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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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お知らせ
 

仕事が飽和しているため,納品等が遅れております。現在のところ解消の目処はたっておりません。すみませんが,短納期のご希望には添えないことがありますことをご承知下さい。






2019年2月28日






お庭に池があって,こんな生き物がいつでも入手できるというのは素晴らしい。筆者もバルコニーには原生生物入りのペットボトルがつねに数本〜10本くらいは並んでいるんだけれども,都区内の温度変化は激しく,数リットル程度の小さな水界では,その変化に耐えられる生き物しか残らないんですよね…。原生生物のプロが見れば,ミドリゾウリムシもクンショウモも,環境変化に強い生き物だろ?と言われてしまいそうですが,都心マンションの南バルコニーは,水温45℃もあり得る世界ですから,光合成生物にはつらいのです。温度が上がらないように遮光すれば,光エネルギーがなくなります。それでいて,夏の水温は35℃越えは珍しくありません。旧来の日本の生き物には厳しい環境なのです(画像/MWS)。








2019年2月27日




物体に色がなく構造情報だけ欲しいのなら,照明は単色にするのが顕微鏡写真撮影のセオリーです。フィルターを使ってもいいのですが,位相差や微分干渉で,さらに拡大投影する場合は暗くなりすぎるので,パワーLEDが有効です。LEDは単色で光っているので,3〜5Wの消費電力でも,50Wハロゲン+干渉フィルターよりも波長純度がよく明るく照明できることが多いです。特に緑より短い波長では有効です。

写真はダイアフォトに緑パワーLEDで照明してDIC観察しているところ。ダイアフォトは15年くらい前にLED化しましたが,そのときは主にタイムラプスで生物を撮影していたので,熱カットの意味もあってLEDを使っていたのでした。現在では単色光で構造を狙うことが多いので,白LEDはあまり使わなくなっています(画像/MWS)。








2019年2月26日




こんな一枚の看板でこれだけのインパクトを与えられる店主はきっと頭がいいのだと思う。筆者のようなヘタレはこういった看板を見ると,ますます入りづらくなるのだけれども,逆に,おもしろそーと思う人もいるわけで,差し引きすればプラスの結果が残るでしょう。そんなことも織り込み済みなのでしょうね。こういうのを見ると,商売ってセンスなんだなーと,今更ながらに思うのです(画像/MWS)。








2019年2月25日




これは私有地の池の水に入っていたミドリゾウリムシ。収縮胞が二つあってクロレラっぽいものがたくさん入っていて,それらが細胞内でぐるぐる回転しているので,まぁミドリゾウリムシでよろしいかと。このクロレラたちに光合成を行わせて栄養をもらっているならば,何も食べなくてもよさそうなものですが,実際はいろいろ食べるようです。左の個体は珪藻を食べた証拠がはっきりと写っています。クロレラもうまいけど珪藻もうまい! のでしょうか…(画像/MWS)。








2019年2月24日




土曜日はコンデンサの緊急オペ。手持ちのPhL〜Ph4対応コンデンサのPhLが,CF Plan4xDLのフェーズプレートに不適合なことがわかり,適合する環状絞りに交換するという内容。ニコンのコンデンサは少しずつ改変が加わっていて,80年代から90年代のどこかで,位相差顕微鏡の環状絞りもガラス板に遮光板を貼り付けたリング絞りから,金属の薄板による連接部分のあるリング絞りに変更になっています。もちろん前者の方が光学的には高性能なのですが,製造コストの問題があったのでしょう。

この改変の過程で,PhLのサイズが変更になっていました。変更後はPhL2という名前で,これがNCFに適合のようです。初期のPhLはCF対物に適合します。

限界付近でのイメージングというのは非常に微妙なもので,きわめて弱い位相差を可視化しようとすると,Ph1では見えないのにPhLでは見える,といった現象に出くわします。照明コヒーレンスと位相差効果,カメラの最適S/Nとなる照度,波長などのバランスでそういう現象が起こるのです。このため当サービスでは,限界付近のイメージングが常にできるように機器整備をしています。それで,PhL2では困り,PhLがよいということが起きたりするのです。

