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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2020年8月31日
火事は恐ろしいですよー。皆さんもこの画像をみて,こうならないように,火災予防に努めてくださいませ。 今月,皆さんにひとこと言いたいことがあるとすれはもうほんとにこれにつきます(画像/MWS)。
2020年8月30日
『珪藻美術館 ちいさな ちいさな ガラスの世界(たくさんのふしぎ傑作集)』は,珪藻という生き物と,珪藻アートを紹介した世界でも珍しい本です(こちら)。珪藻アートというのは,たとえばきょうの画像のようなものです。一枚のガラス板の上に,たくさんの珪藻が並べてあるものです。
珪藻アートを作っていて難しいと思うのが,スケール感を伝えるのが難しいこと。「大きさ」はイメージしやすいのですが,「小ささ」はイメージしにくいのです。ピンとこないのです。
きょうの画像に写っている珪藻たちは,直径1.4mmの円内にすべて収まります。ふつうの定規は1mm目盛りですから,それよりちょっと大きいくらいの円内にこれだけの珪藻が詰め込まれているのです。…と言葉で表現するのは簡単なのですが,それがどれほどの「小ささ」なのかは,やっぱり想像するのは難しいですね。
いちばん良い方法は,標本を手渡して,そこにある小さな点のような部分を肉眼で見ていただくこと。珪藻は見えませんが,全体がケシ粒のように見えます。次にこれをルーペでみてもらいます。なんかキラキラとした細かな物体があることがわかります。そして顕微鏡で視野一杯に拡大して見てもらうと,「小ささ」が実感しやすいかもしれません。
ところできょうの画像は霞がかかったような低い解像感にカラフルな色が特徴です。これ,RMSマクロによる撮影です。オリンパスの38mmのもので,これを少し絞って撮影しています。実効NA値はかなり小さくなりますので,分解能は低いです。その代わりに,暗視野での発色がばっちりと出て,これはこれで一つの表現かな,などと思っています(画像/MWS)。
2020年8月29日
来月はじめに発売予定の『珪藻美術館 ちいさな ちいさな ガラスの世界(たくさんのふしぎ傑作集)』の見本が届きました。本の出版では,販売に先立ち,出版社が著者に決まった部数の『見本』を送付するのが慣例です。
昨年は「月刊たくさんのふしぎ」の一冊としての刊行でしたが,今回はこれのハードカバーなので,内容は同じですがじつに豪華なつくりになっています。絵本出版社ならではの頑丈そうなつくりに加えて,表紙の印刷や光沢が素晴らしく,何かとっても素晴らしい印刷物の雰囲気です。素敵な本に仕上げてくださった福音館書店さんには頭が上がりません。そして「たくさんのふしぎ」を購入してくださった読者の方にも心より感謝です。
先月もアナウンスしましたが,現在,amazonさんでも予約受付中です。見た目にも立派な本ですし内容も一般の方々には珍しいものですので,お土産,プレゼントにも最適です。ぜひこの機会に注文いただければ幸いです。
amazonさんのサイトは(こちら)です。多くの方に広めていただければうれしいです。みなさま,よろしくお願いいたします(画像/MWS)。
2020年8月28日
あいかわらず筆者はヒキコモリの生活を続けていて,5月後半に円石藻のサンプリングに出向いた以外は,どこにも出かけていない状態が続いています。運動はしなければならないので,自宅から半径5キロくらいの圏内を夜中にうろうろ歩いているといった感じです。一日5,6kmは歩いているのですが,6月下旬に63.4kgまで増加した体重はなかなか減らず,50日間運動を続けても61kg台から減りません。食事も減らしていてキュウリやトマトを主食的に食べているのですが,お腹についた脂肪がまだまだ減らないようです。
ということで,山手線の内側の煮えたぎる熱地獄で暮らしているので,なかなか夏らしい画像をお届けできません。本来なら渓流とかマタタビ狩りの画像とかをのせる頃なんですけれども。
今日の画像は東京都心でもちょっとは夏らしさを表現できる雲の画像。一目見て「夏だ!」という感じがするでしょ? 暑いのはこたえますがこういう絵はいいですね。
三枚目の画像はちょっと変わっているのがお分かりでしょうか。よーく見ると,雲と虹がかさなっています。ほんのかすかなものですが,我ながらよく見つけたものだと感心。洗濯物を取り込んでいたときに一瞬東側に目をやったときに気づいたものです(画像/MWS)。
2020年8月27日
ふつうの人は買うけれども自分は買わない,というものがいくつかあります。クルマとかバイクとかといったものもありますが,まぁそれは現代でも所有していない人が結構いることは知っています。でもほとんどの人がふつうに購入するけれども,自分ではまず買わないというものの一つは,「焼き肉のタレ」です。
市販の焼き肉のタレを何度か食べさせてもらったことがあるのですけれども,有名なものもそうでないものも,筆者には甘すぎました。それに「くどい」のです。焼き肉が,焼き肉の味というよりはタレの味になってしまうのです。それならタレだけ食えばいいだろう…というのは言い過ぎですが,なんでもゴテゴテに味付けしたら素材の良さが霞んでしまいます。ほんとうに良い素材(お肉)は,塩を振るだけで十分においしいです。さらに少しコショウを振っても良いですが。
ので,これでもかこれでもかと,あらゆる香辛料,アミノ酸,ブドウ糖果糖溶液などを加えた焼き肉のタレは,ちょっとご遠慮したい感じなのです。ところが世の中は濃い味付け,甘い味付けが経済至上主義とマッチしていて,一口食ってガツンとくるようなものがウケルのです。確かに,一発目にがつーんとくるようなうまさも有り難いものなのですが,でもそれは日常食べ続けられる味とは違うのです。
ということで,きょうの画像は当店自慢の焼き肉のタレ。ニンニクをすり下ろし,ショウガをすり下ろし,タマネギをすり下ろします。分量はいいかげんですが,ニンニクよりショウガが多く,ショウガよりタマネギが多いです。そこに日本酒を注ぎ,しょうゆを入れます。容器はどんぶりがよいかもしれません。
甘みが「さらに」ほしい人は,これにリンゴかナシをすり下ろして追加するのも良いでしょう。大根でも甘みは追加できますが,みぞれ煮みたいになってしまうので,絞り汁を加えた方がいいです。
脂っ気がほしいときは適当な脂を追加します。きょうの画像では,豚の脂身をみじん切りにしたものを追加。酸味がほしいときは,キムチのみじん切りを追加します。
これを電子レンジで加熱(コンロでもOK)。アルコールを飛ばし,適当な濃度になるまで煮詰めます。できあがったのがきょうの画像。当店特製の焼き肉のタレです。
ベースはニンニク生姜醤油なので,これだけの材料の場合は加熱しなくてもOKです。これでもすっきりとして焼き肉には合います。が,加熱するとマイルドになり肉の味がよりよくわかります。
このタレは必要なときに必要なだけ作ればいいので,市販品を冷蔵庫で後生大事に保管するようなこともないですし,作りたてを使えるので,新鮮な風味を味わえます。材料もごく簡単で,ニンニク,ショウガ,タマネギ,日本酒,しょうゆだけです。これなら多くの家庭で対応できるでしょう。これをベースとして,そこに好みで甘い果実を加えたり,酸味を加えたり,辛みを加えたりすればいいのです。
なお念のため書きますが,料理酒と日本酒は違います。料理酒は酒税法の関係でそのまま酒として飲めないように添加物(主に塩)が入っています。酒としてのグレードも低いです。ので,本ページをごらんの賢明な皆様は料理酒はやめて,ぜひ,「ランクの高い日本酒」を使ってみてください。地元で愛されている日本酒を使うのが基本です。
筆者の経験では,千代I(東京・秋川),菊水(新潟),浦霞(宮城),一ノ倉(宮城),酔仙(岩手),関山(岩手)など,良い日本酒は料理の味をよくします。もちろん,パック酒でも料理酒よりははるかに次元の高い味になります。できれば甘口の酒は避けて,辛口のランクの高い酒の方が,すっきりとした味になるのでオススメです。甘口の酒や山廃仕込みなどの日本酒は独特の風味があるので料理用にはプロ向けです。
さて話をもとに戻します。この焼き肉のタレを本ページにわざわざ書く理由は,過去10年以上にわたる観察の成果によるものです。何の能書きもなく,当室の調査員Aが,筆者の人脈とまったく関係のない一般人に,BBQでこのタレをふつうに出したところ(複数回以上),「これウマイ」「これいい!」「すっきりしてる」「簡単なのにおいしい」「焼き肉のタレいらないじゃん!」など,ポジティブな評価の連続なのです。
