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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2015年7月31日


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これはEunotiaという珪藻。ユーノティアともエウノティアとも呼ばれています。淡水の湧水などでよく見られる珪藻で,うんと小さなものから大型のものまでいろいろです。よい試料を大量入手したことがなく,どこかで捕まえなければと思っている仲間でもあります。条線もけっこう細かいですが,そのなかにさらに細かい縦条線があって,高解像検鏡にも向いています。悪い試料はたくさん持っていますが,粘土鉱物などが抜けなくて,10年ものの試料を眺めてはビンに戻すといったこともやっていたりします。放散虫の場合は特定の種を得るために,試料の99.99%を捨ててしまうようなこともやりますが,珪藻でそういった分離を行うことは難しいので,持ってるのにどうにもならないといったことも生じます。汚い標本であればすぐにでもできるんですが…(画像/MWS)。








2015年7月30日


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放散虫も封じにくいものですが,有孔虫に比べればだいぶマシです。きょうの画像の放散虫リクノカノマも,かなりの技術を要しますが,きちんと安定的に封じることができます。コイツはガラス質の厚い骨格で,輝きが素晴らしく,明視野でも,暗視野でも,偏斜でも,微分干渉でも抜群のコントラストで観察することができます。封入剤を選ぶ感じで,相性が悪いと脈理が出たり剥離が起きたりしますが,良好な封入剤では完璧な封入ができる感じでクリアなガラス質を拝むことができます。本種はきわめて希少なので普通は入手できない部類のものですが,当サービスでは,この放散虫を含む化石試料を大量に所有している上に,その化石試料から,この放散虫を取り出す技術を開発したので当面は供給できる条件が整った感じもしています。この放散虫を供給できるのは,おそらく,地球上では当サービスだけではないかと思います。時期のJシリーズでも供給できそうなので書き記す次第です(画像/MWS)。








2015年7月29日


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放散虫スライドも大型化してくるとけっこうな面積になり,撮影がむずかしくなってきます。4倍対物レンズだとはみだしてしまい,2倍対物レンズだと小さ過ぎると感じることがあって,3倍対物レンズが欲しい今日この頃ですが,そんな都合のよいものはなかなかありません。。それで,縮小光学系的に,投影倍率を下げるようにして対応しています。きょうの画像は4倍対物レンズの後方に,ケンコーのクローズアップレンズを仕込んで縮小したもの。放散虫がたくさん並んだ姿がぎりぎり画面に収まっています。こういった工夫は鏡筒長の変化を伴うので,高NAでは像質の悪化をまねくのでほとんど無理ですが,NA=0.4以下くらいであれば多少のことは許容され,像質の悪化もほとんどみられません。ですから,正しくない使い方であることを理解した上で,像質の悪化が問題にならない程度の「間違っているともいえない使い方」を試してみる価値はあります(画像/MWS)。








2015年7月28日


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久しぶりに有孔虫をいじっています。顕微鏡サイズの巻き貝,といった感じで,炭酸カルシウムの渦巻き状的な構造の殻を持っています。これの封入は困難の一言です。封入剤がとにかく入っていかないのです。溶剤を染み込ませてから入れれば入ることもありますが,それは溶剤が入っているだけで,封入剤とは簡単に置換されません。そして固化してみれば,そこに空洞ができたりします…。そんなわけで有孔虫はいつも次回以降の課題となったままです。大量入手も面倒で,拾い出しも相当困難です。炭酸カルシウムは濡れ性も悪いのでその点も封入作業を困難にします。できればJシリーズの技術で,いろいろなバイオミネラルを一枚のプレートに載せたいのですが,どうしても無理なら,有孔虫専用の封入方法を考えなければなりません。珪藻も放散虫も有孔虫も海綿骨針もフェオダリアも,似たようなサイズの微少な鉱物質ですが,取り扱い方法はどれも異なります。そこが難しくもあり,面白くもあるところです(画像/MWS)。








2015年7月27日


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過去に太って体調を崩した経験から,健康を保つ上で,運動不足というのは食べ過ぎと同じくらい,危ないものだと認識しています。まあ太ったといっても,168cmで最大瞬間で64kgくらいでしたから,一般的には太ったとはいえないのでしょう。しかし20代前半くらいの体重は54kgくらいでしたから,そこから見れば太り過ぎだったのです。現在は56kg台に戻していて,まぁ悪くない感じです。食事の量を適量にして,食後に運動(さんぽ)しているのがけっこう効果があるように思っています。

この日々の運動というのは本当に大事なものですが,これからのシーズンはじつにつらいものでもあります。21時でも実質30゚Cくらいの路上温度ですから,5,6キロ歩くだけでもかなり厳しいものがあります。それで自転車で走ったりすることもありますが,暑すぎてキツイですね。10代の頃は,月間千キロくらい自転車で走っていたこともあるくらいでしたが,当時は夏でも夕方になれば死なない程度の気温でした。現在は,路上温度が40゚C近くなる昼間の運動はまず不可能で,夜でも23時くらいにどうにか歩けるかなという感じで,どうしても運動不足になりがちです。近くに住んでいれば東京駅の地下道でもぐるぐる歩いていればいいのでしょうけど,周囲数キロには涼しい地下道は見あたりません。困ったものです。画像は夜の御茶ノ水駅。学生の頃は神田古本街に行くのに何度も下車した想い出のところでもあります(画像/MWS)。








2015年7月26日


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放散虫は偏斜照明でも見映えがするので,偏斜照明専用の撮影システムを組んでみました。といっても大げさなものではなく,ニコンS型LED改造機に,CF対物レンズをつけて,アクロマートコンデンサの偏斜装置付きで,リレーレンズなしの直接焦点での撮像といった構成です。対物レンズは,同じ倍率のものでも低NAのものを選んで焦点深度を稼ぎ,偏斜装置の操作も,ピントが深くなり,コントラストが出て,質感もわかる微妙な位置を探して調整します。テスト撮影結果がきょうの画像で,画像処理は縮小のみです。ねらい通りの絵で,まあこれなら合格かな,という気もします。放散虫はでっかくて厚みがあるものが多いので,一枚撮りでこのような絵にするには,多少の工夫も必要です(画像/MWS)。








2015年7月25日


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この放散虫は割と最近,新種記載されたもののように思います。筆者は国内の珪藻化石から取り出していますが,ひじょうに数が少なくて,通常の試料処理だとほとんど見つからない感じです。そこで,200mlの沈殿物を0.2mlにまで濃縮するような力業を行使しているのですが,それでようやく若干数だけ捕獲できる感じです。この濃縮という作業に引っかかってくる放散虫は,珍しい種であっても多数入手できる可能性がありますので,濃縮作業はやってみる甲斐があります。その一方で,それほど珍しくない放散虫でも,適切な濃縮方法が見つからない場合は,多数の個体を入手するのがむずかしくなったりします。こういった事情があるので,筆者の放散虫在庫には,けっこう希な種がある程度確保できていたり,普遍的な種が少なかったり,いろいろです。本当はたくさんの種を平均的に集めたいし,そうすれば多種類プレートも作りやすくなるのですが,そうは問屋がおろしません…。できれば解決したいですが,じつにむずかしい課題です(画像/MWS)。








2015年7月24日


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1995年の7月頃,山野楽器のCD販売コーナーでこれを見つけて手に取り,能書きをよむと,「94年7月24日は日本におけるブルックナー演奏史上,特筆大書すべき日となった(宇野功芳)」との記述。宇野さんの推薦でずいぶんブルックナーを買った気もするけれども,どれも筆者とは,あと一歩のところで波長が合わない感じもしていて,このCDもどうなのかなと,いったんはその売り場を離れたのでした。生意気な若造だった筆者は,日本人指揮者の演奏でしかも大フィルという点でも,購入に踏み切れないと思いました。だいたい,朝比奈隆の演奏はそれまで一度も聴いたことがなく,彼の評判もまったく知りませんでした。しかし売り場を離れてみると,やっぱり気になり,4,500円もの大金を投じて,このCDを連れ帰ったのでした。

ブルックナーの8番は,最初に聞いたのはたぶん中学生の頃で,クナッパーツブッシュ/ウエストミンスターの演奏でした。それは美しくて,この曲の,特に第三楽章が「きれいだなぁ」と思わせるものでした。ほかには,ジュリーニ/シカゴとか,ヨッフム/ベルリン,カラヤン,マタチッチなども聞いていました。しかしブル8は,筆者にとってはブル7やブル3よりも,心に浸透しない気もしていました。

それから数日後の梅雨の空模様の夜。ようやく時間ができ,どれどれとCD再生機の前に座って,湯飲みに注いだ冷や酒を飲みながら,じっくりと聞くことにしました。

ライブ録音なので冒頭の拍手も入っていて,何となくコンサートの雰囲気も感じられ,録音の奥行きもよくてこれは良さそうだと思いました。しかしこの演奏はそんなものではありませんでした。拍手が止んで第一楽章が始まるとすぐに異常な緊張感に支配され,胸がつぶされるような感情がわき上がり,ついには涙を抑えることができなくなりました。いったい何の涙なのかわかりません。己の魂の奥底に封印していた何かを引きずり出されているような,とにかく,とめどなく涙が流れるのです。

それは第二楽章に入っても変わらず,第三楽章でも同じで,ふだん感動を押さえて無機的に生きてきた自分のどこに,こんな感情が存在していたのだろうかと不思議でなりませんでした。最終楽章も圧倒的な名演で,ただただ音楽に身をゆだねていれば自然に涙が流れ,最後の「ソー・ミレド」の着地は完璧といってよく,演奏が終わると同時に嗚咽が抑えられなくなってしばらく泣いていました。ティッシュの箱を半分くらい消費してしまいました。。

これが本当のブルックナーなのか!と驚嘆しました。ブルックナーは,私の8番はミステリウムなのだよ,という言葉を残しているらしいのですが,おそらく彼には,この音楽が,それを理解できる人に引き起こす変化(感動)までもわかっていたのかもしれません。

これは私だけの体験なのかと,しばらくはそう思っていました。しかしあるとき本を読んでいたら,大オーケストラのコンサートマスターが,ブルックナーの8番で,上のような体験をしていることがわかりました。また演奏中にあまりにも感動してしまい,涙を流しながら演奏したエピソードも何かで読みました。音楽とは恐ろしい力を持っているのだなと,本当に貴重な体験をしました。

この演奏を客席で聴いていたヘンリー・フォーゲルが,感動のあまりに,朝比奈をシカゴ交響楽団に招いたのは,今となっては有名な話です。フォーゲルはおそらくそれ以来,朝比奈の演奏を大量に収集するに至ります(こちら)。シカゴ交響楽団の支配人をするような,アメリカのオーケストラ界の大御所が,日本の,知名度も低い,朝比奈隆の熱烈なファンになったのです。

