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お知らせ
 

作業時間確保のため,当面の間,在庫販売のみとさせていただきます。在庫についてはお問い合わせ下さい。お急ぎのお客様には個別に対応しますので,メールにてご連絡下さい。リサーチグレード,教育用セットの実質的な販売再開は来春となる見込みです。DL-TESTにつきましても当面の間,販売休止します。以上,ご了承下さい。






2017年2月28日


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明視野→偏斜明視野→偏斜明暗視野→偏斜暗視野への一連の変化。コンデンサ絞りをずらすことによる照明光と像質の変化を読み取ることができます。物体はカザグルマケイソウ。投影レンズによる無効拡大で大きくしています(画像/MWS)。








2017年2月27日


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きょうも改造コンデンサによる作例。物体は有明海の泥の上にいたGyrosigmaの一種で,被殻が極めて薄く,ほとんど視認できないレベルの脆弱なものです。それを拾い上げ,Jシリーズとして封じたものです(J166,カバーグラス不良のため自家用)。対物レンズはNCF PlanApo 60x 0.95 160/0.11-0.23,投影レンズはCF PL2.5x,カメラはNikon1J1です。

画像一枚目は改造コンデンサ(2月21日の記事参照)で,絞り開放による画像。ほとんど見えません。このくらいコントラストが低いと,よほど注意しないと,物体の存在に気がつきません。画像二枚目は,ぎりぎりまで画像処理してみたもの。格子構造がごく一部改造していますが,この珪藻の微細構造は不明といえる絵です。

画像三枚目は,コンデンサ下に紙を入れて偏斜にしたものです。格子構造が両方同時に解像できるような微妙な位置にコントロールしています。撮影したままですと微細構造はほとんど見えませんが,それでも光束が絞られたことによってコントラストの向上が起きています。これを画像処理したのが画像四枚目。この珪藻のもつ恐ろしく細かな直交する格子構造が可視化されています。

偏斜照明の方向によって解像に方向性を出すことができ,画像五枚目,六枚目のように,直交する格子構造の片方ずつを表現することも可能です。この両方の絵を画像処理して,正しく直交する格子構造の絵に持ち込むことも可能です。もしコンデンサを純正のまま使えば,画像一枚目の絵しか得られず,コントラストをあげようと絞り込めばますます分解能は低下し,劣悪な像になります。純正品の方が遙かに低レベルの性能です(画像/MWS)。








2017年2月26日


放散虫はフリー画像があるのに,珪藻のJシリーズ画像についてはない,というのもおかしな気がしましたので,適当な画像を探してみました。

珪藻アートの例 −ミクロワールドサービス

珪藻アートの例 −ミクロワールドサービス

この2つの画像は個人利用に限りフリー画像とします。出典を明示すれば自由に転載して構いません。

出典はトップページへのリンクをお願い致します。印刷物などでリンクを張れない方は,(画像:ミクロワールドサービス,http://micro.sakura.ne.jp/mws/)などと書いて頂ければ大丈夫です。広くご利用いただければと思います(画像/MWS)。








2017年2月25日


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偏斜照明では,解像に方向性が出ますので適切なコントロールが必要です。コンデンサの外周部からの光で,NAの大きな回折光を発生させ,それをNAの大きな対物レンズでとらえれば高解像の像になりますが,コンデンサの方位によって回折光のNAが変わるので,方位を調節する必要があるわけです。

その一例がきょうの画像。生サンプルのクラチキュラの被殻を撮影しています。きのう掲載したものとは別種で被殻構造が若干異なります。画像一枚目は,この被殻表面にある,整然とした直交する格子構造が解像できています。このときの偏斜方向は,画面左下方向からで,縦条線を強く解像し,条線をほどよく解像するように調節しています。画像二枚目は同じ被殻を撮影していますが,条線のみが写っていて縦条線が消えています。これは偏斜の方向を画面左側から行ったためで,大きなNAの回折光は画面に対して縦の方向のものだけがレンズに入射し,画面に対して水平方向の構造に由来する回折光は対物レンズの外側にはみ出して情報とはなっていません。このためあるはずの像が消えてしまうのです。

偏斜照明を施すときは,このような解像の方向性を考えた上で,いろいろな方向から照明して像の素性を知ろうとする努力が大事かと思います。もっとも,そういった努力は偏斜照明に限りませんが…。

