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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2016年6月30日


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きょうの画像の左側はネジバナを撮影するのに用いたストロボ。ニコンではスピードライトと言っています。中学生のときにカメラと一緒に買ったこのSB-15は,ニコンFGと使うことで,ニコン初のTTL自動調光が可能になったものと記憶しています。外部調光も可能で,マニュアル発光(GN:25),モータードライブ(GN:7)連続4回の発光もできるマルチな機能を持つストロボでした。充電完了ランプを押すことにより手動発光もできるので顕微鏡写真撮影でもずいぶん使いましたが,デジタル時代になってからしばらく眠っていました。

画像の右側は写るんですフラッシュについていたストロボ回路を流用した手動発光ストロボ。これは電子工学系のエキスパートエンジニアさんから頂戴したもので,すでに23年間も使っています。発光部のサイズがちょうどよくて単三乾電池一本でよいので,顕微鏡写真用に重宝しています。本ページで少し前にボルボックスの鞭毛が止まっている絵を掲載しましたが(誰も褒めてくれなかった…),あれはこのストロボで鞭毛の動きを止めたのです。顕微鏡にしろ一般撮影にしろストロボを使うコツは拡散板にあると思います。そのまま発光管が光ると線状の光源になってよろしくありません。要所に拡散板を仕込んで,必要ならバウンスして,望む照明にしなければなりません。

今月はレンズ的な情報を中心に書いてきました。珪藻や放散虫を掲載しても何の反応もないことが大半ですが,なぜかレンズの話をすると反響を頂きます。今月も例外ではありませんでした…。ということで,こういった話題も必要なのかなと思い,これまで以上にレンズ遊びに邁進することといたしますー(画像/MWS)。








2016年6月29日


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これは何かというと,ヒートシンクをつけた5mmφの高輝度白LED。オプトサプライの超高輝度のもので,そのままでも100mA程度までは流せるものです。これに銅線をはんだ付けして放熱を高め,さらに輝度を上げられるようにしています。全光束はパワーLEDにかないませんが,輝度は5mm砲弾型のLEDでもかなり高く,輝度が必要な用途には便利です。

レンズは削って平面にしています。光学実験用の点光源にするときには,0.05〜0.5mmのピンホールを両面テープで取り付けます。この程度の簡易な工作でも結構役にたつもので,この光源を遠くに置いて焦点内外像を見ながら望遠鏡対物レンズの軸あわせを行うこともできます。この光源で平行光束を作ればレンズやガラスの歪みを調べることもできます。6月10日に本ページで記載した100円レンズの研磨痕は,この光源を用いて撮影したものです(画像/MWS)。








2016年6月28日


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夏の不眠まつりが絶賛開催中で脳みそ停止状態です。睡眠時間1〜2時間の日も多く,かといって起きていてもろくに作業になりません。困っても仕方ないのですが困ったちゃんです。一つの原因は酒をやめていることです。今年は春先まで大事な仕事が続いたので寝るために大量の酒を飲んでしまいました。その体への負担が大きすぎて限界に達したので大事な仕事が終わったら酒をやめたのです。そのとたんに寝られなくなり,それは当然なのですが,いくらか寝られるようになるのに2週間を要しました。そこからしばらく調子がよくて助かったのですけど,気温が上がるとダメですね。足むずむずが絶好調になるので夏はろくに寝られません。。そういうわけで仕事が遅れ気味なのですが,なんとかがんばりますので皆様よろしくお願い致します…。

そんな話題とは関係のない,きょうの画像はネジバナ。先日掲載したものはストロボ撮影でしたが,きょうの画像は白熱電球です。どちらもホワイトバランスはあわせているのに色がずいぶんと違います。白熱電球の方が緑色がきれいな気がします。暗いのであまり絞り込みができず,シャッター速度も遅いので,細かな部分は少しぶれているかもしれません。ネジバナはゆらゆらとして,撮影がかなり難しいですね(画像/MWS)。








2016年6月27日


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科学の最大の武器,それが顕微鏡だ(画像/MWS)。








2016年6月26日


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ことしもネジバナのシーズンが過ぎ,あちこちのブログ等で美麗な画像がアップされています。ウチにも毎年,植木鉢からひょろひょろ伸びてくるネジバナがありますので水を絶やさず大事にしています。へたくそな画像で恥ずかしいですが,季節ものですので記念に一枚掲載。マイクロニッコール55/3.5,Nikon1J1での撮影です。絞り込みで一枚撮りです。通常照明ですと明るさが不足してぶれるので,ストロボ一発で物体を止めています。外部ストロボを手動で発光させているので露出はマニュアルです。追い込みが足りなさすぎますが…。高い技術を持ち合わせた方がよい機材を使いこなすと こんな 驚異的なことになります(画像/MWS)。