移植術はまずPhLを外すところから始まります。ガラス板が接着されているのですが,これは溶剤で接着を緩めてからプラスチックの棒でゆっくりと押して外します。残った接着剤を溶剤で入念に拭き取ります。次にPhL2を外すのですが,これは溶剤では接着が溶けませんでしたので,小型の刃物で接着剤を削り,接着面積を最小に追い込んだあとに,PhL2の金属板を周辺から押してみて,徐々に剥離します。失敗すると変形してもとに戻らなくなるので慎重な作業が必要です。

両者を外すことができたら,あとは患部をよく清拭してから移植を行えばOK。このあとに,PhLを外した方のコンデンサには,フルNAが活かせる開口部があるのでそこに拡散板を取り付けました。PhLが使えなくなった代わりに,拡散板偏斜照明機能を持たせて,コンデンサとしての機能アップを図りました。移植が終了したコンデンサの方には,取り外した絞りを貼り付けて紛失防止としました。

大した作業時間も必要とせず無事に移植術は成功。これで手持ちの対物レンズでストレスなく位相差検鏡ができ,PhLでの限界的なイメージングも引き続き可能になりました。こうして,少しずつだけれども,顕微鏡システムが拡充していくのはうれしいものです(画像/MWS)。








2019年2月23日




東京都区内,それも山手線の内側となると,自然などというものはほぼ存在せず人工物が敷き詰められた空間になります。そんなところでプランクトンを探そうにも,そもそも池や川がありません。川はコンクリートのカミソリ護岸のように切り立って水面に近づくことは不可能ですし,水は多少浄化されたとはいえ,基本的には下水処理水が流れているところも不満。公園には池があるところもありますが,たいていはロープが張ってあり近づけないようになっています。わき水があるところもありますが,たいてい,デッキブラシが定期的にかけられて貧相な生物相…ということになっていたりします。

そういうところで水の中の生き物を探すにはちょっとした努力も必要です。きょうの画像は私有地の池の水に入っていたクンショウモの仲間。ピント面がそろっていて形が整っていてじつに見応えのある生き物です。私有地の管理人さんが理解のある方で,筆者が顕微鏡観察用に試料を使うこともわかって下さっているので,じつに助かります。この池ではクンショウモとセネデスムスが常に見られ,量もそこそこ多いです。水草も生えていて小魚も泳いでいる,筆者にとっては子どものころに親しんだ郊外の池という感じです。分けてもらった水を大事に保存して微生物の世界を楽しみたいと思います(画像/MWS)。








2019年2月22日




スライドメイラー(5枚用)は2種類あるようだ。初めて知った…。当サービスでながねん使ってきたのは左のタイプなのだけれども,右のように半透明で中身を確認しやすいタイプがアズワンで取扱の模様。大きさもほぼ同じですし,機械的強度はやや左の方が上の気もしますがほとんど変わらない感じです。スライドメイラーはこれまで1000個くらいは使ってきた気もしますが,同じタイプでほかの種類があるなどと考えたこともなく,少し反省なのでした(画像/MWS)。








2019年2月21日




顕微鏡業界には七不思議というか謎というか,よくわからないことがいろいろあります。カタログや価格表についてもいろんな謎があります。まずカタログは10年くらい前までは,PDFをダウンロードしようとすると,会社名や部署,連絡先や電話番号など細かな入力を求められ,それを満たさないとダウンロードできないということが平然とまかり通っていました。タダで配布できてPRできるのがPDFカタログの強みなのに,まるで販売を拒否しているかのようでした。

さすがにこれではまずいと思ったのか,状況は徐々に改善し,いまでは主要なカタログは誰でもダウンロードできるようになりました。これで,めでたしめでたしとなるかというと,次の関門が待っています。価格表です。顕微鏡メーカーさんは,むかしから,価格を内部情報?として取り扱いたいらしく,価格表を表にだすことをしません。価格表が欲しければ,大学や研究所などの機関から,販売代理店を通じて送ってもらう,という手順が必要でした。1980年代〜90年代はみなそうでした。

これが驚くべきことに,21世紀に入りそろそろ20年も経過しようかという現在でも,同じような状況なのです。社内では価格表はみな電子化されていてPDFを持っているのですが,なぜかこれをwebに出すことをしません。いったいどれほどの人が,価格もわからないものを買おうと思うでしょうか? 販売を拒否しているのか面倒くさがっているのか,不思議としかいいようがありません。

例えばニコンでは,双眼鏡WX,ミラーレスカメラZ7でもオープンプライスのものでも実勢価格はすぐにわかります。だからこそ,購入を検討することができます。しかし顕微鏡の場合は,一般の人が,Ni-Uの微分干渉セットで珪藻を見たい,と思った場合でも,その価格も知ることができませんし,機材の詳細な組み合わせとその価格上の内訳もわかりません。

望遠鏡の業界では,1本50万円の筒でも100万円の筒でも価格を明示しています。そしてそれが売れています。顕微鏡の世界でも,最高級のものがたった300万円で入手できるとわかれば,ポンと即金で買う人など,世の中にはたくさんいるでしょう。300万円は出せなくても,27万円のこのレンズだけでも欲しい,という人もいるでしょうし。

そういう現状があるのに,なぜか顕微鏡メーカーさんは,研究用や業務用の機器に関しては価格を明示しないのです。時価のものなら仕方ありませんが,顕微鏡の価格はここ30年でだいたい一定の傾向で,大きな変動があるものではありません。売り物の価格を示さない,それが普通の顕微鏡業界は,何考えてるの? という気がします(画像/MWS)。








2019年2月20日




だいぶ昔,九州地区の顕微鏡販売代理店の代表さんがお見えになったことがあって,そのときに当サービスの機材もみていただきました。歴代ニコンの古い顕微鏡がならんでいたわけですが,バイオフォト系が完成度が高くて優れているという筆者の意見に対して,代表さんの意見は初代のオプチフォトはよくできている,というものでした。

そのときはあまり深く考えなかったのですが,それから年月を経て様々なコントラスト法でイメージングをする仕事が増え,だんだんと代表さんの言葉が理解できてきた気がします。生物顕微鏡として明視野,位相差,偏光,微分干渉,暗視野,蛍光はもちろんのこと,金属顕微鏡として明視野,暗視野,偏光,微分干渉,2光束干渉もできます。ステージも角形のふつうのものから,回転ステージや2光束干渉用ステージまであります。多様な検鏡ができてコンパクトで光学的に妥協がない。確かにオプチフォトはよくできているといえるのです。バランスがとれているといってもよいかもしれません。

ただ,部分的に見れば,バイオフォトの剛性やステージの安定性は素晴らしいものがありますし,照明装置についても手抜きのない高度な調整のできる機構は他を凌ぎます。オプチフォトは超高分解能のイメージングをやろうとすると,鏡基やステージがフニャフニャしているようにも感じます。このサイズでガチガチの剛性は望むのが無理なのですけれども…。

どこかに,全てにおいてパーフェクトなシステム顕微鏡一式が転がっていませんかねえ(画像/MWS)。








2019年2月19日




これは発送作業で郵便局に出向いた帰りに見かけた相輪。これはちゃんと相輪っぽい格好をしていますし,水煙も伝統に則った形態をしています。宝珠の部分は蓮の花の外観を採用しているようにも見えます。先日掲載した解読不明な相輪とは全く異なるものですね…(画像/MWS)。








2019年2月18日




土壌藻類の入っていたサンプルにはツリガネムシもいました。ほとんど透明で繊毛が写しにくいですが,透過明視野中央絞りで高速シャッターを切ってコントラスト強調をすれば何とか見えます。ツリガネムシの分類は非常に難しくとても素人の手の出せるものではありません。そのことを学生時代に水処理分野の講義で教わりました。それ以来,安心して(笑),ツリガネムシはさっぱりわかりませんと言い続けて今日に至っています…(画像/MWS)。