ところで,この画像の撮影に使ったレンズはライツの10番,約120年前のものでNA=1.2です。これに50年ものの液浸コンデンサを使い,コンデンサNA=1.3としています。これで偏斜照明を行うと,クラチキュラの被殻構造が,生サンプルで見えてしまうわけです。120年前の当時は,偏斜照明は一般的な方法でしたから,当時の学者はこのような像を見ていたはずです。しかし現代では大学の先生でも偏斜照明?何それ?ということになっています。そしてメーカーさんは,偏斜照明を特別なオプション扱いしてべらぼうな価格をつけて,それが何なのか正確に説明することを避け,ユーザーから遠ざけています。現在の学者は,クラチキュラの被殻構造を生サンプルで見た人は,ほんの少しくらいかもしれません。

時代が進むと学問が進んでいると思っている人が世の中の大半かもしれませんが,事実は必ずしもそうではありません。正しい情報が受け継がれ,それを実現する製品が供給されないと,大事なことも世の中から忘れ去られていくのです(画像/MWS)。








2017年2月24日


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これはクラチキュラの一種の被殻を撮影したもの。対物レンズはNA=1.2で,コンデンサはNA=1.3で,偏斜照明を施しています。いずれも40年以上を経過したような機材を使っていますが,この珪藻がもつ整然とした構造がきれいに可視化されています。

もしここで,透過明視野絞り開放だと,この珪藻は存在自体がほとんど見えません。中央絞り込みなら見えるようになりますが,絞り込み具合によっては点紋列が消失してしまいます。つまり,レンズの限界付近の分解能を記録するなら,コンデンサの中央絞り込みでは実現不可能なのです。

コンデンサの縁から入射した光で斜めから照明すれば,解像に方向性は出ますが,分解能最大の絵が得られます。むかしの顕微鏡に偏斜照明装置がついていたのは,お飾りというわけではなくて,偏斜照明がないと観察できない物体が多いという事実に対応したものです。

現代の顕微鏡では,偏斜照明のついた顕微鏡は市販されていませんが,それはメーカーさんが自然観察をしたことがないからでしょうね。わざわざレンズの性能を殺す設計の顕微鏡を,ほとんどのメーカーが標準として売っているというのは,ほんとうは狂気の世界なのですが,そんなことにも気づいていないようです。

メーカーさんの立場からいえば,位相差を使え,微分干渉を使え,ということになるのでしょうが,これらはそれぞれ別の機能をもったコントラスト法であって,偏斜照明法を完全補完するものではありません。位相差法は環状絞りにより分解能が低下します。微分干渉法は焦点深度が極めて浅いです。また微分干渉法と偏斜照明を比較すると,究極的には偏斜照明の方が分解能の高い像が得られる可能性があります。他方,検出能は微分干渉法が高いです。

このような深刻な問題があるので,いっけんコンデンサの改造遊びに見える拡散板組み込みも,じつは顕微鏡光学的な要請により,必要(必ず要る)なのでやっているのです(画像/MWS)。








2017年2月23日


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改造コンデンサによる作例が足りないぞ!(゚Д゚)ゴルァ!!  という声が聞こえてきた気もしたので放散虫も撮影。画像一枚目は中央絞り込みでふつうの絵です(標本はふつうではありませんが…)。画像二枚目は,コンデンサの下に手を入れて拡散板に影をつくり偏斜照明にしたものです。暗視野光束と明視野光束のミックスになっていて,物体像に輝きが加わっています。この効果によって,透明なガラス質っぽいことを表現しています。こういった効果が簡単に得られるので,コンデンサの改造が必要になってくるのです(画像/MWS)。








2017年2月22日


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改造コンデンサによる作例を早くのせろ!(゚Д゚)ゴルァ!!  という声が聞こえてきた気もしたので早速載せるとこんな感じです。この三枚の画像は全て同じ物体を同じ対物レンズ,同じコンデンサで撮影しています。見た目が全然違う絵になっていますが,やっていることは,コンデンサを絞る,コンデンサの下側を部分的に遮閉する,といった単純なことです。画像一枚目は中央絞り込み。ふつうの明視野撮影と同じです。二枚目は,コンデンサ下に手を入れて入射光を遮閉し,斜め光束による暗視野にしたもの。画像三枚目は背景光を少し残して明暗視野同時照明にしたもの。コンデンサに拡散板をはめ込む改造を施しただけで,このような絵が簡単に得られます(画像/MWS)。








2017年2月21日


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これはハネノケアクロマートコンデンサの改造例。左がオリジナルのままで,右側が拡散板組み込みにしたものです。接着剤を溶剤で溶かして金属板を外し,中央のプロテクトグラスも接着剤を溶かしてから外します。そこに25mm径にカットした拡散板を組み込みます。分解しやすいように両面テープ止めです。拡散板はいつも推奨しているもので,光栄堂で販売されている模型用エンビ板0.5mm厚,EB-04です。特筆すべき性能で,これを超えるものに出会ったことありません。

