画像のご利用について   サイトマップ





本日の画像

ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


【2020年】  1月  2月  3月  4月
【2019年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2018年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2017年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2016年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2015年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2014年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2013年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2012年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2011年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2010年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2009年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2008年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2007年】  9月  10月  11月  12月

【今月にもどる】 



2020年4月30日




ホタルイカは豊漁で何度も食べているのだけれども,スルメイカは不良続きで食卓まで届いてきません。イカ大好き人間にはここ数年おもしろくないことになっています。ところが,ここのところの自粛要請により高級料亭や寿司屋,ホテルの需要が減ったようで,なんとモンゴウイカの盛り合わせがこの価格。二人では食べきれないくらいの大盛り。ありがたいことなのですけれども…漁業関係者は大変です。

でもまあ,この自粛期間のささやかな楽しみとして,天の恵みが舞い降りたと解釈して,日々高級魚を食するというぜいたくをさせていただきましょう。何しろ筆者は真面目?なので,4月の外出時間の総計は10時間未満。あとは部屋に閉じこもっていたのです。おいしいものを食べても罰は当たらないかも…と思いつつ,ありがたくいただくのです(画像/MWS)。








2020年4月29日










野菜は切れない包丁でも何とかなってしまったりするものですが,千切りみじん切りなどを高精度にやろうとすると最高級の切れ味が必要だったりします。野菜の場合は「かかり」が重要で,タマネギや長ネギなどに刃先をあてたときにしっかりとかかってくれないとその後が続きません。刃先が滑るようでは薄切りができなくなります。ので,研ぎ技術が必要になってくるわけです。

きょうの画像は当室のタマネギサラダの一例。生のタマネギを食べると翌日に胃がおかしくなるのが通例でしたが,なぜか今月,食べてみる気になって試したらまったくなんともなくなっていたのでした。胃の保護の仕方を研究してきたこともあり,ここ数年,胃の調子は人生でいちばんまともな状態が続いています。よかったよかった。

それでタマネギサラダを大量に食する毎日になっているわけです。うんと薄く切ったタマネギとワカメ,シーチキン,かつおぶし,マヨネーズ,しょうゆがベース材料。これだけでもサラダとして成立しますが,タマネギのきつさをマイルドにするためにほかの野菜も入れます。キャベシ,レタス,シソ,ミョウガなどを放り込みます。これをどんぶり一杯作って,二人で,二食で食べきってしまいます。

一日の野菜の量は350g以上がよろしいとされていますが,当室の場合は,こういった野菜のほかに,キュウリ,もやし,きのこ,海藻(もずく,めかぶ)を常食していますので,350gはたぶん,らくらくクリアしています。その分,一日1kg以上の野菜を刻みまくりますので,包丁はよく切れないと困るのです。なお,野菜を大量に摂るには煮野菜がオススメです。生野菜を大量にとると体を冷やしますし,消化もよくないので,体調に見合った分量にしておいた方が無難です。煮野菜ならたくさんたべても,経験的には悪い影響がほとんどありません(画像/MWS)。








2020年4月28日




『研ぎ』ができると包丁がよく切れるようになるので良いことしかありませんが,具体的にどんな良いことがあるかという一例がきょうの画像。いっけん挽肉にみえますが,これは豚バラ肉を包丁で切ったものです。脂たっぷりのお肉は切りにくいものですが,キンキンに研ぎ上げた包丁なららくらく切れます。画像をご覧いただくとわかると思いますが,肉を「引きちぎった」形跡がまったく見られません。

といったようなことがじつに簡単にできるので,当室では挽肉はたぶん15年以上買ったことがありません。冷蔵庫にお肉があれば,それはいつでも挽肉になるので,買い物の手間が減りますし,じぶんで挽肉にしたほうが好みの肉質,挽き具合を選べるので具合がよろしいです。ちなみに,画像のお肉はこのあと麻婆豆腐になりました。

もちろんこのくらい包丁が切れれば,刺身はサクで購入して自分で切った方がよろしいです。うんと安上がりになりますし,刺盛りに入っていないような,定番物(マグロ,養殖ブリ,サーモンなど)以外の刺身を食することができます。

野菜を刻むのも楽しくなるので,ついつい大量に刻んでしまいます。刃先がきちんと立っていれば,うんと細かく切れるので,生野菜のサラダなどはとても食べやすく,味もなじみやすくなります。

良い道具にほれぼれしながら使うと,仕事が苦ではなくなります。ちょっとよろしい包丁を入手して,砥石を手に入れて,研ぎ技術を身につければ,毎日の料理が大変,つらい!と思っている人でも,すこしは楽しみが生まれ,楽になるかもしれません。切れない包丁で鶏肉を引きちぎり,薬味のネギがごろごろとして細かく切れないようなストレスから早く逃れるために,研ぎを覚えましょう(画像/MWS)。








2020年4月27日




家にこもってストレスがたまるという人にぜひオススメしたいのが『研ぎ』です。ゴールデンウイークということもあって,じゅうぶんな時間をもてあましている方もおられるかもしれません。そんな時間を技能習得に使えれば良いことだらけです。

研ぎの方法はyoutubeやブログ,ホームページなどに山ほどありますので勉強は簡単です。ただ,あまり推奨できない方法を記しているページもありますし,良い方法でもレベルが高すぎて参考にならないものもあります。自分のレベルにあったものを探しましょう。

問題はどんな砥石を買うかですが,まともに研ぎができた自信のない人で,はじめて平べったい砥石を買うというのであれば,こちら をオススメします。強い研磨力があり,この一本でふつうの料理用ならじゅうぶんな刃がつきます。

15年以上むかしに,職場の女性陣や知人などに包丁研ぎ講習などをしていたことがありますが,そのときからこの砥石をオススメしています。みなさん喜んでお使いのようです。中砥といって,やや荒めのざっくりとした刃がつくのでピーマンやトマトもよく切れると好評でした。

ステンレスでもハガネでも研ぐことができますので砥石と鋼材の相性を気にする必要はありません。但し,セラミックの包丁はこの砥石ではまったく研げません。そこはご注意を。

研ぎが上達して,出刃や刺身包丁を買い込むようになれば,砥石は こちら や こちら や こちら をそろえて最高の切れ味を求めるのも一法です。

ふつうの人はここで終わりますが,ふつうでない人は先に進みます。天然砥石の奥深い世界が待っています。 こちら や こちら などのお店で仕上砥を入手し,刃先の仕上がりぐあいにニンマリするのも,人生には必要な時間なのだ,と思うようになります(笑)。

ま,実際には,天然砥石と人造砥石でどちらも究極に研いだ場合,切れ味にはほとんど違いはありません。天然砥石だと究極の永切れにできるという話もありますが,それは本当に良い包丁を最高の技量の人が研いで,さらに,特定の食材を連続して切る場合にわかるものです。ので,天然砥石は切れ味の面から追求するべきものとは言いづらい面があります。

しかしそういう筆者は天然砥石大好き人間です。地殻変動で生まれた堆積物の塊で鉄を磨くという原始的な動作がじつにシンプルで素敵です。そして何よりも良いことは,人造砥石で研ぐと手が真っ黒になりますが,天然砥石で研げば手は真っ黒にはなりません。ふつうに石けんで手洗いで落ちる程度です。ので,食材いじりをする面でも好適です。板前さんや寿司屋の大将など,客前で技を見せる方々のなかには,手が黒くなるのを嫌って天然砥石を使う人もいらっしゃると聞きます。

きょうの画像は先ほど研いだ船行2本。カミさんが在宅勤務になったこともあり,いつもより食材を多量に切ることになるので,包丁は最高の切れ味を維持するようにしています。また在宅勤務中のカミさんが「調理実習」と称して昼食を準備してくれることもあります。大助かりです。このときに快適に調理できるように,カミさん用の船行は冷蔵庫にある食材のいかなるものでもすぱっと切れるように仕上げています。

そんな関係で船行2本は毎日研いでいます。厳密には刃先調整くらいですが,中砥でさっと研いで仕上をかけています。きょう使った砥石は,五十嵐砥という名の,たぶん違う産地の砥石。これに荒めの仕上砥を名倉代わりに使って砥泥を出し,そこでシャリシャリと軽く研ぎます。このあとに丸尾山の『合さ』で一方向研ぎ。ペーパーでカエリをとっておしまい。究極を目指すときはここから産地不明の浅黄をかけて,中山か尾崎の合砥をかけて,そのあとに革砥(青棒),革砥(GC#30000)をかけます。

