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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2014年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【今月】 2014年12月31日
放散虫と取り組んだ一年ももう終わろうとしています。4月に深海底の試料を一目見て,そこに広がる珪藻と放散虫の遺骸を見ているうちに,今年は放散虫の一年にしようかと思ったのです。微化石研究集会に出席するために放散虫化石プレートを製作したのも伏線となっています。それで思い切って,手持ちの堆積物試料を放散虫用の処理を施して,愚直に放散虫を拾い出して収集した結果,顕微鏡をはじめたばかりの方々にも高いコントラストでご覧いただける立派な放散虫を集めることに成功したのでした。これならばいけると思い,殻の薄い放散虫の拾い出しもすすめて,5〜6月には検討用標本群,7月には最初の販売用標本が誕生しました。のちに耐久試験をくぐり抜けた封入剤を採用して12月半ばまでひたすら標本製作作業に勤しみました。 2014年12月30日
Jシリーズもすべて皆様のお手元に届き,ほっと胸をなでおろしています。皆様からの反響のメールも頂戴していまして,放散虫の世界に魅了されている様子も伝わってきて,嬉しく思っています。Jシリーズに魅了されたとの有り難いご意見も例年頂戴しておりますが,これはJシリーズというよりも,「対象物以外のものが何も見えない」というプレパラートですから,「対象そのもの」が観察者を魅了したのだと思っています。対象物とは,もちろん,珪藻と放散虫です。 2014年12月29日
年末恒例の大忘年会が終わりました。17時から呑み始めて23時半にお開きになり,そのあとも25時までだらだらと続く耐久的な忘年会です。30年のつきあいが続く悪友どもが集結して,狭い当室で延々と一年の出来事を語らい,飲み過ぎて翌日には全て忘れてしまうという,本格忘年を行うのです。今年は,石巻直送の最高級ささかまと,霊峰富士山の湧水で仕込んだ,絞りたての新酒が忘年会開始3時間前に届くという素晴らしいタイミングで,6時間を超える忘年会は,「あれっ」と思う間に,瞬く間に過ぎ去ったのでした。いやー飲んだのんだ。 2014年12月28日
ここのところ放散虫の画像たくさんアップした日々でしたが,それを盛り上げるような素敵な画像が北のプランクトンのプロから届きました。この先生は天然のプランクトン群集を永年にわたってモニタリングされていて,幅広い分類群についての観察経験が豊富な第一人者です。モニタリングの合間なのに,さすがは素晴らしい絵を残されています。放散虫はこのように,ひじょうに細いトゲを伸ばしているわけですが,明視野での適切な絞り込みによって,バランス良く表現されています。今回Jシリーズとしてお届けしたのは,この細いトゲ(*1)や細胞の中身が消滅したあとのシリカ骨格で,それを洗ってきれいな殻にして並べたわけです(画像/S先生)。 2014年12月27日
21日に販売しましたJシリーズは,FTPによる更新作業が終わって1分6秒後から注文が舞い込み,最初の5分で約10件の注文が怒濤のように舞い込む状態となりました。売れ筋のプレパラートは,最初の30〜40分で売れてしまい,日付が変わる頃にはメールも少なくなって,今年の戦いが終了しました。重複したご注文も多く,希望する品物が注文できなかったお客様も多かったことと思います。誠に申し訳なく思います。今期製作分は,とにかく全力を投入して,放散虫約1100個体,珪藻1800被殻,合計で約2900パーツを並べました。今後も安定供給できるように続けて参りますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 2014年12月26日
放散虫を並べたプレパラートはきわめて希少ですが,ヨーロッパ方面では,ごく少数ながら製作されてきました。たいていが数個から20個くらいを載せたもので,今回ミクロワールドサービスで提供したような50個クラスとなると目にする機会がありません。また,これまで作られてきたものでは,主に厚みのある放散虫がマウントされていて,殻の薄いタイプがマウントされた標本は,ほとんどみかけません。これは試料入手と処理が共に困難なことが原因でしょう。当サービスでは,薄くて壊れやすい珪藻でもマウントできるように技術を磨いてきましたので,殻の薄い放散虫についても多くの種について取り扱いが可能になっています。きょうの画像がその一例ですが,シリカの薄膜が風化でさらに薄くなっているという代物で,触れる場所を間違えれば破片が飛び,置き方を間違えれば割れ,整列するのもきわめて難しいというものです(画像/MWS)。 2014年12月25日
