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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2012年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2013年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2014年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【今月】 2014年8月31日
ご存じの方も多いと思いますが,じつに興味深い本が出版されました。『包丁と砥石大全』。本ページを頻繁に訪れる研ぎファンには,天から舞い降りた贈り物のような本です。この分野では柴田書店の『包丁と砥石』が出色の出来で定評がありますが,『包丁と砥石大全』はさらにマニアックに進化させた方向の内容といってもいいかもしれません。理論派,実戦派とも思える若い研ぎ師が日々の修練で得たであろう技法を紹介しています。書名からは想像できませんが,本書で砥石と言っているのは,ほとんど『天然(仕上げ)砥石』のことです。天然砥石の美しい写真が満載です。 2014年8月30日
手持ちのLEDライトの電池を買いに最寄りの100円ショップに出向いたところ,それまでは置いてなかった『ショートランチャー9』が入荷していて,ほほうと思いました。スポット商品が多い世の中,筆者が評価したものが勢力を伸ばすということは滅多にないのです。よかったよかったと手にとって見ていると,その横に置いてあった『ビッグ5』という製品が気になります。LR44を4個も使うという仕様で,おそらく直結でしょうから,電池の内部抵抗を考えても驚異的な輝度になるはずです。そしてこの類のLEDライトは,微弱な電流でも光りますから,実用性はともかくとしても,連続点灯時間は意外に長いのです。 2014年8月29日
きょうの画像は気仙沼のBRTシステム。BRTの詳細については こちら をご覧頂くとして,簡単に言えば,被災したあとに,既存の路線の代替として,線路を埋めて道路化して,駅舎などはそのまま利用し,災害による不通区間は一般道を利用するというものです。この方法なら早く復旧できますし,復興等の状況に応じて新しいバス停を準備するのも容易で,また専用区間は高速走行できるので定時運行にも役立ちます。 2014年8月28日
これは放散虫のうち,ナセラリアというグループに分類される一群を並べてみたもの。珪藻で言うならば,中心類だけを選んで並べてみたもの,とでもいうかんじです。このナセラリアに分類される種は,釣鐘型を基本とした形なので,よく転がる物が多いです。それを並べる作業はじつにつらいものがあります。あっちにコロコロ,こっちにコロコロします。また円錐状の形のものは,弧を描くように転がるので,一列に縦に整列して並べようとしても微妙に角度が狂ってしまい,一個を配置するだけで延々と時間を消費することもあります。この作業は相当つよい忍耐力がないと,やってられないかもしれません。 2014年8月27日
放散虫をいじっていると本当に色々な課題が浮かんできます。どうも,封入剤の経時変化に対して相性のわるいものがいるらしく,特定の放散虫の特定の部分が剥離します。じつに許し難い現象ですが,そういうかなしいこともよく起こるのです。市販の安価な標本などは,最初から物体がクチャクチャになっていたり,巨大な気泡が生じていたり,理解し難い見えの悪いものなどがあって,そういったグレードのものであれば,ごく小さな剥離など気にもしないで済むのですが,完全透明な基板に可能な限りきれいな個体をそっと並べた標本ともなると,ごくわずかな剥離でも気になって仕方がありません…。こうして(当サービスの基準では)B品が発生するわけですが,それをうれしく買ってくださる方々もいらっしゃいますので,世の中よくできていると考えることにしませう。。 2014年8月26日
25日は大学教員2名の訪問を受けまして研究打ち合わせでした。バイオミネラル分野ではトップを走る方々で,先端的な話が楽しくひじょうに有意義な時間を過ごすことができました。メインの打ち合わせ内容は顕微鏡光学的なことでしたが,さすがに専門分野を深く追求されているだけあって,高度なレベルの打ち合わせと技法の実演ができたものと思っています。「最近の顕微鏡はダメ」という辺りも感性が一致していて,何事も追い込むと,一定の方向に意見が集約されているものだなぁと思ったことでした。このような研究打ち合わせの成果は,きっと将来,何らかの形で出ることでしょう(画像/MWS)。 2014年8月25日
