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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2020年5月31日






円石藻と,個々にばらけた円石の画像がとれたので掲載。上の円石藻は約8.5μm,下の円石藻は7.4μmです。筆者手持ちの試料では大きめの感じです。スケールは10μmです。携帯顕微鏡H型による撮影で,対物レンズは油浸100倍(NA=1.25),照明は紫LED(λ=405nm)です。簡易機材でささっと写した手抜き画像ですが,一応の構造は写っています(画像/MWS)。








2020年5月30日














医療者に感謝の意を表し病院上空を目指して飛ぶブルーインパルス。都立駒込病院上空付近の画像。ドルフィンライダーのみなさんもありがとねー(画像/MWS)。








2020年5月29日






まいにちまいにち円石藻の円石ばかりを顕微鏡でみていた結果,ウチの鍋のフタはついにGephyrocapsaの円石にしか見えなくなった…。笑い話みたいですが,これ,大まじめに,大事なことなんです。脳みそのモードが変わったことを表しているんです。これまでも珪藻に没頭してガードレールがChaetocerosに見えたり,マンホールがCoscinodiscusに見えたりしたんです(画像/MWS)。








2020年5月28日






きのう携帯顕微鏡H型にセットした試料はホールスライドに入れて上からカバーガラスでフタをしてあったので,翌日も検鏡することができます。多少の通気性もあり,蒸発による海水の濃縮は多少起こりますが,酸素も供給されるので嫌気性にはなりにくいです。

さてそれで,昨日見た円石藻はどんな具合か見たところ,どこにもいません。少なくとも10細胞以上くらいはあったのに,一つもみつかりません。ということは…溶けたのですね。。

視野内は画像1枚目のように一面のバクテリア。ホールスライドに閉じ込められて死んだ珪藻や渦鞭毛藻をエサにバクテリアが爆発的に増殖し,その呼吸によって二酸化炭素が発生し,有機物の酸化分解に伴って有機酸の類いも発生し,炭酸カルシウムが溶けた…のでしょう。

pHの変化が少ない状態の海水中なら,しばらくは溶けずに残っているのですが,ろ過して濃縮するとどうしてもたくさんのプランクトンと一緒になるのでダメですね。生物活性を止める必要がありますね。

画像2枚目をみてもわかるように,渦鞭毛藻(ディノフィシス)と円石藻のサイズはこれほども違います。渦鞭毛藻が死んで細胞内容物が漏れ出て分解したら,小さな円石藻の円石など,すぐに溶けてしまうだろうと納得できそうです。

こういった現象を眺めていると,今後の検鏡や取り扱いのヒントが多数得られる気がします。まずは経験の蓄積あるのみです(画像/MWS)。








2020年5月27日












相模湾で発生した円石藻Gephyrocapsa oceanicaはなかなか小さくて,だいたい数μmの大きさですが,そう聞いてもピンとは来ない人も多いことと思います。ので,きょうの画像はバクテリアと円石藻のサイズ比較。画像1,2枚目がそれですが,周囲のバクテリア数個集めれば円石一個分には余裕でなりそうです。これでは撮影が難しいはずです。。

その小さな円石藻も,サイズはいろいろあって,すこしは大きなものもありますし,なんでこんなに小さいのというのもいます。それを示したのが3,4,5枚目の画像。円石の大きさにもばらつきがあるように見えます。…という微少物体なので,撮影には見栄えのする細胞を選ぶことが重要。

数μmの大きさはあるので,NA=0.65程度あれば,円石藻の概形はわかります。実習用クラスの顕微鏡でも円石藻であることはわかるでしょう。しかしより細かな構造を狙うにはどうしても液浸対物レンズが必要になります。

きょうの画像1,2枚目は携帯顕微鏡H型での撮影。対物レンズは油浸でNA=1.25です。照明は紫外線LEDでλ=371nmです。実効値的な意味での解像限界は200nm前後です(画像/MWS)。








2020年5月26日










円石藻用の濃縮サンプルを検鏡していると,微細な破片の塊のようなものが見られます。それがきょうの画像。これは何なのかといいますと,動物プランクトンのウンコです。学術的には糞粒(fecal pellet)といいます。人間でもウンコはまとまった一つの塊になるわけですが,動物プランクトンでもひとかたまりの筒状の形態になることが多いです。

さて今回のサンプルの糞粒は,円石藻が大発生した中で作られたものですので,円石藻の殻が大量に入っています。それが証拠に,画像1枚目の視野をそのままに偏光クロスニコルにすると視野がキラキラと輝きます。円石の偏光を検出している証拠です。画像3枚目でも事情は同じで,視野を埋め尽くす円石の数々です。クロスニコルにすればあちこち円石だらけということがわかります。

ふだんは珪藻や渦鞭毛藻を食べているであろう動物プランクトンも,今回ばかりは大発生した円石藻を食べないわけにはいかなかったのでしょう。珪藻に比べてどの程度栄養があるのか? 高次消費者への影響は? と疑問がいろいろわいてきます。ただ今回の現象は一過性のもので継続時間もあまりなかったので,おそらく漁業生産には影響はないかもしれません。

現在は風が吹き降雨が続いて栄養が供給されたこともあり,いつもの珪藻の海に戻りつつあるだろうと思います。手元の円石藻サンプルは貴重です。なるべくたくさん検鏡したいですね(画像/MWS)。








2020年5月25日








円石藻はけっこうデリケートで海水試料は保存がきかないようですので,できるだけはやくろ過濃縮して観察を済ませなくてはいけません。このろ過がくせもので,強くやれば細胞を破壊しますし弱くやれば時間がかかります。遠心分離や自然沈降も使えますが,舞上がりをふせぐのは難しく,希薄な試料を数百倍以上にしかも大量に濃縮するには向きません。いろいろ考えて,生サンプルの観察用には3μmのミリポアフィルターで重力ろ過をすることにしました。細胞の損傷は少なく,二日もあれば6リットルくらいはろ過できます。

きょうの画像は濃縮試料のようす。約数百倍から千倍くらいの濃縮サンプルです。画像1枚目は低倍率での視野。ボール状の小さな物体が円石藻の細胞で,全体に散らばっている小さなつぶつぶが,円石藻が壊れて分解した個々の円石です。小型の珪藻が周囲にみられますが,いかに小さいかわかると思います。

画像2枚目は偏光クロスニコルでの撮影。同じ視野を撮影しています。円石藻は炭酸カルシウムの円石をもっていますので偏光クロスニコルでの検出は容易です。独特形状の黒十字が現れますので,堆積物のスミアスライドなどでは偏光検鏡が必須です。

画像3枚目は高倍率で円石藻の一細胞をクロスニコルで撮影したもの。偏光検出の効果が大きすぎ,クロスニコルによる異常解像で構造の再現には全く向かないことがわかります。上下レクチファイヤだとどう見えるのでしょう。そこは気になります。

それにしても円石藻は取り扱いが難しく呻吟しながらの作業が続いています。純水で洗うと溶解するとの指導をいただいていたのですが,試しに,煮沸して脱ガスした精製水で洗浄したら見事に円石が消失しました。なぜ??? どうしたらよいの? と無機化学と水質化学の再学習が必要になってきています。水−炭酸システムというのはけっこう複雑で難しいんです(画像/MWS)。








2020年5月24日






















きのうの記事で書いた,どうしようもない設計の役立たずな顕微鏡の近代化改修を行いました。この顕微鏡は購入してからそろそろ10年ちかいのですが,ほとんど働いてくれません。どうしたらこんなにひどい設計ができるのかとふしぎでふしぎで仕方がないのです。じゃぁなぜこの鏡基を持っているのかというと,レンズはまともなのです。そのまともなレンズをつける鏡基がダメダメとは,いったいこのメーカーは何を考えているのでしょう…とも思うのです。この顕微鏡は21世紀の初め頃に多数出回ったものですので,そろそろ20年という感じですが,それにしてはひどすぎます。

いちばんひどいのはランプハウスですが,そのことは以前に書きました。今回の近代化改修は鏡基内部です。この顕微鏡はひじょうにつまらない設計思想によって,照明側の光束が絞られており,しかもランプはプリセットでフォーカス不能です。そのため,ランプハウス単独では高倍率から低倍率まで対物BFPを満たし,かつムラのない照明は不可能です。

これを回避するために,瞳の伝送用のリレーレンズが二枚入っていて,さらに拡散板を挿入して,低NA広視野から高NAまでの照明を切り替えなしで使えるようにしています。じつはこれでも不十分で,高解像検鏡をするには液浸コンデンサのお尻にビームエキスパンダというレンズをねじこまないと,NA=1以上の光束がエネルギー不足になって満足なイメージングができないのです。

ランプハウスで自由にフォーカス調整できたむかしの顕微鏡から見れば,これは不良品といってよいレベルの設計不良なのですが,この顕微鏡はさらにひどい欠点があります。瞳の伝送用のリレーレンズが,プラスチックのUVカットレンズなのです。おそらくは,メガネレンズ用の高屈折率モールドを流用したのではと推測します。このため,この顕微鏡は紫外線透過照明は不可能です。365nmを入れてもカットされます。なんてお節介なめちゃくちゃな設計なのでしょう。

イメージングに必要なバンドはユーザーが選ぶものです。光学メーカーが手足を縛るようなことをしてはいけません。

このウドの大木のような顕微鏡をどうすべきか。もう何度も,アスファルトの道路にたたきつけて捨てようかと思ったことか…なのですが,円石藻のイメージングに必要な緊急を要する状況です。仕方なく「経皮的リレーレンズ置換術」の緊急手術を行うことにしました。きょうの画像はその様子です。

まず照明光入射側のリレーレンズを外します。ぺらぺらの高屈折率プラスチックのレンズで,これはまさにメガネレンズの素材,といった感じです。取り出したらこのレンズの焦点距離をざくっと調べ,当サービスの豊富なガラスレンズ在庫群から同じ直径で同じ焦点距離のものを選別します。今回は,凸メニスカスで凹面がレモンスキンガラスという特殊レンズがそれに該当しました。入射側にレモンスキンを配置するのは光学設計的には間違っているのですが,今回は選択の余地はなく,間違ったまま配置します。

次に2枚目のリレーレンズです。こちらは適当なガラスレンズがなかったので,パワーが1/2のレンズ二枚を組み合わせて組み込みました。厚みの関係から,平凸にするところが両凸になってしまったので視野の照明均一性に問題がありますが,今回は視野中心部の高解像検鏡なので問題にしません。

そして顕微鏡をひっくりかえしたまま光軸調整。画像をみてわかる通りに光軸はずれていますが,調整範囲内ということでOKです。最後の画像は手術で摘出した患部。紫外線を通さない憎きガンのようなレンズですが,幸いにガンは完璧に取り除かれ,患者は今まで以上のパフォーマンスを発揮してたくさんの仕事をしてくれることと思います(画像/MWS)。








2020年5月23日






MWS解像限界イメージングセンターによる相模湾の円石藻の光学顕微鏡画像。一枚はSEMっぽい表現にしてみました。相模湾の広範囲に発生したこの円石藻は,東京海洋大学・石丸隆名誉教授と国立環境研究所・河地先生によれば,Gephyrocapsa oceanicaであるそうです。

通常は電子顕微鏡で撮影するものですが,光学顕微鏡でも技術があれば観察可能なようです。筆者は円石藻を覗いてまだ二日目という新人ですが,一応,光学顕微鏡のことはわかるので,この程度は見えますよ,といえるわけです。

このような球状の物体というのは光学顕微鏡の苦手とするところで,特に輪帯照明や偏斜照明がうまくできません。どうしても微細構造を犠牲にしつつコントラストを出す方法を模索しないといけません。何か特殊な技術が必要というよりは,落としどころが必要という感じです。とにかく像品質を徹底的に向上させ,高いS/Nの画像ファイルを作って画像処理を行うということです。

まともな絵を得ようとすると顕微鏡もそのままではダメで,主に照明系を改造するなり,適切なバンドパスフィルタを用意するなり,あるいは目的にかなったLED光源を用意するなりしないと前に進むことはできません。場合によっては顕微鏡の大改造も必要になっています。

当サービスの場合は,不運なことに,一番よいレンズが付けられる顕微鏡はどうしようもない設計の役立たずなものなので,大規模改修は避けられません。円石藻サンプルが入荷したことにより,顕微鏡をひっくり返しての大騒ぎになっています。当面,その作業に時間をとられる見込みです…。



ところで今回の白潮はかなり多くの方々の関心を呼んだようです。しかし現在,神奈川件の海岸の多くは立ち入り禁止になっています。駐車場も使えないところが多くなっていますし,海岸にはロープを張って入れないようにしているところもあります。面白いものみたさに出かけるのはやめた方がよさそうです。

サンプルがほしい人がバケツ採水するくらいなら許される感じもありますが,きちんと調査目的を説明できるようにして,しっかりとした安全対策,感染症対策を行った上で向かってください。特に,海洋学,藻類学系の方々は,貴重な現象でもあるので,この機会を活用することは良いと思います。25年ぶりの現象です。専門家としての能力をこのような機会にフル発揮してください(画像/MWS)。








2020年5月22日


















かなり急を要する仕事先は相模湾沿岸でした。連休半ば頃から相模湾沿岸で海の色が変わる現象が起き,横浜国立大学の下出先生らのグループの調査により,「白潮」という現象であることがわかりました。白潮というのは,円石藻という炭酸カルシウムの殻を持つ藻類が大増殖して,その殻の反射率の高さから海の色を変えてしまう現象です。

筆者のところにはJAMSTEC経由でかなり早く一報が入ったので直ちに関係方面に周知しました。何しろ記憶のかぎりでは25年ぶりの現象です。海の異変を表していることは間違いなく,この分野の専門家どうしの相互連絡がひじょうに重要です。キーとなる研究者にメールをばらまきました。関係先の先生方は直ちにことの重要性を理解して,いろいろなアドバイスが相互に飛び交いました。一気にいろいろなことの理解がすすみました。

緊急事態宣言下ですので安易にサンプリングには出られないのですが,筆者は機会をうかがっていました。衛星画像で潮を読み,天候や風なども考慮して,白潮が接岸しているときに岸から採水しようという計画です。20日が大丈夫そうでしたので,採水用具を背負って出かけました。

現場は風が強く波も高く転落すれば助からないだろうとう条件でしたが,なるべく安全に採水できる場所を探し,相模湾西部の二カ所で,白潮が接岸しているように見えるところで採水して無事に帰宅しました。

円石藻はとても小さく,ざっくりと数μメートルという大きさです。バクテリアサイズの円石が集まって一つの個体になっていて数μメートルしかありませんので,集めるのは大変です。このようなサンプルは吸引ろかで集めるのが普通です。フィルターの選択や吸引速度,洗浄のやりかた,乾燥のしかたあるいは保存の仕方などに細かなノウハウがあります。

今回採水した試料では油浸検鏡をするので,数μリットルのなかに数百細胞くらいは入っていないと撮影できませんので,採水した海水を約200倍に濃縮しました。ビーカーの底にたまっているすこしの沈殿物がその一部です。実際には円石藻以外の浮遊性懸濁物がたくさん入っていますので,円石藻はこの沈殿物のほんの一部です。けっこうな労働です。

そして油浸検鏡。水浸でもいいですが,NA=1以上ないと,あまりに小さいので構造を写すのは不可能です。構造を記録するわけですので白色光による撮影は無駄な努力になりますので,確認のための撮影以外は単色光で行います。レンズの「球面収差の色による差」を見抜きながら,最良のS/Nとなる波長と照明側開口数を探りながらの撮影です。はっきりいって,超高難易度です。

レンズも選びます。今回は10本くらいの液浸対物レンズを次々とテストして最良のものを探しました。またマウント法によって像はいくらでも変わるので,球面収差補正に非常な神経を使いました。露出やISO感度によってもS/Nは影響を受けるので,あらゆるパラメータを把握してそれぞれを最適化するようなイメージング作業になります。

単色光での検鏡は,ブルーライトの領域も使うので肉眼で見ることはできません。モノクロのCMOSカメラなどを使いモニタに映して観察します。そうした努力を経て,パソコンのモニタには円石藻の姿が映し出されました。生の円石藻を検鏡したいと思ってからいったいどれほどの時間が経過したことか。ようやくこの目で,じぶんでつかまえた円石藻を見ることができ,記録に残すことができました。ひじょうに貴重な経験になりました。

まだ円石藻の検鏡をはじめて一日しか経過していません。一応,光学的には詰めた絵になっていますが,最後の最後まで詰めて限界的な絵を得るには,ここから長い道のりがあるだろうと思います。

今回の現象については朝日新聞がきれいな写真とともに報じています。 こちら をごらんになってみてください(画像/MWS)。








2020年5月21日






かなり急を要する仕事が発生して新幹線に飛び乗ったのだけれども,人がいない…。噂には聞いていたけれども,新幹線改札ががらがら。終電でもこんなに空いていることはない。本当に「緊急事態」であることを実感するひとときでした。新幹線は新横浜を出ても一車両に3〜5人。これは都内を歩くよりもはるかに安全とさえいえるレベル。

それは多くの人々が自粛を行っている証拠で素晴らしい真面目さを表しているのだけれども,こんな空気輸送を毎日展開していたらさすがのJR東海もばったりと倒れてしまう。上手に新型コロナの拡大を防ぎながら経済再開を行う道を探らないといけませんね(画像/MWS)。








2020年5月20日




ヤフオクを眺めていると,機材の間違った取り扱い例や説明が無数に見つかります。素人がなんかカネになりそうだと,ガラクタを拾ってきて出品している例がたくさんあるので無理もありません。そういった間違いのなかでも,いやーな気分になるのが対物レンズの置き方。外した対物レンズは逆さまに置くのが正しいことは,義務教育で一度は習っているように思うのですけれども,今はやっていないのかしら。レンズ先端を接触させて置くというのは,ふつうの脳みそを持っていればよくないとわかりそうなものですが,専門外の物品ゆえ注意が及ばないのでしょうか。

あるいは誰でもわかることですが,レンズ先端を下にすると安定が悪く,ちゃんと立てるのも面倒なくらいです。特に生物用の高倍率対物レンズはそのように作られています。撮影までに何度,倒したのかわかりません。打ち所が悪ければ,倒しただけで性能が低下してしまうかもしれないのが顕微鏡対物レンズです。

ヤフオクさんは,AIか何かを導入して,対物レンズが先端を下にして立てておいてあったら出品できないようにしてくれませんかね。あるいは「悪い」の評価が自動的に付くというのも良いかもしれません。出品者に学習させるシステムがあればなぁと思うのです。きょうの画像は最悪の例です。こんな出品者さんから顕微鏡対物レンズを落札する気が起きません…(画像/ヤフーオークション)。








2020年5月19日












天然物のハタが880円(税込)などということは天地がひっくり返ってもありそうもないことなのだけれども,近所のスーパーには転がっていた…。ので,家訓「よいものは迷わず買え」にしたがって入荷となる。この日は晩ご飯がすでに決まっていたので,入荷したハタは直ちに昆布締め処理されることとなる。つくりかたは昨日書いた通りです。

ハタの身は大きいので早煮昆布も大きめに切って4枚使いましたが,きれいに身をつつむことができました。密着をよくするために重しのこんにゃくをのせて氷温室に一晩。翌日の晩ご飯はハタの昆布締めです。高級料亭でありつくようなメニューですが千円しないのです。ありがたくおいしくいただきました。

しかしそれにしても天然物のマハタがこの値段とは信じられません。ひょっとすると「ハタの仲間」なのかもしれませんが,筆者はハタ科の魚をそれほど多くは食べていませんので,フィレになった切り身では見た目でも食べても判別できません。でもうまいことは確かでした。ハタの仲間の一つである「アカイサキ」とは異なる味であることは筆者でもわかりましたが…。でもハタの仲間はたいてい高いので,どんな種でもこの値段ならお買い得ですね。漁師や仲買人に申し訳ないなあと思いつつも,また転がってないかな〜とも思うのです(画像/MWS)。



間違って丸ごと削除してしまったので書き直しました(5/22)




2020年5月18日
















「よいものは迷わず買え」という家訓にしたがって,食べきれないほどの入荷があることもある。兼業主夫としては,たくさんの魚が入荷しても直ちに対応できなければならない。先日はホウボウが食べきれない余剰分に相当したので,入荷と同時に処理することとなった。

刺身用の魚を保存するには,単にキッチンペーパーに包んで氷温室に入れるだけでもよいのだけれども,昆布締めにすればさらに保存性はよくなり味もよくなります。ので,当店のいんちき昆布締め法により処理を行います。といっても,きょうの画像を見れば説明は不要なほど簡単。

昆布は早煮昆布を使います。これをサクと同じ長さに切り,魚の上下に2本のせて,ラップできつくくるんで半日置きます。すると魚の水分が移って昆布が少し柔らかくなっているので,一度取り出して昆布を広げ,サクを包みます。これをラップで包み氷温室で一晩保存。昆布はサクによく密着するように,こんにゃくでものせておきます。翌日にはおいしい昆布締めができています。

ラップを開いて昆布をはがして,ホウボウの昆布締めを本焼き包丁で切って並べます。飴色になっておいしそうです。昆布も魚の水分とうまみを吸っていて食べられますので,結び昆布にしておつまみとしていただきます。あるいは醸造酢に漬けて酢昆布にして食べます。

この方法は水分を一切使わないので,刺身や昆布の水分活性は低く細菌の増殖は遅いです。氷温室で2,3日は風味も変わらず日持ちします。冷凍もできますが,でもさっさと食べてしまった方がよろしいでしょう。

昆布締めというと平べったい高級な昆布が必要と思っている方もおられるかもしれませんが,クチャクチャの早煮昆布でも案外何とかなるものです。もちろん高級利尻昆布などで作った昆布締めはうまみも濃厚で高級感ある味わいになりますが,まーでも庶民のちょっとした楽しみ程度ですので,早煮昆布でもよいのです。

などという工夫をしながら,兼業主夫は日々の食材をさばいていき,「Zoom御膳」を作ったりしているのです…(画像/MWS)。








2020年5月17日








休日だというのにカミさんは朝からZoom会議。すると兼業主夫としては,朝昼兼用の「Zoom終わったよ定食」を作らねばならない。Zoomは12時に終わるのですが,そこからのこのこと這い出してきて「ゴハン!」と叫ぶ人がいるからだ。…ということでダンナは朝から深酒のぼんやりした頭で「Zoom終わったよ定食」を作るのであった。

そしたらなんと,夕方にもZoom会議があるという。17:30-21:00にやるというので,こんどは「Zoom御膳」も作らねばならない。しかも捨て値のホタルイカが入荷し,これでおつまみを作ってくれとのこと。

ホタルイカは目玉と軟骨を取り除きます。フライパンにそっとホタルイカを並べ,日本酒を注ぎ,バターを一かけ。コショウ少々としょうゆをほんの少し。これで火にかけます。酒が煮たってバターが溶けます。このとき,ホタルイカは動かさないでそのままにします。汁気が飛んだら軽く混ぜて「おつまみ」のできあがりです。

サラダも作り,ナムルも作り,増量ナメコも作り,市販の唐揚げを油抜きして,戸隠のそばを茹でて酒を一杯添え,きょうの「Zoom御膳」のできあがりです。ほかにも翌日の料理の下ごしらえや包丁研ぎ,標本作りや顕微鏡の整備など兼業主夫の生活は,カミさんの在宅勤務により,ハードさを増しているのです…。

ということで何を伝えたかったのかというと,本ページをごらんの在宅勤務になった方々が,奥様への負担を増やしていないかということ。ちょっとした注文のつもりでも,日常にはない作業が追加されればそれだけ奥様の持ち時間が減ります。まだ在宅勤務が続く方々もおられると思いますので,みんなの負担が減るようにバランスを考えましょう(画像/MWS)。








2020年5月16日




新型コロナ感染症対策として在宅勤務になったカミさんのもとには,容赦なく?Zoom会議などが飛び込んできている。これが19-21時などという時間になると,それは夕飯の時間なので,兼業主夫たる筆者が「Zoom御膳」を献上することになる。カミさんはZoomをやりながらパソコンを前にして(マイクをミュートにして)夕飯を食べるのである。

きょうのZoom御膳はブロッコリー+焼鮭,トマト,タマネギレタスワカメシーチキンサラダ,もやしナムル,厚揚げキムチ,もずく,ホウボウ昆布締め,ホタルイカ,おつまみ昆布,ご飯,ワイン入り日本酒といったところです。

Zoom会議の邪魔にならないように筆者は物陰でひっそりと夕飯を済ませ,タイミングを見計らっておかわりの冷酒・おつまみサービスをして,お膳を下げて食器の洗い物に戻るのです。かくも兼業主夫の生活とはつらく・厳しいものなのです(笑)。

しかしこの夕飯時にZoomをやる人たちは,いつ食事をしているんだろうか? ふしぎふしぎ(画像/MWS)。








2020年5月15日






当室には一本だけ『本焼き』の包丁がある。それがきょうの画像。登録・正本の刺身包丁で,背の薄さからみてふぐ引きと判断されます。研ぎ減って身痩せしていて,これを使うのはどうなの?という状態ですが,よく切れるので刺身包丁としてメインで使っています。

いつの包丁かよくわかりませんが,親戚からの引き上げ品で,おそらくは1950〜60年頃には親戚の家にあったものと想像されます。その親戚が使っていた包丁というわけではなく,出入りしていた料亭からもらってきたということらしいです。つまり,料亭の板前が,研ぎ減って使わなくなった包丁をくれてやった,ということです。

本焼きの包丁がここまで減るには最低でも10年はかかるでしょうし,形を崩していないところをみると,かなりの腕前の職人が使っていたはずです。そこから想像するに,この包丁はたぶん戦前の品物である可能性が高いように思われ,ひょっとすると80〜100年ものかもしれません。

発掘されたときの包丁はぼろぼろに錆びた状態でしたが,幸いにサビは浅く,何とか裏を出すこともでき,当店自慢の研ぎ技術によって包丁として復活させることができました。

ただこうして眺めていると,裏すきがほとんど残っていないですね。今後これ以上,身痩せするような研ぎを行わないとすれば,裏をすき直すのもアリかなぁなどと,また余計なことを考え始めてしまうのです…やばいやばい(画像/MWS)。








2020年5月14日










相変わらずヒキコモリ生活を続ける日々ですが,きょうはメンテナンスの一日でした。朝おそく起きて,おっきょうはメンテナンスの日だなという気分のことがあるのです。照明系まわりと接眼レンズの分解清掃で一日が暮れました。というか,まもなく日付が変わるのにまだ終わっていません…

接眼レンズの分解清掃はやりたくない作業の一つで,つい放置プレイになりがちです。完璧に拭かないと明視野絞り込みでゴミが見えてしまうのでひじょうに気を遣うのです。分解しないで清掃することもできますが,ニコンHKWなどの古いものは内部も少し曇っていたりすることも多いので,えいやっと分解してしまいます。

50年もののレンズは,タバコのヤニ,チリ,あぶら,鉱物粒子,いろいろなもので汚れています。残存しているよごれがどんな種類か見極めながら,溶剤の順番を間違えないようにして拭いていきます。いきなりエタノールなどで拭く人がいますが,高い確率でレンズに傷をつけます。最初は水拭きでやさしく拭って水溶性成分と鉱物粒子を払うのです。溶剤拭きはそれからです。

画像3枚目はH.K.W.10x Uの内部構造。眼レンズは三枚玉,視野レンズは一枚という,見たことのない構成です。逆ならばAbbeオルソにちかくなりますが,三枚玉の曲率が全然違います。硝子材は何を使っているのかと興味が沸きます。ニコンS型に標準のHKW10x Biは眼レンズ二枚玉,視野レンズ二枚玉のプローセルにちかいタイプのレンズです。前者の設計ではコストがかかりすぎて設計を見直したのかもしれません。

画像4枚目はHKW15xの内部構造。このレンズは未開封でしたが,それでも内部には貼り合わせ面から染み出たと思われるよごれがレンズの周囲に広がっていました。ので仕方なく分解清掃。高倍率になるとレンズが小さくなるので手技も難しいですね。一度組んで,再度ばらして組み直しなどということもあります。この時代のレンズはエタノールでの清拭はよくないとされていますが,筆者は仕上げにはエタノールを使います。それなりの経験と自信があるからです(画像/MWS)。








2020年5月13日








食事を担当する兼業主夫は基本,買い物はしない。買い物大好きなカミさんがぶら下げてくる食材をひたすら捌くことに徹するのである。料理は習ったことがないし,何かを作るにもレシピを見たり本を読んだりということは,ほぼやらない。目の前の食材を前に,どうすればよいかを考える日々。これが頭の体操にはとてもよいと感じています。

個人的に考える調理の基本は,1)衛生面で問題がないこと,2)栄養面で問題ないこと,3)まずくはないこと,に尽きるかもしれません。これを満たしていれば,まぁ何とかなるものです。

きょうの画像は鶏手羽先のとろとろ煮。早煮昆布に水を加えて昆布を広げ,さっと煮たら火を止め,昆布を取り出します。そこに鶏手羽先を並べ,酒,しょうゆ,しょうがを加えます。その上に昆布を広げてかぶせます。昆布を落としぶたの代わりに使うわけです。そしてフタをして1〜1.5時間,弱火で煮込みます。

煮汁がなくなったら昆布を取り出して,鶏手羽先を盛り付けて完成。同時に昆布の佃煮もできていますので,ほかの料理の味付けにつかうか,そのままおかずにします。手羽先はやわらかーくなっていて,ほろほろと崩れるくらいなので,温かくして食べれば手を汚さずに身をしゃぶり尽くせます。…などといった調理法を勝手に思いついて日々進めていくわけです。

この昆布でフタをするという方法は昆布が好きな筆者がながねんやっている方法ですが,こんなことは誰でも思いつくもの。ちょっと調べてみると,昆布で蓋をして煮物を作っておられる方々が全国に生息していることがわかりました。…ということは,筆者の脳みそは,全国のみなさんと同じくらいの発想力が(料理に関しては)備わっていたのかもと,ちょっと一安心。何しろ,毎日ヒキコモリで暮らしている筆者は人と会うことがほとんどないので,自分自身がどれほど劣化しているのか確認する方法がなかなかないのです…(画像/MWS)。








2020年5月12日










食事を担当する兼業主夫はときおり『料理の鉄人』まがいのことをさせられる。カミさんが勤務先からの帰宅時に見つけた魚をぶらさげてご満悦。これを帰宅から夕飯までの数十分の間に希望する料理にして提供しなければならない。きょうの入荷はキンメダイ。ちょっと小ぶりで一匹千円なら妥当なところ。

さっそく鱗をおとして頭を落として見ると,お腹も傷んでなくて鮮度はよさげ。刺身OKなので,三枚におろして身はご希望通りに皮付きで刺身。頭とアラ,キモ,胃袋は塩を振りそのあとに熱湯をくぐらせて水を切ってから,酒を振りかけ,ショウガ一かけ,しょうゆ少々,落としぶたをして蒸します。煮汁がちょうどよく煮詰まったらあら煮の完成。

皮付きの身は皮目を上にして冷やした皿の上に置き,バーナーで皮をあぶります。一度あぶって皮が縮んだら少し置き,皮を再度広げてからあぶるとうまくいきました。このあとすぐに皿ごとチルド室に入れて冷やします。身が落ち着いたら切りつけて皮付き刺身(あぶり)の完成。

ちょっと小ぶりでしたが,けっこう脂もあり,刺身,あら煮ともに大変おいしゅうございました。包丁を手入れしていつでも出動態勢ができていると,食材の入荷は「切ってみたい材料の入荷」でもあります。18時50分に入荷したキンメダイは19時30には食卓に並び,20時には消えてなくなりました…というように,苦もなく作業ができるのです(画像/MWS)。








2020年5月11日(2)


ちょっと難しい?ニュースを見かけました(こちら)。

【引用】  新型コロナウイルスの感染拡大防止に重要な役割を担う国立感染症研究所(感染研)に対して、直轄する厚生労働省が国の方針に沿って、出勤者を8割削減するよう指示していたことが分かった。 (市川千晴)

 厚労省の担当者は「新型コロナ対策の本丸的な組織であり、頑張らなければいけないので出勤八割削減に葛藤はあるが、感染研を含めた削減は首相の強い指示だ。業務に支障が出ないようやっている」と説明する。(後略)




この厚労省の担当者の言葉は本当なんでしょうか? 首相は感染研も含めて出勤8割減にしろと,そんな細かい指示をほんとうにしたのでしょうか? 

筆者の悪い脳みそでは,どうにも理解できないニュースです。感染研にもいろいろな部門があるので,すべての職員がウイルス感染に詳しいわけではないでしょう。しかし感染研の方々は,少なくとも,この国難の中で専門能力を発揮できる集団として最前線で指揮をとらなくてはいけないと思うのですけれども。

ほんと,このニュースはよく理解できません。一律8割削減を求める姿勢が。。。厚労省がバカなのか,首相がバカなのか,筆者が理解力の不足したバカなのか,たぶんそのどれかだろうと思います。

ただでさえ国立研究所は政権与党の政策によって人員も予算も削減され続けてきたのですが,緊急時にさらに出勤者を削減するというのは,いやー本当に理解ができません…。政府は全知全能の神で,下々のものはすべて黙って従え,ということなんでしょうか(画像/MWS)。








2020年5月11日








きょうの画像1枚目は,コンペンタイプの対物レンズで直接焦点で撮影した(つまりコンペンせずに使った)海産珪藻タラシオシーラ。画像の右隅部分を見るとひどい倍率色収差が出ていて写っているゴミ(輝点)が色ズレしています。コンペンタイプの対物レンズは倍率色収差が残存しているので,単独で使えばこのようになります。

画像2枚目は,1枚目の画像をRGBチャンネル別に取り出し,それぞれの大きさを変えてから合成したもの。倍率色収差は,色による倍率の差ですから,画像サイズを倍率の差の分だけ変更して,どの色でも同じ倍率になるようにして,そのあとに合成すれば理論的には補正できることになります。実際,かなりよく補正されています。

このように,画像処理を厭わなければ,コンペンタイプの対物レンズを直焦点で使うという選択も出てきます。教科書的には誤った使い方ですが,対処法を知っていれば正しい使い方になるわけです。

画像3枚目は被写体となったタラシオシーラの微分干渉像。こんな感じにみえますが,実際はひじょうに細い粘液の糸が出ていて,なかなか写りません。それを暗視野の露出過剰で撮影したものが上の画像です。照明法によって見えてくるものが異なるので,顕微鏡観察では絶えずいろいろな照明法で試しながら検鏡することが大事です(画像/MWS)。








2020年5月10日












まじめな筆者は相変わらず部屋から出ない生活を続けていますが,困ったことに約2kgほど太ってしまいました。ので,少しでも運動と,研ぎ運動を続けているわけですが,効果はまだ出てきません。。 きょうはまな板を鉋がけして,鉋の刃を研ぎました。まな板はヒノキで,大きなフシがあるので,さすがの鉋刃でも刃が荒れます。大きく荒れると修正に時間がかかるので,ほんのすこしの荒れの段階で研ぎ直してしまいます。

まずはシャプトングリーンでさーっと研いで,次に丸尾山の新大上。これが相性今ひとつだったので新田巣板(と思われるもの)で研いだらばっちりでした。ぴしーっと研げたので裏押しは尾崎のひじょうに硬い砥石に当てて研ぎはおしまい。薄削り用の鉋ではないし,使うときはたいていまな板削りなので,ふつうに鉋がかかればOKにしています。

研ぎができれば包丁だけでなく,工具の類いも手入れできるようになるので,外出自粛期間に技術を身につけられるのもよろしいかと思います。鉋はもちろん,小刀,彫刻刀,ドライバー,たがね,ハサミ,カッター,カミソリ,針,ペンチ,ニッパーなど,研ぎ直せばより良い状態になる工具はたくさんあります。

包丁がよく切れるようになれば,切り方が自由自在になるので,料理も楽しくなりますし,食べやすいものができるようになります。たとえばきょうの画像のように,ソーセージ(鎌倉ハム)を千切りにして,ニラ(北海道ならギョウジャニンニク)と炒めればお互いよくなじんで食べやすいものができます。切れる,ということは発想に良い影響を及ぼすように思います。

ドライバーを研いで調整できれば,マイナスネジをなめてしまうこともなくなります。切れなくなったはずのカッターはじつは研ぎ直しできるので,刃を折らなくても長いこと使えます。釣り針もじつは研ぐことができるので,アルカンサス砥石などで研ぎ上げればじつにするどくできて,魚のかかりもよくなります。

…というように,研ぎの世界の向こうには,明るい未来が広がっているのです。ちょっと大げさかもしれませんが…(画像/MWS)。








2020年5月9日










修復研ぎを施した小出刃をみていたら,むらむらと裏を掘りたくなり,やってしまいました。。刃裏はハガネでできているので掘るのは大変です。が,道具は見た目も大事です。使うたびに裏がつぶれた小出刃にストレスを感じるようではいけません。ので,見た目重視で裏をすきなおしました。

まず裏刃にテープを貼り付けて保護します。峰側も平面を出す部分ですのでテープで保護します(1枚目)。そうしたら電動のリューターにサンドペーパードラムを装着したもので削っていきます。裏押ししたときに当たらない程度に凹んでいればよいので,軽い力で表面を削るようにして凹面を作っていきます(2枚目)。リューターは点でしか研げないので,全体をむらなく削るには時間がかかりますが,それでも手研ぎでやることを考えれば遙かに早いです。

だいたいの形ができれば,次は耐水ペーパーで水研ぎです。#400,#600,#800,#1000,#2000程度で磨いてなめらかにします(3枚目)。リューターの研磨痕や腐食痕が残っているので鏡面仕上げは目指しません。だいたいなだらかになっていてよごれが着きにくければOKです。

ペーパー仕上げが終わればテープをはがして水洗いして,超仕上げの砥石で裏押ししてみます。裏すきが当たらなければOK。

という工程を経て裏のすき直しはおしまい。本当は出刃でも刃裏は糸刃かそれにちかい細さが好ましいのですが,そこまでの修復は困難極まるのでこれでヨシとします。見た目もすこしはまともになり,裏押しもしやすくなって,目的は達成です。ついでに運動不足の解消にもすこしはなりました。60〜90年前の小出刃は,たぶん現在が包丁本来の形と機能を取り戻したのではと思っています(画像/MWS)。








2020年5月8日






先月,オススメの砥石として『刃の黒幕』を紹介しましたが,一つ,注意点を書くのを忘れていました。『刃の黒幕』は砥石台になるパッケージに入っていて,パッケージの上に砥石をのせて水をかけただけで研げる優れものです。しかし問題が一つあって,ほかの砥石でも同じことですが,砥石を最後まで使い切ることがむずかしいのです。

刃の黒幕はけっこう硬く締まった砥石ですが,それでも厚みが5mmを切ると研いでいて割れてしまう可能性が高くなります。かといって,5mmの厚みは1/3に相当しますので,ここで捨てれば購入金の1/3を捨てることになります。そんなことは許されません。

また,筆者のように時々くるったようにヘビーに研ぐ人は,シャプトンオレンジなど,けっこう早く使い切ってしまいます。筆者の最高記録はシャプトンの白(荒砥)を一本の大出刃修正で使い切ってしまったことがあります。たった数日の出来事でした。

ので,最後まで砥石が使い切れることが大事になってきます。解決案はいろいろあります。一つは砥石台を作り接着する方法。適当な木で台を作りボンドで固定すればOK。木は水を吸うと伸びるので砥石が割れてしまうこともあるので注意が必要ですが,使い切ることができるでしょう。

もう一つの解決法は『刃の黒幕』二枚を接着する方法。薄くて足りなくなったら継ぎ足せばいいのです。そしてもう一つの方法は,シャプトンのM5シリーズを購入して(こちら),これの裏側に接着する方法。M5シリーズはセラミックの土台に研磨粒子がついていますので,土台側に『刃の黒幕』を接着すれば安定して最後まで使えます。

きょうの画像はシャプトンのM5に接着した『刃の黒幕・オレンジ』と,これから接着予定の『刃の黒幕・ブルーとグリーン』です。ちょっとした小技ですが,とても使いよくなりますので全国406人の研ぎファンの参考になりましたら幸いです(画像/MWS)。








2020年5月7日






先日はストレス解消に『研ぎ』をオススメしたわけですが,これはほんとうにストレス解消によろしいのです。筆者は在宅の日々が続き運動不足により太ってしまいましたので,運動不足解消+ストレス発散をかねて,きょうは小出刃を一本修復しました。

この小出刃,10年ほど前に親戚のところから回収してきたものです。おそらく,60年前から90年前と推測される,昭和の小出刃です。入手したときは,素人のひどい研ぎが施されており,裏側からも立てて研いであり,片刃の和包丁のはずが両刃になっていました。しかも刃がねじれており,どう裏押ししても平面が出ません。さらには刃元のハガネにに大きな腐食があり何カ所も穴があいていました。

これでは和包丁としてまったく使い物にならないので,鉋と同じように,金槌でたたいて裏出しして,裏押しして平面を出そうとしました。そしたらハガネを盛大に凹ませてしまい,巨大なエクボを何カ所も作ってしまいました。現在市販の出刃ならこんなにやわなことはないのですが,読みが甘かったのです。それでどうしようもなくなってしまい,10年間保管されたのでした。

ところがきょう眺めてみると何とかなるような気がします。これが本当にふしぎなのですが,顕微鏡修理でも研ぎでも,急に,「何とかなりそう」と思う瞬間がやってくるのです。

盛大に凹ませてしまったエクボを反対側から叩いて膨らませて,刃裏は裏すきがなくなる寸前まで研ぎつぶせば平面を出すことができ,そうすれば腐食の穴ぼこも削り取ることができ,刃付けができそうに思えました。裏さえ平面が出れば,表側はどうにでもなります。これが和包丁の特徴です。

さてさっそく紫檀の板に小出刃をのせて金槌でがんがん叩きます。ダメ元なので遠慮は不要。大きな傷がついてもよいので力任せに叩きます。そのあとに#180程度の荒砥石で裏を削り,平面が出そうかどうか様子を見ます。何とかなりそうなので,#400くらいのGC粉末をばらまいた中荒の砥石でがんがん裏を減らします。ものすごい重労働です。

刃裏の刃線が刃元から切っ先までつながったように見えたら,シャプトンオレンジ(#1000)にのせて裏研ぎして,次にシャプトングリーン(#2000)にのせて,次にスエヒロの#3000ののせて裏押しします。この過程で中荒の砥石で研いだ欠陥が判明するので,その判明内容に応じて,シャプトンオレンジに戻って修正研ぎを行います。このときに無理に仕上げ砥石で裏を作っても無駄な努力です。中砥に戻り時間をかけてていねいに平面を出さないと,そのあとの仕上げ砥石はきちんとかかりません。広い平面を研ぐときの急所です。

修正研ぎができれば,あとは#2000,#3000で裏を仕上げて,こんどはおもてにかかります。まず平の部分を耐水ペーパーとカマボコ板で磨きます。#400,#600,#800,#1000と段階的に番手をあげていきます。大きな傷やサビがとれたら,切刃の研ぎに入ります。刃線もしのぎも切刃もめちゃくちゃになっているので,まずは#400程度から,切刃の中央を研ぎながらしのぎのラインを作っていきます。

素人研ぎはたいていが『丸っ刃』とも呼ばれる,手が決まっていない切刃になっています。ので,切刃の肉厚の部分の肉を削り取るような研ぎになります。包丁をぴったりと押さえて,指で押しているどの部分が砥石に当たっているかを感じつつ,肉厚な部分を研削してなめらかな平面にちかい局面を作っていきます。シャプトンオレンジを使います。

肉抜きが終われば,しのぎを決めます。素人研ぎではしのぎは潰れていて不明瞭なことがほとんどです。ので,平を磨いてしのぎを出し,切刃を研いでしのぎのラインを決めるのです。このとき,しのぎのライン刃線との関係で決まりますので,ここで決めたしのぎは,最終的には修正が必要になります。

しのぎを決めたら,こんどは刃線を決めます。素人研ぎで型崩れした包丁は刃線が崩れていて,しかも蛤刃を通り越して鈍角になっています。ので,修正研ぎは大変です。今回の包丁では,刃元数センチがほとんど立てて研いであり,ここのハガネの肉を落とすのに多大な労力を使いました。筆者の手をしても40分ちかくかかったので,これは大変な作業です。。

刃線が決まったら,こんどは刃線にあわせて,切刃を研いでいき,全体をならしていって,しのぎをたてて,表の研ぎの基本的な形ができあがります。形ができれば,#2000,#3000と研いで,切刃をととのえます。このとき刃線まできれいにととのえます。ここで表の研ぎは一段落です。

次に何をするかというと,砥石の面だしです。使った砥石を全部,適当な砥石をすりあわせて平面を出します。筆者の場合は,シャプトンの砥石は『大村砥』で平面出しをしています。この組み合わせは絶妙で,素早く平面出しができます。砥石の平面出しは「三面法」という方法で行いますが,大村砥は両面に面だししてありますので,砥石2本で三面法ができます。実際には,三面法で平面がでたものどうしを摺り合わせて,n面法で平面確認しています。

高精度な平面が出たことが確認できたら,#3000で裏押しします。中荒〜シャプトン〜#3000の表研ぎで出た巨大なカエリは簡単にはとれませんが無視します。無理してとってはいけません。裏押しの精度が確認できたら,こんどは表を研ぎ,特に刃先に力を込めて研ぎます。そして再び裏押しします。これを繰り返します。いつかは自然にカエリがとれます。

カエリがとれたら仕上げ研ぎです。スエヒロの化学仕上砥石#8000で表,裏を研いで,水洗いして,柄洗いして拭いて乾燥し,新聞紙などを使って刃先の微細なカエリを取り除きます。このとき,必ず刃が食い込む方向と逆方向に刃先を紙面にこすりつけ,カエリをとります。

よく新聞紙などで切れ味を確かめている研ぎ師などがいますが,あれはやり過ぎると刃先を傷めますので,やらない方が無難です。新聞紙やフリーペーパーなどの雑用紙には微細な粘土鉱物が混ぜてある場合があり,これが刃先の摩耗につながります。

…という過程を経て研ぎ上げた小出刃がきょうの画像。まだ,形をつくった,という段階なのでアラはいろいろありますがご容赦を。まず復活は不可能な状態から仕上げられただけでも上等です。画像2枚目は裏刃の状態ですが,本ページをごらんの全国405人の研ぎファンが見れば,これがどれほどの重労働だったかお分かりと思います…。

本当は出刃でも糸裏がのぞましいのです。でもそれは『研ぎ』の立場の問題です。とても深い裏すきで糸裏が出る出刃というのは明治時代にはありました。いまでもどこかにあるでしょう。これはホントに研ぎやすくよく切れて優れたものでした。

でも,ベタ裏でも研ぎ技術を持っていてきちんと完全な刃付けができるのであれば,出刃包丁としての機能は裏すきありのものと比較しても変わりません。きょうの画像の包丁は表も裏も,プロ用の良品と比較すれば見た目はひどいものですが,魚をおろせばそんなに違いはないでしょう。

ということで,昭和前期?の包丁をよみがえらせることができました。研いでいて気づいたのは,ハガネの違いです。ここ15年で研いだいろんな出刃の中でも,かなり研磨抵抗性のあるハガネです。砥石当たりは硬いです。白1じゃないの?と思うくらいです。が,粘りがあります。白1の粘りとは違う気もします。ただ,所有者が包丁を火であぶったりしていないとも限りませんので,研いだ感触は鋼材そのものを反映していないかもしれません(画像/MWS)。



*1 もしどーしても裏すきがほしければ,掘ればいいのです。やったことあります,柳刃で(笑)。膨大な労力を要しました…。で,その結果わかったことは,裏すきを掘る労力よりはゴマカシ研ぎで切れ味を出した方がはるかに実用的だということでした。片刃でないと魚がおろせないということはありません。片刃の出刃をほんの少し裏を持ち上げてカエリをとればいいのです。




2020年5月6日






きょうの画像1枚目は『五十嵐砥』として売られていた砥石の表面。20年ちかく前に購入したもので,確か「亀印」と書いてあったような記憶があります。何も知らなかった頃に天然砥石がほしいということだけで買ったのです。

この石ころ,ひじょうに硬くて砥泥はほとんど出ず,ステンレスは滑って研ぎにくいですし研磨力も低いです。シャプトン刃の黒幕オレンジと比較すると,研磨時間は10倍はかかるように感じます。長期間研がずに放置されたステンレス包丁をこの砥石で刃付けしようものなら,たぶん一本研ぐのに1時間はかかるかもしれません。とても素人には使いこなせるものではありません。

それで長期間放置されていたのですが10年ほど前から復活しています。五十嵐砥はやや粗い中砥なのですが,#3000クラスの砥石で面だしをすると表面はつるつるになります。とても中砥とは思えないくらいなめらかになります。組織が密で硬い証拠です。

このようにつるつるにした五十嵐砥に,天然の少し粗い仕上げ砥石を名倉代わりに使い砥泥を出します。そしてこの砥泥でシャリシャリと軽い力で包丁を研ぎます。このようにすると,『五十嵐砥』は中仕上げ程度の砥石と同等の働きをするようになりますので,次に仕上げ砥石にスムーズに移行することができます。

このように砥石の特性を考慮して,また刃物に要求される仕上げ精度も考えて,いろいろな使い方ができるのが砥石の面白さです。『五十嵐砥』を買って気づいたことは,筆者が砥石に試されているということでした。技量がなければ道具は役に立たなかったのです(画像/MWS)。








2020年5月5日




たまに共同研究者から研究機材のメンテナンスを頼まれるのですが,この連休がメンテナンス期間でした。昨晩は03時頃まで機材を分解いじりして,よくじつは午後おそく起きて昼食前から顕微鏡いじり,午後もずっとメンテナンス。そして今もメンテナンスといった感じです。古い機材整備はほんとうに時間がかかるので,深夜までの作業を繰り返すことになります。

きょうの画像はそのなかの一つ。HKW8xです。なんと差し込み部分が変形していて接眼スリーブに刺さらないという代物。衝撃品であることは明らかで,分解してみたら1群2枚のはずの眼レンズが分離して転がり出てきました。衝撃品で剥離したものを誰かが修理しようとバルサムを拭き取ったものなのでした。

果たしてこんなものまで修理する必要があるのか? と疑問に思いますが,でも貧乏性の筆者にとっては,ゴミ箱に放り込むまでは大切なレンズ製品です。あきらめません。ということでどうやって芯出しして貼り合わせをして組み込むか,えんえんと考えるのです。治具がない中で正確に行うにはどうするか,うーん難しい…。

簡単な解決法は適切な屈折率のシリコーンオイル密着でしょう。一応は使えるようになります。でも長時間たつとオイルが染み出てくるので,再メンテが必要になってしまいます。のでバルサムがよいのですが,曲率がとても大きなレンズなので貼り合わせは難しいのです…(画像/MWS)。








2020年5月4日




この新型コロナ騒ぎによる緊急事態宣言のさなか,政府からの支援はまだマスク二枚すら届きません。しかし自治体によってはドラッグストアを使いマスクが行き渡るようにしたり,家賃を融資して休業中の個人商店を守る動きも出てきています。

きょうはそんな例を一つ。 こちら をご覧ください。あの明石市長ならきっとやってくれると思い調べてみたら予想通り。これが人々の上に立つものの姿であるべきと思います。この記事を取材した人も,素晴らしい大スクープ記事を書いた誠実な方です。こういった人々が存在してくれる日本は,まだまだ捨てたものではないのかもしれません。

そして大事なことは,このような市長を有権者はちゃんと選んでいるということです。やればできるのです。

きょうの画像はそんな話題とは関係のない筆者の夕飯。オナガダイ刺身にシシャモ(ポン酢,小ネギ),野菜各種,きのこ,海藻,胸肉チリソース,厚揚げ大根昆布の煮物といったところです。自宅から出ない生活が続く中,食事は何よりの楽しみです。ゆっくり時間をかけて作り,よいものをいただくのです(画像/MWS)。








2020年5月3日






注文もしていないのに新鮮なマスクが届きました。20枚も…。中年オッサンの必殺技,「とりあえず真面目に生きる」を実践した結果でしょうか…。

中国人研究者と共同研究している(日本の)大学の先生が光学機材の梱包材として新鮮なマスクを紛れ込ませてくれたのでした。その先生によれば,中国の方々は日本の状況を大変心配していて,何かできることはないかと支援を申し出てくださったとのことです。そして中国からその先生にたくさんのマスクが送られてきたとのことでした。

当室はもともとサージカルマスクの在庫は豊富にあり,新型コロナが問題になってからも,1度もマスクを購入してはいません。ですが,マスクには一応は使用期限もあるので,衛生的に保管していますが古いものよりは新しいものの方がよろしいのはもちろんです。届いた中国製マスクは片方が2/27製造,もう片方が3/26製造のようで,新鮮なのが大変よろしいです。それに,中国のこの手のものの生産工場は最新の設備であることが常なので,マスクも高品質に違いありません。ありがたく頂戴したいと思います。

政府が1世帯に二枚の布マスクを配布するそうですが,こちらにはまだ届いていません。報道によれば,4/1の発表から一ヶ月後の時点で,97%の家庭には届いていないとされています。

この政府マスク,妊婦向けのものから大量の不良品が発覚したり,単にガーゼを折りたたんで片方を留めただけの仕様だったり,漏れ率100%だったりと,いろいろな問題が発覚しています。

この政府マスクは製造元も開示されていません。現政権はいろいろなことを非開示にして隠すことが得意で,今回のマスクも得意技が発揮されました。さすがに政権与党だけあって,やることに筋が通っています。。

あるアンケートでは,この政府マスクを使わないと答えた人がたくさんいたとのことです。また,この予算をほかのことに使えという指摘が相次いだということです。多くの人が望んでいない政策であることを伺わせます。

その一方で,政府支持者はこのマスクがいかに素晴らしいものかをSNSで宣伝し続けています。まだ届いてもいないのに…

筆者は,このマスク配布は政策としては明らかに失敗だったと判定しています。国家が少しでもウイルスから国民を守るために緊急に配布を行ったはずのマスクが,一ヶ月経過してもほぼ何も進展していない(たった3%の配布率)という時点ですべてが終わりです。この時点で何もできていませんし,疫学的に何の予防効果もありませんでした。

経済的に見ても商社と海外メーカーと郵便に金が流れただけで,緊急経済対策にもなっていません。

世の中さまざまな要因がありますので,失敗すること自体は仕方がありません。失敗したら反省して,効果がなかったことを認めて,素早く方向転換することが大事です。今からでもすぐに政府マスクの配布を中止して,残りの予算200億円程度を,感染症治療従事者への一時報奨金として支給するとか,現場の負担が軽くなるように資材投入するとかしていただきたく思います(画像/MWS)。



*1 製造業が弱体化してモノを海外に頼る構造を作り出した根源はプラザ合意にあると筆者は考えています。敗戦国なのでプラザ合意を飲まなければならなかったのかもしれませんが,何の前触れもなくこの合意を飲んで国内産業を壊滅状態にしたのは現政府と同じ政党です。もし過去の反省を踏まえるならば,マスクも輸入に依存せず,国内で製造するように予算を投じる選択もあったのかもしれません。しかし今回は結局,商社と海外メーカーにお金が流れただけです。現政権,ほんとうに経済のことがわかっているのでしょうか…。 そういった中で,社会的な使命を果たそうとマスク製造をはじめたシャープ(株)さんはえらいなぁと感心します。




2020年5月2日










どんなものを食べれば健康が維持できるかは,その気になって調べて実験しないとまずわからないだろうというのが,筆者のながねんの人間観察から得た結論。特に若い頃はムリが効くので何を食べても元気(と本人は思っている)ですし,年取って疲れやすくなったら,老化のせい,と勝手に決めつけて原因追及しない人が多いので,その人に最適な食事にたどり着くのは大変です。かくいう筆者も健康が維持できると確信できる食事内容にたどり着いたのは30代の終わりから40代のはじめにかけてです。それまではわかりませんでした。

きょうは健康が維持できそうな食事の一例。さっき食べた晩ご飯です。メカブしらす,チンキャベツ(焼鮭,しらす,しそ),タマネギわかめ(シソ,ちくわ,シーチキン,かつおぶし,マヨネーズ,しょうゆ),シイタケバター醤油,ひらたけ煮付け,キンメ干物,ホタルイカバター転がし,ご飯,といったところです。

メニューだけみていると理解しにくいので解説すると,野菜,きのこ,海藻,魚介,穀類,といった組み合わせになっています。これがよろしいのです。

きょうのオススメはひらたけ煮付けです。ヒラタケは栽培きのこでもっとも歴史のあるものの一つですが,エノキダケ,ブナシメジ,マイタケに押されて最近は見かけることが少なくなりました。今から40年ほど昔は,きのこといえばシイタケ,エノキダケ,ヒラタケだったのですが。

市販のヒラタケはほぼ100%が栽培品です。栽培品は石突き部分も柔らかく食べられますので,ばっさり切って捨てるともったいないです。そこできょうの画像のように,柄の方から石突きに向かって,表面のおがくずを落とすようにそぎきります。こうすれば歩留まりよく,石突きちかくのところまで食べられます。

調理はかんたんです。フライパンに入れて日本酒,しょうゆを振りかけて蒸し,汁気を飛ばせばできあがりです。火を使うのが面倒なら深鉢に入れて電子レンジでチンしてきのこに火を通し,日本酒,しょうゆを振りかけて汁気がなくなるまで電子レンジで加熱すればOKです。

料理とはいえないくらいシンプルな調理法ですが,ヒラタケのアミノ酸に富む味わいがわかって良いおかずです。濃いめに味付けして炊きたてご飯に混ぜれば,きのこご飯になります。これにたらこを和えてパスタにしても素敵な味わいになるでしょう。

われわれのような中年オッサンには当たり前のメニューというか食材ですが,本ページをごらんになっている30代あるいはそれ以下の若い人のなかには,ひらたけを食べたことのない方もいらっしゃるかと思います。ので,きょうはお節介にも書いてみました(画像/MWS)。








2020年5月1日








東横イン三河安城駅新幹線南口が新型コロナの感染者を受け入れるとの報道がありました(こちら)。これ,実際に受け入れるとなると,検討すべきことが山ほどで大変だと思いますが,東横インさん,えらいなあと感心します。

こちら に示されているように,東横インさんは全国で新型コロナ患者の療養施設として丸ごと一棟貸し出しをしています。素晴らしい社会貢献です。

学会発表等で地方に行くことも多いのですが,ここ15年,筆者は東横インを宿泊先として選んでいます。それまでは地方の安宿を見つけてアットホームな雰囲気を楽しんだものでしたが,15年前に函館,釧路,函館,仙台と連泊する用事があって東横インを使いました。その経験で東横インさんの洗練された無駄のないシステムが気に入って,どこにいっても同じマクラで寝られるということもあって,ほかの宿には泊まらなくなったのでした。

これまで,釧路,苫小牧,函館,一ノ関,山形,仙台(全店),福島,八王子,静岡,三河安城,松阪,京都(たぶん全店),大阪,西条,広島,博多,熊本などを利用しています。ほかにも忘れているところもあるかもしれません。出張先では寝られないのがふつうなので,どこの東横インでもよく寝た思い出はありませんが…(笑)。ポイントもたまって何度も無料宿泊もさせていただきました。

いろいろ泊まったなかで印象に残っているのが東横イン三河安城駅新幹線南口です。東海道線を乗り継いで三河安城で一泊したのですが,ズボンのポケットの糸がほどけてしまい,ちょっとみっともないことになってしまいました。裁縫セットは出張セットのなかに入っているのですが,あわてたせいか,持ってこなかったと勘違いしてしまい,フロントのお姉さんに相談しましたところ,きょうの画像のような可愛い裁縫セットを貸してもらえたのでした。

ここのフロントさんは真のプロの対応力で,どこが良いかというと,東横インを使い慣れている客を瞬時に判別し,チェックイン時に最小限の案内だけを行い,あとはニッコリ(おわかりですよね〜光線を発射)と「ごゆっくりどうぞ〜」という感じなのです。東横インに何十回と宿泊している客にとっては,特記事項以外の説明は不要なはずで,お互いの時間と労力を無駄にしないじつに優れた対応と喜んだのでした。

宿泊後のアンケートメールにも,そのことを喜んで記入したら,フロントさんからご丁寧な挨拶が帰ってきました。ちょっとした心温まる出来事でした。

あのときのお姉さん方も,今回の騒動でまた真のプロの対応力を発揮して,この難局を乗り切ってくれるでしょう。くだらないウイルスに感染するなよーと,中年オッサンは東横イン三河安城駅新幹線南口のスタッフの皆さんの安全を願うのです(画像/MWS)。









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