これで刻み物はじつに快適にできるようになります。野菜サラダもシャキシャキとおいしいのです(画像/MWS)。








2020年4月26日




厚生労働省から各種の支援案内が出ています(こちら)。ぜひ1度ごらんになって,困っている方などに教えてあげましょう。

この種の制度は,制度として存在するだけではだめで,制度が広く認知されること,誰でも理解できるように制度がわかりやすく整理されていることが特に重要です。きょうのリンク先は一覧形式で大変よくまとまっています。

これはプレゼンテーションがきちんとできる人が作った資料ですね。厚生労働省のこの仕事は適材適所の好例と感じられます。

政府が各戸に配布をはじめたマスクが多くの不良品に見舞われたりして,政府もこの忙しいときに災難続きで大変ですけれども,優秀な官公庁の方々が良い仕事をしているところにも目を向けましょう(画像/厚生労働省のスクリーンショット)。








2020年4月25日




東京ではごく近い周囲にも新型コロナウイルスの感染者が発生し始めています。この関係でカミさんが在宅勤務になり一ヶ月弱になります。筆者は人の仕事に関して一切口出ししないので,自由にしてもらっていますが,その分,室内でのチリの発生は約10倍に増加します。ので,精密な標本の作製は見合わせており,当面の間,製作しない状況が続きそうです。誰もいない静かな空間が必要なので,これは仕方のないことです。代わりに,むずかしいサンプルの処理や,新たに入荷した化石試料の処理などをはじめています。余裕があれば技術開発の時間も作りたいと思っています。

きょうの画像はナマコの骨片。たぶん以前にも同じものか似たようなものを掲載した気がしますがよく覚えていません。ナマコの骨片は炭酸カルシウムの微結晶の集合体でできていますが,結晶軸がそろっていて消光位置があります。でも微結晶が集積する段階で層状構造ができているはずで,それを写してみようと挑戦したものです。撮影は油浸の位相差に偏光を重ねたもの。偏光で色が出ているところに,等高線のような層状構造が見えます。これが微結晶の成長過程を示しているのではないかと推測しています(画像/MWS)。








2020年4月24日




だいぶ前の話題になってしまいますが,藤原ナチュラルヒストリーフォトコンテストの入選作が公開になっています( こちら )。

佳作にミジンコの画像が選ばれています。素晴らしい絵です。もちろん当サービスのお客様です\(^o^)/  

以前も当サービスのお客様が入選していましたので,お二人目でしょうか? けっこうな確率になるように思います。本ページの読者の皆様も,とっておきの画像を応募してみてはいかがでしょう。毎年11月頃に募集が始まります(画像/MWS)。








2020年4月23日(2)




すこし前に,個人的にちょっと面白い騒動が起きていました。石原さとみ写真集の印税が未払いだというのです(こちら)。個人的には出版トラブルのネタは大好物で(笑),あまりの面白さについついネットの記事を掘り下げてしまいます。

この事件,少し調べてみると,じつに不可解で面白さが増加します。問題の責任をとらされる形で,写真集をてがけた編集者が解雇されているのです。ということは,編集者に何らかの「責任」があることになります。どんな「責任」があるのかと探ってみると(こちら),なんと「宝島社と石原さんの所属事務所であるホリプロが、出版契約書すら交わしていなかった」ということだそうです。これは仰天ものです。

出版契約書は担当編集者が依頼先に書類を提示するのがふつうです。この編集者は出版契約をすることなく口頭でものごとを進めたことになります。こういう,世間の常識では信じられないことをやる編集者が本当に存在するのか,多くの方は信じられないことでしょうが,実際に存在します。筆者も心当たりがあります(笑)。なぜそんないい加減な人間が存在するのかというと,出版業界というのは恐ろしくいい加減な仕事をする会社があって,宝島社はたぶんそういう会社なので,そこで仕事をする社員も,いい加減なんでしょう。

信じられない方は,こちら をごらんになると良いでしょう。宝島社の前科も見ることができます。

そしてこの編集者が支払伝票を起こさなかったら,経理も動くことができず,結果として印税は宙に浮いたまま何年も経過したのでしょう。というのが予想されるストーリーの一つ。

あるいは,会社ぐるみで,出版部数をごまかして一部の印税だけを支払っていた可能性もあります。それを編集者のせいにして,クビを切ったというのが別のストーリー。

ただ,「編集者のせい」にするのは会社としては簡単ではないので,編集者自身にも何か問題があった可能性が高いでしょう。そこでweb上をほじくってみると(こちら),

印税トラブルのほか、『文春』では、本来宝島社が払うべき写真集の打ち上げ費用を、K氏はなぜか石原本人に支払わせていたと報じました」(スポーツ紙記者)


なるほど恐るべき編集者ですね。会社のカネを着服していた疑いが濃厚です。

しかしさらに不可解なことがあります。この編集者は,こちら の記事によれば,

「今年に入って石原さんの写真集の印税に、未払い分があることが発覚した。これにホリプロが大激怒。宝島社に対して、強硬に抗議したのです。それを受けて宝島社の局長がホリプロへ謝罪に訪れています。ただK氏本人は、『未払いは全く身に覚えがない。きっちり支払っている』と周囲に説明しています」


なんと宝島社は,編集者が契約先に印税を振り込む,というように読めます。社員数2,3人の小規模出版社ならともかく,宝島社クラスでこれをやったら,抜け穴だらけで大変なことになりそうです。何しろ,担当編集者が契約書の作成から振り込みまで全部やるわけで,ということは,担当編集者が契約書を偽造して,相手先に振り込んだように見せかけて,自分で作ったマネジメント会社に振り込んで,そこから本当の相手先に振り込む,などといった詐欺をやりかねません。『未払いは全く身に覚えがない。きっちり支払っている』という言葉の背後には,こんなことが潜んでいるのかもしれません。おそろしい。。

…と,いろいろな事情が交錯して解きほぐすことは難しいですが,「出版契約を結んで,契約どおりに支払いを履行する」という世の中のどこでも当たり前に行われていることを,ここまで面倒な事件にしてしまう出版トラブルというのは,ほんとうに見ていて面白く,また腹立たしいものです。こういった迷惑な編集者や出版社は,いちはやく淘汰されてこの世から消えてほしいですねぇ(画像/MWS)。








2020年4月23日




10万円給付を自民党の国会議員は受け取らない方針とのこと,というニュースが流れています。橋下徹が,10万円給付は公務員には必要ないなどと吠えているニュースも流れています。なんか,事態は深刻な気がします…。

何が深刻なのかというと,政府が経済政策を理解しているのだろうかということ。

もう一つは,政府が国民のお手本を示さないのはどういうことか,ということ。

10万円給付は,当座をしのぐために緊急に必要なお金(ベーシックインカム的な),という側面を持つと同時に,それなりの所得のある人には,降ってわいたお金(景気刺激対策),という側面があります。この2つを同時に有効に機能させることが政府としては必要なはずです。

現状では,緊急事態宣言によって,さまざまな業種で「自粛要請」という不可思議なお願いが発せられて,飲食店をはじめとして様々な業種が存続の危機に立たされています。人々が動かなくなったことにより,経済規模も急速に縮小しています。

経済が壊滅的な影響を受けて失業者であふれた場合は,新型コロナの感染で多数の死者が出るのと同じくらいに自殺者が出て,暗黒の世の中になってしまう可能性があります。

この現状で政府が示すべきは,「10万円給付で当座をしのいでください,足りなければどんどん追加しますから耐えてください」ということと,「余裕のある方は,この給付を有効活用して地元の産業を維持するようご協力をお願いします」ということでしょう。もちろん,「家にこもってつまらない分,この給付金で思いっきり楽しいことをしてください!」というのでもよろしいでしょう。

だから自民党の国会議員は10万円を受け取って,そして,国民の見本として,私財を加えて100万円使えばいいのです。10万円は消費税で回収されます。

つぶれてほしくないラーメン屋さんに出向いて,3密を避けながらラーメンを食し,ラーメン代金を払うと同時に,どんぶりの下に小さく折りたたんだ一万円札を置いておけばよろしいでしょう。あるいは,国会議員さんの大好きな銀座の夜の町に寄付して,お店がつぶれないように支援するのも良いでしょう。

たまにはスーパーで買い物でもして,必死に毎日戦ってくれている店員の方々にねぎらいの言葉をかけ,マスクやエタノールなどを寄付するのはいかがでしょう。

和牛券が企画倒れになってしまったので,和牛を10万円買って支援して,お魚券も企画倒れになったので,国産のお魚を10万円買って支援して,ようやく市中に出回り始めたマスクを購入して医療機関や介護関係者に寄付し,新型コロナウイルス対策で日々残業の職員さんに豪華な差し入れをしてあげましょう。

人々が移動しなくなったので旅行会社や高速バス,タクシーなど虫の息になりつつあります。議員ですから交通費は贅沢にあります。大量にチケットを購入して,チケットは記念にファイリングしておいて,運輸産業の末端を支えましょう。

などというお手本を示せばよろしいのですが,給付を受け取らないなどということを真面目に言い出すのですから頭を抱えます。給付を受け取らないというのはなんのポーズでしょう。痕跡量の微々たる返納で財務省を喜ばせたいのでしょうか? 

政府はひょっとして経済のことをわかってない? のでしょうか。だとすると「事態は深刻」です。羅針盤も読めない航海士や船長が運航する客船は迷走を繰り返したのちに座礁,沈没してしまうでしょう(画像/MWS)。








2020年4月22日




オムロン名誉顧問の立石義雄氏が逝去されました。新型コロナ感染症により重症となり回復することはありませんでした。ひどい,ひどすぎますね。ほんとうにひどい。

立石名誉顧問はオムロンを世界的企業に育て上げたことで有名ですが,中小企業やベンチャー支援なども手がけられていて,大企業のトップまで上り詰めた方なのに底辺の発芽したばかりの小さな会社にも目配せして支援を行っていたのでした。本物の実業家でした。私たちの業界もこれからきっとお世話になるはずだったのに…,残念でなりません。

  筆者は立石名誉顧問とは直接お会いしたことはありません。でも名誉顧問は私のことは知っています。なぜなら,『珪藻美術館(たくさんのふしぎ2019年6月号)』の読者だからです。立石会長が知人のベンチャー企業を訪問し,そのときに知人が手渡したら,喜んでうれしそうに持ち帰ったとのことでした。

あまりにも悲しいです…。心よりご冥福をお祈りいたします(画像/MWS)。








2020年4月21日




きょうの画像は『このあな なんじゃ』(きむらたえこ さく  みぞぐちともや え)という絵本です。この本,仮説社に買いに行こうと思っていたのですが(ウチから徒歩15分),新型コロナの影響でお店が閉まってしまい,あらら〜と思っていたのです。するとなんとなんと,著者の先生から直送で届いたのでした。数日前のことでした。天から光が射してくるような気分でありがたく頂戴しました。妙ちゃんありがとう〜。

この絵本は,干潟にあいている穴ぼこの下には何がいるのかな? ということを革新的な手法で示したものです。干潟でも,穴ぼこを掘り下げないと何がいるのかわからないわけですが,この絵本でも,同様の独創的な工夫がなされていて,読んでいて「やられた〜」となります。ちなみに筆者は「このあな何じゃ」にはほとんど正解できませんでした。

内容的には干潟の面白さを伝えるとともに,多様性に富む大事な場所であることをわかりやすく伝えてくれるもので,そうですね,4,5歳のお子様向けという感じでしょうか。もちろん,それ以上の年齢でも楽しむことができて,その場合はクイズ形式で使うことができるようにもなっています。

割とあっさりした内容なので,もう少しボリュームがあってもよいかな,とも思いましたが,しつこくなってもいけないので,このくらいの余韻を残す感じがいいのだろうと思います。

そして筆者は発見してしまったのですが,この本は,中年以降の人たちには恐るべき使い方があるのです。最初に読んでから二日後に読んでみてください。脳みそからどれだけの情報が蒸発していたのかを試験することができます。覚えたはずの生き物の名前はきれいさっぱり蒸発して,脳みそが劣化していることが正しく認識できます(笑)。なかなかおそろしいテキストです。。

『このあな なんじゃ』は現在入手可能です。仮説社さんは こちら ,amazonさんは こちら です。初版3000部と記載があるので,ご入手はお早めに! (画像/MWS)。








2020年4月20日




素人の想像ほど世の中に役立たないものもないのだけれども,ちょっと気になることがあるので記しておく。ここに書くのは医学の素人である筆者の単なる想像である。

新型コロナ感染者の死亡率は各国でかなり異なる。日本はいまのところ死亡率は低い経過を辿っている(*1)。他方,アメリカやヨーロッパの一部では高い死亡率となっている。医療現場の問題もあるが,この感染症は根本的な治療法がないので,死亡率の差は医療レベルだけに求められそうにない。

気になるのは肥満率である。全体的な傾向でおおざっぱにみれば,肥満率の高い国(こちら)で死亡率も高いような印象がある。

肥満は偏った栄養摂取によりもたらされるが,その大きな原因は粉体の炭水化物と砂糖,脂質の大量摂取にあると筆者は考えている。

肥満は慢性炎症という病態をもたらす。いっけん健康にみえても全身で緩慢に炎症が起きている。

ところで,各種の報告をみると,新型コロナの病態は,個人的には,全身性のウイルス性炎症疾患と考える。肺炎はCTで表面化しやすいが心筋炎や多臓器不全も起きている。

こちら の報告によれば,新型コロナの感染により,CRS→ARDS の経過を辿るのではないかという仮説が提唱されている。

さてこれらのことをあわせて考えると,次のことが起きている可能性を指摘できる。

1)新型コロナの病態は全身性のウイルス性炎症疾患である
2)もともと肥満(慢性炎症)や基礎疾患を持っている人はウイルス性の炎症が劇症化する
3)劇症化した人はCRS→ARDSの経過を辿り死亡する

各国の新型コロナの感染による死亡率の差は,この1)〜3)に加えて,高齢化率,医療レベルや,貧困の問題も加わるので,肥満でないからといって死亡率が低くなるわけではないが,肥満は死亡率を説明するパラメータの一つにはなっているかもしれない。

もしこの仮説が妥当なのであれば,1)粉食(小麦粉を練ったもの)をなるべく食べない,2)砂糖を食べない(砂糖以外にもブドウ糖,果糖など口に入る甘いもの),3)脂質の過剰摂取を減らして栄養のバランスをとる,4)食べ過ぎない,5)アルコールも飲まない,6)タバコを吸わない,7)体重管理ができている,くらいを守っている人であれば,体内に慢性炎症を抱えるリスクは低くなり,新型コロナに罹患してもCRS→ARDSの経過にはなりにくいかもしれない。

但し,これは全体を平均化した場合の話であって,このような生活をしている個人が大丈夫であることをまったく意味しない。

でも,ふだんいい加減な食事をしている人が,まともな人と同じだけの抵抗力をもっているはずがなく,上記の指針は役立つはずである。休校や在宅勤務になっている方々は,この機会に,徹底的に自炊の練習をして,まともな食生活を維持するよう専念し,身体の抵抗力をあげることが重要であろう。以上,素人の想像おわり(画像/MWS)。



*1 日本の統計はPCR検査数が少ないので死亡数についても不確かな数値である可能性が高いです。心不全とみなされたり通常の肺炎と判断された死亡例の中で新型コロナの症例が紛れ込んでいることはほぼ確実で,実際の死亡数はもっと多いと考えられます。ただ,その度合いについてはわかりません。また,このことは諸外国でも同じで,外国の統計が正確(真値を反映)であるということでもありません。




2020年4月19日




本ページは2011年以来の災害モードでの更新となりつつあります。都内は多くの感染者が発生しており気を抜くことはできません。web上の情報をウオッチしながら状況を眺めています。

きょうは情報拡散のお話。世の中SNS時代になって,個人が社会に対して広く情報を拡散できるようになりました。情報伝達経路が増えたという点ではとても良いことですが,この伝達経路にどのような情報を載せるか,という点をつねに意識しないと個人が誤った情報を広めたり,自分の意図と反対の情報を広めたりしてしまいます。リアルタイム検索でマスク二枚について調べ物をしていて見つけたアカウントを題材に,ちょっと例題をやってみましょう。

こちら の人は5.8万人ものフォロワーがいる影響力のありそうな方です。つぶやきをみると,言葉に力があって,とても真面目な方のように感じられます。なかなか良いことを言っているものもありますし,うーんそれはどうかなというものもあります。全体的には,政権擁護への固い意志を感じます。

この時点で,ふと思い立ち,この方のお名前でgoogle検索すると こちら が見つかります。虚言癖があり参考にならないのは明らかです。これをみて,笑って話は終わりでもいいのですが,参考にならない実例をあげておきましょう。

こちら と こちら をみると,この人は,この次元で原発災害をとらえているようです。これを検証してみましょう。

まず,なぜあの原発災害のときに総理が福島第一に乗り込んだのか,その理由は こちら を読むとわかります。これは総理本人の言葉なので信憑性がないと思う人もいるでしょう。ので, こちら も見るといいでしょう。

 福島第一原発の現場で何が起きているのかの情報が、残念ながら東電本社経由では本当に総理執務室に満足に届かず、間近で見ていた私も愕然とした。判断材料が入らず危機感を抱いた首相は、事故発生の翌日早朝、まだベントも成功せず圧力が高まり続けている極めて危険な状態の現地に、直接ヘリコプターで乗り込み現況を確認することを決断。この強行によって、現場で起きている事をようやく官邸が把握できた効果は非常に大きかったと、同行した私も心底思った。しかし当然、吉田所長を始めとする第一原発の現場にとっては(短時間とは言え)極めて邪魔な来訪者となってしまった。