改造時の重要なポイントは,拡散板を可能な限りコンデンサ絞りに近い位置に配置することです。きょうの画像を見ればわかるように,ハネノケコンデンサのプロテクトグラスの上に拡散板を貼り付けても,ほぼ同じ性能のものができますが,厳密なことを言えば,この拡散板はコンデンサ絞り面に配置すべきものです。

このように改造すると,拡散板の部分が二次光源になり,あたかもその場所に光源を置いたかのような働きをします。そして光源のサイズや形状を簡単な操作で変えられます。コンデンサ絞りを絞り込めば,絞り込んだ光が拡散板に投影され,光源サイズが小さくなります。つまりコンデンサを絞り込んだのと同等になります。コンデンサを開き,コンデンサの入射側を片方から遮閉して光をカットすれば,光がコンデンサの片側から入り,拡散板の片側円周上を照らしてこれが光源となります。偏斜照明です。

拡散板がコンデンサ絞り面に位置しているので,偏斜照明にしても,背景に大きな影が出ることがありません。それでいて照明のコヒーレンスや方向を自由に変えることができるのです。微細構造や低コントラスト物体の検出にはとても有用です。拡散板を組み込むことによる害があるとすれば,明るさが減ること,ケーラー照明ができなくなるので迷光が増えコントラストが低下すること,の二点が主要なものですが,前者は高輝度光源でカバーできますし,後者は実際に問題があると感じたシーンはありません。もし問題があるのなら,通常のコンデンサに差し替えればすむ話しでもあります。

コンデンサへの拡散板組み込みはいったい何個目になるのか…という感じの飽くなき追求です。AAコン,ハネノケ,LWDコンなど各種の,偏斜照明のできないコンデンサに拡散板を組み込んできました。この記事も2009年12月の本ページの蒸し返しみたいなものですが,顕微鏡観察技術はコンデンサをいかに扱うかが急所でもあります。いつでも初心で,どんなふうに見えるかなと,コンデンサをいじくり回すことが大事だと思っています(画像/MWS)。








2017年2月20日


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暗視野コンデンサを使うと,背景が真っ暗で物体が輝いて見えます。これは,照明光が対物レンズに入らないように斜めから照明して,物体の散乱光を観察しているからです。…と,ここまでは,教科書にも書いてある誰でも知っていることです。ではこの「背景」とはなんでしょう。

例えば珪藻を暗視野でみているとき,その背景には,封入剤があり,ひょっとすると封入剤にゴミがあり,スライドグラスに傷があればそれも背景です。ふつう背景というと,対象の向こう側のことですが,顕微鏡観察では,カバーグラス上のゴミも背景です。対物レンズ先玉のゴミも背景。もちろん対物レンズ内部の濁りも背景ですし,接眼レンズのゴミも背景,接眼レンズの接着剤が濁っていたらそれも背景に現れます。そしてふつうは気づかれないところでは,暗視野コンデンサの中央部も背景の要素です。もしここが銀色に塗ってあれば,散乱光を光軸上に跳ね返して背景が明るくなります。

このように考えると,暗視野検鏡で検出能を最大限にあげようとすると,それぞれのエレメントを最上の状態に保ち,光学面は全て完璧に清拭し,封入剤は完全にクリアで,暗視野コンデンサのメンテナンスも行き届いていなければなりません。もちろん,光源の輝度は高いほど検出能は高くなります。

当サービスで使用している顕微鏡は有限鏡筒長時代のふるいものがメインですが,レンズは選別し,接眼レンズはフレアのないものを選び,暗視野コンデンサは背景となる中央部に高性能な植毛紙を貼り付けています。少しでも引き締まった暗視野像を得るための努力です(画像/MWS)。








2017年2月19日


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きのう掲載した珪藻を,50倍の対物レンズで直焦点撮影したものが上の画像。撮像素子上の拡大率は同じですが,対物レンズの開口数は4倍の差があります。見えているものは全く違います。顕微鏡の像というのはむやみに拡大すればいいものではなく,微細構造を見ようとするなら高開口数の対物レンズを使わなければならないことが,あまりにも明白に示されています(画像/MWS)。



