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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2020年11月30日




秋の風物詩  ナチュラルヒストリーフォトコンテスト は本日が締め切り日です( こちら )。「自然の美しさやすばらしさを表現した作品で、「自然史」を感じさせる作品」をお持ちの方,応募は簡単なので挑戦してみてはいかがでしょうか。まだ間に合いますよー。

きょうの画像はRMSマクロで撮影したJシリーズ。収差だらけで開口数も低く全然解像しませんが,ぼんやりぼやけた中に鮮やかな色が出るのでこれはこれで面白いかな,などと思っています。自然史を感じさせる作品,とはいえないような気もするので,ナチュラルヒストリーフォトコンテストには使えなさそうです…(画像/MWS)。








2020年11月29日




テスト封入で作った標本中に現れた星形の珪藻。トリケラチウム・ペンタクリナスだろうと思います。封入剤の屈折率が1.6以下なので,とてもマイルドで低コントラストな標本になっています。この珪藻は厚みがあるので屈折率の低めの封入剤で輪郭と内部構造のバランスがとれるポイントを探して標本製作すると良い絵が作れるのかもしれません(画像/MWS)。








2020年11月28日




ことしはオナガダイを通年で食べているような状況になっていますが,海域によっても時期によってもサイズによっても鮮度によっても味が違い「旬」を決めるのが難しい魚だな,との印象を強くしています。つい先日いただいたものは鹿児島産のものでしたが最上級の味わいでした。得も言われぬ脂とうまみ。少量の生醤油で漬けにするとびっくりするほどウマイ。オナガダイの旬は晩秋から冬なのかも。

もう一つ画像に写っているのが「やがら」。でもやがらじゃわかんないよ。アオヤガラなのかアカヤガラなのか。見た感じ,アオヤガラっぽい気がするし,味もアカヤガラのきめの細かい脂の感じがない。身の厚みもそんなにないし。ということでたぶんアオヤガラなんだろうなと思いながらいただきました。ふつう,アカヤガラだったら「ヤガラ」なんて書かないよねぇ。スーパー「よしや」さん,そこんところどうなんでしょう(画像/MWS)。








2020年11月27日




26日も新聞社の取材でした。Round 2といったところです。記事の方針が決まっていないので幅広い情報収集が必要で,合計7時間以上,それに加えてけっこう膨大なメールのやりとりということになっています。新聞記者さんのお仕事ってなかなか大変ですね…。わずかな行数の記事を生み出すのに勉強,取材,執筆と膨大な作業量です。

珪藻などというものに詳しい新聞記者さんなど皆無に等しいので,筆者としては,記者さんに珪藻の素養をつけていただければと,こちらも出血大サービス状態です。可能な限りの準備を行い,観察,講義,質疑応答,刃物研ぎ(笑),なんでもサービスいたします。珪藻を世に知らしめるのが筆者の仕事なのですから手抜きはできません。

そういう筆者と相性の良い記者さんだと,良い記事が生まれたり,良い企画ができたりと,相乗効果が発揮されたりもするのです。先日掲載された朝日小学生新聞の特集記事がまさにその一例といえましょう。数年前にも週刊連載で珪藻ミニ図鑑の記事をのせていただきました。どちらも,珪藻の不思議を伝える本当に素晴らしい紙面でした。

新聞社は基本,「人」を伝える記事を書くのが仕事です。それはわかっています。しかし本ページの読者はお分かりのように,筆者は有名になりたくありません。「珪藻を有名にしたい」のです。ので,珪藻とはどんなものなのかを本気で記者さんに伝えないといけないのです。

それにしても取材対応は大変です。一部の新聞社を覗いて画像なども全部無料で提出ですから。「広告料」と考えれば安いものという解釈もあるでしょうが,当サービスの高品位画像群は有料で販売しておりますので,マスコミにだけ無料で提供というのはスジが通らない気もします。かといって取材を断れば福音館書店さんが悲しい顔をするでしょうし,吹けば飛ぶような個人事業主としては,なんだかなぁとぼやきたくもなるのです。

取材を受けている最中は,記者さんはみなさん品格の高い方々ばかりで,筆者にとっても幸せな時間なのですが(画像/MWS)。








2020年11月26日




25日は聞けば誰でも知っている新聞社の取材でした。珪藻美術館(福音館書店)を出版してから取材が相次いでその負担がとんでもないことになっています。筆者の作業場は自宅ですから,いきなり来られても散らかっていて来客をお迎えできる状態ではありません。部屋の掃除から取材対応の準備を始めるのです…。

まーそれでも,筆者の作品に何らかの反応を頂けるのは有り難いことなのでできる限りの対応をしています。ほんの10年前までなら,日本人の99.9999%の方々が,「珪藻アート」などというものをご存じなかったと思います。でも筆者が開業して10年を経過し,ひょっとすると,日本人の10万人くらいの方々が,「珪藻アート」を知っている,ということになった感じなのです。

何かを周知させるという仕事は難しい部類に入るのですが,珪藻には人の心をとらえる何かがある気もしているので,挑戦はまだまだ続きます。

きょうの画像は取材後に作った小松菜のアーリオ・オーリオです。イタリア料理は砂糖を使わないので筆者の仕事には最適な面もあります。でもイタリア料理はオイルを使いすぎるので,和食とイタリア料理のハイブリッドくらいが日本人の健康には良いような感じもあります。

小松菜はあらってざくざく切ります。オリーブオイル(オーリオ)をテフロンフライパンに入れ,同量のバターを入れます。そこにニンニクのみじん切りを入れ,フタをして弱火でじっくりと加熱します。

ニンニクが色づく頃になったら小松菜ときのこを入れて,塩を振りかけて,よくかき混ぜて弱火でじっくりと蒸します。もちろんフタをします。

あとは火の通り具合でできあがりを判定すればOKです。アーリオの効いた,減塩の,そして調和を感じる味になっていればOKです(画像/MWS)。








2020年11月25日




プレパラートの修理を行いました。このところJシリーズの破損報告がぽつぽつあるのです。どれも重症で簡単に治るものではありません。きょうの画像は最も重症だったJ479の修理完了後の姿です。電動フォーカスで対物レンズによって突き破られたような感じの破損です。バラバラになっていましたが,所有者は破片を全部保管してくれていました。