放散虫スライドは,これまでのJシリーズ(珪藻)と同等に,完璧にクリアな見えを追求しています。しかしながら,大きさが異なるので,厚みをもった封入にせざるを得ず,これが様々な問題を生み出します。封入剤は固まるときに縮むので,放散虫が載っている部分と何もない部分で収縮率が変化して,内部応力が残存します。これがひどければ,将来的に剥離の原因となることもあります。また固化が均一に進まなければ脈理の原因となります。こういったトラブルの制御は本当に難しく,これからも研究の日々となることは間違いなさそうです。 2014年12月24日
Jシリーズの発送作業が終わりました。世界各地から筆者のもとに集まった放散虫や珪藻たちは,きれいにおめかしして,今度は日本各地の方々へと巣立っていきます。きっと行く先々で,おめかしした放散虫や珪藻たちは,人々を振り返らせることになるのかもしれません。整然とした世界は人間が機械で作り上げるものと思っている人が世の中の大半ですが,生物学者は知っているように,顕微鏡を覗いていて幾何学模様や周期構造が現れたら,まず生物の存在を疑います。生物というものは,顕微鏡下では,整然としているものも多いのです。その最たるものが珪藻や放散虫であるわけです。 2014年12月23日
Jシリーズ第9期販売分(珪藻・放散虫)について,一日中,発送準備作業を行っています。まずは保管用ケースから,お客様への輸送用ケースにプレパラートを移さなければなりません。これが大変な重労働でして,まだ終わりません。高々40数枚程度のプレパラートを収納するだけですが,『完璧な拭き』が必要ですので,高度な手技を駆使しながら一日を過ごすことになります。まずプレパラートを実体顕微鏡でよく観察し,危険な粒子を毛先で取り除き,キムワイプでスライドグラス面を清拭して,また検鏡。そしてカバーグラス面をレンズペーパーで溶剤拭きにします。一枚のJシリーズについて,5〜15回の清拭工程が必要になります。そうやって,観察面は完璧にきれいにして,素早くケースに収めるのです。Jシリーズの製品価格には,そういった作業代金も,web掲載の画像取得も,本ページの毎日更新作業も,サンプリングも,製作も,すべてが含まれていますから,実はこれでも相当に安いのです。 2014年12月22日
Jシリーズ第9期販売分(珪藻・放散虫)は, 2014年12月21日
21日は20時30分頃にJシリーズを掲載の予定です。もし21時30分になっても掲示されない場合は何らかのトラブルですので,アナウンスの上で販売を延期します。最終段階の詰めの作業を行っていますが,今回はB品が多く発生している印象があります。やはり新しい取り組みには新しい不具合がつきもので,封入剤とにらめっこして悪あがきした一年となりつつあります。それでも,とてもきれいに封じられたものも多く,皆様に見てもらうのが楽しみでもあります。どうぞよろしくお願い致します(画像/MWS)。 2014年12月20日
こんかい販売予定の放散虫プレパラートについては,専門家のご協力を得まして,『鑑定書』もつけられる予定で準備が進んでいます。真のプロフェッショナルに種同定いただき,ほとんど誰にも名前のわからない放散虫にも種名が付されています。画像による診断なので間違いのある可能性もありますが,ひじょうに正確度の高いデータとなっています。種名リストつきの放散虫標本は希少中の希少といってよく,このようなプレパラートを紹介できることを嬉しく思っています。きょうの画像はその一例です。専門家達による,どれほどの技術・経験・知識が注ぎ込まれたものであるか,伝わりますでしょうか(画像/MWS)。 2014年12月19日
パーツを少し変えるだけで,お顔の印象は違ったものになりますね。耳を目立たなくして,髪の毛にふさわしい珪藻の組み合わせをみつけて,クチビルケイソウをクチビルに使うのをやめた結果,より普通の人に近い印象になりました。こんな顔の人,どこかで見たことある…という感じがします。こういうプレパラートは,位置決め精度が求められる上に,決まった珪藻の種類で,大きさも全て適当なものを揃えないといけないので,製作はひじょうに面倒なものになります。たまにしか作らないのはそのためです(画像/MWS)。 2014年12月19日(2)
18日午後は編集者とデザイナーさんをお迎えして仕事の打ち合わせでした。とうぜん,筆者のところで仕事をするわけですから顕微鏡の午後となりました。製作中のJシリーズを3種類の顕微鏡でご覧頂き,Jシリーズの精密さ,照明による見え方の違いなどを実感して頂きました。これでまた,「珪藻を見た」人が世の中に増えたわけです。よかったよかった(画像/MWS)。 2014年12月18日
このようなデザインは,最初ある程度の素案はあるものの,完全に配置が決まっているわけではありません。配置を決めても,珪藻の個々の大きさがそれを満たさないので,詰まってしまったりスカスカになったりします。そういうわけで,並べながらデザインが決まっていくことも多いのです。この辺りは,『手術』だと思っています。狭心症でCABGを行うときなど,トラブルは山ほどあるでしょうが,執刀医は経験で乗り切ります。網膜硝子体手術でもそれは同じことでしょう。筆者はJシリーズ製作時は,絶対に患者さんを守るという心構えで臨んでいます。トラブルは数え切れないほどありますが,そのたびにあらゆる経験と知識を投入して,最終的には封じます。珪藻が教えてくれるデザインに導かれつつ,最終形に持ち込みます。途中で投げ出したことは,まだありません(画像/MWS)。 2014年12月17日
残る時間で一枚でも多く珪藻を並べようと戦いの時間です。明視野をテーマに,色の出る珪藻を探しては封入しています。顕微鏡のプロにとっては,透明でほとんど見えないような物体こそ,照明を工夫して目を鍛えて微細構造をとらえる面白い対象ですが,「珪藻? 何それ?」の世界にお住まいの方々には,コントラストが不足して面白くないことでしょう。夜空に浮かぶ花火のように,暗視野で見せれば抜群のインパクトがありますが,明視野でも同様の効果をできないかと思っているわけです。過去に製作してきた色の出る珪藻はいずれも好評でしたので,ぜひともミクロワールドサービスのウリにできればいいなぁと(画像/MWS)。 2014年12月16日
Jシリーズは21日の20時30分頃の販売とさせていただきますので,皆様よろしくお願い致します。今回は,放散虫スライドがメインになります。現在25枚程度を供給できるように準備中です。放散虫は珪藻と比較してとにかく数が少なく,また種類を集めるのに膨大な時間がかかります。今季のJシリーズ製作のために,4月頃から延々と放散虫の処理,拾い出し,ストックを続けてきました。半年以上にわたる作業の結実を披露させていただくわけでもありますので,ぜひとも,本ページをチェックしていただければと思います。珪藻スライドは少数の供給となります。今回はデザインものを中心に製作しております。多種類系のプレパラートは,来年の春頃までに供給できればと思っております。合計枚数としては,例年通りの供給が出来る予定ですので,画像も賑やかになります。世界中探しても入手できないようなものもありますので,「どれどれ」と覗いてやってくださいませ(画像/MWS)。 2014年12月15日
明視野で色の出る珪藻は種類が少なくて,持ち合わせもあまりないのですが,南極の珪藻でも色が出るものがいることがわかり,少量を使うことができるようになっています。この画像右上のまだらに発色している円形のものが南極の珪藻です。画像右下の厚みがある感じのものは,化石珪藻で,佐渡島の珪藻土から拾い出したものです。もう少し色のバリエーションが欲しいですね(画像/MWS)。 2014年12月14日
珪藻を並べているとニンゲンの勉強にもなります…。ほんの少し目尻をいじったり,目幅を変えたり,クチビルの向きを変えたりするだけで,表情が刻々と変わるのです。もっとも,本当のところは珪藻が並んでいるだけで,それを表情と思ってしまうのはニンゲン側の問題でもあります。しかし,こんな些細な変化を見て,人の表情を感じ取っているんだなと思うと,ちょっと不思議な気分にもなります(画像/MWS)。 2014年12月13日
珪藻は基本的にはモノクロームの世界ですが,珪藻を並べていると色つきのものが欲しくなることがあります。暗視野ならカラフルにできるので,これまでは暗視野での発色を考慮した設計をしてきました。しかし今年は「明視野」を念頭に製作しているので,明視野で色が出ないか考えていました。そこで生まれたのが必殺技「珪藻二枚重ね」です。豊富な在庫と十分な検討,そして永年の経験がなければこうした発想自体が生まれないだろうと思います。実際に作ってみて,狙いが当たったときは,「よしっ!」という気分になります(画像/MWS)。 2014年12月12日
Jシリーズの製作では,毎年,ある程度のテーマのようなものを決めて取り組んでいます。今年は顕微鏡の基本に立ち返って,「明視野」をキーワードに製作しているつもりです。放散虫は明視野観察が基本ですからテーマ通りですが,珪藻はそうもいきません。珪藻を明視野で見せるには,デザインで惹きつけるか,コントラストの出やすい珪藻を選ぶといった工夫が必要になります。もちろん明視野でみて面白いものは,暗視野ならばまた見事な眺めになるので,一粒で二度おいしいスライドになるわけです。こういった大方針を念頭においておくと,それにそったアイデアが育つので結構有用な気もしています(画像/MWS)。 2014年12月11日
Jシリーズはいつも完全無欠を目指して製作していますが,たぶん,これまでで完璧なものは一度も作れていないような気もします。完全に透明な基板に,完全透明な封入剤,欠陥のないカバーグラス,無傷で汚れがなく封入剤が完全に浸透した珪藻,そして破綻のないデザイン…。これらの条件が揃えば完璧なものができるはずですが,実際には,珪藻のどこかが小さく欠けていたり,どこからか落ちた製作時には見えない粒子が存在したり,封入剤が入らなかったり,固めている途中で謎の気泡が出来たりして,どこかに何らかのマイナスポイントが存在するのも事実です。完全無欠なものが出来ると思っていること自体が間違いなのですが,目標はそこに設定しないとレベルの高いものはできないので,むずかしいところです。 2014年12月10日
これは状態のよろしくない珪藻を封じたもの。コスキノディスクスやトリケラチウムに気泡ができています。どうにも封入剤が入っていかないようで,非常に困った現象です。どこにいるかも分からないところから採集して,時間をかけて処理して,何万分の一という確率の希少な個体を拾い上げても,最後にこのようになったらお仕舞いです。この現象の不思議なところは,処理後まもなくの間は,問題なく封入できるのです。それが拾い上げて数ヶ月から一年くらい経過すると,封入剤が入らなくなる種がいるのです。珪藻の表面にあいている穴ぼこは,ウイルスさえも通過できないほどの小さなものですが,これが何らかの原因でふさがるようです。もし,この穴ぼこ近傍の成分が大気中の成分と反応するような現象の場合は,液体中に保存するしかなくなるので,面倒なことになります。きわめて浸透性のよい別の封入剤を使うという手もあるかと思いますが,経年劣化や材料との相性をすべて検討し直しになる上に,完璧にクリアな現在のJシリーズを維持できなくなる可能性もあるので,現在の路線を維持したいと思っています。それにしても,以前から見られた現象ですが,困った困った(画像/MWS)。 2014年12月9日
今回販売を目指している放散虫は,すべて化石・堆積物試料を原料としています。手持ちの種類はおそらく100種強程度かと思いますが,細かい分類がわからないので(専門家でもわからない場合もある),実際に区別して並べられるものは70種程度になっています。産地は様々で,国内各地の珪藻土に含まれているもの,南極の海底泥,地中海方面の珪藻化石,アメリカの珪藻化石,産地不詳の海底泥(おそらく太平洋)などとなっています。これらの中に入っている放散虫は大まかに分けて,殻の分厚いものときわめて薄いものがいます。きょうの画像は薄い殻のものの例です。細い針金細工のような構造で,中心部を幾重にも取り巻くような複雑な形をしています。これを毛先で取り扱って並べるわけですが,ハンドリングを誤って毛先が放散虫に刺さってしまうと,それを抜くときに,かなりの割合で破損してしまいます。個体によっては珪藻よりも壊れやすいと思うくらいで,少しでも力を入れて押すと破片が飛んでいきます…。こういったデリケートなものは取り扱い困難物なので,それを封じた標本は貴重なものと言えるかと思っています(画像/MWS)。 2014年12月8日
生物顕微鏡は透過明視野中央絞りが基本となる照明法です。この照明法によれば,照明開口数の制御によって,インコヒーレント照明からコヒーレントな照明まで無段階で制御でき,それによって解像限界の変化と低空間周波数成分のコントラスト制御もできます。また低空間周波数成分の色情報も有効に取り出すことができ,特に染色標本の照明法として有用です。 2014年12月7日
現在,東京ミネラルショーが開催中です(こちら)。筆者も少しだけ覗いてきましたが,押すな押すなの大混雑で子どもから大人まで様々な方が石ころに群がって,じつに楽しい雰囲気でした。今年はけっこう品揃えも豊富な感じで,どこの店舗を覗いても見飽きない感じです。筆者はいつも光学結晶を探しにいくのですが,透明な大結晶はほとんどない印象でした。特に方解石の品薄感は異常とさえ言えるほどで,5年前にはたくさん並んでいたのですが,今年は全体で数個?といった状態でした。磨いた石ころはかなり豊富な感じで,今年は箸置きに適した石ころを求めてさまよいました。なかなか面白い催しなので,皆様もぜひご覧になってはいかがでしょうか(画像/MWS)。 2014年12月6日
きょうの画像はSaturnalis circularis Haeckelと思われる放散虫。手持ちの南極海底の試料と,太平洋の海底試料から,破損のないものは6個体しか見つかっていません。深海に住む種とも言われており,入手そのものが非常に困難です。その貴重さもさることながら,名前の通り,土星を思わせるリングが,これ以上ないシンプルさで本体を取り巻いています。本来は中央部の殻は二重構造ですが,溶解消失しやすいとのことで,画像の個体でも二重構造には見えません。 2014年12月5日
今季のJシリーズは,現在のところ,21日の夜に販売を目指しております。今月も様々な用事があって,うまく日程を合わせられるかどうかわかりませんので,現時点では仮決めの段階だと思ってください。また近くなりましたらご案内いたします。きょうの画像に示すような,本当に貴重な,入手のむずかしい放散虫を販売の予定ですので,どんなものができあがっているのか,当日はぜひチェックしていただければと思います。きょうの画像はニコンS型による撮影です。ニコンS型のアクロマートコンデンサによる偏斜照明が放散虫にはじつにマッチしていて,NA=0.25〜NA=0.4程度の対物レンズで観察すると,すばらしい輝きになります(画像/MWS)。 2014年12月5日(2)
4日は機材引き渡しの関係で珪藻研究者が来室しました。筆者の知人研究者の中では,顕微鏡に対する愛情の深さで最上位に位置する人で,この人の検鏡の様子(手慣れた操作)を見ているだけで,職人の無駄のない動きを見ているような,そんな感じがします。ちょうどJシリーズ製作中ですので,4枚ほどご覧頂きましたが,「時間があればいつまでも覗いている…」とつぶやきつつ,時間切れとなりました。。一枚20分は覗いていたでしょうか。じっくり覗いて頂くというのは,製作者としては,ほんとうにうれしいものです。画像は検鏡に使ったニコンS型と簡易顕微鏡。ほかにオプチフォトの微分干渉でもご覧頂きました(画像/MWS)。 2014年12月4日
これは電車内でみかけた広告。あまりに興味深い内容だったので,メモ代わりに撮影してしまいました。水,自由電子,NMR…。見ているだけで頭が混乱します。NMRは,あのNMRなのです。なぜNMRでパイプ内の赤さびが防止できるのか,理解が進みません。水の振る舞いはおそろしく複雑で,鉄のケミストリー,特に酸化鉄や水酸化鉄のそれについても恐ろしく難解な世界なので,分からないことは仕方がないのですけど,でもNMRでサビ防止…,メーカーさんのHPを見ながら,ぐるぐると(無駄な)想像が巡ります(画像/MWS)。 2014年12月3日
これは珪藻・放散虫在庫の保管の一例。ホコリよけにステンレスの容器をかぶせています。Jシリーズの製作練習を開始した頃,何も知らずにポリスチレンの容器をホコリよけにしたのです。すると次の瞬間,珪藻の姿はありませんでした。理由はお判りですよね…。紛失したのは苦労して見つけた星形の珪藻だったのでがっくりしましたが,この「がっくり」が大事で,二度とこのような事故を引き起こさないぞとつよい信念で考え抜いてステンレス容器という対策が生まれたわけなのでした。失敗に学ぶことは本当に大事です。Jシリーズを製作していると,本当にいろんなトラブルがありますが,できることなら,可能性のあるトラブルには,できるだけはやく遭遇したいとさえ思います。そうすれば対策を考えることができるのですから(画像/MWS)。 2014年12月2日
仕事が早く終わってしまった関係で,最終日は十分な時間ができました。急いで新幹線で帰っても,その日は標本製作には取りかかれないので,のんびりと旅情を楽しみつつ日常モードに復帰することとしました。出張先へは急いで行く必要がありますが,旅先からは時間をかけて帰った方が,頭の中身がスムースに切り替わります。 2014年12月1日
お休み期間中の仕事の一つは出張でした。放散虫研究集会2014(会津若松)への出席で,夏頃からお誘いを受けていたものです。今年は放散虫標本の製作を本格的に始めたこともあって,関係者との交流を重視して出かけることにしました。この出張では,1)Jシリーズ製作並びに研究活動に関する口頭発表,2)放散虫の内部構造の可視化方法に関するポスター発表,3)放散虫標本の顕微鏡観察デモ,4)知人の分類屋さんの顕微鏡整備,と色々な仕事を抱えていたのでした。 Copyright (C) 2014 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |