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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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新刊書のご案内
 

『たくさんのふしぎ2019年6月号 珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』を出版しました!! 各方面から絶賛の声が届いております。 まもなく在庫切れの見込みです。本の紹介についてはこちら をご覧下さい。






2019年9月30日




科博叢書『微化石』について,公式に絶版アナウンスが出たということは,最終的には絶版は避けられないだろうということになります。なぜなら,版元が絶版を考えるということは,それまで保持していた出版権が無効になるということであり,出版権が無効になれば,著作権者(著者の先生方)の著作物を営利のために版元が利用することは不可能になるからです。そこまで考えた上で絶版アナウンスが出されるわけです。

したがって私たちができることは,在庫の買い取りくらいしかありません。そのまま放置すれば絶版になり,倉庫の在庫は裁断されて無価物になります。裁断・廃棄を防ぐためにはたくさんの注文を入れて在庫を減らすことが大事なのです。

最後のお願いとなります。どうか皆様,科博叢書『微化石』を少しでも多く注文して頂き,廃棄を防ぐ努力をお願いできませんでしょうか。出版社さんからの直接購入は(こちら と こちら)です (画像/MWS)。








2019年9月29日




公式に絶版アナウンスが出ている科博叢書『微化石』を買ってきました。もともと持っていますがバックアップ用です。本当に大切なピンセットや対物レンズを2本揃えるように,書籍も価値あるものは副本を導入することは大学院生の頃から心がけてきました。この本を必要とする人は,将来,いくらでも現れます。しかしそのときに渡すものがなければ,せっかく興味をもって頂いたのに大きな損失となります。そんな無駄を避けるためにも,予め,誰かにプレゼントするかもしれない本は買っておくのです。

ぜひ皆様も副本を揃えて下さるようお願いいたします。

この本が本当に絶版になるとすれば,それは想像以上に巨大な損失となります。この一冊を仕上げるために著者の先生方がどれだけの時間を費やして,貴重なデータや写真を提供し,一つのまとまった伝承できる知識体系に仕上げてくれたか。このときこの選抜メンバーでしか成し遂げられない充実した仕事の成果です。そうしてようやくできあがった知の体系を書籍として経済合理性がないので捨てるのです。どれほど信じられないことが行われようとしているかおわかりでしょうか。

たとえば,心臓外科の手技と術後管理の全てをまとめたバイブルがあるとします。この一冊こそが手術成績をあげ患者の命を救うための大事な書籍。もし,その本が売れないからと廃棄処分になり,誰も入手できない状態になる…そんな話を聞いて「仕方がない」と思いますか?

経済合理性に振り回される世の中はおかしいのです。『微化石』という素晴らしい書籍が刊行され,その書籍は微化石ファンを増やし,研究者を育成するという『知の再生産』という役割は立派に果たしてきているのです。そしてその役割はまだ終わったわけではありません。

書籍が売れないのは,多くの場合,その本に価値がないのではありません。出版社さんや著者の方々が,売り方を知らないのです。本は必要とする人に出会えば必ず売れます。問題はどうやって必要な人を探し出すか,必要な人に情報を行き渡らせるかです。この本の在庫がだぶついてしまったのには私たちにも責任があります。十分な情報を届けることができなかったからです。

現在は緊急事態です。どうにかしてこの素晴らしい本の廃棄処分を避けたいです。著者らの努力を無駄にしたくないです。どうか皆様,科博叢書『微化石』を一人でも多くの方にお買いも求め頂けますよう力をお貸し下さい。出版社さんからの直接購入は(こちら と こちら)です (画像/MWS)。








2019年9月28日




科博叢書『微化石』はamazonさんで在庫切れになりました。絶版間際の書籍なので,amazonに再入荷の可能性があるかどうか不明です。出版社さんから直接購入を試してみるのが無難です(こちら と こちら)。

今回の絶版アナウンスには「裁断」というキーワードが入っていますので,不良在庫の処分という位置づけの可能性が非常に高いといえます。つまり版元の在庫は十分な数あるはずです。

素晴らしい本があり,それを欲しい人も世の中に大勢いるのに,出版情報が伝わらず,ネット書店やリアル書店にも貧弱な在庫で,気づいていない人がたくさんいる。そして出版社の在庫だけが山積みになっている。

