本日の画像
ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【今月】 2013年7月31日
これは顕微鏡用の接眼レンズに生じていたカビです。新品未開封で,メーカーから届いて10日も経ていない鮮度の高いレンズですが,検鏡してみて何となくおかしいと思い,接眼レンズを回転させてみればゴミも一緒に動きます。目レンズでもないし,対物側でもない。分解してみれば内部の奥まったところにカビが生えていたのでした。品質管理上の手落ちであることは疑いようがなく,日本を代表する光学メーカーがどうしたんだ,という気分です。価格から考えると国外生産のように思いますが実際のところはどうなのでしょう。レンズの拭きも下手くそで,渦状に油膜が残っています。メンテナンスできない人にこのような製品が渡ったらどうすることもできないでしょう。 2013年7月30日
上の画像はアジアの某国産接眼レンズ(望遠鏡用)の不良品です。輪帯状の段差がいくつも観察できます。白紙に製図ペンでくっきりとした黒線を引き,それをこの接眼レンズで拡大して正立/倒立となる境目付近に調節します。その位置で接眼レンズのエレメントを覗くと,このような不良の有無をチェックできます。下の画像は国産の接眼レンズ(望遠鏡用)です。まったく研磨痕が見られません。 2013年7月29日
注文していた実体顕微鏡用の対物レンズ/接眼レンズ/ビームスプリッタがニコンから入荷したとの連絡がありましたので,浜野顕微鏡に行ってきました。ご存じの方も多いと思いますが,東大赤門前にお店を構える顕微鏡専門店です。大学/企業/研究所等を納品先として新品販売を行うのがメインの業務ですが,整備済みの中古品も販売されていることがあり,その関係でお世話になったアマチュアもおられることかと思います。代表の浜野一郎様とは数回お話ししたことがありますが,今回は納品ついでに顕微鏡についての深いお話し(の一端)をお伺いすることができました。業務でお忙しい中,パーツ品注文の筆者に貴重な時間を頂いたことに恐縮し,感謝申し上げる次第です。画像はそのときに見せてもらった携帯型顕微鏡です。本ページをお読みの読者であれば,どこの何かはご存じでしょう。これが三種類,ひとつの机に載っている。そこが浜野顕微鏡の底力という他ありません(画像/MWS)。 2013年7月28日
きょうの画像の珪藻およそ100被殻を珪藻在庫から廃棄しました。トリケラチウム属の一種で,ツリーの飾り付けに重要なパーツです。採取は5年以上前で,分離して在庫保管してからも3年以上経過しているように記憶しています。この珪藻は比較的,封入剤が入りにくいので,少しでも汚れていると気泡が抜けないことになります。そのような珪藻被殻を保存しておいても良いことは皆無なので思い切って捨てました。基盤上で乾燥保管しているときはきれいに見えているのに残念この上ありません。トリケラチウム属は厚いシリカの被殻にごつごつした模様で丈夫なのですが,封入剤の浸透しにくさから見ると殻の表面に開口している孔のサイズは極めて小さいように思います。顕微鏡で見えているのは構造の一部であって,分解能以下の孔が開いていても,その実サイズはわかりません(画像/MWS)。 2013年7月27日
全速力で作業を進めた結果,仮説実験授業研究会 夏の全国合宿研究会 千葉・勝浦大会では,ミクロワールドサービスが誇る世界一の珪藻標本を十数枚程度,展示できることとなりました。顕微鏡を覗くとそこには宝石のような珪藻が浮かび上がります。拝観料は無料でございますので(笑),皆さま,どうぞ列を作ってご覧いただければと思います。気に入りましたら会場中の人々,ホテルの従業員の方々,宿泊に来ているご家族,お子様にお知らせいただき,皆で楽しんでいただければ幸いです。なお今年は,暗視野照明で展示を行います。持ち込んだ標本はすべて鮮明な暗視野照明でご覧いただけます。ぜひ,『ミクロワールドサービス』の販売コーナーにお立ち寄り下さい(画像/MWS)。 2013年7月26日