つまり官邸は,原子力災害が起これば国家の緊急事態であるから,福島第一の現場で起きていることを東電とリアルタイムに情報共有しなければならないと,正しく認識していたわけです。10条通報,15条通報に即応して緊急事態宣言を素早く出せたことがそのことの証です。このように危機意識を持っている官邸に対して,東電は迅速正確に現場情報を伝えることができていなかったのです。

注水問題に関しては こちら に本人の言葉が書かれています。 こちら で調書を見ることもできます。高裁で菅直人が名誉毀損裁判に敗訴した判決文も こちら で読めます。また,注水に効果がなかったことも こちら で読むことができます。

これらの情報を総合すると,この例題にあげた人の「でも福島原発事故では「総理の一言」を現場の人間が無視する事によって何とか大事故に発展せず済みましたよね。」という言葉は,現時点では正しい認識とはいえないと言わざるを得ません。

むろん,人は世の中のすべてのことを勉強するわけにはいきませんから,理解不足のこともたくさんあるのは仕方のないことです。でも,理解不足かどうかも調べずに,約6万人に情報を自由にばらまくのは,ご自身の信頼性にもかかわることで,怖くないんでしょうか。この人のフォロワーさんが,情報の検証をせずに拡散したら,ご本人だけでなく,フォロワーさんも,「ウソ拡散装置」の一部になってしまうからです。

筆者はSNSの類いに一切手を出しませんが,その理由の一つは,自分は頭が悪いという自覚があるので間違いなく「ウソ拡散装置」になってしまうだろうということもあります。そんなことをするくらいなら,実名で自分のHPに考えとその根拠を記しておけば十分です。ので,3.11のときも数ヶ月間,災害モードで本ページを更新し続けたのでした。

以上で例題は終わりです。

さてちょっと付け加えておくと,3.11当時の政権の原子力災害への対応について,筆者は,「まぁよくやったよね」との評価です。できることはほとんどやっている印象です。本ページでも政権批判はほとんどしていません。変な人を委員に任命したときと,一般人の被曝上限を20mSv/年に引き上げたときに文句を書いたくらいです。

なぜ評価するのか,それは,原子力災害では,「あの程度の対応しかできない」ことを過去20年間の勉強で知っていたからです。原子力災害の危険性に気づいていた人々の多くは,原発推進・反対に関係なく,当時の政権の対応を評価しているように筆者には感じられます。その一方で,残りのほとんどの人は,「最悪の対応」と評価したのではないかと思います。

この差はどこからくるのかというと,残りのほとんどの人は,当時は,原子力災害について「何も知らなかった」からでしょう。どんなことができてどんなことができないか,何も知らないので,政府が適切な対応をしているのに事故が収束しないことにいらいらして,何も知らないマスコミとの相乗効果も相まって,政府が悪い,ということに不満が集中したのでしょう。

日本は原子力に続いて二つ目の緊急事態宣言が出された国になってしまいましたが,3.11の頃と似た世論になってきている気もします。かしこく行動しましょう。自戒の念を込めて。



きょうの画像もそんな話題とは何の関係もない,グレンデルさんから教えていただいたゾウリムシ画像。さすがはプロの編集だなあと思わせてくれるのは,音楽とのマッチング。個人的には,顕微鏡下の世界の動画に音は必要ないと思っています。でも,このグレンデルさんの動画を見ると,うーんうまいなーとニヤついてしまいました。動画は こちら です(画像/グレンデルさん)。








2020年4月18日




10万円の給付は外国人も対象とのこと。このごく当たり前のことを決定してくれたことに感謝したいと思います。何しろ,ウイルスは人類そのものに降り注いでいるので,ウイルスに感染する,経済社会で生きている生物すべてに給付すべきものだからです。まぁ,ワンコやニャンコも感染するらしいですが,彼らに直接給付しても意味がありませんので,ざんねんながら対象外となりますが…。

生物というのは地球上に存在する資源を使いながら生きています。資源を使うためには,「移動」が伴いますので,生きていくためには移動が必要です。生物が移動し,大気が循環し,海洋が大循環するからこそ,地球上の生命存在は保証されてきたのです。それを「動くな」というのですから,動くことのできない生物には資源を投下するのは当たり前のことなのです。

鳥インフルエンザの拡散防止のために,渡り鳥に「渡るな」とやれば,全部死滅します。生命を維持するには,渡らずも生きていく資源を与える必要があります。人間の場合は,それがカネなのです。そして最小限の移動(買い物など)で済ませ,生命維持を行うのです。だからこそ,「動くな」に対しては「給付」が必要なのです。

しかしそれにしても,この給付,システム構築が大変だろうなあと慄然とします。今頃,現場のシステムエンジニアが命を削って概念設計をやっているのかもしれません。官僚さんも,実務の部隊も,本当にお疲れ様です。

この機会に,マイナンバーをうまく使えるようにできませんかね。役所での登録になると3密を避けられないので課題は多いですが,今回のような緊急時に,マイナンバーカードで国民の身分証明を行い同時に各種の給付を受けられるようにしておけば,現場での作業軽減に役立つことと思います。ついでに,ハンコも世の中から減らして,事務の繁雑さを減らし,真に生産的な世の中に持って行きたいですね。

さて,ちょっとここのところ政治関係のお話が続いたので堅苦しく感じた方もおられるかもしれません。そこで こんな 動画で息抜きをするのもよいかもしれません。ここ10年政治を眺めてきた人なら,ニヤっとするかもしれません。

きょうの画像もそんな話題とは何の関係もない,珪藻の微細構造。沿岸の石の上にくっついていたプレウロシグマの被殻表面を,中国製ノーブランド対物レンズ,40x/0.65 0.17で撮影したものです。撮影条件は昨日記載と同じです。先月もほぼ同等の画像を掲載しましたが,帝国大学の先生から,「○○とハサミは使いようですね〜」とのメールが舞い込みました。おっしゃるとおりなのです(画像/MWS)。








2020年4月17日




やっと政府が国民一人に10万円支給の検討に入ったと伝えられています。やらないよりはマシですが,これは諸手を挙げて評価に値するものとはいえません。

日本の世の中では2月には各種集会の自粛が始まり,筆者も2/20の時点でシンポジウムの中止を覚悟して,2/24に中止を決定しました。同様にさまざまな事業や業種で自粛が始まり,教育機関への通学は禁じられ,種々の業種の店舗が営業を自粛し,さらに緊急事態宣言が出て,人々が外出しないよう指導されています。この間,二ヶ月近くになります。

東京に出てきて,下宿をして,大学院博士課程や修士課程に通って,研究に打ち込んできた学生さんのことを考えてみましょう。時間をかけて積み上げてきた実験系や生物試料がパーになり,通学も許されず,バイトもできず,それでいて学費はそのまま,高い家賃もそのまま,年度内に研究再開は難しく,博士3年や修士2年の院生さんなら,たぶん予定通りの学位取得は難しいでしょう。

大学院生を例にあげましたが,同じように,窮地に追い込まれている人はたくさんいらっしゃいます。

この状況で学生アルバイトの賃金程度のお金ではどうにもなりません。ないよりはマシですが,筆者が先日書いたように,一人あたり50-100万円を支給して,「たのむから今は家にいてくれ」と政府がお願いすべきなのです。

ちょっと邪推すると,この10万円という金額は,政権の支持率を落とさないで済む最低額なのではないかと思ったりもします。

いまもっとも人が動いてはいけないのは,人口密集地域です。東京都区内をはじめてとして,関東各県の中核都市,大阪や京都,神戸,広島,福岡,札幌,仙台などが代表的なところです。これらの人口密集地域は物価も家賃も高く,都区内など10万円では一ヶ月閉じこもるのも難しいほどです。この程度の金額では,実際には人々は閉じこもってくれないでしょう。

すると,この政府の支出が無駄になってしまいます。(支持率低下を免れるという意味だけなら無駄にならない可能性もありますが)

50-100万円の支給であれば,大都市圏でも少なくとも3,4ヶ月以上はなんとか生きていける可能性が高く,人々の接触を8割減らすという目標を達成することもできるかもしれません。

財務相は支給したお金が貯蓄に回ってしまうことを懸念して難色を示したと報道されています。気は確かなのか心配になります。お金が貯蓄に回るのは国民が政府を信用していない証拠でしょう。信用を取り戻したいなら,政府はあなた方をなんとしてでも助けますよ,という政策を行えばいいのです。そのための政策がどのようなものなのか想像できないのなら,国民にとっては,その政府は存在価値が低いということになってしまいます。