このタイプの破損は別のスライドグラスにのせて接着してしまうのがいちばん簡単なのですが,そのようにするとコンデンサの作動距離が不足する場面が出るので光学的には「完璧」とはいえません。そこで頭を悩ませることになります。このスライドは受け取ってから修理に着手するまで14ヶ月を要しました。どんな修理をすべきか踏ん切りがつかなかったからです。

どうしても光学的に完全なものにしたかったので,修理は破片を組み直して補強することにしました。まず仮組みしてこの方法で修理可能かを調べます。ごく一部の破片が欠損していましたが大丈夫でした。次に補強用のガラスを切り出します。強度がきちんと出るように正確な寸法が必要なのでこれが問題でした。ガラス切りで傷を入れたあと,鉄のネジを真っ赤に加熱した焼玉でなぞり少し大きめに切り出します。これをダイヤモンドやすりで整形して所定の寸法に持ち込みます。

次は破片,補強ガラスの清拭。接着強度が出るようによごれを除去しなくてはなりません。しかしガラスの破片を拭くというのは大変困難な作業です。拭いたあとに繊維などが一つでもついていたら破片どうしを組むことができません。慎重に作業を行います。

補強ガラスは標本上面からあてます。裏側はきちんと平面が出るように組まないとまずいので,スライドガラスを切ったスペーサーを用意して高さ調整して,適量の接着剤を注ぎながら破片を組んでいきます。非常に難しい作業です。全体をきちんと組んだらあとは接着強度が出るのを待ちます。

接着が完了したら実体顕微鏡下ではみ出た接着剤を削ぎ取ります。そのあと,側面のわずかな段差を除去するためにダイヤモンド砥石で水研ぎを行います。段差が除去できれば次は清拭です。全体を完全に拭き上げます。それからラベル打ちを行い,最後にもう一度標本面を拭きます。

…という壮大な作業により,バラバラに壊れたJシリーズは復活しました。これで光学的には問題なく使えます。Jシリーズは膨大な手間をかけて手作業で製作する一品ものです。このくらいしてでも修理する価値があります(画像/MWS)。








2020年11月24日




新型コロナウイルスの感染者数が大きく増加し政府があたふたしているように見えますが,これはどうしたことでしょうか。春の時点で重症患者のみPCR検査を行い,軽症者は市中にばらまいたので,感染者が広く拡散することになるのは自明でした。その後も検査数をほとんど増やすことなく,11月になった時点でも,感染者と同室の人がマスクをしていただけで濃厚接触者とはみなされず検査してもらえないケースが続出しています。そして同室の人が自費で検査を行い,感染発覚という事例も次々と出ています。

つまり未だに政府は軽症者を積極的に市中にばらまく政策をとっていることになります。

そこにGoto旅行や飲食を積極的に行うよう兆円単位の補助を出したわけで,市中にばらまかれた無症状感染者は全国に拡散して「火だね」を作ることになります。Gotoで感染者が爆発的に増えたというよりは,実際に起きていることは,(1)PCR検査をしないことによる市中感染者の増加,(2)市中感染者を全国に旅行させるような政策,(3)海外からの感染者が流入しやすいような条件づくり,の3点セットで,これまでは感染者が皆無だった地方にもウイルスの流入が起きたということでしょう。離島などでの感染事例を見ればこのことは明白です。

そして,(4)気温の低下による感染力の増大,(5)未だに不十分な検査数,のセットで「火だね」からは次々と感染者が増加していきます。

…ということが起きるのは誰でもわかっていたことですし,わかっていたことが起きただけなのですから,政府が何をあたふたしているのかよくわかりません。まさか,感染者がこのまま増えずにGoto大成功,と考えていたのでしょうか…。専門家は旅行自体は問題ないと言ってみたり,マスクをつけながら食事しろと言ってみたり,同じ一人の人でもころころ意見が変わって忙しいですね。

筆者は5月に円石藻のサンプリングに出向いた以外は基本,都区内から出ることなく過ごしています。人ともほとんど会いませんし買い物も滅多にしません。乗り物にもほとんど乗っていません。そこまで自粛生活を維持するのはひとえに,医療関係者に迷惑をかけたくないからです。

現場はもの凄く大変な状態が継続していて疲弊しています。政府が感染症と闘う医療従事者には一時感謝金として一人500万円給付すべきなのですが,なぜかブルーインパルスを飛ばしただけであとがありません。そんな中で個人ができることがあるとすれば,可能な限りこの感染症を広めないように協力することです。

自粛したらGotoも使わないわけで経済がダメになるじゃないか,ということを言う人もおられるかもしれません。しかし都内にいても,きょうの画像のような支援方法はあります。ほんの少しでも支援先を見つけてそこにお金をまわせばいいのです(画像/MWS)。








2020年11月23日






カールツァイスのAXIO Imager. A2は最高級のハイエンド顕微鏡ですが,筆者の観点からはひじょうに大きな欠点があります。それがきょうの画像。当サービスの誇る珪藻プレパラートJシリーズをA2で使うと,スライドグラスの裏側が傷だらけになります。多かれ少なかれ顕微鏡のステージ上を滑走させるとスライドグラスには微少な傷が入るものなのですが,A2では桁違いに大きく深い傷が入ります。おそらく,ガラスでステージが掘られないように高硬度の材質を使っているのだろうと思います。これは直ちにやめて頂きたいですね。標本観察面の裏側に傷が入れば位相差,暗視野では正しい観察ができなくなります。単に標本の美観の問題だけでなく,観察上の実害があるので改善すべき点です (画像/MWS)。








2020年11月22日






九州らーめん桜島が閉店したのは2019年3月。ずいぶん時間が経ったわけだけれども未だにこの名店がなくなったことを嘆く声を見かけます。多くの人を喜ばせ続けた味なのですから無理もありません。55年間ものあいだ人々を喜ばせ続けたという仕事は個人的には文化勲章にも匹敵する偉業だと思っています。これほど人々に愛されたお店も少ないでしょう(こちら)。

筆者の脳みそから九州らーめん桜島が消えたことはありません。「あの味」をいつもどこかで追い求めています。冷蔵庫を眺めて,豚肉(しゃぶしゃぶ用),味噌,わかめ,もやしがあることを確認すると,九州らーめん桜島の「みそわかめ」風の温野菜を作ることとなります。