2016年6月25日


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24日は用事で仙台日帰りでした。めったなことでは指定席にのらないのですが,帰りの新幹線が最終の東京行きになりそうだったので一日前に指定券をとりました。案外知られていないのですが,仙台からの東京行き最終列車(やまびこ60号)は,ひどい混雑になるのです。自由席はキツキツで,指定席も満席になることが多く,「夜の上り列車だから空いているだろう」は通用しないのです。じっさい,21:40頃にホームにあがってみれば長蛇の列で大変な混雑です。この方々の何割かは,福島と郡山に帰宅する人たちです。それで空くのかというとそうでもなく,それぞれの駅から乗り込んできます。宇都宮からも東京方面に帰る方々が乗車し,ずーっと混んでいるのです。

そういうわけなので,指定でA席をとってゆうゆうと帰るのがよろしいわけです。なぜこんなことを知っているのかというと,数年前に,釜石に震災関連で顕微鏡修理に行ったときに,帰りが,やまびこ60号だったのでした。あのときは新花巻から乗ったので問題なかったのですが,仙台からはえらい混雑で,とても勉強になったのです。みなさんの参考になれば幸いです(画像/MWS)。








2016年6月24日


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高倍率では絞りを小さくする…。説明書に似合わず高級な顕微鏡だこと… と思ったそこの貴方は顕微鏡のエキスパートですな(画像/MWS)。








2016年6月23日


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これにもっと早く気づいていれば…(画像/MWS)。








2016年6月22日


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これは30年前の八王子西部の風景で季節は5月下旬です。八王子はかつて養蚕がさかんだったので,その名残であちこちに桑が植わっており,春の芽吹きは美しいものでした。刈敷も行われていたらしく水田の横に桑が植えられていたりもしました。今でもこのような風景は残っていることでしょうが,多くは宅地にされてしまい農山村の美しさは消えゆく感じです。

それにしてもネガフィルムの劣化がひどいことに改めて気づかされました。調べてみると,富士フイルムの劣化が激しく,サクラカラーは劣化度合いが小さいです。コダックも小さいようです。特にひどいのがフジカラーHR系統ですが,残念なことに,このフィルムは筆者がメインに使っていたものでした。それは粒状性を第一に考えて撮影していたからで,拡散RMS粒状度の値がいちばんよかったHRは35mmフィルムで40人の集合写真を撮影して2Lにしても粒子が荒れずに個々人の顔がきちんと判別できたという理由が大きかったのでした。もちろん肌色の再現を重視するときにはサクラ(コニカ)を使いましたが,割合としては10%くらいだったかもしれません。すると過去のフジカラーHRフィルムは全部劣化していることでしょう。残念なことです。

これに対してプリントの方は保存性が良好に思います。特にコニカのプリントはカラーバランスがそんなに崩れていない感じもします。こういう現状を突きつけられると,ネガのデジタル化はモノクロでということになってしまいそうで,なんか,つまらないなぁということになってしまいます。

それにしてもネガのラチチュードは広いですね。日没前の太陽が,雲を通しているとはいえ丸く写っていて,それでいて桑畑も葉っぱも写っています。デジタルではなかなか難しい写真ですが,当時はネガしかなかったので,こういった作画も当たり前のようになっていました。今なら太陽を画面に入れることは意識的に避けるでしょうね(画像/MWS)。








2016年6月21日


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遠くの避雷針でピーピーと鳴いている小さな鳥がいます。ヒワのたぐいかなとも思いましたが小さいのでよくわかりません。そこで望遠で撮影してみたところ正体を現したのはメジロでした。。メジロは冬から春にかけて梅の花やツバキの周辺でよくみられますが,初夏以降はさっぱり見かけないので,どこかに行っているのかと思っていました。じつのところは,そこいらへんにいて,虫をついばんでいるのでした。ただ,冬のように低いところには降りてきません。地上10メートル以上のところばかり周回しています。そこで近所の公園に出向いてみたら,高木の樹冠の辺りを飛んでいる小鳥を発見。撮影して確認するとそれはやはりメジロで,虫をくわえていました。その気になってみると,メジロはどこにでもいて,今まで単に見えていなかっただけのことでした。おのれの観察能力の低さに愕然としつつも新たな発見ができてまあよかったのです(画像/MWS)。








2016年6月20日


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ながく使っていない腕時計の電池を交換したところ動きません。歯車に針を当ててキコキコ動かしたところ動き始めました。どこかが固着気味のようです。それで一晩放置してみたところ数時間動いて止まってしまいました。そこで再度フタをあけて実体顕微鏡で覗いてみました。すると軸受からサビが見えます。汚れも噴き出しています。最初の状態がわからないので,油切れかどうかはわかりません。

そこで様子を見るために,顕微鏡下で軸受けの清掃です。但し外側のみです。噴き出しているサビを針先で一つずつ取り除ききれいにします。次に固着をゆるめるために潤滑油を注油します。今回は浸透させて潤滑を確保し,あとは蒸発して欲しかったので,5-56を注油しています。量は軸受けが濡れる程度です。極微量なので他への悪影響はまずないものと思います。これで5-56が蒸発後に再び時計が止まるようなら分解清掃・注油が必要ですが,そこまでの根性はありません。。

画像はムーブメント全体と軸受け付近のようす。電池がSR616SWですから小さな時計であることがお判りかと思います。軸受けは清掃ですっきりしましたが,さて,こんなインチキな手入れで果たしてまともに動くのでしょうか(画像/MWS)。



* 一日経過後に調べてみると問題ないようでした(日差0.3秒以内程度)。




2016年6月19日


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都心で悠然と暮らすアオサギ(だよね?)。神田川沿いでよくみかけます。大きなボディに巨大な羽。そして強力なクチバシで,都心暮らしなら敵なし状態です。アオサギが近寄るだけでカルガモはいやそうに歩いて避け,カラスは飛んでいきます。都心でみられる野鳥の帝王かもしれません(画像/MWS)。








2016年6月18日


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マイクロニッコール55/3.5の絵が少し甘い気もしたので,もういうちどばらしてレンズの間隔調整を見直しました。そして組み上げて,マイクロニッコール55/2.8sとの比較撮影をしてみました。物体は先日用いたものでコルクの薄片をカバーグラスで挟んだものです。照明条件は同じ,絞りはF5.6での比較で等倍の切り出しです。レンズのクセも少しわかってきた気がしていて,前回よりはまともな絵になっています。両者のレンズで優劣はほとんどありません。

前回の撮影も慎重に行いましたが,今回のような絵は得られていません。画質は両方のレンズで向上しているので,セッティングの違いも反映されている可能性があります。レンズの間隔調整(0.1mmのレベルです)がどのくらい効果的だったのかは不明です。このような例でもわかるように,撮影テストでレンズの優劣を判断するのは相当にむずかしいのです。(画像/MWS)。








2016年6月17日


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きょうはうんと古いスライドコピーアダプタのおはなし。約15年前にニコン・クールピクス990,995,4500という高性能なデジタルカメラがあって,これの接写性能がよく,その機能を活かしたスライドコピーアダプタが販売されていたのでした。型番はES-E28というものです。拡散板のついた本体にスライドとネガをマウントできるホルダ(これが貴重なのです)がついていました。これを直接デジタルカメラに取り付けてマクロ撮影すればスライドやネガの複写ができるというものです。カメラにはネガ確認モード(反転してポジの絵を確認できる)というものも搭載されていました。

たくさんたまったネガをどうにかしなくてはとES-E28を買ったのですが,ほかにも目的があって,スライドの代わりに同じサイズの薄い水槽をセットしてプランクトンの泳いでいる姿を写そうと思ったのです。しかしながら実際に使うことはなく,ネガもあまり撮らずに使用頻度が低いままお蔵入りしていました。そこに最近,マイクロニッコール55mmシリーズが入荷した,と話の流れはこうなるわけです。Nikon1J1,J2を使えば無振動のリモコン撮影ができますし,マイクロニッコールの高解像でフィルムを複写すればクールピクス99x系時代よりもはるかにレベルの高い画像として保存できます。

問題はカメラとの接続です。そのままではクールピクスのネジ(28mm)なので使えません。この部分を外すまではよいとしても,それをどう接続するかが問題になります。 こちら のブログにあるような攻め方がいちばんエレガントで,ES-E28のもつ左右上下微調整の機能を活かしつつ使うことができます。ただ,新たに変換リングを買わないといけないのがネックです。フィルム撮影を済ませたら使わなくなってしまう可能性もあるからです。そこでしげしげと眺めていると,光源側にネジが切ってあります。これがなんと52mmなのです。タングステンランプの色補正にC12を使いなさいという配慮でしょう。さすがニコンはえらい!。…というかむかしも52mmであることは確認したはずなのに完全に忘却していました。。

そこまでわかれば問題は解決です。ES-E28のもつ上下左右微調整機能はあきらめます(実害はほとんどないです)。光源側にある拡散板を外します。そこに52mmオス−オスリングをつけて,あとは適当に空のフィルタリングで長さを微調整して,BORGの延長筒と接眼部を取り付けて,【7405】を介してBR-2をつければおしまいです。これでちょうどフィルムを写すのにぴったりの撮影倍率になります。

さっそく手元にあったリバーサルフィルムを複写してみました。エクタクローム64(だったと思う)の絵で,光源は曇天の空で拡散板なし(素通し),カメラのWBは曇天。レンズはマイクロニッコール55/3.5で絞りはF5.6です。色補正等はしていません。縮小とシャープ処理のみです。15歳の夏に写した八ヶ岳の水辺がデジタルとなって再現されました。絵を見る限りシステムとして特に問題はなさそうで光源と撮影条件を追い込めば効率よく質の高い複写ができそうです。ということでES-E28をお持ちの方は遊んでみるのもよいかもしれません(画像/MWS)。








2016年6月16日


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いつも便利に使っているLEDライトつきマイクロスコープのバンドが割れてしまったので修理しました。ついでにながねんの課題だったLED交換も行いました。この製品は通販が主流で秋葉原などにも転がっているもので,60倍と書いてありながら,どうみても60倍はないという詐欺マイクロスコープです。しかし,レンズは3群3枚で中心像はきちんと見え,約20倍の拡大率で,LEDライトもついている使える商品であるということは4年前にも紹介しました。ちなみに,この製品を何ら改造することなしに,一万円札のホログラムの「N」マークをみると,モザイク状になっているのが確認できます。

何でもかんでも新しいアイデアがあれば製品にしてしまう中国企業の思い切りの良さには学ぶところが大きい気がします。プラスチックレンズ3枚のおもちゃルーペなんて使えないのが相場と思われがちですが,LEDを組み込み,携帯に便利な超小型にすることによって,単にキーライトとしても使えますし,手に刺さったトゲを確認するのにも使えます。使えないものが多いおもちゃ光学製品の中で,この詐欺マイクロスコープはちゃんと使えるのです。これは筆者だけの評価でなく,有限鏡筒長の顕微鏡全般に卓越した能力を持つ知人や,光学の著書をい何冊もお持ちの分光会社の社長さんも,ちゃんとこれを持っているのでした。

バリエーションも豊富で,最近はスマホに付くものもあって(こちら),簡易な用途には最高だろうと思います。特に学校教育の現場などでは,ミクロの驚異を生徒と共有するのによい道具となります。必死にかじりついてLINEやtwitterに時間を費やすのはスマホのふつうの使い方です。そこに,こんなレンズ一つで見えない世界を探訪でき,スマホで記録できることを教えるのは教育者の役目です。スマホを使うなと言っても説教臭いだけで有害無益です。サイエンスに導くような使い方を教えてあげればよいのです。

おっと話がそれました。筆者はこの詐欺マイクロスコープのレンズを外し,そこにオリンパス解剖顕微鏡から採取したシュタインハイル20倍レンズを仕込んで使っています。こうすると良像範囲が広くなりシャープで,落射照明つきですから最高に便利なのです。ただ白LEDの光は観察に不向きで,フレアっぽく見えやすく,目にも悪く,また赤が欠損しているので演色性も低いです。そこで電球色のLEDに交換できないかずっと考えていました。そして故障で部品交換するついでに,LED交換を試みたわけです。

この種の製品は分解することを考えずに組み立てられているので改造はむずかしいです。まず溶着している電池室とLED部を切断して外します。そしてハンダで暖めながらLEDを抜き取ります。これが難関で,きれいにできません。なんとかこじって抜いたら,抜き取ってできた穴を0.8mmのドリルでさらってきれいにならします。そこにフチをカットして小さくしたLED(3mmφ)を足を曲げてから差し込みハンダ付けします。リードを切断して,電池室とLED部は両面テープで接着して,外側からはメンディングテープで巻いて固定します。本体に組み込みきちんとはまって動作することを確認すれば改造は終了です。

このように文章でかけば簡単ですが,豆粒より小さいLEDを外す作業が大変で,またLEDのフチを削らないと本体に組み込めないので整形が必要で,作業はたっぷり一時間はかかりました。しかしついに念願の電球色(3000K)LED照明内蔵の20倍シュタインハイルルーペが完成したのでした。きょうの画像一枚目は改造中の一コマ。二枚目は改造後の完成品(左側)と,もとの製品(右側)。明らかに改造後の方が演色性の高い暖かい照明になっていることがわかります(画像/MWS)。








2016年6月15日


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きょうの画像はAi Nikkor 50mm f1.8によるもの。撮影倍率は約1/10できのうの作例と同じです。1枚目は絞り開放で,2枚目はF5.6まで絞り込んでいます。一枚目は全体にフレアがかかっていて像のコントラストが低いですが,分解能が低いわけではありません。F5.6まで絞った画像では,マイクロニッコールで撮影したものと同等で,むしろマイクロニッコールよりも高コントラストな感じさえします。最短撮影距離以内で使うなら,標準レンズでもマクロレンズと同等の性能を発揮するものもあるのです。ちなみにこの50mmf1.8は,確か高校生の頃だったか大学だったか,カメラのきむらに転がっていた中古を連れ帰ったもので,ウン十年ものです。大学の先輩の専攻科出港式の写真をとるときに,レンズを付け替えるために外して護岸の上に置いたら後玉を突いて盛大な傷をつけてしまった代物です。それをそのまま使っています (画像/MWS)。








2016年6月14日(3)


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さらに撮影倍率を変えて約1.5〜1.7m先にある物体の撮影です。画像1枚目は全景を縮小したものでマイクロニッコール55/3.5での撮影です。何の問題もなくシャープです。画像2枚目はマイクロニッコール55/3.5,画像3枚目はマイクロニッコール55/2.8sによるもので,中央上部にいたハエを等倍切り出ししたもの。絞りは開放。こちらの比較では新旧二つのレンズで画像の差は明瞭です。55/2.8sの方が像に芯があってハエの足がくっきり写っています。しかしながらこの程度の撮影でレンズのMTFがわかるはずもなく単なる一つの条件での比較でしかも両方とも中古品であることには注意が必要です(画像/MWS)。








2016年6月14日(2)


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こちらは撮影倍率を変えて約1/10での比較画像です。画像1枚目は全景。ポケットマイクロスコープの印刷面を撮影しています。画像2枚目はマイクロニッコール55/3.5,画像3枚目はマイクロニッコール55/2.8sによるもので,中央部の等倍切り出し。絞りはいずれもF5.6で,照明条件,カメラ設定(Nikon1J1)は同じです。こちらの比較では新旧二つのレンズで画像の見分けがほとんどつきません。仔細に見れば,55/3.5の方が若干暗く写っていますが,これがレンズのせいなのか,カメラのせいなのか,照明のせいなのかは精密に追い込んで実験しないとわかりません。

ごくごく軽微な球面収差が55/3.5で残存しているような気もしますが,気のせいかもしれません。このレンズでは基準倍率1/10ですが,無限遠も撮影できるので,遠景でシャープな絵を撮影しやすいように,基準倍率でもほんの少し球面収差を残しているのかもしれません。一方,55/2.8sは等倍でも1/10でも良好な感じです。距離の変動に強いガウスタイプで近距離補正を入れたのが功を奏しているのかもしれません。こうして試写をしてみるとレンズの特性がおぼろげながらわかってきて興味深いものです。同じようなレンズが2個になってしまいましたが,お勉強代としては安いものだと思います(画像/MWS)。








2016年6月14日


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画像一枚目はマイクロニッコール55/3.5,画像二枚目はマイクロニッコール55/2.8sによるもので,中央部の等倍切り出し,物体はコルクの薄片です。撮影倍率は等倍,絞りはいずれもF4で,照明条件,カメラ設定(Nikon1J1)は同じです。この比較では新しい設計のレンズの方がフレアが少なく球面収差の少なさを示唆しています。等倍付近で,絞り設定F4で使い,ピクセル等倍で見るような仕事なら,この手持ちの2本の比較においては,マイクロニッコール55/2.8sの方がいいですね。

しかし全てにおいて55/2.8sが優れているかどうかはわかりません。両方とも新品ではありませんので履歴が不明ですし,新品でも個体差が生じることもあり得ます。また55/3.5は,等倍ではF5.6で使え,ということになっているので,F4での比較は少し意地悪なのです。けれどもこれだけ写るのですから立派なものだと思います。普段のスナップに標準レンズ代わりに付けていればじつにシャープに写って愉快な思いをすることでしょう(画像/MWS)。








2016年6月13日


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銀塩時代のレンズをデジタルカメラに付けて使うことはできますが,高画質を狙うとなるといろいろな問題があって,相性のよいレンズが生き残ることになります。特にテレセントリック性はけっこう大きな問題でフルサイズのカメラで周辺像を問題にするときには,銀塩時代のレンズの多くは不満足な結果を残すことになるかもしれません。銀塩フィルムでは表面に光が当たれば感光してくれたわけですが,CMOSやCCDでは,表面よりも少し引っ込んだところに受光面があるので,入射角依存性が生まれてしまいます。またローパスフィルタは偏光素子を使っているものが多く,垂直入射と斜入射では微妙に偏光特性が変化して画質に影響が出るかもしれません。

対策はバックフォーカスが長いレンズを使うことと,素子を小さなものにすることですが,Nikon1と銀塩時代のニッコールの組み合わせはこれを満たしていて,テレセントリック性が問題になることは少ないように感じています。また顕微鏡写真の場合は,細い光線が垂直入射するような撮像系がほとんどですので,これも問題ありません。素子が小さく画素ピッチも小さいので最小錯乱円の大きさに関してはシビアという問題はありますが,総合的に考えれば,Nikon1はふるいレンズを使うのに適したカメラなのかもしれません(画像/MWS)。








2016年6月12日


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連れ帰ったマイクロニッコール55/3.5を調べてみると,うしろの黒い金具(飾り&遮光)が当たっていてFT1に入らないことが明らかでした。ということで,この金具を外してしまえば何の問題もありません。ということで,Nikon1では使えないとされているマイクロニッコール55/3.5は,じつは使えるのでした。

そこまでわかれば,外した金具をダイヤ砥石で研磨して当たっている部分を削り,表面仕上げに巣板をかけて整形は終了です。アルミニウムでできている金具なので,巣板をかけておくと適当に曇った感じになってよいのです。これを超音波で洗浄して,乾燥後にペイントマーカーで黒く塗って,乾かないうちに紙で拭き取ってざらつかせてつや消し黒の代用とします。ここから発生した反射の大部分はFT1のマスクでカットされるので,半ば気分の問題です。

塗装の乾燥を待っている間に外装部を拭き拭きして,レンズをばらして,カビ取り(中性洗剤),水拭き,溶剤拭きで仕上げます。組み付けの目印にケガキ線が入っているので安心してばらせませす。もとに戻したら磨いた金具も取り付け,もういちど全体を清掃して,メンテナンス/改造はお仕舞いです。これで開放から安心して使えるマイクロニッコール55/3.5(Nikon1用)のできあがりです。

ニコンが使用不可と言っていても,じつは使えるという例は多いので悪あがきの価値はあります。特にマクロレンズはNikon1につけても,十分な画質の絵を吐き出すので,こうしたレンズ遊びは実用上の実りもあります。安いですし(画像/MWS)。








2016年6月11日


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Ai-sマイクロニッコール55/2.8を入手していろいろ調べてみると,このレンズは無限遠に対して収差補正して近接撮影では近距離補正をしているらしい…。マクロレンズで無限遠を撮影することはほとんどないので,むしろ適当な基準倍率で収差補正して欲しかったのだけれども,買ってしまった以上は後の祭りです。。そしてさらに調べてみるとAiニッコール55/3.5は基準倍率1/10で設計しているとのこと。本当はこちらを買うべきだったのです。

そこでサンプリングに出向いて連れ帰ったのが,きょうの画像の左側。ジャンク品をラーメン10杯分の大枚叩いて買いました。最初に中古AB品を買おうと品物を出してもらい,持っていったNikon1J1+FT1につけてみると,つかないのです。あと1〜2ミリというところでレンズが挿入できません。よーく眺めてみると,レンズ後部の遮光マスクが当たっているようでした。泣く泣くあきらめて店をあとにしたのです。

それですっかりあきらめて,リング類のジャンク漁りでもしようと店内を覗いていたら,ジャンクのニッコールレンズ数本がおいでおいでをしていたので,チラ見してみたところ,一度はあきらめたマイクロ55/3.5がジャンク箱の中でひどい扱いを受けて泣いていたのでした。そこでワンコとレンズと女の子に優しいことで定評のある筆者が,この可愛そうなレンズを保護しました。だいたい,あきらめたはずのものにもう一度出会うということは,レンズの神様がチャレンジせよと言っているに違いないのです。ぜひメンテナンス/改造して,基準倍率で使いたいものだと思います(画像/MWS)。








2016年6月10日


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100円ショップに大きな虫眼鏡が売っていました。90mmのガラスレンズでなんと100円。こんなものを輸入して売っているんですから価格的に太刀打ちできない日本の製造業は終わりという気もしますが,レンズは教材として有用なので子どもの教育にはよいと思います。さてそれで,このガラスレンズがまともに研磨されているならば,いろいろな使い途もあるかと思うので調べました。平行光を作ってこのレンズで結像し,ナイフエッジを置けばだいたいのことはわかります。結果はごらんの通りで,研磨痕がひどく,またレンズにヘソが見られます。虫眼鏡としてはじゅうぶんですが,光学実験用としては目的にもよりますが精度が足りません。まあでも,このくらいのサイズがあると,太陽光を集光して新聞紙に点火するのは難しくないので,非常用に? 一個くらい持っていてもよいのかもしれません(画像/MWS)。



*1 レンズのヘソや研磨痕を見ると,どうもこのレンズは本当に研磨しているのではないかという気がします。てっきりガラスモールドかと思っていましたが…。材質は青板でしょうけれども脈理はそれほどでもなく,ちゃんと磨いていればまともなレンズになりそうな感じです。これが100円とは,どうにも理解できません。




2016年6月9日


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せんじつ採取した砂の上の珪藻はこんな感じです…。大量のハンチアと少量のプレウロシグマといった感じで,いずれも小型です。このくらい小さくなると,処理できても乾燥する段階でお団子になってしまうので,はてどうしたものかと悩みます。散布試料にすればよいのですが,そうすると液浸状態で長期保管できるようにしなければならないので,それも面倒です。Jシリーズに使いやすい数十マイクロ〜100マイクロメートルくらいの立派な珪藻がうじゃうじゃと見つかると有り難いのですが,なかなかそんなおいしい話には巡り会いません(画像/MWS)。








2016年6月8日


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7日は朝5時まで入眠できず小雨も止まなかったので東京湾岸でのサンプリングは中止しました。代わりに近所で別のサンプリングに出向きました。それで連れて帰ったのがきょうの画像。Nikon1で0.5倍までの接写が可能なレンズで,作動距離があまり大きくないものが必要になり,これにしました。DXの40mmF2.8マイクロの方がコンパクトで画質も良好と思いますが,1980年代に一眼レフを振り回していた身としては,Ai-sレンズに惹かれるものがあるんですよね。マクロならAFはいらないし…。このレンズ,最短撮影距離近くでは少し甘いですが絞ればきりっとして申し分のない写りになります。歴史あるニッコールレンズの中でも評価の高い一本かと思います(画像/MWS)。








2016年6月7日


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6日は相模湾東部に出向きました。梅雨入りしましたが暑くも寒くもなくて動きやすい一日でした。このサンプリングサイトもながねん通っている場所ですが,まともに処理できたものはごくわずかです。ゴミだらけで,ぱらぱらとほぐれる微少鉱物が多く,珪藻が汚れてしまいどうにもうまくいかないのです…。今回は護岸の下で甘い水がわき出しているところで,砂の表面を採取。満潮では海水,干潮時は汽水になる条件のところです。こういう条件に適応できる珪藻が見つかるわけです。大抵は,極端に小さいニッチアかナビキュラに似た連中で,見映えのする大きなものはいないのですが,たまに,カロネイスなどの群集に当たることもあるので,一攫千珪藻をねらってみるのです…(画像/MWS)。








2016年6月6日


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5日は雨天でサンプリングは中止。そこでスズメさんの出番です。近所の公園で撮影したこのスズメさんは,まれに見るよいモデルさんでした。よい被写体に恵まれることがいかに大切か実感しました…(画像/MWS)。








2016年6月5日


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画像一枚目は典型的な間違ったレンズの使い方の例。顕微鏡のことをよく知らない人が,顕微鏡のレンズだからきっとよく見えるだろう。デジタルカメラに接続したら面白そうだ。そんなふうに思ったらやってしまいそうな組み合わせです。見た目にもカメラレンズっぽいし,写せば像は出る。それでそのまま使っている人もいるかもしれません。

もちろんそれは正しくないのです。画像二枚目にみるように,像面湾曲に倍率色収差,非点収差も加わって収差の総合商社状態になっています。これでさび付いた電池ケース(昨日の被写体です)を写してみれば,この通りで,見るに堪えないぼんやりとした像になっています。使ったレンズはNA=0.2のプランアポで,正しく使えばよく写るレンズですが,いいかげんに使えばこんなことになってしまうのです。





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正しい使い方の例はこんな感じです。160mmの投影距離を守りCMOSに直接結像させます。使っているズームレンズは,レンズは全て外していて,筒だけになっています。長さが変えられる筒というわけです。これをうまくつかうと,鏡筒長が可変にできて多種類の顕微鏡対物レンズに使えるのです。それで撮影した画像はご覧の通り,投影距離が長くなったぶん倍率があがり,各種の収差は見えなくなり,さすがはプランアポの絵という感じになっています。

わざわざ誤った例と正しい例を示したのは,それほどまでにレンズの使い方は重要だと言うこと。使い方を間違えば設計通りの性能は出ないのです。そのことを知らない人は,このweb時代に,問題を引き起こしてしまうかもしれません。

レンズのテストは,光学系と物体の性質を知り尽くし,その撮影システムを完璧に使いこなせる人にしかできません。特に顕微鏡対物レンズのテストには最高の技量が必要とされています。考えられるあらゆるパラメータを制御する能力が必要で,とても素人の出る幕ではありません。

そんなことを知らずに,適当な使い方をして,「このレンズはだめだ」とweb上に書き記したらどんなことになるでしょう。その書き込みを見てプロなら,「貴方の使い方がだめなんだよ」と直ちに見抜くでしょうが,素人が見れば「あのレンズはだめなのか」と信じてしまうでしょう。世の中は素人の方が圧倒的多数ですから,「あのレンズはだめだ」という評価が一定の勢力をもって存在し続けるでしょう。その情報は,はっきり言って有害です。正しい情報ではないからです。

素人がレンズテストをするとはどういうことか。それは,自分自身の知識と技術をレンズにテストされているのです。テスト撮影のつもりで,「テスト撮影ごっこ」をしているのです。そこから「よいレンズ」「だめなレンズ」という評価を引き出すことは不可能なのです。

たとえ話をしましょう。

1本10万円もする本焼包丁を素人が使ったとしましょう。その素人さんは,その包丁が食材を切る道具であることは知っていましたが,何を切るための刃物なのかは知りませんでした。そこで「切れ味テスト」と称してカボチャを切ってみました。刃はカボチャに食い込んだまま動かず,こじって抜こうとしたら包丁は折れてしまいました。そこで素人さんは切れ味テストの結果から,「この包丁はダメだ。切れないし,折れる」という評価を下し,それをwebサイトに書き込んで皆に広めました。多くの人がそれを信じてしまいました…。

その包丁はフグ引きだったのです。一日に100人分の刺身を処理する厨房では,その本焼包丁だと1回研げば200人前の刺身が引けました。しかしほかの包丁だと50人前がせいぜいのところでした。仕事の効率がまるで違うのです。ぎりぎりのところで仕事をしているプロは道具の限界を知っています。素人がカボチャを切ってへし折った包丁は,トラフグの薄造りに最高の性能を発揮するものだったのです。


素人のレンズテストは,こんな感じのたとえ話にできるのです。

もちろん素人の遊びですから,顕微鏡対物レンズをカメラにどのようにつけようとも,どんなひどい絵を得ようとも,それは勝手です。楽しく遊んでいろいろな経験を積むことも大事です。だからどんどんレンズ遊びをして欲しいと思います。けれども,遊びの結果を拡大解釈して,プロの道具である顕微鏡対物レンズ(あるいは他の産業用レンズや一般撮影用レンズ)をダメだなどと評価するのは,設計者に失礼でしょう。設計者の側から見れば,完全に間違った使い方でまともな像になるはずはないのに,その使い方でレンズをダメと評価されてしまい,たまったものではないでしょう。

ですから,レンズ遊びを楽しく行いつつも,レンズテストの結果を世界に向かって発信(webとはそういうものです)するならば,それなりに責任をもって慎重に記述して欲しいと思うのです。同時に,プロの方は,その観点から有用な情報を発信して欲しいとも思います。




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これは19世紀末頃に作られたレンズ。軽く100年以上経過しているこの顕微鏡対物レンズ(ライツの1番です)でも,条件をきちっと設定して使えば,このように鮮明な像を結びます。先人が血のにじむような苦労をして光学理論を打ち立てて現代の顕微鏡光学系を完成させたのです。その苦労を踏みにじるような間違ったレンズを使い方を見ると,なんとも残念な気がします。せっかくレンズとカメラをつなぐところまできているのですから,あとは鏡筒長をきちっとするだけなのです(振動対策は残りますが…)。

本ページではレンズを正しく使うことの大切さを何度も何度も述べてきたので,この記事をお読みの読者で誤った使い方をする人はいないだろうと思います。けれども世の中,顕微鏡に関する知識はまだまだマイナーです。検索などで本ページに辿り着いた人が,顕微鏡のお勉強の大切さに気づき,レンズを正しく使って,より美しいデジタル画像を手にできることを願うのです(撮影/MWS)。









2016年6月4日


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きょうの画像(一枚目)は先月29日付けの記事で書いた電池ケース。これの本体であるLEDライトは改造に用いてしまったので,電池ケースと筒が不要になり,そのまま放置していたら数年たってこのような状態になったのでした。画像二枚目は,青く粉を吹いた部分の等倍撮影画像を縮小したもの。先日の絵はEL-Nikkor50mmF2.8Nで撮影しましたが,きょうの等倍画像は自作のウルトラ長作動マクロシステムで撮影したものです。画像三枚目はトリミングしたものを1/2に縮小したもの。自作のシステムでも,それなりに分解能があることがわかります。

このウルトラ長作動等倍マクロシステムは,手元に転がっていた口径約50mm,FL=200mmのアクロマートレンズ2個を向かい合わせにして,フリント側を物体と撮像素子側に向けたものです。バックフォーカス200mm,作動距離200mmの設計として,開口数は約0.1,2群4枚という構成です。さすがに絞り開放では像が甘いですが,絞り込めば画像三枚目のように,そこそこ見られる絵になります。レンズデータがないので,無限遠の物体に対して収差を補正したフラウンホーフェル型のアクロマート貼り合わせと考えてレンズを組み合わせてあります。このように,そこいらへんに転がっているレンズでも特性を理解して使えば,思わぬ使い途があったりします(画像/MWS)。








2016年6月3日


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2日は旧知の仲間の来訪を受けて昔話の午後となりました。大学を出てから四半世紀もたてば人間関係はだんだんと疎遠になって,また新たな関係が構築されてもいくわけですが,かつての同窓と話ができる機会があるというのは有り難いことです。『珪藻美術館』を入手して会社内でも回覧したとのこと。彼に限らず,こうした筆者の知らないところでの皆様の協力・活動があることは本当に嬉しく思います。皆様に御礼申し上げる次第です。そしてこういった協力の話を聞くと,昔話を懐かしむだけでなく,さらに鋭角的に内角高めを攻める方針で独自の仕事を進めていこうと思うのです。面白い仕事を続けないと皆さんを退屈させてしまいますからね(画像/MWS)。








2016年6月2日


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お決まりの画像も撮っています。EL-Nikkor50mmF2.8Nをリバースで鏡筒長は約260mm,Nikon1J1での撮影です。絞りはF2.8とF4の中間。全体像を縮小したものと,等倍切り出しの絵です。レンズの分解能は開口数(F値)で決まります。F値が同じなら,そこいらへんのズームレンズや広角レンズと大差ない分解能になるのは当然のことです。そのことをきょうの画像は明白に示しています。飛び抜けたことが起きるはずはなく,そこそこ収差補正のよいレンズ,という感じです(画像/MWS)。








2016年6月1日


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きのうのサファイヤ画像だけでは,EL-Nikkor50mmF2.8Nの結像特性のごく一面しか見ていないので,別の条件でもう一枚。このレンズの設計波長はd線となっていますので,d線で球面収差をゼロにしているのだろうと考えます。色収差補正は380-700nmの広い範囲にわたっていると書かれていますが,そこばかり見ていても仕方ありません。軸上色収差がよく補正されていても,絞り開放付近で,球面収差の色による差が大きければ,結局はフレアとなって重なり像のコントラストを落とすからです。じっさい,このレンズは絞り開放よりも少し絞り込んだ方がコントラストが上がり,フレアが減った感じに見えます。

そこでd線に近い590nmで照明して,絞り開放で撮影したものがきょうの画像。投影距離は少し伸ばしています。サファイヤ部分を切り出して,1/2に縮小してアンシャープマスクを軽くかけています。一枚撮りですので深度合成はしていません。絞りF2.8での撮影なので,実効NAは0.18に近い数値になりますが,さすがに,サファイヤ表面に走る結晶成長のラインがよく解像されています。設計データをよくみて,収差が最も補正された条件に近づけてやれば,像はよくなることが,この画像からわかると思います(画像/MWS)。









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