きょうの画像はそんな話題とは何の関係もない,珪藻の微細構造。フリッケアという珪藻の被殻表面を,中国製ノーブランド対物レンズ,40x/0.65 0.17で撮影しています。照明波長は500nm,輪帯照明で,ツァイスKPL10xとkenko-tokinaのクローズアップレンズAC(f=200)2連を介してNikon1J5に投影しています。狭帯域の500nmの光は,ブルーの干渉フィルタ,グリーンの干渉フィルタ,パワーLED(526nm)の組み合わせで作ります(画像/MWS)。








2020年4月16日




新型コロナの感染流行に際して,何も介入がなければ重篤者85万人,死亡者42万人との試算結果が発表されました(こちら)。こうやって,具体的に数字にして表して,現在直面しつつある危機を実感できるようにすることはよいことです。なぜ今までやらなかったのか不思議です。

しかしこの数字は筆者には少しふしぎに感じられます。ちょっと検証してみます。

4/15日時点での検査確定・感染者数は8100人,死亡者は119人です。この比率が今後も大きく崩れることなく維持されると仮定します。

42万人の死亡者数は,現在の死亡者数119人の約3500倍です。ということは検査確定・感染者数は8100×3500=2835万人になります。

さて,現在の東京都内での検査陽性率は20%を超えることも増えており,毎日100人以上が検査確定・感染者と認定されています。とすると,検査実施数は500件以下程度ということになります。実際は,検査申し込みはひじょうに大量にあって,しかし検査してもらえないのが実情です。

このことを考慮し,さらに自覚症状のない感染者,検査申し込みをしていない感染者が存在することを考えれば,実際の市中感染者数はPCRで判定できた感染者の約10倍は存在すると考えられます。

すると,42万人が死亡したときには,実際には,PCR検査確定・感染者数(2835万人)の約10倍が市中に存在することになります。約2.8億人です。これは日本の全人口の二倍を超えます。

この計算をした北大教授は,まさか,PCRで判定できたものだけが新型コロナに感染していて,ほかの人は全く感染していないとの仮定で計算したのでしょうか? 疫学者としてそんなことはあるはずはないと思うのですが。またこの毎日新聞の記事では,

集中治療室(ICU)での治療が必要となる重篤患者は15〜64歳で20万1301人で、65歳以上は65万2066人と見積もった。

との記述がありますが,有効数字6桁での記述。少しでもサイエンスのトレーニングを受けているならば,こんな数字の発表はしません。「20万人」「65万人」と表記するのが正しいです。このような基本的なこともできていないのかと,不安になります。

今回の新型コロナ問題では,最悪の事態を想像しておくことが必要で,その意味では,この北大の先生の警告は意味があります。数字を否定するものでもありません。

でも,ちょっとは疑問をもちつつ眺め,自分で電卓をたたいてみて,起きていることの理解に努めるのもよいのではと思いました。

きょうの画像はガラス器具。柴田科学のSPC規格のガラス器具が自然光を浴びている姿です。ガラス器具というのはちょっとそこいらへんに置いただけで絵になる感じがします…(画像/MWS)。



*1 死亡者数を多く見積もっておけば,実際の死亡者がそれより少なかったときに,「介入の効果があった」と言いやすくなります。このことは記しておくべきでしょう。




2020年4月15日




なぜ日本国民全員に直ちに直接給付をしなければならないのか。本ページの読者はレベルが高いのでそんなことを説明する必要がないのですが,きょうは生態学的な視点でちょっとだけ書いてみましょうか。

まず,現在起きていることの確認。4/14,19:00時点の新型コロナの感染者数は7645人,死亡者は109人です。ということは,現在の厳しい基準(肺炎症状のみPCR,CT検査)を維持したまま200倍の感染者数(152万9千人)になったとき,死亡者は2万1800人となります。この時点で,死亡者数は東日本大震災を上回ります。

しかし感染者数の約153万人というのは,人口の1.2%にしか過ぎません。周囲の100人に一人が「現在のPCR検査基準」で新型コロナと判定された頃には,東日本大震災を上回る死亡者が出るのです。もし人口の5%が(現在の基準の)感染者とすれば,約5万人が死亡するという計算になります。実際には,病院が患者で飽和すると,新型コロナ以外の患者の死亡率も上がるので,関連死も含めれば死亡者はもっと膨れあがります。感染者と判定される前に自宅で孤独死している例も増え,単純計算以上の死者数になるでしょう。

これが国家的危機であり国家的損失であることは明らかでしょう。しかも老人狙い撃ち的に襲いかかるウイルスなので,日本をつくりあげてきた,多くの知識と経験を持つ人材が,その技能や知識が若者に引き継がれる前に,集中的に失われることになりかねないのです。

そこで政府や自治体は人と人との接触を8割減らすことを国民にお願いしました。でも働かなくてはお金がもらえません。外出自粛要請だけで,様々な業種が影響を受け,弱小な個人事業主などはあっさりと潰れてしまいます。じっさいすでに廃業しているところも出てきています。賃貸料金が払えないからです。都区内なら小さな事務所でも10〜20万円/月で,大きなスタジオやライブハウスになると100〜300万円/月にもなります。この賃料を無収入で数ヶ月も払える余力は普通はありません。イベントが開催できなければ入金はなくなり直ちに窒息死します。

ので,急がなくてはいけないのです。すぐに国民一人あたり50万円〜100万円を支給して,「金の心配はしないでくれ」「頼むから家から出ないでくれ」「公共を維持してくれている方々を助けてやってくれ」とのメッセージを出さなくてはいけないのです。

このときに利権調整などは考えてはいけないのです。なぜなら国家緊急事態ですから,政府にとっては,国の最高の資源であるところの国民全員をなんとしてでも守る,ということだけが,考慮に値することだからです。

そして新型コロナとの戦いが終わったあとに,余力のあるところからは税金で余剰給付を回収し,不足のところには回し,平時の運用のようにバランスを考慮すればいいのです。

なぜ国民平等にカネを給付するのか? それは生態学的に考えて納得するのもよろしいかもしれません。太陽光は平等で降り注いですべての生物が無料で利用可能です。地球というものはこの光エネルギーを入力として,それらを分け合って生物が生きています。そこいらへんの昆虫は家賃の支払いも気にせずそこに暮らし,食事をしています。人間も本来は降り注ぐ太陽光を誰もが利用し,そこにある食料を誰もが利用して,どこにでも居住して暮らしていいのです。

現在は経済社会に振り回され,不幸にしてお金がない人は追いやられ,馬鹿にされ,苦しみにあえいで生きていかねばならない世の中となりました。そこに新型コロナが降りかかり,人類がバタバタと死ぬかもしれない事態になったわけです。このときに,経済的な制約によって死亡する人を減らすには,全員に資源を供給するのが最も的確で素早くできる方法です。ウイルスと人類の戦いは生態学的な事象でもあるので,経済的事項を無視して,生態学的に種が生き残るための最も適した方法をとるべきなのです。そして人の流通を遮断して,人々からウイルスが排出され,感染確率が下がるのを待つしかない,というのが現時点での最良の選択です。そして世界はその方向に動いています。さて,日本はどうなるでしょうか。

この件,日本政府の判断形式についての鳥塚さんのコメントが秀逸でしたので興味ある方は こちら をお読みください。鳥塚さんはどちらかというと今までは政権よりのご発言が目立ちましたが,新型コロナの問題が出てからはがらっと論調が変わりました。航空部門での危機管理を担当されたきた方でもあるので発言には重みが感じられます。

きょうの画像はそんな話題とは何の関係もないクンショウモ。撮影条件は昨日記載と同じ。やや無光拡大気味の画像なので甘さがありますが,縮小するか,画面を遠くから眺めれば十分よく写っていることがわかるかと思います(画像/MWS)。








2020年4月14日




きのう「SNSでたくさんの人を動員して政権に対してネガティブな情報は徹底的につぶして,あたかも政府が素晴らしい対応をしているような世論を作り上げる」と書いたら,さっそくgigazineにその例が紹介されていました。ひとびとの9割以上が素早く徹底した休業と分厚い補償即刻やるべきとのアンケート結果が,数時間で書き換えられてしまいました(こちら)。

この件では犯人は特定されていませんし,愉快犯の可能性もあります。が,現政権ではJ-NSCやランサーズを通した活動などがよく知られていて,お金で買収してSNS上で工作活動するようなことを以前からやってきました。ので,現政権の関係者の工作と疑う人は多いでしょうね。

若い人などのデジタルネイティブ世代の方々のなかには,こういった操作された情報に接してきて洗脳されてしまった人もいるのかもしれません。というのも,若い方から,「野党はクズ」「自民党はまとも」という意見を何度も聞いたことがあるからです。

いやいや,そんなことないですよ。どっちも似たようなもんですよ。と中年オッサンは思うのですが。。

なかには,野党が政権をもつと日本が滅びると本当に思っている人もいらっしゃるようで,うーん,それはどうかなーとも思ったりします。

そのご意見に一理あるのかないのかわかりませんが,そういった意見って,市井の人々をバカにしていると感じます。日本が立派な国になったのは一人一人がよく勉強して誠実に社会の中で働いてきたことが大きいでしょう。政権が変わったくらいで日本のひとびとの優秀さが劣化したりはしませんよ。と,中年オッサンは思ったりもするのです。

何の経験も持たない生まれたばかりの赤ん坊でも,大切に育てるでしょう。10年もするといろいろなことができるようになってきて,20年もすれば一人前。将来どんな仕事をしてくれるかも何もわからないのに,20年間は様子をみて育てる。当たり前のことです。

政党も似たようなものかもしれません。新たに政権を担当させても,最初の3,4年はちぐはぐで素人っぽく頼りなく見えるでしょう。でも10年やらせてみれば,いろいろなことができるようになってくるかもしれません。そうやって政党を「育てる」のは国民の仕事です。素人ぽくてもじっと我慢してやらせてみる。そこから人が育つのだろうと考えます。

お仕事だってそうですよね。若い人に責任ある仕事を任せてやらせてみる。失敗したら上司が責任をとる。そうやって若い人が才能を発揮して優秀な仕事人になっていくのです。歴史的遺産として名高い「ニコン携帯顕微鏡H型」は,日本光学の加藤さんが20代のときに作り上げた傑作です。日本光学の上野正さんが若手の加藤さんに「やらせてみた」のです。そうして人を育てたのです。

日本人はとても真面目で優しく優秀だと思いますが,こと政治になるとなぜか無関心になり,そのことは投票率に反映されています。まずはここからどうにかしないといけませんが,組織票に対するあきらめみたいなものもあって,選挙が盛り上がることはほとんどありません。人々が選挙に向かうにはどうしたらいいのでしょうか。投票したら一万円の還付金を現金で引き渡し。投票しなかった人は一万円の罰金を税金として徴収,なんてのはどうでしょう。狂ったように反対する政党がありそうですが(笑)。

きょうの画像は中国製ノーブランド対物レンズ40/0.65 0.17で撮影した淡水プランクトン。照明波長500nm,コンデンサ絞りNA=0.45,ツァイスKPL10x+クローズアップレンズAC(f=200)2連という構成でNikon1J5に投影しています。使用カバーガラスは0.170±0.005mmで,マウントした水の層は極力薄くしています。標準的な手順を守った撮影法ですが,この二千円程度のレンズでもじゅうぶんな像を作ることができます(画像/MWS)。








2020年4月13日




ネットを眺めていると,ここ二ヶ月くらいで,政府に対する信頼感がどんどん薄れているようです。どのようなことがあっても政府を擁護してきたヤフコメ民たちも,現在の政府は最悪だと方針転換。。筆者にとっては本当にふしぎなことです。

33年間政治を眺めてきた身からすると,現政権はずーっとむかしから利権調整団体なのであって,その利権調整具合がうまく機能してきたから続いてきたのです。今回の新型コロナの問題に対しても,彼らはじつに真面目に,今まで通りの仕事を忠実にこなしているにすぎません。だからこそ,和牛券とかお魚券とか,466億円で各家庭に二枚のマスクを配るとか,緊急経済対策で500億円の予算規模を投じ和牛の販売を促進するとか,新型コロナの軽症患者をアパホテルに誘導してそのことを大々的に宣伝するとか(東横インのことは宣伝しない),現金の一律給付は拒否するとか,といった仕事をするのです。同時に,SNSでたくさんの人を動員して政権に対してネガティブな情報は徹底的につぶして,あたかも政府が素晴らしい対応をしているような世論を作り上げる。

大変よくやっているじゃぁありませんか。旧来の方法で。その利権をありがたがって維持してきたのがあんたら「ヤフコメ民」じゃなかったのか。。この政府がこのような判断形式をとることに今頃気づいたのか? 阿呆としかいいようがありません。

現政権の利権調整機能は30年のデフレ・暗黒時代を作りましたが,それでも運営はかなり絶妙のバランスで,それなりの支持率を獲得し,社会もなんとかぎりぎり維持されてきました。平時の運用としては,民主主義的とはいいづらいけど,利権型福祉国家といえないこともなく,利権の傘下に属する国民の何割かは,現政権のおかげで産業が維持され豊かな暮らしをしてきました。

ただこの旧来の方法は,何しろ利権調整「だけ」を考えているものですから,国家レベルの大災害のような緊急時には役立ちません。大災害時に全国民を救うものではないのが残念なところです。新型コロナウイルスは全国民どころか,全地球規模で人間に降りかかってきていますし,その拡散スピードも速いので,現政権が得意の「利権調整法」では取りこぼしの人たちがたくさん出て,多数の犠牲者が出る可能性があります。だから全員に一律で現金を支給して,家に閉じこもっていてもらうのが一番迅速で,取りこぼしの少ない方法となります。

でも,利権調整「だけ」を行ってきた現政権では,全国民に現金を一律支給などという発想そのものがないでしょう。諸外国に学んで真似すればいいだけのことですが,利権にしがみついてきた人たちが勉強して考えを改めるには時間が必要でしょう。現政権でも若手の優秀な方々は「利権調整法ではダメだ」ということに気づいているようですが,彼らが上層部を倒して正しい政策を実現するようになるまでの間に,ウイルスはどんどん広まるでしょうね。

こんなことになってしまったのは,日本人の国民性もあることと思います。政権交代を何度も行い,運営能力のある政党を「育てる」ということをしてこなかった。これは大きいと思います。投票にいかない半数の大人たち。この無責任な人たちは最悪の存在ですし,投票率をあげようとしてこなかった現政権も問題ありです。小選挙区制の問題もあります。

緊急時に国民を守ろうとする政府を作る,そのためには,まずは投票に行くことですが,飽きっぽく忘れっぽい日本人は,次回の選挙でも投票率は低いままなんでしょうねえ。一人一人はとても高性能なのに集団としては最低のパフォーマンスを示してしまう国民性は,あと100年くらいは変化がないかもしれません。中年オッサンの筆者は,もうほとんどあきらめています。。

きょうの画像はミドリゾウリムシ。珍しくツァイスのレンズでの撮影です。Plan-neofluar 25x/0.8 Immというマルチイマージョンレンズです。KPL10xで投影し,補正レンズを組み込んだチューブを介してNikon1J5で撮影しています(画像/MWS)。








2020年4月12日








きょうも一日パソコンの復旧作業でした。初期化してしまったHDDからは画像ファイルは復旧できることが判明して少し明るい気分です。しかしテキストやプレゼンテーション関係のファイルはフラグメントというのか,断片化したものが多く,161万ものファイルをどうやって整理するんだという人力ボートで太平洋横断する前のような気分です。。

そんな中でも,富山湾のホタルイカはおいしい。うまい。うますぎる。

おいしく食べるためには,軟甲(軟骨)を抜き取って,目玉をとって食べるのだけれども,そういえばホタルイカの軟甲は顕微鏡でみたことがありませんでした。そこで軟甲をハサミで平面に切り出して水を垂らしてカバーガラスをかけて微分干渉で検鏡。それがきょうの画像。適度な厚みがあって,ピントごとに,視野ごとに違った風景が現れるのでなかなか面白い物体でした。

ホタルイカも新物が市場に出回るのもあと2週間です。いまのうちに存分に味わっておき,顕微鏡観察の試料も確保しておきましょう(画像/MWS)。








2020年4月11日




SSDはクルーシャルの製品を買ったのですが,これがどうもパソコン(レッツノート,CF-Y9)との相性があるらしくトラブルの連続。リカバリーディスクからのクリーンインストールは異常が起こるのであきらめて,古いHDDにOSをインストール。これは問題なかったのでまずはHDDに仕事のソフトなどを入れてHDDレベルで復旧作業。このHDDは古いものでそのまま使うことは好ましくありません。ので,HDD→SSDのクローン化で乗り切ろうとしました。使ったソフトはクルーシャルの純正です。これがくせ者で,問題なくクローン化ができたように見えるのに,パソコンに取り付けると,ドライバが読み込まれてなく,音は出ないしディスプレイはおかしいし,使い物になりません。各種のドライバをインストールして正常化に持ち込もうとしても結局ムリでした。そこでほかのクローン化ソフトも使ってみましたがダメ。

で,8千円もするSSDをゴミ箱に放り込む前に,もう一度と,AOMEIのフリーのクローン化ソフトを使ってみました。こんどはすべてが正常。やれやれです。。。AOMEIさんのソフトがなかったら,この数日間の奮闘もすべて無駄で終わるところでした。感謝感謝です。

ということで,メインのPCは一応復活で,仕事ができるようになりつつあります。ただ,パソコンとともにデータ保管のHDDも一つダメにしたので,次はデータ救済という大仕事が待っています。昨晩から初期化してしまったHDDからのデータの取り出しを試みていますが,大変な時間がかかるようで,リカバリー作業開始24時間を経た今でもパソコンがうんうん唸ってデータサルベージ中です。負荷がかかって排気温度が上がっているので小型ファンでメモリからCPU付近を冷やしながらの終夜運転となっています。この作業があと一台あります。。

ということで,とんでもない4月になってしまいました。

きょうの画像は近所のスーパーで入手した富山産のホタルイカ。驚異的な安値でここ20年でみたこともない価格です。それでいて品質は上々。パックを開けてみてものの良さはわかったので,追加でもう一つ購入に走りました。

大トラブルでへこたれても,正しく栄養をとらねばなりません。筆者は一日2食の生活ですが,その内容はけっして疎かにはしません。たくさんの野菜をとり,海藻ときのこをとり,魚介や鶏肉でタンパク質をとり,ご飯を茶碗一杯食べます。これでもビタミンB群などは足りないので,チョコラBBを飲んで,ほかにもいくつかのサプリを食事と一緒のタイミングで飲んでいます。ちゃんと食べていればからだの芯から活性が生まれます。皆さんも富山のホタルイカでも食して,「いいもん食ったなー」という幸せな時間を大切にしてください(画像/MWS)。








2020年4月10日




パソコンの復旧作業はほとんど進みません。安全のためにファイルの引っ越しをするにも,画像データをコピーするだけで1時間,2時間と過ぎゆきます。SSD化したパソコンもいろんな不具合があり,特に音が出ないのが致命的です。デバイスドライバーはインストールされているのに動作していません。代わりのドライバーも見当たりません。再度,別の方法でSSDのクローンを作るしかなさそうです。。

ファイルコピーの合間に包丁の柄を仕上げ。表面の毛羽を削り取ってバーナーで焦げ目をつけて,固形パラフィンを塗ってバーナーであぶりしみこませます。そのあと布でしっかり磨くと,しっとりとした手触りの柄に変身します。これで3本購入した船行包丁はすべて本刃付けが完了し,職人が手作業で仕上げた包丁と遜色のないものとなりました。

さて,今晩もえんえんとパソコンいじり。いやだなぁ(画像/MWS)。








2020年4月9日




緊急事態宣言が出てまもなくのこと,筆者にも緊急事態が訪れました。パソコンの復旧作業をえんえんと取り組んでいたところ,USBケーブルの誤認を原因としてメインのバックアップ用HDDを初期化してしまいました。450GBのデータが失われ,もはやなすすべはありません。データ復旧ができたとしても,そこから探し出して整理するだけでも何ヶ月かかるかわかりません。またそれだけ時間をかける価値のある作業かどうかもわかりません。。おおよそ考えられる最悪の事態になりました。

それでメインのパソコンが無事にSSD化できればよいものの,こちらもトラブルの連続で,やっとSSDからOSが立ち上がるようになったものの,ふしぎな現象の連続です。まったく問題ない動作をするような環境をHDDに構築し,そこからSSDにクローンを作成して問題なく終了。それでSSDに付け替えて起動すると,OS起動後に大量のドライバを読み込んでいるような動作。そして読み込みに失敗しているものも多数。あったはずのプリンタドライバは消え,モニタも内蔵モニタのドライバを認識せず表示もおかしい。。何が起きているんでしょう。

という最悪の状況が続いたので,何をしたのかというと,「研ぎ」です。

ちょうど手元に手をつけていない「船行包丁」がありましたので,これを材料にしました。まず#120くらいの荒砥でガリガリと研削して形を整えていき,おおまかな形ができたら#400くらいの砥石で傷を小さくします。そしてシャプトンオレンジでまず裏を丁寧に研ぎ,表を研ぎ,刃線からしのぎまでをきちっと決めます。今回は刃線のカーブが少しおかしかったので,この段階で表を45度くらいに立てて研ぎ刃線の修正を行いました。好みの刃線にできたら,こんどは刃先を重点的に研ぎ,そこからしのぎまでをなめらかな面に修正して,ベタ研ぎができるようにします。

これで形がきまったので,あとはシャプトングリーン,スエヒロの#3000,#8000と研ぎ,鏡面化しました。そのあとは木砥を使いさらに鏡面化。木砥は杉板に研磨剤を塗ったものです。心を込めてぴかぴかになるまで研磨します。木砥で研ぐ段階で刃先はつぶれますので切れ味が出ません。最後はシャプトングリーン,スエヒロ#3000,#8000で仕上げて,雑用紙で軽くカエリをとって終了です。きょうの画像で右の一本が鏡面に研ぎ上げた包丁です。

一心不乱に研ぎを行うのは精神修養の効果があって,よくないことが起こり心がざわつくときによい方法です。ので,筆者は調子が全く出ないときなどに景気づけとして研ぎを行うことがあります。結局研ぎがエスカレートしてそのまま時間が暮れゆくときもありますが,まぁそれはそれで研ぎという結果が出るわけですので,ヨシ! ということにしています。

しかしそれにしてもパソコントラブルには参りました。今年は一月中旬から様々な厄災が降りかかってきて身動きのとれない状態が続いていたのですが,最後のとどめを刺されるようなことになり,堪え忍ぶ力だけは人10倍の筆者もちょっとなあという感じなのです。

なお,バックアップのバックアップはとってあるので,過去データの全損は免れています。でもここ5ヶ月のデータはダメそうです…(画像/MWS)。








2020年4月8日




原子力緊急事態宣言に続いて二つ目の緊急事態宣言が出ることになりました。この影響で仕事が在宅勤務になった方々も多いことと思います。会社や組織に勤務している方々は,ひょっとすると初めての在宅勤務経験となる方もおられることと想像します。職場と勝手が違い慣れるまで大変なことと思います。

在宅勤務にうまく慣れる一つのコツは,ご家族で相談の上で勤務時間を決めて,お互いに干渉しない時間を作ることです。一日中家にいるといろいろなことが目について,ついつい配偶者あるいは子どもに指図したりしてしまうものですが,これはやめましょう。本来は別々の時間を過ごしていたわけです。勤務時間は個人の時間を大切にしつつ,勤務時間以外には一家の時間を大切にすればいいのです。

ただ,お互いに干渉しないからといって,部屋にこもりきりだとストレスがたまります。おそらく,会社勤めの方々がいちばんストレスがたまるのが部屋にカンズメになることだと思います。ので,部屋にこもる必要はありません。ただ,奥様や子どもさんの時間に干渉しない形でガス抜きをしつつ過ごせばよいだけです。

兼業・専業主婦の方にとっては,急に子どもとダンナが在宅することになるわけで,そこにダンナや子どもが奥様にいろいろな注文をつけると,奥様に大変な負担がかかります。誰かにストレスが集中しないように気を遣うことも必要です。せっかく在宅で通勤時間分の余暇ができるので,食事後の片付けや洗い物などを手伝って奥様を楽にしてあげるのもよいでしょう。

以上,兼業主夫歴の長い筆者からのお願いでした。

きょうの画像は緊急事態宣言に対応した高栄養メニュー,ニラ鶏レバー炒めです。新型コロナウイルスは,それをきちんと排出できる人にとってはタダのカゼと同等の症状です。その症状を軽く済ませる,あるいは感染しないためにはバランスのとれたじゅうぶんな栄養と睡眠が必要なことはいうまでもありません。忙しいからと食事を手抜きで済ませた分,体は弱っていきます。どうか本ページをごらんの皆様はちゃんと栄養をとり,よく寝て,ウイルスに負けない体を維持してください(画像/MWS)。








2020年4月7日






パソコンの復旧はきょうも進展なし。見通しのない上に膨大な作業なのでまったくやる気が出ません。その気になるのを待つしかありません。

さてきょうの画像は,おそらく世界で最も安価な中国製ノーブランド対物レンズと,世界で最も高価な部類に入る水浸対物レンズの比較です。上の画像はNA=1.2のプランアポクロマート水浸対物レンズ補正環付き(60x)によるものです。下の画像は公称NA=0.65のアクロマート対物レンズ(40x)によるものです。

NAが異なりますので画像サイズも本来はNAに比例すべきですが,あえて物体の大きさで揃えています。両者を見比べると軸上色収差補正の違いが明瞭です。誰でも上の画像が得られるようなレンズが欲しいと思うでしょう。