去りゆく夏を惜しむように,24日も午後から山に入りました。関東の低山は人が多いので,狙った獲物も先に捕られていることもしばしば。画像一枚目がその例で,画面中央上部の斜面にマタタビが生えていますが,その下に踏み跡がついています。かなり新鮮な踏み跡なので10日以内程度に,誰かが,どっさりと収穫していったものと想像されます。ま,そういった場面に遭遇したとしても,筆者は山猿だったので,そこから1キロくらい離れた別の山に奥深く分け入って(画像二枚目),それなりの収穫を持ち帰ることはできます。約0.75キログラム。これでも乾燥すると,うんと少なくなってしまうのですよね。 2014年8月24日
君はいわいどりを見たか。 2014年8月23日
筆者は作業の合間に(学術的な意味での)研究も行っています。作業の合間というよりは,作業そのものが研究的なこともあるので,その経験の蓄積が一定量に達したら,学会などで報告してきましたし,顕微鏡講義に反映させたりもしてきました。人前に立って何かを述べる(本ページも同じことです)ことを続けている人間が,勉強(研究)しなくなったらお仕舞いです。教育者というのは,自ら勉強して自分を育てて,その成果で他人様を教え育てられる人のことです。 2014年8月22日
タマムシ画像を気に入っていただけたような気もするので,あと二枚だけ。一枚目はクズの葉にとまってもらいました。二枚目は,世界的にも珍しい?,タマムシの流し撮りです。動止フォトグラフィーまではいきませんけど,えっさほいさと歩いて逃げるタマムシ君の雰囲気が出ているように思います(画像/MWS)。 2014年8月21日
過ぎゆく夏のタマムシ画像をごらんください。大きな画像は こちら です。 2014年8月20日
16日付けの画像で載せたピンヌラリアを高分解能イメージングしたのがきょうの画像です。撮像系はそのままに,分解能が最大になるように照明系を調整します。比較すれば一目瞭然ですが,限界付近のイメージングにおいて照明の影響は大きいのです。限界付近でなければ,相対的に,照明の影響は小さくなります。照明をうまく使いこなすには,珪藻を用いて,解像限界付近の微細構造を探し,それでイメージングの練習をしなければなりません。解像限界よりもずっと大きな構造を用いて練習をしても,ほとんど練習にはなりません。それは照明によってMTF曲線がどのように変わるかを考えてみれば明らかでしょう。解像限界はレンズのNAによって変化しますから,練習に用いる物体も,レンズのNAと照明波長から計算して適当なものを選ぶ必要があります。珪藻が数種類,光学的に正しい位置に置かれたプレパラートであれば,様々な空間周波数が選べますので,練習用として適しているのです。昔から珪藻が顕微鏡のテストに用いられた理由は,そんなところにもあります(画像/MWS)。 2014年8月19日
放散虫は種数が多いので,拾っていても,種ごとに認識して分けるのが大変です。おおまかに似ているものを集めることはできますが,破片となるとお手上げに近いものがあります。きょうの画像は,たぶん同じ種(属)であろう放散虫の,保存性の悪いもの(上の画像)とよいもの(下の画像)。これまでは保存状態の悪い試料しか持っていなかったので,上の画像の骨格しか見たことがありませんでした。それが,状態のよい試料を入手してみると,下の画像のようなものが見つかります。しばらくは,全く別のものと思っていましたが,あるとき中央部の骨格が全く同じ形態であることに気づき,認識を新たにした次第です。何事も経験なので,今後もこういったことがしばしば起こるものと,顕微鏡を覗き続けています(画像/MWS)。 2014年8月18日
17日も午後から,少しの時間だけマタタビ採取に向かいました。最寄り駅に着いたのが15時でしたので,日暮れまであまり時間がありません。それでも何とかなるだろうと,過去に実績のあった沢に向かうと,道路開発等の影響を受けて,山そのものが削られて,沢が埋められていました。関東地区の山ならばよくある話ではありますが,筆者は子どもの頃から,「自分が大事にしていた山や川が開発によって破壊される」という経験を繰り返して来たので,怒髪が天を突く思いです。ええ,その怒りは,開発側に向けられているというよりは,「便利になったわね」という感想以外に思いを馳せない利用者の方に向いています…。こうして色々な生物が隅っこに追いやられて,消えていくのです。 2014年8月17日
