本日の画像
ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します
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2017年12月31日
今季製作分のバルバドス放散虫Jシリーズは,お客様のお手元に届きはじめ,照明を施されて生じた直接光と回折光が対物レンズに入射し,焦点面で回折光と直接光が干渉して定在波を作り,その模様は接眼レンズで拡大されてお客様の網膜に投影され,光信号が電気信号に変換されて,「おおっ!」というインパクトをもたらしている頃だと思います…。
こんかいは新規のお客様を優先したのですが,当サービスのお客様は皆さん本当に協力的で,お陰様で18名ものお客様に新たにバルバドス放散虫をお届けすることができました。お申し込み頂きました方,今年は見送って頂いたお客様,どうもありがとうございます。こうして皆様に支えられながら,当サービスの一年も暮れようとしています。
真の意味での新規のお客様は2名でした。ほかの方々はすでにJシリーズをお持ちの方がほとんどでした。それほどまでに当サービスのリピート率は高く,一度Jシリーズを覗いたら離れられなくなっている方々がたくさんいらっしゃいます。有り難いことです。
まだJシリーズをお持ちでないお客様,Jシリーズというのはそれほどまでに魅力的で中毒性のあるものかもしれないので,ぜひ手にして,実物でしか味わえないきらめきの世界に入り込むか,怖いからパソコンの画面でみてガマンするか,じっくり検討してくださいませ…。
ことしの仕事はまだ終わらずに来月も当面,残りのたくさんの仕事を片づけることとなりそうです。バルバドス放散虫は今後も供給できるように努めますが,それほどの数はできないという点は何卒お許しください。新たに製作した,敷き詰め系の放散虫スライドは大変好評でしたが,多量のサンプルを消費するので,これも貴重品です。珪藻と違って,放散虫はよい試料を大量入手というのが難しいのです。
今年もそろそろ終わりです。来年も皆様の顕微鏡ライフが素敵なものになりますように(画像/MWS)。
2017年12月30日
このワンダフルなティッシュはもったいなくて使えません… わうわう〜 (画像/MWS)。
2017年12月29日
「…えーっと」
「わんこ切手買いに来た?」
「そうそう。ある?」
「あるわよう〜」
「じゃ,6シートずつ」
「はーい。6ね」
「これね,説明書きがあるのよ」
「こっちが子どもでこっちが親」
「親子でセットなの」
「おおっ,これはすごい」
「ちょううれしい〜」
こうして中年オヤジは郵便局でAさんからわんこ切手を入手し,うれしくたのしい一日を過ごしたのです。10月のある日のおはなしでした(画像/MWS)。
*1 なんでわんこ切手をそんなに買うかって? そりゃわんこを眺めている方が気分がいいからだよ。同じ印刷物で,ほぼ等価交換可能な価値があるならば,福沢諭吉よりわんこが印刷されている方がイイに決まってるじゃん。まったく比較にならないくらいわんこの方が素敵だね。
2017年12月28日
前日のすいみん不足を解消し全速前進で作業を進めた結果,個人のお客様の発送分は27日16時頃に処理を終えました。明日から明後日にかけて日本全国に配送されますのでお待ち下さい。すでに帰省された方,間に合わずにすみません。年明けにお楽しみいただければと思います。研究所,法人様,大学等の方,リサーチグレードを一緒に申し込まれたお客様はもう少しお待ち下さい。まだ作業が山積みになっております…。
発送は最高の仕事をすることで定評のある郵便局から差し出しました。ここのAさんにはいつもお世話になっていますが,ほんとうに惚れ惚れとする仕事ぶりで,その流麗なむだのない動作,どんなにもたついたご老人がいても決して急かすことなくゆっくりと対応し,それでいて後ろに並んでいるお客様もにこやかに次々とさばいていくマルチタスクな動きは,筆者の郵便局人生でもほかに見たことのない,ほんとうに素晴らしいもので,彼女の動き・動線を一日中でもみて学びたい,そう思うくらいです。
