画像のご利用について   サイトマップ





本日の画像

ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


【2019年】  1月
【2018年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2017年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2016年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2015年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2014年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2013年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2012年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2011年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2010年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2009年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2008年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2007年】  9月  10月  11月  12月

【今月にもどる】 




お知らせ
 

仕事が飽和しているため,納品等が遅れております。現在のところ解消の目処はたっておりません。すみませんが,短納期のご希望には添えないことがありますことをご承知下さい。






2019年1月31日




明石市長が暴言を吐いてパワハラだとのニュース。あれ? 明石市長といえば子育て問題とか障害者問題に取り組んできた有能な人(こちら とか こちら)のはずなんだけれどもと思って こちら を見てみると,暴言でもなんでもないじゃないですか…。

部分的に切り出せば,かなり過激なことを言っているわけですけれども全体の文脈から見れば,「オレはそのくらい怒っている!」とを伝えるがための表現で,実際に「火をつけてこい」と「指示」を出しているのではないことは明らかでしょう。むしろ報道されるべきは,

ほんまに何のためにやっとる工事や、安全対策でしょ。あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。(担当者)2人が行って難しければ、私が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ、腹立ってんのわ。何を仕事してんねん。しんどい仕事やから尊い、相手がややこしいから美しいんですよ。後回しにしてどないすんねん、一番しんどい仕事からせえよ。市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は
の部分でしょうに。

ところが幾つかの報道機関は「パワハラ市長」との内容で印象操作を行っています。たとえば産経の こちら の記事などがそうです。問題はこの市長がどんな政策を行ってきて,どんな成果があり,市民にとって市長として相応しいかどうかであるのに,現場レベルではどこでもありそうな単なるお説教を部分的に抜き出して印象操作をする。

なぜそんなことが起こるかというと,それは4月に市長選挙があるからでしょうね。現職の市長は,あまり報道されませんが,旧民主党では衆議院議員だったわけで,そこの出身の泉市長は明石市長選でも自民系の候補を二度破っているわけです。次回の選挙で自民系が勝つには,泉市長のネガティブな面を掘り起こしてマスコミにリークすることによって印象操作を行い,既に立候補を表明している自民系の候補(こちら)に票を集めたいのでしょう。

しかし賢明な明石市民はダマされないでしょう。人口を減らした前市長と,人口増やした現市長,比較するのもばからしいと思います。立候補した前市長は

「予算配分が子育て中心となり、産業政策やまちづくりとのバランスが悪い」


とのことですが,知性を疑いたくなる発言に,個人的には思えます。予算配分が子育て中心になるのは,一つの世帯でも市区町村でも,国家でも,健全なことですよ。安心して子育てもできないようなところで,何が産業政策やまちづくりなんだか。

ということで明石市長選,見ものですね(画像/MWS)。








2019年1月30日




久しぶりにやってしまった…。動いてしまった…。うう。光学的には何の問題もないのに,見映えの問題で出荷できないのはもったいないですね。こういったことに直面すると,単に光学製品を作っているわけではないんだなあと思わされます。簡素なデザインの検査板ですが,そこに美観の要素が入っているのですよね(画像/MWS)。








2019年1月29日




28日は都内で業務打ち合わせでした。全ての納品が完了すれば個人事業主としてはそれなりに大きな仕事なのですが,大手企業様との調整事項が多く,気の抜けない仕事です。しかし久しぶりに人と会う仕事ということで,顕微鏡デスクから離れてリフレッシュしました。宿題をもらって帰路につきましたが具体的な指示があるので助かります。この仕事に一区切りついて学会関係の準備が進めば業務正常化に近づくので,もう少しの辛抱です(画像/MWS)。








2019年1月28日




昨日の記事を書いたあとにふと考えたのですが,もしご本人が医者にかかる事態となって,ビタミン類の大量投与療法となったら,それを受け容れるのだろうか,それとも拒否するのだろうかということ。もし後者なら宗教的な理由というものに近い感じがします。前者なら,一般人のアドバイスは不要で,医者のアドバイスは有用,といったところでしょうか。もちろんその判断には一理ありますが。

筆者はある種のカンが働くので,件の知人に進言したときも,「提案を受け容れることはないだろう」という確信めいたものがありました。事実その通りになりました。その知人にはなるべく自然の力だけで生きていきたいという強い希望があって,それを実践なさってきた人生ですから,横やりの意見よりも優先されるのは,ある意味当然だと思います。

それでも,お節介にもアドバイス差し上げたのは,筆者はその知人の活動を本当に素晴らしいと思っており,これからも健康で長生きして,活動を続けて欲しいと心から願っているからです。そして末永く健康で活動し続けることこそが,天国にいらっしゃる奥様への最高のご供養になるのだと信じるからです。

そのことに対してネガティブになるような判断をされたので,昨日の記事で怒りにまかせ「バカかとアホかと」書かせて頂いたのです。知人の奥様の大ファンだった筆者流の愛情表現です。あんな素敵な奥様と暮らせただけでどれだけ幸運な素晴らしいことであったか。。その奥様のためにも,合理的な判断をして頂き,ぜひ記憶障害の悪化を食い止めて頂きたいのです。

栄養素の補給なきアルコールの多飲は簡単に脳を破壊します。初期ならビタミン剤の大量投与で改善することもありますが,そのときの投与量は必要量の10倍から100倍とされています。食事からの摂取ではとても足りないのです。それだけでなく,アルコールを摂取せずに通常の生活をしていても,中高年以降になると,食事から充分な栄養素を摂ることができなくなってきます。ですから食事内容に充分配慮することはもとより,サプリメントや総合ビタミン剤なども必要になってくるのです(こちら)。

現代は好きなものが手軽に入手できる時代です。知らず知らずのうちに偏った食生活をしてしまい,簡単に栄養不足に陥ってしまいます。そのことに気が付いたのは今から12年ほど前のことです。15年ほど前に体調を崩してしまい回復するのに3年を要しました。必要だったのは病院がよいではなくて,自分にとってバランスのよい食事をすることでした。それ以来,栄養摂取には常に注意を払い,ビタミン剤やサプリメントも活用して健康維持に努めてきました。ビタミンB剤はチョコラBBを毎日十数年以上飲んでいて健康維持に役立っています。

あるとき体調不良で医者にかかったとき,何の問題も見つからなかったのですが,その名医さんの一言が「Bだけは毎日飲んだ方がいい」というものでした。それ以前から飲んでいましたので,「Bは毎日のんでいます」と答えたところ,深く頷いてくれました。

ビタミンB1の欠乏は記憶障害を引き起こすことが広く知られていて,記憶障害は海馬の変性であろうとされています(こちら)。ですので,B1を常に補給し続けることは大変重要なのです。 もし記憶障害が始まってしまったら,それは永続的な障害なので,ビタミンB1を補給しても回復効果がほとんどないと感じられるかもしれません。しかし「それ以上の悪化」は防げている可能性がありますし,また,最新の研究では,老年期でも海馬では成長途中のニューロンが見つかっており,うんとゆっくりかもしれませんが,若干の「回復」へ向かうことも根拠のない想像ではなくなりつつあります。

主義主張も大事なことですが,記憶障害になってしまったら元も子もありません。ビタミン剤を飲むことくらい簡単なこと。ぜひ記憶障害を食い止めて,いつまでも天国の奥様を大切にして欲しいと,筆者は願っています(画像/MWS)。








2019年1月27日




ある知人が記憶障害になり,その原因が酒の飲み過ぎによる栄養不足に見えたので,ビタミンB群の錠剤を飲むべき,甘いものをやめて粉食もやめて酒も減らすべき,野菜を多食して肉も食うべし,と伝えたところ,薬やサプリは基本的に飲みたくいので食事改善で対処するという返事が来ました。

そんなレベルで済むような事態であれば,わざわざこんなアドバイスはしねーよ。記憶障害ってのは緊急事態なんだよ!。もう,バカかとアホかと言いたい気分なのですけれども,まぁ,相手先にも人生があって主義主張があって,どんなことがあっても人様のいいなりにはなりたくないのでしょう。過去のメールでも幾らかやりとりがあったのですが,いつも,自分はちゃんとやっている,アドバイスはありがとう,といった感じでした。

筆者が健康上の問題で他人にアドバイスするときには,そこには責任が伴いますので,相当に重要な局面でヤバイと感じるときに根拠ある処方をお伝えするものなのですが,それを表層的な感触で拒否してはねつけ,ご自身の根拠が不明な主義主張を通す。そういったことにたまに遭遇します。

文明の利器である自動車を使い,中東から輸送されてきた貴重なエネルギー(ガソリン)を湯水のように使って日々の趣味などの用事に使い,文明が生み出した精製酒を好んで飲酒して体を壊す。甘いものを食べ,粉食(パン,ソバ,うどんなどの炭水化物の粉末を使ったもの)を好んで食べる日々。それでいて,サプリやビタミン剤の服用は拒否する。理解できません。

1回のチャンスをものにできない人は,次回のチャンスもものにできないでしょうね。と思うので,筆者はビタミン剤は飲まないというメールには返信しませんでした。

長い人生の間には,その人の人生を左右する重要な情報を与えてくれる人というのが現れることがあるのですが,他人の言うことを聞き入れられない人は,チャンスを逃し,事態がさらに悪化してしまうこともあろうかと思います。そうなってしまったら本当に残念なことです(画像/MWS)。








2019年1月26日




京急電鉄(株)の4つの駅名が,13ヶ月後に変更されることになりました。駅名を変更する理由は,「沿線地域の活性化に繋げることを目的に、町名、地域シンボルおよびお客さまの利便性等を総合的に判断し」たものだそうです。変更となる駅名は次の通りです。

「産業道路駅」→「大師橋駅」「花月園前駅」→「花月総持寺駅」「仲木戸駅」→「京急東神奈川駅」「新逗子駅」→「逗子・葉山駅」

このような駅名の選定プロセスや背景などについては, こちら に詳しい記載があります。

そこには,新駅名選定のプロセスや選定理由について詳細に記されており,心から納得できるものです。特筆すべきは,駅名変更を実施しない駅についても,応募の意見を無駄にせず,旅客の参考になるならと「副駅名標」として掲示するという判断を京急は行っています。

鮮やかです。素晴らしいとしかいいようがありません。

多数意見を無視して『高輪ゲートウエイ』などという下品さを極めた駅名を決定したJR東日本とは対照的ですね。少数意見も無駄にせず,応募頂いた人々の意見を汲み上げ,駅名の由来を深く掘り下げて調べ,地元にふさわしい駅名を決定する。これこそ我らがKQの素晴らしい仕事です。

京急電鉄(株)は鉄道事業というものの本質を常に追求し続けるプロ集団の集まりです。もしJR東日本の職員を全員クビにして,京急電鉄の職員と入れ替えたなら,現在とは比べものにならないほどの輸送サービスの質の向上があるだろうことは,京急沿線住民なら自明のことだろうと思います。事故対応への逝っとけダイヤは有名ですが,それだけでなく,車両設計でも京急の哲学があり,蓄電設備などでも先進の取り組みを続けています。

京急の駅名選定プロセスも,こうしたプロ集団のアイデンティティーと何らずれることなく,立派だと思います。大企業の様々な人々が出入りする集団のなかで,こうした統一的なアウトプットができるのは,その企業が優れていることの証といえるとも思っています。JR東日本の幹部に爪のあかでも煎じて飲ませたいところですが,でもそんな貴重な爪のあかは,JR東日本の幹部に飲ませるにはもったいなさ過ぎますね(画像/MWS)。








2019年1月25日




ナマコ骨片のいろいろ。マナマコ・クロナマコ系統からイカリナマコ,ムラサキクルマナマコが写っています。これが全部同じ「ナマコ」に分類されるというのだから不思議です。ある力学的な機能を実現させるための形状は一つではない,ということを自然が教えてくれているのでしょうか(画像/MWS)。








2019年1月24日




きょうの画像は極めて薄い殻を持つ珪藻の拾い出し例。AmphipleuraやGyrosigmaの仲間で特別に薄いものがあって,これらは毛先で触れようものなら粉々に粉砕されます。ので,毛先を下に潜らせて,毛の横に吸い付ける感じで扱いますが,それでも割れることが多いです。ガラスの帯電状況によっては,拾った珪藻が磁気浮上式打ち上げ装置によって勢いよく空に舞い上がり二度と見つけることは不可能になります。

これらの珪藻は他にも取扱困難な理由があって,それがきょうの画像にも現れています。光の照射方向によって消えてしまうのです。空気中にシリカの殻があるわけですから,容易に光を反射してもよいはずですが,極端に薄い珪藻のシリカだとほとんど光を反射しなくなります。もっと薄くなればナノクリスタルコートに使えるのでは?と思うほど。なので,これらの珪藻を探すときはいろいろな方向から光をあてて太いフレームが光る瞬間を見つけるのです…

実際問題としては,大変な苦労をして拾って並べたところで,部分的に欠けていたり割れていたりするので,歩留まりの問題が生じます。ので,苦労が水の泡になることの連続になるので,特別な用事がなければ,これらの薄い珪藻を並べることはやりません(画像/MWS)。








2019年1月23日




この関数電卓は高校2年のときに買ったもの。天文計算などがやりたくて親を説得して予算調達し,八王子から新宿のさくらやまで出掛けて購入したもの。すでに33年を経過していますがまだ動きます。当時は電池交換だけで金がかかったように感じたものだけれども,いつのまにかCR2032は叩き売りのように安くなり,時代の変化を感じます。

この電卓はグラフも表示でき,統計計算もできて,10の50乗でも計算でき,プログラムも組めるというもので,当時としては先進の機能を詰め込んだものでした。二変数統計計算モードでは回帰直線を引くのも簡単で,定量分析の検量線をひくのに重宝しましたし,プログラムを組めば,溶存酸素定量などのときにそれぞれのパラメータを放り込めば正確な計算が簡単にできて便利でした。顕微鏡で細胞数をカウントして平均や標準偏差を求めるのにもよく使いました。

しかしご覧の通り,30年以上の時を経て,画面は黒っぽくなってしまいました。電源を入れていないのに,液晶の数字表示部分の背景側が黒くなってしまい,文字が読み取りにくくなってしまいました。液晶表示部分が配向して黒くなったのであれば,熱をかけて戻すという荒技があるのですが,背景部分の黒化なので熱処理は無力です。我慢して使うしかありません。

ヤフオクをみてもebayをみても,なかなか転がっていません。もう使わないfx-7200gをお持ちの方はおられませんでしょうか…?

当然経年劣化は予想されるので,バックアップ用にもう一台持っていたのです。しかしそのバックアップが先に壊れてしまい,このような現状に至るのです。この手に馴染んだ機器を使い続けたいですね(画像/MWS)。








2019年1月22日




きょうの画像は分解能検査板にダイヤでマーキングしているところ。ERMAのひじょうに古い,たぶん軽く50年は経過していると思われるマーカーを使っています。これで直径2mmの円を描きます。使用する顕微鏡によっては偏心しているので,ズレ分を見込んで珪藻をずらしてからマーキングするといったテクニックも必要になったりします。

現在ダイヤのマーカーを作っているメーカーは少なく,ほとんど見かけなくなってしまいました。ライツのものも持っていますが,コシが弱すぎて使い物になりません。分解してうんと固いグリスを入れれば何とかなりそうですが。。ので,このERMAのマーカーを今後も末永く使っていくことになろうかと思います。こんなものを未だに使っている人,世界に何人くらいいるのでしょうか…(画像/MWS)。








2019年1月21日




めかぶは手軽に入手できるのにもかかわらず様々な薬効が知られている,万人におすすめの薬菜です。毎日少量を摂取すると健康維持に素晴らしい効果があります。どうやって食べてもいいのですが,きょうの画像は近年開発した食べ方。市販のめかぶにシラス干しを適量混ぜ混ぜしただけのもの。これが出会いものといってよい感じの味わい。コツは,めかぶもしらすも,単品で食べてみてよいものを選ぶこと。水っぽいものや,味が抜けているものは避けましょう。

もひとつ知っておくべきことは,健康に良いからといって食べ過ぎないこと。めかぶを大量に食べると一部の人は重度の便秘になったり,場合によっては腸閉塞を起こす可能性もあります。東北地方では,春先のめかぶシーズンになると,めかぶでお腹を詰まらせたお年寄りが病院に運ばれてくるというのは割りと知られた話です。どんぶり一杯食べるような無謀なことはいけません。小皿一杯くらいを日々たべるのがちょうど良いくらいでしょう(画像/MWS)。








2019年1月20日




ここのところ,毎日じゅうぶん寝られるという信じられない日々を過ごしています。アルコホールの力に頼っていることが勝因なのかもしれませんが,これまではどんなに飲んでも寝られない日が生じていたのに,ここのところは不眠症を感じる日が皆無なのです。そんなことは人生初?といえるくらい珍しいことなので,何が原因なのか考える日々です。気温の問題なのか寝具の問題なのか,日々摂取しているサプリメントが良いのか,バックオーダーを抱えつつもゆっくり仕事をしようとする心構えがいいのか…。とにかく,寝られるとこんなに体が動くのかと感動しています。これまでの不眠生活では,雨ざらしになって錆び付いた自転車のように,全ての動作が重く,やってられない日々だったのですから(画像/MWS)。








2019年1月19日




きょうの工作は2光源装置。高度な顕微鏡イメージングでは波長を切り換えながら,可視光で検鏡,不可視波長で撮像という場面も珍しくありません。このとき,いちいち光源を付け替えると心出しや光源コレクタレンズのフォーカス調整が面倒で時間を浪費することになります。バイオフォトのランプハウスなら複数あればそれほどの手間にはなりませんし,フルオフォトの透過落射対応タイプなら何の手間もないのですが,オプチフォトの場合はランプハウス固定で使うので面倒です…。

そこでランプハウス側は固定で,肉眼検鏡の場合に光源追加できるように2光源装置を作ったわけです。材料は100円ショップのLEDライト,千石電商の電球色LED,シリコン拡散キャップ,電線,菊水(日本酒)のフタ,A2の52mmフィルタ,CWHK10xの接眼ミクロホルダ,メンディングテープ,両面テープ,ダイソーのネオジム磁石,割り箸です。

光源の放熱板にはネオジム磁石がはり付けてあり,菊水のフタの裏側にもネオジム磁石を配置することによって,センタリング可能なものとしています。給電はLEDライトの電源から電線を経由しています。コレクタレンズはLEDライトのものを外して使っています。CWHKのプラスチックと割り箸でコレクタレンズのフォーカス調整をしています。

こんな簡単な装置でも,明視野,位相差,暗視野の光源として使えるようになります。もちろん,対物レンズBFPを見ながら最良の像を追い込むことができる程度の技量は必要ですが。

この装置の製作によりオプチフォトでも不可視光源での撮影がある程度効率化できるようになり,仕事に要する時間が短縮できるようになる見込みです。このような工夫は,実際の時間短縮もさることながら,「面倒だからやりたくないなー」という気分のポテンシャル壁を乗り越えるのに重要な気もしています(画像/MWS)。



*1 照明波長が紫外線の場合はフィールドレンズ上に蛍光板を置くという方法である程度の実用性があることを確認していますが,量子収率の関係もあって充分な明るさを確保することはそんなに簡単ではありません。また赤外線の場合は可視光に変換するのが困難なので,可視波長の追加照明装置は必至なものとなります。




2019年1月18日




きょうの画像はPhacus gigas(ウチワヒゲムシ)の偏光クロスニコルによるもの。お腹の下あたりに大きな黒十字が見えており,パラミロンが偏光性をもつ結晶体であることを示しているように思われます。DICでも偏光検出しますので独特のコントラストとなります。ので,Phacus gigasを自然な感じに写すなら,明視野がよさそうです。

昨秋に初めて本種を見ることができ,その姿にすっかり魅了されました。こんな綺麗な生物は飼育したいと数十細胞を分離して培養液に放り込みましたが,一向に増える気配がなく,敗退の感じです。なんとなく従属栄養種っぽい気もしますし,混合培養でないと増えないのかもしれません…。もし本種を大量に増やせるなら,教材にも向いている姿形とおもうのですけれども(画像/MWS)。








2019年1月17日






この珪藻はテストプレートRL-TESTで使われているAmphipleura pellucidaです。この珪藻の被殻には37本/10μm,50本/10μmという空間周波数の条線があって,これはmm当たり3700本,5000本のラインアンドスペースに相当します。光学顕微鏡の解像限界はよく0.2μmといわれますが,ちょうどその限界付近の構造を持っています。

テストプレートの製作では,この珪藻を含むサンプルで散布スライドを作り,まず暗視野でこの珪藻を探します。それがきょうの画像1枚目。この特徴的な形はもう20年近く眺めているので,視野に入った瞬間にわかります。次にNA=0.95で輪帯照明で観察し,カバーグラスへの密着度合いを調べます。封入剤の屈折率が高いので,少しでもカバーグラスから離れると,直ちに球面収差を生じます。その度合いは極端なもので,カバーグラスから2.5μm沈んでいるだけでもコントラストの低下を感じます。そのため可能な限り密着した被殻を選ぶ必要があるのです。

きょうの画像2枚目は,優良な被殻をNA=0.95の対物レンズで輪帯照明で見た場合の像。この開口数でも条線は見えません。この像の中に,この被殻が解像限界をチェックする物体として利用可能なことを示す根拠がいくつも含まれています。それを見抜くのです(画像/MWS)。








2019年1月16日




知らないうちに須藤さんが本を出していた。須藤さんが書くからには珪藻の話題を中心とした本なのです。これがブルーバックスになるのですから時代も変わったなぁという気がします。筆者が学生の頃には珪藻の本などというのはUPバイオロジーの一冊くらいで,あとはみな洋書でした。それが現在は珪藻観察図鑑や小林弘珪藻図鑑,珪藻Navicula図鑑など素晴らしい本が刊行され,ついにブルーバックスにも一冊加わることになりました。

須藤さんは珪藻の中でも,Chaetocerosの休眠胞子化石の分類を中心とした部分が得意分野です。筆者は現生のChaetoceros休眠胞子についての生理生化学研究で学位をとったので,須藤さんとは同じ研究分野といえます。初めて会ったのは14年前だったか,産総研の第七事業所のどこかで,筆者がChaetocerosの休眠胞子についてセミナーを行うよう依頼されて発表し,そのときに聴講したいたのが当時大学院生だった須藤さんでした。

あれから時が流れ,彼は大学の先生になり,著書も次々と出され,業界の中心で活躍しています。ブルーバックスを読みながら,ちょっと過去を思い出す旅にでも出ようかと,そんな気にさせられています(画像/MWS)。








2019年1月15日




むかしの本は,中年おっさんにとってはなんかホッとするものがあります。いまの本も大変優れたものがたくさんあるのだけれども,モノクロームの世界で論理一本で勝負したようなむかしの本は,現代の本とは何かが違います。なんというか,読みやすいのです。読みやすさが写植に起因するのか,原稿用紙で提出された文章の特徴なのか,それとも昔の人と今の人は脳みその出来具合が異なるのか,原因は判然としません。でも,なんか,むかしの本は,開くと厳かな気分が伝わってきて,背筋を正して読みたくなるようなものがたくさんあるんですよね(画像/MWS)。








2019年1月14日




サンプル整理の次はテストプレートの製作。RL-TESTが在庫切れだったので在庫を作る作業です。このテストプレートは透過率改善と珪藻の歩留まりをできるだけ上げたいため極端に薄く封入します。封入剤の浸透性がそれほどよくないので薄めて使い,加熱してエイジングさせるのですが,非常に薄く封入すると気泡が抜けなくなります。目的の珪藻が存在しないところの気泡はよしとしていますが,あまり大きいと剥離につながるおそれもあって好ましくないので,ぎりぎりの努力をします。

封入後は暗視野顕微鏡で目的の珪藻を探し,高NAによるチェックを経て,合格の品質と判定できる珪藻にダイヤモンドでマークを入れます。その後にラベルを打ってようやく「在庫」となります。なんでこんな面倒な製品を思いついてしまったのが首を傾げたくなりますが,光学的に真面目に考えるとやるべき作業というのは決まってしまうので,面倒を避けることはできません…(画像/MWS)。








2019年1月13日






土曜日のお仕事はサンプル整理。バルバドスの試料分割を行いました。バルバドス島の化石試料はいろいろあって,それぞれに特性が異なります。全容を把握しているわけではないので,現時点ではどの試料も重要なものとして管理しています。一次サンプルは大きな塊のものが多く,そのままでは使えないので小片に分けて保管します。ラベルを付け間違えると大変なことになるので,まず袋に試料番号を正確に転記して,それからサンプルを分割して袋詰めしていくことになります。

きょうの画像一枚目はサンプル分割時の様子。座布団を三枚重ねにして,その上にヒノキ(八王子産)のまな板を置き,サンプルをのせてタガネでたたき割ります。画像ではドライバーが刺さっているように見えますが,これはドライバーではなくて,マイナスドライバーの先端をタガネと同じ角度で研いであるので,タガネです。こういうときに研ぎ技術は大変役に立ちます。石ころの目を読んで,希望の方向に割るようにします。

画像二枚目は作業終了後の小分けサンプル。このサンプルの中には,処理しても泥ばかりのものや,少量の種だけが出てくるもの,たくさんの種が出てくるけれどもほとんど壊れているもの,保存状態がまぁまぁで多様性も良いものなどいろいろです。全ては処理後に判明するので,このサンプルを処理して良好なものがあれば,ラベルを追加してサンプルに関する情報を増やしていくことになります。

こういう地道というか前時代的というか,そんな家内制手工業を行いつつ,当サービスの超高級プレパラートは生まれるのです(画像/MWS)。








2019年1月12日




顕微鏡関係の空箱って,なんか,捨てられないんだよなー(笑)。典型的な貧乏性です。

カバーガラスの容器はクッションが入っているので,たとえばハロゲンランプや自作のLED電球を運ぶときに便利ですし,発泡剤の部分をカットしてスペーサーなどにも使えます。スライドグラスの箱は,ちょっとしたレンズなどを入れてレターパックプラスで送るのに便利ですし,小物を整理する箱にもなります。そういった用途が思い浮かぶ以上,空箱がたまっていくのです…。よくないですねぇ(画像/MWS)。








2019年1月11日




最近はJシリーズを作ってもじっくり検鏡する時間がなく,簡易的に撮影だけして,清拭して,すぐに発送などということもあります。 本当はじっくり眺めて,じゅうぶん「売りたくない」気分を味わって,それから出荷と行きたいところですが…。

でも,お買いあげ頂いたスライドをこんなふうに活用して頂いているのを知ると,よかったーという気にもなるのです。レインバーグ照明の応用で,グラデーションのつけかたがとても見事です。

こちらの高級機材とNikon1J5でいい加減に撮影したものよりも,初級顕微鏡とiPODで気合いを入れて撮影したものの方が遙かに美しいことからもわかるように,顕微鏡写真というのはなんと言っても技量第一で,特に照明や露出の制御で絵はどのようにでも変わるのです。(画像/MWS)。








2019年1月10日




はじめてシャッターを押したカメラはたぶん,キヤノンDemiだったと思う。家に転がっていたハーフサイズのカメラで,小学校4年生の頃だった。のちに自分のカメラが欲しくなり,ナショナルの110フィルムを使うポケットカメラを祖母に買ってもらった。これが小学校6年生のとき。このポケットカメラで風景写真を撮ったものだからたまらない。粒状性も何もあったものでなく,ざらざらの絵が印画紙に映し出されて大いに失望したものだった。

それからどういういきさつがあったのか覚えていないけれども,どうしても一眼レフが欲しくなり,父親を拝み倒して買ってもらったのがニコンFGだった。これが14歳の誕生日。たぶんこの一台がその後の人生を変えることになったのだろうと思う。それからは古本屋に通ってカメラ雑誌を買い,カメラ屋に行ってカタログをもらい,とにかくレンズの記事を眺める日々だった。中学校の教科書の至るところにレンズ構成図の落書きがあり,その落書きはAi85mmF2とか,Ai50mmF1.4Sとかの断面図を忠実に再現していた。あのときガラスデータも書いてあったら全部暗記できただろうと,今思い返すと少し残念。

その後,どういうわけか顕微鏡を扱うようになったのだけれども,縁があるのはニコンばかり。S型に始まって,バイオフォト,フルオフォト,ダイアフォト,L型,GH型,H型,SMZ-10,SMZ-800と続くことになる。カメラも不思議とニコンが多く,FM3A,CoolPix990,995,4500,Nikon1J1, J2, J5と続いている。

きょうの画像はそんな話題とは少し関係のある,ニコンFの飴。某所で行われたニコンクイズで284点(だったかな)を記録し,11位グループの景品としてもらったもの。世の中には「死に知識」などという馬鹿げたことを言うえらい人もいますが,知識というのは活かすもの。筆者の中学生時代のカメラ狂いは,36年の時を経て,「活き知識」となって飴をゲットしたのです(笑)。若い頃の勉強は何だかんだいっても人生にプラスになるものですよね(画像/MWS)。








2019年1月9日




前澤社長という人が個人でお年玉企画を立ち上げて100人に100万円を配るのだという。これに対する世間の反応がじつに面白く,世の中を眺めて生きている筆者にとっては願ってもない社会実験のように感じられました。

我も我もと企画に群がる数百万の人々。それを非難する高尚な方々。ツイッターのフォロワーを増やす目的が下品と論評する人。会社のネガティブな情報を消すためという報道もありました。

それが実際に当選者が出てみると(こちら),一斉に手のひらを返したように社長の行為を賞賛し始める。なかなか微笑ましいですね。世の中,思ったよりも脊髄反射型の人間がたくさん生息しているようです。

一代で会社を大きく育て上げた手腕をもつ経営者が1億円を使うのに,戦略がないわけがないじゃないですか。この前澤さんという人は,多くの脊髄反射型の方々が想像するよりは,はるかにメタな視点で物事をみていて,メタなレベルで情報戦争の世の中を戦っていらっしゃる。

ニュース性があり,多くの人にいっときの夢を与え,リアルに100人に夢を与え,贈与税のかからない絶妙な金額,人々の関心を惹きつけるスピード対応,現象に連動する株価,ニュースに隠されるネガティブな報道,当選者の喜びが生み出す社会に対するプラスの雰囲気,適切な人選を行って夢の応援をする社長の姿勢,などなど,数多くのパラメータを巧みにコントロールして,なおかつ差引では社会に好印象を残す。誰も傷つけない。これはSNS公募を使った贈与型の助成金みたいなもので,このような発想ができる社長は経営者としては,やはり並はずれた能力を持っていると思わざるを得ません。

この社長が優れていることは,次の例と比較したときにさらに鮮明になります。

それはJR東日本の新駅名公募です。たくさんの人々に一時の夢を与え,何万もの人を動員して駅名を公募しておきながら,ほぼ誰も応募していない,関係者が予め作ったとした思えない「高輪ゲートウエイ」などという下品きわまりない名称に決定。応募者をがっかりさせただけでなく,この人々の想像を絶した下品を極めた名前は多くの日本国民を不快に陥れ,またこの長ったらしい名称によって世の中の書類を書く人々の手を煩わせることになり,駅名をアナウンスする人間を毎日ストレスフルに追い込むことになりました。全国民レベルで「好ましくない」という世論が形成されてもなおJR東日本は高輪ゲートウエイという名称を撤回しませんでした。JR東日本にはメタな視点で世の中を見渡し世の中をよくするという視点が欠落しており,独善的に振る舞うことにより社会に多大な害毒を放り込んだのです。

鉄道経営にも前澤さんみたいな,明るく楽しい鉄道を実現できそうな人が現れませんかねえ。鳥塚亮さんが有力候補ですが,もう少し知名度が欲しいところです(画像/MWS)。








2019年1月8日




義務教育で三角関数は不要,元素記号など使ったことない,と橋下と名乗る人物が言ったらしく,そうだそうだと賛成する人たちが大勢出現しています(こちら とか こちら)。

個人的な感想では,橋下さんは何か深く調べて「死に知識」が引き起こす重大な問題を心配して発現しているのではなくて,単なる思いつきを何の根拠もなく口に出しただけに思えます。そんな戯言をわざわざ相手にする必要はないでしょう。時間のムダです。

筆者は三角関数もできず,元素記号も読めない大学生に元素循環の講義をしたことがありますが,受講者の皆さんはからくりがよくわかって新鮮で楽しかったと大喜びでしたよ。文系の学生は理科的な知識から人為的に遠ざけられてしまっているので,とても大きな損をしていると思います。文系であろうと理系であろうと,物事のからくりがきれいに理解できるときはうれしく楽しいものなのです。そしてそのようにして得た知識は「死に知識」などにならずに,人生を支える「後光」のような存在になって,小さな「自信」につながっていくのです。

教育の現場も知らずに「死に知識」などといえる人は,率先して三角関数や元素記号を避けて生きていただけの話です。色眼鏡に慣れてしまって,自分のメガネが透明だと勘違いしているのでしょうね。話し合っても通じ合うはずはありません(画像/MWS)。








2019年1月7日






倍率色収差が残存したレンズで直接焦点法を行うと盛大に色ズレを起こした像を得ることになります。コンペンタイプの顕微鏡対物レンズの倍率色収差は,「わざと残して」あるので膨大な収差量です。最近のデジタルカメラには倍率色収差補正機能を搭載したソフトが付属していることがありますが,デジタルカメラのレンズ程度の軽微なものにしか対応していません。顕微鏡対物レンズのような大きな収差は,筆者の試したところ補正はできませんでした。

しかし原理的には,倍率色収差はRGBで大きさの異なる像となっているだけのことですから,像の大きさを揃えて重ねてあげれば補正可能です。そのことし示したのがきょうの画像で,昨日の画像を処理して倍率色収差を補正しています。この処理はかなり面倒で手間がかかるので,簡単な操作でどんな大きな倍率色収差でも補正できるソフトがあれば便利だなぁと思って早15年以上が経過します。まだ,そんなソフトは見かけません。じつはどこかのソフトに搭載されていて,筆者が知らないだけなのかしら? フリーソフトで転がっていると有り難いですが,買い切り方式の一万円くらいなら市販品でもいいですね。誰か作ってくれないかしら。顕微鏡関係者には便利だと思うのですが…(画像/MWS)。








2019年1月6日






レンズは使い方を誤ると画像が劣化するので,レンズの仕様を調べて正しい使い方をしなければなりません。これは当然のことですが,この文脈を深読みすると,画質の劣化度合いがわかっていてそれを許容できると判断できる技量があれば,間違った使い方で使うというのもアリ,ということにもなります。

きょうの画像はウチワヒゲムシPhacus gigasですが,ツァイス有限鏡筒長の水浸対物レンズ(Plan-neofluar 63x 1.2 160/0.11-0.23)を使って,直接焦点で撮影したものです。このレンズは倍率色収差が残っているので単独で使うと大きな色ズレが発生します。しかし一枚目の画像くらいに縮小してしまえば,色ズレはほとんど感じなくなります。つまり,間違ったレンズの使い方ですが,許容できる絵になっています。

画像2枚目は等倍切り出し。甚大な倍率色収差による色ズレが明らかです。微細構造の解像限界をカラー画像で狙うなら,これはとても許容できません。正しいレンズの組み合わせで倍率色収差を打ち消す必要があります。

あえて誤った使い方をしてでも,記録を残すという考え方が必要なことは多々あるので,日頃からレンズの組み合わせと像特性について調べておくとよいと思います(画像/MWS)。








2019年1月5日






これは有殻アメーバの殻。アルケラの一種かと思います。中身の人はどこかにいなくなって殻だけが置き去りにされたものですが,この殻,いつも内側に珪藻が入っています。一つくらいがたまに入っているのなら,たまたまそこにいたのね,という感じですが,きょうの画像のように住み着いている感じで中にいるのです。珪藻が単独で付着しているより,アルケラの殻に入っていた方が,アメーバや繊毛虫の補食に対して有利な気がします。ひょっとすると珪藻は身を隠す方法を知っているのでしょうか(画像/MWS)。








2019年1月4日




これはミジンコの殻の内側の部分。水浸対物レンズNA=1.2による絵です。粒子を選別するのに適しているような,一定間隔の格子構造がはっきりわかります。このような構造は,分解能の観点からはより低NAの対物レンズでも観察は可能ですが,液浸系を使って絞り込めば,解像に余裕が生まれ,それがコントラストの高さとなって記録されます。ので,高NAの撮像もよいものです。

ミジンコのような厚みのある物体では,乾燥系対物や油浸対物では深い部分にピントを合わせると球面収差が発生することがあります。水浸系でも球面収差が発生しますが,補正環である程度修正が可能です。観察したい部分に対して最適な補正環操作をすると,像がいくぶんマシになることがあるので,注意深く観察しながら補正環を操作します (画像/MWS)。








2019年1月3日






武蔵野冬景色 平成三十一年一月 (画像/MWS)。








2019年1月2日




バイオミネラルでプレパラートを製作して販売するという商売上,良質なバイオミネラルを入手することはひじょうに大事なことです。当サービスでは,主に日本国内の現生種の珪藻類,化石珪藻,化石放散虫,また国外ではバルバドス放散虫,セントローレンの珪藻化石などを取り扱ってきました。しかしまだまだ良い試料は世界各国にあって,入手困難なものも多いのです。

その中で代表的なものがオマル湾由来の珪藻化石です。ここの珪藻化石は少量の試料からたくさんの種が採取できることから人気が高く,昔からプロのマウンターの間で知られていたものです。もちろん筆者も昔から知っていましたが,極めて限られた産地であり,しかも採取スポットが私有地だったり,現在採集不可能だったりといった場所ばかりになっていて,どうにも入手が困難でした。

10年以上むかしに,アメリカの精神科医を名乗る人からオマル湾試料と日本国内試料のサンプル交換の申し出があって,それに応じてたくさんの珪藻試料を送付したところ,先方はドロンして消えてしまったという詐欺事件にあったこともあります。知人研究者に依頼して,その方面に詳しい人に分与をお願いしたこともありますが,すでに手持ちの残量がなく対応できないとのことでした。

またあるときは,知人研究者に依頼して,現地の研究者に入手してもらえないか打診してもらったこともあります。そこでの返事は,オーケー,何とかする,というものだったらしいですが,それから既に3,4年経過というところでしょうか。。

ところが,昨年末に,知人を介して当方にサンプル交換の依頼があり,それに応じたところ,何とオマル湾の最上級サンプルが手元に送られてきたのでした。さすがドイツのお姉ちゃんはアメリカの精神科医とは違います(笑)。この試料を受け取ったときの筆者の気持ちはじつに複雑なもので,もちろん万歳三唱級の嬉しさ全開なのですが,同時に,これは大変なものを手にしてしまった,という感じなのです。地球上で入手できる最上のものを手にしたことのある人なら,その緊張感はわかるかと思います。

しかしそれにしても,中年おっさんの必殺技,「いつまでもあきらめない」を発動すると,最高に欲しいものが勝手に送られてくるという素晴らしい結果を招くのです。筆者にとっては,このわずか数グラム程度の白い粉末がもし10万円程度で販売されていたら,少し思案の後に,まあいいかと気軽に買うほどの価値があります。標本屋さんによってはそれほど原料というのは大事です。そしてそれを持っているだけで,何か精神安定剤のような,「いいもの持っている感」が発生して,仕事によい影響があるのです(画像/MWS)。








2019年1月1日




2018年は足早に過ぎ去っていきました。2019年はJシリーズ製作作業を再開し貴重な試料を多量に投入して,微化石スライドの世界をさらに発展させたく思っています。皆様,本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

当サービスは1月6日まで,お休みモードと致します。本ページは更新しますが,発送等は原則7日から再開したいと思います。注文,問い合わせ,その他のメール等はいつでも受け付けております(画像/MWS)。









Copyright (C) 2019 MWS MicroWorldServices All rights reserved.
(無断複製・利用を禁じます)
本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/


トップに戻る



.