画像のご利用について   サイトマップ





本日の画像

ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


【2016年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月
【2015年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2014年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2013年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2012年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2011年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2010年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2009年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2008年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2007年】  9月  10月  11月  12月

【今月にもどる】 



2016年8月31日


ps

ps

さらに24時間たつとこのような感じになります。バイオマスは一層増加していますが,そろそろ増殖は終わりで,ボトルの底に珪藻が沈殿しています。珪藻はガラスのカプセルに身を包まれているのに,増殖しているときはけっこう浮かんでいられます。水中の栄養がなくなると沈むようになります。海洋の現場なら,珪藻プランクトンは海底に向かうのです。そしてじじつ,海底にはおびただしい量の珪藻が堆積しています。何千メートルという深海にいる動物は,はるか上層から降ってくる珪藻をエネルギー源にしているものもいます。珪藻は太陽エネルギーを炭水化物の結合エネルギーに変換し,海底にエネルギー輸送をしているわけです。

画像2枚目は,ボトルに入っていた珪藻を撮影したもの。夏の表層水でよわよわしい珪藻がたくさんだったので微分干渉法での撮影です。Chaetoceros, Thalassiosira, Skeletonema属の珪藻が見えています。どの珪藻も,どこの海にでもいる,ごくごく普通の奴らです(画像/MWS)。








2016年8月30日


ps

ps

昨日サンプリングした東京湾表層水中のプランクトンを検鏡したところ,『俺たちまだまだこれからさ!』という状態に見えました。夏の栄養不足から目をさまして,これから一気に増えようとする前段階という感じです。ながねん植物プランクトンを相手にしていると,そんなことがわかるのです。そこでボトルごと,一日,日光浴としました。さんさんと降り注ぐ太陽光をエネルギーにして,『まだまだこれからさ!』の連中が爆発的に増殖するはずだからです。

結果はご覧の通りで,昨日採水したときの海水の色(画像一枚目)と,24時間後の海水の色(画像二枚目)ではまるで違います。バイオマスは数倍にはなっているでしょう。たった一日で,ボトルの中で,生き物が数倍に増えたのです。これこそ珪藻の凄さであって,他の植物の真似ができないほどの増殖能力なのです。この珪藻はさっそく動物プランクトンの餌食になり,その動物プランクトンは魚の餌食になりと,休むことなく食物網にエネルギーが伝達されていきます。

だから今晩,お魚を食べるとき,珪藻さんがいなかったら,こんなにおいしいものは食べられないのだと,ちょっとだけでも思い出してあげて下さい(画像/MWS)。








2016年8月29日


ps

ps

ps

28日は海洋プランクトンのサンプリングでした。先週の大雨+台風により内湾域には多量の淡水がもたらされました。この淡水は豊富な栄養分を持っていますので,内湾の海に栄養を散布したのと同じことになります。そして台風一過によって快晴の日が2.5日ほど続き,太陽エネルギーが海に与えられたのです。こうなると,現場の植物プランクトンが覚醒し,倍々ゲーム的に増えていくので,数日のうちに赤潮状態になります。

…という推論を働かせて,28日の午後は東京湾に出向いたわけですが,予想通りに濃い茶色の水で赤潮といえる状態でした。サンプリングのカップは少し沈めば見えなくなるほどで,汲んだ水は着色しているのがはっきりとわかります。ペットボトルに採水してみれば,薄い茶褐色の水であることもわかります。強力なLEDライトで照らして散乱光をみれば,微少なつぶつぶが存在し,中にはピピピと動いているものもあります。まさにプランクトンの濃厚溶液なのです(画像/MWS)。








2016年8月28日


ps

ps

27日は,南国から先生をお迎えして一日中研究打ち合わせでした。微細藻類の培養とイメージングについてのかなり高等な内容です。対象の藻類は数μmのサイズで細胞壁も光合成色素も薄く,コントラストを生じません。相当な顕微鏡使いの先生ですが現時点ではまともにイメージングできないとのこと。そこで微細藻類を持ち込んでいただき,当サービスの誇る高解像ライブセルイメージングシステムと高度な顕微鏡操作技術により,最高レベルの絵をみていただきました。よい像を得るために考えなければならないことはたくさんあります。それらを瞬時に思いついて,コントラスト法,照明波長,カメラ,対物レンズ,画像処理法,試料マウント法を実行し,結果を出さねばなりません。試料持参で遠くから出向いて下さっているわけですから,目の前で結果を出さないわけにはいかないわけで,少し心配しましたが,先生からはOKを頂きほっとしました。直面した課題に対してスピーディーに解決策を見いだすには日頃の経験が重要なことは言うまでもありません。これからも日常運転で高度な技術を維持しようと思った次第です(画像/MWS)。








2016年8月27日


ps

ps

これはむかし作ったオプチフォトの単色用LED光源。ハロゲンランプのソケット部分に薄い鉄板をネジ止めして,その鉄板にヒートシンクをネジ止めしています。ヒートシンクは適当なサイズのものが見あたらなかったので,大きめのものをカットして使っています。ヒートシンクにはネジを切ってあり,starタイプのLED放熱板をネジ止めできるようになっています。ヒートシンク,LED放熱板はともに平面研磨しておき,そこにシルバーグリスを塗ってからネジ止めします。放熱容量は不足気味ですが,単色光のLEDは輝度が高いので大出力のものは必要なく,1W〜3W程度のもので十分実用になります。400nm〜850nmまでを使えるようにしています(画像/MWS)。








2016年8月26日


ps

ps

今年も木天蓼(もくてんりょう)を製造しました。マタタビの虫えいを乾燥させたものです。一般には虫を殺すために湯通ししてから乾燥するとされていますが,薬効が落ちる気がするのと,虫を殺さずそのまま天日で干して何ら問題が生じないので,当店では生を直接天日乾燥しています。今年は木天蓼(乾燥品)として790g,一夏としては記録的といえるくらいの量です。これをホワイトリカーに浸けて木天蓼酒となります。