当サービスの開業前後は,どこの郵便局にしようかと最寄りのところなども使っていましたが,あるときAさんのいる郵便局を使ってみて,そこでEMSを出してみたところ,あまりの素晴らしい対応に一気にファンになり,以後10年以上使い続けて現在に至るのです。レターパックなどを買うと,ちょっとしたものを忍ばせてくれることも多く,細やかな気遣いながらもお仕事を楽しんでいる様子が伺えて,一流の人というのは何かが根本的に違う,そう思わされ続けています…。
この郵便局,バルバドス放散虫を発送するのには申し分のない立地です。なぜって? それは近くの喫茶店が,きょうの画像のようなお店なのです(画像/MWS)。
2017年12月27日
超高級プレパラートJシリーズは,その超絶な技巧的部分で評価を頂くことが多いのですが,この製品を成立させているのは技術の複合体であり,単に並べる技術というわけではありません。中でも最重要なのは『拭き』です。これができなければどんなに素晴らしい試料があったとしても,完全黒バックの宇宙空間に物体が浮いているような標本はできません。そしてこの『拭き』こそが,技術的には最難関なものではないかとすら思います。
きょうの画像は出荷に向けてバルバドス放散虫Jシリーズを清拭したときのもの。出荷分の三十数枚を拭くのに6時間を要しています。観察時間やラベル確認,容器の整理などの時間も含みますが一枚拭くのに数分から十分近い時間がかかっている計算になります。そしてこれはおそらく,かなりの速度なのです。慣れない人が行えば,6時間どころか,12時間拭いても作業は終わらないと思います。なぜなら,拭けないからです。拭き作業をするためには,それが可能な室内の状態を作ることが重要で,粒子の落下状況を見ながら作業環境が整ったかどうかを判定… そこから仕事がはじまるのです。
ということで,全力で作業を進めておりますが,まだ出荷に至っておりません。寝不足も手伝って作業のペースが落ちており,間違いが起こらないように無理をせずにゆっくりやっております。お待たせしてしまい済みませんが,いましばらくお待ち下さい(画像/MWS)。
2017年12月26日
第12期Jシリーズ(バルバドス放散虫)の販売を予定通りに行うことができましてほっとしております。今年はとにかく時間がなく,また睡眠障害が冬場に入っても改善することがなく苦しい日々が続いていました。しかし仕事でそれを跳ね返さなくてはなりませんので,全力を注いでプレパラートの製作を行いました。
きょうの画像はご注文頂いているときのようす。どれだけ皆様をお待たせしてしまったかということと,また皆様のJシリーズに対する期待が『速度』に込められていて,申し訳ないと思う一方で心から感謝の気持ちが沸き上がります。ありがとうございます。
webサイトを更新するときは,大変なストレスがかかります。一年の仕事の集大成がそこにかかっているからなのか,単にFTPでサイトを更新するだけなのに,血圧は上昇,心拍数は全力疾走しているときのようになります。これから起こることを予測して身体が臨戦態勢になるようです。
そして更新一分後からメールが舞い込み,次々とメールに返信をつけて,今年も皆様とやりとりできる喜びを噛みしめながら,血圧は安定していき,脈拍ももどってきます。あとはお客様一人一人に返信をして,厳しかった今年の作業も残りわずかと安堵して,発送作業へと向かうのです…。
これから順次作業をすすめて参りますので,ご注文頂いたお客様は,のんびりとお待ちいただければと思います。年末年始を放散虫でお楽しみいただけるようにがんばります…(画像/MWS)。
*1 ちなみに,この注文速度は例年の1/2ほどでした。例年は新規優先タイムを設定していませんので,最初から激戦に突入して最初の4,5分で大きな勝負は決まります。
*2 それにしても不思議です。なぜこれだけの情報をざっと見て,1分で注文完了できるのか…。とても信じられません。
2017年12月25日
第12期Jシリーズ(バルバドス放散虫)を次のリンク先より販売開始致します。
バルバドス放散虫Jシリーズ
・バルバドスの注文は初回か否か
・氏名(フルネーム)
・郵便番号
・住所
・電話番号
・希望するJシリーズ