豚肉はしゃぶしゃぶして刻んで味噌で練っておきます。もやしは電子レンジでチンして,塩蔵わかめは水で戻してS字フックにつり下げて水を切っておきます。あとはこれらを混ぜるだけ。味噌の分量の加減が難しいので,味見をしつつ足していきます。濃すぎた場合は,電子レンジで加熱したブナシメジか,木綿豆腐で薄めます。

九州らーめん桜島はあらゆるものが美味だったのだけれども,ギョウザは未だにこの店を超えるものに出会ったことがありません。「完璧な味」というものが存在するのかどうかは知りませんが,改善の余地を全く感じさせない完全にバランスのとれた味でした。ここのギョウザは不思議なもので,「ギョウザ」の味がするのです。ほかの店では,豚肉の味だったり,ニラの味だったり,キャベシの味だったり,白菜の味だったりがするのですが。

完全にバランスがとれると,それぞれの素材が調和して,「ハーモニー」が生まれるのだろうと思います。それはまるで音楽のようです。

ラーメンの「みそわかめ」はそれなりに再現できても,ギョウザのあの味は試行錯誤にも限界があります。いまのところはあきらめています。

でも世の中には,似たものは存在するのです。都内に多く見かける「肉のハナマサ」というお店があります。このお店の冷凍コーナーにある「焼餃子」というものが,とてもハイレベルで完成度が高く,そして「九州らーめん桜島」の味にかなり近いのです。

記憶の中で比較すれば,さすがにその日に作っている「九州らーめん桜島」に軍配があがあります。まぁ,数倍はおいいです。でもハナマサの冷凍品も十分健闘しています。この中国製の冷凍餃子を上手に焼いたなら,スーパーで売っているお総菜コーナーのものを遙かに上回る,まるでお店で食べているような餃子にありつけるはずです。

ただ惜しむらくは下味が濃すぎるんですね。醤油を付ける必要がないくらい濃い。餃子には少しだけ醤油の風味を足して食べるのが好みなので,そこは残念。でも濃い味が好みの人ならきっと合格点をもらえるのでは,と思ったりもします (画像/MWS, ハナマサのスクリーンショット)。








2020年11月21日




サイエンス系の人気ユーチューバー市岡元気先生のGENKI LABOでは毎回興味深い実験,過激な実験などがアップされていてよく見ています。筆者は高校の時は化学部に所属していて,科学マジックや爆発系実験などもよくやりましたので懐かしい思いです。

金曜夜の更新では,なんと55%のフッ化水素にガラスを漬けるという,おおよそ考え得る最もやりたくない危険な実験を披露していました。PFAのボトルに55%のフッ化水素が入っており,そこにガラスの塊を入れようとする場面が圧巻です。彼はプロなのでこともなげにやっていますが,筆者は見ているだけで胸が苦しくなりました。死の危険と隣り合わせの実験です。

この動画で『珪藻美術館(福音館書店)』の紹介もいただきました。昨年の『ケイソウ展』に行った人ならおわかりのように,市岡元気先生は珪藻の専門家でもあるのです。先生の過去のご研究にもさらっと触れられています。

動画は こちら です。元気先生ありがとう!!  (画像/MWS)。








2020年11月20日






きのう採り上げた焼酎で漬けた渋柿のおいしさについては新聞記者さんからもレスポンスをいただきました。「もぎたてみたいで瑞々しい!ととても驚いた」とのことで,まさに筆者の感想と同じです。みんなが感動する味なのかもしれません…。

さて柿にしろリンゴにしろ皮をむいて食べるわけですけれども,筆者は皮も食べちゃいます。そのままポリポリかじってもいいのですが,最近のお気に入りは電子レンジでチンすることです。特にリンゴの皮はアップルパイ的な風味が出て美味といって差し支えないでしょう。柿の皮もあわせてチンすれば甘みも付与されてよろしいです。

きょうの画像の分量で,600W,2分くらいです。真似して「ダマされた〜」と思う方もいらっしゃることとは思いますが,魚でも野菜でも果物でも皮は栄養豊富で風味豊かな部分でもあるので,好みかどうか試してみることは悪くないかもしれません…(画像/MWS)。








2020年11月19日




身の回りで新型コロナの感染者がぞくぞくと発生しているつまらない世の中にあっても,ほっとする瞬間はあります。それがきょうの画像。会津名物,見知らず柿です。ここ15年くらい?交流のある京子ちゃん(ほとんど同業者)から届きました。ありがとうございます〜京子ちゃん。春にはお酒とホタテ燻製,秋には新米と柿,物資補給で「元気を出せよ」のメッセージを頂いています。ほんとうに有り難いことです。

この見知らず柿,渋柿なのです。それを35度の焼酎に漬けて渋を抜き製品化しています。しかし箱詰めした状態(きょうの画像)を見ると,まるでもぎたてのようで,焼酎に漬けた痕跡は全くわかりません。大きな上等な柿がいっぱいに見えるだけです。

そして食べてビックリ。この上等な甘みうまみとテクスチャは最高峰の部類ではないかしら。ひょっとして柿は,甘柿よりも渋柿の渋を抜いたものの方が上級なのではないかしらと思うほどの逸品です。いやーめちゃくちゃウマいです。

今年は移動が制限される状況なので,3月以降は,5月に一度相模湾に出向いた以外は,山手線の内側で過ごしているのですが,それでもこんな素晴らしい山の幸を頂けるなんて,なんて素晴らしいことでしょう。見知らず柿の生産者さん,京子ちゃん,宅急便さん,皆さんに感謝感謝なのです(画像/MWS)。








2020年11月18日




昨日報告した事業体では合計9名の検査陽性者が出ていますが,ことの詳細がわかってきました。管轄の保健所は「濃厚接触者」と認定しないと検査に回さず,また濃厚接触者でも,発熱などの症状がないと,検査は後回しになるとのことです。狂気の保健所です。

この保健所のせいで,9日に陽性者が発覚したにもかかわらず,その時点ですでに発熱して欠勤していた二名も即日検査が妨げられました。そこでこの二名は,保健所の判断を待たずに自費でPCR検査を行い,陽性が明らかになったのです。ほかの一名も同様の経過で,合計三名が保健所による検査を即日で受けられず,自費で検査して陽性が判明したのです。