先日採取したマタタビが,今年の仕込み分としては足りない感じでしたので,追加分を採りに行ってきました。マタタビは日本各地に広く分布しているので,関東方面でも探すのは難しくありません。平野部には自生せず,だいたい,沢筋のやや冷涼で日当たりのあるところを好むので,避暑を兼ねて山に入り沢筋を歩けばよいわけです。筆者は山猿でしたので,マタタビを採ろうと思って山には入り,ちゃんと収穫して帰ってくることができます。しかしながらきょうの収穫はたったの1キログラム。乾燥すると1/10近くになってしまいます。往復交通費,食事代,人件費,乾燥の手間賃などを考えると,ネットで乾燥マタタビ(木天蓼)を購入した方が遙かに安上がりです。ネットショップのマタタビ価格をみて,なぜあの価格で販売できるのか不思議な気もします(画像/MWS)。 2014年8月16日
これはピンヌラリアの油浸検鏡によるイメージング例。基本に忠実なケーラー照明中央絞り込みで,NAcon/NAobj=1.0/1.4です。照明波長は400nm付近を使っています。条線内部の微細構造が写っていることがおわかりいただけることと思います。この程度の撮影であれば,大がかりな機材も必要なく,工夫次第でどうにかなるものです。研究施設などでは,すでに機材はお持ちでしょうから,あとは,やるかやらないかだけの問題です。大事なポイントは,顕微鏡光学的には,透過明視野中央絞りの場合,微細構造のコントラストは例外なく低いと考えてよいので,微細構造が写っているかどうかをちゃんとチェックすることです。いい加減に画像を眺めていると,写っているものも見過ごしてしまいます。もし一度でも写っていることを確認できれば,そこまでの技術は身に付いていて,そこからは追い込みなので,飛躍的に技量がアップする可能性があります。もう一つ大事な点は,収差を生み出さない優れた標本を使うことです。ダメな標本でいくら練習しても,間違った技術が身に付くだけ…という可能性もあるからです。顕微鏡対物レンズは,その性能を発揮するためには,標本側に一定の光学的条件を要求します。その条件を満たさない標本を使うと,レンズの性能は発揮できないし,練習にもならないのです(画像/MWS)。 2014年8月15日
ここのところ顕微鏡写真が少なめなので,先月製作したものを一枚。特注で製作したもので,88種を四角形に並べています。夏は封入剤が柔らかくなって作業しやすい利点がある反面,空気がよごれている日が多く,気温が高すぎると(空調が使えない関係で)筆者が熱中症になってしまう可能性もないわけではないので,製作できる日数が限られます。室温が31゚C程度までなら何とかなりますが,32゚Cを超えるとダメです。今年は7月半ばまでは,それなりに作業できる日があって助かりましたが,7月後半から8月前半はさすがに厳しく,製作は行いませんでした。先週末には台風が来て,気温を下げてくれたので作業が可能になり,特注品を急いで作りました。このような微妙な制作物になると,お天気と相談しながら作ることも必要になってくるのです。ほかにも夏は学会準備やイベントの対応などがあり多忙な日々が続きます。きれいな空気で,適温で作業できる秋が待ち遠しいですね(画像/MWS)。 2014年8月14日
せっかくマタタビについて述べたので,できあがった薬酒と木天蓼をご紹介。ここで写っている木天蓼は,きのう掲載した画像に写っているものを,しつこくしつこく一週間以上乾燥させたものです(ただ放置しただけだとここまで乾燥しません)。酔っぱらいそうな,ふしぎな香りがします。 2014年8月13日
これはマタタビの虫入りの実です。安波山の途中で,ツルが邪魔なために刈り払われて,斜面に積み上げられていました。ここにマタタビがあって,実をつけていることは2年前にも確認していましたが,地元の人が利用するかもしれないので,採取せずに,そのままにしてきました。それがうち捨てられているのですから,遠慮なく頂くことにしました。予期せぬお土産の発生で,うれしさアップです。 2014年8月12日
気仙沼に来たなら安波山に登らねばなりません。ここは展望もよいし,途中に水もトイレもあるし,本当にいいところなのです。たまの旅行の不便な点は,気候を選べないことで,せっかく東京から避暑に来たのに,この日の気温は最高35.4゚C(標高60m)で,道路沿いは37゚Cくらいの気温に感じました。筆者は運気がなく,避暑に来れば熱地獄に晒されるような不運の持ち主です。こういったことはこれまでの人生で珍しくなかったので,今回は,熱地獄に晒される覚悟はできていました。 2014年8月11日
