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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2020年6月30日
ドラヤキケイソウ属の一種を解像限界イメージングするとこんな風景が見られます。どこまでも規則正しい微細構造ですが,この珪藻の場合は線で構成されるデザインと言うよりは点で構成されるデザインに見えます。まるで原子配列を見ているような気分になります…。実際には原子はこの1/1000くらいのサイズですが(画像/MWS)。
2020年6月29日
これは沿岸でときおり見かけるドラヤキケイソウ属の一種。横からみると膨らみ具合がドラヤキに似ていないこともありません。のでそんな名前になったのでしょうが,きれいに洗った珪藻で標本を作り,暗視野で検鏡するとドラヤキというよりは「地球」という感じがしますね。子どもの頃からの刷り込みなのか,暗黒に青い球体が浮かんでいると「地球」という感じしかしません。そしてそれはなんともいえない光景でついつい眺めてしまいます(画像/MWS)。
2020年6月28日
近所のスーパーには週末になると「オナガダイ」が入荷していて,今シーズンは10回くらいオナガダイをいただいている。この魚,いつ食べてもうまいのだけれども,さすがに10回も食べればいろんな変化に気がつく。入荷ルートは東京島しょ部からのものと鹿児島のものが主なようだ。食べ比べると東京の方がうまい。これはたぶん輸送の問題だろうと思います。この魚は寝かせても「熟成」してこない感じで,日持ちはよいものの味はよくならない気がします。
ので,スーパーの店頭ではできるだけ新鮮なものの方が味がよい,ということになるのかもしれません。入荷の大きさもまちまちですが,あまりにも大きなもののブロックよりも,小ぶりで半身で販売されているようなものの方が深い味わいの気がします。もっともこれは例外もあって,大きなもので柵取りしてあってもひじょうに優れた味わいのものもありました。なかなか見た目ではわからないですね。
きょうの画像の中では,画像1枚目のオナガダイがダントツでした。ほかを大きく抜いてぶっちぎりのうまさでした。
魚は旬の問題もあるし大きさの問題もあるし流通の問題もあるので,味に影響を与えるパラメータが多すぎます。それを見抜くことはほとんどできないので,せいぜい,産地とサイズ,旬の3つのパラメータで見ていくくらいです。まだまだ答えは出ませんが,でも10回くらい食べると少しわかってきた感じもします。中年おっさんの味の追求はまだまだ続くのです(画像/MWS)。
2020年6月27日
このくらいの小さなハタハタはじっくり弱火で焼いてこんがりとさせて,頭も骨もみんな食べるのです。でもこれを客人に出すと,小さな身だけかじってあとは残す人が大半です。秋田出身でもそんな人がいます。まぁ好みなので食べ方はどうでもいいのですけれども,栄養的には食べた方がいいということは言っておきましょう。
なぜ? と思った人はちょっと考えてみてください。
我々の体は食べ物からできているのです。そして筋肉もあれば骨もあります。ならば筋肉も骨も食べれば総合的にバランスのとれた栄養になるじゃありませんか。小難しい栄養学を持ち出さなくても,小魚丸ごとというのは良いことなのです。
シシャモは頭もしっぽも全部食べますよね? それと同じような魚がほかにもあるというわけです。ハタハタだけでなく,エボダイの干物も上手に焼くとヒレも頭もぱりぱりと食べられてとても美味しいものです。背骨はさすがに無理ですが。
と,ここまで書いて,最近エボダイを見かけなくなりましたね。20年前くらいはそこいらへんのスーパーにもよいものがたくさん並んでいたのですが。漁獲量が落ちた上に,アジア諸国での需要が旺盛なので日本のスーパーからは姿を消しつつあるのでしょうか。干物としてはとても上等で好みだったのですが…(画像/MWS)。
2020年6月26日
すこし前にドライヤーが壊れた。バーンという音とともに風が出なくなりプラスチック片が中から落下。ファンの羽根が折れてばらばらになったようです。壊れたのがドライヤーで良かった。航空機のジェットエンジンでも似たような事故があるけれどもシャレになりませんからね。。
さて壊れたドライヤーはそのまま捨ててはいけません。昭和生まれの世代としては,電化製品でも何でも,捨てるときは細かく分解するのです。そうすると,中からたからものがとれるのです。
ドライヤーの場合は,きょうの画像に示したように,多量のニクロム線,耐熱雲母パネル,モーターが採取できます。このドライヤーには,なんとマブチモーターが入っていました。モーターそのままではつかいみちがなさそうだったので,モーターをさらに分解し,フェライト磁石を採取しました。これで分解終了。安心して廃棄できます。
そうやって集めたニクロム線や磁石は宝箱に放り込んでおき,いつの日か,活躍するときがくるというのが昭和の子どもの暮らしなのでした。
いまは平成も終わり令和の時代。子どもたちは分解遊びを楽しんでいるでしょうか? 何でも「危ない」「あぶない」といってカッターやナイフもろくにつかわせないような暮らしをしていると,人間としての質が低下してしまいますので,子ども時代からいろいろな経験をさせてあげましょう… というのが筆者の個人的な思いです(画像/MWS)。
2020年6月25日