つまり世の中では焼き肉のタレが天から与えられた必須のもので,「焼き肉には焼き肉のタレをかけなくてはならない」と思っていた人が大半で,(焼き肉では)自家製のものが市販品を凌駕するという経験をしたことがない人が多かったようなのです。テレビの影響はすごいですね。エ○ラとかジ○ンとか。
ただ不思議なのは,なぜ,この素朴な,砂糖もみりんも果糖ブドウ糖も入っていない焼き肉のタレを,未経験の人が「市販の焼き肉のタレよりもずっとうまい」と評価したのか,という点です。それまでおいしいと思っていたものが一瞬で覆されるのは,人間の判断の中に,何か本能的なものがあって,「こっちが正しい」と思う回路が存在しているのだろうか? などと考えてしまいます。
もし人間に,「こっちが本物」という本能的能力が備わっているのなら,それは素晴らしいですが,その能力を活かすためには「こっち」も「あっち」も試さないといけないので,能力を伸ばすのは難しいだろうなぁとも思います(画像/MWS)。
*1 市販品でもそれほど甘くない焼き肉のタレが青森県内を中心に販売されているそうです( こちら )。…ということは青森県民はほかの都道府県よりも,より素材の良さを味わって食べているのかも。
*2 ここで紹介した当店特製の焼き肉のたれは,何にでも砂糖が入っていないとマズイと感じる方(九州地方の方など)には,とても口に合わない可能性があります。九州地方では市販のしょうゆのほとんどに砂糖,ブドウ糖果糖溶液,甘草,ステビア,サッカリンナトリウムなどが添加してあり,さらにアミノ酸なども追加されています。これをしょうゆと思い込んでいるので,しょうゆは甘いと思っているのが九州地方の方には多く見られます。こういった地方独特の味に慣れていると,関東地方の甘くないしょうゆはマズイと感じるらしいです。そういった方々は,甘味料を一切含まない当店特製の焼き肉のたれは,おそろしくマズイと感じる可能性があるので,まったくオススメしません。
*3 このたれは焼き肉用として作っていますがじつは野菜にも合います。特によろしいのはモヤシです。焼いたタマネギにもマッチします。
2020年8月26日
きょうの画像はポリのスポイト。散布スライド製作用のものです。散布スライドは産地別に液浸の形で保管してあり,そこから吸い取ってカバーグラスに滴下して乾燥し,封入剤で封じます。このときに避けねばならないことはコンタミネーション(異物混入)です。珪藻はいろいろなものに付着しやすく,ていねいに洗浄してもコンタミネーションの確率をゼロにすることはできません。ので,当室では,サンプルの数だけスポイトがあるのです。
このような工夫により,淡水産の標本に海産の珪藻が混じってしまうなどの事故を防ぐようにしています。しかしこれでも完全ではなく,多量の標本を一度に製作すると,乾燥過程で空中に舞った珪藻が別のスライドに着地することもあって,これまで膨大な数の標本をつくってきましたが,数件のコンタミネーションを確認しています。これらは検品ではじきます。
現在は標本をつくるときに,時間的に隔離して,コンタミネーションが起きないように管理しています。確実な方法ですが,まとめてつくることはできなくなるので,作業効率は著しく落ちることになります。でも品質をとるか,効率をとるかの二者択一なら,品質優先ですよね(画像/MWS)。
2020年8月24日
本ページはFTPがつながるのであれば毎日更新です。あらゆることが三日坊主だった筆者がそろそろ13年間も毎日更新できるのは奇跡のような気もしますが,これは「仕事」と考えているので,雨が降ろうと二日酔いだろうと寝不足だろうとやらないわけにはいかないのです…。心がけていることは,何か一つでもいいので,情報を提供するか,未公表の画像を提供するかということ。一日1ミリでも新しいことをやらないと脳みそはどんどん退化しますので。
毎日更新されるwebサイトはついつい見てしまうという読者も多いらしく,本ページは顕微鏡愛好者はもとより,教員,研究者,お医者さん,主婦の方々,学生さんなど,たくさんの方にごらんいただいているようです。いつもありがとうございます。
そういった方々にお知らせしたいのがこちらのサイトです。テクノシナジーという,分光計測関係の会社なのですが,そこの代表さんがやはり毎日更新のページを運営しています。当方のサイトは画像と言うよりは文章メインですが,テクノシナジーさんのサイトは写真中心です。科学写真家でもある代表さんの特色が出ていて,写真のうまさにはいつも勉強させられます。
何気ないものでもカメラを向けてそこに潜む現象に思いを馳せるあたりはさすが本職です。小さなマダラホソアシナガバエ(と思われるもの)にカメラを向け,その色彩から,代表さんの頭の中には構造色の候補がスキャンされていることでしょう。
サイトは こちら です。画像アーカイブで過去画像を全て閲覧することができます。画像販売もしているようなので,テレビや報道の方は利用を検討するのもよいかもしれません。
本ページのきょうの画像はそんな話題とはなんの関係もない,週末にいただいたお魚。皆さん,切り身を見ただけで魚種がわかるかな? 上から順に,カツオ,ヒラマサ,オナガダイです(画像/MWS)。
2020年8月23日
せんじつ記したペットボトルキャップを使ったスマホ撮影法は,問い合わせをくれた人の役に立ちそうで少しほっとしています。多くの受講生がスマホで顕微鏡写真をとれればいいなと思っています。
ところで,この方法,筆者のオリジナルではありません。そのことを書き記すのを忘れました。ときどき大事なことを書き落として,後から読み返していて冷や汗が出たりします。
筆者はもともと,この種の撮影にはスペーサーとして,水道用のホースを切ったものを使っていました。いくつかの距離のものができて最適なものを使えば瞳のマッチングがいいからです。でも一般的には入手性が良いとは言えませんし,緊急対応性もよくありません。筆者の道具箱に入っているから使えるな,といった代物でした。
スマホ撮影用に最初にペットボトルのキャップをくりぬいたのは,私の見た範囲では,RC_GEARの横山さんです。2015年8月9日頃のことでした。そのときは時間がなくて,実施例があまりなく,ツールとしての有用性にはあまり気が付きませんでした。振り返ると我ながら鈍感だったと呆れます。同時に横山さんの直感の優れていることに感心します。
そのあとに威力を目の当たりにしたのは,昨年12月に行われた『ケイソウ展』です。このとき,筆者はお客様のスマホ撮影をサポートしていたのですが,撮影の困難さに見かねたカールツァイス(株)の田中 亨先生が即席にペットボトルのキャップをくりぬいてそれぞれの顕微鏡に配置してくれました。撮影効率は劇的に上がり,さすがは天下のツァイスともなると,その場に応じた最適なソリューションができるのかと感嘆しました。あまりに感嘆したので,翌日の講演でもこの方法が有用なことを紹介させていただいたほどです。
ということで,先日紹介したペットボトルスペーサーは,上記お二人のお仕事がもとになっていることをここにお知らせする次第です。筆者が付け加えた点はほとんどなく,遮光性のよいものを使うこと,切るときにけがしないようにといった当たり前のことを指摘しただけです。
スマホのレンズは合焦範囲がとても広く,しかも入射瞳面がレンズの外側に出ているので,コリメート法での撮影に向いています。コリメート法で重要なことは,接眼レンズの射出瞳面にスマホのレンズの入射瞳面をあわせるという「瞳のマッチング」を正確に行うことです。
フリーハンドでこれを行うのは簡単ではないのですが,ペットボトルのキャップをくりぬいただけで,これがけっこう楽になるので,撮影の成功率がぐんと上がるのです。
きょうの画像はケイソウ展での一コマ。ツァイスの田中さんが自作のペットボトルのキャップスペーサーで,カールツァイスの最高級顕微鏡を介して,見事な画像を撮影しているときのものです(画像/MWS)。
2020年8月22日(2)
【業務連絡】
8月21日にご注文の連絡をいただいたN様,こちらからはお返事を2通送信しております。送信先がezweb系でしたので,当サービスからのメールがspam扱いになり届いていない可能性があります。N様に顕微鏡のご指導をされている方が本ページをごらんでしたら,N様までご確認いただければ幸いです(文責/MWS)。