できあがった酒は体を温める力が強く,女性の冷えには特に適している気がします。当帰四逆加呉茱萸生姜湯を毎日煎じて一年飲んでも効果がなかった人が,木天蓼酒を毎日杯一杯で明らかに体質改善した例を見たことがあります。その効果は劇的で,特に腸の運動によく,連用して一週間程度から効果が見られました。以来,夏には山に入り,マタタビを収穫して過ぎゆく夏を味わいながら生薬を製造しているのです。ちなみに,はじめてマタタビを山から採取してあれこれといぢり始めたのは中学二年生のとき。人生体験の芽は,だいたい10代のころにあるのです…(画像/MWS)。








2016年8月25日


ps

ps

ぼかして撮る、をわたしも知った  1 Nikkor 18.5mm F1.8(画像/MWS)。








2016年8月24日


ps

ps

過ぎゆく夏の夕暮れ。23日夕,東京・八王子市(画像/MWS)。








2016年8月23日


ps

ps

台風9号は思っていたよりも,しっかりと台風らしいものでした。数日前に役所に予約を入れた際に指定した時刻が,ちょうど台風のど真ん中という貴重な経験をしました。土砂降りの中をずぶぬれになって歩くのは,山猿だった筆者にとっては,嬉しくもないけれども,つまらなくもなかったりします。書類不備で役所と自宅を2往復して,台風の雨を存分に味わったのでした。

台風情報の陰で見逃されがちですが,三陸沖で地震が活発になっています。この場所はときどき大きめの地震が連続して起きますが,今回はマグニチュードが比較的大きく,それが連続しているので,要注意扱いしてもよいと思っています。注意すべきは三陸だけではありませんが,地震の被害を最小限にするよう,日頃の点検を怠らないようにしたいものです(画像/スクリーンショット)。








2016年8月22日


ps

サンタクロースはくつ下の中に,何かよい物を入れてくれることになっていたけれども,そんなことを信じている大人はいない。しかし大人になると,ポストに何かよい物が放り込まれていたりする。今回はLEDが放り込まれていて,相当特殊なLEDまで手を出している筆者でも持っていない高演色(Ra=95)なものだったりする。どうもサンタさんは実在するようだ。さっそく顕微鏡につけることに…。





ps

オプチフォトにLEDをつけるには,たとえばこのようにすると便利。適当な厚みの木で台座をつくり,台座をランプソケットにネジで固定する。台座にはねじ穴をあけておいて,ヒートシンクを固定する。ハロゲンランプのフィラメントの高さと同じ位置にLEDをセットする,こんな感じ。

ランプハウス側の電球覆いカバーは外しておく。そうすると空気の流通がよくなり冷却効率が多少は上がる。ただ,このサイズのヒートシンクだと,自然対流では実質3Wくらいまでで,5Wだとかなり熱くなります。特に夏期は。





ps

入荷したLEDは,手抜き工事で,熱伝導テープで貼り付けにします。ネジを切る必要がないし密着も完全になる。欠点は剥がすときに,セラミックのLEDだと割ってしまうことがある。交換は考えていないし,割ったら新しいのに付け替えればいいので,今回はテープにする。このLEDは9Wくらいあるらしいが,それだとヒートシンクは容量不足。

大出力で連続運転するとどうなるかというと,経験からは,セラミックのLEDでは,ハンダが溶けて断線する。ハンダがヒューズ代わりになるのでLEDは保護されて壊れることはない。ただ,開放モードでの故障なので,負荷側を開放にすることが好ましくない電源の場合は注意が必要。

当サービスのLED用電源は調光可能なのでLEDの温度を見ながら電流を調節すればよく,容量不足のヒートシンクでもまったく問題ありません。大出力で使いたいときには,ランプハウスの下から,IC用の小型ファンで送風します。ヒートシンクはそれ自体に冷却能力はなく,熱を空気に伝えなければ温度は上昇の一途。強制空冷できれば弱い風でも効果は絶大で,ヒートシンクを大きなものに変更するよりもはるかに効果があります。ファンで風を送る方が光源を再製作するよりも簡単という理由も…あったりしますが。





ps

バイオフォト系のランプハウスにつけるにはこうする。ヒートシンクは一回り大きなものが利用可能で,10Wクラスまで対応できる。ヒートシンクは直接ランプホルダにネジ止めできるので,そこも放熱容量の大きさに貢献している。ランプハウスのバックミラーは外しておく。ランプハウスの拡散板は利用可能。




ps

これまで作った光源のごく一部と記念撮影。当サービスの顕微鏡は世界のどこよりも早くからLED化していて,明視野も蛍光もLEDで使っています。こんな作業をもう十数年もやっていることになる。。。当初は白LED一個が7000円とか,とんでもない価格だった…。まぁ,今でも,この画像に写っているUV-LEDは一個で2万円もするのだけれども。画像に写っているキャップをかぶせたLEDは,シャープ銭形3W 5000Kにフジのアンバー系フィルタを入れたもの。おそらくRa=85〜くらい。




ps

入荷したLEDは要求電圧が高いので,回路も一部改変。エキスパートエンジニアさん回路設計(部品の多くを提供)で,筆者が追加部品とケースを購入,放熱設計して製作した電源回路。電源供給部は降圧型D/Dコンバータなので,入力を12V 1A→24V 0.75Aに変更した。この変更に伴い,内部のコンデンサの耐圧を25V→35Vに変更。こういったアドバイスもエンジニアさんからもらえるのは有り難い。筆者は秋月電子に自転車を走らせてハンダごてを握るだけでよいのです…。ということで,夏の電子工作が完了し,LEDの選択肢も広がりました。サンタさんのプレゼントは顕微鏡の性能をアップさせたのです。本当に有り難いことです(撮影/MWS)。









2016年8月21日


ps

ニコンの顕微鏡対物レンズ(生物用)は,CFI60になってから,ほとんど全部の製品でレンズの情報がプリントになってしまいました。このプリントじつに剥がれやすいのです。なくなってしまうと詳しい人以外は何のレンズなのかわからなくなり,わからないのなら正しく使えない場面も出てくるでしょう。ぜひ刻印に戻して頂きたいものですが,あらゆることがコスト節約の世の中になってしまったので,もう刻印の時代は二度と来ないのかもしれません。作業的にはNCマシンで一瞬で入れられそうですが。

CFI60では,このプリント問題のほかに,製造ナンバーの省略も行われていて,外見からは製造ナンバーがわかりません。内部に書いてあるのかもしれませんが,分解したことがないのでわかりません。これ,管理上,困るんです。同じレンズが2本あれば,必ず使い分けしますし,貸し借りしたときなども,相手先のレンズとごちゃごちゃになってわからなくなってはまずいのです。対策としてはレンズのどこかにマークをケガキで入れるしかないような気もしますが,やりたくないですね。シールでも識別はできますが,プリントが剥がれやすいのでシールはできるだけ貼りたくないですねぇ。

将来,22世紀の中古顕微鏡利用者が21世紀のプリントが剥がれ落ちたレンズ群を見て,メーカーはわからねえし,製造番号はないわ,オイルか水浸かわからないし,果たしてDIC用なのかわからんし,そもそも倍率がわからない。なんじゃこりゃ? 21世紀の人間はクソ野郎ばっかりだったのか? と思うかもしれません(画像/MWS)。



*1 もっとも,19世紀の顕微鏡対物レンズでは,製造ナンバーが入っていないものも多数あります。興味深いのは,E.Leitzなどをみていると,似たようなスペックのレンズでも製造ナンバーが入っているものと入っていないものがあることです。番号が入っていればレンズを時代順に整理することができるので,古い対物レンズでナンバー入りのものは有り難いですね。

*2 20世紀の対物レンズを見ていると,製造番号が刻印され,その中に黒塗料が流し込まれていて,とてもていねいなつくりですね。これは手間がかかるでしょう。だから21世紀的には,単に番号が掘ってあるだけでよいと思うのです。それなら安価にできるので,それで価格が1000円アップしても構いませんので,番号は入れて欲しいですねぇ。

*3 まぁ,そうはいっても,22世紀には21世紀に製作された鏡基が残っていないでしょうね。。耐久性がなさすぎるので。22世紀の顕微鏡愛好家は,19世紀から20世紀の顕微鏡を愛でていることになるだろうと思います。





2016年8月20日


ps

ps

ps

ps

ps


山寺は観光地化されているわりには静かで,むかしとあまり変わらない感じでした。夏休み中ということもあって,たくさんの人が1000段の階段をうれしそうにのぼっていました。小学生くらいの子,どうみても80歳くらいになってそうな方,わんこ連れのパパ。外国から訪れた方。いろいろです。

頂上からの眺めは最高ですね。崖の上から眺めているようなものなので遮る物がなく,正面に広がる山,河川が谷を削っていった様子,民家,鉄道などが適度な距離でミニチュアのように見え,風も涼しく,苦労して登ってきたことを忘れさせます(大きな画像は こちら )。海外から来たおねーさんは,7 timesと言っていたので7回も来たようです。今や日本の見どころを深く解するのは外国人なのかもしれません。

見晴台もよいのですが,山寺の山寺っぽさは,途中の階段と杉木立でしょうね。ほかの山でもそうなのですけど,太い杉に囲まれて階段があると,なんとなく霊山の風格が感じられるような気がします。楽しげに下っていく男の子,一人で登っていく女の子。皆さんの想い出の夏になりますように(画像/MWS)。



*1 最後の画像は,夏の想い出画像としてベストショットの気がしています。どこの誰かは知らないけれど,素敵なシーンをありがとう。大きな画像は こちら 。




2016年8月19日


ps

ps

ps


東北地区農水産物調査は,バカ夫婦が食べ過ぎて太るので 調査項目が多岐にわたるので,体調を整えるために運動が欠かせません。そこで山形方面に出向き,山寺の1000段ある階段を往復して,まだまだ若いことを確認するのです。むかし山寺駅に降り立ったときは,確か電気機関車が客車をひいていたはずで,軽やかに走る電車に揺られてみると,時代は進んだのだなと当たり前のことに感心したりもするのです。山寺駅では,階段にノコギリクワガタが落ちていて,階段の壁にはクツワムシが貼り付いていたのに,50人以上はいたであろう乗客は,誰もそれに気づかないのでした。驚くべきことです。乗客が去った後に,踏んづけられないようにクワガタを外まで運んで放し,クツワムシを撮影して喜んでいたのは,東京からきた,ちまちまと珪藻をいじっている中年の男なのでした(画像/MWS)。








2016年8月18日


ps

ps

ps


毎年なつの気仙沼ですが,特にさしたる目的もなく,東京で使う金を東北沿岸で使おう,というほどの感じでしょうか。短い間に十数枚の紙切れを使って,バカ夫婦の食べ歩き 東北地区農水産物視察調査に行くというわけです。気仙沼では,そこいらへんの小さなスーパーに入っても,地物がちゃんとおいてあって,それは東京のものとは比べものにならない品質なので,買い食いがウマイのです。林道歩きで都会の喧噪を忘れ,安波山の見晴台でおべんとうを食べながらのんびりと昼休みして,お魚いちばで大量買いして各方面に送付して,地物の海産物で夜の一杯となるわけです。蒸しホヤをつまみに,約4ヶ月ぶりにお酒をいただきました。。おいしかったです…。