きょうの画像は相模湾表層水に入っていた渦鞭毛藻(うずべんもうそう)。種名は調べていません。このグループはひじょうに多様です。きょうの画像の種も,鞭毛藻という「藻」でありながら葉緑体を持っているようには見えません。従属栄養種なのでしょうか。サイズは0.0何ミリという小ささです。
画像1枚目は表面にピントをあわせたもの。画像2枚目は内部にピントをあわせたものです。透明ながらも核がはっきりと見えます。この核は偏光性があって,クロスニコルの検鏡では明るく光ります。それが画像3枚目。渦鞭毛藻のすべての核が偏光性をもつわけではなく,かなり限定された種で見られる現象です。フィラメント状の構造も見え,どんなふうにDNAが折りたたまれて配向性を持っているのかと興味が沸きます。
鞭毛藻というからには「べんもう」を持っているわけですが,絶えずブルブルと動いているので画像でとらえるには工夫が必要です。ストロボ撮影が最もよろしいですが,高速シャッターでもそれなりには写ります。経験的には1/2000秒なら結構いけます。Nikon1J5なら1/16000でもいけるわけですが,光源輝度とカメラの感度のバランスがあるので,実際は難しいです。でも,妥協したところでも,画像4枚目程度には鞭毛が写ります。縦鞭毛と横鞭毛が見えています(画像/MWS)。
2020年6月24日
きょうの画像はコアミケイソウの解像限界イメージング画像。6月8日もコアミケイソウの限界的な画像を掲載しましたが,あの種は究極的に難しい種でした。きょう掲載の種は微細構造が簡単に見えます。NA=1.25もあれば十分見えるでしょう。いっけんして同じように見えるコアミケイソウですが,微細構造が見えてくるようになるとじつにバリエーションが豊かと感じるようになります。検鏡技術が向上して扉が開かれたなと感じるうれしい瞬間を味わえる種でもあります(画像/MWS)。
2020年6月23日
昨日は虫嫌いの人にはキツイ絵だったので口直しを掲載。昨年末に製作した珪藻標本の展示用。実体顕微鏡での撮影で,上ななめから照明しているので方向性のある像となっています(画像/MWS)。
2020年6月22日
なんと一晩経過したら衝撃の映像。それまで緑色の可愛い卵と思っていたのが,小さくとも存在感を主張するカメムシ群が発生していたのでした。ぎょっとしました。が,早速撮影し,夜にも撮影し直しました。掲載するのは夜に撮影したもの。ハッチングしてから半日経過後くらいでしょうか。
Nikon1J5に1Nikkor18.5mm,クローズアップレンズを5連での撮影。物体側からf1000,f500,f330,f200,f200の組み合わせで使用しています。低倍率の実体顕微鏡レベルにちかい撮影ができます。
カメムシのハッチング(卵から出てくること)には面白い研究があって,だいぶ昔に記事を読んだことがあります。すっかりそのことを忘れていたのですが,お世話になっている先生から情報をいただき思い出しました。 筆者が読んだのは こちら の記事です。じつに楽しい研究で,この実験を担当した人は面白かっただろうなとニヤけてしまいます(画像/MWS)。
2020年6月21日
洗濯物に産み付けられた卵をみてみたら,前日までと変わって変化が生じていました。ので記念撮影。はじめの二枚はNikon1J5に1Nikkor18.5mm,クローズアップレンズを三連での撮影。あとの三枚はニコンSMZ800でNikon1J5です。さぁここからカメムシが本当に出てくるのでしょうか? 楽しみなような,恐ろしいような気分です(画像/MWS)。
2020年6月20日
19日はエクスプレス対応の標本製作で明け暮れた一日でした。業界によっては締め切りがシビアで,すぐにでもほしい,という注文があったりします。珪藻のJシリーズでは対応不可なので一切応じませんが,散布スライドや,放散虫のJシリーズの場合は3日もらえれば何とかなることもあります。もちろんだめなこともあります。今回は放散虫のご注文で,仕込みが進んでいたので対応可能でした。できたてほやほやのまだ柔らかいスライドを,完成1時間後に納品しました。通常はエイジングを経て製品となるわけですので心配もありますが,無理な取り扱いをしなければ検鏡することはできるので引き渡しとなりました。
標本製作の過程で,封入剤のコンタミネーションが判明し,どうにかしなければならなくなりました。封入剤は購入後に精密濾過してもとの容器で保存しているのですが,なぜか,滴下した封入剤を顕微鏡で観察すると,気-液界面に鱗片状の固形物が散るのが見えます。保存中に生成するのか,もともと容器に残存していたものか,取り扱いを誤ってコンタミしたのか判断できません。
この現象には永年悩まされてきたのですが,あまりよい解決法がありません。保存容器を変えることが有効ですが,容器の材質や気密性,ハンドリングの問題もあってほかの容器に入れ替えればよいというものでもありません。
きょうの画像は保存容器の候補。和光純薬のマウントメディアの容器です。この容器は気密性もよくテフロンシールなので溶出成分も少なく保管には良さそうです。しかし問題があって,もともと入っていたマウントメディアを完全に落として洗浄するのが大変なのです。水で洗浄することは不可能なので溶媒で洗いますが,天然物化学屋さんが新規物質を探すときに匹敵する精密洗浄が要求されます。
あの手この手で洗いますが,三本の容器を洗うのに2時間かかりました。これでもまだ,まともに洗えたかどうかはわかりません。
でも背景が完全透明な標本を目指すなら,封入剤のコンタミは避けなければなりません。何があろうとも最終的には制圧し,完全クリアな視野を確保するのです。製作法が確立されていても,事故はいつでも起きます。よいものを作り続けるには,つねに最善を目指す戦いとなるのです(画像/MWS)。
2020年6月19日
キクロテラ化石種の高解像画像。大分県の珪藻土のなかには純度の高いものがあって,ほとんどキクロテラという感じです。どうして火山灰や他の鉱物粒子が少ないのかよくわかりませんが,珪藻が純粋に沈殿していくメカニズムがあるのでしょう。きょうの画像は照明波長443nm,対物NA=1.4,輪帯照明,2.5x投影レンズ使用でNikon1J5での撮影です。放射状の条線内部の微細構造が解像できています(画像/MWS)。
2020年6月18日
17日はお客様を招いて顕微鏡の午後でした。リサーチグレードの標本をお買い上げいただき,それを使って種々の表現を行いたいとのことでしたが,顕微鏡についてはお詳しくない印象でしたので,当室まで呼び出してのコーチとなりました。完成物を求められるお仕事で当室の標本を使う例はかなりあるのですが,標本さえ購入すれば当サイトのような絵が得られると思っている方々がたまにいらっしゃいまして,その認識だと完成物までたどり着くのが大変になってしまうのでコーチすることはあります。一種のアフターサービス的なものですが,公共性やその他いろいろなことを考えて,重要だなと思うときに限ってお呼びしています。
筆者にとっては,じつに三ヶ月半ぶり?くらいにカミさん以外の人間と対面で話をしました。なんだかとっても新鮮な感じがしました…。まずはいつものように,パーフェクトに調整された顕微鏡で完璧な標本をご覧いただきました。そのあとは実務的なお話ですが,取り扱うべき話題は多く,検鏡の実際や暗視野法,微分干渉での見え,サンプリングの話などいろいろお話しているうちに時間切れとなりました。この体験が少しでもお仕事にいかされればと願っています(画像/MWS)。
2020年6月17日
きょうの画像はキクロテラの化石種。大分県の珪藻土に含まれるものです。これの撮影案件に対応するために試料処理・標本製作・撮影の作業が続いています。かなり小さい珪藻ですが拾えないこともなさそうなのでJシリーズの原料にもならないかと思っていますが,まずはPleuraxでの封入。画像はNCF PlanApo 40xでの撮影。フルオフォトBV+Bフィルタ,透過明視野,NAcond=0.7です。補正環はカバーガラス厚さではなくて,モニタ上の像コントラストに対して修正しています(画像/MWS)。
2020年6月16日
多量の光学機材と同居して精密な標本を製作する部屋を維持するにはチリ・ホコリの発生を抑えることが大事。もちろん人が生活している以上はチリもホコリも出るのですが,なるべくなら少ない方がよいのです。ホコリが大発生する「洗濯物をたたむ」などという動作は室内で行うことは不可能です。どんな厳冬期でも酷暑の焼けるような暑さでも,洗濯物はバルコニーでたたんでからだについたホコリを落として,周囲の空気が落ち着いてから室内に入れるのです。
…ということで半袖の下着をたたもうと手に取ると,なんと昆虫の卵らしきものが。たった一晩の間に何者かが11個の卵を産み付けていったのでした。手で外せるかなと思ったら結構な硬さで,とくに接着部分はひじょうに丈夫。まるで接着剤でくっつけたかのようです。
そこでまずは写真撮影。犯行現場の写真を残しておきましょう。それから,筆者自慢の刃物技術によって卵塊を基部から剥離。切り出しを卵塊の下にあてて接着面ぎりぎりのところをカットしていきます。最初にfontaxではずそうとした一個だけ落ちてしまいましたがほかはまとまったまま外すことができました。
卵塊はカールツァイス社の誇るハイパフォーマンスカバーグラスの空になったケースに入れました。キムワイプを下に敷いておきました。水を一滴くらい垂らそうかしら。
さてこの卵塊から何が出てくるでしょうか。web上の情報によればカメムシの可能性が高いとのこと。とすると,10日も経過すれば,ここからカメムシがわさわさ出てくるのでしょうか? なんとなく楽しみです(画像/MWS)。
2020年6月15日
きょうの画像は保存サンプル中に出現した円石。まだ一個しか見つけていません。水封入でもはっきりと円石縁辺部の構造が写っており,これは何だろうと思っています。Gephyrocapsa oceanicaの円石も同じ視野に2個写っていますが,こちらは波状構造のコントラストはかすかにしか出ていません。ひょっとすると違う種もいたのかな? それとも溶解途中でコントラストが出やすかったのかな? などと想像しています。縁辺部の波状構造はGephyrocapsa oceanicaよりも粗く,円石のサイズは小さいので,Emiliania huxleyiに似ている気もします。
ところで,解像限界イメージングをしていて思うのは,高解像イメージング専用設計の顕微鏡がないなあということ。たとえば,コンデンサ油浸・液浸は必須なのですが,溝付きステージを使わないと,スライドグラスとステージがオイルで貼り付いてしまい検鏡が困難になります。にもかかわらず,溝付きステージ搭載機種は80年代前半まででほとんどのメーカーで絶滅しているように思われます。現在でも特注であるのでしょうか?