2019年2月17日




小さな沼っぽいところの浅瀬が緑色に染まっていたのでペットボトルに採水して帰宅。光をあてて放置したところ水面に浮いてくるので,何だろうと顕微鏡で見たのが今日の画像。カッコイイ緑藻のオンパレードを期待していたのでちょっと残念。『淡水微生物図鑑』によればボトリディオプシスが最も近い感じがします。土壌藻類の仲間なのだそうです。なるほどそれで浅瀬の泥っぽいところが緑色になっていたわけですね。かっこいい緑藻ではありませんでしたが,一つ経験を増やすことができてかしこくなったのでした(画像/MWS)。








2019年2月16日




少し前に勝間光学機械(株)の倒産情報が公開になっていた。熱心な双眼鏡ユーザーなら一度は聞いたことのある会社だろうと思います。高い技術力で定評のあったメーカーさんで,板橋光学村グループに属する?会社でもあります。こういった技術ある企業が継続できないというのは世の中の何かが間違っている気がしています。破産手続き開始は残念なことですが,技術だけは何かの形で伝承されていって欲しいと願っています(画像/MWS)。








2019年2月15日




これは珪藻テストプレート用の珪藻在庫。周期構造が明確で使いやすい珪藻を精選してストックしています。このストック,画像からはわかりにくいのですけれども,珪藻を「立てて」保管してあります。このくらい微小な物体になると重力よりも静電引力の勝る世界に入ってきます。珪藻がガラス板に吸い付く危険を考えると,立てて保管するのが安全ですし,取扱上も立ててある方が取り出しやすいです。…などという話をしたところで,誰の何の参考になりそうもありませんがー(画像/MWS)。








2019年2月14日




13日は都内で業務打ち合わせでした。筆者はサラリーマンではないので,呼び出しを喰らう案件などはほとんどないのですけれども,相手先の都合によっては仕事が割り込むこともあります。そういったときでも自由に調整できるのが個人事業主のよいところです。何しろ,何時に寝ても何時に起きても,仕事が進んでいれば問題ないのですから。。 打ち合わせは順調に進み,担当者とも何だか旧知の間柄のような雰囲気で自由に話ができるようになり,多少は仕事の楽しさも感じています。納品完了までは気を抜けませんが…。

きょうの画像はそんな話題とはあまり関係のない倒立顕微鏡。ここのところ追試のイメージング作業が山積みになっており,ほとんど火だるま状態になっています。ダブルカメラの構成にして機材を交換しながら延々とイメージングを続けています。この一週間は室内にこもりきりで,食後の夜の運動もできずといった状態で,きょうの業務打ち合わせで久しぶりに外の空気を吸った感じなのでした…(画像/MWS)。








2019年2月13日




さいきん入荷した本,美しい変形菌(こちら)。なぜこの160ページの写真集が1500円でできるのか不思議な気もします。それほどに写真が充実していて見飽きません。筆者はもともと きのこさんぽ系の人間でしたので,こういった,しっとりとした森の中という感じの写真集は好みです。対象物が小さくて,そしてよく見ると味わい深い色であったりするものを扱っているならなおさらです。

こういった本は手にとってパラパラと眺め,「いつかこんなの見たいなあ」と思っていれば,数年後にはきっと何種類か目にすることもできるようになるんです。その日を楽しみに待つことにしましょう(画像/MWS)。








2019年2月12日




16歳のラブラドールレトリバーちゃんが飼い主にお腹を蹴り上げられるという動画が拡散したというニュースが報じられていた。ラブちゃんはその後,飼い主から引き離されて保護され,保護団体の人に預けられることになったという。まぁ,一件落着で,ラブちゃんは平和な余生を暮らして頂きたいものです。

こういうニュースを聞いて筆者がまずなにを考えるかというと,いろいろあるのですが,ラブちゃんが16歳まで生きていたということは,相当に面倒をよくみていたはずで,ちいさな頃からの虐待の日々ではなかったのでは? ということ。ではなぜ老犬になってから虐待を受けるようになったのかというと,飼い主さんの心身の問題があるのでは? と思うのです。

ちょっとしたことでワンコの腹を蹴るというのは尋常ではない動作で,こういったことを連続して行う人は,易怒性の問題があるように,個人的には思います。その原因としては,ある種のパーソナリティー障害や,双極性障害T型,またSSRIの副作用といったものがあります。そんな雰囲気を筆者は感じるのです。

これらの障害や病気を抱えた人の易怒性は常人の想像を遙かに超えるもので,思い通りに操作できないパソコンを床にたたきつけて壊したり,プリンタの調子が悪いだけで投げ落として破壊したりと激しく,目の前で粗相してしまった犬を殴り殺してしまった事例も知られています。

ですので,ラブちゃんが保護されたのはよかったのだけれども,本当は飼い主さんも診療を受けて治療を施してあげることが必要なのでは? と思うわけです。世の中の健常人は,変人を変人として隔離すればそれで満足してしまう人が多いようです。でもそれでは,報道のような悲しい事例は減りません。常軌を逸した易怒性を感じたら,基礎疾患や投薬の影響を考え,適切な処置を施すことも大事だと思うのです(画像/MWS)。








2019年2月11日






付着珪藻がよく動く種が多いことは結構知られているのだけれども,ミカヅキモが動くということはどのくらい知られているのだろうか。。いくら観察しても全然動かないミカヅキモがある一方で,絶えず動き回って止まってくれないので撮影に難儀するものもいます。きょうの画像はよく動くミカヅキモで,横になったり立ち上がったりと頻繁に動く種です。河川から採集したものです。動き回るのなら,いろいろな角度から撮影できるわけで,チラチラとブラウン運動が気になる液胞内の顆粒(硫酸バリウムらしい)を異なる二方向から撮影してみたものです(画像/MWS)。








2019年2月10日




『えきから時刻表』のサービスが3月29日で終了するという。あまりにもショックで残念です。時刻表が読める人にとっては,これ以上ない優良なサービスだったはずで,筆者もサンプリングに学会旅行にフル活用してきました。乗り継ぎの接続なども詳細に調べることができ,列車種別もわかり,季節運行列車も表示されて,本当に便利だったのに… これからどうすればよいのでしょう。

多くの人から支持されているサービスを終了しなければならない背景には,収益性の問題があることと思います。でも,これは考え方次第なのだろうと思います。『えきから時刻表』のサービスが継続されるなら,月100円の寄付ならOKという方は,100万人くらいはいるのではないでしょうか。やり方次第では,月1億円のキャッシュフローを作ることは可能なのだろうと思います。だから問題は,サービスに対する対価の支払い方法が社会的に整備されていない,ということなのでしょう。

ぜひ,サービス終了を思いとどまっていただき,寄付金振込先を明示してくれれば,すぐにでも送金するのですが。あるいはクラウド的に集金してサービスを維持するというのもアリかと思います。あれほど優れたサービスが世の中から失われてしまうのは,あまりにも社会的損失が大きすぎます…(画像/MWS)。








2019年2月9日






Nikon1には天下無敵の1/16000秒の電子シャッターがあるので,なんと放散虫が手持ちで撮影できます。きょうの画像はNikon1J5にFT1,マイクロニッコール55/2.8をつけての撮影。照明条件を工夫してシャッター速度が1/16000秒になるように調節すれば,こんな具合に写ります。作業中の証拠写真としては十分で,三脚を持ち出す必要もないし,じつに助かるのです。

こんな優れたカメラが生産中止というのは,なんか納得がいかないなぁー。ウチの主力機材なんだけれども(画像/MWS)。








2019年2月8日






倒立顕微鏡(Diaphot)のメンテナンスは無事に終わり,それぞれの部品を組み付けて最終調整。この顕微鏡は可動部が多く,それぞれの固定部分の遊びを見極めて調整しないと性能が低下することがあります。物体を検鏡しながらコノスコープを覗き,偏光の消光とDICプリズムの最良方位角を探し出します。このときDIC対物を使わないと,全面消光にならないことがあるので注意が必要です。

調整が済めばテスト撮影。その結果がきょうの画像。30年ものの顕微鏡ではありますが,きちんと手入れしてまともな標本をセットして,光学的に正しい組み合わせの撮影装置を使えば,まともな顕微鏡写真となります。高度な仕事にも十分使えます。まだまだ活躍してもらいます(画像/MWS)。








2019年2月7日










倒立顕微鏡はその構造上,上向きの光学面が多数あります。この光学面はどれほど完全に清拭したとしても,徐々に汚れていき劣化します。その一例がきょうの画像。この顕微鏡は16年くらい前に完全オーバーホールを(自分で)やっていて,8年前に再度,光学面のメンテナンスをしています。それから8年間,使用頻度は少なく,保管時は必ずダストカバーをつけていました。それにもかかわらず上向きの光学面にはチリが堆積してしまいます。

画像一枚目は光路分割プリズムとミラーが入っているボディ内部の様子。この中に存在していればチリなど落ちてこないように思えますが,実際には切り替えレバーの隙間などからチリやホコリが入り込み積もっていきます。空気の流通はあるわけなので,1μm以下の微粒子が堆積することはある程度理解もできますが,ホコリはどうやって入ってくるのかよくわかりません。ひょっとするとダニが足につけて運んでくるのかもしれません。

猫と一緒に暮らしている方の倒立顕微鏡をメンテナンスしたとき,光路分割プリズムの上に猫の毛が乗っていました。どう考えても猫の毛が入り込むはずはないのですが,それでも事実のっていたので,こういった大きな毛を移動させる謎のメカニズムが存在するのでしょう。

そのようなわけで,使っていないてカバーをかけて保管していた顕微鏡でも,最低10年に一度は大規模メンテナンスが必要になることが多いと思います。遊休機材をお持ちの方は,たまには引っ張り出して各部点検を行うとよいでしょう(画像/MWS)。








2019年2月6日




5日は顕微鏡関係者と編集者の二名をお迎えして顕微鏡の午後でした。納品,カタログにない機材の相性確認,微小物体の水浸対物,油浸対物による見えの確認,機材選択の考え方など,いろいろな仕事があり,当然のことながらあっというまに時間が過ぎゆきました。いくつか新しい発見もあり,とても有意義な時間でした。大量の機材をひっくり返しての作業となり撤収が大変。翌日の仕事のためには日付が変わる頃までには撤収と次の仕事の準備ができていなければなりません。狭い狭い当室の欠点なのですが,東京の山手線の内側の馬鹿高い家賃では,事務所を借りるだけで収益が吹き飛んでしまうので,片づけ作戦で対応するのです…(画像/MWS)。








2019年2月5日




これは出先であまりに驚いて撮影した相輪。一応は相輪っぽく見えますが,この水煙の形は何かの冗談なのだろうか…。それとも宗派によってはこのような金属板に孔をあけたような水煙というのがあるのだろうか…。筆者は中学生くらいの頃から相輪を観察するクセがついているのだけれども,こんな略式のものは見た覚えがありません。これまで気づかなかっただけなのだろうか(画像/MWS)。








2019年2月4日




武蔵野冬景色 春近し (画像/MWS)。








2019年2月3日




リサーチグレードのプレパラートはほとんどが在庫払底しているので,最近は注文の都度製作になっています。以前は多数の在庫を作っておいたのですが,均等に減ってくれないので管理が面倒になり,注文製作でもいいのではないかと考えるようになりました。

きょうの画像はできたてのOTK-01を撮影したもの。ちいさな気泡ができているところに取り残された珪藻を微分干渉のカラーモードで撮影するとこんなカラフルになります。学術的には意味のないことではありますが,きれいだなーと思う場面というのはぼーっと眺めてもいいものです(画像/MWS)。








2019年2月2日




Amphipleura pellucidaはミクロワールドサービスのシンボルといってもいいかもしれない珪藻です。10年ちょっと前に開業したときに考えていたことは,世の中にまともな顕微鏡用の検査板がないということ。珪藻プレパラートが顕微鏡対物レンズのテストや,習熟用によいということは広く知られていましたが,そのような用途に使える珪藻プレパラートは,まともなものでなければならないということは,世界的にもほとんどの人が知りませんでした。そこで,顕微鏡の解像限界に挑戦できる信頼性のある検査板を供給しようと思い立ったのが事業開始のひとつの動機です。ですので,RL-TESTは開業時から販売継続しています。

きょうの画像に写っている縦条線の最小間隔は180nm前後くらいかと思います。このくらいの空間周波数になると,使用機材の性質を考えて「バランス」をとることが重要になってきます。どういうことかというと,S/Nが効くのです。

封入剤のカットオフがどのくらいか,対物レンズの球面収差補正がどのくらい短波長でも効いているか,カメラの素子の感度とノイズがどのくらいの波長まで対応しているか,光源の輝度は封入剤のカットオフを考慮してどのくらいあるのか,画像処理でリカバリーできる部分はどのくらいか,結像に及ぼす偏光状態の影響はどのくらいか,投影レンズによる無効拡大と画像処理による縮小とのバランスをどうとるべきか,フレア処理はどうすべきか…,などと検討項目がたくさんあり,それぞれのパラメータをいじって最適化して,最良の像を得ようとするのです。

きょうの画像はλ=443nmのLED,対物レンズはNCF PlanApo 100x 1.40 160/0.17,カメラはNikon1J5のモノクロモードです。波長は短ければ短いほど解像はよくなりますが,そんなに簡単なものではないんですね。400nmを使えば封入剤のカットオフに引っかかり,また,対物レンズの球面収差のカーブはひん曲がります。カメラの感度も悪くなってノイズが増えやすいです。そういうことを一つ一つ見抜いて,妥協点を探していくのです。

過去にはモノクロCCD+画像処理装置(Argus)やモノクロCMOSにハロゲン光源+バンドパスフィルターで仕事をしていましたが,この十数年間でのLED光源やデジタルカメラの進歩はめざましく,市販のLEDやカメラで仕事ができるようになり,業務的には少しラクになったのでした(画像/MWS)。



*1 と,さらりと書いていますが,ここで書いたことは「標本がまとも」であることが前提となります。Amphipleura pellucidaがカバーグラスに密着していて,適度な屈折率と光透過率をもつ封入剤でマウントされていることが前提です。このことに気づかない人が非常に多く,どう頑張ってもまともに見えない物体を見ようと苦心している例をよく見かけます。もしAmphipleura pellucidaとカバーグラスの間に,5μmの封入剤が存在し,その封入剤の屈折率が1.7であったら,そこで発生する球面収差は甚大なものであり,解像限界の追求など,全く望めないものとなります。こういったことがあるので,技量を確かめるには,単に解像テストをするだけでは練習にならず,使っている物体が正しいかどうかを見抜くところからやらないと,意味がないのです。

*2 ところが,使っている物体が正しいかどうかを見抜ける人は,思ったより少ないのが実際のところです。洋書で顕微鏡の教科書を書くような人や,顕微鏡の専門的な講義を行う大学の先生,世界的なアマチュア顕微鏡観察家などいろいろな方の事例をみても,ダメな標本で一生懸命イメージングしているのです。標本がダメなことに気づいていません。これは世界的な標本制作者がダメな標本を販売していることにも原因があるのですが,使用者がそれを見抜けないようではダメです。

*3 そのようなわけで,Amphipleura pellucidaの縦条線が解像できることを保証する標本を販売しているわけなのですけれども,この標本の価値を本当に理解してくれたのはトップレベルのアマチュア顕微鏡観察家ばかりというお寒い状況。むかしから,光学顕微鏡が本当に上手に使えるのはトップのアマチュアと言われてきましたが,21世紀でもその現状は変わらないのかもしれません。。





2019年2月1日




もう2月。なんだか今年は冬が来たなと思うまもなく春が来そうな勢いです。多方面の仕事をしていると時間の経過が早く感じます。とにかく業務正常化に向かっていかねばなりません。きょうの画像は最近納品したもの。RL-TESTに使われているAmphipleura pellucidaを撮影したものです。製品として販売している以上,さくっと撮影できなければいけないのですが,光学顕微鏡の解像限界付近の構造なので,さくっと全てのパラメータを完璧に揃えなければ写りません。実際のところはう,う,う,という感じで(笑),気合いを入れて撮影しています(画像/MWS)。









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