以上の項目をご記入の上,メールでお申し込み下さい。なお最初の約30分間はバルバドス放散虫初回購入の優先タイムとなります。すでにバルバドス放散虫をお持ちのお客様は,販売状況を眺めつつ,抽選の気分でご利用いただければと思います。どうぞよろしくお願い致します(画像/MWS)。
2017年12月24日
Jシリーズ(バルバドス放散虫)は現在のところ,予定通りに24日夜20時頃から販売ということで準備が進んでおります。もし20時30分までに更新がなかった場合,ネットや不測のトラブルですので,アナウンスの上で販売を延期します。また,販売開始が遅れた場合は,販売開始から30分ほどが新規のお客様(バルバドス放散虫を持っていない方)の優先タイムとなります。
今回は,写真用・入門用に並べたもの(画像一枚目),敷き詰めて一面に放散虫が広がるニセ散布スライド(画像二枚目),放散虫をぎゅうぎゅうに詰め込んだ博物館・科学館展示クラスのプレパラートを製作しました。基板とカバーグラスはD263系ホウケイ酸ガラス。精密ろ過した超透明封入剤で,どこまでもクリアな視野が楽しめます。価格は10周年記念ということで,従来据え置きまたはセール価格にしています。
どうかみなさま,一切の夾雑物なく『本物の姿』をお届けするJシリーズ放散虫をよろしくお願い致します(画像/MWS)。
2017年12月23日
今回のJシリーズ(24日の20時頃販売開始)についても,受付方法はいままでと同じです。メールでのみの受付で
・バルバドスの注文は初回か否か
・氏名(フルネーム)
・郵便番号
・住所
・電話番号
・希望するJシリーズ
を記してお申し込みください。今回は最初の30分は,まだバルバドス放散虫を持っていない方優先とさせていただきます。販売状況の欄には,優先注文確定の場合と,仮予約(常連さんのお申し込み)の場合,常連さんの注文確定の場合で分けて表示をする予定です。
いつもは最初の4分くらいに注文が殺到して大変なことになるのですが,今回は,抽選が当たればいいやくらいのお気持ちで,多少の余裕をもって注文いただければと思います。もちろん,何が何でも最初の一枚を手に入れるんだという方は,お早めのお申し込みが必要ですが…。
きょうの画像は渾身の力を振り絞って,毎日朝から深夜まで顕微鏡下での作業を続けた成果。まだまともに検鏡もできていないのに,注文が入れば出荷されていくのです…。じつに売りたくない,いつまでも手元に置いておきたい。筆者にとってJシリーズとはそういう代物なのです(画像/MWS)。
2017年12月22日
【お知らせ】
バルバドス放散虫のJシリーズは,24日の日曜日,20時頃からの販売といたします。今回は,約30枚程度の販売となります。
申し込み方法は先着順で,しかし最初の30分間は,まだ『バルバドス放散虫Jシリーズ』を持っていない方の優先タイムとさせていただきます。
バルバドス放散虫Jシリーズを持っていない方,というのは,ほかの放散虫Jシリーズや微化石セットはお持ちでも構いません。
すでにバルバドス放散虫をお持ちの方は,最初の30分は仮予約となります。30分経過して優先注文が入らなければ注文確定とします。
事務作業の繁雑さ,web更新の問題,入札価格の誤認問題などを考えると,リアルタイムで処理した方が安全ですので,このような方式にさせていただきます。
いつもご支援下さる常連の方々には誠に申し訳ありませんが,多くの方にJシリーズが行き渡るよう,ご理解ご協力をお願い致します。
今年はバルバドス放散虫100%で製作しました。供給されることが滅多にない希少なスライドで,非常に高い品質のものを低価格でご用意致しますので,この機会にご利用いただければと思います。今回は博物館・科学館展示クラスの,写真用よりは直接目で見るためのデザインを重視して製作しています。なるべく詰め込んだものをつくり,放散虫が賑やかに見えるようにしています。
また展示用とは別に,入門用・写真練習用(深度合成など)に適した,個体を離して配置したものも製作しています。こちらは低価格で販売できるよう努力しています。
きょうの画像は中程度の大きさの標本。バルバドス放散虫のぷっくりとしたコントラストを雄大に楽しめます(画像/MWS)。
2017年12月21日