しかし安価な方のレンズはラーメン三杯分くらいの金額で入手できるのに対して,高価な方は軽乗用車一台分くらいの金額になります。価格差は300倍から500倍です。

そう聞けば,たった1/300の価格にしては,じゅうぶん健闘しているという見方もできると思います。実際,きょうの画像に写っている範囲では,両者どちらのレンズでも構造ははっきり見えています。望むレベルと機材投資のバランスは難しいですが,プランクトンの世界をお散歩してみよう,という動機で機材を購入するのであれば,高額な研究用機材でなくても十分楽しめることは確かでしょう(画像/MWS)。








2020年4月6日




パソコンの復旧は進展なし。しばらく試行錯誤が続く時間になりそうです。いろいろ調べながら一日モニターを眺めていると疲れます。。新しいパソコンを買う予定もあるのですが,それはそれでシステム構築が大変です。画像処理ソフト,HTML編集,FTP,ワープロ,動画関係,CMOS運用関係,分光器関係,テスター,プリンタ,各種のフリーソフト…,考えるだけで気が重いです。

きょうの画像は過去画像の発掘作業で見つかった一枚。ニコンクールピクス995での撮影です。もちろんコリメート法です。十数年前の画像になりますが真面目に撮影していたなあと思います。いまは撮影システムその他の見直しが進んで簡単に質の高い絵を撮れるようになっていますが,それでもきちんと追い込むには気合いが必要です。10年前の自分に教えられながら成長しなくてはいけません(画像/MWS)。








2020年4月5日




パソコンの復旧にかかりきりで一日が経過しましたが,ほとんど進展なしの状況。SSDを認識してリカバリーディスクからコピーもできますが,OSを立ち上げると動作がおかしい。一部のファイルが展開できていない感じで中途半端な動作。ファイルのコピーができない…という惨状。原因究明に多大な時間を消費しましたが不明のまま。むかしのHDDを引っ張り出してきてそこにOSを入れると正常に立ち上がるので,ハードウエアの相性問題のようです。これは筆者にはお手上げです。

ということで,パソコンの復旧にこれからも多大な時間を吸い取られることになります。ひょっとすると本ページも更新しないかもしれません。現在はバックアップ用の古いレッツノートを用いてweb更新作業中です。それにしても困りますねパソコンの故障は。システムの復旧にとにかく時間がかかります。。

画像はそんな話題とは関係のない都内の桜。10日前に撮影したものです。まだ咲いていますがそろそろ終わりのようです(画像/MWS)。








2020年4月4日






メインのパソコンがお亡くなりになりました。突然ブルースクリーンが出現して以後二度と復活しませんでした。以前から調子は悪かったので覚悟はしていましたが…。症状的にはHDDが壊れた感じなのですが,setup画面で内蔵CDをOFFにしていたので手も足も出ずという窮地に追い込まれました。少し考えた末に,別のパソコンのHDDを挿してみたところsetup画面を出すことに成功。そこでCDでブートできるようにして,新たに購入したSSDを接続して認識することを確かめたところが現状です。

たぶん復旧にはかなり時間がかかると思います。が,放置するわけにもいきませんので,今晩から取りかかります。気が重いですね…。

画像はそんな話題とは関係のないチビキの刺身。どうも近所のスーパー「よしや」は鹿児島直送便のルートを持っているような気がします。オナガダイにしてもチビキにしても南の魚です。チビキは赤身の魚に見えますが味は白身の魚です。あっさりとしてなかなかおいしいものです。ただオナガダイと同価格で販売というのはちょっと解せません。重量から見れば十分安いのですが(画像/MWS)。








2020年4月3日




先月テストした対物レンズの追加が入荷しました。価格の割にしっかりとした性能でしたので品質のばらつきをみたいと思っていたところ依頼主から直ちに物品が届いたのでした。これでこの中国製ノーブランド対物レンズの真価がわかるでしょう。工業製品ですので1本のレンズを見ただけである程度のことはわかりますが,多数みなければ品質管理状況はわかりません。それに顕微鏡対物レンズは公称NA通りの性能を満たさなければ使い物になりませんので,カメラレンズなどで言われる個体差ということは許されません。粒が揃っていることが必要なのです。

本ページをご覧の方々は筆者が高級機材を好んでいる印象をお持ちのかたもおられるかもしれません。しかし実際はそうでもなく,目的によって高級機材も入門用機材も何でも使います。レンズはプランアポばかり使っているかというとそんなことはなく,物体によってアクロマート,フルオール,プランアクロマート,プランアポクロマートなどを使い分けています。Jシリーズの暗視野ではプランアクロマート10x,クモノスケイソウの一枚撮りではフルオールの40x,生きた珪藻の偏斜照明ではプランアポクロマート,などといった具合です。

そんなこともあり,このように入門用対物レンズが入荷するとわくわくします。使い途はたくさんあるでしょう。この同じ対物レンズを5穴レボに付けて比較検鏡してみれば,きっといろんな発想がわいてきて,得がたい経験になるに決まっているのです(画像/MWS)。








2020年4月2日




こまかいいきさつは忘れてしまいましたが,「あんたその汚い字をどうにかしなさい」と親戚から言われたことは記憶に残っています。その言葉と一緒に親戚からプレゼントされたのがクロスのボールペン(10K,USA)。大学生には分不相応な高価なものだけれども,良いものを教わるというのは大切なことだ。

それで学生時代はこのボールペンを肌身離さず持っていました。インクがなめらかでダマが出にくくとても書きやすいものでした。いまでもインクのなめらかさではトップクラスではないでしょうか。筆者は大学の授業では万年筆かボールペンでノートをとっていましたので,このクロスのボールペンは大活躍しました。汚かった字も,少しだけ読めるくらいにはなりました(笑)。

周囲の仲間も,このボールペンいいなぁと興味を示し,ディスカウントストアでクロームが3000円くらいでセールをやっていたときにまとめ買いして,みんなでわけたりしていました。画像に写っているクロームはそれで入手したもので,同じ学科の荻原君が買ってきてくれたものです。

個人事業主に移行してからは字を書く機会そのものが減り,ワイシャツのポケットにボールペンを刺す習慣がなくなり,クロスのボールペンをしばらく使っていましたが,インクがなくなると同時に出番もなくなりました。

しかし最近,手持ちのほかのボールペンのインクがなくなり,どうしようかと文房具をほじくり出してみたら,クロスのボールペンが発掘されました。そういえばこれを復活させれば事務作業でもインクのダマとおさらばできて気分もよいだろうなと思い立ち,神田の文房具店まで自転車を走らせて替え芯を買ってきました。

この替え芯,1本で990円もするのです。タダでも景品でもらえるボールペンにそんなにカネをかけるのは馬鹿らしいと思うむきもあるでしょう。でも,この書き心地と,33年以上使ってきてた感触を思えば替え芯に千円というのもおかしくないのです。ものの価値というのはそんなものです。

4月は入学のシーズンでもあります。本ページの読者の中には,お子様が入学,進学する方もおられるでしょう。良いものを若いうちに経験しておくというのは,筆者の経験からも大事なことと思います。記念にクロスのボールペンなんていかがでしょうか。生産国はUSAから中国になりましたが,インクの品質はほとんど変わらないように思います(画像/MWS)。








2020年4月1日




新型コロナウイルス感染症の関係で小売店からエタノールが姿を消しています。当室では光学機器の清拭やカバーガラス・スライドグラスの清拭にエタノールを多用するので,入手できないのは困ります。現状ではたぶん一年分くらいはありそうですが,この騒ぎが長期化していつまでも入手困難だとどうしよう…ということになります。国内にはサントリーやニッカなどの蒸留酒メーカーさんがあるので,そういったところが消毒用エタノールを生産してくれると,流通網も持っているし,助かるのですが…。

きょうの画像は在庫の一部。当室の精製エタノールです。市販のエタノールの不純物にはさんざん悩まされてきたので非沸騰蒸留で蒸発残留物を極限まで低下させることを狙っています(特定アルコールの精製ですのでアルコール事業法に違反することはないと解釈できます)。精製は全てガラス器具のみで行い保管もガラス器具を使います。こういったときに密封性の高いガラス保存瓶が役に立ちます。これらの保存瓶はホコリよけのためにビニールで密封したあと,ペットボトルで作った容器に入れて破損防止に万全の備えとします。なにしろ,このコップ一杯に満たない液体を得るのに,とてつもない手間がかかっているので,宝物を保存するかのように気を遣うのです(画像/MWS)。









Copyright (C) 2020 MWS MicroWorldServices All rights reserved.
(無断複製・利用を禁じます)
本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/


トップに戻る



.