職業人は誰しも,最高の仕事を成し遂げたいと願っているに違いありませんが,こんな素晴らしい演奏(仕事)を残した朝比奈隆はすばらしいと思います。羨ましいです。7月24日は,宇野功芳が言ったとおりに,朝比奈隆が成し遂げた,日本におけるブルックナー演奏史上,特筆大書すべき日なのです(画像/MWS)。








2015年7月23日


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ここのところ,寝たんだか寝てないんだかという日々が続き,ただでさえ悪い筆者の脳みそがさらに劣化してきています。休息したからといって復活するわけでもありませんが,当面,休息モードでの営業とさせていただきます。メールへの返信や,発送作業は少し,反応が鈍くなるかもしれません。ご理解いただければと思います…。それにしても入眠困難というのは不思議な症状です。寝方がわからないのです。多くの方は暗い部屋で布団に横になれば寝られるらしいのですが,どうもうまくいきません。30分くらいで寝ついていることもありますが,2,3時間で目が覚めてしまい,すると今度は足むずむず症候群や,「足あつ」と呼んでいる足の裏が異常に熱くなる症状が絶好調になり,足を冷やしてみたり,うえに上げてみたり,体を冷やしてみたり,起きあがってみたりといろいろやるのですが不快なまま朝が来てしまいます。睡眠不足でも「眠気」がよわく,眠くて仕方がないという感じにはなりません。あくびも出ません。どうにも眠くて仕方がないという感じになるのは,ラーメン食べて電車に乗ったときです。どーも筆者の脳みその一部は,赤ん坊のまま停止していて,おまんま食べて抱っこしてゆらゆらしないと寝られないのかもしれません。そういう人は,ハンモックで寝るのいいのでしょうか? (画像/MWS)。








2015年7月22日


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当サービスの珪藻プレパラートをお求めになったお客様からは,メールでのご連絡を中心にいろいろなご感想や画像などを頂戴しています。まことに有り難いことで,皆様がプレパラートを活用しておられることがわかると,ほっとします。きょうは木版画を楽しまれているという方から,素敵なお葉書を頂戴しました。こういうものをもらうと,何ともうれしくて,ついつい眺めてしまいますね。デザインの妙は,筆者だけが眺めるにはもったいないので,本ページでも紹介させていただきます。何ていうのか,珪藻で涼を呼ぶレイアウトになっているのですね。今日の東京は35゚C。暑くて忙しかった一日も,夕方のポストでこういうものを発見すると気分が違います(画像/MWS)。








2015年7月21日


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梅雨も明けて暑くなると,ざるそばやそうめん,ひやむぎが美味しくなってきます。山ほど煮野菜を食したあとに,常温の水で洗った麺を食べるのが筆者流です。お腹を冷やすと良いことが何もないので,夏でも氷で冷やしたりはしません。だしつゆは,作り置きができないので,おでんなどを煮るとき以外は市販のものを使っていますが,どのメーカーのものも甘さがくどくて,ほとんど砂糖水です。調べてみればわかりますが,市販のほとんどのだしつゆは,原液状態では,コカコーラよりも糖度が高いのです。そして市販のだしつゆの糖度は,年々高くなっているのです。そんなもの,とても食べられません。我慢して食べていると,味覚が破壊されて慣れてしまいますので気をつけないといけません。

中年オヤジになって感じることは,日本人の味覚が全体的に変化しているのかな?ということ。市販の食品にはほとんど砂糖が入っており,それがいつまでも売られているところを見ると,受け入れられているようです。あるときキムチを買ってみたら,砂糖の味がする…。耐えられないので水洗いして白菜だけでも料理の材料にと思ったら,最後は砂糖漬けの白菜のような味になりました。出張先の夕飯で,おいしそうなフキの炒め物。一口食べて吐き出しました。ものすごい甘さと塩気です。どうしようかと思いましたが,お湯で30分ほど洗って食べました。これも,最後はフキの砂糖漬けの味になりました。南の海沿いでは,沖ボラの刺身が売っていたので喜んで買い,付属のパックしょう油で食べてみたら,しょう油に砂糖が入っている味…。この世のものとは思えない味で,そのしょう油で食べることはできませんでした。アジのタタキにタレがついていたので,試しにかけてみたら,どろっと甘くて,忘れることのできない気持ち悪い味がしました。直ちに水洗いして調味しなおしました。。

味覚なんて好みなのだから,正しいも間違いもないだろうという意見が世の中のほとんどかと思います。その意見は,個人の範囲であれば,本当にその通りだと思うのです。好きな人は刺身に砂糖でもかけて食せばよろしい。けれども,食文化的に全体を考えれば,砂糖を多用するのはとても正しくないとも思うのです。

コチの刺身は薄くひいて,ポン酢か,梅肉しょうゆ,あるいはしょう油を煮きり酒で割ったもので食べるのが最上でしょうか。こうした食べ方はながねんの食文化により生じてきたもので,繊細な白身魚をよりよく味わうための方法でしょう。ヒラスズキやオナガダイの刺身など,最上級のものと思っていますが,あの淡い風味と得も言われぬ甘味とうま味は,西日本の甘いしょう油で食べたら完全に破壊されてしまい,何を味わっているのかわからなくなります…。砂糖は,素材の味を破壊する最たるものです。