ここのところ掲載している画像は多忙ゆえの手抜きの極みで,簡易顕微鏡に拡散板の透過照明という代物。一応はきちんと写っていますがJシリーズの真価を伝えるには不足気味です。そこで上面からも照明を追加して透過光による透明感と反射光によるキラキラ感を同時に表現すればこの通り。ガラス質の放散虫骨格,その構造の妙が得も言われぬ光の加減で表現されています。バルバドス放散虫は骨格がしっかりしているものが多く,簡易顕微鏡でもびっくりするほどよくみえます。もちろんレイメイのRXT203でもバッチリですし,デジタルカメラのマクロモードでも存在はわかるでしょう。顕微鏡をこれからはじめる人にも好適なのです。大きな画像は こちら にあります。画像を見ただけでもなかなか狂っています…(画像/MWS)。
2017年12月20日
これは多量の放散虫を敷き詰めたニセ散布スライド。放散虫を散布しても隙間があくのですが,そこにフリーハンドで放散虫をはめ込んでいって敷き詰めます。大変な作業ですが,完璧な個体にこだわることなく製作できるのがメリットでもあります。きっちり詰まっているので高倍率で眺めても賑やかさがあるのも魅力です。画像のものは直径約4mmの円形にまとめています。
このようなスライド等をそろえて,24日の夜に販売できるよう作業を続けています。今回は,ゆっくりお選びいただくために,入札制にしようかと考えています。開始価格を低く設定して競争相手がいなければ安価に入手できるチャンスができます。また即決価格を設定することによって,価格にとらわれずに入手したい人を優先することもできます。
例年の早いもの順方式も魅力なのですが,ネットやパソコンの条件に依存してしまうので,毎回不利になる方々がが出てきてしまいます。その点は改善しないといけないと思っております。いろいろ悩んでおりますので,もうしばらくお待ち下さい(画像/MWS)。
2017年12月19日
何とか修理を完了。難しかった…。三枚のガラスを完全に組む方法が見あたらず,顕微鏡下で慎重に接着しましたが,10μmちょいの段差が発生した部分もありました。実用上は100点の修理内容ですが,技術的には80点くらいでしょうか。こういうことにこだわるのは職人の悪いクセではありますが,しかし修理というのは可能な限り完全に行いたいものです。破断面をぴったり合わせ,補強板を密着し,割れ,欠けのあるエッジをラバー砥石で全て研磨。補強板は青板の0.9mmから切り出して整形。もちろん縁磨きにして面取りも行ってあります。スライドグラス裏側に発生した段差は回転砥石で削り下ろして角を丸めてあります。単にガラスを貼り合わせる修理ですが,たっぷり半日かかりました。工賃的には東京−仙台を新幹線で移動するくらいの修理費になりますね…,コレは(画像/MWS)。
2017年12月18日
久しぶりに修理品が入荷。ハンドリングを誤り割れてしまった模様。セロテープで補強されていましたが,そのまま使うのは無理があります。同じ使い勝手で完全な強度を出すように修理を試みます。画像は適当なスペーサーを作って高さをあわせ接着を行う方法を模索しているところ。この手の破損は破断面の接着では強度が出ないので補強板を貼り付ける必要があります。しかし補強板をつけると平面性の確保が難しくなる上,対物レンズの逃がし距離やスライドケースに収める厚みの問題など,いろいろ考えることがあります。単に割れた面の修復ですが,実用上完全に問題ないように直そうとすると,とんでもなく難しいのです(画像/MWS)。
2017年12月17日
きょうはABC予想に関するお祝いの言葉でも書こうかと思っていたのに時間がありませんでした。。朝から休みなく作業を続けて夜中になってしまいました。ということで「本日の画像」だけを更新。バルバドスっぽい放散虫を選別して並べたスライド。これの製作に全力投入中です…が,一日に一枚だけのことも多く,我ながらなんて難しい仕事をしているのかと呆れます(画像/MWS)。
2017年12月16日
放散虫を並べるときは,なるべく良好な個体を選ぶようにしていますが,多少の割れ欠けは存在します。そもそも生きているときはどんな格好の骨格構造だったのかわからないものも多く,その意味ではほとんど全て壊れているのかもしれませんが…。きょうの画像は割れ,欠けの例。どこかが欠けて飛んでいたり,穴があいていたりすることもあります。うまく割れれば内部構造が見えたりして,割れていても価値が上がるように思われるものもあります。