この自治体のHPには,PCR陽性が9名出たとの報告とともに,濃厚接触者はすでに特定されていて,検査の結果すべて陰性でした,との記載があります。これは嘘です。

なぜなら,このクラスター内の感染者が症状発現中に,飲酒を伴う会食をした職員が約10名存在し,これらの人は保健所によって濃厚接触者と認定されず,検査も受けていないからです。

いまや世界の誰もが,飲酒を伴う2,3時間の会食が「濃厚接触者」の条件であることを理解していますが,この自治体の保健所はキチガイ集団なので,理解できていないようです。

現状では,保健所が検査を妨げて感染を拡大させ,良識ある市民が自費で検査して感染を検出して感染拡大を防止するということになっています。

もちろん,この保健所が悪いのではありません。この保健所にこのような判断をするよう指示している国が狂っているのです。政府は新型コロナの感染対策に興味がないようで,何もしない状態が数ヶ月も続いています。

いや,正確にはGoToなどで一兆円以上のお金を経済対策として投入して,感染拡大の方向に舵を切っています。

経済が大切なのは言うまでもありませんが,GoToに一兆円かけるなら,医療に3兆円投入して,医療従事者に300万円の臨時ボーナスでも出してくれればと思うのですが。

ほんと不思議な国ですね…ここは(画像/MWS)。








2020年11月17日




16日の時点で,本ページでお知らせしてきた事業体からは合計9名の検査陽性者が出ました。半数以上が感染確立・症状ありです。もうここまで来ると,ほとんど人災ですね。発覚時点で直ちに隔離,PCR検査しておけば,同じ陽性者数でも,感染の拡大は防げます。それを怠り,のらりくらりと,一つの部屋(9名)のPCRを調べるのに10日もかかるのですから,世界の人々は,検査しない不思議の国ジパングと思って眺めていることでしょう。

そして,飲酒を伴う会食をした人たちは,保健所から濃厚接触者認定されず,そのまま通常勤務中です。うち一名が,咳の症状を呈しました。またその隣席の一名が発熱しました。しかしこれらの人はPCR検査を受けていません。きっとこのまま通常勤務を続けるのでしょう。

咳の症状の一名は,感染者と長時間の飲酒を伴う飲食をともにしています。にもかかわらず,咳が出たからと,耳鼻科に出向いて,扁桃腺が腫れただけだからタダのカゼ,という診断をもらって帰宅したようです。

筆者から見ると,これはまるで占い師,超能力者の世界です。PCR検査もしないのに,のどをのぞいてタダのカゼといえる医者は,神様か能なしかのどちらかでしょう。こうして感染症は広まっていくのです。バカが感染症を広めるのに加担するのです。

ここでいう「バカ」は医者です。背景を理解しない診断はあり得ません。筆者が医者なら,患者に新型コロナの感染者が発生していたかどうかは当然聞きます。患者が正確な申告をするはずなどないので,患者が何かを隠しているという前提で聞いてみないと何もわかりません。でもそんな心理的テクニックを持った医師は少ないでしょうね。

日本は工業生産力等の一部の分野で「先進国」であった時代が確かにありましたが,そうでない分野もたくさんあります。今回の感染症対策については,国民の自衛が優れているので被害が押さえられている面はありますが,政府主導の国家的取り組みとしては,諸外国と比較しても,うーんという感じです。このままだと給付金はマスク代と消毒用エタノールで消えますし,相変わらずPCR検査は受けにくいし,医療関係者への特別給付金(一人100万円)もやらないし…。

政府も困っているんでしょうが,まともなアドバイザーがいないと進路決定もままならないでしょうねえ。何しろ現政権は災害のないときに経済を伸ばすこと,に特化した運営をしてきたわけですから…(画像/MWS)。








2020年11月16日








よく晴れた日は午前中の直射日光を肌に当てるのが日課になっています。時間にして5分程度。謎の健康法ですが,睡眠サイクルとかビタミンDとか,ひょっとしたら良いこともあるのかもしれませんし,単なる自己満足かもしれません。でも,この時期に,素肌に直射日光というのは,暖かくて良いものです。

直射日光はけっこう平行光束なのでちょっとした大気の揺らぎなどもシュリーレン法的に可視化されます。日射面をみていて「めらめら」を見たことのある人も多いでしょう。大気の屈折率の差が可視化されているわけです。

きょうの画像は直射日光を使ったシュリーレン的なもの。市販のライターを使い,ガスを出したり,着火したりしたものです。白紙をバックにして撮影して,画像処理でヒストグラムを調整すればこんな感じになります。これは誰でもできる遊びなので,屋外で,火災を起こさないように注意しながらやってみるのもよいかもしれません(画像/MWS)。








2020年11月15日




さらに続報です。結局のところ,この事業体からはさらに2名の検査陽性者が出ました。一つの居室に9名が勤務していてそのうち8名が陽性で,残りの1名は結果待ちです。有症状者も半数以上のようです。全員マスク着用の上で勤務していたにもかかわらず,そして保健所には一度は濃厚接触者に該当しないとされたにもかかわらず,結果的には感染は広まっていたわけです。

重要なことは,1名の感染が判明してから,8名の感染がわかるまでに6日間を要していることです。「濃厚接触者探し」に費やしている時間が長すぎて,保健所の指導で感染が拡大したとすら言えそうです。恣意的な,根拠不明な「濃厚接触者」を探すよりも,一名の感染が発覚した時点で同室内のすべての人に検査を施し,隔離した方がよほど優れた感染症対策です。

このことが理解できない保健所,事業体の幹部がだらだらと対応したせいで,感染者の全体像が判明するのに時間を要することになったのです。

そしてこの「時間」の間で,さらなる感染者を生み出してしまっている可能性もあるのです。そうなったのかどうかは,これから二週間の間に判明するでしょう。

驚くべきことは,この事業体では,感染者と二時間程度「会食」した「濃厚接触者」を隔離せず,未だに通常勤務させていることです。無能な保健所,他力本願な管理職,判断力のない濃厚接触者が三者一体となってじつに協力的に,ウイルスをばらまく方向で動いています。傍観者としてはもうバカバカしくて言葉も出ないといった感じです。

まぁ保健所さんの弁護をしておけば,たぶん検査数をむやみに増やさないように国からの指示が行っているんでしょう。そうでなければこんな馬鹿げた「感染症対策」はしないはずです。いまや保健所は,国の指示によって検査数を絞り,無症状感染者を積極的に市中放流することによって,新型コロナ感染症を増やす方向に加担しているかのようです(画像/MWS)。