今回の東北行はいろいろやることがあって,研究所訪問の後は, 2014年8月10日
『森は海の恋人』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。いまから四半世紀くらい前に,東北の地で,豊かな海をつくるために山を育てた人がいるのです。その活動は人々に受け入れられ,受け継がれ,とうとう,NPO法人の研究所ができました。今では陸上生態系と水界生態系の物質循環については当たり前に研究されていますが,当時は,奇異の目でみられたものと思います。永年の活動とその成果には脱帽する思いです。さて,この研究所で,筆者の顕微鏡講義の受講生が働くこととなったので,これは良い機会と,研究所訪問となりました。素晴らしいロケーションで,眺めているだけでも飽きない入り江に建てられた研究所は,木のぬくもりもあって,アットホームな感じがしました。研究員の夏池氏には,所内の案内はもとより,周辺の自然環境について詳細な説明をいただき,夏の夕方に良い散策となりました。森里海研究所は こちら を参照してください。いろいろな活動を行っていますので,興味ある方は参加するのも面白いかもしれません(画像/MWS)。 2014年8月9日
大船渡線は東北の農村地帯を駆け抜けるので景色も抜群です。田園風景がすばらしく,少し高台を走るので,眼下にひろがる田んぼをみてついついシャッターを押してしまいます。色とりどりの花が咲き,谷筋にはマタタビが大量に繁茂していたりして,じつに見飽きません。列車の中には景色に関心がある人と,そうでない人がいるように見受けられます。筆者は典型的な前者で,しっかりと景色をみて風景を頭の中に動画記録してしまいます。この動画記録はふだんは出てこないのですが,同じ場所にくると,雰囲気と記憶が照合されて,「そろそろあんな建物が出てくるはずだな〜」とか,「もうちょっとで養鶏場があったはずだな〜」などと先の風景を予測しだして,まもなくそれが目の前に現れます。窓の外をみているだけで楽しくて,頭はフル回転で,ゆったり座っていながらもじつに忙しい時間となります(笑)。こんな素晴らしい風景を目の前に,眠りこけたり,えんえんとスマホを眺め続けたりというのは,なんだかもったいないなぁなどと思ってしまうのです(画像/MWS)。 2014年8月8日
鉄道運行会社の使命は,列車を安全に運行し,生活に便利なように十分な運行本数を確保して,混雑で不便が出ないように車両を確保することだと思うのです。しかし東日本にある鉄道会社は,列車を短くして,在来線は分断して新幹線に誘導し,運行本数は減らして,ワンマン運転にしていたりするのです。何かが違うなぁと思いはじめて20年近くが経過しましたが,未だに印象は変わりません。最近は,立派なポケモンがお迎えしてくれるのです。子どもたちは夏の想い出に大喜びかもしれません。でも,ポケモンで喜ばすのは,航空や鉄道会社のすることではないと思うのです(画像/MWS)。 2014年8月7日
6日も,死んでしまうのではないかと思うような暑さだったわけですが,あまり文句ばかり言っていても仕方がない面もありますので,盛夏の象徴的な画像を。たくさんのオニユリが夏を表しています。じつに鮮やかですね。このオニユリ,画像に見えているようにムカゴがたくさんついています。これはユリの球根の子どものようなもので,この黒っぽい粒を外して持ち帰り,土にばらまいておけば,そのうち立派なオニユリが見られることでしょう。このことを最初に知ったのは幼稚園か小学校一年生の頃。それで見つけたオニユリのムカゴを持ち帰り,庭にばらまいたところ,何年かあとにオニユリの花が咲いているのを発見することになるのでした(画像/MWS)。 2014年8月6日
全国的に高温傾向のようで,東京で37度の熱地獄かと思えば,東北でも福島や一ノ関方面で37度近い高温になっています。日暮れでも30度を切らず,かなり危険な状態になっています。熱中症は寝ている間にも起こりますが,これは水分不足によって血液の粘度が高くなるなどして血栓が重要な臓器や脳に飛ぶなどして起こるとされています。夜中にトイレに行くことを嫌って水分をとらずに,代わりに死んでしまっては何もならないので,十分に水分や塩分を補給して休んでください。気温が高ければ室内も室外も関係ありません。台風さんが東に逸れて,太平洋高気圧を東に追いやってくれるよう,お祈りしましょう(画像/MWS)。 2014年8月5日