それにしても,画像一枚目の放散虫。はじめて気が付きましたが,中心部は同心円に見えるのに途中からうずまき構造になっている…。うずまき構造の方が外骨格を成長させるのに都合がよさそうですが,だったらなぜ中心部は同心円なのでしょう。その答えはきっと,それが放散虫という生き物,という感じでしょうか。球状放散虫のDNAがどこかで生きているのかもしれません。素人の想像ですが(画像/MWS)。
2017年12月15日
目の前いっぱいに広がるリアル放散虫の世界… これは19世紀の研究者が体験した驚きをこの目で確かめられるプレパラートかもしれません(画像/MWS)。
2017年12月14日
当サービスの誇るJシリーズは全て一点ものの手作業による製品です。あらゆる作業を筆者の手がこなします。ラベルもこのように印刷してハサミでチョキチョキしてFontaxのピンセットを使って貼り付けているのです。。全行程の作業量は膨大なものなのですが仕事中は淡々とこなしていくしかありませんし,目の前のことに集中しているので「膨大」などと意識することすらありません。しかしラベルの印刷は別です。そこに並んだ数字をみて,本当にこんなに作れるんだろうか,身体がもつのだろうかと恐怖に近いような感情がわき上がります。でもこのラベルも使い果たす日がくるでしょう。それがいつになるのかは自分でも分かりませんが…(画像/MWS)。
2017年12月13日
プロの放散虫屋さんがこの画像を見たら,何かか違う…ことに気が付くだろうと思います。背景をみても重なりがありません。それでいて個々の放散虫は接するくらいに詰まっています。こんな散布スライドは作れません。部分的にダンゴになった部分を検鏡すればこのようなところもありますが,数ミリ四方の面積では不可能でしょう。固定剤にうまくくっつくように散布しても,最密構造になる感じで埋まってくれません。
…ということで,これは散布スライドのようでいて,並べているのです。最初の材料はごっそりとぶちまけるのですが,そのあとに整形していって重ならないように,きちんと詰まるように,豪華に見えるように,バルバドスっぽくなるようにと組んでいくのです。。こんなものも製作しています。じつに賑やかな眺めです(画像/MWS)。
2017年12月12日
いろんな産地の放散虫が混ぜ混ぜしてある場合は,あまり深く考えずに多種類を並べていくという作業になることが多いのですが,バルバドス放散虫のように決まった産地のものはそうはいきません。種の選択を誤ると,「それっぽさ」が薄まるのです。ことしは比較的多めに並べたものを作るよう努力していますが,並べる作業時には,「バルバドスっぽさ」をどうやったら表現できるかと頭を悩ませることになります。きょうの画像はその成果の一つ。これなら一目見てバルバドスっぽいと,専門家が見ても思うに違いありません(画像/MWS)。
2017年12月11日
破損の少ないきれいな個体は少ないことが多く,たいていは何倍もの壊れた個体が存在しています。それらの中でも程度の比較的よいものを集めて並べれば,けっこう見応えがあるような気もしますので作ってみたものがきょうの画像。この放散虫は銀細工にもなるほど有名なものらしく,人気があるらしいです。たくさん並んでいれば,骨格構造の理解に役立つかもしれませんし,気に入った個体を深度合成で撮影するなどという用途にも向いているかもしれません。完全な個体一個だけのマウントだと,表裏2つの方向からしか見えませんので…(画像/MWS)。
2017年12月10日
球状放散虫の内部構造は何重もの骨格構造に阻まれてふつうは見えません。しかし膨大な数の試料をかき分けていると,絶妙に壊れて中身がちょうど見える個体が見つかります。こういったものを瞬時に見分けて在庫にする訓練を積んだ結果,ある程度の数を確保できるに至っています。こういった秘部が見えるものも幾つかは供給できるよう全力で作業を進めています(画像/MWS)。
2017年12月9日
バルバドスの放散虫化石は石灰質の堆積物に埋もれていて全体泥まみれという感じです。有機物も多少残っていて,酸処理や過酸化水素で処理した程度ではきれいになりません。それで,あの手この手で様々な強力な処理を施して何とかきれいな放散虫に持ち込んでいます。化石の保存状況はもともとあまりよろしくありませんが,処理を加えることでさらに放散虫が壊れているものと思われ,歩留まりは最悪になります。しかし破片も集めてみればこのとおり。部分的に壊れていても汚れが残っていても,一目見てバルバドスだなあと思う種構成がはっきりとわかります。腐っても鯛,壊れてもバルバドス放散虫なのです(画像/MWS)。
2017年12月8日
バルバドス放散虫を販売することにしたのは効率を重視してのことであります。試料の準備状況などの話は昨日書きましたが,もう一つ重要なことがあって,製作後の撮影にかかる手間です。標本製作そのものの時間は珪藻も放散虫もあまり変わりません。放散虫は厚く封じるのでエイジングに大変気を遣いますし,厚みの分だけコンタミの危険性が増して面倒な面もあります。しかし撮影は珪藻と比較すると圧倒的に楽です。中学校などに置いてあるような学習用顕微鏡を改造した簡易撮影システムで十分に放散虫らしさは表現できます。珪藻の場合はバイオフォトやオプチフォトを使って細心の注意を払い,暗視野での表現を試みますが大変な手間になります。撮影の手間を減らせば,それだけ標本製作に集中できるので放散虫に取り組むことにしたのです。あとは大方針を決めることですね。「ことしはこうする」と決めてかかれば,覚悟もできてえいやと力が出てきます。そうなったらあとはひたすら体力と根性の世界です…。画像は夏に納品した特注品。今回はこのクラス以上のものを多数揃えるつもりです(画像/MWS)。
2017年12月7日
今年のJシリーズは,まだ販売日を決められる状況ではありませんが,24日夜を念頭に作業を続けています。今年の販売品目はバルバドス放散虫が主になる予定です。珪藻を心待ちにしていた方には申し訳なくお詫び申し上げます。すみません。珪藻に関しては年明けには作業に手をつける予定でいます。落ち着いた気分で製作しないとまともなものができないのです。
ことしは標本製作の時間を浸食するような仕事が数多く割り込み,試料の調整や在庫の確保といった作業が全く進まず,珪藻を並べるには準備不足な状態です。放散虫に関しては,昨年の在庫がまだあることと,試料も処理済みのものが1/3程度残っているので,これらを使えばある程度の数を確保できるものと思い,秋の終わり頃から作業を続けています。
まとまった数ができるかどうかはまだわからない状況です。深夜まで顕微鏡作業の日々ですが,とにかく時間がかかるので,終わってみないとどのくらいの数になるのか読めないのです。
試料は昨年と同じものを使いますので,同じ種組成のものを供給できる見込みです。新しい点としては,基板を特注したことです。表面状態が良好で丈夫な基板は市販がないので,マツナミさんに特注でホウケイ酸ガラスでスライドグラスを作ってもらいました。D263系のガラスで,ツァイスのハイパフォーマンスカバーグラスと同じ素材のものです。100枚単位の注文で,ウン万円もする大変なものですが,少しでも良好なもの,耐久性のあるものを作るために挑戦してみました。
いまはこんな状況です。進展がありましたら本ページで報告致しますので引き続きご覧いただければと思います。きょうの画像は残余の試料。ここから破損の少ないきれいな放散虫を拾って溜め込んでおき,千〜数千個体集まったら封入作業となるのです(画像/MWS)。
2017年12月6日
羽生善治さんが永世七冠を達成した。これがどのくらい大変なことなのかは,それを形容する言葉がない。
筆者は学生の頃から羽生さんのファンで,将棋は並べる程度しかできないけれども,彼の活躍をいつも楽しみにしていました。当サービスを開業してからは,パソコンをつけっぱなしであることもあって,棋戦の中継ブログなどを眺めながら楽しんできました。その結果,羽生さんばかりでなく全力で戦うどの棋士にも魅力を感じるようになりました。
なぜ学生の頃から羽生さんに親近感があったのかというと,当時は八王子に住んでいたのですが,羽生さんも八王子にお住まいでした。ご自宅の正確な場所は知りませんが,2kmも離れていない程度の比較的近くにお住まいで,筆者が裏山を散歩してきのこを探したり,北浅川の流れで涼んでいたりしたポイントのすぐ近くが羽生さんのご実家だったわけです。年齢的には二年下で,もし同じ高校だったら筆者が三年の頃に羽生さんが一年という関係だったわけですが,残念ながら高校は違いました。筆者はM高校,羽生さんはF高校でした。
高校当時は月間1000kmを目標に自転車で走り回っていて,陣馬街道や甲州街道方面もよく走っていたので,同じく自転車で棋戦に通っていた羽生さんとどこかですれ違っていたのかもしれません。同じ土地に住んで同じ空気を吸っているとなんとなく親しみを感じやすい気がします。羽生さんの住んでいた八王子のご実家は,周辺を山に囲まれて自然の豊かなところです。そんなところで将棋に打ち込んだのもプラスに働いているのかな,と思ったりもします。
きょうの画像はそんな話題と関係があるのかないのか,羽生さんの通っていた高校の最寄りにあるパン屋さん。羽生さんは棋戦での夕食にクラブハウスサンドを頼むことが定番の一つ。きっと高校生の頃も,このお店で惣菜パンを買って,オレンジジュースをごくごくと飲んで,棋戦を勝ち抜いていったのかな…などと想像してしまいます。竜王獲得,永世七冠,心よりうれしく思います(画像/MWS)。
2017年12月5日
「顕微鏡」写真というのはむずかしい…。こちらを眺めてから撮影してみるとホント腕のなさをひしひしと感じる…。切り取る力がないのです。やはり珪藻の撮影などと一緒で,顕微鏡自体を何度も眺めて構図を考えないと,あのような作画はできないものらしい(画像/MWS)。
2017年12月4日
近所でミネラルが大量に展示されているショーをやっていたので日曜午後のお買い物タイムにしました。世界中のミネラルが並べられているので眺めているだけでも面白いのですが,気分的には仕入れにいっているような感じ。買う物は決まって光学と関係ありそうなもの,または放射化学と関係ありそうなもの,研磨と関係ありそうなもの,という感じです。きょうの画像はお買い物の一部ですが,複屈折か蛍光か異常分散かといった材料ばかりです。ほかに水晶も買いました。
ことしは方解石が豊作でした。ここのところずっと,高透明のオプチカル方解石がほとんどなかったのですが,今回はけっこうな数出回っていて,価格は高止まりのままですが物にはありつけました。それでいったい何個目なの?という方解石のお買い物。大きな方はスゲェお値段でしたが,まぁ勉強材料と思って連れて帰りました。方解石の用途はと問われると,研磨,観察くらいなのですが,方解石研磨から得られた経験は得難いもので仕事上も大いに役立っています。こんな石ころ一つでたくさんの技術や知識が得られるので筆者にとっては買ってトクする材料なのです(画像/MWS)。
2017年12月3日
照明による色の違いの例を示せる画像を探してみたところ見つかったものがきょうの画像。上の画像はハロゲン照明で撮影したChaetocerosのなかま。下の画像はLumiledsの白LEDで撮影したChaetocerosのなかま。両者とも色素体の色は同じなのですが照明光の違いによって色再現に差が出ています。昨日掲載した画像のように,連続スペクトルで照明した画像では茶色系統の赤色を含む色,白LEDの偏ったスペクトル分布で撮影したものは緑色系統の感じになっています。もちろん,上の茶色の画像が正しい色再現なのです。
現在ふつうに入手できる白LEDはもう少しまともな波長分布になっていますが,それでも珪藻の色再現という意味では赤が足りず不十分な気がします。ので,そういった偏った照明を使った場合は,あまりにもおかしな色にはならないように色再現に気を遣いつつ本ページに掲載するのです(画像/MWS)。
2017年12月2日
きょうの画像に写っているのはカメラ用あるいは照明用のガラスフィルタ。色温度等を調整するもので,輝線スペクトルのある領域を吸収する特性を持ったものです。画像一枚目はタングステンランプで撮影したもの。画像二枚目は蛍光灯(昼白色+電球色の混合)で撮影したもの。色再現が全く違うことがわかります。どちらが正しい色かと問われたら,タングステンランプで撮影した一枚目と答えるでしょう。なぜなら,画像二枚目の色再現は,蛍光灯の異常な波長組成の光により生じたものだからです。
じつはこれと似たようなことが珪藻の色素でも起こります。これほど極端ではありませんが,照明に使う光の波長組成がおかしいと,色が抜けたように見えることもありますし,茶色のはずが緑っぽく見えることもあります。逆に高演色のLEDを使うとびっくりするほど赤が強調されて鮮明に見えることもあります。そのような現象が起きてしまうのは,クロロフィルの吸収スペクトルが,干渉フィルタ並みに急な立ち上がりを持っていて,マルチバンド吸光フィルタのような感じになっていることが一つの原因です。クロロフィルは色素タンパク複合体として細胞内に存在するので,有機溶媒中のような吸光特性を示すわけではありませんが,類似性は残ります。
そのため,例えば安価な白LEDで照明すると色素体がおかしな色に見えてしまい,正しい色の理解を妨げます。色は主観的なものですし,パソコンのモニタやプロジェクタの状態によっても変化します。しかしだからといって輝線スペクトルでの照明や,著しく偏った白LEDの照明で色がおかしくなっているのにそれをそのまま掲載するのは,かつて珪藻をすり潰して色素分析して分光測定していた者としてはレベルが低すぎるような気がする…のです。きょうの画像二枚目の色を正しい色だとして掲載しているような気分になるのです。そういうマズイことを知らず知らずのうちにやってしまうとよろしくないので,タングステンやデーライトを使っていないときには,色再現を気にするのです。
書籍出版用に顕微鏡写真を撮るときは,生きている細胞を焼き殺す可能性があったとしても,LED照明は使わず,ハロゲンランプに断熱フィルタを何枚も重ねた照明で撮影します。ずかんプランクトンの東京湾のプランクトンや,絶版一周年記念の書籍に掲載されているピンヌラリアはハロゲンランプを用いて撮影しています(画像/MWS)。
2017年12月1日
この画像に写っている主なものは平べったい放散虫と丸っこい放散虫です。在庫の一部ともいえますが,ほかの用途に使っていて,それはスペーサーなのです。世の中のどんな封入剤も,固まっていくときにやせていきます。このとき,やわらかい封入剤なら大きな空洞ができてしまったり,カバーガラスの片方から大きく空気が入ったりして面白くないことになります。ので,こうしたことが起こらないように選んだ封入剤を使って,収縮分も見込んでたっぷり盛っておくわけです。ところが今度は,収縮により封入の厚みが小さくなっていくときに,ガラスでサンドイッチされた放散虫に圧力がかかり割れてしまう,といったことが起きます。大変よくない現象です。
そこで,予め封入剤の厚み分のスペーサーを固定しておき,それから封入剤を流すようにすれば,封入剤が縮んでいったときにもスペーサーの効果でそれ以上縮むことが防止され,放散虫を守れるというわけです。厚みを微調整してスライドグラスとカバーグラスの平行を保つという光学上,重要な役目もあります。ところが実際はそれほど甘くはありません。スペーサーが固いと,こんどはスペーサーに応力集中が起こり,スペーサーの周囲から剥離が起こるのです。。
初期のJシリーズでスペーサーに砕いたカバーガラスを用いたものがありますが,これはカバーガラス周囲が剥離の可能性があります(全体の剥離はおきにくいのでそのまま使うことはできます)。これらの様々な経験を通じて得た結論は,ある程度の支持力をもちながらも,大きな力がかかった場合はつぶれるスペーサーが好ましいということでした。
きょうの画像に写っている放散虫たちは,スポンジ系にしろ球形のものにしろ,大きな力で潰れてくれるので,スペーサーとして採用となったのです。他にも種々のものを試しましたが,望むサイズで取扱が容易で,調達もある程度できる,となると選択肢がほとんどなく,中山層の放散虫化石から拾ったスポンジ放散虫をメインにしています。
スペーサーにしては超高級品です。何しろこれを作るだけでも途方もない時間と労力を要するのです…。Jシリーズにはこんなものがさりげなく仕込まれていたりするのです(画像/MWS)。
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