2020年11月14日




続報です。昨日本ページで述べた新型コロナ感染例では,新たに2人の感染が発覚して合計6人の感染者が一つの事業体から発生しています。グレーゾーンを放置した結果なのですからごく自然な結果です。事業所の幹部も保健所の所長も,この感染症を根絶するというビジョンを持っているのでしょうか。不安になります(画像/MWS)。








2020年11月13日




新型コロナの感染拡大が一部の地域で絶賛進行中です。もちろん,これは政府の意図するところでしょう。というのも,本ページでは春にも書いたように,PCR検査を抑制して感染の実態に迫ろうとすることをあきらめた政府ですから,水面下で感染が広がり,冬のウイルス感染症が流行しやすい時期には当然のように感染拡大するのです。

このことは何のふしぎもなく,海外の数値計算でも予測されていたことで,国内のPCR検査抑制派の一部の人たちを除外すれば,医療機関の方々にも懸念されていたことです。

きょうの東京は393人の感染発覚となっていますが(正確にはPCR陽性が393人),この現状がじっさいにはどのような現場の判断で行われているのかは,ほとんどの人が知らないでしょう。そこで一例を書いてみましょうか。筆者が取材したリアルタイムの情報です。

ある職場で,一名のPCR陽性者が発覚しました。咳,発熱の症状もアリです。この人をAとします。Aさんは三カ所の職場で働いていました。

Aさんの勤務する職場の一つでは,すでに高熱で二名(B,C)が欠勤していました。

保健所はこの欠勤二名に聞き取り調査を行い,濃厚接触者に該当しないとして,PCR検査を行いませんでした。しかし,後日の検査で,この二名BCは,PCR陽性で症状もあり,新型コロナの感染者であることが確定しました。

Aさんは,咳の症状があるにもかかわらず,9名の職場の同僚と,二時間以上の会食をともにしました。この9名のなかには,B,Cは含まれません。

さて,会食に同席した9名のうち,一名(D)が発熱し,検査したところPCR陽性でした。これでこの職場から4名の新型コロナの患者がでました。

症状の出ていたAと会食に同席した9名の職員は「濃厚接触者」に該当するはずです。しかし保健所はこれらの職員のPCR検査を行いませんでした。Dだけが発熱したために検査して陽性が発覚したのです。

濃厚接触者と判断されるに十分な「会食に二時間以上同席した」職員は,現在も通常勤務中です。この方々が,自己申告でPCR検査をした形跡はありません。

感染症に詳しい人ならおわかりでしょうが,現場の判断はこんなもので,新型コロナの感染を防ぐことなどまったく不可能です。

空気感染もあり,無症状の感染者(あるいはPCR陽性者)が30%くらい存在して,飛沫感染率は高く,会食での感染危険性がひじょうに高いことが判明している現在でも,保健所さんの判断は国の指示によって,独自基準の「濃厚接触者」だけがPCR検査を受けられるという現状。そして当事者は自分の責任になることを恐れて,会食の事実を隠して,「濃厚接触者逃れ」をするという現実。この実態では,要するに,グレーゾーンはすべて市中放流,というのが現政権の方針です。

この方法は,「対策はしている」「でも広まった」という「言い訳」を用意した上での「無策」です。いい換えれば,「考え得る最低限のコストしかけない対策」とでもいえばいいでしょうか。

東京で400人弱のPCR陽性者。これが「症状ありの感染者」なら約10人が死亡する計算になります。この死亡率は単なる風邪,インフルエンザ,あるいは予定手術での心臓手術(CABGなど)を上回るものです。若い人はそう簡単には死にませんが,そう思って甘く見ると,周囲の上の世代を感染死させることにもなります。

筆者の感覚では,この半月で徹底的な排除ができるかどうかが感染ピークの高さを決める感じもします。事態を眺めています。

きょうの画像はそんな話題とは関係のない,スライドグラスの清拭風景。S1214とかS1214の表面がとても優れているのでよく使うのですが,けっこう汚れているので拭くのです。このスライドケースの底には,謎のミシン目がありますが,これを使うと,使った分だけ動かないように押さえることができます。でも,そんなふうに使えるとはどこにも書いてありません。過去には常識だったのかと思いますが,現代では教えてあげた方がよいような気もします。マツナミさん…(画像/MWS)。








2020年11月12日




天文機材のチェック中にBORG125アクロマートのレンズをみてみたら,残念なことに劣化が進行してダメになっていました。それがきょうの画像。劣化具合を強調して撮影しています。周辺部から劣化が進み中心部へと向かっている様子がうかがえます。実体顕微鏡で見ると,この白濁した劣化は剥離ではなく結晶析出のようです。ある種の光学接着剤は製造後10〜20年を経過して結晶が析出して白濁するのです。このころには減価償却は終わっていますしメーカ修理期間も終了しているでしょうから,「オワタ」になってしまいます…。

まーでも剥離していないのは立派というべきか。天体望遠鏡用の125mm径のレンズを貼り合わせというのはちょっと考えられない気もします。クラウンとフリントの熱膨張率の差で剥離が進行するのが予想されるからです。硬化後にある程度の弾性を持った接着剤を使うと良いですが,それでも,ガラスとの密着性とか,接着時のガラス表面の状態がよくないと剥離に結びつきます。

さーてこの濁ったレンズ,どうするべきか。もちろん捨てるという選択肢はありません。剥離して清掃,最接着すれば生き返ることはわかっています。絶滅危惧種に近いこのBORG125アクロマートは,なんとかして再びクリアなレンズに戻したいですねえ…。脳みそがぐるぐるまわりはじめます(画像/MWS)。








2020年11月11日




きょうの画像はBORGパーツの箱。BORGというのはボーグと読みますが,トミーテックさんが作った造語で,望遠鏡の「望」と道具の「具」をあわせて「望具」,これが転じてBORGとなったと開発者の一人,中川昇さんが述べていました。開発当時の29年前にこの発想を読んだときに「なるほど!」と感嘆しましたが,現在でもこの名前は素晴らしいと思っています。サイボーグのような語感もあり,かっこいいのです。