表を歩いていたら緑色のきれいな蛾が落ちていたので連れて帰りました。ちょうど,シジミチョウくらいの大きさで,萌葱色に近い感じの緑色。あまり見かけないので,名前はわかりません。先日組み上げたSMZ800-Nikon1のテストにちょうど良さそうなので撮影してみたのがきょうの画像です。最低倍率から最高倍率で撮影してありますが,さすがに実体顕微鏡のレンズでは収差も大きく,今ひとつ感の漂う画像となっています。しかし公称値でNA=0.2なので,倍率を上げれば,鱗粉のシマシマも少しは見えています。それなりには使えそうですね(画像/MWS)。 2014年8月4日
これは最近製作した検査板。特注品で13個の珪藻を並べています。いつも製作していますが,いつも難しくて,呻吟しながらの作業となります。真ん中のピンヌラリア,少し傾いている気がします。しかしこの傾き,角度にすると,0.3度とか0.5度とか,そのくらいしかないのです。人の目は角度に敏感らしくて,少しずれていても分かってしまいます。では製作中に微妙な傾きがわかるかというと,これが難しいのです。顕微鏡下で覗く円形の視野というのは独特で,平行を取る作業が,いろんな作業の中でも最も難しい部類に入ります。接眼ミクロに方眼マットを用いて,正確に直角を出そうとしても,コンマ数度のズレは判別できません。低倍率にして全体の形から見ていく方が正しい形に近づきますが,倍率が低いと微妙な操作が難しくなります。実用上は,まったく何の問題もありませんが,美観上は整然と並んでいた方がよいので,できるだけよい物になるように取り組んでいます(画像/MWS)。 2014年8月3日(2)
夜11時20分には,こんな感じ。このような条件では,冷房のない室内では32-33゚C程度になります。室内にいても,就寝中に熱中症で亡くなる人が出てきます。土建重視の政府が熱地獄を作り上げましたが,その犠牲にならないように,十分注意しましょう(画像/MWS)。 2014年8月3日
夏バテモードでのろのろと作業している理由がきょうの画像。夏が暑いことは当たり前なのですが,この画像に記されている気温は夜の8時を過ぎているのです。筆者が子どもの頃だったら,これは昼間の正午〜午後にかけての気温です。それがとうとう,夜の温度になり,沖縄よりも関東の方が暑いということが常態化してしまっています。こうなった原因は,これまでも述べた通りに,関東一円をコンクリートとアスファルトで塗り固めたことが原因ですが,残念なのは,こういった原因が分かっているにもかかわらず,何の対策もとられずに,経済!経済!と,ヒートアイランド現象が悪化する政策ばかりが採用されていることです。国民の大多数もヒートアイランド現象には全く無関心で,自分たちが熱地獄で焼き殺されるかもしれないのに,経済!経済!と思いこまされているように見えます。現在の状況は,高層ビル群を緊急解体して,緊急の容積率制限を暫定50年で施し,道路をひっぺがして,あらゆるところに木を植えることが必要,そういう緊急事態なのですが,負けると分かっていた戦争に突入して叩きつぶされた過去と同じように,なんだかヤバイと思いつつも見て見ぬふりで何もしない,そういう日本人の悪い面が出ているような気がします(画像/MWS)。 2014年8月2日
顕微鏡によるデジタルイメージングでは画像処理が不可欠です。デジタル素子は,目に見えていない小さなコントラスト差でも情報として記録していますので,その部分を抽出すれば,目で見た以上の情報を含む画像が得られます。メロシラ・バリアンスを油浸の明視野で撮影すると,ピント合わせも困難なほどに何も見えませんが,得られた画像をコントラスト強調すると,被殻表面に存在する微細な孔の存在が,何となくわかる程度のざらつきが記録されています。 2014年8月1日
特注品のデータをとっていますが,あまりに暑いので作業がはかどりません。なんとなく,夏の方が冬よりも,解像限界が若干悪い気がします。気のせいかもしれませんが,油浸オイルの指定温度は23゚Cですから,33゚Cの室内なら像が悪化することはありそうです。対物レンズの収差補正も常温を基準でしょうから,33゚Cもあれば多少の球面収差が出そうです。これらの効果の積算によって,ぎりぎりの解像限界付近のコントラストが変わるのかもしれません。慣れた作業を同じようにしていても,どこかに甘さを感じます。限界付近のイメージングでは,ほんの少し何かのパラメータが変わるだけで,それが像のコントラストになって出てきたりするので,気の抜けないところです。画像はメロシラ・バリアンスの被殻表面にある微細な孔です(画像/MWS)。 Copyright (C) 2014 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |