本日の画像
ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します
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お知らせ
仕事が飽和しているため,納品等が遅れております。現在のところ解消の目処はたっておりません。すみませんが,短納期のご希望には添えないことがありますことをご承知下さい。
2019年3月31日
30日は都内某所で顕微鏡の午後でした。主な作業は金属顕微鏡のメンテナンスで,対物レンズ各種清拭,スライダー清掃,接眼レンズ清拭,投光管メンテナンス,コレクタレンズのお掃除,ハーフミラーのカビ取り,偏光フィルターのカビ取り,投影レンズの清拭,鏡基の各部点検,動作試験,各種検鏡法のデモなどでした。メンテナンスが終わる頃からワインやつまみが並び,顕微鏡いじり・談義をしながら春の午後も暮れゆくのでした。本当に久しぶりに時間を忘れるような楽しい時間で3月最後の土曜日を過ごすことができました。リフレッシュして4月を迎えられそうです(画像/MWS)。
2019年3月30日
深夜に酒をのみながらうだうだしていたら,面白いサイトを見つけました。なるほどこれは客観的にボキャブラリを判定できるなと思いました。設問数が少なすぎるのがちょっとアレですが,これに社会科学用語や科学技術用語なども加えて問題を増やせば面白いと思いました。
きょうの画像は筆者がトライしてみた結果。1回目での結果です。2回目はやっていません。やってみればわかりますが,設問はとても簡単で,あまりの低い点数に愕然としていますが,まぁこれが現実なので恥をさらします。おそらく,個人事業主の蛸壺で生きている筆者よりも,組織で活躍しておられる読者の方々の方が,高得点を得られると思います。こちら でチャレンジできますので,興味のある方はトライしてみるのも面白いかもしれません…。うー,どこ間違えたのかわからないー(画像/MWS)。
(追記) カミさんに試したもらった結果が こちら。十分予想されたこととはいえ,負けたショックは大きく激しく打ちひしがれています(^^; ま,筆者の語彙力などしょせんそんなものです。珪藻をきれいなバックグラウンドで並べる能力は上位0.000001%くらいに入ると思いますが…
2019年3月29日
当サイトからもリンクしている『気分は き・の・こ』の管理人さんから連絡があり,今月いっぱいでサイトを閉じるとのこと。3月はいろいろなものが終了したり卒業したりするシーズンですが,国内有数のきのこ系サイトもまた一つ,終了ということです。このサイトの管理人さんとは当サービス開業前からのお付き合いがあって,長いこと大変お世話になっております。顕微鏡の腕前はトップレベルで,珪藻の高解像画像も公開されておられます。サイトが閉じる前に皆さんも,もう一度ご覧になってはいかがでしょうか(画像/MWS)。
2019年3月28日
27日は業務打ち合わせでした。当初は電子データのやりとり+宅急便などと話をしていましたが,よく考えれば徒歩でも時間のかからない距離の取引先。先方さんがそれに気づいて呼び出しをかけてくれたので,取引先の会社まで出向きました。パソコンでやりとりしていたら膨大な無駄な時間が発生するところでした。助かりました…。
この仕事,昨年10月から始まった一大プロジェクトでしたが,無事に契約書も交わすことができ個人事業主としては一安心したいところ。打ち合わせは各種の最終確認だったのですが,まだ気を抜けませんね。何しろ筆者の人生はものごとが順調に進んでいたときは最後に大どんでん返しが待っていて全てが破壊されるというパターンが珍しくもなかったので。。
そんなこんなで,都内から脱出できない日々を続けてきたような気がします。自然のなかでの息抜きが決定的に足りていないことは明らかで,そろそろ外での仕事を増やしたいと思う今日このごろなのです(画像/MWS)。
2019年3月27日
HPVワクチンに関する名誉毀損裁判で原告側勝訴の判決が出た(こちら)。筆者はHPVワクチン問題についてはこの5年ほど追跡していて,この裁判にもどのような判決が出るのか興味がありました。というのも,HPVワクチン問題では,SNSなどのwebで表層的に流れている情報から受ける印象と,掘り下げて調べたときの印象がまるで異なるからです。こういった問題に対してどういった判断が下るのか興味があったわけです。
きょうは,掘り下げると出てくる情報を示して,本ページ読者の判断材料と致します。
リンク1
リンク2
リンク3
リンク4
リンク5
関心のある方は参考にして頂ければ幸いです(画像/MWS)。
2019年3月26日
ミドリゾウリムシがどかんと写っているとすっきりとした視野の感じに見えるけれども,実際の視野はこんな感じ…です。こんなゴチャゴチャした感じの眺めは賑やかで好みでもありますが,本ページに掲載するときにコメントに困ります(笑)。各種藻類とバクテリアの詰め合わせセット,とでも表現しておけばいいでしょうか。
ところで,昨日掲載したミドリゾウリムシのようなゾウリムシ系を撮影するには粘性のある溶液中を泳がせて動作がのろくなったところを狙うのが定番で,通常の水封入でもぎりぎりまで水を少なくして押しつぶし気味にして撮影するのがふつうです。そのようにしないと,あまりの高速の動きで撮影が困難なのです。つぶされた個体はゾウリのように薄っぺらくみえるのでゾウリムシという名前がついたのだろうけれども,水たっぷりで封入するとゾウリという感じはしません。もっと厚みがあります。
で,昨日掲載した個体は,押しつぶすほどには水を減らしていない状態で,自由に動き回る個体を高速シャッターで撮影したものです。画面で捕らえられている時間は1秒くらい。しつこく追い回せば何とかなるものです。ピントは置きピンです。押しつぶしたゾウリムシの感じとは違って,厚みのある感じが残っていて,繊毛の様子も高速運動中のカールしたようなところが写っています(画像/MWS)。
2019年3月25日(2)
ミドリゾウリムシ,透過明視野中央絞り絞り込み。対物NA=1.2,コンデンサNA=0.4,Nikon1J5,ISO400,1/1000〜1/1250秒。ホワイトバランスプリセット,ピクチャーコントロールLS風景,各種画像処理による画像(画像/MWS)。
2019年3月25日
24日は日本プランクトン学会シンポジウムへの出席でした。共生をテーマに扱ったシンポジウムで多様な分類群の事例が第一線の方々により報告され,じつに勉強になりました。筆者も生サンプルの検鏡で,珪藻に取り付くアメーバや原生生物を見る機会が多いのですが,それらについても研究例が報告され,時折みていたものの正体が解明されつつあることをうれしく思いました。
画像はそんな話題とはほとんど関係のない工事現場。『高輪ゲートウエイ』などという下品きわまりない名前がつけれらると噂されている,新駅工事の様子です(画像/MWS)。
2019年3月24日
閉店三日後の九州らーめん桜島の様子。すでに店内は改装工事が入っています。日本国内でも最高レベルのコストパフォーマンスと,最高レベルの安心できる優しい味を両立した超優良店舗でしたが,55年の歴史に幕を下ろしました。あのおいしいギョウザもみそわかめの味も,夢の中でしか味わうことはできなくなりました。
閉店の理由は明らかにされていません。ので,想像するよりほかはないのですが,こういった赤字でもない優良店舗が突然店じまいをする場合は,賃貸契約の更新で切られる場合が多いように見受けられます。九州らーめん桜島の店舗は,京王八王子駅前と,東町の甲州街道近くの非常によい立地なので,オーナーのところには,コンビニエンスストアやドラッグストアなどから良い条件を提示されることもしばしばでしょう。あとはオーナーの意向で物事が決まるのでしょう。
筆者の予想では,跡地はコンビニエンスストアになるような気がします。多くの人を魅了してきたラーメン屋がつぶれ,あってもなくても構わないコンビニになってしまうとすれば,こんなに残念なことはないのですけれども,実際はそのようなことが全国各地で起きており,世の中がますますつまらなくなっていくのです(画像/MWS)。
2019年3月23日
なんと全く予期せぬ方向から『のらぼう』が入荷しました。都心では桜がそろそろという感じなので,日射の多い温暖な畑であれば時期的にはぴったりなのですが,五日市〜あきる野方面の本場の産地ではあと数日後くらいのはずで,突然の入荷に驚きました。埼玉県産で自家栽培品の朝摘みなのだそうです。すばらしい。
入荷は21時頃でしたが,そのまま冷蔵庫に放り込んではいけません。自家菜園のものを朝とってくれたのですから,その配慮に感謝して,直ちに湯通しです(2分20秒)。野菜のおいしさは,特に葉物がそうですが,鮮度が命です。一刻を争うのです。そうして夕飯後にもかかわらず,のらぼうで熱燗を一杯やらせていただきました。初物で花芽が伸びたばかりのもので,雑味がなくあっさりしてまことに佳品でした。
中年オヤジの必殺技,「いつまでも忘れない」を発動すると,こうやって天から恵みが降ってくることもあるのです。恵んでくれた方には感謝感謝です。これで今年もまずは『のらぼう』を食することができました(画像/MWS)。
2019年3月22日
21日は廃棄パソコン機材のチェック。パソコンの廃棄は,HDDの中身をチェックしなくてはいけないので,物凄く面倒で先送りにしていました。しかし限界がきて重い腰をあげました。立ち上がらないパソコンからはHDDを外し,まだ動くPCからはデータの確認と消去を行います。消去といっても上書きではないので気休めですけれども,上書きしている時間はないので仕方ありません。
きょうの画像はその過程でサルベージできたむかしの画像。ニコンクールピクスE990で撮影したハンミョウ。初めて買ったニコンのデジタルカメラですが,これのマクロが面白いように写るので,よく出歩いて撮影していました。ハンミョウは八王子西部ではふつうに見られるので,雨上がりの林道をあるいて追いかけ,激写したのでした。あれから19年ちかく経ちましたが,これ以上のハンミョウ画像はまだ撮影できていません…。写真は機材の善し悪しとはあまり関係ないことの好例かもしれません(画像/MWS)。
2019年3月21日
顕微鏡をどうやって維持あるいは更新していくかというのはじつに悩ましい問題です。当室の主力機材はニコン製品で統一していて,オプチフォト(X),フルオフォト,バイオフォト(V),ダイアフォト(TMD),SFR-Ke,SMZ-800,携帯顕微鏡H型などです。ほかにも無限遠補正系の鏡基や,LFR-Ke,バイオフォトの予備機などもあります。これらの機材は全て生産終了していて,修理サポート期間も終了しています。壊れれば自分で修理するか,修理してくれる専門家に依頼することになります。
現在のところは有り難いことに,これらの旧型機は故障頻度も少なく,またバックアップ部品も揃えていることもあって,この10年,何とか乗り切ってきました。これからも大切に使っていきたいと思います。
ニコンのwebサイトには,これらの旧型機種と現行機種の対応表が載っていて親切です(こちら)。「バイオフォト」「マイクロフォト」などの懐かしい名前を,現在もニコンのサイトで見ることができるなんて素敵です。さすがにS型,L型は見かけませんが…。
きょうの画像は歴代のレンズを並べてみたもの。どのレンズも状態がよく外観はきれいです。しかし左のショートバレルは50年ものに近いレンズですし,その隣のCF PlanApoも40年ものに近いです。NCF PlanApoは30年ものですし,CFI60のPlan Apoでも20年を経過しています。顕微鏡の税法上の耐用年数は8年なので,その観点からすれば,すでにどれも耐用年数を大幅に過ぎたものとなります。製造打ち切り後に耐用年数の時間が経過すれば,メーカーさんはメンテナンスに応じる義務はなくなるでしょう。
そういうわけなので,今後も末永く使えそうな機材を選びながら,それらをできるだけ長持ちするように大事に使うという方針で今のところはやっています(画像/MWS)。
2019年3月20日
価格を表に出さないという顕微鏡業界の不思議を先日書いたところですが,ほかにも謎があって,顕微鏡システムの全容を知ろうと思うなら,カタログでは役立たずで,価格表を読まなくてはいけないのです。たとえば,対物レンズのフルスペックが記載された資料で,ユーザーが入手可能なものは価格表だけだったのです。そしてその価格表もアマチュアが気軽に入手できる状態にないのです。
価格表には顕微鏡機種ごとにシステムの組み合わせが載っていますから,その顕微鏡で使用可能な機材はわかりますし,ほかとの共通機材も見つけられます。DICプリズムの組み合わせなどは複雑なのですが価格表にはちゃんと書いてあります。撮影システムの組み合わせなどについても同様で,鏡筒に何を接続すればいいのかダイヤグラムが書いてあります。対物レンズについても,液浸の有無/開口数/WD/カバーガラスの厚さ/補正環の有無/安全装置/DIC適合性/各コントラスト法への適用などが一覧表形式で書かれていて,これを見ないと対物レンズを選ぶことはできません。
こういった,購入に当たって基本的な情報を表に出さずにいるというのは,何か広く知られたらまずい情報が載っているということでしょうか? まったく理解できません。
きょうの画像はいろいろな価格表。ふるいものは1977年などというものもあります。この時代の価格表にはS型やアポフォト,レクチファイヤなどの情報まで記載されているので貴重です。それ以降のものも,歴代機種のシステム構成がわかりますので,捨てることができません。今でも,過去の価格表をひっくりかえして部品の組み合わせなどを確認することもしばしばです。ということで,皆さんも,できるだけ価格表を入手して,顕微鏡の知識を深めましょうというお話でした(画像/MWS)。
*1 対物レンズについては,ようやく最近になって,フルスペックが記載されたカタログが自由にダウンロードできるようになりましたが,しかし最も重要な情報の,「価格」については記載がありません。NA=0.5の10倍のグリセリン浸の補正環付きのプランアポの価格が知りたくても書いてありません。プランアポの10倍だし,液浸だから多少高価だろうけれども,まぁ30万円くらいかな?などと予想すると真実を知ったときに落胆することになります(税込み1188000円)。
2019年3月19日
これは某メーカーのランプハウスを用いたときの対物レンズB.F.P.の様子。顕微鏡の照明状態は,物体を観察状態にして正確にピントを合わせ,コンデンサを正しく操作してから,接眼レンズを抜いて筒の中を覗けばわかります。詳細に見たければ心出し望遠鏡を使ってもよろしいです。で,そうやって見てみると,フィラメントが並んで2つ見えます。恐るべき設計ですね…。
このようにするには軸外しでフィラメントを配置してバックミラーでフィラメント像を並べなければなりません。事実,そのようになっています。プリセンタなのでランプの軸出しはできませんし,バックミラーの軸出しやフォーカス調整もできません。指定のランプを挿せば,長方形のフィラメントが2個並んで,正方形に近くなり,均一に対物レンズB.F.P.を覆うようになっているのです。フィラメントの隙間が暗くなりますが,薄い拡散板を入れることで平均化しています。
昔の高級機では,収差補正の優れた大開口数のコレクタレンズとバックミラーの組み合わせで,小さなフィラメントのハロゲンランプでも対物レンズB.F.P.をきちんと覆うことができるものが製作されていました。この場合のバックミラーは,フィラメントにフィラメント像を重ねて使い,わずかにずらすことでフィラメントの隙間を埋められたのです。その機種ではひじょうに良好な照明ができました。
それが現代のランプハウスでは,そこそこの性能のコレクタレンズを使い,フォーカス機構を省略し,心出しも省略し,フィラメントの隙間の問題も拡散板でごまかして,その代わりに軸外しで光源面積を増やして,照野を確保し,同じ光学性能を確保しようとしたものとなっています。設計した人は頭をひねったことと思います。心出し技術のない顕微鏡使用者が照明をいじって性能を低下させるくらいなら,どこもいじれないようにして性能が出るような設計にしてしまえ,という技術者の叫びが聞こえてくるようです。
このランプハウス,新品なら理想的な性能が出そうな気がしますが,時間の経過とともにバックミラーが曇ってきたときに問題が発生するように思います。並んだフィラメントの片方が暗くなるからです。定期的なメンテナンスは欠かさない方がよさそうですね(画像/MWS)。
2019年3月18日
ハロゲン光源で撮影していて悩むことは,高速シャッターでフリッカーが出ること。1980年代辺りの顕微鏡はほとんどのものが交流点灯のようで,フィラメントの熱容量である程度は平均化されているにしても,ある周波数で輝度が脈動しているのです。このことはビデオエンハンスをやると一目瞭然で,どのくらい一目瞭然なのかというと,「使い物にならない」くらいなのです。
当然,デジタルカメラで撮影しても,ある条件下ではムラが出てしまい,画像処理をすればそれが強調されることになります。じつに有り難くない現象で,筆者が好んでLEDを使う理由もここにあります。LEDは適切なドライバを組めば,明るさの変動が0.1%以内にすることも可能で,ある種の不安定なパワーLED(590nmの素子など)を除けば,ビデオエンハンスも全く問題ありません。
しかしながら,印刷用の撮影などでどうしても演色性が重要な場合はハロゲン光源を使わざるを得ません。ちらつきをごまかすために低速シャッターで撮ればいいのですが,そうすると,鞭毛藻のべん毛は止められないし,繊毛虫の動きも止まりません。じつによろしくないのです。こうなると,直流安定化電源を買うしかないのか? あるいは出力平滑化素子を組み込むか?と考えてしまいます。ほんと,顕微鏡イメージングというのは,次から次へと課題が生じるものですねぇ(画像/MWS)。
*1 単に電源周波数だけの問題でなく電源電圧の変動の場合もあります。むかし機材を地方に送って顕微鏡のデモをやったときに,いつもの顕微鏡デスクでは問題なく動作したのに,その地方の部屋ではランプが大暴れして使い物にならなかったことがあります。不規則な変化でしたので原因は電源電圧の変動と推測できました。大電力を喰う機器がたくさん設置されていた研究所でしたので,それらの動作で電圧が変動していたようでした。
2019年3月17日
買い物に出掛けようと自転車のタイヤに空気を入れていたところ,なんとなく雲行きが怪しい。これはダメだと部屋に戻るなり本格降雨。やれやれという気分でしたが,外はすぐに明るくなりました。雨が降っているのに明るくなるときは,どこかに虹が出ている可能性が高いので反射的にカメラをもって飛び出します。そうやってゲットしたのがきょうの画像。虹は意外に狭い画角なので,300mmレンズくらいがあるとよろしい。本ページではときどき虹の画像を掲載してきましたが,ここのところ不作で間があきました。そこに大物が出現したわけで買い物を妨害された雨にうれしくなったのでした(画像/MWS)。
2019年3月16日
デジタル時代に突入してからいろいろな画像処理が可能になりました。画像処理技術を駆使できる人なら,フィルム時代では考えられないほどに可能性が広がったのです。たとえば,倍率色収差補正のできるソフトウエアはカメラメーカーさんが提供していますし。手動でもがんばればできないことはありません。軸上色収差補正は素子上で各色のピントのそろった絵がないと修正は困難ですが,逆に見ればそれが用意できれば,軸上色収差の残存したレンズでもそれを画像処理で消すことが可能なわけで,アクロマートで撮影しても色ズレのない絵を作ることもできます。
こういったことを念頭におけば,顕微鏡対物レンズを正しくないとされる使い方で撮影し,正しくない収差の残存した画像を得て,それを画像処理で補って「正しい」絵に持ち込むとう高等テクニックを使うこともできます。きょうの画像がその下手くそな一例で,ライツの有限系(TL=160mm)25倍のフルオール水浸対物レンズをニコン・オプチフォトDICに装着し,直接焦点法で撮影したもの。ライツのこの頃のレンズはコンペンですから直接焦点法では倍率色収差が残存するわけですが,それを画像処理で軽減しています。
きちんと追い込んでまともな絵ができるとわかれば,これまで「使えない」と思っていたレンズが「使えるもの」に昇格するわけで,画像処理を学ぶ意義は大きいと言わざるを得ません。
ところで,15日は業務打ち合わせでした。ここ数ヶ月続いている仕事の最終段階で,納品はほぼ完了し,あとは事務処理・実務処理が進むことを祈るばかりです。今回納品した画像データにはもちろん,様々な画像処理テクニックを駆使して仕上げたものも含まれています。残存収差を画像処理で補正したものや,レンズの残存収差を見抜いて撮影に反映させたものなどいろいろあります。それら画像処理によってより洗練された高い品質の画像を納品できたものと信じています(画像/MWS)。
2019年3月15日
顕微鏡ランプハウスのコネクタというのは機種ごとに形状がバラバラでメーカーによっても違います。同じメーカーさんでも,A機種では使えるのにB機種では使えなかったりと,いい加減にしろよ状態なのです…。それで仕方なくコネクタ(メタルコンセント)を取り替えるわけですが,これがまたえらく面倒なのです。メタルコンセントの規格はじつに多様で品物にたどり着けません。
そんなわけで当室では,ストック部品から探し出して利用することも多いです。バイオフォトのストック部品がたくさん転がっているので,メタルコンセントも付け替えて何とか使えるようにします。出力が12V50Wとか12V100Wなので,問題なく使えます。きょうの画像は付け替え中の様子。顕微鏡をヘビーに使用するにはハンダ付けの技術は必須です。
転がっている電源とランプハウスの活用を考えると,これ以上ランプハウスが増えて,どうにもならなくなったら,家庭用AC100Vのコンセントを採用して統一しようかと悩んでしまいます(画像/MWS)。
2019年3月14日
確定申告も終わったので久しぶりに顕微鏡いじり。日常的に顕微鏡を使っていますが,「いじり」は久しぶりなのです。きょうは照明系の改造に取りかかったところです。25mmφのショートパスとディフューザーが必要になったので,はて? そんなもん持っているかしらとフィルター箱とジャンク箱と未開封素子置き場を眺めてみれば,ちゃんとショートパスとディフューザーが発見されたのでした。覚えてもいないものが発見されるとうれしいですね。
フィルターホルダーにはガラスフィルタは放り込めばいいのだけれども,アセテートなどのフィルムは薄すぎて具合がよろしくありません。それで貼り付けてしまいます。いつでも剥がせるように,例によって両面テープを使います。両面テープの信頼性はかなり高く,10年くらいなら問題なく粘着性を保っています。問題は,接着面にきれいに敷き詰めることが難しいところですが,当サービスにはFontaxがたくさん転がっていますので,左手にSS taxal,右手にNo.3 taxalを持って小さくカットした両面テープの小片を2mmの枠内に敷き詰めることが可能です。
そんなちょっとした工作をして日付をまたぐというのも,なかなかよろしいものです。(画像/MWS)。
2019年3月13日
これは昨年9月11日付けで掲載した渦鞭毛藻です。元画像は同じですが,処理方法を見直して残存収差が最小になるように追い込んでいます。前回の画像はカラー画像としては問題のあるものでしたが,今回の画像はカラー画像としても高いレベルに調整できています。やや大きな画像は こちら に置きますのでじっくりとご参照ください。
こういった例でもわかるように,特に顕微鏡写真では,撮影後の画像処理が重要です。照明ムラの補正,ホワイトバランスの修正,バックの明るさ調整,コントラスト補正,ガンマ補正,アンシャープマスク,軸上色収差補正,倍率色収差補正,深度合成など,さまざまなテクニックがあります。撮影画像を見て必要な画像処理法を直ちに思いつき実行できれば,かなり高い技量をお持ちといえるでしょう。
画像処理ソフトはあまり高機能すぎるとつかいにくいので,筆者は未だにPaintShopPro8.0を使っています。Win7で不安定なのが欠点ですが,ここ15年くらい使っていてとくに不満はありません。むかしPhotshopCSだったかを使ったときには,あまりに高機能すぎて放り出しました。。最近はアドビ税システムになっているので,買う気はありません…(画像/MWS)。
2019年3月12日
■営業等収入 0000000★ア
■給与 なし
■雑 なし
所得金額 給与6 0 ★給与6
所得金額 雑7 0★雑7
所得金額 0000000★営業等1 ★合計9
---
新生命保険料 00000
医療費控除 00000
介護医療保険 00000 (共済掛金払込証明書により確認する)
●生命保険料控除 ★14
国民健康保険料 000000(国民健康保険料口座振替のお知らせ12/20頃により確認する)
社会保険料 000000(社会保険料(国民年金保険料)控除証明書により確認する)
控除証明書は添付書類
●社会保険料控除 ★12
寄付控除 00000
基礎控除 380000★24
合計0000000 ★25
---
■支出内訳
A店 000000
東京都豊島区
B店 000000
東京都千代田区
C店 00000
東京都文京区
D店 00000
東京都台東区
上記以外 000000 領収書 ●仕入原価000000☆.-
---
電池ほか 00000 領収書 ●消耗品費00000☆.-
---
雑 00000 ●雑費00000☆.-
---
減価償却費 ●減価償却費0.-
---
接待費 ●接待費0.-
---
修繕費(レンズ更新等) 00000 振込記録 ●修繕費00000.-
---
サンプリング・出張旅費 00000 ●旅費交通費00000☆.-
---
学会大会参加費 00000 振込記録 ●学会費00000☆.-
---
郵便,
クロネコヤマト 00000 領収書 ●荷造運賃00000☆.-
---
NTT電話(1/10) 年間
さくらネット 振込記録
トシマネット(50%) 振込記録 ●通信費00000☆.-
電気料金(1/4) 年間
水道料金(1/4) 年間
ガス料金(1/10) 年間
●水道光熱費00000☆.-
---
図書雑誌 00000 レシート ●図書費00000☆.-
---
コンサルティング費 00000 振込記録 ●コンサルティング費00000☆
---
地代家賃 000000 振込記録 ●地代家賃000000.-
経費計 ■経費計
----
売上金額 0
家事消費 0
その他の収入 0
製品棚卸D 0
E 0
仕入原価 0
給料賃金 0
外注工賃 0
差引金額 0●A
(経費)
減価償却費 0
貸倒金 0
地代家賃 0
利子割引料 0
租税公課 0
荷造運賃 0
水道光熱費 0
旅費交通費 0
通信費 0
広告宣伝費 0
接待交際費 0
損害保険料 0
修繕費 0
消耗品費 0
福利厚生 0
雑費 0
図書費 0
学会費 0
コンサル費 0
経費計 0●B
所得金額
●A − ●B = 0000000★営業等1
■売上先
A社 0000000
東京都千代田区
B研究所 000000
兵庫県佐用郡
C社 00000
東京都江戸川区
D大学 00000
仙台市青葉区
計 0000000
上記以外の計 0000000
確定申告はとても面倒なのでどうにか効率化できないものかと,5〜6年前から上のようなひな形を作っています。領収書類は,ポケットファイルに項目ごとに振り分けて保管しておきます。たとえば,宅急便の伝票や郵便局の領収証書は同じポケットに,本を買ったら図書費のポケットに,宿泊したら旅費のポケットに領収書を入れるようにします。
計算するときは,経費毎にまとめて,上記の項目を埋めていけばOK。これが全部埋まって,源泉徴収票などの必要書類がそろえば確定申告書に記入する材料はすべてそろったことになります。あとは申告書(白-B)に記入するか,国税庁のサイトで自動計算してプリントアウトするかのどちらかで,申告書と経費内訳書ができあがります。
マイナンバーカードはデジタルカメラで表裏を複写して,画像処理ソフトを用いてコントラストや大きさなどを調整し,グレースケールで原寸大で印刷できるデータにします。これをラベル用紙(A4)に多数印刷して,ハサミでチョキチョキカット。貼り付ければよいだけにしておきます。
個人事業をはじめたばかりの頃は,確定申告書の書き方がよくわからず,かといって税務署に出向いて教えてもらうのも面倒な上に,教えてもらっても理解できるだけの予備知識があるとは思えませんでした。それで少しずつ勉強して今日に至るのですが,困ったことは,一年に一回というタイミングが,絶妙に,昨年の内容,やり方を忘れた頃なのです…。それでとーっても気が重いんですよね。作業の効率化はできたと思いますが,「気の重さ」は大して変わりません(笑)。
でもまあ今年は,多量の還付金が見込まれたので何があっても取り返さないといけません。気合いを入れて乗り切ったのでした(画像/MWS)。
2019年3月11日
昨年夏の気仙沼の様子。年々少しずつ建築物が増加しています。土地はかさ上げされ,また耐震マンションのようなものも増えてきています。海岸線では防潮堤の建設準備が始まっており,あと数年もすれば海岸を歩いても海を見ることができなくなりそうです。震災前と後で世界はすっかり変化してしまいましたが,その変化が良いものでありますようにと願わずにはいられません(画像/MWS)。
2019年3月10日
高輪ゲートウエイと聞くとムカッとする気がするのだけれども,三崎マグロ駅を見てもむかつきはしない。なぜそのような違いが発生するのかというと,普段から乗客第一で輸送というサービスを徹底的に追求している京急には,三崎マグロ駅にも本気を感じるからだろう。
一方,ホームライナーを特急化して実質値上げをして,自由席を廃止して実質値上げをして,車内販売は廃止してサービスを低下させ,人気の北斗星もカシオペアも廃止し,「松本」を東京近郊区間にして途中下車を廃止して,みどりの窓口を廃止してキップすら買いにくくしているJR東日本が高輪ゲートウエイなどという下品な名前をつけて粋がっているのを見ると,この企業の幹部を全て戸塚ヨットスクールに入れて戸塚宏によって相模湾上で「教育」して欲しい気がします(笑)。
同じ鉄道輸送を業務とする会社なのに,ここまで印象が変わるのは本当に不思議なのですが,JRはもともとが国鉄ですから,結局のところは私鉄になりきれていないのかも,という気もします。民営化してトイレがきれいになり,少しはよくなったかと思いきや,ここ10年くらいはサービスが徐々に低下して,国鉄時代よりも不便になったことも出てきた気がします。これからの時代は,鉄道沿線に住むという考えを一歩進めて,まともな私鉄の沿線に住むという選択をしたほうが,良い暮らしができるような気もします (画像/MWS)。
2019年3月9日
東京都文京区内のヒキガエル。3月7日夜21時頃。またカエルか,と思わないで欲しい。ほとんどコンクリートとアスファルトしかない東京都区内,それも文京区で,連続でカエル写真を撮ることがどれほど困難なことか。これは貴重なショットなのですぞ (画像/MWS)。
2019年3月8日
東京都文京区内のヒキガエル。3月6日夜21時頃 (画像/MWS)。
2019年3月7日
先日掲載した山本太郎議員の記事には珍しく少しばかりの反響があって,「おもしろいね」という言葉を頂きました。なかなか堂々としたやりとりで,不明確な部分が鮮明に浮き彫りになるような演説でもあったので,筆者もおもしろいと思いました。
さて,バトルを繰り広げるのは議員さんだけではありません。サイエンスの世界でも,事実をめぐって,きちっとした根拠を持ち出してバトルが繰り広げられることがあります。きょうはそんな一例を紹介してみましょう。世の中を騒がせている宮崎・早野論文についてのお話です。
1 データ不正提供疑惑・計算ミス発覚の個人被曝線量論文。早野教授は研究者として真摯な対応を
2 宮崎早野論文を、「削除はするが問題はない」とした放射線審議会の異常さ
3 黒川名誉教授緊急寄稿。疑惑の被ばく線量論文著者、早野氏による「見解」の嘘と作為を正す
4 疑惑の宮崎早野論文を報じた朝日新聞に看過できない「改ざん」。不誠実な「訂正」は許されない
5 2018年12月6日 伊達市議会 橋一由議員の質問(27分30秒から最後までが特に関連部分)
6 「被曝に関するウソあり」東大名誉教授論文を先輩学者が指摘
この問題はSNSなどでも採り上げられているようですが,そういったメディアで短文で拡散されている情報よりもはるかに深い問題であって,上記リンクくらいは読み込まないと,表面的な誤った情報に振り回されてしまうことになりかねません。上記のリンクはどれも重要なものですが,1番目のものは,論文の抱える本質的な問題点と,論文の著者(早野氏)のもつ個人的なバイアスに触れており重要です。
3番目の黒川先生の寄稿の内容は,一般の方々には少し難しい内容ですが,英文論文を書いたことのある人なら,早野氏の対応が科学者としての作法に沿っていないことは直ちに判断されることと思います。逆にこの寄稿を読んで,早野氏の対応に疑問を抱かない科学者がいたとすれば,ご自身の職業科学者としてのセンスを疑った方がよいでしょう。
5番目の市議会の記録は,宮崎・早野論文の抱える問題点を追求するものです。このやりとりはなかなか見ものですので,お時間のある時に皆様にぜひチェックして頂きたいと思います。個人の被曝線量という高度に管理されなければならない個人情報が伊達市によってどのように扱われたのか,なぜそんな扱いをしたのか,法令に沿って動かなければならない自治体としてはあり得ないことが行われているように見えます。
6番目の記事は黒川氏が論文の問題点の一部を説明したものです。図が込み入っていますが,丁寧に記事を追えば問題点が理解できると思います。ただ,一部だけを説明していて,黒川氏の主張だけを書いているので,それを全体の問題と解釈してはいけません。このことは他の記事についても同じです。部分的に切り取った記事は内容に偏りが生じるので,必ず,全体の一部ということを念頭におくべきかと思います。
先日の山本太郎議員の演説に興味を抱いた方は,こういったバトルもぜひ眺めていただければと思います。科学者のやりとりはデータに基づいての証拠の提示が基本になるので,証拠を隠滅したり記憶を喪失したりという政治的なお笑い劇場とは異なります。いずれは,どちらの言い分がより合理的であったか,決着がつくことと思います。
筆者がここで宮崎・早野論文に関することを採り上げた理由も書いておきます。3.11当時,筆者が原子力関連災害情報を流し続けたことは,ふるくからの読者は覚えておられることと思います。個人的な問題意識として,1988年頃から環境論の勉強を始め,その一環として原子力発電所の問題なども勉強してきましたので,原子力災害については,それまで何も勉強していなかった人よりは,情報を持っていたからです。それで毎日記事を更新しながら,世相をウオッチしていたのですが,そのときに突然あらわれて急激に支持者を獲得していったのが早野氏でした。筆者は早野氏の書き込みをみて,一目でこれはダメだということがわかったので,どこがどうダメなのかを記事にしようと思っていました。ところが早野氏は楽観的なことを書いては都合が悪くなると削除を繰り返し,都合が悪い証拠をどんどん消していくのでまとめるのが馬鹿らしくなり,記事を書くのをあきらめた経緯があります。上で紹介した1番目のリンク先に書かれている,
“全くです.RT @y_mizuno: 九州大学の吉岡斉さんは、原発関連の科学技術政策の専門家なのだけれど、今回の福島原発で冷却できないとメルトダウンの可能性がある、などと言及されるのは理解できないなぁ。…そのコメントをするのであれば、関連分野の専門家を呼ぶべきでしょう。残念。”
これなどももちろん読んでいて,仰天した覚えがあります。(故)吉岡斉さんは1980年代以前から原発関連も詳しく勉強されていて,冷却手段を失った福島タイプのBWRがどうなるかは,当然のようにご存じだったはずです。「はずです」と書いたのは,そんなことは原子力問題を勉強していた人たちには自明のことなので,お互いに確認などするほどのことでもなかったからです。じじつ,筆者は3/11の夜に,複数の知人などには,「水が放射能汚染される可能性が否定できないので,いまのうちに溜めておくように」と連絡しています。そのことを「本日の画像」に書かなかったのは,「危機を煽るな」との批判が飛んでくることが予想されたからです。
つまり早野さんは吉岡さんを批判したことで,自分が完全に無知な素人であることをさらけ出してしまったわけです。それだけならば,よくある恥ずかしい話で済むことですが,この人の場合は都合の悪くなった発言は精査して次々と消し,都合のよいものだけを残して,あたかもそれが「事実」であるかのように振る舞うので,「よくある恥ずかしい話」で済ますことはできず,ある特定の意図をもって政治的な発言をしている,ということになってしまいます。
早野氏の活動の賛否に関しては,いろいろな立場からのお考えがあることと思いますので,筆者が何か申し上げることはありません。素晴らしいと思う人もいるだろうし,そうでないと思う人もいるかもしれません。どう感じるかは個人の問題ですし立場によっても変わるでしょう。
筆者は,自分の発言に責任をとれないような人は,科学者としても政治家としても信用に値しないと思っています。早野氏の振る舞いは,活動家としてはどうかは知りませんが,少なくとも科学者としては不適当なもの,ということは,サイエンスの世界にいたことのある筆者としては自明です。このことが3.11以降ずっと気になっていたのですが,上記のレポートが次々と発表され,筆者と同じような感覚を,業界トップの位置にいる研究者も抱いていたんだなということがわかり,安堵するとともに,引用させて頂き,皆様にも考えて頂こうと思いました。
早野氏への批判を展開している黒川氏の基本的なスタンスは,
今一度「宮崎・早野論文」の誤りを正す――なぜ彼らは私の批判論文に答えようとしないのか――
こちらにインタビュー記事としてまとめられています。あわせてご参照下さい。
(追記3/7) 説明不足な感じがあるので追記。宮崎・早野論文は正当な手続きを経て専門誌に掲載されているので,その時点では科学者の仕事であり,その点にはまったく疑問がありません。その後の対応の作法がおかしく,そこは科学者の作法ではないように見えます。また,事故当時がとくにそうでしたが,次々とおかしなことを投稿しては削除してきた過去の振る舞いも,科学者の作法とは思えないものです。もし,早野氏が,今回の論文の問題点に対して全て明確に回答し,その回答に対する批判者からの質問にも答え,事実が明らかになったなら,それはまさに科学者としての振る舞いであり,論文の内容はさらに信頼できるものになります。
同時に,過去に削除してきた都合の悪い発言なども全てさらけ出し,なぜこのようにしたのか,結果として虚偽を広めることになったことに対する釈明を行い,今後は全ての発言に責任を持ち都合の悪いものも削除しないということを表明するなら,早野氏の科学者としての信頼感は回復するものと思います。そんなに難しいことではないと思うのですが。。
(追記3/9) 本記事をアップしてから新たに2本の情報源が公開されました。
月間 さなるこ新聞デジタル
住民に背を向けたガラスバッジ論文――7つの倫理違反で住民を裏切る論文は政策の根拠となり得ない(岩波 『科学』特別公開)
『さなるこ新聞デジタル』では,論文問題発覚後に行われた早野氏の講演会の様子が記されています。『科学』の記事は論文の問題点について広範に整理されており,特に第三論文に関する重要問題点にも触れており必読かと思います。ぜひお読み頂きたく思います。
(本項は後日加筆する可能性があります)
(画像・文責/MWS)。
2019年3月6日
東京方面ではヒキガエルが出没を始めたという情報を聞きつけたので,コンクリートの池のある公園まで調査。なんとヒキガエルさんが二匹もいるではないですか。どこから出てきたのかはわかりませんが,普段はまったくカエルなど見かけない東京都心でも,どこかにカエルさんは潜んでいて,年に一度,まるで七夕のように遠くから駆けつけ,一夜を過ごし帰って行く。
なぜ水場がわかるのか。水場の匂いがするのかもしれませんが,今年はカエルが駆けつけている日は雨が降っていたのです。匂いは消えてしまいそうな気がします。鳴き声も,ウシガエルみたいに遠くまで聞こえるものでもありませんし,都会の雑音にかき消されてしまいます。オタマジャクシからカエルになって,ちっちゃな体で旅を続けて,その経路を全部覚えているというのも可能性としてはありそうだけれども,信じがたい気もします。生命とは不思議なものですね(画像/MWS)。
2019年3月5日
ある方から,研究用顕微鏡をのせる机はどのようなものがよいのかと質問をいただきました。筆者にとっては考えるまでもないことなので,考えたことがなく,質問を頂いたことによって「なるほど普通の方々にとってはそういったことも考える必要があるのか」と気づかされました。
重要なことは,まず丈夫であること。これは当然ですね。そして,重量物をのせてよい設計になっていること。振動を伝えにくいこと。天板が広いこと。奥行きがあること,硬度,ねばりといった面で耐久性があること,などでしょうか。
当サービスの開業に先立って,顕微鏡デスクなども購入したわけですが,そのときには,「水槽をのせてもOK」という基準でテーブルを探しました。水槽は重量物で,水を入れれば60〜120kgのものもふつうですから,水槽OK=顕微鏡OKと考えてまず大丈夫です。ZEISSのウルトラフォトをお持ちの方はもう少し考えた方がいいかもしれませんが…。
例としてどんな感じのものなら良さそうかというと,たとえば,こちら とか こちら などは設計もしっかりしていて使いやすいと思います。顕微鏡は自動増殖の法則によって,最初は一台だけのつもりだったのに,気が付けば増えています。そして増えたものを同時並行で使用することも珍しくありません。ので,テーブル面積は広い方がいいのです。タモ材は,ウレタン塗装のものを選べば耐久性もよろしいかと思います。
当サービスの顕微鏡デスクは,タモオーダーテーブルで,幅1300mm奥行き750mm高さ710mmで,引き出しは大小2つがついています。脚ふれ止めは必須です。ボルト留めで組み立てるしっかりしたもので,組み立ててから使ってみて,角が手に当たる部分などはすぐに鉋掛けして丸め,やさしい手触りにしています。しばらく経過後にボルトの増し締めをしています。早速のせた顕微鏡はバイオフォトとダイアフォトの二台ですので,たぶん40kg以上はあるものと思いますが,まったく問題ありませんでした。
使用開始から13年を経過しましたが,とってもよい買い物だったなあと思っています。毎日の顕微鏡写真やJシリーズは,この顕微鏡デスクから生み出されているのです(画像/MWS)。
2019年3月4日
ミドリゾウリムシ 細胞分裂過程。対物NA=0.95,コンデンサNA=0.65,微分干渉(画像/MWS)。
2019年3月3日
本ページは良いものを世の中から選び出して紹介してきたわけなのですけれども,たまには,残念なお知らせをしなければならないこともあります。なんと,「九州らーめん桜島」が今月,3月20日に閉店してしまうのです。。。。。。
ここのラーメンを食べたのは小学校六年生が最初だったか。地元のショッパーという広告紙に「ぼくの大好きなみそわかめ」と写真入りの広告が出ていて,子どもがラーメンと一緒に写っていたのです。そのラーメンがあまりにおいしそうに思えたので,母親を説得して連れて行ってもらったのでした。今はなき八王子西武デパートの横にあるお店でした。
高校はこのラーメン屋からほど近いところにあったので,帰りにラーメンを食べて帰宅。そのあとに夕飯を食べる,などということもよくやっていました。大学時代は別の「らあめん御殿」という八王子の別のラーメン店に行くことが増えましたが,「九州らーめん桜島」の優しい味とギョウザのうまさはいつでも頭の片隅にあり,中年期にさしかかってから食べたラーメンは,おそらく90%以上,ここのラーメンでした。
55年もの間,同じ味を供給してくれたことに感謝しなければいけません。お店が永遠に続くことはないことも理解しています。でも,ショックでショックで仕方ありません。このショックがどれくらいのものか,説明する方法がありません。
あまりにも残念なのですけれども,この残念なお知らせを書かないわけにはいきません。本ページの読者の何人かは,「九州ラーメン桜島」に足を運んだと聞いていますし,興味をお持ちだった方々もおられることと思います。閉店前にお知らせする次第です。もし行く機会があるのでしたら,「味噌らーめん+わかめ」と「ギョウザ」をぜひお試し下さいませ。脳が喜ぶ味ではありません。胃腸が喜ぶ味なのです。そこんところを感じて頂ければ(画像/MWS)。
追記:web上には閉店を惜しむ声が次々とアップされているようです。その中に,九州らーめん桜島の閉店は,八王子から高尾山がなくなるくらいショックという声があり,まさにそんな感じだと思いました。
ラーメンショップ「宮城」もなくなり,らあめん御殿もなくなり,九州らーめん桜島もなくなる…。喪失感は大きい。
代わりを探さなくてはいけません…。候補は「みんみんラーメン本店」「壱発ラーメン」「竹の家」なんだけれども,これらはいずれも,脳が大喜びする一方で,胃腸はそれほど喜ばない…んですね。「壱発ラーメン」はけっこういいのだけれども。好みのラーメンを探すには味への慣れをクリアしなければなりませんし,でも,かん水の添加が多いお店ではお腹への負担もあるので回数を稼ぐのは大変。そう気安くお店の開拓をできないんですよね。
2019年3月2日
1日は,MRC微古生物学リファレンスセンターへの参加でした。口頭発表せよの命令が天から下ってきたので,それに従い,つくば大学まで出向きましての講演でした。お題は,当方が2014年に発案し,東北大学理学部と共同研究を発展させてきた,光学顕微鏡を用いた,放散虫や非晶質シリカの連続断面観察手法についてです。
すでに発案から5年を経過し,実施事例も増え,標本製作手法も確立したので,次世代のスタンダードな方法になることは,ロジックとしては確立しています。しかし実際問題としては,顕微鏡ユーザの技量の問題もあり,そこが大きな難関なので,今回はまず手始めに,『すげえことができる』という情報提供で講演しました。
講演内容を『すげえ』と思ってくれる人は間違いなくエキスパートなのですが,講演後に数名がディスカッションに立ち寄って下さり,プロとの会話を楽しむことができました。筆者は単なる職人ですが,その道のプロとの会話は無上の栄養物で,ほんとうに有り難いのです。
きょうの画像は会場と,往復に利用したTX。いまからだいぶむかし,毎日,つくばの研究所と都区内を往復する生活だったのですけれども,久しぶりにつくばに出向いて,時間の経過を感じました。何もなかった泥だらけの原っぱが,多量の施設が林立する都市になっていていて,10年もあると,世の中変わるのだなあと思ったことでした(画像/MWS)。
2019年3月1日
テレビを持たない新聞もとらない携帯電話ももたない生活を続けて19年が過ぎましたが,とりあえず生きています(笑)。といいますか,筆者の生活形態では何の問題もありません。ネットは常時接続でメールには即レス,出掛けることも少なく,固定電話は手を伸ばせば届きます。ニュースを見たいならネットで日々のヘッドラインを眺めればOK。皆さん,スマホを肌身離さず持ち歩き,つねに画面を見て何かをしておられるようですが,まぁ,それと似たような感じで,顕微鏡デスクの横にはつねにノートパソコンがあるのでした。
さてきょうはニュースをチラチラ見ていたら,山本太郎議員の面白い話がのっていました。山本太郎さんは,筆者が学生の頃,たけしの元気が出るテレビに登場して,海パン一つで変なパフォーマンスをする,異常な若者という感じでした。面白さもあったけれども,それよりも度胸があって大したもんだなと思っていました。その彼も中年にさしかかり政治活動を行うようになって,芸能人→政治家のありがちな道をまっしぐらなのかな?と思ったら,全然違いました。硬派なのです。
その彼のニュースは こちら あるいは こちら なのですが,丁寧に調べ物をしていて,判断も適正で,話もうまく,あの異常な若者にはこんな力が秘められていたのかと感心しました。海パン一枚でテレビカメラの前で踊れる度胸は,調べ物をして相手をぶった切る戦闘能力にもなるわけですね。政治家としてこれからも,いろいろな声を拾い,国政に反映させてくれればと思います。
それにしても,このニュースで初めて知ったのですが,世の中にはほんとうにいろいろな団体があるものですね…(画像/MWS)。
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