気仙沼ではメカジキの刺身が名物の一つで,スーパーでも魚屋さんでも見かけます。冷凍物も生も取扱がありますが,どちらも昼飯,夕飯用に品出しされているくらいメジャーな感じです。同行の調査員はこのメカジキの刺身が大層お気に入りのようで,必殺,寿司ネタ載せ替えの術を繰り出していました。こうした,なにげない一日というのは本当に貴重です(画像/MWS)。








2016年8月17日


ps

サンマ,送れるのかっ (画像/MWS)。








2016年8月16日


ps

15日は終戦記念日でした。14日に日本政府がポツダム宣言の受諾を通告したとされていて,翌15日に玉音放送となったという流れです。多くの尊い命が失われた戦争というものを毎年一度は振り返ることが必要かもしれません。

しかしこの貴重な機会である14日,15日には,SMAPの解散という,どう考えても終戦記念日,戦争とは比べものにならないほど重要性の薄い事件が,大々的に報じられ,マスコミも多くの時間を費やして報道しました。その結果,日本の人々が戦争のことを振り返る機会は減らされたのです。

こうしたことは意図的に行われていると見るべきというのが,筆者の個人的見解です。これまでもマスコミによる,タイミングを見計らったリークはたくさんありましたが,今回もその一例と言えると思っています。どういった関係筋がそのようなリーク,情報操作をするのかに興味がある方は,

こちら

を丹念に探ってみるのもよいかもしれません。こうした陰謀論的とも解釈できてしまう考え方を嫌う人もいるでしょう。もちろん嫌って結構です。ただ,多くの人々が戦争について考える機会を,SMAPの解散報道によって奪われたという事実,この「事実」が存在したということは否定できませんから,なぜこのようなことが起こるのかは,陰謀論は別にしても,考えてみる必要があるでしょう(画像/MWS)。








2016年8月15日


ps

14日は電子工学系のエキスパートエンジニアさんをお迎えしての交流でした。このエンジニアさんは電気系の故障ならほぼ何でも修理してしまうというゴットハンドの持ち主で,永らく動かなかった機器を,この機会にみてもらいました。サービスマニュアルを恐るべき早さで理解しながら,配線を次々と外して分解し,故障箇所を修理して,再び組み立ててハンダ付け。とても真似ができる気がしません。同じ分野の人が見れば理屈通りの動作を行っているのに違いないのですが,その分野をよく理解していない筆者からみると,魔法のように見えるのです。魔法でお世話になったからには,筆者の魔法によって作った鳥はむと鉄火丼で御礼をしないわけにはいきません…。という具合に,日曜日の夜は満腹状態で時間切れとなったのでした(画像/MWS)。



*1 エンジニアさんが細い配線をハンダづけするときに要望したピンセットはFontaxのNo.3でした。ま,当然といえばとうぜんですよね(^_^)




2016年8月14日


ps

ps

ps

ps

ps

ps

ps

ps

気仙沼に着いたら,なんと第65回気仙沼みなとまつりでした。花火もあがるというので夕飯を早めにすませて,みなとまで歩きました。会場は,毎年行き慣れている『お魚いちば』周辺ですから迷うことがありません。

会場に近づくと,ピカーと強烈にまぶしい宇宙的な漁船が現れました。集魚灯を灯したサンマ漁船です。光を見るに,これは明らかにLEDです。そのままプロ野球の照明に使えそうな明るさの,恐るべき大出力LED照明です。気仙沼みなとまつりは,このLEDによる,サンマ漁船の集魚灯によって照らし出されて盛大に行われていたのでした。考えついた人,素晴らしい!

集魚灯のもとではずらっと太鼓が並び,笛の音にあわせてドンドコドンドコ,胸をふるわせる音を鳴らします。太鼓を叩いているのはあらゆる年齢層の方々で,観客はそのご家族が多いように感じられました。アジア周辺各国から日本の水産業で働いて下さっている若者たちも多数参加していました。皆さん楽しそうです。本当に有り難いことです。海の上にも海上うんずらがゆらゆらと動きながら太鼓を叩いています。

まつりの最後は打ち上げ花火ですが,なんとここの花火は太鼓との競演なのです。ボンボンと打ち上がる大輪の花火に負けないくらいの勢いで,花火があがっている間じゅう太鼓が鳴り続けます。これは圧巻としかいいようがありません。この賑わいは5年前には考えられなかったこと。皆さんの元気な様子をみていると,なんだか力をもらったような気にもなりました。気仙沼みなとまつり,本ページの読者の皆様にもオススメです(画像/MWS)。








2016年8月13日


ps

ps

ps

ps


今回の東北行きは,とくに何も考えず,宿が取れた空いている日に出かけたのです。それで日曜日発になったのですが,出先では次々と夏祭りの最中で面白い思いをしました。仙台七夕は全国区の知名度なだけあって大変な人出。青森方面からの新幹線で仙台を目指す人が続々と降りていきます。ラッシュを思わせる混雑で,いつも賑わっている仙台が大にぎわいです。

一ノ関でも,一関夏祭りでした。街中のあちこちに七夕飾りがぶらさがり,メインの通りでは長い竹に大きな飾りがずらっとぶらさがって壮観な眺めです。ここの飾りは学校での取り組みでもあるらしく,○年○組などと書かれた飾りがあちこちに見られました。どれも素晴らしいものでしたが,ひときわ目をひいたのはくまモン飾り。誰の発想でしょうか。その思いつきに感嘆しました。多くの方がそう思ったようで,帰り際にもういちど見てみると,くまモン飾りは【金賞受賞】となっていました\(^o^)/

暑い暑いなかを神輿が進んでいきます。東京都心などと異なり,担いでいるのはみな,若者です。そこには伝統だからやる,などといった雰囲気は感じられず,まつりを行う必然があり,単なる旅行者の筆者も感動しながら眺めたのでした。そして一ノ関を後にして気仙沼に向かうのです(画像/MWS)。








2016年8月12日


ps

ps

ps

極度の睡眠不足で毎日ふらふらの状態でしたが,8月4日の晩に突然寝られる日がやってきて,翌5日も,そこそこ寝られるという奇跡が起きました。二日連続で寝られるということは滅多にないので体が驚いてしまい,6日は一日中頭痛が続いてつらい思いをしましたが,寝られないつらさよりははるかにマシです。そして若干寝られて元気回復傾向にあるときに,本格的に睡眠不足を治療すべく,東京を脱出しました。

今年も東北に逃げ,現地の食材を食べ歩いて,まともな人間に回復することを目指したのです。例年は,逃げた先の一ノ関や気仙沼が35度にもなって,ぜんぜん避暑になっていない現実がありましたが,今年は脱出した8月7日から10日にかけて,出先はもれなく(東京よりも)涼しいということになりました。そして10日夕方に帰宅したのですけど,翌11日は東京も涼しいという,温度的にはピークを避けたパーフェクトな旅行日程・計画となりました。

そのせいか旅先でもいくらか寝ることができ,あの恐ろしくつらかった不眠の日々を忘れかけています。まことに目出度いのです。筆者は仙台生まれの東北人なのですけど,だからこそ,東京を回遊しても,たまには東北に回帰しなければならないのかもしれません。東北の地に降りたって緑や海や渓流を見ていると,なんだか疲れがとれるのです(画像/MWS)。








2016年8月11日


ps

ps

蛍光イメージングでは対物レンズの選択は思った以上に重要です。まず,蛍光で使っていいのか問題があります。アクロマートやプランアクロマートでは,青色光〜緑色の励起では使えるものが多いですが,紫外で使えるものはほとんどありません。紫外で使えるのはフルオール系ですので,紫外線励起ではこれを選択することとなります。また一部のアポクロマートでは紫外線励起にも対応していますので,これも選択肢に入ります。

像の明るさは対物開口数の2乗に比例しますが,落射蛍光法では対物レンズが照明光を送り込むコンデンサになりますので,像の明るさは開口数の4乗に比例することになります。この違いは想像以上に大きいです。一例を本日の画像に示しますが,画像一枚目はNA=0.7,二枚目はNA=0.95です。開口数の差では0.25しかありませんが,像の明るさは2倍弱あります。NA=0.95の対物レンズを使えば,同じ明るさで撮影するなら弱い照明で済むわけで,サンプルへのダメージは小さくなります。また,開口数が大きい分,分解能もよくなります。ただし焦点深度は若干浅くなります。

こういったことを考えて,撮影試験も繰り返し行って,大事な研究での実験で使う対物レンズを決めていくとよいかと思います。いつでも最良のレンズを使えるほど贅沢な仕事場にいる人は少ないと思います。ならばなおさら,限られた手持ちのレンズで最高の像を得るための条件を追求することが,よい像をコンスタントに得るために大事になってくるでしょう(画像/MWS)。








2016年8月10日


ps

ps

フレアを抑え込むには画像処理も有効です。画像一枚目は落射蛍光法で撮影した藻類の蛍光で,クロロフィル蛍光と青色蛍光が絡み合った構造が見えます。しかし全体にフレアっぽく,構造全体に霧がかかったように見えます。そこで一枚目の画像に色補正を施した後にガンマ補正-0.5をかけます。その結果が画像二枚目です。発光部分のみの強調画像になっていて,構造が鮮明に見えるようになっています。蛍光顕微鏡法というのは,ある種,表現技法といえる側面もあるように思います。画像処理は有効なのです(画像/MWS)。








2016年8月9日


ps

ps

落射蛍光法において微弱な蛍光をコントラスト高く撮像するにはいろいろなコツがありますが,大切なことの一つは,視野絞りを絞り込むことです。この一つの操作だけでも迷光を大幅に減らすことができます。このことは書籍などにも書いてあることがあるので,ご存じの方も多いことと思います。ではどのくらい絞り込むのかというと,撮影対象にもよりますが,画像一枚目は最低限で,画像二枚目の程度まで絞り込むこともふつうにあります。この効果は普段練習していないと実感できないので,蛍光検鏡の際は,つねに視野絞りをぎりぎりまで絞り込むクセをつけて,像の変化を理解しておくとよいかと思います。

画像は池の水にいたらん藻と珪藻の群集。小さな長細い赤い蛍光が珪藻。ヒモのような赤い蛍光がらん藻。バックの青白い蛍光はおそらく木質系の分解物です。試料はカバーグラス封入,対物レンズは有限補正系のカバーグラス水浸対物,Plan-neofluar63x 1.20W corr,カメラはNikon1J1です(画像/MWS)。








2016年8月8日


ps

ps

ps

ps

蛍光画像シリーズは多少の反響もあり,続きを楽しみにしているようなお言葉も頂戴しました。話が続くつもりはなかったのですが…,ここでひねりだして,少し追加で何かを書いてみましょう。おそらくは,今まで書いてきたことの繰り返しですが。

画像一枚目は,落射蛍光で珪藻スタウロネイスの葉緑体自家蛍光を撮影したもの。この珪藻のもつ葉緑体の形態がはっきりと写っていますが,それ以外の情報,たとえば珪藻被殻の形態などは見ることができません。画像処理によっても,埋もれていた情報が出てくることもありません。

さて画像二枚目は,落射蛍光での画像一枚目と同じ条件に,さらに透過明視野の光をくわえたものです。ただし,GIFフィルタを通して,546nmをピークとする緑の光にしてあります。このようにすると,珪藻の葉緑体赤色蛍光と珪藻被殻の構造が同時に再現され,情報量が増えます。

この方法のよいところは,画像三枚目に示すように,落射蛍光による葉緑体の赤色画像だけを取り出せることです。もちろん,透過明視野のG画像も取り出せます。それが画像四枚目で,Gチャンネルを取り出してグレースケールに変換してヒストグラムを引き延ばしたものです。

というように,蛍光画像の取得は,【色=RGB】に着目するといろいろ工夫ができます。カラーのデジタル写真は,一枚で三枚の画像を撮影しているともいえるわけですから,そのことを念頭において工夫をして,研究上のツールとして活用したいものです(画像/MWS)。








2016年8月7日


ps

これは9年前くらいに撮影した珪藻ニッチアの蛍光画像。先日本ページで述べた方法で画像処理を施し,まぁまぁ見られる程度の絵になっています。クロロフィルの赤色蛍光と,核の青色蛍光(ヘキスト33342による)が見えています。このヘキスト染色は核のA-T領域を染めるとされていますが,核以外の多くの部分が薄く染まります。それで見えないはずの被殻や細胞内の構造物が可視化されています(画像/MWS)。








2016年8月6日


ps

ps

蚊はホント憎らしいですね。蚊に吸われる血の量などたかが知れていますから,害がなければタダでくれてやってもいいのに,盗血したうえに激しいかゆみを残すのですからたまりません。何の躊躇もせずに,必要量の1万倍の力を込めて叩きつぶします。いつもは粉々ですが,きょうはたまたま原形を留めていたので被写体になってもらいましょう。

ヒトスジシマカは攻撃性が高く,人を感知してから攻撃にくるまでの時間が異常に短く数秒以内です。こちらが臨戦態勢でも刺しにくるので敵ながらあっぱれな部分もあります。刺されるとつーんとしたかゆみがひどいですが持続時間は短く,ムヒS2aでなんとかなります。問題はアカイエカなどで,こいつらは寝る頃になると飛んできて,暗闇でも赤外線探知レーダーを駆使して刺しにきます。刺されれば持続性のかゆみが続き,ムヒS2aの効果をもってしてもしばらく不愉快です。まったく困ったやつらです。

きょうの撮影はNikon1に1Nikkor18.5mmF1.8です。そのままでは接写できないので,40.5mm→52mmリングを介して,クローズアップレンズACのNo.5を三連でつけています。クローズアップレンズでは画質が落ちると思っている人もいるかもしれませんが,適切に使えば十分威力を発揮します。照明は高演色LEDライト。これは電球色LEDライト(改造品)に富士のアセテートフィルタLBD8を仕込んで拡散板をつけたもの。露出補正+1.0。三脚を一脚代わりに使用。ISO100,1/50sec。なにげない一枚の画像ですが,一眼レフをはじめて34年になる中年オヤジの経験が(というほどおおげさなものではありませんが)詰まっているのです(画像/MWS)。








2016年8月5日


ps

ps

ps

8月3日付けの記事で蛍光イメージングにおけるホワイトバランス設定について述べましたが,すでに取得済みの画像で,しかもjpgしかなくても,画像処理によって同様の効果に近い修正はできます。きょうの画像はその一例。画像一枚目はもととなる画像。全体に赤っぽく,ほかの色の情報が読み取りにくくなっています。蛍光イメージングでは,飛び抜けて明るい蛍光に暗い蛍光が隠されてしまうことがよくあります。この画像でも,肉眼では青い蛍光が見えているのに,画像ではほとんどわからなくなってしまっています。

画像二枚目は,画像一枚目の複製をつくり,それに対してRGBのBチャンネルを取り出し,コントラストと明るさ,ガンマ補正を施したもの。画像一枚目の中に,青色の情報が埋もれていたことがわかります。

画像三枚目は,画像一枚目と画像三枚目を比較明合成して,ガンマ補正,シャープ処理を施したもの。もとの画像に埋もれていた青色情報が鮮明に見えるようになりました。

手間はかかりますが,こういった処理で見た目に近い表現にすることが可能です。画像処理は元画像と元画像の複製に対して全体処理を施していますし,それの全体の合成ですから,どこにも部分修正は含まれません。科学写真の表現法として適切であると考えられます。注意すべきことは,きつすぎる処理を行うと見た目とかけ離れた絵になる場合があるので,観察したイメージに近い範囲で処理を行うことです。

このような画像処理法を身につけると,むかし撮影して今ひとつだと思っていた画像が鮮明に息を吹き返すこともあります。二度と出会っていない貴重な画像などは,何度でもほじくりかえして画像処理を施し,その画像に埋もれている情報を徹底的に可視化してみましょう(画像/MWS)。








2016年8月4日


ps

ps

珪藻の微細構造を検鏡用のテスト物体として使うとき,微細構造が解像でき,それで満足してお仕舞いにしてしまってもいいのですけど,その先があります。微細構造が解像できるのはむしろ入り口で,そこから照明法を検討していって最適な像に持ち込む,といっても良いくらいです。単に解像できることと,解像すべき構造に適切なコントラストがついていることは違うことです。前者は解像すべき構造の像が肉眼コントラストに達したことを意味し,後者はそのコントラストを制御できていることを意味します。

その一例を示したのがきょうの画像で,どちらの画像も,同じ珪藻を同じ油浸対物レンズ・油浸コンデンサ・光源で撮影しています。違うのはコンデンサ絞り面の光強度分布で,画像一枚目は通常の明視野中央絞りです。画像二枚目は輪帯照明を基本にしつつやや複雑な照明を施しています。対物レンズの開口にどのような照明光と回折光を入れてやるかが照明テクニックの重要なところで,適切に制御すれば,像はこのように大きく変化するのです。

練習をして技量を磨くのには,いつも同じ珪藻を使って練習することが重要です。テストに適した珪藻にマーカーで印をつけたものを使うか,決まった珪藻だけが入っているテストプレートを使うと,同一珪藻を探すのが楽で効率が上がります。使う標本を決めて,珪藻の位置(座標)を読み取って記録するのでも構いませんが,やや面倒ですぐに見つかるものでもありません。

もう一つ重要なことは,特に油浸で検鏡するときに,カバーガラスの裏側に貼り付いている珪藻を検鏡すること。封入剤の屈折率が1.52程度であれば,どの深さにあるものを覗いてもそれなりの像になりますが,そのようなスライドは市販が少ないようですし,珪藻のコントラストも低くなりますので,肉眼検鏡では練習にしくいという欠点があります。屈折率1.6-1.7程度の封入剤で封じられていれば,肉眼でもよくみえて練習しやすいですが,ガラスの屈折率から外れますので,カバーグラスから少しでも離れてしまうと理想の光路長にならず,像が悪化します。練習するまえに,珪藻とカバーグラスの間に封入剤の層があるかどうか調べることが重要です。もし1μmでも封入剤の層があれば像は悪化し始め,10μmあれば巨大な球面収差を引き起こし,50μmあれば霞の中に浮かぶ珪藻を見ているようになってしまいます。

油浸にするときは,カバーグラスと油浸オイルの屈折率が等しいので,カバーグラスの厚さのばらつきは問題になりません。0.14-0.18mm程度で像質は変わらないので,市販のNo.1のカバーグラスを用いても問題ありません。ガラス,封入剤,オイルの分散までも気にするような,メーカーさんでのテストや検鏡法の開発などの高度なテストをするときは,念のため,0.17mmのカバーグラスを使った方がよいでしょう(画像/MWS)。








2016年8月3日


ps

ps

蛍光顕微鏡で藻類やバクテリアなどを観察していると,自家蛍光による発光が見られます。クロロフィルの赤色はありふれたものですが,油球なども発光することがありますし,バクテリアの中にも紫〜紫外線で発光するものがいます。これらを撮像するときに,発光が一色でしたら,そのまま露出を変えながら普通にイメージングしても大抵はOKです。しかし発光が2色の場合は,露出を変えるだけでなく,ホワイトバランスも変えて撮影すると好結果に結びつくことがあります。きょうの画像がその一例で,細胞内のクロロフィル蛍光が赤く光っているところに,青っぽい粒がからまっています。画像一枚目はホワイトバランスをデーライト,画像二枚目はホワイトバランスを電球にセットしています。後者では青色の強度が持ち上がるので,青っぽい粒子がくっきりと写っています。蛍光イメージングでは,染色等で各色に発光させ,それを撮影することも多いですが,色をくっきり判別できるように写すことは大事です。フィルタセットや励起光だけでなく,撮像側のWB調整でも大きく異なる結果が得られることは知っておいてよいかと思います(画像/MWS)。








2016年8月2日


ps

舛添がいかにダメな知事であったかということは,上の優れた質問に対する,舛添の受け答えの悪さでわかります。

こちら

歴代都知事は,歴史を受け継いで時代につなげる役割があるわけで,都市のグランドデザイン,その持続可能性について深い知識を持っていなければなりません。建設利権の方ばかり向いている知事が,青島以外は連続していて,東京は建設無制限都市になっています。少し勉強すればわかることですが,東京は土地がないはずなのに,カネの視点から見るとどこもかしこも土地だらけで,建設ラッシュです。地方をさしおいて,あらゆる場所で高層マンションの建設ラッシュなのです。こんなばかなことがあるでしょうか。

こうした建設利権をふしぎに思わない知事と官僚と土建屋が東京を破壊し尽くしてしまい,熱地獄の都市となっているわけですが,かつては東京緑地計画なるものが存在し,それらは都民のオアシスになるとともに防火帯としても機能する重要な位置づけがあったのです。結局のところ,この計画は途中で頓挫しましたが,都内に残る大きな面積の緑地は,ほとんどこの計画によって残されたものです。いまでは貴重なクールスポットになっています。

上の受け答えを見れば,舛添が緑地計画のグランドデザインが理解できず,何も勉強していなかったことは明らかです。そりゃ,後藤新平くらいは勉強したでしょうが,都市をどうすべきか,人が住むにはどういった環境が必要か,そんなことを考えている形跡を読み取ることはできません。まぁ,これだけで失格ですね。

個人的には,自治体の長になるような人は,自然科学系,それも生態学や地球科学といった学問に明るい人であることが大事と考えます。我々はどう藻掻いてみても,地面にはいつくばって,水と緑と土の恵みを受けて生きていくしかありません。水の蒸発熱も知らずに都市をコンクリートで塗り固め,高層建築物をたてて,ビル群を眺めて美しいと思っているような脳のとろけた阿呆は,結果として人を始めとするすべての生物に適さない都市空間を作り出しますので,都市計画に関わるような立場にふさわしくありません。

小池は,ヒートアイランド対策について,ちらっと書いていました。本気でやるつもりがあるんでしょうかね? もし本気なら,都市再生などの特区を廃止して,それらの地域の容積率を低くもどし,屋上緑化すれば容積率をボーナスするなどという制度を廃止して,都で買い上げた土地は公園と保育施設等に配分し,一度埋めた河川を地上に復活させ,防災対策を兼ねた小規模水道施設(緩速ろ過池)を都内各所に分散させて,親水施設にするとともに高度浄水施設のエネルギー消費を減らすなど,といった対策(これでも全然足りませんが)を施す必要があります。ま,ちょろっと何かをやって,ヒートアイランド対策をやったとのたまうのが関の山の気がしますが,まずは仕事ぶりを見てみることとしましょう。

ヒートアイランド対策というのは熱収支をみないといけません。東京都建設局は,かつて屋上緑化ボーナス制度というものを創設しました。これはビルの屋上を緑化するなら容積率を上積みするという詐欺師のような制度です。緑化して処分できる水の潜熱と,上積みされた容積から発生する熱を比較すれば,どうみても後者が大きいでしょう。だからこれは,ヒートアイランド対策ではなくて,ヒートアイランド促進です。土建屋の発想というのは,よいものも立派なものもたくさんありますが,それでいいの?というものもあります。だから,知事になるような人は,水の蒸発熱くらいは頭に入っている,生態学や地球科学を解する人がいいのです。文化系の知識しかなかったら,建設局の提案する屋上緑化ボーナス制度にすぐに賛成して,自分はいいことをしたと思ってしまうことでしょう。自然科学系の基本定数などは,時代に関係なく不変です。こうした知識はあったほうが良いのです(画像/スクリーンショット)。








2016年8月1日(2)


ps

これが660万人が参加して行われた【知ってる名前書き大会】の結果。いろいろ読み取れそうです。増田は200万を若干切っていますので,自民公明の組織票(約200万)から少し人が流れたようですね。小池は自民でありながら自民との対立構造を生みだしたために,その知名度と相まって,自民公認に投票したくない人の受け皿になったように見えます。鳥越は野党陣営を支持する方々が投票したものと思いますが票をまとめきれていません。

棄権者は446万人で,相変わらず選挙には関心がない人が多いようです。この人達の多くは,誰が何をやっても受け入れる,心の広い人たちなのでしょうか…。それとも,バラエティー番組の見過ぎで,お笑い以外はどうでもよくなっちゃったのでしょうか…。毎回,400万,500万の人たちが何もしないということにふしぎな感じがします。棄権者が20%を超えたら,都民税を翌年に5倍にする条例を制定しましょう。そうすれば投票率80%か,あるいは都民税がっぽがっぽか,どちらかのおいしい結果になります。もっともそんなことすれば,都庁に生息する官僚組織によって,選挙活動がこっそりひっそりと行われ,なんとしても税収をupさせたいと願う連中が跋扈しそうですが…。

筆者はまともなことを言っていたように見え,実績もあった中川に投票しましたが,彼の得票は有効投票の1/400でした。選挙公報の内容だけを精読していけば,彼の主張する内容がほかの候補の1/100である理由はどこにも見あたりません。それどころか,上位3人と比較しても,勝るとも劣らないと解釈する人も多いでしょう。それがこの結果になったのは,都知事選が,大人の恥ずかしい【知ってる名前書き大会】だったからです。都知事なんて誰がやっても同じじゃんという意見もあるでしょうが,それでは選ぶ意味がないわけで,選挙公報をきちんと読んで投票する人がもっと増える世の中になって欲しいものです。

晴れて都知事のイスを温めることになった小池は,権力欲だけは旺盛でしょうから,都議会をかき回して,何をやっても拒否された青島のようにはならずに,良い意味での改革をしていただきたいものです(画像/ヤフーからのスクリーンショット)。








2016年8月1日


ps

都知事選は早くも結果が出て小池に決まったようです。この人はトップに上り詰めること自体が目的化した権力欲の塊に見え,トップの座であれば都知事でも総理でも構わないように見えます。東京のもつ様々な課題をながねん見てきて,それらの解決しようと言う意欲はさっぱり見えません。トップに上り詰めたことで本人は目的を果たしてしまったわけなので,次の目標は総理でしょうか。大事なことはヒートアイランド都市の東京を緑化し,トップダウンで建設業との癒着を解体し,土建ラッシュを1/5にまで縮小させ,日本全体のお手本とすることですが,ま,彼女の中にはそんな考えはないでしょうね…。個人的には,水の蒸発熱くらいはさらっと答えられる人間が都知事になって欲しいものですが,彼女は果たしてどうでしょう。

今回の都知事選は,都知事選だと思っている人も多いでしょうが,多くの人は都知事を選ぼうとはしていないだろうとも思っています。本当に都政をどうにかしたいと思うなら政策で選ぶことが重要なはずで,知名度がそれほど重要とも思えません。もし,都知事選が,候補者は全てアルファベット表示(A, B, C, D…),マスコミ割り当て時間は全て均等割,各世帯には候補者名のわからない選挙公報が届けられるシステムであれば,まぁ,それは【都知事選】といえるものになったろうと思います。

しかし現実は,毎日のように,小池,増田,鳥越だけが連呼され,情報に接する回数からいえば,他の候補は認知することも難しい状態になっています。全ての候補を均等に評価して投票先を決めるという行為自体が,ほとんど行われず,知っている人の中でだれに投票するかを決めているのが実際のところでしょう。それも投票ですが,最初から投票先を情報操作的に狭められており,公報に書かれている都政の中身で決める行為とはほど遠くなっているわけです。そんなものは選挙と言うよりは,【知ってる名前書き大会】ですね。いい大人が恥ずかしいですね。

まぁ,こんな世の中では,組織と組織の情報合戦が発達するだけで,じっくり現実を見据えて100年先の東京をいまから構築していくというような人材は作りようがないかもしれません。仕方ないので,とりあえずは小池が,単なる権力欲求が動機でもいいので,舛添/猪瀬/石原といった不良都知事よりも,少しでもまともな仕事をしてくれることを期待することとしましょう(画像/MWS)。









Copyright (C) 2015 MWS MicroWorldServices All rights reserved.
(無断複製・利用を禁じます)
本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/


トップに戻る



.