ほかにも,xyステージの送り量。解像限界イメージングでは,画面の視野全体で10x10μmあるいはそれ以下などということも珍しくありません。こうなると減速ギヤでも仕込まないと,視野中心に正確に物体を持ってくることが難しくなります。
剛性の問題も深刻です。昭和の世代の高級機はひじょうにしっかりと作られたものがありましたが,近年の機種はどこかちぐはぐな気がします。鏡基はそれなりの剛性があるのにステージが柔らかかったり,剛性が確保されているのに電源の熱が加わって鏡基が膨張するので,剛性が確保されている意味がまったくないものになってしまったり,設計者に「おまえ,顕微鏡使ったことあんの?」と聞きたくなるような機種もあります。
照明の問題も深刻で,プリセットのランプハウスでは対物BFPをまともに満たせないものもあり,フライアイで解決しているものもありますが,フライアイレンズ個々の充足度が高くなければエネルギー的に損失があるので一長一短です。ファイバー照明で大面積の完全拡散面を光源とした理想的な照明の顕微鏡を見たことがありますがSchottの光源を使った特注品でした。一般市販ではどこかに妥協をしたものが製品化されているのが実情のようです。
もちろん,すべてに完璧な機種というのはないのですが,せめて,時代が進んだのですから,退化だけはやめてほしいものです(画像/MWS)。
2020年6月14日
13日の土曜日は円石藻の保存サンプルのチェックを行いました。溶けていたらがっかりなので幾つかの条件で保存してあります。ちょっとでも酸性に傾けば一瞬で溶解しますし,空気中の炭酸ガスの影響さえ受けるので対処には化学のセンスを必要とします。
イメージングの結果がきょうの画像。顕微鏡は昨日の記事に書いたフルオフォト透過蛍光仕様です。やはり使っていてストレスがなく,紫外線から可視光までの照明もほとんどパーフェクトにできて,素晴らしい顕微鏡ですね。
得られた画像の方も納得のハイレベルで,円石縁辺部の波状構造もかすかに写っています。試料溶液を滴下してカバーガラスをかけただけの水封入サンプルですがここまで写ります。ただ,画像処理が簡易な手抜き処理なので,まともな画像処理を行えばもっと画質は向上します。あとはカメラですね。十数年前のモノクロCMOSを使っていますが,さすがに古いです。高いS/NのモノクロCMOS,USBカメラがほしいところです(画像/MWS)。
2020年6月13日
円石藻のイメージングでは5台の顕微鏡を駆使しながらいろいろな検討を行っていました。無限遠補正系のウドの大木のような欠陥商品を使ったあとに,きょうの画像のようなバイオフォト,フルオフォト系の顕微鏡を使うと,これこそがまともな顕微鏡だと惚れ惚れします。しっかりとしたステージ,高度な照明装置,素晴らしい見え,本当によく作り込まれています。改造もメンテナンスも容易で状態のよいものならば現在でも十分通用します。
対物レンズはNCF PlanApoをつけています。大学院の頃にほしくて仕方なかったレンズでもあります。同期の仲間はプランクトンの研究室でラボフォトを買ってもらいCF対物をつけて研究していました。東大の博士課程の知人はツァイスの倒立位相差とニコンのフルオフォトを使っていました。そのとき,筆者はギヤの壊れたSFR-Keで研究していたのです。
勉強はしていたので,彼らの撮る写真よりはよい絵を撮っていました。時にはミニコピーで硬調現像してもらったりして,Chaetocerosの刺毛を鮮明に映し出すように工夫していました。だからこそ,彼らの使っている機材がうらやましくて仕方なかったですね。
結局のところまともな顕微鏡のある研究機関で仕事をしたことは一度もなく,自分で中古顕微鏡を買ったのが「はじめて手にする壊れていないまともな顕微鏡」でした。それがバイオフォト。このときあわせてフルオフォトのジャンクも買ったのでそれは自分で整備して,バイオフォトとフルオフォトを持つことになりました。19年くらい前のことです。
いま思えば,あれが顕微鏡人生のはじまりだったのかもしれません。手抜きのない設計の良さに感嘆し本気で顕微鏡を勉強するきっかけとなったからです。現在は「あこがれ」の顕微鏡に囲まれて幸せに暮らしています(笑)。よかったよかった。
ところで,ぜんぜん違う話になりますが,先月くらいからお使いのブラウザによっては,当HPの画像表示がぐちゃぐちゃになっています。これまで横表示だった画像が勝手に回転して縦表示になったりしています。
これはブラウザがExif情報を参照して画像表示方向を決めるように,勝手に仕様変更したためです。なぜブラウザの開発者は,世の中の多くのwebサイトをぐちゃぐちゃにするようなことを平気で行うのでしょうか。気が狂っているとしか思えませんが,そんな人を相手にしても仕方のないことなのでしょう。