忙しくて更新の時間がとれません…。そういうときには画像だけでも面白いものを。少し前に携帯型の顕微鏡が集結したので記念撮影したのです。どれも道具として使い込まれている感じで,いまにも動き出しそうな風格があります。特に携帯顕微鏡H型は出航を待つ軍艦のような面構えです(画像/MWS)。 2013年7月25日
これはご先祖様から受け継いだもの。ご先祖様はこれをペーパーナイフとして使っていたので,筆者も刀剣を模したペーパーナイフだろうと思っていました。刃先は小さく欠けており,表も裏も,郵便物の開封で付着したであろう粘着物が見られます。研ぐものでもなさそうだし…と,ホコリよけのオモリとして使っていました。ところが少し前に研ぎ師さんに話を伺う機会があり,そのときに完璧に仕上がった小柄小刀の実物を見せていただきました。見た瞬間にシマッタと思いました。あのペーパーナイフは小柄小刀だったようなのです。色眼鏡というのは本当に恐ろしいものだと思いました。単なる無知よりも恐ろしい。小柄小刀をペーパーナイフにしてしまうんですから。これを書きながら大反省しているのです(画像/MWS)。 2013年7月24日
カバーガラスは顕微鏡光学的にいえば平面レンズの一種で,その裏側に物体が接していることが前提条件になっています。ですから,どんな高級な対物レンズを用いていても,カバーグラスが指定の厚さからずれていたり,物体がカバーグラスに接していない場合は,全体の光学特性は劣化した対物レンズと同等かそれ以下になってしまいます(*1)。開口数が0.7以下程度の対物レンズであれば実害は少ないこともありますが,開口数が0.95の乾燥系や,1.4の油浸系では指定されたガラス厚を守ることが大事です。それで各社から精度のよいカバーグラスが販売されています。きょうの画像はツァイス社のもので,厚みは±0.005mm以内に収まっています。この表記からすると,厚いものと薄いものでは0.01mmの差があることになります。この程度の差でも,例えば開口数0.95の乾燥系対物レンズでは像が悪化するので補正環を調節する必要が出てきます。そのくらい微妙なのです(画像/MWS)。 2013年7月23日
これは10年以上前に高分解能イメージングの検討をしていたときのサムネイルです。Diatoma vulgarisという珪藻の微細構造を解像しようと,何百何千と撮影したのです。検鏡技術は経験を積めばつむほどにレベルアップしますが,ある限界から先は単に経験を積むだけではだめで,光学理論を踏まえて顕微鏡を操作することが必要になります。そして理論を一つ一つ確認して,光を自在にコントロールできるようになると更なる高みに到達できます。この段階で見る目も養われます。いずれにしても,同じ標本を何千回と観察して写真に撮ることは,上達するために避けられない道ではないかと思います。こう書くとちょっと大変そうですが,現代はデジタル時代ですから,一枚の珪藻プレパラートを顕微鏡にセットして,2,3ヶ月も訓練すれば相当なレベルに到達することもできます。高度な技術がその程度の時間で身についてくるのなら,むしろ簡単な部類に入るかもしれません。たとえば,研ぎを究めようと思ったら,2,3ヶ月の訓練ではどうにもならないでしょう。その意味では顕微鏡は理論に基づいて操作すればいつも同じ結果が出せる,扱いやすい機器といえるかもしれません(画像/MWS)。 2013年7月22日
仮説実験授業研究会 夏の全国合宿研究会 千葉・勝浦大会では,『分子デザインビーズ』の販売も予定しています。ミクロワールドサービス関係者による手作りの作品です。この委託先の職人がひじょうに優秀で,デザインから配色,ビーズの選定からパーツの購入,製作まで全てを請け負って頂きました。携帯電話やカバンにぶら下げて一味違うアクセサリーになりますし,腕輪もあります。よくある安価なプラスチックビーズではなく,全て高級ガラスビーズを使用した本格的な製品で,手触り(質感)も素晴らしいです。製作には大変な手間がかかります。一挙大公開で,早い者勝ちです。仮説夏の大会にお越しの方は,ぜひ,『ミクロワールドサービス』の販売コーナーにお立ち寄り下さい(画像/MWS)。 2013年7月21日