*1 使用した対物レンズは単独では倍率色収差が補正されていません。右端の珪藻で倍率色収差が見えていますが,ご容赦を。。




2017年2月18日


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顕微鏡写真撮影では,対物レンズの像をリレーレンズ(投影レンズ)によって必要以上に拡大しても細かいところが見えてくるわけではありません。それで必要以上の拡大を無効拡大などと呼んでいます。けれども,画像表現としてみれば,あえて無効拡大して,ぼけているけど見応えある絵にしてもよいでしょう。きょうの画像がそれで,対物レンズはプランの10倍で,投影レンズは5倍を使っています。拡大しすぎですが,絞り込むと色が出るヒトツメケイソウの雰囲気を表現するには,悪くない気もします(画像/MWS)。








2017年2月17日


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これは相模湾東部の試料から拾い出しをしているときの風景。岩場と砂浜の中間くらいのところで,カザグルマケイソウやメガネケイソウなど,プランクトンと底生種が混ざった感じで,ほかの試料では見つかりにくい種を拾える試料です。画像左上はガラスの裏面にいるダニ。乾燥して死んでいるようでした。いつもはこのやろう〜と思う存在ですが,きょうの絵は,宇宙から侵略してきたインベーダーみたいな雰囲気が出ていて結構面白い感じがしました(画像/MWS)。








2017年2月16日


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全速で業務推進中…。とにかく珪藻標本製作の条件を全て整えなければなりません。資材の調達はもちろんですが,珪藻在庫の確保も重要で,時間の限り顕微鏡を覗いて珪藻拾いに邁進しています。どんなに立派な並べる技術があっても,材料となる良質な珪藻被殻がなければ何もできません。残念なことに珪藻被殻を一個単位で販売してくれる問屋はないので,自分で調達するのです…。

この珪藻拾い作業は,その年のプレパラートの出来を左右すると言っても過言でない重要なものです。約200〜300種の珪藻を数千〜一万の桁くらいまで拾い集めて,そこから選んでJシリーズが作られます。珪藻拾いは耐久レース的に重労働で,この苦行にいかに耐えられるかが勝負のようなところもあります。

こういった準備に相当な時間がかかっていて,すでに年明けから一ヶ月半を消費しました。。いつもの業務の延長だろうと思うかもしれませんが違うのです。放散虫並べをビルの建設工事だとすると,珪藻並べはミニチュア模型製作みたいなものです。似たようなガラスの殻を封じる作業でも,必要とする技術や道具が変わってきます。そして何より,放散虫を扱っていると,そのサイズの感覚に慣れてしまうので,珪藻を精密に並べるにはテスト封入を繰り返しながらの,人間のリハビリが必要なのです。自分でやっていることとはいえ,恐るべき面倒な仕事です。

きょうの画像はそんな拾い作業の合間に出現した珪藻被殻。珠洲市の珪藻土に入っていたものですが,珍しい八角形です。はじめて見たかもしれません。こういった貴重なものは,当面は保管しておくことになります。もったいなくて使えません…(画像/MWS)。








2017年2月15日


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東京海洋大学にて,お魚さんの絵に関する貴重な企画展が行われています。また博物学の巨人,荒俣宏による講演会も予定されています。本ページの読者はお魚さん大好きの方々も多いことと思われますので,大学関係者からもらった案内をコピペして紹介致します。

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◆ 東京海洋大学附属図書館 企画展と講演会のお知らせ ◆

このたび本学図書館で「幻の魚類博物画家 伊藤熊太郎」の企画展と講演会を行いますのでご案内させていただきます。

伊藤熊太郎は明治から昭和にかけて活躍した博物画家です。1900年代初期のアメリカのアルバトロス号によるフィリピンでの海洋調査に絵師として参加し、色鮮やかな多くの魚類画がスミソニアン博物館に残されています。

 参考:国立自然史博物館(スミソニアン博物館)
 http://vertebrates.si.edu/fishes/albatross/ito_illustrations.html

熊太郎は、日本ではほとんど知られていませんが、昨年、荒俣宏氏により、本学の企画展示で展示中の原画をきっかけとして、彼が描いたスケッチ帖6冊、原画1,261枚が発見されました。これだけまとまった発見は初めてです。

本学ではこれらを広く紹介するために展示会を開き、会期中に荒俣氏による講演会を開催します。詳細は次の通りです。このたび初公開となる伊藤熊太郎の素晴らしい作品の数々をこの機会にどうぞご鑑賞ください。また、お知り合いのご興味のある方々にぜひ、このことをお知らせいただきますようお願いいたします。