BORGはデザインが優れていて「持っていてうれしくなる望遠鏡」でしたが,箱のデザインまで凝っています。シンプルなデザインと配色はふしぎと,そこいらへんに放置しても目障りにならないのです。なんだか捨てられなくていまでも保管しています。

BORG望遠鏡にはさまざまな経験をさせてもらいました。BORG76アクロマート(D=76mm FL=500mm)プラスチック鏡筒という機種があったのですが,これは一群二枚構成のアクロマートで,月面を低倍率で見ると盛大な青ハロが出て,従来のF10〜15クラスの望遠鏡と比較すると冗談かと思うような代物でした。でも,極端に軽く,リュックに入れて登山も可能でした。この望遠鏡で陣場山山頂で見た天の川の美しさはいまでも目に焼き付いています。

当時は大学院生で毎日忙しく天体観望する時間などほぼありませんでした。帰宅は早くても20時,遅ければ帰れないという日々を過ごしていました。そんなときに重たい機材を動かす余裕など皆無です。でもBORG76なら,小型赤道儀にのせて窓から月をみて,そのまま寝る,などという芸当が可能だったので,よく東側の窓から下弦の月があがってくるのを眺めたりしていました。

ある日,気流の状態がよかったので,BORG76に谷オルソ4mmをつけて,さらにバローで3倍に拡大して,375倍で月面をみてみました。過剰倍率の2倍という無効拡大の極みです。しかしぴしっとピントが出て,そして拡大率が高いので軸上色収差の青ハロは完全に見えなくなり,そこにはまるで宇宙船が着陸地点を探しているかのような拡大された月面が姿を現したのでした。驚いて,100EDカーボンと(D=100mm FL=640mm)見比べてみましたが,大きな差は見られませんでした。

この瞬間に,球面収差補正の「意味」のようなものを体得したのかもしれません。以後,アクロマート補正でも適切な波長を選んで球面収差のない波長を探すという発想が,いつでもできるようになりました。これは現在の仕事にも大いに役立っています。

さて最後にご案内です。BORG開発者の中川昇さんから,ブログに記事をのせませんかという有り難いお話をいただきました。当サービスは基本,本ページで毎日更新しているので,他の媒体には投稿しないのが常ですが,BORG開発者のブログとなれば話は別です。中川光学研究室というブログにのせていただきましたので こちら をごらんいただければ幸いです。もちろん,筆者の画像ですから,そこにはどこにも未掲載のオリジナルの珪藻画像もあります(画像/MWS)。








2020年11月10日






秋の夜空でも眺めたくて望遠鏡の整備を久しぶりにしているのですが,あまりに長期間機材を塩漬けにしたせいで,各種の光学的な劣化が生じていてメンテナンスが必要になっています。アイピース(接眼レンズ)の清拭は日常的なものですが,プリズムの類いも曇ってくるので分解清掃が必要です。きょうの画像は45度正立プリズムの分解清拭。

これは確か4000円くらいの品物だったかと思います。分解すると,プラスチックの枠に黒紙が挟んであって,そこにシュミットプリズムが刺さっています。ただ差し込んでいるだけです。そしてプリズムの固定には丸い樹脂製の円筒を短く切ったものが押さえ具としてはめ込んであるだけです。ここにフタをしてねじ込めば,円筒に圧力がかかり,その弾性で緩やかにプリズムが押さえられるという設計です。

正直言って感嘆しました。シュミットプリズムはどうみてもガラスモールドには見えません。研磨品に見えます。ダハの稜線もきれいです。これを歪みが起きないように樹脂のケースに格納し,樹脂の棒で軽く押さえて固定するという手法は,いまから100年前にエルンスト・ライツが偏光顕微鏡のニコルプリズム,グラントムソンプリズムの固定に,コルクに掘った穴にはめ込む手法を用いたのと発想は同じです。この安価な正立プリズムを設計した中国?の方は,光学設計の奥義を深く理解しているように思われます。

ただ,プラスチックはたぶん100年の寿命はキツイでしょう。コルクなら条件がよければ200年でも大丈夫なので,そこのところはライツに軍配があがりそうです。

ふしぎなのは,シュミットプリズムをまともに作ろうとすると驚異的な面倒な工程が必要になるはずで,しかも歩留まりの問題もあり,ダハの稜線を完全にしなくてはいけませんし,ほとんど苦行の世界に見えます。国内ではこのプリズムは望遠鏡のアイピース対応サイズならラーメン20杯くらいになるはずですが,なぜか中国ほか海外製品だと3000円〜5000円でできるらしい。内外価格差を考えてもちょっとふしぎな現象です。

シュミットプリズムの清拭はじつに面倒でやりたくない種類のメンテですが,分解してみてこんなことを思ったのでした(画像/MWS)。








2020年11月9日




これは珪藻アートが顕微鏡のステージにセットされている感じの写真。いっけん何気ない写真に見えるかもしれませんが写真のプロが見たらいろんな困難が想像できるでしょう。

まず,黒バック+ガラス面なのにホコリが写っていない。ということは室内を含めて十分な条件を整えて顕微鏡も標本もきれいに拭き拭きして,さらにそれでも残るチリやホコリは画像処理で消したかも…と考えるわけです。

そして,ガラス表面に映り込みがない。ということは,映り込む要因を一つ一つ排除して消していったわけです。当然,映り込む要因は撮影レンズの画角にも左右されますし撮影倍率にも影響されます。全部のバランスをとるわけです。

さらに,標本の向こう側も何もない黒バックになっていること。コンデンサや鏡基の光る部分は徹底的に排除しています。

露出をみると,全体の露出と,標本部分の露出がぴったりあっています。これもテスト撮影を重ねてバランスをとっていった結果です。

もちろん,対物レンズのバレルの部分に指紋など存在しません。全部ていねいに拭いてホコリも除去しておきます。

ライティングをみてわかるように,柔らかい光によって強い影などができないようにしています。これは窓から採光して障子紙を通しているのです。

…といった数々の工夫の上に成り立つ,なんの変哲もない標本写真。プロは一目で何をやったか見抜きますし,そうでないひとはわからないかもしれません。この辺りが画像表現の「光を読む」面白さです(画像/MWS)。








2020年11月8日




きょうの画像に見るように,都心の空ではまともに星の観察をするのは難しいのです。星に対して背景の空が明るすぎて暗い星が見えません。空を照らす地上の光が強すぎて雲が白く輝いています。。

でもこれは,逆に見れば,人里離れた奥地では決して見られない光景でもあるのです。空の色と星と雲が同時に再現されている。もし光害がなければこのような像にはなりません。どこにも光害がない,月明かりのない夜は,雲は何色に見えるのかというと,真っ黒に見えるのです(画像/MWS)。








2020年11月7日




関東圏内にある学校の先生から画像をもらいました。校舎の入り口に『珪藻美術館(福音館書店)』と『朝日小学生新聞』を掲示したコーナーを作って下さったというのです。いやー素晴らしい。感謝感謝です。

何が素晴らしいのかって,それは一切の説明もなく,そこに書籍と新聞が置いてあるだけ,という部分です。子どもたちの生活する空間に情報が自然に存在している,それがいいのです。見るのも見ないのも自由。でも「こんなものがあるんだ」ということは伝わる。これこそ最良の教育的配慮です。押しつけられず,自由意志でつかみとったものはポジティブな記憶として長く残るのです。

大人はよく子どもに何かを押しつけたりしますが,これはよくないのです。子どもは子どもで独立した人格ですから,それが美しいのか,それが好きなのかは自分で決めるべきものです。ただ,子どもは経済力をもちませんので,自力で多くの情報と接することができません。そこで大人は,子どもの周囲に,いろんなものがあるんだよということを自然な形で用意してあげる義務(のようなもの)があるのです。

おそらく図書館司書さんの仕事と思いますが,プロはさすがだなあと感じるひとときでした。

この『朝日小学生新聞,10月31日号』は,フリーコール 0120-415843 に電話すればバックナンバーが入手できるか教えてくれます。学校でこのような掲示に利用されるほどの価値ある紙面ですから,ぜひ皆様もお手にとって眺めていただければと思います(画像/MWS)。








2020年11月6日




『石井いり豆店』に出向いたら落花生の新豆が入荷していたので即買い。数日前まではなかったから入荷したてのもの。店主に聞けばきょう入荷したばかりだという。このお店では生豆を仕入れて自前で炒っているので,まさにできたての落花生素炒りを入手できたことになる。

と,このように書くと単なるラッキーだったとのお話になって終わりです。ところが違うのです。

明け方に『石井いり豆店』の夢をみたのです。午後4時頃に店に出向いたら新豆が入荷。でも棚は空っぽ。「これから炒るんですよね? ちょっと秋葉原に買い物してきますので帰りに寄ります」と筆者。店主は「えーとちょっと難しいかも…」。「まーそー言わずに」。こんな感じのやりとりで夢は別の場面に展開した。

起きたら夢のことはすっかり忘れてしまい,本日発送予定のスライド準備に取りかかる。けっこう選別に時間がかかり,発送準備完了の頃には夕方4時近くになってしまった。。できるだけ早く品物をお届けしたいので,文京小石川郵便局に直接差し出すことにする。この郵便局は仕事が早く,ほかのところに出すよりも確実に早く届けられるのです。

ということで,運動不足解消も兼ねて郵便局に出発。投函を済ませてから,さらに運動不足を解消するために春日方面まで歩く。そこでふと,『石井いり豆店』のことが頭をよぎり,ちょっと寄ってみようかな,ということになった。文京シビックセンターのふもとを通り,お店に行くと,千葉半立・素炒りの棚に品物が並んでいる。「おおっ」と思いました。

通常の筆者は,火山が噴火して逃げるとか,大地震で高層ビルに閉じ込められる中で隣のビルが崩壊するとか,航空機が墜落するとか,試験に遅れてすべてが台無しになるとか,仕事に遅れて取り返しがつかなくなるとか,卒業式の日にみんなは無事に就職していくのに自分だけ行き先がなくて途方に暮れているとか,自分だけズボンもパンツもはいてなくて恥さらしの状態で町中を歩いているとか,飲み会で帰ろうとすると自分だけ靴がなかったとか,気が狂った人間が運転する乗用車に同乗してどうやってコントロールすべきか戦うとか,講義に出向いてなぜか自分だけ極端に不利な条件にぶち当たるとか,そんな精神崩壊系の夢ばかりみています。

ので,この『石井いり豆店』で新豆が入手できる,などという夢はかなりまともな夢の部類で,しかも正夢になってしまったという希有なおまけがついたのでした。豆を買った後に店主さんに「新豆が入荷したという夢をみたんですよ」と伝えたところ,店主さんも売り子さんもさすがにビックリのようでした。だって,筆者が夢を見ていた頃は,この豆はまだお店には届いていなかったのですから(画像/MWS)。








2020年11月5日




すっかり秋の風物詩となった  ナチュラルヒストリーフォトコンテスト が現在受付中です( こちら )。「自然の美しさやすばらしさを表現した作品で、「自然史」を感じさせる作品」を中心にしたこのコンテストは今回で12回目になります。過去には当サービスのお客様(複数)も入選を果たしておられます。激しい画像処理,ケバケバしい極彩色の表現,異常なまでの画像スタッキングなど一切必要なく,自然の素晴らしさを切り取った一枚が正当に評価される大変好ましいフォトコンテストです。ぜひ本ページの読者の皆様も応募してみてはいかがでしょうか。昨年の応募例は こちら で見ることができますので参考になるものと思います(画像/MWS)。








2020年11月4日






珪藻を顕微鏡で見る面白さは,高解像検鏡で微細な構造がいくらでも出てくるというところにもあるのですが,逆に低解像の暗視野でどれだけ色を出せるか,という楽しみもあります。珪藻には恐ろしく細かい周期構造があるのですが,それらは特定の角度の白色光の入射で色を生み出します。詳細なメカニズムは個々の種で異なると思いますが,回折と干渉が大きな要因のようです。

色の出し方は照明によるので事実上無限大です。落射,透過,それらの複合,暗視野,明視野,偏光,位相差,微分干渉,ホフマンとの組み合わせ,いくらでも表現のやりかたがあります。一枚の標本を,光を操って様々な表現をするならば,たぶん数年を費やしてもすべてを見ることはできないだろうと考えています。何しろ,大昔に作った標本でも,未だに違う表現が可能なのです(画像/MWS)。








2020年11月3日








せんじつ月面を撮影したときにヘリコイドMとカメラを接続するリングが「かじり」現象に近いこととなって分離不能になりました。ボーグのリング類はよく固着してとれなくなり大変な思いをするのですが,今回も久々にやってしまいました。シリコン板を使っても外れずCRC5-56も効き目なし。仕方なくソフトタッチのプライヤーを買いに行きました。3000円なり。

これで外すことはできたのですが,そのときにガイドレール固定ねじを破壊してしまい,ヘリコイドの別の部分が固着してしまいました。踏んだり蹴ったりです。直し方がわからず,時間が無駄になるので,すぐにあきらめて新しいヘリコイドMを買いにいきました。

向かった先はサイトロンジャパンさんのビルに入っている『シュミット』というお店( こちら )です。とても広い一階フロアにはたくさんの望遠鏡が並び見事な眺めです。客が20人入っても「密」にはならないだろう空間なので安心して買い物ができます。

買うものはボーグのヘリコイドMなのですが,このお店にはボーグ開発者の中川昇さん( こちら )が在籍していて,ボーグパーツを買うには申し分ない最高の条件です。さてお目当てのヘリコイドMを買おうかと思ったらサイフを忘れた…orz

サイフを取りに自宅まで自転車で全速前進。いくら東日本学生サイクリング連盟に所属していたとはいえ,一日に200kmを走っていた高校大学の頃とは違いいまは中年おっさん。しかもコロナでママチャリにも数ヶ月ぶりの乗車。足が股がお尻が悲鳴をあげます。でもむかしとった杵柄? そういうときの足の使い方はわかります。がくがくする足をだましながら,再びお店へ。中川昇さんとはボーグの昔話におつきあい頂き,筆者もいちど中川さんには「素晴らしい望遠鏡を開発してくれたことへの御礼」を申し上げたかったのでよい機会でした。

筆者が若い頃の話ですが,感謝を伝えたいと思っていた人が突然亡くなってしまったことがあります。それ以来,良い仕事に出会ったときにはできるだけその場で,その仕事の評価をして感謝を述べるようにしています。

さて無事に買い物も済ませ重い足を回しながらの帰宅。約40km走破。新品のヘリコイドMをいじりながらメカニズムの解読。なるほどこれは高価なものだけあって良くできている。破壊したヘリコイドMの修復が可能なこともわかり,こんどは翌日に秋葉原の西川電子部品へ。ここでプラネジを購入。必要なのはたった2本だけれども相性が不明なので3タイプ計300本購入。1500円なり。このプラネジを使い,破壊した特殊ねじと同じ形状のものを製作。修理完了。

…というのがきょうの画像。一つ破壊しただけで修理費に24000円くらいかかった計算になります。まーでもいいんです。ふつうなら金銭的なことを考えて地団駄踏むところかもしれませんが,筆者的には,運動もできたし,中川昇さんとお話ができたし,シュミットというお店の良さもわかったし,新青梅街道の土地勘もできたし,ヘリコイドの構造もわかったし,プラネジの加工も面白かったし,修理して廃棄品が生き返ったし,バックアップも一つできたし,本日の画像のネタにもなったし,と,良いことを数えるとたくさんあるのです。

だからまったく損した気分にはなりません。むしろ全体的にはプラスの感情が残っている感じです。皆さん,サイフの中の紙切れが減ったくらいで感情を害してはいけませんよ。そこでどれだけの経験ができたか,それが大事です(画像/MWS)。








2020年11月2日




10月31日の朝日小学生新聞・珪藻アート特集記事は全国何万人もの小学生に珪藻の姿を知って頂く好企画だったわけですけれども,この紙面,バックナンバーとして入手できることもあると聞きました。近所の朝日新聞販売店に電話,あるいは直接問い合わせしてみるか,フリーコール0120-415843に電話すれば,入手の可否についても教えてもらえると思います。フリーコールの場合は倉庫からの発送で送料がかかると思いますが,子どもたちに珪藻の世界を知らせるにはタダみたいなものでしょう。

多くの人がメディア漬けになっていて流行ものばかり追い続ける世界は,言葉を変えれば多様性の低下した選択肢のない世界でもあります。『珪藻アート』などというのは,これまで,世の中の99.999%の人が知らなかった世界です。そんな未知の世界のわくわくをタダ同然の価格で提供できるのならこんなに良いことはありません。ぜひ,朝日小学生新聞の珪藻アート特集(2020/10/31)を一人でも多くの人に紹介してください。よろしくお願い致します(画像/MWS)。








2020年11月1日




10月31日の朝日小学生新聞では珪藻アートの特集記事が新聞の見開き一面で掲載されました。ごらん頂いた方々からは「すごいとしか言いようがありません」「大特集! 作品がインパクト大」とのお言葉を頂いております。ありがとうございます。

使用した標本は『ケイソウ展』でも使用した大型作品で,これを暗視野照明,偏斜照明,明視野照明の三本立てで表現しています。撮影には当サービスの最高級の照明,撮影技術だけでなく,画像処理技術も惜しみなく投入して,地球最高レベルの画像を提供しています。もちろん標本は筆者製作のものですから世界最高のクリアネスを誇ります。

このような画像を使った横84cm縦56cmの特大の珪藻アートポスターが,約100円で入手できるのは世界で日本だけです。そもそもこんな企画を思いつく人は珪藻アート過去150年の歴史において朝日小学生新聞の記者さんだけでした。ということは150年にたった一度の機会なのです。ハレー彗星(周期76年)どころではありません。こんな機会は以後100年後もあり得ないかもしれません。

その貴重な珪藻アートポスター紙面が,まもなく紙くずとして廃棄されこの世から消されます。この情報を知ったなら「欲しい」という人が何万人も存在するのに,情報が拡散されなかったのでゴミになるのです。ほんとうに悔しいですね。

商売上手な人は,この機会に100部以上入手して数年経過してからオークションなどで売るのでしょうね。100円しない紙面が1000円で取引されればボロもうけが可能です。見開き全面の新聞記事がPDFで出回ることはあり得ないので,転売屋さんとしてはおいしい材料になってしまいます。

そんな,後から知って後悔したということにならないように,朝日新聞の販売店に行き,10月31日の紙面を入手することをオススメします。今日ならまだ間に合うかもしれません。フリーコール0120-415843に電話すれば,入手の可否についても教えてもらえると思います。急げ急げ(画像/MWS)。









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