当サービスのHP内にある一万枚を超える画像をチェックして,問題あるExif情報を消去あるいは書き換えをしないと,当HPの表示は正常化しません。ツリーが横倒しになったりしたままになります。これを全部修正するとなると,筆者の気が狂いますね…。腹立たしいことこの上ありません(画像/MWS)。
2020年6月12日
ここのところ掲載してきた円石藻の画像は構造がらくに読み取れるように十分な大きさに拡大してあります。では肉眼検鏡ではどのくらいに見えるのか? ということを示してみたのがきょうの画像。円石藻はとても小さいので60xか100xの対物レンズを使うことが多いです。総合倍率は600倍から1000倍になります。その視野では,きょうの画像の感じに見えます。
ほとんど豆粒をみているような感じで,肉眼検鏡で詳細を知ることは難しいです。一度,大きな拡大率で撮影してモニタで眺める方が得られる情報が多いような気もします。ただこの場合,まともに撮影できていることが絶対条件です。撮影で像が少しでも劣化していれば情報は失われています。
大きな拡大率で撮影するには,小さな素子にたくさんの画素,倍率の高い投影レンズといった組み合わせが有効です。その意味では,フルサイズのカメラよりも,Cマウント高画素CMOSやNikon1などの方が有利なのです。解像限界の高度なイメージングでは,サンプリングの定理を遙かに超越した無効拡大で撮影することも多く,20xの投影レンズで1インチの素子に投影することもあります。
小さい構造を解像するには,正しい標本づくりはもちろんのこと,顕微鏡の正しい運用,拡大率,素子のS/N,最適露出,対物レンズの球面収差の色による差,素子のノイズ特性,最適な画像処理など,検討することは山ほどあります。本ページで掲載している画像は,それらのパラメータをハイレベルでコントロールしているものが大半です。画像を見るだけで読者の参考になるようにとの配慮からそのように追い込んだ絵を掲載しているのです。良い絵を掲載するとたまにプロやハイアマチュアから連絡をもらいますが,さすがだな,と思います。同じレベルで顕微鏡を運用できているからこそ,レベルが判定できるわけなので(画像/MWS)。
2020年6月11日
円石藻のイメージングはまだまだ続いていて技術を手にたたき込んでいます。「手が覚える」のです。ようやくきょうの画像1枚目くらいのものはコンスタントに得られるようになってきましたが,何しろ0.007mmとかいうサイズのものを相手にしているわけで,波動光学的な振る舞いが気になる領域です。ちょっとしたことで像が変化します。
ここ二日間は旧式の機材でビデオエンハンスをやっていて,液浸,コンデンサ絞り開放,紫外線の像でのコントラスト生成を狙っていました。ちょっと欲張りすぎたのか,明け方までの検討もむなしく,敗退しました…。ので,いつも使っている130万画素のCMOSに戻ります…。
画像1枚目はNAcond/NAobj=0.9/1.4で撮影したもの。画像2枚目はNAcond/NAobj=0.6/1.4で撮影したもの。物体は同じで撮影波長は約365nmです。コンデンサ絞りを0.3だけ絞っただけで像質は激変していることがわかると思います。
解像としては画像1枚目が優れていることは誰にでもわかりますが,では画像2枚目がダメかというとそうでもありません。たとえば個々の円石の重なり具合は2枚目の方がよく判別できます。
こういった違いは撮影時にもわかりますが,詳しく判明するのは取得した画像をコンポジットして処理したあとです。ので,撮影時は,教科書的な撮影をすることに加えて,ほかにもいろいろな条件で画像をとっておきます。そのあとのパソコン作業で像質を見抜き,機材のマッチングや操作法にフィードバックをかけるのです(画像/MWS)。
2020年6月10日
高級魚の話ばかりしているとオマエのところはなんて贅沢してるんだと怒られそうです。まぁ,筆者はお魚大好きなので高く付くことは確かですが,いつも高級魚ばかり食しているわけではございません。。それが証拠に,きょうの画像はひじょうに質素なまぐろの刺身。メバチです。詳しい人が見れば,この皿ひとつで幾らのマグロが乗っているのかわかるでしょう。だいたい,180円くらいで,二人で二食分弱くらいかな。サンシャイン60のふもとにあるスーパーに転がっていたものです。
部位は腹骨ちかくの大トロ,血合いぎし,あとは筋ばった部分です。冷凍のブロックから刺身に不適当と判断された場所をまとめて一パックにしたもの。ほかの部分は刺身として売られているので,当然,この部分も刺身で食べられるのです。ウチには本焼き包丁がありますので,スジっぽいところでもOK。あとはよく噛み噛みしていただきます。パックには「加熱してお召し上がりください」と書いてあったので,15゚Cほど加熱して(笑),鉄火丼としていただいたのでした。
こう書くと,こんどは貧乏の食卓という気がしないでもありません…。でもここ20年ほど,マグロは冷凍のアラを買って食べることがほとんど。なぜかというと,血合いの近くとか,筋張ったところのちかくは,歩留まりは悪いんだけれども,味はとても良いのです。血合いの部分は煮付けにすれば鉄分も豊富だし,良いことばかりなのです(画像/MWS)。
2020年6月9日
近所のスーパー『よしや』には相変わらず南国の高級魚たちが入荷していて,先日は『スギ』なる魚をはじめて食べました。まぁこれは高級魚と言うよりは大衆魚といった感じで,味の方も無難な白身魚という感じでした。先週末は,『スジアラ』なる魚が大きなブロックなのに1280円で入荷していて,これも初体験となりました。
ハタの仲間だからうまいんだろうと言うことは予想できます。試しにぼうずこんにゃくに聞いてみれば(こちら),究極の美味なのだという。これは期待大。
そこで同時に入荷した富山湾産のブリと,石川県のイナダ(酢締めにした)と,スジアラの薄造りで海鮮丼としてみました。食べてびっくり。尋常ではないうまさ。うううううまい。うまいうまいうまい。
白身魚で刺身でうまい魚を列挙せよと面接官に問われたら,ヒラスズキ,オナガダイ,ホウボウ,カナガシラ,コチ,冬の沖メジナ,沖ボラ,地域限定の太刀魚,ハモ(あぶり)…などなど,たくさん浮かぶわけですけれども,スジアラは間違いなくトップを争ううまさだったのでした。いやほんとびっくりした。
話はたったそれだけなのですけれども,みなさま,スジアラは食べた方がいい,と,よいものを厳選してお届けしている本ページで声を大にして主張したいのです(画像/MWS)。
2020年6月8日
日曜日はイメージングの一日でした。むかし撮影した画像の更新が必要になり,えんえんと高解像イメージングをしていました。同じ珪藻を3つの屈折率で封じて画像を比較したりもしていました。ここのところ取り組んできた円石藻のイメージング手法とは全く異なるので,脳みその別の部分を使って仕事をしているかのようでした。
きょうの画像はそのときに撮影した一枚。コアミケイソウの微細構造ですが,この構造はひじょうに細かくてまずふつうの検鏡法では見えてきません。撮影してもそこに構造があるのかないのかわからないくらいです。そのわからない像を5枚ほど撮影してコンポジットして最大エントロピー法で処理を行うと構造が浮き出てきます。このレベルのイメージングになると,一般的に顕微鏡の解像限界とされている200nmが「大きく」感じられます。
このような「見えないものを見る」努力は,光学顕微鏡では重要です。顕微鏡では光のあて方,ピント位置一つで像が変わってしまうので,「見えなかったものが見えた」という体験は多いのです。経験を積むことによって個人の中で体系化して,「こういった物体はこういった方法で攻める」といった解法が自動的に生じるようになれば,10年前には見えなかったものが,今はらくらく見える,などということも起こるのです(画像/MWS)。
2020年6月7日
均質液浸系(たとえばスライドグラス,カバーガラス,油浸オイルの屈折率がnd=1.52)以外の検鏡では,高度なイメージングでは球面収差量のコントロールが最も大事なポイントになってきます。円石藻の海水封入サンプルの検鏡では,不均質の液浸系になるので,何らかの方法で球面収差を最小に追い込まなくてはいけません。
球面収差は対物レンズの設計が要求する封入剤の屈折率からのズレ,厚み,,鏡筒長の変更,カバーガラスの厚みの違い,撮影に使う波長,レンズの収差特性,対物レンズの開口数などによって変化しますので,イメージングの際にはどのパラメータをいじって追い込めば良いのか考えながらの作業となります。球面収差は開口数が小さいほど生じにくいのでイメージングはラクになります。
きょうの画像1枚目はNA=0.75の液浸系対物レンズによる作例。波長は365nm,コンデンサ開口数は約0.5です。この程度の開口数でも円石藻の構造を解像することは可能です。
画像2枚目はNA=1.20の水浸対物レンズ。照明は白色光でG,Bチャンネルを取り出したもの。コンデンサ開口数は(目盛りがないので)不明ですが約0.6くらいです。
両者を比較すると明らかに,低NAの対物レンズの方が解像しています。球面収差の補正という観点では,倍率の低い,封入剤やカバーガラス厚さによる像質の悪化が起こりにくい対物レンズを選択するというのも一つの方法なのです。
もちろん,高NAの対物レンズで球面収差の補正が完全にできれば,低NAの対物レンズではとうてい得られない高解像の絵になるわけですが,そういった絵を得るには高い技量を必要とするわけです。
ところで,きょうの画像2枚目の右側は,円石藻の内部にピントを合わせたもの。円石藻は細胞の中で多量のカルシウムを濃縮して一気にひとつの円石を作って自分の細胞の殻にするといわれています。その細胞内部で形成中の円石をとらえた画像です。ほとんど円石は完成しているようです。惜しむらくは,このときはベストの機材ではなかったこと。何しろ,生まれてはじめて円石藻というものを顕微鏡でのぞいて,まだ「6分」しかたっていなかったのです。さすがに筆者でも,初見の物体でわずか数分でベストの絵を出すことは殆ど無理です。
