォトマスクが見えるので,そこにトルエンを一滴垂らし,少し放置します。接着剤がやわらかくなった頃に,筒の外側(つまり対物レンズ方向)から直接フォトマスクを押して,金属枠ごと外します。このあと筒を清掃しておきます。

金属枠からフォトマスクを外し,マイクロメータを取り付けます。そのままだとマイクロメータが動いてはずれてしまうので,金属枠の4点に接着剤をつけて固定します。これを筒に戻します。傾いて入らないように,よく押し込んだら,幅を調節したレンズスパナでしっかりと押さえ込みます。本来ならここで金属枠を筒に接着するのですが,今回は将来的な取り外しを考えてバネで固定することにします。0.5mmのピアノ線を巻いてバネを作り,これを筒に押し込んで金属枠が動かないようにします。最後はマイクロメータを清拭して,ヘリコイドにグリスを詰め,レンズを取り付け,全体を清掃して終了です。

このように書くと簡単な作業に見えますが,難易度はかなり高く,時間を費やします。この作業は普通の人にはまず不可能です。ニコンはネジ一つで簡単に交換できるのに,オリンパスは何でこんな設計の接眼レンズを作ったのでしょうか。作業していてじつに腹立たしいのです(画像/MWS)。








2013年11月22日


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これは並べることはできたのですが,こんどは珪藻が濁っています。どうも気泡が生じているか,封入剤が浸透していないようです。うーむ(画像/MWS)。








2013年11月21日


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封入剤の特性をつかみかねて失敗するとこのようになります…。珪藻を動かしてしまい,狙った形とは違うものになっています。しかし面白いのは,これはこれでデザインになっているような気がすることです。珪藻は一つ一つが完璧な形をしていますので,それらをどう並べようが,それなりに見えてしまう,ということなのかもしれません。言い訳ではありません。ハイ(画像/MWS)。








2013年11月20日


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今年中にはJシリーズ(第8期分)を販売したいのですが,いろいろ問題があって遅れています。ひとつは筆者の手の調子がいまいちなことで,日常生活には何ら問題はありませんが,「どこまでムリをできるか」が不明なので,おそるおそる様子をみているといった感じです。もう一つは,封入剤が劣化してしまい,新たに調製しないといけなくなったこと。特別な封入剤を入手して,さらにそれを精製して使うのですが,買うたびに性質が異なるので,それに合わせて製作方法も変化します。今回は不純物も違うし,ネバネバ度合いも違います。さらには容器に何かがコンタミしていて,滴下すると表面に細かい何かが浮きます。精製を繰り返してもダメです。。ほとんど途方にくれる状態ですが,まぁ,何とかなるでせう。画像はテスト封入を繰り返したあとの廃材。もったいないので,封入剤のテストはカバーグラスで行うことが多いです。それでも,次から次へとポイ捨てするのはもったいないですね(画像/MWS)。








2013年11月19日


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ピンセットを研ぎ直したので備忘録です。愛用しているFONTAX Taxal No.3ですが,酷使している間にだいぶゆがみが出て,先が合わなくなっていました。主につまむのはカバーグラスとペーパー類ですが,ガラスは硬いのでピンセットの刃先が摩耗して歪んだのかもしれません。前回研いだのは2年くらいは前の気もするので,ちょっと放置しすぎました。ピンセットの研ぎ方は習ったことがないので自己流です。学生の頃から適当にやっていましたが,ピンセットとしての機能が復活すればよいので,自己流でもよい気がします。。

まず実体顕微鏡で刃先をよく観察し,ゆがみを直します。刃先が外側に開いてしまっている場合は,プラスチック板に押しつけて刃先が合うように少しずつ曲げていきます。軸がずれている場合は,根元に力を加えて軸が合うようにします。いずれも微調整で繊細な作業です。確認はかならず実体顕微鏡で行っています。刃先が合ったら,アルカンサス砥石で刃先を研ぎます(刃先にオイルをつけたくないので水研ぎにしています)。鉛筆の芯をとがらすような感じで,斜めのテーパーを崩さないように研ぎ減らします。先端は立て気味にして研ぎますが,力を抜かないとあっというまに削れてしまい,太くなってしまうので注意が必要です。

実体顕微鏡で確認しながらだいたい形が整ってきたら,耐水ペーパー#5000で研ぎます。新しいペーパーを使い,手のひらの上に載せて凹面を作り,そこで転がすように研ぎます。先端にRをつけるのも耐水ペーパーで行います。刃先をハマグリ刃のように曲面的に減らしたい場合は,烏口を研ぐように「8の字研ぎ」を行います。きれいなRにするのは至難の業なので,ほどほどのところでやめておきます。

形ができあがったら,裏研ぎ(合わせ面)を研ぎます。裏は平面なので,ここを下手に研ぐと刃先が合わなくなってしまいます。ですので,裏は研いではいけない,という人もいます。でも,ゆがみを直したときは話は別です。金属を曲げてゆがみを直したのですから,裏の平面が崩れているに決まっています。そこで,耐水ペーパー#5000をピンセットで挟んで,すーっと縦に引き,裏面を研ぎます。片側ずづこれを行って,1セットごとに顕微鏡で確認し,裏にきれいな平面が出て刃先がきちっと合わさるのを確認した時点でやめます。

最後はセーム革にピカール,またはほかの研磨剤をつけて乾燥させたもので磨きます。これはどこかにバリが出ていた場合,それを減らすおまじないのようなものなので,エッジを磨きます。どこかにバリがあると紙を挟んだときに繊維が刃先に引っかかり気分がよくないのです。

一連の作業を終えれば,あとは実体顕微鏡下でホコリをつまんでみて,問題なければOKということにしています。FONTAX Taxalシリーズは生産中止になってしまったので,こうしてメンテナンスして,末永く活躍してもらわなければなりません。画像はピンセットの研ぎ用品と,研ぎあげた刃先です(画像/MWS)。



*1 耐水ペーパーはむかしは#2000,現在は#5000を使っています。目の細かいものでゆっくり砥がないときれいに仕上げにくいです。荒い耐水ペーパーを使うと一発で刃先を壊すことがあるので要注意です。

*2 砥石はうんと硬い物が使いよく,ステンレス系のピンセットには,やはりアルカンサス砥石ということになります。大きいものは高価ですが,小さいものなら釣具屋さんに針研ぎ用のものが安く売っているので,それを使うのも一法かもしれません。筆者はポケットアルカンを買うまでは釣り針用のものを使っていました。むかしの話ですが千円しなかったと思います。






2013年11月18日


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筆者は砂糖たっぷりの甘いお菓子を一切食べないことにしていますが,別に嫌いなわけではありません。ようかんとお茶なんて,おいしいし,アップルパイとか,クッキーとか,以前は時々つまんでいました。学生時代はアメがポケットに入っていたものです。甘い飲み物ものんでいました。それがあるとき,体調の低下と砂糖の関係に気がついて,やめてみると効果大だったので,以後は食べなくなったというのが真相です。いちばん分かりやすい効果は,カゼをひかなくなったことです。いちばんカゼをひいていたのがたぶん高校生から大学時代でしょう。年に一度程度はカゼをひいていたように思います。それが甘いものをやめてから,カゼとは無縁になったように思います。一年に三回はカゼをひいていた家人も,二年に一度かかるかどうか,というまでに大きな効果がみられているので,甘いものの常食はけっこう体に負担で,免疫系の調子が低下するということがうかがえます。

そういうわけで甘いお菓子は食べない生活を続けているわけなのです。でも,きょうの画像に写っている工場は仙台銘菓・萩の月を作っているところです。あれ,おいしいんですよねー。二十数年前は,よくパクついていました(画像/MWS)。








2013年11月17日


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そういえばE5系では窓ガラスの蛍光をまだ見ていません。実際のところはどうなんでしょうか(画像/MWS)。








2013年11月16日


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N700系に乗ったとき,ぱっと気になるのは窓ガラスの蛍光です。この画像ではよくわかりませんが,パッキンのゴムのところを見ると青っぽい蛍光を発しています。東京駅で乗車するといつもコレをみて,UVカットガラスなんだろうなと,しばし眺めてしまいます。個人的には,UVも透過してくれたほうが,車窓の風景を楽しみながらビタミンDも生成して良いような気もしていますが…(画像/MWS)。








2013年11月15日


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筆者は右利きなので,刃物は台所の右側に収納してあると便利ですし事故も少ないのです。それで,キッチンの右側にある冷蔵庫の側面が包丁掛けになっています。大量に持っているフェライト磁石,ネオジム磁石,サマリウムコバルト磁石等を貼り付けて,磁石式の包丁置き場としています。たいぶ長いこと使っていますが,想像以上に便利で,お薦めの方法です。差し込み式の包丁ホルダは取り落とした時が恐ろしいのですが,磁石式で作業時と同じ高さに保管すれば取り落とし事故は格段に減るように思います。空間スペースの有効利用になり,場所を取らないのも大きな利点です。また冷蔵庫の側面は室温よりも温度が高いので刃の乾燥を促進するという点でも優れています。夏の初めに高級フランス料理店にお伺いしたところ,丸尾山砥石を超絶に使いこなすご主人の包丁は,やはり磁石でぶら下がっていました。それを見てひそかにうれしく思ったのでした(画像/MWS)。








2013年11月14日


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天然サファイヤのひじょうに薄い層状の段差を2光束干渉法で撮影したのがきょうの画像です。2光束干渉法は,非接触でニュートンリングが見えるという感じの干渉法で,干渉縞の段差を見れば測定ができるという代物です。もちろん測定時は半値幅の狭い単色光を用います。きょうの画像は白色光による干渉で定性的なものですが,それでも,結晶表面の段差が,波長の1/10以下であろうことをうかがわせるようなものとなっています(画像/MWS)。








2013年11月13日


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これは天然サファイヤの表面です。結晶成長のラインが60段はあろうかという見事な層状になっています。この画像は金属顕微鏡の微分干渉モード(NA=0.65)で撮影したものですが,ワンショットで,深度合成はしていません。それにもかかわらず,この層状構造がピント深度に収まっています。被写界深度を仮に1.8μmとすると,一段の厚みは30nmになります。一層一層は,とても薄いのです(画像/MWS)。








2013年11月12日


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ゴミのような石ころを研磨したところ,美しい模様が出現しました。研磨は,裏面はコンクリートブロック,表はGC#120で研ぎおろしました。途中から大村砥に切り替えて面だしして,最後は仕上砥(丸尾山黄色巣板)で擦ってあります。砥汁は火山灰系の砥石の感触で,ぬめりが強く,クリームのようになります。全体的にもろく,ポロポロ欠けてくるので整形には気を遣います。ベースとなる部分は非常に目が細かく超仕上げのレベルかと思いますが,針気がたくさんあって,細かい引っかき傷が刃物にたくさんつきます。食い付きが異常に強く,研磨力は低く,研ぎが難しいです。鉋を研いだときの仕上がりは鏡面系です。包丁には良い刃がついて,細かい中にも荒刃があるような感触で,野菜を切るのに良さそうです。手荒に扱ってもよくて,一本で済む中仕上げ程度の天然砥石が欲しいと思っていたので,これはちょうどよい物が入手できたと喜んでいるのですが,さて,これは何という砥石なのでしょうか(画像/MWS)。



* 人造砥石は研磨力が高すぎて包丁がすぐに減ってしまうし,カエリもたくさんでるので,もっと研磨力の低い砥石がないかと思っていました。包丁の刃先が少しだけ鈍ったとき,それを復活させるための研磨量は,目に見えるかどうかという微量です。研いで真っ黒な砥汁がでるようでは,削りすぎなのです。それで天然砥石の研磨力が低いもので,刃先を復活させられるものを探していたのでした。このような用途には青砥を使って泥でシャリシャリと軽く研ぐのがよく知られている方法と思いますが,市販の青砥は柔らかいものが多くてすぐに凹んでしまうので,もっと硬い中仕上げの砥石でよいものがないかと探しているのでした。天草とか備水に青砥を擦り付けたものでも効果があって,いままではよくそのようにして研いでいました。




2013年11月11日


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骨董市の旗につられてふらふらと散歩しました。ホントに久しぶりの骨董市です。加工原料となるようなナイフを探していたのですがまともなものはなく,切り出しもロクなものがないし,鉋は素人研ぎでダメになっているし,まともな買い物がありません。場内を4周ほどして帰ろうかと思ったら,砥石が目に留まりました。ほとんど原形を留めず,ゴミのように無造作に置かれていましたが,見たところ天然砥石で,それなりに古いものに見えたのでお持ち帰りとなりました。