筆者はそのように感じるのですが,それでも世の中の食品が甘い方向に行っているのは,多くの方々が日頃,甘いものを常食しているからだろうと想像しています。甘味は依存性があり,もっと甘いものが欲しくなるように脳が慣れてしまうので,アメを舐める,アイスを食べる,ジュースを飲む,ケーキを食べるといった日常を過ごしていると,甘いものを食べない人と比較すると,味覚が鈍感になっているのです。そういった鈍感な人が世の中の大多数になれば,市販のおかずは甘く,煮魚でも何でも砂糖/みりん/水飴のごてごてが「ちょうどよく」感じるわけで,売れて,支持されるのでしょう。

もし甘いものを食べている人が,人工甘味料を含む一切の甘いもの(あと粉もの,特にパン)をやめることができたら,味覚の変化は簡単に感じられます。おやつの類はもちろんのこと,料理にも砂糖,みりんを使わずに,一ヶ月くらい過ごしてみれば,本来の味覚が戻ってきて,あらゆるものの素材の味が判別できるようになり,そしていろいろな食材に潜んでいる「甘さ」に気が付くことになります。そして以前食べていたものを試しに食べてみれば,味が強すぎて忌避する感じが出てきます。「以前の私はこれを美味しいと思っていたのかー」ということになります。脳みその変化というなかなか面白い体験ができますし,あらゆる面で体調がよくなるという副次的な効果もあるので,人体実験に興味がある人はやってみるのも手かもしれません。

日本国内からよいものを厳選してお届けしている本ページですから,だしつゆも,あまり砂糖の入っていないものを紹介しなければいけません。きょうの画像がそれで,山梨方面で売っているものです。これをやや薄く割って使うと,そば,そうめんにはすっきりとしていて,何というか,子どもの頃に食べた味です。甘ったるいつゆには戻れません…。天ぷらにもよいでしょうし,煮物の味付けにもふつうに使えます。市販のあまいつゆに困っている人には,試す価値があるかもしれません。

このビミサン,なぜか地域限定販売で,都内ではまず見かけることはありません。入手は,山梨方面に出かけるか,通販ということになってしまいます。画像2枚目に示すように,ウチから歩いていけるところに営業所があるのですが,そこでは販売していないのです…(画像/MWS)。








2015年7月20日


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これは昨日の虹の反対側。こちらの方が明るい感じがします。日没時の虹でしたので,光源となる太陽光の波長成分が赤に偏っており,全体的に赤みの強い虹のようにも思います。もっと緑や青や紫色の強い虹を見てみたいのですが,そんな虹は洋上とか山の上で日中に出会うものなのかもしれません(画像/MWS)。








2015年7月19日


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久しぶりに虹を見ました。日没直前のわずかな時間でしたが,久しぶりの大アーチでしたので早速ニコワンを持ち出しての撮影となりました。以前からやってみたいことの一つに,虹を高速連写して,その絵をコンポジットして,虹の微細構造を映し出すというのがありまして,トキナーマクロをつけての撮影となりました。画像二枚目は11枚のコンポジットで得た絵にコントラスト強調をかけています。虹は目で見たものとデジカメで撮影したものがまるで違って見えます。たぶん目は積算されたものをみていて,デジカメ写真は一瞬ですから,そこにS/N的な違いがあるのではと想像しています。特に夕暮れの虹で顕著です。本ページで紹介する画像は少しでも見た印象に近づけたいと思っています(画像/MWS)。








2015年7月18日


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細かい作業がお休みの一週間は,寝不足でぼけた頭でひらすら実験作業を行っています。きょうの画像はそんな作業中にふと思いついて撮影した一コマ。今から10年以上前に封じたプレパラート中に発生した顆粒状の濁りです。珪藻用の高屈折率封入剤は保存中に濁るものが多く,封入条件が非常にシビアな気がしています。ヨーロッパなどで出回っているものでも,高屈折率の封入剤を使っているものは濁っているものが多く,比較的低屈折率のもので天然樹脂を使っているものは濁りが少ない印象があります。当サービスは常に「高品質」こそが皆様に喜ばれる第一条件と考えていますので,どこにも真似できないレベルの封入を目指しています。そうすると,実験的検討を行うことが「必然」になってくるのです(画像/MWS)。








2015年7月17日


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Jシリーズ放散虫プレパラートは,まだ本格供給して間もないので,お手元にない方も多いことと思います。次回も供給できるように準備をすすめておりますが,ここのところの急な暑さで筆者の睡眠回路が壊れてしまい,細かい作業はいったんお休み状態になっています。きょうの画像は放散虫を並べたものにスケールを重ねてみたもの。これをみると,だいたい,数十μmから300μmくらいのサイズのものが多いようですね(もっと細かいものも並べられますが,おそらくは専門家以外に需要がないものと思いますので,基本的に特注としています)。数十μmから300μmという大きさは,光学顕微鏡の観察範囲としてちょうどよい感じです。放散虫は厚みもあってコントラストも高いものがいるので,透過明視野でばっちり見えますし,偏斜照明や暗視野で見るにも好適です(画像/MWS)。








2015年7月16日


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当サービスの珪藻プレパラートは光学的な意味で高い品質のものとなっておりますので,鑑賞用途ばかりでなくテストプレパラートとしても使えます。じじつ多くの方々が当サービスのプレパラートを用いて顕微鏡対物レンズや撮影系のテストを行っています。顕微鏡のプロも当然使っていますが,きょうはお世話になっているグレンデルさんの記事を紹介します。

こちら

さすが本職の言葉は簡潔で迷いがありません。そして添えられている画像の品質も最高です。Jシリーズの暗視野像は対物開口数とコンデンサの開口数の組みあわせを検討してベストの発色/コントラスト/解像のバランスをとっています。明視野の画像はすっきりと抜けた繊細な絵になっていますし,一部は適切なコントラスト調整をしているように見えます。デジタルイメージングのお手本といってもよいような絵で,ぜひ皆様もごらんください(画像/MWS)。








2015年7月15日


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本ページでガラスカッターのことを書き記した翌日,家から一歩も出ずに,ネットでもお買い物もしていない筆者のもとに二種類のガラスカッターが転がり込んできました。ガラスカッターに足が生えて勝手にやってきたのです。まことに不思議なことですが,嬉しい不思議なら幾らあっても良い気がします。。早速使ってみると,13日付で掲載したオイルカッターと外観は変わらないにもかかわらず,切れ味は別次元です。スコアがするどく深く入るような感じで,ガラスを折るときに要する力が小さくてすみます。チップは片方が超硬っぽいもので(*1),もう一つは焼結ダイヤっぽいものです(*1)。後者の方がよく切れますが,前者の方が線がきれいなように見えます。ガラスカッターには詳しくありませんが,これらは薄板専用のものなのだろうと思います。

それにしても,カバーグラスを切っていて不思議に思うのは,ガラスカッターのデザインです。あのしっかりとしたホイールホルダーにホイール型の刃先がついているデザインというのは,ダイヤモンドのガラス切りのデザインから引き継がれてきたもののように思います。そして,ダイヤモンドのガラス切りにしても,オイルカッターにしても,切るガラスの厚さは約1mmから5mm程度までが大半かと思います。それならば,力も必要ですし,あの頑丈なデザインは納得できます。

しかしカバーグラスは0.12mmとか,0.17mmとか,そんな厚さなのです。そしてそれを大面積で切る用途は皆無に等しく,ほとんどが数ミリ角か丸く切るか,そんなところだと思います。そういった用途に対しては,あのデザインは丈夫すぎる上に精密さに欠けるのです。手持ちのカバーグラス用ダイヤモンドマーカーの圧力は160g前後です。これは大人がボールペンで字を書くときの筆圧で対応できる範囲内ですから,カバーグラス専用のガラス切りなら,ペン型で先にダイヤのチップがついていれば十分だと思うのです。オイルカッターでは切っているときに刃先は見えませんから,精密に切るなら治具が必要になってきます。もしペン型でダイヤのチップが目視できれば,製図で線引きする感覚でガラスにスコアを入れられます。

そんなことを考えつつも,転がり込んできたオイルカッターの切れ味は捨てがたいものがあって,この2本を眺めているだけで頭の中がぐるぐると回ります(笑)。まぁ,カバーグラスを切るような奇特な人は,自分で道具を作るべきでしょうから,急がずに,こうしていろいろ経験することが大事と思い直すことにしました(画像/MWS)。



*1 その後の情報によると両方とも焼結ダイヤとのことで,刃先の形状が違い,片方は傷が浅くきれいな線,もう片方は点線で深い傷が入るらしいです。筆者の観察がいい加減であることがばれてしまった。。




2015年7月14日


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これはライカマイクロシステムズから供給されているダイヤモンドマーカーの先端。ダイヤモンドは透明なものが用いられており,三面を平面に研磨することにより,先端を,鈍角ながらも,エッジをきちんと出す設計となっています。こういった誠実さがライカマイクロシステムズだなぁと思わせる部分です。細部もしゃきーんとしているのです。

で,これでカバーグラスに直線を引いてみると,実に美しいスコアが入ります。刃先角が鈍角なのに割るのは簡単で,きれいにカットできます。こうなってくると,ガラスのカットは単にカッターの刃先角の問題ではなく,ひょっとすると,可能な限り細い線が深く入れば,力の集中によってきれいに破断する,そんなメカニズムの気もします。鈍角鋭角にかかわらず,エッジがきちんと出ていれば,細線がシャープにひけて,きれいに割れる,そんな感じです。

この想像が正しいのか間違っているのかは,試してみるほかはありませんね。でもそれには,ダイヤモンドペンが欲しいですね。近所を徘徊してみましたが,細いペン先のダイヤモンドペンは見あたりませんでした(画像/MWS)。



*1 残念なことは,このマーカーは,バネのコシが弱すぎる上に回転トルクが軽すぎて,ダイヤモンドマーカーとしてはほとんど使えません。真円になりにくいのです。そして対物レンズの形状ですから,ダイヤモンドペンの代用にもなりません。精密な線が引けないのです。細部の仕事はよいのに,全体としての使い勝手は,ちょっと疑問に思っています。ひょっとするとライカの顕微鏡に装着するとあなどれない機能を発揮してくるのかもしれませんが。




2015年7月13日


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特注品のカバーグラスの品質が悪く歩留まりが半分程度なので最近は自分でカバーガラスを切っています。それで問題になるのがガラス切りです。筆者は思い返すに小学生の頃からガラスを切るのが苦手です。いまでは中年オヤジですが,苦手ですねえ。ガラスにスコアを入れるまではいいのです。問題はそのあとで,力のかけ方で,スコアとは別の方向に折れてしまうのです。きょうの画像には手持ちのガラス切りをいくつか載せていますが,カバーグラスを切るには,ERMAのマーカーの先端を使うのがいちばん歩留まりがいいのです。一方,いちばんきれいなスコアが入るのはオイルカッターです。しかしきれいに折れません。

これの原因は,カバーグラスを手で持つことができないことにあります。Jシリーズに使うカバーグラスは,完璧な清拭が必要な関係上,手で触れることはできません。すべて脱脂した器具を使い,スコアを入れ,スコア通りに折らなければなりません。これが難しいのです。きれいな切断面になる滑らかなスコアでは,傷が浅すぎて折れないのです。そこでERMAのマーカーを用いて,深い傷をつけて,傷の裏側から押して折るとスコアの通りになります。但し,傷が深いので,切断面がバリバリです。このバリバリは,見た目は悪いのですが,封入作業からみると,接着強度が増す可能性があるので,排除すべきほどのものでもありません。それでバリバリの切断面は許容しています。

この方面に詳しい先生に教えてもらったところでは,スコアを入れるには刃先角が重要らしいので,手持ちのダイヤモンドを研いだりもしています。画像二枚目はERMAのマーカーを研いだもの。これはもともとダイヤが欠けていたので,修復を兼ねて研いでみたものです。画像三枚目は,市販のガラス切り2Aの先端を研いでみたもの。これによってカバーガラスには,オイルカッターでつけたようなきれいなスコアが入るようになりましたが,やはり折ることができません。。画像4枚目は,薄切り専用のオイルカッターです。手持ちで割って良ければ,とても使えるオイルカッターなのですが,ピンセットと工具だけできれいに割ろうとすると,どうもこれでつけたスコアは浅すぎる気がします。

ガラス切りについては経験が浅すぎるので,勉強勉強,また勉強です(画像/MWS)。








2015年7月12日


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これは当サービスで採用されている(笑)ご飯の再加熱方法。電子レンジで茶碗に入ったご飯を加熱すると,上面ばかり加熱されて底の部分の加熱が甘く,できあがりにムラが生じることがあります。あれは当サービスの調べによると(笑),マイクロウエーブがご飯の表面だけしか浸透しないからということになっています。つまり茶碗の中で起きていることは,ご飯の表面が温められ,そこで蒸気が発生し,その蒸気が容器全体を温め,マイクロウエーブが浸透しない部分を蒸しているいうことになります。蒸気が茶碗の上から逃げてしまえば底の部分は温まりません。ですからムラが生じるのはある意味当然です。解決策は,ごはんを薄く広く広げて,全体にマイクロウエーブが照射されるようにすることで,これはパックご飯などで採用されている方法です。

当サービスでは全面的に発想を転換し,茶碗をひっくり返すことにしています。こうするとドーム状になりますから,ご飯の表面がより効率的に加熱され,発生した蒸気は必ず底面から逃げますのでマイクロウエーブが届かないところを温めていくことになります。そして十分に蒸気を噴かせたあとで加熱を終了します。そうしたら茶碗を取り出してもとに戻し数分以上むらします。これでデンプンのα化も十分になり,消化の良いごはんが食べられます。ご飯は炊き立てに限るという方には縁のない方法ですが,ついつい余り物を冷蔵庫に放り込む筆者のような人間には,参考になるかも? しれません(画像/MWS)。








2015年7月11日


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これは国外の珪藻化石から拾ったもの。種名は調べていないのでわかりません。まだ本ページに掲載していなかったと思うので登場してもらいました。ここのところ仕事が一気に降り注いできたようで心忙しいです。きょうはシンプルに画像だけの紹介です。

と,ここまで書いて,そういえば皆様にもぜひお読み頂きたい,教育関係の有用なページがあることを思い出しました。それを

こちら

に貼り付けますのでぜひどうぞ。日頃,教育とは何かを考える筆者にとって,なかなか頷けるお話しで,これは一つの理想な気もします(画像/MWS)。








2015年7月10日


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7月7日付けで掲載した放散虫は内部構造がありますので,これを一枚の絵にできないか考えていました。深度合成ソフトを使うのも手ですが,元画像が二枚なのでふつうの画像処理ソフトで十分です。細かい設定を変更するにはこちらの方が便利な側面もあります。できあがったのがきょうの画像です。内部が写っている絵と外側の殻が写っている絵を平均化し,得られた結果に対して,もう一度 内部が写っている絵を平均化します。平均化してしまうとコントラストが低下するので,まず,ガンマをプラスに振ってからヒストグラムを引き延ばしてコントラストをあげます。次にガンマを0.5くらいに振って適当なコントラストをつけます。処理が終われば縮小してアラを隠して,シャープフィルタを軽くかけます。こうした処理によって内部構造がある程度みえつつ,外側の殻も見える,ピントの深い絵ができあがりました。処理方法はいろいろあるので正解はないのだと思います。思いついたら試してみるのが,良い結果に辿り着く早道なのではないかと感じています(画像/MWS)。








2015年7月9日


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会津特産のぜんまいは手順通りに戻しておきます。同じく会津特産のきくらげは,水で戻し,そのまま3分ほど茹でて冷ましておきます。もやしは湯通しして水を切っておきます。あとは,それぞれの材料を適当に切り,混ぜて,藻塩を振り,早煮昆布を少々加えてよく混ぜ,味がなじんだらごま油を垂らして和えます。あっさりとおいしいナムル風のできあがりです。

残ったゼンマイときくらげは,電子レンジでチンして香料抜きをしたブナシメジとあわせ,酒(高清水)としょうゆを加えて,テフロンの小鍋で煮ます。煮詰めてから追いしょうゆを加えて,最後は汁気を飛ばします。煮上がったら,あつあつのご飯と混ぜて,フタをして20分も蒸らせば,おいしいきのこゼンマイ飯のできあがりです。きのこは,うま味の点ではヒラタケが最上ですが,歯ごたえの点ではブナシメジも素晴らしいです。最近はハタケシメジが売っているので,それも魅力的です。

残り少なかった会津のぜんまいは,熟考の結果上のメニューとなり,すべて消費してしまいました。できあがる料理がおいしいとわかっていると,乾物を戻す手順も,調理も,楽しいのです(画像/MWS)。



*1 もちろんこの二品だけでは夕飯になりませんので,ほかにもいろいろ作るのです。この日は,皮むきトマト,キュウリミョウガ(ゆずぽん),茹でキャベシ,自家製なめたけ(エノキダケの山椒煮),ブロッコリー,茄子の味噌和え(ごま油),イナダの刺身,ホタテのバター焼きという感じでした。メニューからわかるように,筆者の料理は手抜きの極致で,とても料理上手とはいえません。でも,何か食材を与えられたら,それを食べられるようにはできます。

*2 こういった夕飯をつくるのは筆者の重要な仕事ですが,なんというか,ストレス解消に役立っている気がします。顕微鏡を覗いてちまちました作業をしていると,脳みそが沸騰してきて臨界点に達することもあります。脳みそが沸騰する原因は椅子に縛り付けられていて体を動かせないことが原因なのですが,料理は,適度に体を動かしますし,頭も使いますので,気分転換にじつによいのです。本ページをご覧の男性諸氏で,料理はちょっと…と思っている人は,ぜひ,毎日の夕飯を作ってみてください。いろんな仕事と比較しても,時間と完成度と創造性を要求される,たのしい作業であることがわかります。

*3 自然科学系の研究者で,実験がうまい人は,ほぼ例外なく料理できます。想像力が豊かで対応力があるので,その気になれば何でもこなします。では逆は真かというと,そうではありません。料理上手で実験が下手な人はいます。しかしそういった人でも,サンプリングは達人だったりします。実験がへたくそで,料理もへたくそな人は,けっこういます。

*4 さういうわけで,本ページをご覧の,相方候補をお探しの方,実験系の自然科学系の研究者は良きパートナーとなる可能性がありそうです。そもそも基本的に話が合わない,という致命的な点もあるかもしれませんが,それでも,なかなか魅力的な点もあります。A)ご飯が作れる,B)仕事の段取りが上手,C)感情的にキャンキャンいわずに理屈を説明すれば言うことを聞いてくれる,D)衣類にカネがかからない,E)話題が豊富,F)ときどき宇宙語を話す,G)うぶな人が相対的には多いかも,ということです。この話を信じてしまっても,いっさい責任は負えませんがー(^^;





2015年7月8日


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きのうの話とは反対に,暗視野検鏡は,背景が真っ暗で物体が光ります。するとカメラが背景も写るように露出をプラスに振ってしまい,物体の輝度は飽和してしまいます。デジタル画像では,飽和(255)してしまったら,そこにはもう情報は含まれていません。画像処理でも救済することはできません。それで,暗視野検鏡では,写って欲しい構造が輝度的に飽和していないことを確認する必要があります。この場合の露出補正は大抵マイナス側になります。露出アンダーの場合でも,輝度がゼロでなければそこには情報が残っていますので,画像処理などで救済することも可能ですし,多数枚撮影して,コンポジットしてS/Nを上げることも可能です。こうしたテクニックは本ページをご覧の皆様には周知の事実でしょうが,「こんな画像を撮影してみたい」という方も飛んできているかもしれないので,そういった方の参考になればと思います(画像/MWS)。








2015年7月7日


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透過明視野検鏡は,光源を直視する配置になっていて,物体は基本的に光を透過するものが観察対象になります。これを簡単にいうと,半透明のものを逆光撮影している,ということです。ですから,カメラの露出は,物体にもよりますが,プラス側に補正するのが基本です。最近のデジタルカメラは自動露出でもなかなかよく写りますし,画像処理であとから救済することも可能ですが,科学写真として狙ったところをきちんと表現するには,やはり露出のコントロールは大切です。画像は放散虫の例ですが,内部構造などはどうしても暗くなりますので,そこを表現できているかを確認しつつ露出を決めてあげれば良いわけです(画像/MWS)。








2015年7月6日


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ちょっと前に掲載した蚊のはねシリーズや,放散虫などは,どんな素晴らしい顕微鏡で撮影したのかーと思っている方もおられるかもしれません。その答えがきょうの画像です。これは筆者の研究成果が詰め込まれている,すばらしい顕微鏡なのです。画像に写っているのは観察用のシステムで,210mm鏡筒長の金属顕微鏡の対物レンズを用いて,表面検鏡用になっています。透過か,軸外落射で使います。ヘリコイドを外して延長筒をつけてカメラを装着すれば,写真専用の顕微鏡です。延長筒を外せば,160mm鏡筒長のレンズも使えるようになっています。もちろん,170mm鏡筒長もOKです。万能顕微鏡なのです。

簡易顕微鏡ですから,そのまま使うと不満だらけなので,細部にわたって手を入れてあります。本ページの読者であれば,迷光対策や照明開口数・色温度の制御はお手の物でしょうから,くどくどと説明するまでもないことと思います。楽しんでいろいろ改造すればよいのです。100年前の先人達が,単眼顕微鏡で素晴らしい絵を残してくれたのは皆が知るところ。我々も,原点に立ち返って,原始的な機材であっても,自然のすばらしさをそのまま忠実に残す努力をしなければとも思うのです。

この顕微鏡は,じつはこれまでもずっと使ってきました。代表的な例では,昨年12月に販売したJシリーズの画像,放散虫も珪藻も,明視野の絵は,ほぼ全部,この顕微鏡で撮影したのです(画像/MWS)。








2015年7月5日


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この一週間はひじょうに運動不足でしたので,土曜日の午前は30分だけでもと,近所の公園にニコワン散歩をしました。これだけ雨が降ったので,30分一本勝負で,どれだけきのこが見つかるかという目的をもって,早歩きで運動不足解消です。予想はけっこう当たっていて,その気になって見れば,夏きのこがちらほらと顔を出しています。画像一枚目はイグチの仲間ですが,たぶん,アレです。バターで焼いてパスタに加えるとおいしいやつです。これが山なら連れて帰ったところです。。むかしは暇さえあれば裏山に入ってきのこ観察していたのですが,都区内に引っ越してからは身近な自然がなくなり,きのこ散歩がほとんどできないのがツライところです(画像/MWS)。








2015年7月4日


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先月,珪藻スライドを納品してからはずっと放散虫を何とかしたいと思っています。前回のJシリーズでは,十分な数を供給できませんでしたし,微化石系の研究者にもまだ全然知られていません。この現状を打破して,光学的に世界最高水準の標本が国内にあるということを周知しないといけません。画像は,ここのところ拾い出しをしている珠洲市の珪藻土から見つけた放散虫。うまく割れていて,内部構造が見えるようになっています。放散虫は二重,三重の殻構造になっているので,内部が割れて中身がうまく見えるものは,かえって喜ばれます(画像/MWS)。








2015年7月3日


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こんどは,ヒトスジシマカの羽。いわゆる「ヤブ蚊」と呼ばれているヤツです。ほんの小さな水たまりでも生きてゆけるので,竹藪とか,廃タイヤ置き場などには大発生します。人間を関知して攻撃する素早さは感心するほかはなく,先日,秋葉原で止まっているヒトスジシマカを認識しながら近づいたところ,筆者をみつけて刺すまでに4〜6秒ほどでした。もちろん,叩きつぶしましたが…。

コガタアカイエカと比べると,鱗粉の様子がだいぶ違いますね。羽のふちに生えている鱗粉は形態が似ていますが,羽の面(翼面とでも言えばいいでしょうか)に生えているものは,太くて立派な感じです。顕微鏡でみても,ヒトスジシマカの羽の方がコントラストが高いです。きれいに封じるのはむずかしいという他はなく,やはり運を天に任せるような感じです。ヒトスジシマカの方が,羽が軟らかいです(画像/MWS)。








2015年7月2日


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これは,蚊の羽です。コガタアカイエカではないかと思います。羽の状態がひじょうによく,このようにきれいに封じられることは滅多にありません。落ちている蚊の羽は汚れていますし,手づかみで捕まえた蚊の羽は鱗粉が落ちることも多いです。この標本は,ある日の深夜に,顕微鏡カバーに止まっていた蚊を,輪ゴムで打ち落としたものです。輪ゴムが蚊の頭部を直撃し,ほかは無傷という奇跡的な現象が起き,夜中に実体顕微鏡を覗いて喜んだのでした。珪藻や放散虫の封入もむずかしいですが,蚊の羽もむずかしく,気泡が残ったり形が崩れたり,鱗粉が落ちたりします。乾燥マウントにすればコントラストも良く,いいのですが,それでは均質液浸系にできないので,鱗粉に存在するひじょうに微細な構造を検鏡できません。それで,アクリル系などの封入剤で運を天に任せながら封じてみるのです。

なお,この画像の標本は売り物ではありません。というのは,まだエイジングが済んでいないからです。封入剤の中には,一年後くらいに気泡が発生するものがあります。その現象は蚊の羽でよく発生するのです。それでしばらくは様子見です。状態がよいので筆者の私蔵品になるかもしれません。。大きな画像は

こちら

に置いておきます。コンデンサなし,拡散板照明,簡易顕微鏡での撮影です(画像/MWS)。








2015年7月1日


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これは,貝形虫,オストラコーダ(Ostracoda)ともいい,和名ではカイミジンコという名前もあります。貝のような殻をもった甲殻類です。なかなか小さくて,大きい放散虫と似通ったサイズです。殻は炭酸カルシウムでできていて,化石となって残ります。古くからいる生物ですが,現在も水の中でふつうに生息しています。殻を封じてみたいと思ってからだいぶ経ちますが,ちょっとだけテスト封入してみたところ,なんとかなるような気もします。こういった厚みがあって変形しないものは,封入剤の収縮によって割れたりするので,Jシリーズとして作るのは,なかなかむずかしいのです(画像/MWS)。









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