でもまたこんな細胞に出会えることでしょう。そのときは一撃でもっと良い絵を得たいですね(画像/MWS)。
*1 むかしの顕微鏡の本をみていると,最高級のアポクロマートでも使い方を知らねばアクロマート以下の像になる(意訳)というような記述がありますが,これは本当にその通りなのです。乾燥系でも油浸でも事情は似ています。ただ覗くだけ,という人には,40倍,開口数0.65のアクロマート対物レンズというのは実にバランスがとれたものと思います。これが40倍,開口数0.95になると,病理屋さんならnd=1.52で封入するので問題なくクリアに見えますが,動物プランクトン研究者なら水で100μm以上の厚さに封じるので球面収差で霞んでしまいまともな像を得るのは大変です。
2020年6月6日
液浸対物レンズは使用が終われば取り外して浸液をきれいに拭き取り先玉が完全な状態になったことを確認してから,レボルバに戻すかケースに収納して乾燥剤入りの密閉容器に保管します。油浸はむかしから面倒なものの一つとされてきました(100年以上むかしの文献にもそんなことが書いてあったような…)。でも筆者は油浸を面倒とは思いません。油浸(あるいは液浸)にしなければ見えない構造があることは自明ですので,面倒がる理由が存在しません。
そしてまた拭き取りも面倒には思いません。完璧に拭き取ってレンズの状態が維持されていることを確認できるのは精神衛生上もよろしいです。こういうことは習慣の問題なので,毎日掃除をしていれば掃除をしない方が気分が悪いのと同じで,いつも必要なときは油浸を厭わないようにすれば自然と慣れるものです(画像/MWS)。
*1 水浸対物レンズは取り外さずにそのまま拭きます。検鏡が終わればステージを下げ,レンズ先端が濡れているうちに,蒸留水で湿らせたレンズペーパーでそっと拭います。乾燥させてしまうと微結晶が析出してレンズを汚損する恐れがありますし,から拭きすればレンズを傷つけることにもなります。ので,必ず濡れた状態で拭き,レンズペーパーの方も一部を湿らせておくのがコツと考えています。
*2 長時間の検鏡や海水サンプルの検鏡では,浸液としての水の蒸発の恐れがあったり,浸液の水が海水と接触して塩類溶液になったりと,不都合があることがあります。このようなときはカールツァイス社から供給されているイマージョンウオーター(水と屈折率が同じオイル)を使うこともあります。
2020年6月5日
MWS解像限界イメージングセンターによる円石藻の高分解能イメージング。独自に開発した脱塩溶媒を使いガラス基板上で乾燥した円石藻を樹脂で封じたものを撮影しています。対物レンズの要求する光学設計値通りの物体配置・メディアの屈折率選択ができますので,水封入の生標本よりもイメージングしやすくなります。画像1枚目はコッコスフェアの全景。Gephyrocapsa oceanicaの感じがけっこうよく表現されているように見えます。画像2枚目は極限的な分解能を目指したもので,円石の縁辺部になる波状構造が完全に解像しています。通常は電子顕微鏡で観察する領域ですが,光学顕微鏡というのは正しく運用すればここまで見えるものなのです。久しぶりに当サービスらしい仕事ができました(画像/MWS)。
2020年6月4日
きょうの画像はMWS解像限界イメージングセンターの一コマ。円石の解像限界イメージング手法を開発中です。光学顕微鏡では照明の方法によって(ランプの刺し方一つでも)像質が変化しますので,解像限界を追求するためにはあらゆる照明条件の検討が必要になってきます。十数個の光源を用いてあらゆる照明法を検討して最良の方法を探っていくのが当サービスのお作法です。
先月後半のサンプリングから延々とこんなことをやっているのですが,読者の皆様はそろそろ飽き飽きしてきたことでしょう。でも筆者的には,まだ,将棋で言うなら26歩を打ったところという感じです。あるいは羽生さんが大好きな早期の角替わり(角交換の場面)といった感じでしょうか。
何しろ筆者は,一つの珪藻を数ヶ月イメージングし続けたことがあるのです。20年ちかく前のことです。給与ではじめて自分の顕微鏡を購入し油浸のNA=1.4を使った頃でした。自宅にも職場にも顕微鏡を(自費で)設置して,職場での研究を自宅でもできるようにして,検鏡を続けたのでした。
いま起きていることはそれと一緒です。円石藻ははじめて見る物体ですので,そんなにあっさり見えてくると思ってはいけません。あの頃よりは技量も知識も比較になりませんが,それでも,初見の物体はその素性を見抜くまでは油断がなりません。徹底的に検鏡するのです。
いまは,google検索で様々な光学顕微鏡画像を拝むことができます。でも,それらの画像は品質上の認証が不足しています。本当のプロが撮影した最高の画像はどこにあるのか,探すだけでも無駄です。そんなものが存在するかどうかわからないのですから。
ので,筆者はweb上の情報はまったく参考にしません。自分の技量でどこまで到達できるか,それを目指さないと,技量は低下してさび付き,ありきたりの絵だけを撮るなんの面白みもない自称プロに成り下がってしまいますので(画像/MWS)。
2020年6月3日
安いせいか胸肉の入荷がずっと連続している。良質なタンパク源として優秀ですけれども調理法が問題。当室ではだいたい,カレー粉炒め(インチキタンドリー),ネギ塩チキン,ショウガ味噌焼き,トリチリソース,塩コショウ炒め,ネギショウガ茹で浸し(石丸方式),そして鳥はむが定番なのだけれども,もっとさっと簡単に作れてほかに応用できる食べ方はないものかと考え,しゃぶしゃぶにすることにしました。
胸肉は皮をとって別々にしておきます。肉の方は繊維の方向を見ながら縦にふたつに切ってから繊維に直交するようにうすーく切っていきます。大皿での刺盛を作る感じで皿にならべていきます。鶏皮は細長く切っておきます。
水を沸かします。ふつうしゃぶしゃぶは昆布を放り込むものですが,きょうはただの水を使います。まず,水に鶏皮を入れて火にかけて十分沸騰させて数分程度煮込んで引き上げます。この鶏皮の脂とダシが出たお湯で胸肉をしゃぶしゃぶします。だいたい5〜8秒くらいでしょうか。
これでお肉も鶏皮もそのまま食べられます。ネギにゆずポンでさっぱりとというのもよろしいし,カラシ醤油でもわさび醤油でもOK。ごまだれでもいいでしょう。きょうはこの材料を使って,キュウリとワカメの鶏皮中華風と,キムチ鶏にしました。つくりかたは見てのごとくで材料を切って混ぜるだけです。キュウリとワカメの方は,しょうゆ少々で味付けでもいいし,そこにごま油を垂らしてもいいでしょう。キムチ鶏の方はキュウリとキムチを混ぜるだけです。
しゃぶしゃぶに使ったお湯にはタマネギを一個放り込んで火を通し仙台味噌をとけば上等な味噌汁になります。
ここのところ深夜まで顕微鏡をいじっていて円石藻のイメージング法を調べています。その関係で本ページの更新に時間がとれず,そういったときには夕飯の話が登場することになるわけです(笑)。
インターネット上の情報では,切りにくいものを薄く切るには一度冷凍してから切ると良いなどと書かれていますが筆者的にはオススメしません。たとえ半解凍でも,包丁の刃先はダメになってしまい著しく切れ味が落ちますし,それより何より,一度凍らせるのが面倒すぎます。胸肉を薄く切るにはよく研いだ包丁があれば十分です。今回は,以前に本ページで紹介したamazonさんで2000円程度で転がっていた『船行包丁』を使っています。最低限のつくりの包丁ですが,ハガネの切れ味で問題なく薄切りにできます。
しゃぶしゃぶ用に薄切りにしたお肉は,きょうの画像のようにきれいに並べておくのがよろしいです。これは撮影用にきれいに並べたのではありません。このように並べないとくっついてしまい,しゃぶしゃぶするときに肉を剥がすのに手間取って効率が低下してしまうのです。一枚一枚切って包丁から剥がすときに指でつまむわけですから,その動線上に皿を置いておき,並べるだけですので,面倒なことでもありません(画像/MWS)。
2020年6月2日
きょうの画像は偏光クロスニコルで観察した円石藻の円石。ひじょうに小さくて透過明視野では探し出すのも困難ですが,偏光クロスニコルでは画像のごとく光り輝きますのですぐに見つかります。またクロスニコルでの円石の見え具合は種によって異なるものもあります。ので,堆積物などで円石藻を探すときは偏光法で検鏡することが求められます。
撮影条件は次の通り。油浸100x対物レンズNA=1.4,コンデンサ絞りNA=1.0,投影レンズCF-PL2.5x,アナライザはLV-FLAN,ポラライザは東急ハンズのBSP100,カメラはNikon1J5です。
しかしそれにしても,このなんとなく寂寥感を感じさせる視野は,晩秋に突如として降る雪のようでもあります。あるいは深山闇夜の雲間から覗く星空のようでもあります。見ていてなんともいえない感じがします(画像/MWS)。
2020年6月1日
落射蛍光でも透過明視野でも紫外線で検鏡するときは無蛍光オイルを使うことが望ましいとされています。透過明視野のときは蛍光強度の方がずっと微弱なので無視できることがほとんどですが,蛍光観察の場合はバックグラウンドを明るくする恐れがあるので,蛍光を発さないオイルが必要で,実際にそのようなものが市販されています。その一例がきょうの画像で,だいぶ昔に買い込んだ無蛍光オイルです。ここのところの円石藻イメージングで紫外線も使うので久々の出番となっています。ボトルに入っていてどうやって取り出して使うの?と思われるかもしれません。このボトルのキャップにはガラス棒がついていて,そこに付着したオイルを滴下して使うようにできています。エアは入らないし,微量の滴下も容易で,これがなかなか優れものなんです(画像/MWS)。
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