■企画展示
 会期 2017年2月8日(水)〜3月10日(金) 10:00〜16:00
   ※期間中の休館日:土曜、日曜、2月28日(火)
場所 東京都港区港南4-5-7 東京海洋大学 品川キャンパス 図書館1階 展示ホール
アクセス JR・京浜急行 品川駅港南口(東口)から徒歩約10分
     東京モノレール・りんかい線 天王洲アイル駅から徒歩約20分
備考 一般公開、入場無料、事前申込不要

■講演会
講師 荒俣宏
日時 2017年2月19日(日) 13:30〜15:00
場所 東京都港区港南4-5-7 東京海洋大学 品川キャンパス 白鷹館(はくようかん)1階講義室
定員 先着350名
参加申込 http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/event_entryform/
備考 一般公開、入場無料、事前申込必要

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昨年,伊藤熊太郎の絵を,この図書館でいちばんえらい人から案内してもらいました。しかも数日前にアカイサキを自分でおろして食べたばかりのときに,アカイサキが精密に描かれた絵を見せてもらったのでした。絵の完成度は素晴らしいとしかいいようがなく,貴重なものが眠っていたものだと思いました。筆者はこの図書館で夜間開館のお手伝いをしていことがあり,ここの蔵書は隅々まで知っているつもりでしたが,こんなお宝があったとは驚きでした。お近くの皆様,出張で都内に用事がある方,お魚さんの絵を眺めてほっと一息というのも,いいかもしれません(画像/MWS)。








2017年2月14日


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コンデンサは物体に適切な開口で照明光を送る重要な部品ですが,けっこういい加減に扱われていることが多く,先玉が傷だらけのものも珍しくありません。直接像を結ぶレンズではないものの,コンデンサの先玉が汚れていると,絞り込み時にゴミが投影されて物体と重なります。像を悪化させる大きな原因です。絞り込みをせずとも,たとえば位相差検鏡では,環状絞りによって絞られた光束になっているので,コンデンサ先玉のキズやゴミが物体面に重なりひじょうに目立ちます。よい絵を得るために,コンデンサの先玉はできるだけきれいに保ちましょう。

コンデンサを外しておくときには,短い時間でもきょうの画像のようにホコリよけをかぶせておくことがよろしいですし,鏡基についているときには,検鏡を終えたら,スライドグラス一枚をセットして,コンデンサレンズの上を覆っておくとチリの付着を少なくできます。正立型の顕微鏡ではどうしてもコンデンサが上を向いているので汚れがちです。対物レンズの点検・清掃は数ヶ月に一度程度が適当なこともありますが,コンデンサは検鏡前に状態を確認するくらいの頻度で先玉をチェックした方がよいと思います(画像/MWS)。








2017年2月13日


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えのきたけは適当に切って,フタをせずに電子レンジで加熱して人工香料を飛ばします。一パック当たりで500W,5分を目安に加熱すればよいでしょう。これに多めの日本酒を注ぎ,上質のしょうゆを加え,早煮昆布を浸してうまみを溶かし込んで引き上げます。そうしたらテフロンのフライパンに移して,油を使わずにからいためにします。煮詰めるといったほうがいいかもしれません。これでできあがり。じつに簡単です。

エノキタケはうまみも豊富で,ご飯のお供に最適。豆腐にかけてもいいし,大根おろしと合わせてもよいでしょう。パスタに散らしてもいい感じです。市販のなめたけの瓶詰めは,エノキタケの醤油煮ですが,その実態は砂糖漬けです。アミノ酸と砂糖で調味された人工的な味付けに舌がしびれます…。しかし自分で作れば,こんなに自然な味だったのかと,すっきりしたうまさに納得するに違いありません。ここ20年ほど食べ続けている常備菜です(画像/MWS)。








2017年2月12日


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バックアップ用のパソコンへの移行作業は完了しました。パソコントラブルというのは,どうしても時間を使います。1日半くらいの無駄な時間を費やしましたが,メンテナンス上,とうぜん必要な時間と考えなければいけないのでしょうね。。壊れたパソコンは2013年12月に中古で入手して,それから一日10時間以上で3年2ヶ月使い,その間,データ損失のトラブルは皆無という優等生でした。今回の故障もファンがおかしくなっただけでデータは救済できています。レッツノートは2004年夏から使用して,12年半で3台が故障。まあそんなものでしょうか。。きょうからは4台目のレッツノートで仕事です。業務用モデルのCF-Y9をバックアップ用に購入しておいたのでした。ソフトウエアの引き継ぎの関係で,32ビットモデルにしています。これで2004年から使っているソフトの多くが,これからも使えます(画像/MWS)。