山積みの売れない本は不良在庫とみなされ,その本がどれだけ学術的に価値の高いものであっても,収益を生み出さずに倉庫代ばかりかかるなら,裁断して廃棄した方が出版社の経営的には助かるということになります。

こんなに馬鹿らしいことはありません。皆様,ぜひこの本をお買い求め下さい。また多くの人に,今この瞬間にこの情報を広めていただくようお願いいたしします。

買った人も大喜び,出版社も大助かり,そこを目指しましょう。

本ページでこの本を紹介したのは2014年6月30日です。そこではこの本がどれだけ素晴らしくてお値打ちかを述べました(こちら)。これだけのクオリティーの本を大量に裁断廃棄するようなことがあれば,これは日本国および日本国民の質の低下を意味し,とても恥ずかしいことです。絶版になるのは仕方ないにしても,せめて版元さんの在庫切れに持ち込みましょう! (画像/東海大学出版会のスクリーンショット)。



*1 まったく個人的で根拠のない推測ですが,もしこの2,3日で『微化石』が150冊程度以上売れたなら,出版社は絶版日を(たとえば一ヶ月程度)延期するかもしれません。不良資産が一時的にでも優良資産になるわけですので。ぜひみなさま,SNSに情報を流して,必要としている人に本書が行き渡るようご協力下さい。よろしくお願いいたします。




2019年9月27日




科博叢書『微化石』がまもなく(一週間以内程度?)で絶版(在庫分は裁断廃棄)になるとの連絡が入ってきました。出版社がわざわざ絶版通知を出すことは珍しく,通常は在庫として抱えたのちに,在庫がなくなれば,品切れ・重版未定という扱いになるのが普通です。今回の件は現時点では在庫があるということで,収益上の問題で在庫を廃棄するということなのでしょう。よく知られているように書籍の在庫は資産としてカウントされ税金がかかります。不良在庫はどこの出版社も抱えたくないのです。

出版から7年しか経過していないので,まだまだ販売を継続して欲しいところです。著者の方々は若手中心なので,また新しい『微化石』を執筆してくれるかもしれませんが,もしそうであっても新しい版が出るまでの間は絶版にしないで欲しいというのが消費者の勝手な気分です。

ということで,この大変優れた書籍『微化石』を入手したい方は,直ちに書店注文等で確保することをお勧めいたします(画像/MWS)。








2019年9月26日








顕微鏡(透過明視野)を上手に使いこなす上で大切なことの一つは,いかに適切にコンデンサを操作するかということです。コンデンサとはステージの下についている,絞りリングのあるレンズのことです。この絞りを開閉することにより,平行光束に近い光をあてるのか,レンズで集光された円錐状の光をあてるのかをコントロールできます。

絞りを開くと,大きな見込角をもった円錐状の光が物体にあたることになり,こういった照明光は干渉性が弱いので,観察される象はコントラストの低いものとなります。その代わりに,あらゆる方向から照らされることにより,物体からは多くの情報が発生しており,分解能は高くなります。

絞りをいっぱいに絞り込むと,平行光束に近い光が物体にあたることになります。こういった光は干渉性が高いので像のコントラストは高くなります。しかしその代償として,物体から発生する光情報は少なく,分解能は低くなります。

これらのことを表したのがきょうの画像。一枚目の画像は絞りを開いたもの。三枚目の画像は絞りをぎりぎりまで絞ったもの。同じ物体でもこれだけ像が変化します。

物体は二重の殻をもつ放散虫骨格ですが,内部の殻の構造を詳しく見たいというのであれば,一枚目の絞り具合が正解です。外側の殻を干渉性の弱い照明で消すことができ,内部の殻の構造を比較的はっきりと観察できます。

顕微鏡の初心者は微細構造よりもコントラストを求める傾向がある場合が多く,コンデンサを好んで絞り込むケースが見受けられます。場合によってはそれも正しいのですが,絞り込むと消えてしまう情報もあるので,なるべくコンデンサは開き気味にして使う努力をしたほうがよろしいかと思います。

そしてイメージングのときには,面倒であっても,いろいろな絞りで多数撮影しておくのが望ましいです。撮影後の画像をチェックするとベストと判断されるものはそれらのなかの1,2枚であることがほとんどです。撮影の段階でその最適絞り値を見抜くのはそれほど簡単なことではありません。ので,数打ちゃ当たる方式でいくのがオススメなのです(画像/MWS)。








2019年9月25日






落射明視野法の利点は,照明の開口絞りを開き,視野絞りを適切に絞る,といった操作だけで理論分解能に近い像が得られることです。透過照明では解像限界付近のイメージングでは最高級のテクニックが必要になりますが,落射明視野では初心者でもOKです。また先日も述べたように,反射像なので最表面の像はSEMと同等になります。たとえばきょうの画像で示しているCymbella janischiiの落射照明像は,この被殻を低真空SEMでコーティングなしで撮影したものと完全に一致します。このような像は透過検鏡で得ることは一般にはできなかったので,大きな進歩といえます。

カバーガラスに接している被殻を検鏡すると薄膜干渉の虹色が見えます。ニュートンリングの一種といってもよいでしょう。黒が接触部分(ゼロ次),そこから離れて一次,二次の干渉スペクトルが見えます。これはそれ自体,薄膜の厚さを表している等高線のようなもので,珪藻の構造に関する情報でもあります。干渉縞を読み取ることにより珪藻被殻の湾曲度合いなどを推測することもできます。

このように書いてくると落射照明法による珪藻被殻の観察は良いことばかりに思えますが,そうでもありません。残念なのは,構造によって向き不向きがあること。極端に太いフレームを持った珪藻や曲面が強いもの,被殻からトゲが出ているものなどは高解像検鏡には適していないものもいます。どのような構造に向いているのかは,今後の検討課題です(画像/MWS)。








2019年9月24日






学会が終わればあとは自由時間。地元のスーパーをのぞいておかずと酒を買い込み,宿で学会の余韻に浸りながらの一人酒。今回は節制して,日本酒を1日300mlに限定しました。そのせいか,毎日,2,3時間しか眠れませんでした…。よく朝は観光でもと思いましたが,とりあえず駅まで行ってみたところ沼津行きの普通が滑り込んできたのでとりあえず乗車。どこかで降りて海の見えるところで海鮮寿司でも食べようかと思ったのですが,沼津に着くと目の前に御殿場線がいたので発作的に乗車。いちど乗ってみたかったのです。

乗ってみて幻滅というか何というか。土曜の昼なのにとても混んでいる。始発から立ち客がいる状態で,でも,それなのにたった2両編成のワンマンカー。多くの駅は無人です。降車には先頭車の一番前のドアしか開かないという面倒くささ。地元の利用者に不便を押しつけてローカル線の営業係数を稼ごうとしているのです。正直いって腹が立ちました。

JR東海は東海道新幹線というドル箱路線をもっており,莫大な利益をあげています。その利益を地方ローカル線に還元すれば,2両編成のワンマンカーが混み混みなどということは直ちに解決できますし,駅の施設などももっと便利にできるでしょう。有人駅を増やして雇用を確保するのも社会貢献としてよろしいと思うのですが。でもそういうカネの使い方はしない。地元に不便を押しつけて収益だけを搾り取り,有り余る内部留保はリニア新線の建設に回される… じつによろしくないですね。

そんなにやる気がないのなら,御殿場線は小田急に売却してしまえば良いのに,などと思ってしまいました。私鉄は不動産開発とセットで事業展開していますし,赤字だから切り捨てるなどという経営方針を持っているところはないでしょう。小田急なら営業係数を100以下にすることもできるかも… 少なくともJRの殿様商売よりはよいと思います。などといろいろなことを考えて,新松田から小田急で帰り,三泊四日の学会も終わりを迎えたのです(画像/MWS)。








2019年9月23日






ポスター発表で貼り付けた画像から2つ紹介。どちらもCoscinodiscus属珪藻の被殻で,落射明視野法を用いて撮影したものです。一枚目の画像は胞紋内部にある小さな孔がきれいに解像されています。二枚目の画像では被殻表面にある花柄模様が解像されています。落射明視野法は比較的薄い殻で平面性がよいものと相性がよく,表面反射像を得ることで分解能200nmまでの範囲内でSEMと同等の画像を得ることができます。これまで,生物顕微鏡では透過照明で珪藻被殻の観察が行われてきましたが,透過照明では被殻の表と裏の観察像の分離ができません。そこに新たに落射照明法による観察が加わったことで,表面構造を分離することができるようになり,SEM像との比較が可能になったのです(画像/MWS)。








2019年9月22日




…というわけで,電車に揺られて日本ベントス学会・日本プランクトン学会の合同大会に参加してきました。今年は静岡市での開催で,駅からも近く交通至便で,おいしいものもたくさんある素敵な大会でした。筆者は例年通りにポスター発表で,今回は珪藻被殻の封入標本を反射照明で検鏡した限界的な画像について発表を行いました。技法は約20年前に気づいたものですが,きちんとした機材で検討するのにはずいぶん時間がかかりました。海外ではTed Clake氏(故人)などが試みていることでも知られている方法ですが,国内では認知度はほぼ皆無です。プランクトン関係者には「金属顕微鏡」という言葉自体が「未知の領域」に近いもので,フリーズする聴衆もおられるとまずいと思い,かみ砕いた発表時間になりました。

ポスター発表のコアタイムは60分ですが,なんだかんだと聞いてくれる方々が続いて,120分のお話タイムとなりました。足を運んで下さった方々,遠巻きにご覧いただいた方々,見ようと思って下さった方々,全てに感謝申し上げます。閑古鳥が鳴いているようでは,そろそろ引退時期か…などと思ってしまうかもしれませんが,まだ大丈夫なようで,来年も頑張ってみるかな,という気になるのです(画像/MWS)。








2019年9月21日






通勤というものをしなくなって困ったのは読書時間が確保できなくなったこと。筆者は学生時代は西八王子−品川というヘビーな区間を10年以上も通い,それ以降は大塚−荒川沖という区間を6年間ほど通っていたので,何百冊を遥かに超える本を優に読むことができました。あれは有り難い時間でした。そういった時間がなくなった現在,わざわざ本を読むために電車に乗る時間を作ることもあります。今回は小田急線+αに乗る用事があったので,「色材の博物誌と化学」という名著を読む大変よい時間を作れました。

読み進んでいくうちに,電車の中で読書に没頭する至福の感じがよみがえってきて,また,文章への集中力がふだんよりも上がる気がして不思議でした。「ウルトラマリン」に関する記述は,web上にもたくさんあって,その中のgigazineの記事などは全て読んでいたのですが,すっかり脳みそから蒸発していました。それが冊子という形で電車内で読むと,なんとも自然に頭の中に染みこむのです。紙の本で読んだ方が遥かに理解度が深く揮発しにくいのはずっとむかしから自覚してはいたのですが,ほんと,webの記事をつまみ食いというのは人生の時間を無駄遣いしているのではないかと思わされたのでした。もっとも,それだけ本腰をいれて読むべき「本物の本」を選ぶというのもまた,大変な仕事なのですが。

まーでも,本当に久しぶりに列車に揺られる時間で,筆者にとってはゆりかごタイムでもあって,ふっと移り変わる景色にめをやりながら,楽しい本を読む数時間といのは本当にリフレッシュするものなのでした(画像/MWS)。








2019年9月20日






珪藻をばらまいた散布スライドをさんざん眺めたあとに,珪藻を並べたJシリーズを見ると,なんとも表現しがたい気分になります。いちばん気分的に似ているかもしれないのは,はじめて望遠鏡で月を導入し巨大な月とクレーター群を見たときの感じでしょうか。自分が見ているものの荘厳さに言葉を失い,畏怖の念を感じているのかもしれません。Jシリーズは自分で作っているものなのだけれども,できあがったものは一つの宇宙的な存在として客観的に見ることができるような気がします。自然の造形美がもつ力というやつでしょうか(画像/MWS)。








2019年9月19日




きのうのスライドの視野をちょっと変えるとこんな珪藻が表れたりします。淡水産のギロシグマ(Gyrosigma)の仲間で,100倍対物レンズでこのくらいにしか写らないけっこう小さな珪藻です。このサンプルは河川の脇にできた水たまりから表面の泥を採集したもの。これが大当たりで,じつに100種くらいの小型珪藻が入っているものなのでした。この水たまりは,数年後の洪水で水をかぶってしまい現在はありません。水をかぶる前は,少なくとも15年程度は安定した条件のところだったようです。多様な種を一発採集したいのですけれども,この試料のようなものにはなかなかお目にかかれません(画像/MWS)。








2019年9月18日




散布スライドを眺めて脳みその休息中…。単に珪藻がばらまかれているだけの光景ですが,いつまでも眺めていられます。脳みそから「時間」の概念がふっと消えるのです。こういった何かに没頭する時間というのは,仕事に追われる現代社会にあっては貴重なものです。久しぶりに目的もなく散布スライドを何種類か一時間ほど眺めましたが,なんか,ほっとする感じです。顕微鏡が必要になるので皆様にオススメ…とは言い難いのですかれども,ストレス軽減にオススメかもしれません(画像/MWS)。








2019年9月17日




久しぶりのイメージングを行うと,なんか,検鏡技術がひじょうに低下した気分になります…。なんというか,思い通りのイメージングができない感じです。そしてこのへたくそになった感じというのは,それぞれの検鏡分野で発生するようです。生サンプルで検鏡しているときと,樹脂封入で検鏡しているときで勝手が違うのです。絶好調のときには,どちらのサンプルでも完璧に思い通りにスイスイとこなすのですが,数ヶ月も遠ざかれば,何か(何なのかはわかりません)が違う感じがして,「あれー,こんな感じだっけ」となります。

このような「違和感」は,単に習熟度や休業期間の問題だけではなく,機材にも依存します。カタログ上では同スペックの対物レンズを使っていても,片方では自在に仕事ができて,もう片方ではどうにもならないという場面が確かにあります。究極のイメージングを目指す上で避けて通れない関門ではありますが,この関門は怠惰な生活をしていると,再び目の前に出現するという関門でもあります。日々の習熟訓練が大事だな,と思うのであります(画像/MWS)。








2019年9月16日




深夜0時からの検鏡…。ようやく面倒な仕事が1つ片付いたので池の水でも見ながら酒を飲んで寝ることにしました。画像はその過程での一コマ。都会のコンクリート池は,定期的にデッキブラシがかけられて微生物はきれいに洗い流されてしまいます。でも2ヶ月も経過すれば,いろんな藻類や原生生物が出てきてどろっとした水になります。こういったことを一年中繰り返しているわけです。

面白いのは,ブラシをかけられて復活してくる生物群集が毎回微妙に異なること。メロシラのときもあればニッチアのときもあり,フラギラリアのこともあればクンショウモのこともあります。最初の「タネ」になる部分で変わってくるのだろうと思います。いつの日か,当サービスにふさわしいサンプルにならないかと,ちょっと楽しみにしていたりもするのです(画像/MWS)。








2019年9月15日




素晴らしい本が入荷した。欲しい本を落手できるのはいつでも嬉しいものだ。著者が「本物」とわかっている場合は,内容を問わず欲しくなるものです。この本もそうで,最近は化学系の書物にはあまり手を出さないで,たまにガラスの本を買っていたりした程度なのだけれども,こういった本物の本は読みたいのです。内容のいったんは著者のwebサイトやSNSの情報開示で少しはわかっているわけですが,やはりまとまって整理された情報に勝るものはありません。

内容はタイトルの通りですが,人類がどうやって色を入手,利用してきたかの歴史的記述と,それを化学的側面から分析したものです。こういった仕事は化学屋さんだけでは不可能で,記述的な学問のセンスを持っている歴史学・博物学方面の才能も必須です。自然科学系の仕事をしているごく一部の人だけが踏み込める領域です。

もったいなくてまださわりしか読んでいませんが,原典にさかのぼる姿勢と,ご本人の深い経験が融合して近年まれにみる読み物になっているようです。文章の踏み込み具合が絶妙で,専門家にはちょうどよく,非専門家にはそれとなくさらっと流した感じで,それでいて必要な内容(用語)は記述されているので,背伸びして勉強する材料にも向いている気がします。この芸当はとても真似ができません。本質を深く知る人だけができる技です。たとえば,

アセト亜ヒ酸銅の色は6配位銅のd-d遷移に基づくが,その美しさは他にも要因がある。結晶成長時に多くの板状結晶が集合し,バラ状になった結晶集合体の二次粒子を自発的に形成する。その粒子によって光が散乱するため,色がとても鮮やかに見える。製造時にはその結晶成長が色味を左右することから,品質管理の技術が生まれた。


行間には様々な事項が潜んでいるわけですが,それをこのように一直線に書くのはわかっている人の書き方ならではです。でも,この文章を素人が読んでも,この文章をそのままそらんじていれば,「知ったかぶり」ができます。これがけっこう重要。中二病の頃の経験は誰しも覚えているでしょうが,お勉強は,中身もわからずに「知ったかぶり」をするところからも始まったりするのです。

自費出版の限定流通制作物である本書は,すでに入手困難なようです。でもそれはもったいないですね。どこかの編集者の目にとまり,増補版が名のある出版社から適価にて出版される日が来ることを望みます。ので,本ページでも宣伝するわけです(画像/MWS)。








2019年9月14日






東京・六本木のフジフィルム スクエアで大好評だった写真展『放散虫』(こちら)は,13日から大阪巡回展が始まっています。さっそく出向いた方もおられるようで,嬉しい限りです。こんな異常な催しはまず行われません。誰も知らない「放散虫」を一般向け写真展として開催してしまうフジフィルムさんには感謝しかありません。関西圏の鉄道は関東とは異なり,JRも私鉄も速達サービスが非常に優れていますので,近県の方はぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。放散虫にお詳しい人が見れば,「ふーん」という感じかもしれませんが,ふつーの人にとっては,宇宙人の写真展と大差ない「未知との遭遇」だろうと思います。貴重な機会であることは間違いありません(画像/MWS)。








2019年9月13日




せんじつ蚊の画像を掲載しましたが,そのときに使ったレンズがきょうの画像。誰もが一つは持ってるエル・ニッコールです。このレンズは順方向でもリバースでも使えますが,リバースで使うときには収差補正上,投影距離が欲しいので長い筒をつけた方がいいのです。でもそれでは撮影倍率が高くなりすぎて1インチ素子ではきつい。そこでリバースしたエルニッッコールにクローズアップレンズACを挟んでいます。こうすることで投影距離が近すぎることによって生じる球面収差を多少は補正し,撮影倍率も下げることができます。FT-1を介してNikon1に接続していますから,自動露出で撮影できピントも中央拡大で確認できるので大変便利です(画像/MWS)。








2019年9月12日






たくさんのふしぎ2019年6月号は11日午前にはamazonさんに入荷したのですが,夕方16時頃にはすでに在庫がなくなってしまいました。まさか数時間で数十冊?も売れたとは信じがたいですが,ランキングを見ると圏外150位以下くらいだったのが2位まで上昇していたので多くの注文があったようです。焼け石に水といった状態でしょうか。皆様すみません。。

さて在庫切れですが,これが本当に在庫切れなのか,そして再度の入荷は可能なのか…。amazonさんの「在庫」はアクセスする時間帯によって表示がまちまちなことがあり,表示そのものを鵜呑みにできないことがあります。

先々月から,「早くしないと売り切れかも」と何度もアナウンスしてきました。にもかかわらず,なかなか「本当の在庫切れ」にならず,「売り切れかもしれない詐欺」状態になってしまっています。正しい情報を流したい筆者としては本当に不愉快な状態が続いているのですが,これは出版業界独特の事情があって,個人の力ではどうにもなりません。

たとえば こちら とか こちら の記事をお読みになると,本の在庫というものの複雑さがある程度理解できるかもしれません。実際はこれらのレポートに書かれていないことが行われることもあって闇は深いのかもしれません。『珪藻美術館』がまもなく在庫切れに向かっていること自体は間違いありませんので,必要な方は上記のレポートも参考にして早めに探してみて下さい(画像/スクリーンショット)。








2019年9月11日




まちかどでの一コマ。飲み屋さんの入り口の画像なのだけれども,なぜか,メニューとは何の関係もないシバ君がお出迎えしてくれている。これ,ふつうの人にはまったく理解不能だろうと思うのですが,店主さんは重要なことを知っているだろうと思います。世の中には,このシバ君の画像が決め手になって,この店に入ろうと決める人が,少数ながらも存在するのです…(画像/MWS)。








2019年9月10日








東京アメッシュ(こちら)で台風がくっきりと判別できるのはひじょうに珍しいです。ので,台風が来るのをパソコンの前で待ち構えていました。深夜3時から5時頃にかけて,きょうの画像のような経路をたどり台風は抜けていきました。

東京都心を直撃かと思いましたが大島から伊豆半島に近づいたところで進路が東にずれ,相模湾から三浦半島,東京湾を通り千葉県を直撃するコースでした。台風の進路右側に房総半島がすっぽり入ってしまい,風による被害が大変なことになってしまいました。都区内でもけっこうな強風(というか突風的な感じ)が吹き荒れて,ここ20年ではいちばん強い風だったように感じました。

台風の通過経路の地域ではけっこうな被害が出てしまいましたが,なるべくはやく復旧すること,そして今年はこれ以上台風さんの被害が出ないことをお祈りしたいと思います(画像/東京アメッシュのスクリーンショット)。








2019年9月9日




ことしは例年と比較して蚊の発生が格段に少ない気がしています。室内に入り込む蚊もほとんどいませんし,そこいらへんの道ばたでも見かけません。多量発生しているときは,散歩中の信号待ちだけで1,2カ所刺されるほどの東京都心なのですが,今年は屋外ではまだ刺されていません。天候の関係なんでしょうか。

今日の画像は今年捕獲したうちの一匹。エルニッコール50/2.8Nでの撮影です。普段は叩きつぶして粉々にしてしまうのですが,この個体は手づかみで捕獲して損傷の少なかったもの。こういうものは空のカバーガラス入れなどに保管して,いつか封じられる日まで引き出しの中で眠っています(画像/MWS)。








2019年9月8日






当サービスの主力商品でもあるリサーチグレードの珪藻プレパラートは,今日の画像のような使い方もあります。珪藻には微細な周期構造がありますので,上手に光をあてると白色光が虹色に分光したりします。分光の度合いは入っている種によっても変わりますので,多くの種を含んだようなプレパラートをマクロ撮影すると楽しいことになったります。販売から12年を過ぎますが,未だこういった楽しみ方をしているという話を聞かないので,このタイミングでちょろっと公開しちゃったりします。やり方によってはもっときれいに表現できることと思いますので,お手元の珪藻プレパラートをいじってみるのも秋の愉しみによろしいかもしれません(画像/MWS)。








2019年9月7日






なんか,だいぶ夏の疲れがたまってきたような気がするので,列車にでも乗ってごとんごとんと揺られたい気分…。まいにち室内にいるのだから疲れないだろうと思うかもしれませんが,それは違うのです。目から入る情報が同じものばかりの狭い空間で暮らしていると脳が悲鳴をあげるのです。

そういうときに,列車に乗ってごとんごとんとどこかに行くと,肉体的には疲れるのですが,目からは新しい景色が次から次へと入ってきて,うんざりしていた脳に新たな情報が上書き?されていきます。それが重要なのです。数時間でもいいので日頃の作業と全く異なる予期せぬことを行う,これが大事なのです。

これを簡単にやるならジョギングでしょうが,都区内は緑も少なく,アスファルトを踏みしめてジョギングしてもあまりいいことがありません。ので,列車に揺られてごとんごとんとどこかにいって,お弁当でも食べて帰ってくるのがいいのです。今年はまだ一回もサンプリングにも行っていないので,福利厚生?精神衛生?的には近年でも最悪に近い状態。かろうじて7月の仙台出張と東北地区農水産物調査が息抜きになった程度です。

ということで9月は少し脳みそのストレス開放にも気を配りたいとも思っています(画像/MWS)。








2019年9月6日




『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』の在庫状況について出版社さんから連絡がありました。それによると大きめの段ボール一箱程度の在庫しか残っていないようです。このタイミングで,残在庫の一部をamazonさんへの出荷してくれないか提案したところ,有り難くも対応していただけるとのことでした。そのようなわけで,来週辺りに,アマゾンさんの在庫が復活する見込です。入荷数は少ないので早めに売り切れてしまうかもしれませんが,全国どこからでも注文できる便利な機会となりますので,入手をお考えの方はこのチャンスを見逃さないようにお願いいたします(画像/MWS)。








2019年9月5日




津軽海峡の向こう側からきのこの便りが届きました。イグチの仲間が豊作だそうです。夏も終わりですね。きょうは東京も涼しく季節は確実に進んでいるようです。画像はむかし撮影したもの。これが何なのかわかる人は採集してフライパンに放り込み,わからない人は引っこ抜いて蹴散らす,そんなありふれたきのこです(画像/MWS)。








2019年9月4日




先週の今頃はおかゆをすすってお湯を飲んでというような状態だったのが,一週間も経てば宇都宮のギョウザがおいしい(笑)。いや〜人間の体というのはよくできていると感心するのです。お酒も昨日から解禁し,一合半ちょっとくらい試してみたけど問題なし。先週の胃腸炎はなんだったのだろうと不思議な気分なのです。さて,秋の山積みの仕事を片付けないと…(画像/MWS)。








2019年9月3日




『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界(たくさんのふしぎ2019年6月号)』につきましては,amazonさんで在庫切れが続いており,どうも再入荷はないようです。出版社さんの方から完全在庫切れとの連絡はまだ入っていないので,出版社の倉庫には若干部数残っているけれども,amazonに出荷できるほどの部数ではない,という状況が考えられます。本書の入手に困っていて,定価で購入したいという人は,書店で注文してみてください。ラストチャンスで入手できるかもしれません。ほかに定価で入手できる可能性のあることろは,書店さんで売れ残り在庫を持っているところですが,これは地道に探すしかありません。すみません(画像/MWS)。








2019年9月2日




もう夜おそいのだけれども弁当箱を開けちゃおうかなぁ。やっぱし夜に弁当箱を開けるのは健康に悪いかなぁ…。わかる人にしかわからないお話…です。もっとも本ページを見ている人の半分は見た瞬間に弁当箱の正体を見抜くでしょうがー(画像/MWS)。








2019年9月1日




きのう,血液検査の結果から,無事に今まで通りに毎晩,日本酒をがぶ飲みできる?ことを書きましたが,それはもちろん冗談です。お医者さんも含めて多くの人がたぶん誤解?しているかもしれないのですが,γ-GTPの検査数値が問題ない=酒OK ではありません。γ-GTPの数値が低いことは「肝臓がまともな可能性が高いかもしれない」程度のことを示しているだけです。アルコールの影響は肝臓だけに及ぶのではありませんので,γ-GTPの数値が低いままにほかの異常が出ることもとうぜん考えられるわけです。アルコールを多飲してビタミンB群をとらなければコルサコフ症状が出て取り返しがつかなくなる可能性があるのは過去にも記した通りです。危ないことはたくさんあるでしょう。

ので,筆者のような飲み方でもまぁ一日二合がせいぜいのところでしょう。日頃,一日三食で甘いものも油ものも外食もするという方は,そこでかかっている負荷も考えて減らした方がよいかもしれません。あとアル中の人は減らすか止めた方がいいですね。

ところで,筆者が日本酒を飲む理由は,「おいしい」「寝られる」の2つの理由に尽きます。「酔うから」という理由はありません。酒を飲んで酔いが回って気分がいい,という感覚を今まで味わったことがありません。酔っ払いすぎて気分が悪くなったことは無数にありますが…。「酔う」という感覚が今ひとつ理解ができていません。筆者にとっては「だるくなる」というのがいちばん近い気がします。

ただ,「おいしい」というのがアルコールの作用であることは明らかで,その部分もひょっとすると「酔い」の一部を構成するのかな?とも思いますがよくわかりません。

「酔って気分がよくなりたい」ことが飲酒の動機ではないので,目の前にどんなにおいしそうな酒があっても,午前中はまったく飲む気がしません。朝から一日中ひとり暮らしのときでも,午前中,あるいは昼酒を一人でやったことは過去30年間の飲酒人生で一度もありません。二人暮らしになってからも,たとえば家人が外出中は一切飲みません。何かあったら迎えにいかなければならないからです。

家人も帰ってきて食事も終わり,平穏な一日が過ぎゆく深夜になって,やっと飲み始める,というのがいつものパターンです。まさに「おいしい睡眠液体」なのです。

こんな具合なので,夜に酒がないことに気づいても,徒歩1分のコンビニに酒があることがわかっていても,買ってきて飲むようなことはしません。どうも,アルコール依存ではなさそうです。

もし,一切アルコールを含まず,おいしい日本酒と同じ味のする液体で,それを飲むとよく寝られるというものがあればそれで十分な気もしますが,そんな液体,ありませんかね? いろんなハーブティーとかアミノ酸とか試しましたが,いまのところこれなら寝られるという飲み物に出会っていません。カロリーゼロの日本酒テイスト飲料という恐ろしげなものが売られているそうですが,一度飲んでみるべきでしょうか。。ノンアルコールビールと同じように,あまり意味のない感じもしますが(画像/MWS)。









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