8/22 13:00 (追記) N様と連絡をとることができました。やはりこちらからのメールはezwebでカットされ届いていませんでした。指導者の方,確認の連絡を入れていただきありがとうございます。お手数おかけいたしました。
2020年8月22日
きのうかゆみの話を書いたからか,夕方になって手の甲が猛烈にかゆくなりました。じんましんでもなさそうですし,まさか薬疹ということでもなさそうだし,はてどうしたものかと思いつつ,ムヒS2aを重ね塗りしたら,30分ほどでかゆみはひきました。
かゆみの原因はおそらく,山芋を刻んだことだろうと思っています。ただ謎なのは,右手の甲だけかゆくなって,ほかはなんともなかったこと。右手は包丁をもつ手だから,手の甲にそんなに山芋が接するとも思えません。もっとも,むいた皮を片付けるときや手洗いのときに,ねばねばと一緒に手に付着するのはあり得ることです。それにしても猛烈なかゆみでした。
山芋による手のかゆみは,シュウ酸カルシウムの針状結晶による物理的な刺激が原因とよく説明されています。それで深夜に酒を飲みながら山芋の検鏡となりました。水に浸した山芋の皮の一部をピンセットで採取してスライドグラスへ。カバーガラスをかけて上から押しつぶし。これを検鏡。
デンプン粒が広がる中にとても細長い針が見えます。これがシュウ酸カルシウムの針状結晶でしょう。少量とっただけで視野には入ってくる程度の頻度なのでそれなりの数は存在しています。針先は40倍対物で拡大しても鋭利な感じで凶悪です(画像1枚目から3枚目は偏光クロスニコル。4枚目は微分干渉。使用対物レンズは小さな方から10x,20x,40xです。画像4枚目はトリミングしています)。
しかし検鏡して感じたことは,この針だけであんなにかゆくはならないだろうということ。何も証拠は持っていませんが,この針で皮膚に微少な傷がついたところに,何らかの成分が働きかけてヒスタミンやらなにやらの反応が起こるのではと想像しています。そうでなければ,これまで山芋でただの一度もかゆくなったことがなかったのに,突然かゆみが発生したことの説明ができないように思います。さて真実はいかに(画像/MWS)。
2020年8月21日
きのう夏の話題を書いたのでもう一つ。筆者を最もムカつかせるものの一つに『蚊』があります。タダで血を持って行くならまだ許してやるのに,かゆみまで残して不快感を生じせしめるのがどうにも許しがたいです。ので,見つけると叩き潰したり,輪ゴムで撃ち落としたり,べープマットで退治したりしています。
不幸にして蚊に刺されるときょうの画像のようなことになるわけですが,この不快なかゆみを一刻も早くこの世から消さねばなりません。その方法をいろいろ研究してきたのですが,やり方がいくつか見つかっています。
一つは,『ムヒS2a』を塗ること。塗る面積は,蚊に刺されてぷくっと腫れた面積の数十倍です。きょうの画像で言うならば,画像全面に塗るくらいです。塗って数分で乾くのでもう一度塗ります。これでかゆみはすーっとひきますし,あとも残りません。
もう一つは,強力な冷感湿布を貼り付けることです。冷感湿布は肩こりなどに使われるもので,虫刺されに使うとはどこにも書いてありません。しかし大学院生でストレス性の万年肩こりだった筆者は,引き出しにたくさんの湿布を入れていました。あるとき学内で蚊に刺されて,虫刺されの薬がなく,湿布を切って絆創膏のように貼り付けたところ,直ちにかゆみが消えました。ま,消炎剤なので間違った使い方ではありません。
蚊に刺されて困っている人にはぜひお試しいただきたい方法です。なお,不測の事態が起きても責任はとれませんので,そこのところはご了承くださいませ(画像/MWS)。
2020年8月20日
バルコニーの片付けをしていたら,なんとなくエアコンの室外機が気になったので点検してみると,背面壁際のフィン一面に綿ぼこりが付着していた。その気になって首を突っ込まないと見えない部分だったので,永年放置してしまいました。これは大失態。なんだか年々,エアコンの効き目が低下してきた感じがしていたのです。それで室内機のフィンやフィルターなどの掃除はこまめにやっていましたが,室外機の熱交換器まで気が回りませんでした。バルコニーでは洗濯物を干すので繊維のホコリが出るはずで,これらが熱交換器に付着するのは当然のことです。
さっそく掃除機を持ち出して全面をお掃除。これでも付着しているものはなかなかとれないので,歯ブラシでフィンの一つ一つを丁寧にブラシ掛け。そのあと再び掃除機で細かなチリを吸い取ります。室外機周りもできるだけ空気の流通がよいようにして,水をまきながらデッキブラシをかけて,チリやホコリを洗い流しました。
筆者は昼頃から16時頃までエアコンのスイッチを切っていることが多く,これは一日中エアコンの中にいるとノドがやられるのと,都心のピーク電力消費を少しでもカットするとの二つの考えでやっています。この間にエアコン掃除もできるわけです。外気温は35度以上のことがほとんどですが室内温度は33度を超えることはなく,扇風機があれば生きていくことができます。まともに仕事はできませんが。。
さて夕方になり掃除も終わったのでエアコンをスイッチオン! うーん違いがあるような気が。冷却能力が1.5〜2倍になった気分です。これまでは綿ぼこりが断熱材になって熱交換が妨げられていたのでしょう。電力を無駄に廃熱にして捨てていたかと思うと,かつて熱力学を真面目に勉強した身にとっては,じつに残念な気分です。
…ということで,本ページの読者の皆様は,エアコンの室外機のフィンをよく観察してみてください。薄い金属板が連続した構造が一般的かと思いますが,板と板の間がホコリなどでふさがっていると熱交換の効率が低下します。掃除機やブラシなどでチリやホコリを落としてきれいにすれば,冷房の効きも復活するかもしれません。もちろん室内機のフィンやフィルターのチェックも同時に忘れずに(画像/MWS)。
2020年8月19日
ペットボトルのフタを使ったスマホ撮影用についての問い合わせがありましたので画像を掲載します。「どんなキャップがいいの?」「どのくらいの穴のサイズにするの?」というご質問でしたので,きょうの画像1枚目がその答えになります。
キャップは,迷光が少ないことが必要なので,光を通さないものがいいです。濃い色の厚みのあるキャップがよろしいです。筆者はキリンの『生茶』『生茶デカフェ』の500mlボトルのキャップが気に入っています。穴のサイズは決まりがありませんが,スマホやiPhoneのレンズより大きければケラレませんので大丈夫です。きょうの画像では,穴のサイズは11mm〜12mm角になっています。
穴をあけるにはクラフトナイフなどで切り込みを入れれば簡単です。カッターでもできますが,刃を出し過ぎると刃が折れて大怪我,場合によっては致命的な重症を負うことにもなりますので,刃は最小限だけ出して,押さえの手は軍手をするなどして,じゅうぶんな安全対策をとってください。
使い方は画像2枚目のごとくです。まず顕微鏡を肉眼で覗いてピントをあわせます。そうしたらピントは動かしません。次に接眼レンズにキャップをのせます。切り抜いた穴をスマホのレンズ側にします。
スマホの画面を見ながら,対象物が中心にくるようにセンタリングします。結構微妙な操作なので根気よくやります。このとき,スマホが傾いていると正しくあわないので,ペットボトルのフタと正しく平行になるようにして中心あわせをします。
物体が適度な画像サイズになるようにズームして,シャッターを切ります。物体によっては露出過多・不足になるので,スマホ側の設定であわせます。HDR合成ができる場合はその機能をONにします。
この撮影法はタダでできる優れものですが,顕微鏡の接眼レンズによってはうまくいかない場合もあるかもしれません。旧式の高倍率の接眼レンズなどではアイポイントが数ミリのものもあって,マッチングが悪いケースもあることと思います。教材として使う場合には,必ず事前にテストすることをオススメいたします(画像/MWS)。
2020年8月18日
きょうの画像は東京湾を漂っていた珪藻です。Chaetoceros lorenzianusまたはその近縁種と思われます。和名ではツノケイソウの仲間と表現されます。
珪藻ですから細胞壁に相当する部分はガラス質でできています。黄金色の色素体を包んでいる透明なカプセル部分はガラス質です。そればかりでなく,画像に見えている細い毛の部分(刺毛と書いて「しもう」と呼びます)もガラス質でできています。ガラスでつくった極細の毛で水の抵抗を増して浮いているのです。精巧極まるガラス細工です。
撮影に使った対物レンズはライツの25xW,水浸対物レンズです(NA=0.65)。これをオプチフォトの微分干渉で直接焦点で撮像しています。カメラはNikon1J5です。
対物レンズに倍率色収差が残存しているので直接焦点法は「間違った使い方」です。しかし,その収差の残存した画像をRGB別にサイズ調整し,再び加算合成すれば倍率色収差を僅少にすることができます。きょうの画像はそのように補正したもので,まるでニコンのCF対物で直焦点で撮影した,といわれても区別がつかない,倍率色収差を感じないものとなっています(画像/MWS)。
2020年8月17日
いつもは安いミズダコなのですが,たまにはマダコが入荷します。これは三浦半島のマダコかな。明石のマダコは有名なところだけれども,三浦でも大洗でもマダコはおいしいです。
タコはいろんな食材のなかでも切りにくい方かと思います。刃が鈍った万能包丁でギコギコやると悲惨なことにもなります。よーく研いだ切れ味抜群の包丁がやりやすいのです。ので,江戸菊水の柳刃(9寸)の登場となります。さすがにすーっとひくことができて薄く切ることもできます。
ということでぜひ本ページの読者には柳刃を薦めたいところ…といいたいのですが,そうはいいません。柳刃を買ってもメンテナンスができなければお蔵入りになります。まずは砥石を買って,確実な研ぎ技術を身につけることがよろしいかと思います。研ぎができるようになれば,どんな包丁を買ってもじゅうぶんに活用できるでしょう(画像/MWS)。
2020年8月16日
きょうの画像は偏斜照明で撮影した顕微鏡画像の背景。そのままでは灰色の均一な背景ですが,これを画像処理(ヒストグラムの引き延ばし)して,ムラを見えやすくしたものです。
多くの方々が,デジタル画像の「ざらつき」を体験したものと思います。デジタルに限らず,フィルム時代にもざらつきはありました。フィルム時代には銀塩粒子のRMS粒状度が問題になったりもしましたが,デジタル時代に突入すると,CCDやCMOSの特性はもとより,画像処理エンジンの振る舞いや,撮影者の画像処理技術までも画像に反映します。結局のところ,ざらつきは残ることになったのです。
これを画像処理で消す方法もありますが被写体によっては泥沼になります。この種のざらつきが量子化ノイズやその関連事項によって起こるものがメインとすればそれらはランダムに起こるものがほとんどなので,多数枚撮影して平均化すれば緩和できます。しかし緩和には多量の撮影が必要で簡単な作業ではありません。
物体を照らす光は量子的にそれほど均一に照射されているわけでもなく,その光を受け止める素子もそれほど均一に光子を受け止めているわけではなく,ということになると,ワンショットでなめらかな,背景が均一な像を得ること自体が間違っているのかもしれません(画像/MWS)。
2020年8月15日
きのうの虹は主虹も副虹も見えたので両方撮影しているんだけれども,副虹は画面にとらえるのも困難な薄さで,フルサイズの高感度カメラがほしくなるところです。が,Nikon1J5でフルサイズ換算810mmの望遠レンズで頑張ります。
今日の画像は主虹と副虹を画像処理して彩度をあげたもの。副虹は背景に埋もれて詳細の判別が難しいですが,大まかには,主虹の色の並び方と反対に色が並んでいる様子がわかります。
ところで,虹の撮影にはホワイトバランスはどうするのが正解なのでしょう。筆者は最初,西日が強く当たっているところから考えて「デーライト」にしたのですが何かがおかしい気がして「曇天」にしました。虹の向こう側は今回は雲なわけですし。
できあがった画像を見ると,それで良かったのか悪かったのか…わかりませんね。カメラのスペクトル色の再現性にもよるだろうし,試行錯誤するしかないのかも(画像/MWS)。
2020年8月14日(2)
帰宅してから部屋のそうじをしつつ,夕飯の支度に入った頃,とても鮮明な虹が出現しました。雷雨の傾向からして虹が出る典型的なパターンだったので待ち構えていました。都内でこれほどの輝度の虹が見られることは珍しいです。Nikon1J1, J2, J5の三台体制で撮影しました。
画像3枚目は望遠レンズで画面一杯に撮影した主虹。むかしからやってみたかったのです。この主虹のなかに果たして微細構造はあるのか? 気になっていて,撮影して画像処理をしてみたのが画像4枚目。なんとなく構造が若干あるような気が…します。
久々の自然現象を目の当たりにして,ずっと自粛が続いていた筆者の脳みそも,少し晴れやかになった気がしました(画像/MWS)。
2020年8月14日
10時を過ぎて少しした頃,パソコンを見ながら水分補給していると4階で慌ただしい物音が聞こえる(ウチは3階)。人が騒いでいるような音も。直ちにベランダに出て状況確認すると 4階中央付近の部屋から多量の発煙確認。火災確定。それから数秒〜十秒後に火災報知器作動。火元のベランダ側からは勢いよく火炎が出始める。これは初期消火が不可能なことは明らか。
妻(トイレ中)に最低限のものをもって避難するよう命令。筆者は着替えつつ対物レンズ箱を延焼した場合に最も被害がなさそうな位置まで移動。顕微鏡はそのまま。業務用PCとカメラ一台,レンズ,通帳類と靴,飲み物(生茶デカフェ2本)を持って避難。ベランダ側の窓は施錠,玄関も施錠。漏電火災の恐れがあるので電気はブレーカーで遮断。
避難直後消防車到着。放水まで10分以上時間がかかる。火勢は衰えずに何度も小爆発の音が聞こえる。自分の住んでいるマンションの一室が燃えているわけなので写真撮影(画像1枚目)。当室まで被害が及んだときの証拠にもなる。終止落ち着いて各種の対応ができたが,シャッターを押すときの手が小刻みに震えていた。さすがに,アドレナリンがけっこう出ているらしい。
小石川消防署,池袋消防署等からの出動。消防隊員から避難状況の確認。気温は37゚C超え。こまめに水を飲むよう心がける。
黒煙から白煙に変わり放水開始がわかる。放水は玄関側から。玄関が吸気口になりベランダから火炎が出ているため。ほぼ鎮火までは放水後数分,しかし煙はながく出ていて,煙が完全に消えるまで30分ほどかかった(画像2枚目)。
消防隊が当室に外側からはしごをかけて各部屋の施錠状況を確認。マンション住民を駐車場一カ所に集めて事情聴取。37-38゚Cの猛暑の中で屋外避難に住民は疲労困憊。救急隊から頻繁に体調の確認がある。その後に熱中症対策としてマイクロバスが手配され冷房が効いた車内で過ごす(画像3枚目)。消防隊からマスク配布。感染症対策のため窓は開ける。
正午前頃,近くの巣鴨小学校の校長先生の取り計らいで,冷房の効いた和室が開放され,住民はそちらに移動。これは本当に助かった。冷たい水が提供され,のちにアイスが配られた。コンセントも自由に使って良いとのことで,筆者はパソコンでこの火災の記録を書きとめている。これを書いている時点で12:45。部屋に戻れる見込みは伝えられていない。
豊島区職員が説明に来る。安全確認までしばらく待ってほしいとのこと。3階の二部屋は部屋が浸水してきょうは部屋には滞在できないとのこと。その後,部屋の浸水状況の確認に住民が呼ばれていく。火元は4階の中央付近の部屋で,その両隣は被害がない模様。
13:11 豊島区職員が避難住民の部屋番号と氏名確認。火災は鎮圧されているが最後の確認を行っている状況。安全確認がとれた部屋から各室に戻れる見込みだが,もう少し時間がほしいとのこと。
13:41 まだ各室には戻れず,住民は巣鴨小学校の一時避難所(和室)で過ごす。
13:55 各部屋に戻って良いとのこと。部屋番号と居住者名を伝えて帰宅。
14時頃から不動産会社からの聞き取り調査,豊島区役所からの聞き取り調査,消防署からの聞き取り調査。そのあとに,東京電力による漏電調査。当室は問題なし。「安心してご利用ください」とのこと。この一言は大きい。現場からの再出火を警戒して消防車は一台現場に残るとのこと。
室内,室外を点検して原状復帰。16時過ぎに巣鴨信用金庫がご挨拶。近火見舞いというものを持ってきてくれた。当室は被害がなかったのでとても恐縮した。
その後,室内の状態を細かく点検。火災事故に伴う被害,損失等は認められなかった。…ということで,当サービスはぎりぎりのところで難を逃れました。もし当室が火元側に10メートルずれていただけでも巨大な損害を出すことになったことは明らかです。
消防隊の方,本当にありがとうございます。警察の方,暑い中に感謝致します。救急隊の方の住民への心遣いには本当に助けられました。避難所を開設してくれた巣鴨小学校の校長先生を初めとするスタッフの方,お陰様で熱中症になることなく過ごすことができました。心より御礼申し上げます。
火元となった方はもとより,浸水等にあわれた住民の方々の損害が最小になるよう,そして一日も早く通常の生活に戻れますよう心から願っております。
そして本ページの読者の皆様にお願い申し上げます。日頃の努力以上に火災予防に力を注いでください。当室も日頃からかなり厳重に火災予防に取り組んでおります。たとえば消毒用エタノールなども火気のないところ(たとえば洗面所の洗面台の下)などに保管し,引火の恐れがないようにしております。火を扱うときにはそれが煮込み料理であっても火元から離れることはしません。火災原因として有名な天ぷらは,そもそも油を置いていないので根本的に原因を除去しています。
できることはたくさんあります。私たちも,これからも火災予防に努めます。どうか皆様も,事故など起こさず平穏な生活が続くよう願っております。
以上,火災現場からの報告でした(画像/MWS)。
2020年8月13日
Nikon1系のカメラは素子サイズの関係で顕微鏡会社が提供するCマウントアダプタと相性がよく,このため当室では2012年以降ずっとNikon1系(J1,J2,J5)を使ってきました。いろいろなところで不満はたくさんあるのですが,でも民生品を安価に使えてこれだけの画質が得られれば文句はいえないどころか,素晴らしい!と言ってもよいでしょう。『珪藻美術館』(旬報社),『珪藻美術館(たくさんのふしぎ2019年6月号)』(福音館書店)も,ほとんどの原画はNikon1系によるものです。一部は,ニコンクールピクス995,4500です。
ただどうしても不満が残る部分もあって,それが色再現性です。単色のLEDを撮影するとニコン1系は長波長側で色再現が悪いことがあり,また一部の緑藻類の緑色の再現がおかしいのです。
きょうの画像はミドリゾウリムシですが,そのままの撮影だと画像1枚目のように写ります。これは見た目とはかけ離れた色です。少しでも見た目に近づくように色相を補正したのが2枚目の画像。これでもちょっと違う感じです。
この補正というのがやっかいで,モニタで補正できたと思っても,印刷では異なる仕上がりになることが多く,印刷で正確な色合いにするにはどうしたらよいのかわかりません。Phacus gigasを入稿したときに,最初は色相を補正した原画を渡しました。ところが出力を見ると,みたことのない不思議な色になっていました。これはまずいと思い,カメラの出力を信じて,出版用の入稿では撮影したままを入稿しました。すると仕上がった印刷物は,目で見たものとは異なる劣化した色合いの仕上がりになっていたのでした。
このようなおかしな色になる緑藻はそんなに多くはなくて,ウチワヒゲムシとか,ミドリゾウリムシなど,クロレラっぽい色のものが再現が悪い気がします。ミドリムシの一部はそれほど悪くありませんし,ミカヅキモについても同じです。可視光の吸収スペクトルの違いによるものでしょうが,もうちょっと色再現のよいカメラがあればなぁとも思います(画像/MWS)。
2020年8月12日
まいとしこの時期はペルセウス座流星群観望会というのをやっていて,since1979なので今年は41回目に当たります。まーでもこの世の中なので今年は外出はあきらめて,夜中に望遠鏡で星を見ることにしました。ちょうど,木星,土星,火星,月を一度に見られる贅沢な時期なのです。
超熱帯夜にちかい条件でしたので気流は安定しているかと思いましたが違ったようで,木星は縞々が2本といった感じのシーイング。でも4大衛星の一つが本体に影を落としているのを見ることができました。火星も模様を見るにはほど遠い条件でしたが,両極の色が異なっている様子がわかりました。土星は輪の傾き加減が絶妙でエレガントな姿でした。月面も,めらめらしてはいましたが,欠け際の陰影が美しく惚れ惚れする眺めでした。
観望に用いた機材はネリボーグ,口径127mmの三枚玉アポクロマートです。覗いた感じではFK01クラスのEDガラスといった感じで軸上色収差を少し感じますが球面収差補正はひじょうに良好でシャープに見えます。
しかし天体観望は気流との戦いといっても過言ではなく,機材の解像限界を肉眼で感じることができる条件はまれです。筆者は小学生の頃から40年ほど天体望遠鏡を覗いてきましたが,望遠鏡の回折限界が出ているのでは?と思う空の条件は数えるほどしか遭遇したことがありません。いつもメラメラとしていてぼやけています。
望遠鏡と比べると顕微鏡はいいなーと思います。試料を適切に用意できて,ちゃんと顕微鏡の勉強をした人ならば,解像限界の像をつくることができます。気流でもやもやすることもありません。顕微鏡のシステムは複雑なので勉強はちょっとばかり時間がかかるかもしれませんが,ネットにも情報は出回っていますし,本ページを開設日から現在まで全部読めば十分な情報が得られるようにもなっています。
きょうの画像は円石藻。最初みたときは小さくて難しいなと思いましたが,水封じなので水浸対物レンズを使用して,ケーラー照明,透過明視野中央絞りで,最適な絞り値を探していった結果,得られたものです。いま見ると筆者的にはレベルの低い像ですが世界的には最高水準にちかい像です。
…というように,望遠鏡ならシーイングが悪い日はお手上げなのですが,顕微鏡はきちっとチューニングすればまともな像が得られる可能性が高いのです。
ので,じっくりと腰を据えて取り組むタイプの人には,ひじょうにオススメの趣味ともいえます(画像/MWS)。
2020年8月11日
顕微鏡対物レンズはとても微妙な製品で,同じ倍率のレンズでもテストしてみればけっこう違いがあります。きょうの画像1枚目は,今から40年以上前に販売されていた10x対物レンズによる作例。2枚目の画像は,今から25年くらい前に新品で購入した10x対物レンズによる作例。後者の方は新設計によるもので高性能タイプのものです。
しかし画像を一目見てわかるように,軸上色収差は高性能タイプの対物レンズで大きいです。分解能は高性能タイプの方がわずかに勝っているのがわかります。ちょっとばかり分解能はよいけれども軸上色収差は大きい,こういったレンズと把握した上でつかいみちを考えなければなりません。
ちなみに,この高性能タイプの方の軸上色収差は,同じ会社の60年前の製品と比較しても大きなものです。色収差の残存具合も特殊で,ふつうは550nmを基準として,630nmくらいが近接していて,440nm付近が遠く離れるといういったアクロマート補正が多いのですが,このレンズの場合は550nmに対して,630nmと440nmが同じだけ離れているような感触です。ピントの深さを考慮して,最小錯乱円にどのくらい各色を収めるかという設計思想に個人の独創性が入っているのがわかるような気がします。
軸上色収差は動かない物体に対しては,色によるピント位置の異なりなので補正は可能です。よって,筆者にはこの多大な色収差のレンズでも出番があります。同じ倍率領域でわずかな分解能の差が必要な場面,というのがあるからです(画像/MWS)。
2020年8月10日
珪藻も涼しげな感じですかね。ビドゥルフィアの全被殻画像。1枚目は全景,2枚目はトリミングしたもの。
鏡基S-Ke,CF Plan 10x (0,25) 160/-,コンデンサAchromat1.25,偏斜,直焦点,Nikon1J5(画像/MWS)。
2020年8月9日(2)
ここのところ当室周辺は最高気温が35,36,37゚Cというひどいことになっています。暑すぎますね。
ということで少し涼しげな画像。プランクトンは水中にいるせいか,クールな感じがします(画像/MWS)。
2020年8月9日
ほんらいなら今頃は,令和2年度 東北ブロック地区農水産物調査で宮城から岩手をうろついて,現地の農水産物を現地で品質チェックを行っている頃なのですが,今年は様子を見ながら今のところは見合わせています。
しかし宮城県生まれの筆者が,東北復興支援を忘れるはずがありません。今年は現地で調査を行う代わりに,都内で東北ブロック地区農水産物調査を行うこととしました。幸いにも,都内にはアンテナショップというものがありまして,筆者の大好きな宮城ショップは徒歩圏内,岩手ショップも銀座なのでちかいのです。
ということで,きょうの画像は岩手,宮城の日本酒と,女川のホヤ酒蒸し,山形の枝豆です。この時期,文句のない組み合わせです。もちろん,最高の味わいです。
でも例年と一つだけ違うことがあって,それは「空気」です。東京都心の空気を吸いながら食べる東北の味と,東北の空気を吸いながら食べる味は,何かが違うように感じられます。
むかし團伊久磨が「ぱいぷのけむり」に書いていたのを覚えているのだけれども(小学生〜中学生頃の愛読書でした),海外でパンを食べると大変うまい。日本でもこんなパンが食べたいと飛行機で持ち帰り食べるとまずい,というようなことでした。たぶん,それと似たようなことがあるのかも。
やっぱ,東北に行きたい。行きたいなぁ。猛烈に行きたい。
東北には安らぎがあるんです。スーパーのレジでお会計をしても,定食屋で何かを頼んでも,宅急便の発送をお願いしても,ふんわりと包まれるような温かい対応をしてくれることが多くて,あーこれが東北なんだよなーと実感するのです。
今から20年前,恒例の栗駒山の宿に行ったとき,当時はまだ筆者も若くて新婚ほやほや。体力もあって,ご飯もたくさん食べていました。そこの宿ではイワナの塩焼きや現地でとれたきのこが汁物に入っているような洒落たところでしたが,ご飯が人生で食べたどこのご飯と比較しても屈指のおいしさで,おかわりして何杯も食べてしまいました。だって栗駒のお米を栗駒山の渓流の水で炊いているんだもの。
ホテルですからテーブルごとにおひつがあるのですがすぐに空になり,おかわりを頼んでまた空にしてしまった覚えがあります。そのときにフロアのスタッフのおばちゃんが,ニコニコしながら「いっぱい食べてね〜」と,なんともうれしそうにご飯を運んできたのです。大喜びで筆者はご飯を食べ尽くしましたが,あとになってみると,あのおばちゃんの素敵な振る舞いが心から消えないのです。あのおばちゃんの自然な東北的動作は,ちょっと言葉にはできません。
あの光景を思い出すと,特に酒を飲んでいるときには,なぜか目から水が出てきます。鼻水もでます。なんだろうこれは。あらゆるもの全てを肯定するオーラをはじめて浴びた経験だったのかもしれません。
これが東北の佳人(山本素石)というやつなのです。
そのとき宿泊した宿の隣室?かどこかには,石巻の漁港関連の婦人会の皆様がご宿泊でした。みなさまパワフルで部屋で飲んで大騒ぎ。明け方まで大声で元気に歓談が続いたのでした。
翌日,帰路の送迎車で婦人会の皆様とご一緒となりました。やはりパワフルさはそのまま。「私なんかビール飲みすぎて朝まで7回もトイレいったわよ」「わははははー」といった威勢のよいおばちゃんたちでした。途中,無人販売所があるとめざとく見つけて送迎車を止め,大量の大根そのほかを買い込むあたりもさすがは婦人会の面々といった感じでした。
カミさんと筆者は縮こまって送迎車に乗っていたのですが,いまはなき栗電の栗駒駅に近づく頃になって,「ひょっとして新婚さん?」「あらいいわーねー」から始まるおばちゃんの嵐に巻き込まれて質疑応答タイム,正直な筆者は何でも答えて,最後は石巻漁港婦人会の皆さん全員に祝福されながら送迎車を降りたのでした。恥ずかしいようなうれしいような出来事です。
これも東北なのです。
その後,東北内陸で大地震が起きて栗駒周辺は大変なことになりました。その5年後に東日本大震災です。石巻も惨状はよく知られるところです。あの婦人会のおばちゃんたちなら,きっと元気だろうと思っていますが調べようもありません。
ので,筆者にできることは,東北の復興支援になるようなことをするしかないのです(画像/MWS)。
2020年8月8日
またオナガダイが入荷。巨大なブロックで東京都産なのに980円。このくらいのブロックになると,オナガ丼を作っても4人前はたっぷりとれる。とすれば一杯のオナガ丼が原価300円ほどになる。夢のような話。
きょうはこのオナガを大きな柵のまま平造りにして,ゴハンを巻き巻きして食べようと思ったので,久しぶりに9寸の柳刃を出しました。さすがにこの大きさのブロックは7寸では足りません。
江戸菊水と書かれた9寸の柳刃は,ジョイフル本田(荒川沖店)で買ったのです。包丁コーナーに無造作に転がっているものを購入したのでした。4480円でした。格安です。
それもそのはず,この柳刃は最低限の完成度で,ほとんど「素材」みたいなものでした。筆者は研ぎが趣味なので,買った柳刃が曲がっていても,しのぎがおかしくても,自分で修理するので良いのです。安い素材を買って最高の包丁にできればいいのです。
案の定,刃裏に向かって反っており,裏押しできない状態。歪み直しにかなり時間がかかりました。でも捻れは少なく,反りを修正すれば実用可能でした。表はサンドブラスターでつけたようなニセ霞がついていたので荒砥からつかっておろし,刃線の修正も兼ねて形作りをして,最終的には鏡面仕上げにしました。
鋼材そのものはよく,切れ味も十分です。主に年末大忘年会でたくさんの刺身をひくときと,明石のマダコが入荷したときが出番となるのですが,今回はオナガダイの大型ブロックでの出番でした。
さすがに9寸もあるとひきやすく,あのオナガダイの崩れやすい身を3〜5ミリの厚さで幅広に切ることができました。これにわさびをのせて,しょうゆをつけて,ご飯を巻き巻きして食しましたが,いつ食べてもオナガダイは飽きの来ない上品な味だなあと惚れ惚れ。うますぎないんです。とてもバランスのとれた味。すこしのしつこさもなく,それでいて身にはしっかり味があって,食べていて充実感があります。
これだけ大きな柵ならば,煮る,焼く,いろいろできそうですが,なんかもったいなくて,ウチではいつもお刺身です。でも,都内には,オナガダイのアクアパッツァを出すイタリア料理のお店があるらしく,うーんきっと想像を超えるおいしさなんだろうなぁと夢想しています(画像/MWS)。
2020年8月7日
これから顕微鏡観察を始めたいのだけれども,どんな顕微鏡を買ったらよいのでしょう? とか,子どもに顕微鏡を買ってあげたいのだけれどもおすすめの機種がありますか? などといった相談がたまにあります。ケースバイケースのこたえになりますので,これといった定石の返答法はないのですが,一つだけ重要なことがあります。
それは「ほしいと思っているものを買う」「ほしいと言われたものを買ってあげる」ということです。
光学機材に詳しい人に多いのですが,豊富な知識を活かして,最善と思われるものを勧めたいあまりに,その人が「ほしい」と思っているものとかけ離れたものを勧めるケースがあります。代表的なものは,望遠鏡をほしがっている子どもに双眼鏡の素晴らしさを説き,双眼鏡をかってあげてしまう,というのがあります。
これの変形バージョンがいろいろあって,屈折望遠鏡がほしいと言っている人に収差云々を説き,反射望遠鏡を買わせてしまう,などといったものや,望遠鏡を経緯台にのせて使いたいのに,絶対に赤道儀の方が便利だと説き伏せて赤道儀を買わせてしまう,などといったものです。
これは,個人的にはかなり悪手だと考えています。相手が大人であればまだ理屈を理解してハッピーな結末をむかえることもあるでしょうが,子どもの場合はそうはいきません。望遠鏡をほしがっている子どもに高価な双眼鏡を買ってあげたとしても,子どもは,「買ってもらえたうれしさ」と「自分の願いは否定された」という矛盾した感情を生成することになりかねないからです。押し売りはダメです。
確かに,子どもが屈折赤道儀をほしがっていたとして,それは多くの子どもには使いこなせないだろうし,数ヶ月もすれば飽きてしまうかもしれません。でも,それを買ってあげれば,子どもにとっては「願いが受け入れられた」というかけがえのないポジティブな感情が生まれます。このポジティブな感情はその子どもの中で熟成し,やがて大人になったときにふたたび望遠鏡熱が再会して,すばらしい体験・人生につながるかもしれません。
子どもにいろいろな体験してほしさに,短期的な利益だけを考えてはいけません。人生は長いのです。当サービスのお客様の中にも,子どもの頃にのぞいた顕微鏡が忘れられずに,大人になって余暇の時間もできてきたことを幸いに顕微鏡をはじめてみたい,あるいは退職して時間ができたので本気で顕微鏡をやりたい,という方々がいらっしゃいます。子どもの頃の原体験が生きているのです。
ちょっと別の側面からも考察できます。望遠鏡のなんたるかをまだ実感できていない子どもにとっては,「望遠鏡で天体をみたい」という欲求と,「あこがれの望遠鏡がほしい」という欲求はたぶん,未分離でしょう。とするならば,望遠鏡を手にすることそのものが,子どもの夢を叶えることになるのです。所有欲求に関することです。
N700Sの鉄道模型をほしがっている子どもに,D51の方がかっこいいと説得して,D51を購入してあげても,子どもの心にはなんとなく裏切られた不快感が残るでしょう。でも,お金出してくれるのはパパだから文句もいえない子もいるでしょう。N700Sを望遠鏡,D51を双眼鏡と読み替えれば,望遠鏡をほしがっている子に双眼鏡を勧めることの乱暴さが理解できるでしょう。
大人だって,望遠鏡をたくさん購入して,覗きもしないで望遠鏡自体を飾っている人もいます。最初は天体観察が趣味だったのでしょうが,そのうちに機材集めが趣味になったのでしょう。これだって立派な趣味です。
この話,顕微鏡にももちろん適用できます。子どもがほしがっているのが生物顕微鏡なら,生物顕微鏡のよい機種を買うのが本筋で,実体顕微鏡や高倍率ルーペの方が実用的と説得して与えてはよくないです。「本当に欲しいものを買ってあげる」というのが子どもとの信頼関係を強固にして,その肯定的感情が将来に結びつくものと筆者は考えています。
使いこなせなくたっていいのです。カバーガラスを割ってみたり,高倍率の対物レンズでミジンコをつぶしてしまったり,珪藻が想像以上に小さくてまともに見えないことに驚いたり…,子どもにとってはあらゆることが経験です。そしてその中に原体験となる感動のタネはたくさんあることと思います。
そして最後にもっとも重要なことを書きますが,もし本当に子どものことを考えて,さまざまな体験をしてほしいと願い,子どもがほしがるものと自分が与えたいものが一致しない場合には,両方買ってあげればいいのです。
生物顕微鏡と実体顕微鏡,あるいは天体望遠鏡に大口径双眼鏡を買ってあげればいいのです。経緯台がほしい子どもに,経緯台と赤道儀の両方をプレゼントしたっていいのです。そうすれば,子どもの願いを叶えつつ,親の教育的観点から,こどもの経験の幅を広げる機材提供にもなっており,win-winといえます。
本ページの読者の何人かは,筆者から「はやく両方買って幸せになった方が良いです」という文句を聞いたことがあるでしょう。その言葉の背景には,こんな考えもあるのでした(画像/MWS)。
2020年8月6日
きのう,過去20年で,カミさんが風邪をひいた回数はたぶん30回くらい,と書きましたが,これは年に1,2回程度の頻度です。でも実際はこのように単純化できるものでなく,一緒に暮らし始めてから,最初の7年で25回あるいはそれ以上,あとの13年で5,6回,という感じです。前期と後期でまったく頻度が異なります。
なぜ劇的に風邪をひかなくなったのかというと食事内容を見直したからです。もっとも効果があったのは,
・砂糖,ブドウ糖,果糖などを含有する一切の食品を排除
・粉食をやめる(麺類,スナック,パンなど)
・脂質をできるだけ減らす
・乳製品をできるだけ減らす
・肉類よりも魚にする
・野菜の多食。特に煮野菜
・きのこ,海藻を毎食少量ずつ
・サプリメントをとる(VB群,ミネラル系など)
こういった内容を実行したことです。ちなみに,筆者はここ13年間で風邪をひいた回数は2回です。2009年2月,そのあとは今年の2月はじめです。
なぜ食事内容を改善すると風邪をひかなくなるのかというのは,分子生物学的な,あるいは生理学的なデータは持っていませんが,まぁ大まかに見て,代謝が正常化したということでしょう。砂糖や脂質を大量に摂取すると,それらを代謝するためのビタミン類,微量金属などが消費され,供給が追いつかないとどこかに欠陥がでてきます。
筆者の観察では,よく風邪をひくひとは,食生活がおかしいことが多いです。職場の引き出しにはスナック菓子が入っていて,それをつまみながら仕事。昼食はカップ麺。コーヒーに砂糖を入れてがぶ飲みして,甘いもの大好き。夜食にも大好きカップ麺。皮膚をみれば肌荒れしていて,栄養不良なことは一目瞭然。こういった人は年に何回でも風邪をひいて,そのたびに重い症状になって苦しんでいます。
もし治したければ,食生活を見直して毎日まともな食事をすれば,数ヶ月もすれば体調はよくなっていくものなのですが,甘いものやカップ麺が大好きな人は,依存症のレベルで食べていることが多く,上記の食生活改善を提案しても,半数くらいは拒否します。そして体調も悪いままです。半数くらいは,直ちにやってみて,数々のメリットを体験して効果を実感します。
筆者としては,病に伏していたような子が,みるみる元気になってニコニコ活力あふれる姿に回復していくのを見るのが楽しいので,ついつい余計なお節介をしてしまいますが,これまで,上記のアドバイスで本当に健康を取り戻した子がたくさんいるので,これからもお節介を続けるぞと思ったりもするのです。
筆者は受け売りはしません。誰かに何かを勧めるときは,自分で経験したものだけです。最低限の根拠と実感はないと責任の取りようがないですし,何かで知った情報をばらまくのなら,それはツイッターで真偽不明の情報をリツイートして良いことをしたと勘違いしているような阿呆と同じになってしまいますので。
きょうの画像は上記の食生活を継続する上で必要な一品。市販のメカブに山芋を千切りにしたものを和え,削り節を加えてかき混ぜ,仕上に,表面に薄くしょうゆを塗ったもの。料理は出会いもの。面白いのは,1+1=2にはならないんですね。このメカブ,山芋,削り節,しょうゆという組み合わせは,メカブ+しょうゆの組み合わせと比べると,まったく比較にならないほどの充実した味わいを感じます。1+1=396くらいの,ユークリッド幾何空間を超越した,宇宙際タイヒミュラー理論でも解けない深遠なる世界が,素材と味覚の世界には広がっているのです(画像/MWS)。
2020年8月5日
その後,カミさんの症状は完治に向かい,筆者も何らの症状を感じることがなかったので,感染症対策としての家庭内隔離は8/5で終了し,家庭内分離,の一段階レベルを落としたモードに移行することとしました。ご心配いただきました皆様,ありがとうございます。
今回,カミさんが風邪症状を呈してからの家庭内隔離モードとなりましたが,「潜伏期間を考えればそれでは対策として遅いだろ」とのご指摘があろうかと思います。しかし,当室では2月以降,ゆるい隔離モードを継続して生活していたので,いきなり対策をはじめたわけではありません。声の出し方,話すときの方向,食事のときの分離,いろいろなことは日常やっています。ので,急にあわてて隔離モードになったというわけではありません。こういったことは日頃の取り組みが重要です。
過去20年で,カミさんが風邪をひいた回数はたぶん30回くらい。対して筆者はよく覚えていませんが3〜4回くらいです。風邪をうつされない行動は過去20年間実践しているのです。今回の新型コロナもその実践の延長線上にあるものなので,今まで通り+さらに厳しい取り締まりをすればたとえ家庭内でも対応可能なものだろうと考えます(画像/MWS)。
2020年8月4日
本ページは相変わらず料理記事を掲載していますが,これは新型コロナ対策で時間がとれないので仕方がありません。料理は毎日していますのでネタに困ることはありません。
しかも,本ページを参考に作ってみたよ,という人が少なからず存在することが明らかになっていて,筆者の真似をして砂糖を一切入れずに酒,しょうゆだけでふきのとうを炒めたらさっぱりして大変美味との意見をいただいたりもしています。シャケキャべシを作ってみたよ,とか,オナガダイおいしいですねーとか,鶏レバー好評でしたーとか聞くと,それが全て女性の意見であることも相まって,うれしさ100%なのです。
さてきょうは手抜き料理の話。筆者の料理はつねに手抜きですが,インチキではありません。最小の工程で最大の効果を狙っているだけです。きょうの料理は市販のレトルトを調味料として使ったもの。
なす,ズッキーニ,ソーセージ(鎌倉ハム)は適当にごろごろ切り,軽く塩コショウして,テフロンのフライパンでソテーします。油は入れません。適度に火が入ったらトマトのみじん切りを加え,市販のレトルトのボロネーゼを加え,フタをして弱火で煮込みます。これで完成。じつに簡単ですがボリュームもあるおいしいおかずの完成です。
最近のレトルトは完成度が高く大変おいしくできています。それでカミさんが買ってきたボロネーゼをパスタにかけて食していたのですが,味が濃いんですね。ジャンク慣れした現代人の,いちばん劣化した味覚にあわせて作ってある感じです。なぜなら,それがいちばんクレームが少なくなるからでしょう。味が薄くて食えない,という人は山ほどいますが,味が濃くて食えない,という人は少ないらしい,という話をどこかのメーカーの談話で聞いたことがあります。特にお年を召された方は濃い味を好む方が多いですね。
これだけ味が濃いと,250gのパスタにかけても大丈夫,という感じなのですが,それではデブになってしまう。病気でデブになった人を除けば,デブであるというのは自己管理能力の欠如と周囲から見なされても文句はいえないので,デブになってはいけません。…ということで,この味の濃いレトルトは「調味料」という結論になるわけです。
かんたんにナスミートにしてもおいしいですが,このボロネーゼはズッキーニと大変よく合う感じがします。きのことも相性がよろしいので,きのことボロネーゼを混ぜて適度な塩分まで薄めて,パスタにかけるのもよろしいかと思います(画像/MWS)。
2020年8月3日
加熱調理法はいろいろなものがありますが,筆者は時間短縮と仕上がりのバランスをとって,多くの食材を電子レンジで処理しています。火を使わないので夏は部屋が加熱されませんので助かります。
むかしは湯通ししたり煮たりしていたものの中で,電子レンジ調理の方が味が良いものがあって,そういったものは電子レンジオンリーの状態です。当室では野菜を大量に消費しますが,ただ火を通しただけで食べるものも多いです。白菜,キャベシ,ブロッコリー,モヤシ,オクラ,なす,かぼちゃ,きのこ類などは,電子レンジ調理でも十分です。
きょうの画像は枝豆。これも電子レンジの方が茹でるよりも味が濃く仕上がり美味です。市販の一パックをざっと洗って浅い皿に盛り,フタをして,600Wで6分ほど。加熱後は水が出るのですぐに捨てて,風を通してあら熱をとります。当室では塩を振ることなく豆の味をそのまま楽しみますが,この方法はいつも安定した仕上がりでおいしく食べられます。
この電子レンジ調理法をふだんからマスターしておくと旅行が楽しくなります。フロアーに電子レンジ備え付けのホテルは多いので,そういった宿を選び,旅先で見つけた新鮮野菜などをチンして食べるのです。枝豆などは鮮度が命で,旅行先の朝どれ湯上がり娘など最高です。これを宿でチンしてビールのつまみにすれば最高です。
朝になればナスときのこでもチンして,カップの中華スープにどっさり入れて,あとはパックご飯に納豆でもあれば,活力のある一日を過ごせるでしょう。
欠点があるとすれば,電子レンジ,ふつうの家庭には一台しかないので,たくさんの食材を次々とチンすると「渋滞」が起こるのです。待ち時間が発生して調理に費やす時間が長くなってしまうこともあります。ので,たくさんの食材を処理するときには組み合わせと順番を考えて効率的にやらないといけません。これがけっこう頭の体操になります(画像/MWS)。
2020年8月2日
数日前からカミさんがノドの痛みに鼻水といった症状になり,頭痛,その後にだるさも出てきています。発熱はありません。現在は回復傾向です。
少し前までの世の中なら,軽い風邪みたいなもの,で済んだ話ですが,残念ながらここは東京都心。カミさんの職場や出入先ではすでに3名以上のPCR陽性患者が出ていて,カミさんは,濃厚接触者の濃厚接触者,という位置にいます。最後のPCR陽性が出てから現在は2週間半です。
…ということは,このカミさんの症状は新型コロナ感染によるもの,である可能性を排除できません。90%はタダの風邪でしょうが,都内のPCR陽性率が上昇の一途なので,有意で新型コロナの可能性があります。一難去ってまた一難。やれやれです。
ただちに筆者が新型コロナ対策本部長となって,室内行動のすべてを指揮することとなります。唾液を飛散させない行動,触れて良い物品,触れていけない物品,狭い室内での時空間対人分離,気流の制御・換気,もちろん室内でも夫婦両者がマスクです。マスクを外しているときは鼻呼吸です。
ウチの夫婦は20年間の訓練による,ワンワン言葉による意思疎通が可能になっているので,口を開かずしても,「わうわうわうわう?」「わうわう」「わうわうわう?」「わうわう」という会話が可能で,新型コロナ対策に威力を発揮しています(笑)。
当然,料理はすべて筆者が二人分作ることになります。すべて別々の皿に盛り付け,別室での食事となります。筆者が風上側で,カミさんが風下側で,流線的に4〜5m離れての食事です。食器類の洗浄もすべて筆者の仕事です。食材は基本,加熱調理として,生で食べるものは,カミさんが接触したいかなるものとも,また飛沫とも触れることのない条件を満たした上での調理です。
健康維持のためにはバランスの良い食事が絶対条件です。とくに新型コロナの世の中にあっては,肥満を誘導するような,砂糖,デンプン,脂質優先の食事は絶対に避けなければなりません。生鮮食料品,素材から調理する毎日です。だいたい5-9品目くらいを二人分別々に盛るので,途中経過も含めれば,必要な皿やフライパンなどの数はたぶん30-40になります。手間がかかりますが仕方がありません。
盛り付け,配膳時は,気流的に隔離された条件で行います。すべて支度ができたらカミさんを「食事の暗号」で呼んで(こちら),着席,筆者は風上に向かい食事とします。
カミさんが食べ終われば食器はそのままにしてもらいます。歯磨きを終えて離席したら筆者が片付けに入ります。食器の洗浄は中性洗剤+お湯で十分ですが,アクリルの布で十分全面を洗うことが大事。
ドアノブ等は中性洗剤で洗い,照明のスイッチ等は直接操作しないようにします。トイレは共用ですがここからの感染はあまりないでしょう。共通して触れる部分を意識して,あとで手を洗えば十分かと思います。
筆者は普段から,自分の顔に手を触れることがありません。これは商売柄のこともあるでしょうが,手に皮脂がつくのを極端に嫌います。今回の新型コロナ騒ぎ以前から,顔を触れることはほとんどなく,それでも手洗いの回数は尋常ではありませんでした。これが今回の新型コロナ対策に効いていることは確かでしょう。
会話をするときはお互いマスクですが,それでも多少の漏れがあります。でも筆者は室内の気流が読めるので,つねに飛沫が来ない位置をキープできます。これも永年の経験によって,室内の落下粒子に気を遣ってきた経験です。
ということで,科学哲学の用語で,パズル解き,のような感じの毎日を過ごしています。さすがにこれでは仕事はほとんどできませんね。でも,カミさんの健康が確認できる10日後くらいまでは,こういった生活を続けるしかありません。そしてこれは,来たるべき時代? への予行演習みたいなものです。
きょうの画像は,その合間に行ったちょっとした作業。知人が日亜化学の高演色LEDを教えてくれ,サンプル品をいただきました。NF2W757G-F1というもので,最近のLEDを調べていなかったので知りませんませんでした。小さなチップLEDで,リフロー前提なので使いこなせる自信は皆無です。でも,Ra=95(min.)というスペックらしいので,これはちょっといじってみないと,と思い,当室に大量に在庫しているLEDライトの改造を行ったのでした。
あまりに小さいチップなので,顕微鏡デスクに粘着テープを貼り,そこにLEDを貼り付けての作業です。ハンダ面に予備ハンダをのせて,LEDライト側には鉄線を仕込んで研磨して予備ハンダをつけておき,幅をあわせて,両者を手ハンダで結合,といった手順ですが,小さくて精密にやるには難しかったです。一個は芯出ししようとして加熱しすぎて破壊しました…。
まぁでも何とか載せ替えが完成すると,新しい,色温度5000Kの,ポケットに入るLEDライトが入手できたことになり,うれしくて早速よるの運動に持ち出し,いつものように約6kmの道のりをLEDライトをぴかぴかさせながら歩いたのでした。なんか,やっていることは小学生の頃とあんまり変わらない気がしますが,まぁそれでいいでしょう。うれしいんだから(画像/MWS)。
2020年8月1日
本ページをごらんの方々には,筆者がお魚大好きであることは明らかでしょう。牛肉は年に数回,ぶたにくは数十,鶏肉はもう少し多く,魚はもっと多いのです。で,お魚系youtuberなども(娯楽に)よく見ています。見るところは決まっていて,きまぐれクックさん,へんな魚おじさん,西やん会長の辺りです。
これらの専門家の動画を拝見していて気になることは,確かに目的のためには最善を尽くしているように見えますが,せっかくの素材を無駄にしてはいないか,ということ。たとえば,刺身にするのに,皮を引きますが,その皮は捨てたらもったいないのです。塩を振って焼いたら身以上においしいのです。
動画編集の問題もあり,内臓や皮を有効利用するのが面倒なのは分かりますが,「廃棄物」のような扱いで動画で流すのは勘弁してほしいと思います。メバルでもホウボウでもいいです。皮を引いて,塩を振って焼いてみてください。廃棄するものでないことは直ちに脳が理解します。
きょうの画像はイカの皮。これは捨てる人が大半なのでしょうが,湯通し,または加熱すれば,シコシコとした味わいのおつまみとなります(画像/MWS)。
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