2017年2月11日


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さてきょうも一日仕事とパソコンを立ち上げたら,キュイーンという音とともにファンが停止しました。動こうとしているようで定期的に大きな音が鳴ります。そのまま使うと各所に負担がかかり故障が拡大するので使用を停止し、バックアップ用のパソコンへの移行作業を開始しました。それにしても,パソコンというのは忙しさの極値で壊れますね…。前回のプリンタ故障はJシリーズ販売10日前くらい。その前のパソコン故障はJシリーズ販売やはり10日前くらい。今回の故障は法人さん3方面からの受注に全力で対応しているところでした。。まぁ,そういう人生を歩んできたので今回もまたかという感じですが,気分はきょうの画像のような感じです…(画像/MWS)。








2017年2月10日


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きょうの画像はクラチキュラという珪藻。同一個体を撮影しています。上の画像は殻の表面にピントを合わせたもので,条線の構造から,この珪藻が明らかにクラチキュラであることがわかります。画像2枚目は,ほんの少し内部にピントを合わせたもの。太い骨格構造があることがわかります。この骨格構造は通常は見られず,ある特定の条件が揃うとできるようです。外側の繊細な殻よりもずっと丈夫に見える構造なので,浮遊珪藻の休眠胞子のように,細胞に耐久性を持たせるための構造ではないかと考えられます。こういった微妙なピント合わせを要する物体には,微分干渉法の絞り開放での撮影が効果的です。光学的切片効果によって,表現したい平面だけを切り取ることができます(画像/MWS)。








2017年2月9日


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たまにはスピロギラでも。微分干渉像。どこにでもいる,アオミドロと呼ばれているものですが,まじめに検鏡すると鮮やかな緑色で心安らぐ眺めです(画像/MWS)。








2017年2月8日


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冬も終わりつつあるようだ。ふきのとうが入荷した。





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ふきのとうが入荷なら,ぜんまい(会津)を戻さなくてはならない。




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軽くゴマの油で炒め,味付けは酒としょうゆ。世の中にこれ以上おいしいものがあるとは思われない…\(^^)/(画像/MWS)。



*1 くれぐれも,そのまま真似しないように…。何にでも砂糖が入った現代の食事に慣れている人には,とても食べられない苦みとえぐみです…。




2017年2月7日


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この珪藻はDiatoma vulgarisだと思います。河川の上流の終わりくらいからから中流にかけてよく見られるような気がします。独特の連鎖群体を作るので見つけるのは難しくありません。細胞の端っこで粘液によってつながっていて,粘液を出す部分は恐ろしく細かな構造があります。また被殻にもひじょうに細かな線が刻まれており,電子顕微鏡的にはうんと小さな胞紋列になっています。群体の接触部分はほんの少しなのに,これで流れの中でやっていけるのですから,たぶん粘液はそこいらへんの接着剤を上回る強い接着能力を持っているはずです。

この珪藻,今から15年以上前にたくさん採れたことがあり,その試料がKBG-01となっています。筆者が高分解能イメージング技術を身につけたのは,電子顕微鏡の図版を眺めていたら,この珪藻の胞紋は光学顕微鏡で見えるはずだとの確信が生じ,まず光学を勉強し,毎日顕微鏡を覗いて,ついに見えるようになったからなのです。あまりにも難しい微細構造で,これが見えるようになったときには,Amphipleura pellucidaの格子構造は何の苦労もなく簡単に見えました。十数年前の懐かしい想い出になりつつあります(画像/MWS)。








2017年2月6日


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相変わらずリンゴが囓れずに間抜けな顔でご飯を食べるような日曜日の午前中といったところでしたが,なんと前触れもなく,当サービスのお客様からサンプルが入荷しました。病院嫌いの筆者は,この程度の炎症はまず自分で直すのですが,消炎剤は欲しいところです。そこに強力なステロイド級の活性化剤が届いたのでした。

これを検鏡すると恐るべき試料でした。昨年秋頃に手持ちの顕微鏡のメンテナンスが進んだこともあって,良好なコンディションで夕方から夜まで検鏡に没頭しました。あまりの面白さに,このまま覗き続ければ優に徹夜の状況でしたので21時で切り上げました。ぼんやりとした頭痛は吹き飛び,思考回路が明晰になって,夕飯では口が少し開くようになり,この試料は何より治療効果を発揮したようです。いつも皆様に助けられてMWSは続いているわけですが,今回も大変ありがたく,新鮮な試料を採取から24時間以内で届けてくださった当サービスの先端的なお客様に心より感謝申し上げる次第です(画像/MWS)。