仮説実験授業研究会 夏の全国合宿研究会 千葉・勝浦大会では,ミクロワールドサービスが誇る世界一の珪藻標本も数枚程度は展示できる予定です。どこまでもクリヤーな視界に精巧を極めた構造が浮かび上がる珪藻をご覧いただければと思います。一般の方々が集う場としては唯一の展示即売会でもあります。究極の鮮明さを誇るこの標本は,一度でも展示してしまうと,持ち帰ったあとに大変な時間と手間をかけてメンテナンスしないと元に戻らないので,本当はやりたくないのです。しかし子どもたちに本物の教育をと考えている先生方にこそ,本物の持つ迫力をご覧頂きたいと考えています。この標本のもつ教育力は多くの研究教育機関で実証済みです(こちら)。仮説夏の大会にお越しの方は,ぜひ,『ミクロワールドサービス』の販売コーナーにお立ち寄り下さい(画像/MWS)。 2013年7月20日
ツァイス社などのドイツの顕微鏡対物レンズの倍率は10倍,16倍,25倍,40倍,63倍,100倍などとなっているものがあって,その中途半端に見える数字に疑問を持っていました。が,メーカーさんの知人によると,これには理由があってのことなのだそうです。何でもドイツ規格と中間変倍装置に関係している,とのこと。そう言われて数字を眺めてみれば,倍率が一段上がるごとに数字が約1.6倍になっていることに気付かされるのでした。学生時代から数学的センスのなさに悲嘆に暮れていましたが,中年オヤジになってからは劣化がさらに進んだようです。。 2013年7月19日
仮説実験授業研究会 夏の全国合宿研究会 千葉・勝浦大会において,小さなお店を出しますのでご参加の方は覗いてみてください(筆者は参加しません)。今年は,教育用などに有用な放射線源(トリウムガラスを使用したレンズ)を3本販売予定です。ガラスに放射性物質が閉じこめられていますので飛散の危険が少なく安全に取扱いただけます。放射線の強度もγ線のみの値で,最大3μSv/h程度となっており,強すぎず,弱すぎず,実験授業等での実演でも扱いやすい線量です。半減期も長いので放射性セシウムのように経年変化を心配する必要もありません。50cmも離れれば環境線量とほとんど区別がつかなくなりますので,保管場所さえきちんとすれば外部被曝の心配もありません。霧箱実験や放射線に関する教育等には便利かと思います(画像/MWS)。 2013年7月18日
Tokina AT-X M90mm F2.5は単独でも大変優れたマクロレンズですが,等倍撮影用のエクステンダーも用意されています。安価なエクステンダーは単なる筒のことが多く,顕微鏡写真でいえば投影距離を伸ばして倍率を稼ぐということをやっていますが,これでは球面収差が増大してしまいます。AT-Xマクロエクステンダーはレンズが入っていて,等倍撮影まで拡大しても球面収差が抑えられるようになっているものと思われます。きょうの画像はAT-X M90mm F2.5にマクロエクステンダーを装着し,その後ろにさらに延長筒をつけて撮影したものです。少しムリした使い方ですが,7月13日の画像と比較して,拡大率がアップして微細構造もよく見えるようになっています。この倍率と分解能は実体顕微鏡に匹敵します(画像/MWS)。 2013年7月17日
国立科学博物館 特別展示 『深海』では,展示物の写真撮影はOKとのことです。但し,ストロボ厳禁なのでそこは注意が必要です。また放映番組の動画撮影はできませんとのことです(当然ですね)。筆者はほとんど撮影しませんでしたが,「よこすか」からつり下げられている「しんかい6500」の模型が素晴らしい感じがしたので撮影してみました。それがきょうの画像です(一枚目)。このしんかい6500展示コーナーは照明にも工夫が凝らされていて,ピカピカ光るものに目がない筆者は,展示物でもないのに天井の照明を眺めていたりもしました。それが二枚目。なぜ青LEDの光で照らされているのか,わかりますよね。会場は深海だけに全体的に暗く,画像として想い出に残したい人は,高感度でよく写るデジタルカメラを持参した方がよさそうです(画像/MWS)。 2013年7月16日
よいものだけを国内から選び抜いて紹介していることで定評のある?本ページですが,この夏のイベントとして自信を持ってお薦めするのが,国立科学博物館/JAMSTEC/NHK/水産総合研究センターの総力を結集した特別展示,『深海』です。筆者は関係者からチケットを頂きましたので早速,偵察に行ってきました。土曜日の午後ということもありましたが,上野駅を降りると,40分待ちという不安げな看板が目に入ります。きっとほかの展示だろうと国立科学博物館に向かうと,何となく周囲の人がみな,同じ方向に歩いているような悪い予感がしました。入り口に到着すると実際に40分待ちでした。素晴らしい大人気です。 2013年7月15日
顕微鏡写真における照明の重要性を示すときにときどき使っているのが今日の画像です。実体顕微鏡やマクロ領域で撮影をこなしている人には当然のことではありますが,解像の方向性を示す万人受けする標本が少なく,500円硬貨を使っているわけです。500円硬貨に施されている細工は多くの方がご存じでしょうが,実際に目にすることが少ないために,忘れ去られる存在でもあります。皆さまもたまには,暗い部屋で500円硬貨に照明光を当てるなり,明るい部屋で傾けて観察するなりして,光の方向と見え具合を確認してみてはいかがでしょうか(画像/MWS)。 2013年7月14日
夕方に,所要のついでに路上温度を計測してまわりました。時刻は18時20分-18時40分頃です。測定は放射温度計によるもので,放射率は0.94に設定してあります。誤差は意外に小さくて,人体の温かい部分に向けると36℃,33℃の室内で天井に向けると32〜33℃を示しますので,大きくとも±2℃の誤差でしょう。画像一枚目は文京区大塚付近の路上で,41℃を示しています。夕方の6時半だというのに,アスファルトの路面から熱が抜けていません。手を触れると熱いです。道路沿いに測定していくと36℃〜41℃の範囲で,38℃〜39℃のところが多いように感じました。このときの気温が約33℃ですから,気温よりも地面の方が高温です。この蓄熱体アスファルトが夜間に熱を放出するので,夜の気温がなかなか下がらないということになるのです。 2013年7月13日
Tokina AT-X M90mm F2.5による画像をもうひとつ。きょうのサンプルは竹串の切片です。丸尾山黄色巣板で研いだ小さな全鋼製の鉋刃でカットしたものです。竹はシリカを含んでいますので硬く,ひじょうに切りにくいものですが何とか切れています。上はAT-X M90mmで撮影した画像を縮小したもの。下の画像は等倍切り出しです。両方ともにアンシャープマスクはかけています。竹の切片に見られるドクロのような面白い模様がきれいに再現されています。この模様は少々大きいので生物顕微鏡での撮影ですと,ドクロのアップになってしまいます。マクロでの拡大率がちょうどよい感じです(画像/MWS)。 2013年7月12日
これは出先で撮影したアゲハチョウの画像です。一枚目はNikon1J1にTokina AT-X M90mm F2.5で撮影。二枚目は顕微鏡にPlanApo2xを装着して撮影したものです。こうやって並べてみると,低倍対物レンズを使用しても,顕微鏡写真はマクロ撮影とはだいぶ雰囲気が違う感じがします。拡大率が全然違いますので,撮像するときの技法にも違いが出てきます。マクロレンズでは収差と分解能のバランスする点を探しつつ絞りを用いて撮影することが多いですが,顕微鏡対物レンズでは絞り開放ですから照明側で物体のコントラストや被写界深度,微細構造の再現具合をコントロールします。撮影倍率はそれほど大きくは変わらないのに,マクロ撮影と顕微鏡撮影はまったく異なる分野,というのが筆者の印象です(画像/MWS)。 2013年7月11日
出先で見かけたガードレールがこんな形でした。なるほど海辺の街であることを盛り上げています。このデザインが許容されるのなら,強度的な問題はそれほど大きくなさそうですね。よく知られているように東京都はイチョウのデザインのガードレールを採用しています。地方都市もいろいろ作ってみると面白いかも。函館や八戸はイカのデザイン,宇都宮は餃子なんてのはどうでしょう。行政の担当者さま,どうぞアイデアをパクってくださいませ(画像/MWS)。 2013年7月10日
これはサンプリング先で見かけた岩盤上の模様。これの犯人はヒザラガイと思います。ヒザラガイは潮間帯をうろうろしているので,干潮時には陸上にいます。そしてまた潮間帯の岩盤上に生える付着藻類がいます。ヒザラガイは干潮時には昼寝して,潮が満ちてくれば,鉄の歯舌で潮間帯に生えている付着藻類をはぎ取るようにして食べています。潮下帯に行けばいつもいろいろな食事にありつけるように思うのですが,なぜか干上がる場所が好きなようです(画像/MWS)。 2013年7月9日
二日連続の夕立です。東京・多摩西部で過ごした子どもの頃には珍しくもない現象ですが,文京区周辺では,ここ十年以上の感じでは,夕方に二日連続で夕立というのは滅多にないように思っています。昨日の虹は副虹もはっきりしていましたが,きょうの虹は主虹も薄く,高度も低かったので見た人も少なかったかもしれません。雨が強すぎて水滴の形状が歪んだのかもしれません。画像でも虹があまりはっきりしていませんが,画像の上がアレキサンダーの暗帯になっていることはわかるかと思います。画面半分より下が明るく,その真ん中に虹があるわけです(画像/MWS)。 2013年7月8日
筆者が梅雨明け初日からヒートアイランドに文句を言ったところ,見かねた空の神様から雷雨のプレゼントがありました。例年ですと奥多摩〜秩父方面に発生した雷雲は青梅を通過して練馬にさしかかる頃には消えてしまいます。まるで23区の熱が雷雲を消し去るかのように。しかしきょうの雷雲は珍しく文京区付近も通過して夕立をもたらしました。35度あった気温も幾分かは下がり,大きな虹も出て,少しはむかしの夏に近い感じを味わえました(画像/MWS)。 2013年7月7日
関東甲信越は早くも梅雨明けしてしまったそうです。今年の6月は例年になく涼しい日が続いた感じで,例年なら5月下旬からひどくなる筆者の不眠病も軽く,大変助かっていたのです。それで,この分だと,夏が一ヶ月短くなるかもしれなくて,それならば体がラクだと,お天道様に心から感謝していたのです。なのに例年よりも二週間早く梅雨明けなんてあまりにもひどすぎます。例年よりも夏が長くなってしまいます。熱中症による被害者が続出することでしょう。画像に示すとおりに東京湾岸地区はコンクリートで塗り固められ,海陸風をブロックするために建てられたとしか思えない高層建築物が林立しています。夜景としてみればきれいなのですが,熱を理解する人の目から見ると,これらはエネルギー発生源で,蓄熱体で,大量の水資源を消費する一方で降水を一方的に排除してしまう浪費装置で,保水性のない,潜熱輸送のできない構造体なのです。自作パソコンでいえば,CPUばかり増設して,排熱装置を一切つけない,換気窓をふさぐ,そういうことを過去(戦後まもなく)から現在の都市開発は一貫してやってきているのです。やっていることはメチャクチャとしかいいようがありません。熱中症で生命を危機にさらされた人は,意図的に都市を熱地獄にした過去の政権や官僚,土建利権複合体を訴えてもおかしくありません(画像/MWS)。 2013年7月6日
顕微鏡講習会の講師をつとめました。プランクトン分類の専門家集団が受講者です。今回で二回目なのですが話す話題は尽きることがなく,まずはNA(開口数)の大切さについて徹底的に講義/実演しました。回折光はふだん見ることがないので,回折角と対物レンズの関係も直感的には理解しにくいものです。そのため,レーザー3色,回折格子を持ち込み,格子状の物体に光が当たると何が起きるのかを観察してもらいました。レーザーは三色ありますし,回折格子も3種の空間周波数で用意したので,「 sinθ = mλ/d 」を実演することはできたと思います。見える,ということは回折光をとらえている,ということであり,見えている,ということは回折光をとらえるNAを持った対物レンズを使っているということです。これを理解してもらいました。顕微鏡の講習でありながら,光学の簡単な実験授業です。しかし,それが大切なのです。NAをじゅうぶんご理解頂いたあとは,偏斜照明法を実演して,照明側NAと照明の制御の重要性を理解してもらい,そこからコントラスト法の話へ発展させ,最後はマクロ領域の撮影についての留意点をお話し/実演して,持ち時間を使い切りました。いつものように社長には大変お世話になり,また受講者の方々とも楽しい時間を過ごしました。そうすると,帰路は真っ暗な時間になるわけです(画像/MWS)。 2013年7月5日
接写機材の動作確認を行いました。物体はチョウ(ミドリヒョウモンと思います)です。レンズはトキナーAT-X M90mm F2.5,カミソリマクロと呼ばれた元祖のレンズです。これにNikonの接写リング(延長リング)を挟んで,FT1を介してNikon1J1で撮影します。Nikon1J1は電子シャッターの上にリモコン撮影ができるので振動を完全排除できます。このため,ピント合わせと適切な絞り設定,照明に作業を集中できて撮影の歩留まりもよいと感じています。きょうの動作確認でもサクサクと動き,数分ほどの作業で問題ないことを確認しました。上の画像は原画をトリミングせずに縮小。下の絵は等倍の部分切り出しです。ま,このくらい写っていればうるさいことをいわなければ充分でしょう。うるさいことをいわなければ…(画像/MWS)。 2013年7月4日
日本光学の誇る携帯顕微鏡H型は堅牢そのもので一世紀に渡って使用可能な機種と考えています。しかしこの機種にも泣き所があって,それは乾電池を使うことにより,液漏れが起きて,本体が腐食してしまうことです。きょうの画像は腐食の一例です。ふだんは底部のカバーに隠れていて見えない部分なのですが,カバーを外せばご覧の通りです。H型には,一説には5層とも言われるきわめて上質な塗装が施してあって,その仕上げはとても素人が真似のできるものではありません。筆者が取得したときにはすでにこの状態で,補修は難しいのでそのまま使っています(特に問題はありません)。携帯顕微鏡H型をお持ちの方は,使用後は電池を外して保管することを強く推奨致します(画像/MWS)。 2013年7月4日(2)
研ぎ特集のページがリンク切れでした。申し訳ありませんでした。 2013年7月3日
海には漁業権というものがあって,第一種共同漁業権に該当する種を勝手に採集して持ち帰ることはできません。このことは本欄でたびたび述べてきた通りです。しかしながら漁業権に該当しない種であれば,海の恵みとして少量を頂くことは問題ありません。問題は,どのような種が第一種共同漁業権に該当しないのか,分かりづらいことです。都道府県の水産課に聞けば調べてもらえるでしょうが,面倒ですね。。で,きょうの画像はある日の夕飯ですが,海の恵みが少しだけ載っています。この貝はイボニシといいますが,まず漁業権設定されているのを聞いたことがありません。何しろ,苦みと辛さとえぐみが共存して,とてもおいしいとはいえない。人によってはマズイといいます。筆者のサンプリング先でも漁業権対象外なので,安心して採取できます。この貝は肉食性でほかの貝などを食べてしまうのですが,サンプリング先では,イワガキを食害しているようでしたので遠慮なく採取し,夕飯の材料としました。貝類が好物の筆者にはそれほどまずくもなく食べられ,最近不足気味だった亜鉛の補給になるといった感じでした(画像/MWS)。 2013年7月2日
研ぎの記事が溜まってきましたので,一気に読めるようにまとめてみました。本当のところは,研ぎやら顕微鏡やら珪藻やら環境やら色々の記事を通読して頂きたいわけですが,検索等で飛んできた方もおられることと思いますので,読みやすさにも配慮することと致しました。 2013年7月1日
これはナマコの骨片です。40倍対物レンズを用いての撮影です。けっこう小さくて,数十μm程度の大きさです。大形珪藻よりもずっと小さいです。ナマコはフニャフニャしていますが,包丁で切ろうとするときゅっと締まって固くなります。このとき外皮の部分はごつごつした感じの感触があります。ここに骨片が多数存在しています。微細構造らしきものは見えず,どこまでも透明な炭酸カルシウムです(画像/MWS)。 Copyright (C) 2013 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |