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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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新刊書のご案内
 

『たくさんのふしぎ2019年6月号 珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』を出版しました!! 各方面から絶賛の声が届いております。 まもなく在庫切れの見込みです。本の紹介についてはこちら をご覧下さい。






2019年12月31日




  【講演会のお知らせ】

2020年1月9日,19時30分より,ヨコハマ海洋市民大学において珪藻の講義を行います。夜間講座ですのでお仕事帰りの方もご参加頂けることと思います。当日は珪藻の生物学と珪藻アートについてプロジェクターで豊富な画像を示しながら話をしたいと思います。顕微鏡も持ち込み,Jシリーズの鑑賞と,プロジェクター投影で珪藻の高解像イメージもご覧いただこうと考えております。顕微鏡の台数が足りないのでJAMSTECの知人にお願いして最低二台は持ち込む予定です。

講座は単発での参加も可能で,当日参加も可能のようですが,席数に限りがありますので事前受付を行った方が確実です。ヨコハマ海洋市民大学のwebサイトは こちら です。事前受付は こちら です。ぜひ覗いてみて下さい(画像/MWS)。








2019年12月30日




  バルバドス放散虫ニセ散布スライドはお客さまのお手元に届きましたようで,検鏡報告をいくつかいただいております。有り難いことです。ご感想に共通していることはクリアな視界と暗視野での暗黒の背景のようです。材料はJシリーズ基準で製作しているのでひじょうに透明度の高い視野をお楽しみいただけます。今回のニセ散布スライドのみどころは,通常ならまずないだろうというピントの合った平面と,ところどころに散在する,きちっと整った姿を見せる放散虫です。これは散布していたときにできたまばらな空間に形のよい放散虫をはめ込んでいるのです。こういう工夫で散布スライドもまた違った見え方,価値を持つことになると思っています(画像/MWS)。








2019年12月29日




  みなさまに大変ご好評を頂いております『珪藻美術館 たくさんのふしぎ2019年6月号』ですが,「どうしたら手に入るの?」という問い合わせを12月になってもいただいております。正直言って,どうしたら入手できるか筆者もよくわかりません。出版社さんからは出荷可能な在庫がゼロになった段階で,編集部さんから報告をもらうことになっているのですが,きょうの時点でまだ連絡はありません。しかし数ヶ月前に,片手で持てる分量くらいしかないという報告は頂いているので,もしも在庫があるのだとすればごく少量ということなのかもしれません。

書店さん(アシーネさん)に注文を入れた方からの報告では10月後半の時点で,「福音館書店の在庫は完売のため無し」との調査結果が書店さんから届いたということです。ということは,出版社さんの販売部門は書店さんに対して「在庫なし」の回答をしたはずです。いったいどうなっているのかわかりません…。が,新品を正規の価格で入手することが困難なことは確かです。

このような状況ですので,『珪藻美術館 たくさんのふしぎ2019年6月号』の入手をお考えの方は,まずダメ元で書店さんに注文してみて,その書店さんの捜索能力に期待するしかなさそうです。もし書店さんに売れ残りの在庫があればしめたものですが,大きな書店の在庫はほとんど見当たらないとの報告もお客さまから頂いております。

著者は出版社の販売情報を持っているわけではないので歯切れのわるいことしか言えませんが,現状をお知らせいたしました。amazonさんの方に新品が入荷ということは,出版社さんの在庫数からみてなさそうです。現在は中古品がけっこうな価格で売られていますが,この状況がしばらく続くものと思われます。amazonさん以外の古書店やには相対的に安価に入荷することもありそうなので,調べてみる価値はあるかもしれません(画像/MWS)。








2019年12月28日




いつもお世話になっている顕微鏡映像のエキスパート,グレンデルさんのwebサイトが更新されたらしく,トップページで動画が流れるようになっていました(こちら)。じつに見事な内容で,ちょっとしたショートムービーなのにいつまでも見ていられます。こういった動画,病院の待合室にでも流したら飽きずに時間を過ごせそうです。みなさんもぜひ覗いてみてください(画像/MWS)。








2019年12月27日




日食 MWS天体観測センター(東京都豊島区南大塚) 12月26日15時20分 Nikon1J5 1Nikkor 70-300mm (画像/MWS)。








2019年12月26日




昨日(25日)の00時頃に予告なくバルバドス放散虫化石の散布スライドを販売開始しましたが,0時50分,01時10分,03時30分,04時30分と注文が入り,10時54分までに23枚もの注文を頂きました。対応できなくなるといけませんので,この時点で受付を終了させていただきました。皆様ありがとうございます。

2枚までお申し込みいただきましたお客さまにつきましては,発送完了しております。到着までお待ち下さい。それ以上の数量をご注文のお客さまには一月中の対応とさせていただきます。ご了承ください。

このバルバドス放散虫散布スライドは過去2年くらい? 博物フェスを中心に販売してきたものですが好評なので通常販売品に移行します。1月以降に再び販売開始して,それ以降は受注製作の形で納期は二週間以内で対応できる見込です。今回逃した方も少しお待ちいただくだけで入手可能となる見込ですのでお待ち下さいませ。

きょうの画像は偏斜照明で撮影したもの。ガラス質で分厚い放散虫骨格は偏斜照明と相性がよろしいです(画像/MWS)。








2019年12月25日












バルバドス島 放散虫化石標本(散布スライド)販売のお知らせ 完売しました

きょうの画像に掲載しているようなスライドを販売します(若干枚数)。9x9mmのカバーガラスに放散虫が敷き詰められています。よくある散布スライドとは異なり,ピント面が揃っていて,放散虫が重ならないように散らしています。スライドグラスとの間にはスペーサーを入れて平行をとると同時に浮かしているので放散虫にストレスがかからず,カバーガラス面は平面を維持しています。スライドグラスは青板の研磨品,カバーガラスはカールツァイス社のハイパフォーマンスカバーグラス0.170±0.005mmを採用,精密濾過した封入剤を使用して,封入操作はすべてJシリーズ基準で作っているという,ひじょうにクリアな散布スライドです。

低倍率で一面に放散虫が広がる様子を見ることができ,コレクション用途はもとより展示用,教育用にも最適です。高倍率で観察すれば無数の放散虫とその破片が眼前に広がりいつまでも検鏡できます。

この標本は「はくぶつフェス」で過去二回,数十枚程度販売してきたものとほぼ同一ですが,今回の販売品の方が完成度は高くなっています。

本体価格は税込みで4,000円です。送料込みで4,370円となります(一枚)。税抜き価格では1枚4,000円以下という低価格です。まだお手元にない方は,ぜひこの機会にお求めください。ご注文にあたっては,

1)郵便番号
2)住所
3)氏名
4)電話番号
5)バルバドス散布スライド(必要枚数)

をメールでお知らせ下さい。今回はこの標本のみを発送いたしますので,ほかのご注文は別にしていただけますと助かります。送付はレターパックライトを予定しています。ご注文いただいた順に,順次発送いたします。予定数に達しましたらいったん販売終了しますが,年明け後にはレギュラー品として供給する予定です。

追記: 多数のお申し込みありがとうございます。10時54分に完売しました。年明けに再び販売いたしますのでお待ち下さい。

ご注文のメールは mws@micro.sakura.ne.jp です(画像/MWS)。








2019年12月24日




顕微鏡観察を趣味とする方々に必携の書,『微化石』は現在amazonで発注可能です。10月には絶版の予定だった書籍が現在も注文可能なのは皆様が多数お買い求め下さって,「在庫を動かした」ことの成果にほかならないと思います。この優れた書籍が将来も入手可能にするためには,毎年一定数以上の数が売れなければなりません。現在はたぶん,数十万人に一人がこの書籍を持っているという状態でしょう。明らかに周知が足りない状況です。ぜひ,皆様にさらなる協力をいただきまして「在庫を動かして」ほしく思います。どうぞよろしくお願いいたします。amazonでの微化石注文は こちら でございます。きょうの画像はもちろん微化石(放散虫化石)です(画像/MWS)。








2019年12月23日




世の中の多くの人々が何を考えているのかはよくわかりませんが,全体的な傾向というのは何年か眺めていればなんとなく見えてくる気もしています。当サービスが開業した2007年頃はブログやホームページの全盛期っぽい頃で,多くの方がブログを使い情報発信していました。当サイトが毎日更新しているのも,多くの方に見ていただき,気に入って頂いた方々がブログ等で話題として採り上げて下さることを期待していたという理由もあります。

しかし時代はどんどん変わっていき,人々の関心はブログから離れ,主にSNS方面に向かっているような感じです。筆者としては同好の士が増えて,世の中に顕微鏡系ブログなどが増殖することを期待していたのですが,この12年の経過を眺めていて,そのようなことはほぼ起こらなかったといえます。しかし顕微鏡関係に興味を持つ人は増加して,主にSNS系の場所で情報交換して,多くの人に見られることを第一目的に,情報を次々と流れ去る一過性のものとして扱っているように思えます。

情報というものは,ある程度のストーリー性があり,発信者の経験により編纂された一つのパッケージになっているときに,最も意義が発揮され理解しやすく心に残るものになることは自明です。だからこそ,書籍であったり映画であったりドラマであったり,あるいは楽曲や歌のように,情報がパッケージとして流通しているのです。

ツイッターを初めとするSNSはこれと反対に近い感じが,個人的にはします。情報は分断され,ストーリー性を読み取ることは難しく,一つのパッケージとしても機能しにくい…。情報の使い方としてはもったいない感じがします。

たとえば,先日行われた『ケイソウ展』については,リアルタイム検索したところSNS上でたくさんの反響があったことがわかりました。しかし断片的なものが多く,「よかったー」といった単純な感想はよくわかるのだけれども,情報のパッケージにはなっていないように感じました。

でもブログなら,たとえば こちら のように,一つのまとまりのある情報のパッケージが個人のストーリーとともに語られます。どうみても圧倒的にこちらの方が情報としては優れていますが,なぜか多くの人々はブログやホームページによる情報発信には関心が薄いようです。

当サービスがいくら活動を続けても,そもそもgoogle検索の利用者が減少傾向という話もあり,珪藻という精妙な世界をweb経由で多くの方々に届けるお仕事というのは,SNS全盛の世の中では,そもそも初めから無理があったのかもしれません。まぁ,話題になる程度の本でも出版すれば,その情報がSNSに乗るので,多少は救いがあるのかもしれませんが…(画像/MWS)。








2019年12月22日




顕微鏡で展示や実演を行うときには,その目的にあわせてカスタマイズする必要があります。展示であれば標本に最適な対物レンズ,コンデンサと光源にしなければなりませんし,ときには対物レンズに改造を加えたり,光源もスペシャルなものを使ったりもします。実演ではプロジェクタ投影用の標本に,MTF曲線の変化を実感していただけるよう照明側のコントロールが必要になりますし投影倍率も会場の大きさに合わせるなどの工夫が必要になります。

そうしてカスタマイズした顕微鏡が最大限のパフォーマンスを発揮するように,こんどは各部の点検,光学面の清拭,光源輝度や発光体サイズの確認,テスト運用などを経て完璧チューンの状態に持ち込みます。『ケイソウ展』ではこういった準備をして展示効果を最大に上げましたし,最近の特別講義ではオプチフォトを講義室での実演用にしてMTF曲線の説明をしました。

この手のチューンはじつに微妙なものなのですが,完璧にはまると,見事としかいいようのない像が現れることもあってやめられません。うかつに,酒を飲みながら深夜に手をつけてしまうとそのまま明け方が近づいてきたりするので要注意です…(画像/MWS)。








2019年12月21日




クルマがお好きな方の中には,好みの内装にして標準装備以上のスペックのパーツに交換し,常にメンテナンスを欠かさず,最高性能をフルに発揮できるよう整備することに喜びを感じる方もおられることでしょう。バイクでもスポーツサイクルでも事情は似たようなもので,変速機をシマノ600EXからDURA-ACEに交換すればなんとなく高級になった気がしてうれしく,意味もなくホルツ・アルミホイールクリーナーでぴかぴかに磨き上げ,各部のグリス交換をして最高性能を維持できるようマシンの整備をすることに喜びがあったりします。もちろん,そのマシンで風を切って走る爽快さは最高です。

このようなことを「わかる〜」という人は,顕微鏡も趣味の仲間入りになるかもしれません。研究用顕微鏡は産業レベルで使われているものですから中古品はたくさん流通しています。そのようなオールド機材を救済し,磨いて,各部のパーツを最良のものに交換して,自分の用途にカスタマイズする。そうしてできあがった一台を究極のレベルまでチューン。そしてその像の切れ味を珪藻プレパラートで確認する。至福のひととき。

観察そのものが目的なのではなく,観察「も」一つの目的で,機材整備もそれ自体が充実の時間なのでいじること自体が目的でもあります。そうして往年の名器がよみがえり,目の前には自然の造形美が広がる。なんとも優雅で贅沢な時間ではありませんか。

そんな素敵な時間をお過ごしのように見受けられるブログが こちら です。顕微鏡自動増殖の法則がここでも働いていることも読み取れます(笑)。拝見しているだけでもわくわくしますが,読後に機材をいじりたくなってしまいますねこれは。

顕微鏡は決して難しい存在ではありません。いろんなことがわからなくても,まずは入手していじって,勉強してみれば先は開けるものです。本ページの読者の方々の中には顕微鏡をまだお持ちでない方もひじょうに多数いらっしゃいます。「買え〜」とはいいませんが,どっしりとした顕微鏡が前の前にあるだけでも,けっこうよいものですよ,とは言っておきます…(画像/MWS)。








2019年12月20日




めかぶは材料を刻んで加熱したものだからどこで購入しても一緒のものが入手できるはずなのですが,実際はそうではありません。お店によっての「水洗い」の度合いが異なり,味がまったく違うのです。生のめかぶをさっと水洗いして刻んで電子レンジでチンすれば,めかぶらしい天然の塩気とアミノ酸のうまみを感じることができますが,スーパーなどで売っている洗いすぎのメカブは「味のない繊維」という感じでひじょうによろしくありません。適度な洗い具合で味が残っているめかぶは中島水産の市販品くらいで,最近はどんどん水洗いしすぎのものが勢力拡大中です。

そんな味のないめかぶの食べ方がきょうの画像。しらすをメカブの体積の倍量加えてよく混ぜます。これだけです。しらすの塩気とうまみがメカブで緩和されちょうどよい塩梅になります。冬場はちょっとだけ温めて食べるとよろしいですね。タレをかけて食べるよりもタンパク質とカルシウムの補給にもなり,味もおいしいので良いことばかりです(画像/MWS)。








2019年12月19日




照明光の入射角を少し変えると,きのう掲載した標本がこんな感じにも表現できます。回折スペクトルをみているのかもしれませんが,でもそうならばハロゲンの照明で連続的に波長別の色彩を観察できるはずです。実際はそうなりません。特定の回折,干渉,反射などの複合で発色が決まっているのかもしれません。珪藻によっては,どう照明しても白色のままの種も多数ありますので,色が構造色であることは確かです。ふしぎですね(画像/MWS)。








2019年12月18日




きょうの画像も『ケイソウ展』に使用したJシリーズ。照明を変えると様々な色で表現できるスーパースライドです。大きな画像は こちら にありますので,どうぞご利用下さい。この標本の画像も『ケイソウ展』のものがSNS等にも流れていて公知のものです。クレジットをつけていただければweb上でご利用いただいてもかまいません。ただし,商用利用は除きます。クレジットは,画像:ミクロワールドサービス とか, Photo: Osamu OKU などとしてください(画像/MWS)。








2019年12月17日




お待たせしている今季のJシリーズ販売ですが,数量を確保するために12月中の販売は見合わせ,2月後半までのどこかのタイミングで販売いたします。少しずつ製作はしておりますが,『ケイソウ展』と大学の特別講義への対応でほとんど時間がとれない状態でした。ようやく少し落ち着いてきたので,これから製作に時間をとりたいと思います。今季は珪藻メインに加えて,放散虫やほかの微化石も少数作る予定です。

きょうの画像は『ケイソウ展』に使用したJシリーズ。滅多にできないレベルのきれいな封入です。大きな画像は こちら にありますので,どうぞご利用下さい。この標本の画像はすでにSNS等にも流れていますので,クレジットをつけていただければweb上でご利用いただいてもかまいません。ただし,商用利用は除きます。クレジットは,画像:ミクロワールドサービス などとしてください(画像/MWS)。








2019年12月16日




今年のふたご座流星群は活発だったようで,満月近くの月が出ている東京豊島区という国内最悪の条件にもかかわらず,南の空を眺めているだけでいくつも流れ星が見えました。個人的な印象では夏のペルセ群の数倍?という感じで驚いたのでした。光害のない場所で観望した方は相当たくさんの流れ星を拝めたことでしょう。

きょうの画像は15日の深夜の様子。買ったばかりの1Nikkor 32mmF1.2で絞り開放での撮影(Nikon1J5)。このレンズ,いやーとってもよく写ります。気に入った\(^o^)/(画像/MWS)。








2019年12月15日




14日は環境経済系の研究会に出席でした。この研究会で中心的な役割を果たしていた室田武先生の追悼集会でもありました。室田先生からは主に著作物を通じてたくさんの勉強をさせていただきました。3.11以後には,ある研究会の懇親会で先生とご一緒するチャンスがあり,先生の論文で私がいちばん気に入っているものについて御礼申し上げ,ご意見をいただいたことがあります。川合玉堂の『彩雨』という絵を知ったのも室田先生の論文からでした。

きょうの研究会によれば,室田先生は画家志望だったとのことで,なるほどそれで絵画についても造詣が深いのだと納得しました。緻密な論理屋さんである一方,どうしようもないロマンチストの側面も持っていて,著作物を読むと明晰な論理展開をするのにも講演を聞けばぼそぼそと何を言っているのかわかりにくいという不思議な先生でした。

エネルギーのプラントではEPR,EPTが大切なことを日本でいち早く紹介した第一人者でもありました。そこには熱力学の裏付けがあり,経済学と物理学の結合をどこかで意識した仕事が多かった気がします。

きょうの画像はそんな先生を振り返る会合の帰りの一コマ。何気ない都会の夜景ですが筆者には忘れられない光景になるのかもしれません(画像/MWS)。








2019年12月14日








定期巡回しているフジヤカメラさんのwebサイトに手頃なレンズが転がっているのを深夜に発見したので,翌日さっそく回収に伺いました。このレンズが何のために必要なのかというと,コリメート法で使うための撮影レンズなのです。Nikon1シリーズでは入射瞳がレンズの奥に引っ込んでいるものが多く,接眼レンズの出射瞳とのマッチングをとることが困難でした。このため,けられてしまい,情報損失とともに周辺像の悪化なども見られたのでした。

望遠ズームを使えば瞳のマッチングはとれるようになるものの,こんどは撮影倍率が高すぎたり,ズーム倍率を一定にするのが難しかったり,レンズにカメラの重量が載ってしまうので撮影システムとしては強度不足だったりして,まともに使えるものではありませんでした。それでコリメート法を本格的にやるのはあきらめていたのです。でも,コリメート法で撮影すればNikon1の機能制限が解除されるので表現の幅が広がります…。

というところにちょうどよいレンズがフジヤカメラさんに転がっていたのでした。そんなに安いレンズではありませんが,筆者は必要だと思ったものが実売店舗に転がっており,出向いてすぐに買える場所で,価値に見合う価格と判断できれば即買いします。いちいちネットで最安値などを調べたりなどはしません。そんなことにちまちまと時間を使って日数が過ぎゆく無駄な時間を考えれば,すぐに買って使ってみて結果を出していけばいいのです…という考えです。

フジヤカメラさんは中学生の頃から通っている,本当に心から安心できる中古屋さんです。カメラの遮光スポンジ交換や,近眼が進んだときの視度補正レンズの相談にものってもらいました。トキナーのATX-M90mmF2.5と出会ったのもこのお店。今回はナノクリスタルコートの高級レンズです。店員のお兄ちゃんがさっとレンズを出してくれ,自由にいじらせてもらえるのもこのお店の魅力です。どこかに問題があるはずもなく即買いとなりました。店の棚にはNikon1J5,Nikon Z6, Z7が多量に並んでいて衝動買いしそうになりましたが,Z6, Z7を導入してしまうと撮影システムが組み替えになってしまうのでぐっとこらえました。

店をあとにしてこんどはフジヤカメラのジャンク館へ。用事はなくても覗かなくてはなりません。あてもなく店内をうろついて物色していると,なんとNA-Cマウントアダプタが1000円で転がっているではないですか。これを連れて帰らない理由はなく,やっぱりジャンク館はいいなぁと思いつつ中野駅に向かったのです。

きょうの画像三枚目は,このレンズを用いてコリメート法(Nikon1J5)で撮影したJシリーズ。明るさ・コントラスト・ヒストグラムの調整はしていますが,十分使えることがわかります。カメラ屋さんの店頭でコリメート法を試すわけにはいかないので,購入は博打的な側面もありますが,レンズの寸法やレンズ構成,焦点距離などを見れば入射瞳がレンズの外側にあり,使用するCF接眼レンズに対してケラレのない視野になるだろうことは予想できます。実写の結果もその通りになったわけで一安心です(画像/MWS)。








2019年12月13日






『ケイソウ展』で特大の4Kモニター展示してひじょうに好評だった「珪藻標本・宝石デザイン」は,じつはある暗視野条件で赤色を出す設計になっていました。そのためのコンデンサも用意していて,肉眼展示にする予定だったのです。しかし『ケイソウ展』設営当日,いくつかの標本を4Kモニターに映し出してみて,この宝石デザインが圧倒的なインパクトに感じ,展示に採用となりました(画像一枚目)。このモニタ展示では暗視野コンデンサのNA分布によって放射状に配置したディディモスフェニアが青っぽい発色になっています。きょうの画像二枚目では,高NAの入射光による暗視野で設計通りに赤色が出ています。このように珪藻の種類によっては,一つの標本でも多彩な表現が可能です(画像/MWS)。








2019年12月12日






11日は都内で顕微鏡機材活用の検討会でした。古い規格の中古品の実用可能性を探るのが第一目的で,紫外線顕微鏡や液浸検鏡,それらの投影レンズとの相性,軸上あるいは倍率色収差の様子。動画撮影での実用性などを長時間にわたり検討しました。チェックすべきことは多く午前中からの作業があっというまに夕方になりました。そこで対物レンズの液浸に不適合な液体を,胃袋の液浸に使うことによって消費しました。朝起きてから夜寝るまで一日中顕微鏡のことを考え,顕微鏡をいじる幸せな,そしてハードな一日でした(画像/MWS)。








2019年12月11日




多種類の珪藻を列に並べる場合,どのようなデザインにすれば釣り合いがとれたように見えるのだろうか…。きょうの画像の標本でも十分見栄えがしますが,空間のあけ方にはほかの考えもあるような気がします。デザインのお勉強が必要なのかもしれません(画像/MWS)。








2019年12月10日






9日は神奈川県内の大学で特別講義の講師を務めました。たったの二コマ(180分)しか与えられなかったのでどのような話をするか,とても苦しみました。依頼主からは「顕微鏡でここまで見える,みたいな話をしてほしい」というリクエストがありましたが,とても漠然とした依頼で解析不能でした。もしマジメに顕微鏡の使い方などやろうものなら最低10コマは必要ですし,そういった基礎がない状態で「ここまで見える」と言っても顕微鏡の使用経験に乏しい受講者(学部三年生)には「???」となるのが関の山でしょう。

ということで,まずは「珪藻の世界」を豊富な顕微鏡写真,顕微鏡微速度撮影を駆使しながらご案内して,「顕微鏡を用いた具体的な仕事例」の紹介と「珪藻という生き物の奥深さ」をご理解いただくようにしました。そして次に珪藻アートと顕微鏡の深い関係についての話題提供として,筆者の仕事の紹介も行いました。そのあと,顕微鏡を使っていく上で最も大切な「NA」という概念を,sinθ=mλ/Dの回折現象から説き起こし,レンズで物体を解像するには0次光と±1次光のどちらかの成分がレンズに入射することが必要ということを説明し,D=0.5λ/NA,コンデンサの概念と扱い方,MTF曲線の理解を講義しました。

ラストの20分はマイ顕微鏡の入手法と題して,レイメイ藤井の誇る傑作,RXT150,RXT203などを紹介し,研究用中古機材の入手法としてイーマイクロさんを紹介し,よりマニアな道を突き進む熱心な受講者のためにヤフオク顕微鏡カテゴリも講義内容として(笑)紹介しました。

最後は,鎌倉由比ヶ浜の砂浜の砂を受講者全員に配布し,レンズでものを見て分類する経験を「やってみたければやりなさい。それは必ずあなたの経験になるから」とのべ,また一方で,こういった体験は自由意志が大事なので,やりたくない人はやらなくても結構。ただし経験は得られないよ。といって講義を終わりました。

講義ではオプチフォトを持ち込み,『ケイソウ展』でも利用したJシリーズを展示して興味をもった学生の方々に見てもらいました。半数くらいの人が顕微鏡を覗いてくれました。一部の方はスマホで写真をお持ち帰りになりました。オプチフォトの観察像はCMOSで取り込んでプロジェクターに出し,コンデンサの絞り込みと像質の変化,照明波長と分解能の関係を実演しました。

講義後は帰宅ラッシュが始まるのですぐに直帰としたのですが,オプチフォトを持ってバスに乗ることはすでに不可能な状況。タクシーをつかまえての帰宅となりました。最寄り駅から鉄道に乗り,新宿から山手線に乗り換えての帰路でしたが,18時を過ぎた山手線ホームでオプチフォトを転がすのは超高難易度な移動で,肉体的にも精神的にもひじょうにハードな帰宅となりました。。疲れ切りました。。ので,これから一杯やって精神を落ち着けたいと思います(画像/MWS)。








2019年12月9日






秋のプランクトン学会以降,だらだらと慢性的に忙しい日が続き,家から一歩も出ないこともしばしばで,世の中がどのようになっているのかもわからぬ日々を過ごしつつありました。しかし『ケイソウ展』に出向いたことで,都内は紅葉のシーズンであることが判明。画像は東京学芸大学構内のモミジ。ここのところ毎年,紅葉狩りどころではない生活でしたので,来年は少し余裕のある暮らしをしたいところです。でも器用貧乏,貧乏ひまなし,ということで難しいのか…(画像/MWS)。








2019年12月8日










『ケイソウ展』から引き上げてきた機材は,そのまま放置というわけにはいきません。速やかにメンテナンスを施さないと光学系の劣化が急速に進行します。直ちにメンテナンスする必要があるのは接眼レンズです。きょうの画像で示しているように,完璧に清拭した接眼レンズでも,たった8時間半の展示でこのようになってしまいます。レンズを見ると触りたくなる人というのが一定数存在します。そのような人を観察していると,接眼レンズの目レンズを指先でぐりぐりと擦ってみて感触を確かめ,安心するようです。レンズにはあまりにも明白に,滑走した指紋が多数残されています。

このようなレンズをそのまま放置するとコーティングの劣化につながります。すぐに清拭して新品同様の状態に戻さなくてはなりませんが,これはけっこう難しい手技を要します。きょうの画像程度まで汚損されたレンズを完全に清拭できればプロといっても差し支えありません。

やり方はいろいろあるのですが,第一は水拭き。結露を利用した水拭きでレンズ全体を拭きます。これを数回。よごれの主成分は手脂なので溶剤拭きがいいだろうと考える向きもありますが,手脂には塩類が含まれていて,これは強力な蒸発残留物です。これを残さないようにまずは水拭きで,レンズ全体に手脂を伸ばすような感じで清拭します。そのあとにわずかに水分を含んだ溶剤で脂をふきとっていきます。

これだけ汚れると簡単に拭けるものではなく,一番汚れたレンズでは,一面を完璧な状態に戻すまで小面積のレンズペーパーを使って21回の拭きを要しました。グリスに近い成分がよごれの場合は,清拭に10回20回というのは珍しくありません。プロならば状況に応じて溶剤を変えるなり,分解するなりして完全な状態に持ち込めますが,経験値が低い方の場合はどうにもならなくて妥協することもあるでしょう。そのくらい面倒で難しいのが『拭き』です。

…というように,展示会に顕微鏡を供出するというのは面倒なことなのです。筆者が『ケイソウ展』の期間中に何度も清拭したのは,このような汚損状況が容易に予想できたからでもあります。また,今回は透過明視野での展示を行いませんでしたが,それもこの汚損と関係があります。暗視野での展示であれば接眼レンズのよごれが見えにくいのです。しかし透過明視野であれば,そして少しの絞り込みであれば,接眼レンズの目レンズ上の欠陥は全て網膜に投影されます。

きょうの画像と同じくらいによごれた接眼レンズなら,透過明視野での検鏡では,たくさんの光学的なノイズが視野内を汚し,完全無欠に近いJシリーズを見るに堪えない「ゴミだらけの視野」にしてしまうことでしょう。それはさすがにマズイのです。ゴミの見えない視野をお楽しみ頂くためにも暗視野のセッティングとして,目レンズの多少のフレアは許容してもらうという考えなのです(画像/MWS)。








2019年12月7日




6日は『ケイソウ展』の撤収作業でした。あの楽しかった展示会も,もう終わってしまいました。まだ正確な数字は出ていませんが数百人ものお客さまが珪藻を楽しんで頂いたというのは画期的なことです。「珪藻? 何それ?」の人が一目見て気に入って,二度,三度と来てくれたりもしました。忙しい会社社長さんが京都から駆けつけて見に来てくれました。博物館の研究者が忙しい合間を縫って顕微鏡を覗きにきてくれました。本ページの読者の方々も,かなり多くの方が足を運んで下さいました。「珪藻」というマイナーな対象を被写体として,賑やかな雰囲気の中でスマホでの撮影大会となるなんて,誰が想像したでしょうか。皆様のおかげです。ありがとうございます。よかつたよかつた(画像/MWS)。








2019年12月6日






5日は教材の材料を調達のために鎌倉方面に向かいました。二ヶ月ぶりくらいの久しぶりの海で心洗われる感じがしました。鎌倉の海岸はいつでも犬の散歩をしている人がいて,犬種も多様で,レトリバー系からプードルちゃん,パグ,ドーベルマン,ミニチュアダックスなどいろいろ見られて和んだのでした。仕事も終わった帰りには『鎌万』をのぞいて,いつも通りの豊富なお魚さんの品揃えにため息をついての帰宅となりました(画像/MWS)。








2019年12月5日




4日は『ケイソウ展』の顕微鏡と標本のメンテナンスに向かいました。ほんとうはほかの仕事で火だるま状態なのですが,筆者はJシリーズ展示を最高の状態でご覧頂けるように命をかけなくてはいけませんので出向きました。案の定,接眼レンズは曇っており,標本にはひじょうに細かなチリが積もっていて,何も知らずに見れば気になりませんが,筆者から見れば要メンテナンス状態でした。全てを清拭するのに一時間以上かかりました。そのあとに子どもたちが走り回ってレンズをべたべたと触り,再度,レンズの清拭を行いました。。

そうこうするうちに,お客さまが次々と来訪され,中には2度目,3度目という方もいらっしゃいました。一般の方々の方が関心が強いようで,「一度見てあまりにもきれいだったのでまた来ました」という方と,土曜日以来の再開となったりもしました。こうして喜んで頂くと展示担当者としてもうれしいものです。

顕微鏡観察展示で面白いのは珪藻ばかりではありません。顕微鏡を見に来た人にも面白いアイテムがあるだろうと思います。きょうの画像はその一例。ニコンE600で珪藻標本・円形デザインを展示していますが,この標本を最良の発色とシャープさで見るための工夫。1980年代の160mm鏡筒長のニコンCFシステムの対物レンズを「対物変換アダプタ」を介してCFI60システムとしています。このアダプタはニコンがCFI60システムを開発してからしばらく販売していたもので,有限鏡筒長のレンズを無限遠補正系に変換する便利なものです。こんな小物をみて「ははん」と思う来訪者もきっとおられることと思います(笑)。

防塵の工夫も見所かもしれません。Jシリーズユーザーには周知のことですが,多数の人が出入りする部屋で暗視野検鏡を行うと,秒速で標本がチリにまみれていくのがわかります。その悪条件のなかで完全黒バックの状態を維持するのは超高難易度の技術といってもよさそうです。そこで今回は,設営現場でプラスチックシャーレを使った防塵傘を対物レンズにあわせて作りました。そして現場で標本の清拭を行い,それを数秒以内にセットしてチリがつかないようにしています。このようにしても,実際は重力に逆らって動いているチリが空気流通に載って降ってきますが,それらのチリは0.5μmを切るサイズのものが多く,10倍対物レンズの拡大率のもとではピンぼけで輝度が低下して見えにくくなっています。

といった工夫で世界最高峰の展示が行われているのです。もちろん,合間にメンテナンスは必須ですが。

『ケイソウ展』の特設サイトは こちら です。いよいよ5日の最終日です(18時まで)。あの輝きを目に焼き付けましょう(画像/MWS)。








2019年12月4日




めったなことでは人様に何も押し売りしない筆者が,現在開催中の『ケイソウ展』をプッシュし続けるのには理由があります。プロが完全に整備・カスタマイズした顕微鏡群を12台も観察可能な状態で揃え,究極の透明度を誇るJシリーズ11枚を,ほぼ無塵の状態で観察できる今回の展示は,おそらくはこれまで世界中で行われた顕微鏡観察展示の中でも,最もレベルの高いものです。標本は全て顕微鏡に対して最適化してあり,また顕微鏡はすべて標本に対して最適化してあります。対物レンズの状態,NA,色収差補正,コンデンサNA,背景光,照明輝度,フィラメント面積,色温度,全てを管理して最良のコンディションに追い込んでいます。

光学顕微鏡による世界最高の珪藻観察展示といって差し支えないと思います。世界最高の展示が交通便利な東京学芸大学で行われているのですから,「ぜひお越し下さい」と言ってもよいでしょう。

別の観点からみてみましょうか。これだけの機材を集めて,6人の専門家が設営から撤収まで合計10日間の展示行う費用を見積もれば,どのように計算しても最低50万円〜100万円はかかります。展示されている顕微鏡群の総額は2000万円に近いでしょう。そこに究極の標本が載っており,来場者は無料で顕微鏡の操作を許され,自由に撮影も行える,このような贅沢な展示はバブル時代でも見られないものでした。予算的にも労力的にも専門性の観点でも,こんなレベルの高いことは普通は実現できないのです。

それが可能になったのは,ながねんお付き合いを頂いているカールツァイスの田中さん,グレンデルの忍足さん,ヘリオストームの鈴木さん,東京海洋大の石丸隆先生(名誉教授),それに浜野顕微鏡の浜野さんという方々が,真にレベルの高い技術を発揮し,また日頃の信頼関係の深さから仕事がひじょうに円滑に進んだからです。このチームでなければなし得ないレベルの高さであることは間違いのないところです。

ですから,お越し頂いた方々はきっと楽しんでいただけたことと確信します。これ以上を望むのは難しいくらい,レベルは高く,自由度も高く楽しめるように計画したからです。

1日の日曜日には参加無料のシンポジウムもあり,珪藻に関する豊富な話題提供がありました。ひじょうに幅広い分野からのお話があり,どれを聞いても面白く,あっという間に時間が過ぎゆきました。きっと,シンポジウムと『ケイソウ展』の両方を見た人は大収穫だったのではないでしょうか。一参加者としてそのように思いました。

筆者はシンポジストとして『光学顕微鏡の発展と珪藻アート』というタイトルで話題提供しました。リスター,アミチ,トルス,アッベ,ケーラーといった偉大な光学研究者の活躍の影には珪藻があり,エーレンベルク,キュッツイング,アガードやヴァン・ホイルクなどの珪藻学者の協力もありました。そして珪藻テストプレートを供給し続けたJ.D.メラーと珪藻学者の関係,珪藻アート誕生の背景などについてのお話をしました。

講演後はたくさんの人から「すっごくおもしろかった」との講評を頂き,いろいろな会話も弾みました。帰宅してからはメールでのご挨拶も頂き,「奥先生の講演を聞いて、顕微鏡や珪藻に触れたい気持ちが爆発的に増えました。」「職業柄、顕微鏡のセミナーは開発の歴史も含めてこれまでなんども拝聴してきましたが、先生のお話は別の角度からのお話で、これまで知らなかったことが盛りだくさんでとても新鮮でした」などのレスポンスもいただきまして,シンポジストとしての役割は果たせたかなと,ちょっと安堵したのでした。

こんな素敵なイベントが開ける日本はまだまだ捨てたものではないのかもしれません。『ケイソウ展』の特設サイトは こちら です。まだまだ顕微鏡観察のチャンスがあります。5日の18時まで開催中です。みなさまぜひどうぞ(画像/MWS)。








2019年12月3日




現在開催中の『ケイソウ展』の顕微鏡観察コーナーはこんな感じです。MWS所有の顕微鏡をはじめとして協力者の自慢の顕微鏡群が並びます。どれも申し分のない像を結びます。

展示を始めていろいろな出会いがありました。なかでも嬉しかったのがJシリーズのユーザーさんが訪問してくれたこと。かなり大型のJシリーズをお持ちの方なので,Jシリーズの真価をご存じの方なのですが,それでも実物を見るために足を運んでくれたのでした。そして帰宅後にメールで

本日は、珪藻展を娘と一緒に堪能させていただきました。
スマホでの撮影方法を親切ににご指導いただき娘も見事な写真を撮影出来ました。
日々眺めているjシリーズなのですが、奥さんの大切にしている愛機とツアイスでみたその輝きは
溜息ものでした。特段オアマルの破片達とクリスマスツリーのプロウレシグマなのか?あの
美しさはどうにも  素晴らしかった。ずっとみていたかった。けどドキドキしっぱなしで・・・。
胸いっぱいの思いで娘と感想を語り合いながら帰路につく幸せな一日となりました。

こんな素敵な感想をいただきました。Jシリーズを日々眺めていても『ケイソウ展』には想像を超える世界があるだろうことを想像できる。さすがです。手持ちのJシリーズがあれば,ふつうはそれで満足していて会場まで来ないことも多いと思います。筆者など怠惰な人間ですからたぶんそんな感じになるだろうと思います。。

会場では短い時間でしたがご挨拶することもでき,数年来メールで感じていたお人柄と変わらぬお客さまの姿を見ていると,なんだかふしぎな気もしました。違和感がないのです。

このほか,「たくさんのふしぎ買いました!」という方も多くいらっしゃいました。「本日の画像の読者です」という方もおられました。有り難いですね。そんなお言葉をもらえるだけで,なんか旧知の間柄のような気がしてきて,お話も弾むのでした。まぁ,筆者はゴールデンレトリバー並みのワンコ性を持っているので,好意的に近づいてくる人にはしっぽを振ってハフハフするのが標準なのですがー

『ケイソウ展』の特設サイトは こちら です。5日の18時まで開催中です。みなさまぜひどうぞ(画像/MWS)。








2019年12月2日




12/1は珪藻学会のシンポジウムで講演でした。珪藻アート関連の講演を依頼されていましたが,『ケイソウ展』で珪藻アートを展示中でもあったので,珪藻アートの歴史と顕微鏡の関係についての講演内容としました。講演時間は30分いただいたので,それなりには情報を詰め込むことができ,ギャグを配置する余裕もあって,楽しくお話をすることができました。

しかしまぁ,講演はこれで今年三件目。講演や研究発表することでお給料がもらえる研究者なら苦もない仕事なのですが,筆者は標本販売業者なのであって,研究や講演は全てお小遣いを使っての余暇活動みたいなもので,事業収益上は負担になる代物です。これを年に三回というのはどうみてもオーバーロードで,よけいな仕事のし過ぎです。その分,Jシリーズが作れませんので,代わりに講演を聴いていただいて喜んでいただければ…と願ったりもするのです。

さて現在開催中の『ケイソウ展』は5日まで毎日,10時-18時の時間で営業中です。究極の完成度を誇るJシリーズが並んでいる希有な標本展示ですので,お時間のある方はぜひ足を運んでいただければと思います。

会場で展示中の標本は,すべて撮影OKです。顕微鏡の近くに穴の開いたペットボトルのフタが置いてありますので,そのフタを接眼レンズにぴったりとくっつけていただき,そこにスマホのレンズをくっつけてセンタリングして撮影してみてください。手持ち撮影よりもずっと狙いが定めやすくなります。会場のスタッフが手助けしてくれますので,撮影がうまくいかないときは遠慮なくヘルプを頼むとよろしいです。

きょうの画像は撮影中の一例。まず最初に顕微鏡を肉眼で覗いて珪藻を堪能します。このとき,微動でしっかりとピントを合わせます。目で見てはっきりとピントが合っているものは,スマホのカメラでもピントが合います。

次にペットボトルのキャップを接眼レンズにぴったりとつけて,撮影モードのスマホをキャップに近づけながらセンタリングします。見えている珪藻アートをきれいに画面中心に持ってくるには,スマホのレンズが正確に接眼レンズ中心を覗き込んでいることが大切です。真ん中に来ないと思ったときは左右上下に少しだけ傾けてみてみましょう。最初は慣れなくて難しいと感じますが,コツがわかってしまうときちんとセンタリングすることができます。

リアルタイム検索やSNSの検索などで『珪藻』『ケイソウ』などで検索していただくと,『ケイソウ展』で撮影した画像をいくつか見ることができます。それらの画像はほとんど,この,ペットボトルキャップ法でスマホを用いて撮影したものです。ばっちり決まるとプロが使う顕微鏡カメラ専用機と全く遜色のない画像が得られます。ぜひ『ケイソウ展』にお越し頂き,顕微鏡写真撮影にチャレンジしてみてください(画像/MWS)。








2019年12月1日








11/30は『ケイソウ展』で常駐しました。ほんとうは日本珪藻学会の研究発表を聞く予定だったのですが,そして素晴らしい講演がいくつもあったのですが,『ケイソウ展』で展示中のJシリーズを見ると,視野内に1〜5個くらいのチリがついていました。言われなければ気がつかない程度のものですが,MWS基準では許容できないものなので,展示中の標本を次々と「完璧な拭き技術」によってメンテナンスしました。

そうこうしているうちにお客さまが次々と訪れることとなり,せっかくの機会ですから,スマホでの撮影を勧めてサポートしました。接眼レンズの射出瞳とスマホレンズの入射瞳のマッチングをとらないといけないので,簡単なようで難しい作業です。許容範囲は1mm程度なのでけっこうシビアなのです。しかし多くのお客さまが撮影に成功し,目で見た観察像を思い出すためのお土産をお持ち帰りできることとなりました。

そんなサポートを繰り返しているうちに,お子様などが接眼レンズを握って一生懸命観察してくれたので,目レンズに指紋やまつげ脂が多量に付着するという事態が発生し,設置した12台の顕微鏡の接眼レンズを全て清拭して回りました。

…という作業を繰り返していると,研究発表の聴講の優先順位は低下し,やはり筆者は職業上,Jシリーズ展示に命をかけないといけませんので,『ケイソウ展』に常駐となったのです。

web上で「ケイソウ」あるいは「珪藻」でリアルタイム検索をすると,『ケイソウ展』の反響が少しですが見られます。画像をお土産に持ち帰ることの大事さがわかるような気がします。これから『ケイソウ展』に出向く方は,ぜひスマホなどをお持ちになり,顕微鏡写真にチャレンジしてください。

顕微鏡の近くに転がっている穴の開いたペットボトルのキャップを接眼レンズにあてて,そこにスマホのレンズをぴったりとくっつけて標本に対してセンタリングして撮影するとうまくいきます。12/1は,筆者はまず珪藻シンポジウムに出席し(こちら),16時半から18時まで『ケイソウ展』に常駐の予定ですので,可能であれば皆様の撮影のお手伝いをいたします(画像/MWS)。









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