2017年2月5日


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金曜日の明け方に左アゴの付け根の耳の辺りがいたくなり,なんか炎症がおきたかしらと,朝になってリンゴを食べようとすると口が開かない…。なんとも間抜けな姿でちょっと笑いました。仕方なく小さくしかあかない口で,リンゴをワンコ食いしました。ワンコは,手で持ったものをあげると,前歯でちょっとずつかじりとって食べるのです…。

炎症部位は熱をもっているようで,なんとなく頭もはっきりせず,これでは仕事にならんと一日休息して過ごしました。夕方に少しだけ珪藻拾いをしましたが,指先は問題なくても集中力が続きませんでした。頭がもやもやすると視線が定まらず,顕微鏡を覗いていられないのです。夕飯はおかゆにシラス干しを投入して,まるで病人のようです。。

昨年秋頃からずっと仕事に追われていて,出張中のさんぽ以外に,心休まる休日はほとんどなかった気がします。積もったストレスが身体を弱くするのはあり得ることなので,そろそろ休みなさいという信号なのでしょう。逆らわず,金曜日は食後も寝て過ごし,土曜日も午後まで寝て過ごしました。夕方から清拭用具の準備や基板の準備などを少しして,リハビリに入ろうかというところです。しばらくは,画像のワンコのようにお休みして,体調優先で仕事を後回しにしたいと思います(画像/MWS)。








2017年2月4日


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珪藻の山をかきわけていると,なんか怪しい雰囲気。そこで調べてみると,コイツが潜っていました。ほんと迷惑な存在です。大きさは珪藻の数倍といったところで,全身から伸びる毛に珪藻やチリやホコリを絡ませて動き回ります。珪藻には吸湿作用があるので,大量の珪藻に潜ってしまうと脱水して死ぬのですが,拾い出し用の試料程度だとかき回しただけで這いずり出てきて生還することがほとんどです…。じつによくないのです(画像/MWS)。








2017年2月3日


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昨年絶版にした『珪藻美術館』についての問い合わせがけっこうあって,対応に消費する時間が無視できないものになっています。問い合わせの中で多かったものは,「もう手に入らないのですか?」というもので,それに対する返答は,「入手できません」となります。在庫も廃棄を命じてありますので出版社には持ち合わせがないことになっています。「ほかの出版社から再版するということはないのですか?」というご質問も多数いただきました。それに対する返答は,「版面データを捨てたので他社からの出版も不可能です」となります。筆者も印刷用データはもともと持っていませんし,今回は企画出版でしたので版面には出版社の意図が入っています。(筆者にとって)そんな気持ちの悪い本をそのままのデザインで他社から出版するなど考えられません。

「本当に素晴らしい本だったので絶版は惜しい」というご意見もたくさん頂きました。その通りなのです。昨年11月にも本ページで書きましたように,その素晴らしい本が,期限を過ぎても著作権使用料を1円も支払うことなく販売され続け,契約不履行となって半年が経過し,出版社から一切連絡がなかったのです。出版社は沈黙し,まるでこちらの支払い催促をうかがっているかのようで,なんともいえない不愉快な気分の日々でした。今後のことを考えてみましたが,一緒に仕事をするという選択はあり得ませんでした。そんな,顔を合わせたくもない相手に,出版権を渡したままでよいはずはありません。そこで,もはや関係の回復は不可能と判断し,販売中止,版権引き上げ,絶版にしたのです。

絶版というと驚かれますが,皆さんのお仕事でも初めての取引となる相手から,一切の連絡なく契約不履行となって債務不履行を半年継続されたら,信用ゼロになりますよね? 相手を信頼できなくなりますよね。その相手が,10年以上の経験により到達した世界唯一の成果を,タダで使って売上げを得ていたらどう思いますか? とうぜん取引停止,契約解除となるでしょう。考え方はそれと似たようなものです。もっとも,事前の連絡もなく不払い,それを半年放置などという非常識な法人は,出版関係以外では,まずお目にかかることはないと思いますが…(画像/MWS)。








2017年2月2日


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印税が振り込まれたら,まだ持っていないフルサイズの一眼レフを買ってなどと,少しだけ想像していたことを白状します…。印税は振り込まれることがなかったので想像で終わりましたが。。

自分でもふしぎなのは,支払期日に入金確認のために記帳に行ったわけですけど,そのときの気分です。きっと不払いだろうな,と思いながら銀行に向かい,そして記帳を行って,そこに何も記録されていないことを確認し,やっぱし不払いだったと,予想が当たったのでした。

何が不思議なのかというと,これまで山ほど取引してきましたが,支払期日を自ら明示しておいて,送金しなかった人や法人は皆無です。なのになぜ,この出版契約のケースでは,「不払いだろうな」という予期が発生したのか。不払いを喰らったことがないのに,なぜ不払いの予測が正しかったのか。これは人/法人の信用度を見抜けていることを表しています。判断材料は仕事中の態度や問い合わせに対する応答,メールの文面,会話の親密さ,礼儀正しさ,相手に対する尊敬の度合いなどでしょうが,それらのどれをとっても不払いという結論は導き出せません。判断はとても総合的なものです。たぶんどこかで,論理一貫性と態度・感情の一貫性を照合していて,そこから信用度が出てくるのかもしれない,そんな気もしますが,気がするだけです。。脳みそって,何をやっているんでしょうねえ。

そういうわけで筆者はきょうもNikon1です。フルサイズのカメラは当分先にお預けになるのかもしれません…。楽しみにしていたことが他力的に破壊される人生を過ごしてきたので,今回も,またか,という感じでした。さて,次はどんな破壊が待ち受けているのか,ある意味,楽しみ(^^;でもあります(画像/MWS)。








2017年2月1日


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先日,法令上は禁止されているガスの詰め替えについての記事を掲載しましたが,これにはちょっとばかり考えるところがあるのです。なにかにつけては危険,危険と文句をつけて禁止する,そういうことを継続すると個人の経験量が落ちていき,それの総和は国力の低下につながるだろうと思うのです。ナイフは禁止,カッターナイフも禁止,センサーのついていないガスコンロは販売禁止,カセットコンロの缶とアウトドアのガス缶の詰め替えは禁止,薬品類の個人購入は禁止…。何でもかんでも禁止。そんなことがなく,自由に何でもできた頃の方々が,たくさんの危険を経験しつつも技術を身につけて,現代の高度な生産技術を支えるに至っているわけです。大事なことは,危険を遠ざけるのではなく,何が危険かを理解してどうすれば安全を確保できるのか考えることです。

さてそれでガスの詰め替えですが,これに関しては,経済産業省がテストをしています(ガス 詰め替え meti で検索すると出てくるPDFファイルの,「参考資料3-4」というものを読んでください)。この結果を見ると,詰め替えアダプターの指示事項を守り,きちっと計量し,過充填をしないのであれば,安全性には問題がないというように読み取れます。相当に高い安全性が確保されているように見えます。

もちろんそれは当たり前です。出荷時と同等のガス量を充填しただけで危険が生じるような容器は,安全側のマージンが少なすぎて販売時にもすでに危険なはずだからです。接続部分の信頼性にしても,ガスストーブ(ガスバーナー)を何度も着脱しても問題ないように作られているわけで,詰め替えの頻度の方が遙かに少ないわけで,危険が生じるようなものが販売されているはずはありません。

ところが,経済産業省は,詰め替え実験においてこれ以上ガスが入らないぎりぎりまで過充填を行い,その結果,異常が見られたことから,過充填ができるのでこのうような行為は禁止する,と結論するのです。

世の中にはいろいろな人がいるので,過充填が可能だから詰め替え行為は法令上禁止する,という方針は一応理解できます。しかし逆の結論を導き出すことも可能です。市販のCB缶及びOD缶は高い安全性を有しており過充填さえ行わなければ使用上の問題はない。我が国の国民は教育水準も高く,このような器具の使いこなしに問題はない。という方針であってもよいのです。そうやって国民を信頼し,危険性や安全確保に考えを巡らす機会を奪わないようにすることも,筆者としては大事だと思うのです。

きょうの画像はメンテナンスを完了したEPIgasのPS型コンロ。先日あまりにひどい画像を(正直に)のせたので反省しました。。サビを磨き落とし,加工の悪い部分(バリなど)を削り落として修正し,耐熱スプレーを吹いてあります。一度吹いて乾燥し,重ね塗りを2回施して,焼き付け(150℃),二回目(250℃),三回目(350℃)を行っています。バーナーはサビ取り研磨後に超音波洗浄→水道水で洗った後に精製水ですすいで乾燥。ガス噴出孔は実体顕微鏡でチェックして,電気の配線コードの芯をバラした細線で念のため掃除。ガス缶接続側のOリングも交換して,ガス漏れチェック。問題なし。燃焼試験。問題なし。といった経過で,これからも信頼性の高い器具として活躍する見込みです(画像/MWS)。









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