今回連れて帰るに至った判断のポイントは,1)天然砥石であること,2)中砥らしいと判別できたこと,3)一個は手引き,もう一つは電動ノコで引いた跡が確認できたこと,4)両方ともに使用した雰囲気があり,それでいて平面が崩れていないように見えること,5)手持ちの砥石ではないこと,6)失敗しても許せる価格,といったところでしょうか。一番大事なのは4)です。使っていて平面が崩れていないのは,それなりの腕前の人が使っていたということで,「使える砥石」と判断できる重要なポイントです。

大きな方の砥石は,研ぎ面がボロボロになって荒れていますが,伊予砥/小鳥砥/沼田虎砥/三河名倉/ほかの雰囲気があって,これらのどれであっても有り難いなぁと思っています。小さい方はぱっと見た感じでは天草砥かな,と思いますが,もう少し詰まっている感じもします。仕上砥はたくさん持っていますが,中砥はあまり手持ちがないので,こういったチャンスを活かせるとよいかと思っています(画像/MWS)。








2013年11月10日


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驚異的なものが届きました。『干潟ベントスしたじき』です。『ベントス』というのは底生生物のことで,水生生物のうち,水底や石や水草,海藻などにくっついて生活している生き物の総称です。干潟の泥や砂の上などに生きている生物の画像をまとめて掲載したのが『干潟ベントスしたじき』です。出来映えは素晴らしく,この世で最も美しい海洋生物の下敷きの一つでしょう。生物に対する深い愛着と,写真撮影に関する長い経験がなければ決して撮ることのできない画像です。この『したじき』は,プラスチックでできていて耐水性がありますので,そのまま干潟に持っていき,生物種の査定に使えます。特にすばらしいのは貝類で,素人には何が何だかわからないことも多いのですが,巻貝と二枚貝が分かりやすく整理され,干潟や砂浜に打ち上げられている貝殻と絵合わせをするだけで名前がわかります。子どもと一緒に海に出かけるとき,この下敷きがあるだけで多くの生物の名前がわかり,どんなに楽しい時間になることでしょう。名前がわかれば,そこからいろいろなことを調べることもできますから,教育効果も抜群です。

この下敷き,仮説社から販売されています(こちら)。本ページの読者も,この『干潟ベントスしたじき』を片手に,来春の大潮に辺りに海に出向いてみてはいかがでしょう。それまでは,この下敷きを毎晩眺めていれば,絵が頭に入ってしまいますからよい予習になります(画像/MWS)。



* 『ベントス』は底生生物。『プランクトン』は浮遊生物。『ネクトン』は遊泳生物。アメンボのように水と大気の境界に住む生き物は『ニューストン』といいます。




2013年11月9日


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藤原ナチュラルヒストリー振興財団フォトコンテストの応募受付が始まっています(こちら)。誰でも応募でき,「自然の美しさやすばらしさ」を表現したものを選考対象としています。これまでの入選結果からみても,本ページの読者が入選しているケースがありますので,今回も数名の方がきっと上位に食い込むであろうと思っています。本ページの読者のことですから,きのこの画像,珪藻の画像,花の画像,昆虫の画像など,いろいろお持ちのことと思います。2MB以下の画像をメールで添付して送付するだけですから,応募も簡単です。皆さまとっておきの一枚を,このコンテストに応募してはいかがでしょうか(画像/MWS)。



* 画像は本文と関係ありません。京都精華大学の裏山にはえていたきのこです。




2013年11月8日


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海水試料を検鏡し終えたら,蒸留水で湿らせたキムワイプ等で各部を拭き掃除しておきましょう,ということを本ページでも何度も書いてきました。海水飛沫は目に見えなくても結構飛んでいるものですし,海水試料を触れた手に海水がついていることもあります。ステージ上で試料がこぼれることもあります。そのまま放置するとどうなるかを示したのがきょうの画像です。機種はニコンS型。本体下部に海水が染み込み,そこからアルミの鏡基が盛大に腐食しています。塗装も剥げてしまい,大修理が必要な状態になっています。個人所有の顕微鏡は丁寧に扱われるのでこのようなことは,まず起きないでしょう。問題は研究所や大学です。一つの顕微鏡を多くの人数で使うので,誰も機材に責任をもたなくなり,適当に使っては放置するということを繰り返され,だんだんと傷みが激しくなります。まずは大学の先生方が顕微鏡の扱い方を学ばないと,事態はなかなか改善しないかもしれません。少しの手入れでいつまでも使えるのですから,機材を大切にする習慣をつけたいものです(画像/MWS)。








2013年11月7日


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読者でJシリーズほかのユーザーでもある方から,そのむかし,旧広島市内で金色に光る敷石を拾い集めたとの情報をいただきました。それも黄鉄鉱かと想像されます。ウン十年もむかしの話ですが,あの頃は敷石に黄鉄鉱をばらまくのが流行したのでしょうか。黄鉄鉱(パイライト)がミネラルショーで一個数百円もする現代からは信じられないような話ですが,あの時代はタダみたいなもので,鉱山あとなどでも拾えました。小学校の4年生の頃に,女の子が乙女鉱山のものだという大きな黄鉄鉱を持っていて羨ましかったですね。

それからしばらく後,中学生だったか高校生だったかの頃に,近所の川で産出する粘板岩をルーペで観察していたら,黄鉄鉱の小さな結晶と思われるものが,粘板岩のすきまに成長した石英の近くに見つかることが判明し,うれしかったのを覚えています。それ以後はしばらく黄鉄鉱とは縁がありませんでしたが,最近は珪藻の処理中に,珪藻被殻の中に成長した微結晶をみかけることがあります。あとは砂金掘りに行って,たいてい,黄鉄鉱の微結晶を後生大事に持ち帰る羽目になるといった具合です…。

画像は現在手持ちで金属的な光沢を放つ石ころ。閃亜鉛鉱(神岡鉱山)です。安かったのでつい買ってしまったものです。小学校に上がる前から石ころを拾っていた筆者は,そこいらへんの石よりも比重が大きいものなどに敏感で,重たいメタル成分を含んでいそうな石に魅力を感じたりするのです(画像/MWS)。








2013年11月6日


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これは伊勢湾に面した地方都市で見かけた駐車場。うしさんで有名なところです。この駐車場の何を写したのかというと,石ころです。これはどこかの岩を砕いて作った砕石なのですけど,どこの何という石なのかなと気になるのです。なぜこんなものが気になるのかというと,はるか昔に,気仙沼で,駐車場の砕石が一面の黄鉄鉱だったところに出くわしたことがあるのです。当時まだ幼稚園か小学生かといった年齢でした。その頃から発光するもの,光を金属光沢的に反射するものに興味があって,狂喜乱舞したことは言うまでもありません。いくつかポケットに入れて持ち帰り,宝物としておもちゃ箱に入れておいたのですが,いまではどこかに行ってしまいました。たぶんそのころの記憶がどこかに仕舞い込まれているのでしょう。同じようなサイズの石ころが敷きつめられていると,反射的に石ころを確かめるように見てしまいます(画像/MWS)。








2013年11月5日


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もひとつニコンのコンテスト選考委員が好みそうな画像。一昨日掲載した画像と同じ手法でキマトプレウラを撮影したものです。この珪藻は表面に微細構造がある上に,全体がうねっているので分光された光の色を鑑賞できます。こういった珪藻の彩りを楽しむには珪藻は空気中にそのまま置くのがよく,封入すると明るさがほとんどなくなってしまいます。珪藻在庫を作る上での密かな楽しみです(画像/MWS)。











\(^O^)/祝 日本一! 東北楽天ゴールデンイーグルス\(^O^)/


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2013年11月4日


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きょうもニコンのコンテスト選考委員が好みそうな画像。2光束干渉法で撮影した,天然サファイヤ(奈良県産)の結晶表面です。結晶成長の最前線の段差が,2光束干渉法の(準)高分散法により鮮やかに可視化されています。三角形(トライゴン)を基本とし,複雑に入り組んだ結晶成長の様子がうかがえます。高温高圧の熱水下で,このような結晶が成長したのでしょうが,分子が配列していくプロセスを想像させるかのようなシャープな直線が印象的です(画像/MWS)。



*1 2光束干渉法は通常,単色光で照明して,干渉縞のズレから物体の高低差などを測定する用途に使われますが,干渉縞の間隔を広げてしまえば(つまり干渉対物レンズの半透鏡と完全に平行な面を観察すれば),広がった干渉縞の中に存在する微小な凹凸を定性的に,しかし鋭敏に観察する用途に使えます。これを高分散法と言うようです。きょうの画像は天然サファイヤの結晶成長面で高分散法を適用できる面を探して撮影したものです。




2013年11月3日


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当サービスのユーザー様であればNikon small worldに入選するレベルの画像取得は難しくないでしょう,と書いた手前,それっぽい画像を掲載しておきます。個人的な感覚では,Nikon small world のコンテストでは,審査委員の好みが下品な気がしていて,暗いバックにコントラストの高いカラフルな絵,それに精細さが加わっているものが入選しやすい傾向にあるように見えます。顕微鏡のMTFからみれば,解像限界付近のコントラストはごく弱いわけですから,その微細構造を霞のようにとらえた画像こそがハイレベルの極みにあるのわけです。そういったものの評価が少ないように思います。あるいは応募者のレベル/指向が異なる方向なのかもしれません(*1)。

そういうわけで,ニコンのコンテストで受けが良さそうな画像ということで紹介したのがきょうの画像です。落射暗視野で黒の背景に,珪藻が鮮明に浮かび上がり,珪藻の微細構造により分光された光が虹のようにまとわりついています。きれいにしたガラス板の上に乾燥した珪藻被殻を並べ,それを黒い台の上にのせて落射暗視野で撮影しています。筆者は自前のHPという発表の場を持っているわけですし,人生裏街道を進むわけですので,『本日の画像』に掲載して全国の読者にごらんいただければ十分です(画像/MWS)。



*1 解像限界を撮影するなら自ずとモノクロ画像になります。理由は,おわかりですね。しかしコンテストでは基本的にカラー画像ばかりが入選しているので,顕微鏡の最高性能を生かし切った画像になっているものはほとんどありません。対物レンズの解像限界を狙わなければ,カラーが使えて無効拡大にもならないようにできるので,見栄えはします。けれども見栄えばかりが顕微鏡写真ではありません。偏執的に分解能を追求した,レンズの限界性能を出し切った画像が評価されなくて,なーにがsmall worldだ,と思うのです。

*2 この画像は数年前に撮影したもので,珪藻在庫を作っている途中で珪藻の状態を確認した際に記録しておいたものです。機材は10年以上むかしのデジタルカメラに自作アダプターという代物です。真面目に撮影するつもりなら,もっとまともな絵にできます。この画像,きれいだとは思いますが,作り物というか,なんとなく品のない感じがします。筆者の好みは枯山水的な絵です。





2013年11月2日


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今年のNikon small worldの一席は珪藻でした。このコンテストではたびたび珪藻が一席を獲得しています。それだけ美しいし,重要な生物ということがいえましょう。今年は講評に地球生態系における珪藻の重要性がきちんと述べられていて好感が持てますね。このトップワンに輝いた珪藻は,Chaetoceros debilisといまして,世界中の海に普通に見られます。日本沿岸でもふつうで,冬から春先頃にはたくさん見られることもあります。筆者も撮影したことがありますし,細胞をつりあげてクローンを作って培養したこともあります。細胞は相模湾から汲んだ数リットルの水の中にたくさん入っていました。

そういった,どこにでもいる珪藻を微分干渉でピントを変えて撮影し,全焦点画像にしたものがコンテストのトップになったということは,当サービスのユーザー様であれば,誰でも入選できる可能性があるということでもあります。じじつ,この程度の画像は苦もなく取得できる方々がおられることを筆者はしっています。応募してみるのも一興かもしれません。まぁ,きれいな画像が得られることがわかっていて,それで十分満足するという方法もあって,筆者はそちらに属していますが…(画像/スクリーンショット)。



*1 この1席に輝いた画像は,恐らく倒立型の微分干渉で,ツアイスの25倍対物レンズ(NA=0.8前後)を使っているような気がします。Chaetoceros debilisの手前側で球面収差が補正されていて,向こう側では球面収差が生じています。その効果を利用して全焦点画像なのに向こう側がソフトにぼけているように感じられ,珪藻らせん群体の前後がはっきりと見やすいです。




2013年11月1日


ps

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京都でみかけた光景を二枚。ずいぶんと立ち入りにくそうな「立入禁止」の看板。設置者をここまで駆り立てた何かがあったのでしょうか。そしてターャジス。栗で重くなったリュックをゆさゆさと歩いていたら錦市場の出口で突然出現。右面をバッチリです(画像/MWS)。









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