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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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【シンポジウムのお知らせ】 中止になりました


3月23日に予定されていた下記のシンポジウムはCOVID-19感染症対策の一環としてまして中止と決定しました(2020.2.24)。今後については未定です。
2020年3月23日(月曜日,平日)10時00分より,東京海洋大学・楽水会館においてプランクトン研究のための光学顕微鏡法というシンポジウムが開催されます。日本プランクトン学会の主催,日本海洋学会の共催です。本シンポジウムは筆者が発起人(コンビーナ-)となり編成するものです。光学顕微鏡の基本的・効果的な運用法について第一線の研究者,メーカー,アマチュアの立場からの講演を予定しています。

シンポジウムは事前受付不要,参加費無料で一般の方々も自由に入れます。光学顕微鏡を導入したいと思っているアマチュアの方なども歓迎ですので,いまからぜひご予定に加えていただければと思います。公式アナウンスは こちら です。会場案内は こちら です(正門から近い22番の建物です)。

なお,前日の22日(日曜日)にも同会場で,日本プランクトン学会主催(日本海洋学会共催)のシンポジウム次世代プランクトン研究を開拓する新技術・方法論が開催されます。公式アナウンスは こちら です。こちらも事前受付不要,参加費無料で一般の方々も自由に参加できます。ぜひあわせてご検討ください。











出版物のご案内
 

『たくさんのふしぎ2019年6月号 珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』を出版しました!! 各方面から絶賛の声が届いております。 まもなく在庫切れの見込みです。本の紹介についてはこちら をご覧下さい。






2020年3月31日






























ノーブランド中国製対物レンズ40/0.65 160/0.17のさいごの撮影テストは小さな淡水プランクトンたちにしました。

アクロマート顕微鏡対物レンズは,もともとカラー撮影用ではありませんので,本来はモノクロで構造を撮影すべきです。しかしきょうの画像でわかるように,派手な軸上色収差は出るものの,結構良く写ります。肉眼観察の場合は軸上色収差はもう少し薄く見えます。

画像1枚目から13枚目までは,収差の状況などがよくわかるように,無効拡大気味のサイズでのせてあります。ので,シャープ感に欠けると感じる方もおられるかと思います。画像14枚目は記録されている最小構造に対して適切なサイズに縮小した画像です。

透過明視野中央絞りで,約半分まで絞り込んだだけでこの程度のコントラストが出て,また暗視野ではバクテリアも写り,適切な画像処理を行えば画像品質も確保できます。以上より,入門用の対物レンズとしては(価格も考慮すれば)十分な性能というのが筆者の判定です。

(画像/MWS)。








2020年3月30日














こんどは暗視野でのカラー撮影です。暗視野では回折や干渉で色が出やすく,また輝点の周囲に軸上色収差が出るので,色収差を判別しやすいこともあります。使用した対物レンズは中国製の安価なノーブランドのアクロマート,40/0.65 160/0.17です。暗視野コンデンサを使用。画像は縮小のみ。このレンズの(ツァイズKPLとの組み合わせでの)残存色収差が読み取れることと思います(画像/MWS)。








2020年3月29日






さてこんどは中国製の安価な最低ランクの対物レンズ(40/0.65,160/0.17)の色収差特性についてのテストです。まずこのレンズは,日本光学がかつて開発したような,対物レンズ単独で倍率色収差を補正したCFシステムではありません。昔ながらのコンペンタイプです。しかし対物レンズのテストを命ぜられたときに受け取ったのは対物レンズだけでしたので,コンペンとなる接眼レンズを探すところから始まります。

倍率色収差が残存した像は,視野中心では問題ないのに,同じ物体を視野の端っこに移動すると色ズレが生じて著しく像質が劣化します。したがって検鏡テストは,珪藻を視野中心において特定の構造の着色具合を観察し,その珪藻を視野の端っこに移動させてピントを修正し,像質に変化が起こるかどうかを見ることになります。これを,接眼レンズを取り替えながら繰り返し,コンペンになった接眼レンズを探すのです。

試したレンズは5種類。ニコンCF系,オリンパスWHK,メーカー不明WF,ツァイスKPL,ライツPERIPLANです。検鏡の結果,この中国製の安価な対物レンズはツァイス系の接眼レンズとコンペンになることが判明しました。ライツも同じ傾向なので使えると思います(*1)。

そこでこんどは,ツァイスKPL10xを投影レンズとして撮影システムを組み,スタウロネイスを透過明視野で撮影しました。照明はハロゲン,電圧10.5V,NCB10,拡散板使用。カメラはNikon1J5です。対物レンズの公称NA=0.65に対してコンデンサ絞りはNA=0.5,開口77%での撮影です。画像一枚目は縮小してアンシャープマスクをかけただけのもので,色やコントラストはいじっていません。倍率色収差補正のできている像になっています。軸上色収差は残っていますが,アクロマートとしてごく普通の度合いです(*2)。安く作るために硝子材に手抜きをすればこんな像にはなりませんから,設計はまともなアクロマートであることは間違いないでしょう。

画像二枚目は,RGB個別にピントを合わせて撮影した画像を合成したもの。ちょっと追い込みが足りませんが,軸上色収差をほぼ消すことができています。もちろん倍率色収差もありません。40/0.65 160/0.17と書かれたこのノーブランドの中国製レンズは,解像限界から見ても,色収差特性からみても,まともな設計でアクロマートのランクとして十分実用になるレンズといえるでしょう(画像/MWS)。



*1 倍率色収差の補正については実用的な観点からの結果を記述しています。厳密にいえば倍率色収差補正は完璧とはいえません。しかし実視で感じた倍率色収差の残存度合いは小さなものでした。メーカー推奨の組み合わせでも実際には倍率色収差がわずかに残存している場合もあります。

*2 軸上色収差の度合いは価格を考えたコメントです。このレンズ価格の30倍以上の一流製品と比較すると違いは明らかです。しかしアクロマートとしての実用上は問題ありません。





2020年3月28日


















きのうまでの記事で,中国製の安価な最低ランクの対物レンズ(40/0.65,160/0.17)の実用性テストは終わりにしてもじゅうぶんです。何の心配もなく,アクロマートの対物レンズとしてモノクロ撮影には使えることが明らかだからです。しかし本ページの読者が期待しているのは,そんな当たり前のことでなく,もっと突き抜けたレポートであることも経験的に明らかです(笑)。

そこで,この安価な対物レンズを用いて,一般的な努力の範囲内で,どこまで写るかという極限的なテストを行いました。その結果がきょうの画像です。

顕微鏡はオプチフォトで,照明は輪帯照明を使っています。輪帯幅はひじょうに狭いセッティングで,対物レンズのNAいっぱいぎりぎりに調整しています。照明波長は約500nmの狭帯域です。測定していませんが半値全幅はLEDなどの単色光よりずっと狭いです。像はCF PL5xで投影し,FT-1を介してNikon1J5での撮影です。

きょうは像の解説はいたしません。じっくり画像をみて,一連のシリーズと見比べてみて,目を鍛えていただければと思います。

なお,筆者が本気を出せば,これ以上の微細構造イメージングも可能です。しかしそれは「一般的な努力の範囲内」を越えるので,今回はここまでとします(画像/MWS)。








2020年3月27日
















昨日の記事では偏斜照明の画像でしたが,きょうは透過明視野中央絞りの撮影結果です。顕微鏡はオプチフォト,コンデンサはハネノケアクロマート,CF PL5xで投影し,FT-1を介してNikon1J5での撮影です。照明波長は526nmです。コンデンサ高さはケーラー照明位置,視野絞りは視野に内接,対物レンズの公称NA=0.65に対して,コンデンサ絞りはNA=0.5に設定しています。開口77%です。教科書通りの模範的な使い方での撮像です。

カメラはモノクロモードで,画像処理はヒストグラムを切り詰めてコントラスト調整をしています。あまり下品にならない程度のマイルドな処理です。

画像を見るとわかるように,画像一枚目のプレウロシグマのアミアミ(点紋)がほとんど解像できていません。四枚目のニッチアの条線もほとんど見えません。六枚目のフリッケアも点紋列がほとんど解像していません。昨日の画像と比較して消えてしまった構造が,解像限界付近のサイズの微細構造です。

その一方で,二枚目のギロシグマ,五枚目のスタウロネイス,七枚目のキンベラは解像していて,昨日の偏斜照明の解像具合から大きな隔たりはありません。これらの構造は対物レンズの開口数からみて,じゅうぶんに余裕で解像できるのでコンデンサを少し絞り込んでも微細構造が消えることはありません。しかし大幅に絞り込めば構造は消えてしまいます。

このように透過明視野では絞り込みによって解像限界が大きく変化します。また低NAの照明光が解像限界付近の像を薄める働きをするので,高周波成分の物体では像のコントラストが低くなります。これらの特性を考慮すると,対物レンズの解像限界付近のテストには(目的にもよりますが)あまり向いていない照明法といえます。

しかしさまざまな開口数の光が入射するのでコヒーレンスが低く像に回折縞(副極大)が出にくいといった利点もあります。

物体の特性を考慮した上で,利点,欠点をいろいろ考えて絞り込みの度合いを絶えず調節しながら使うのが透過明視野です。簡単なようで奥が深い照明法です(画像/MWS)。








2020年3月26日


















3月9日の記事で使用した対物レンズを使い2回目のテストを行いました。前回のテストでは微分干渉での簡易テストでしたが,今回は偏斜照明で解像限界付近の構造を含む珪藻を撮影しました。顕微鏡はオプチフォトでCF PL5xで投影し,FT-1を介してNikon1J5での撮影です。照明波長は526nm,コンデンサはLWD 0.65に拡散板を仕込んだもの。拡散板があるので,ケーラー照明位置は確認できないので,心出し望遠鏡を入れて対物BFPを確認しながら最適な位置に調節し,続いてランプの心出しをフォーカスを合わせました。

カメラはモノクロモードです。画像はヒストグラムを切り詰めてコントラスト調整しています。

プレウロシグマのアミアミが解像できていることから,このノーブランドの40/0.65 160/0.17と書かれたレンズは,0.5μmの解像に問題なく使用できる性能であることがわかります。像面湾曲が残った安価なアクロマートですが公称値の分解能をきちんと満たす品質であることが明らかです。このレンズがたまたま「当たり」であった可能性が皆無とはいえませんが,大量に作られて安価な顕微鏡に組み込まれているようなので,品質はおそらく揃っていると推測します。この種のレンズは,ちょっとでも不良品であればたちまち,「まともに見えない」ということになり,クレームがつくからです。中国製品恐るべしですね(画像/MWS)。








2020年3月25日(2)


東京都新型コロナウイルス感染症対策本部は,次の決定をしました(こちら)。

優れている対策なので本ページをごらんのみなさまにも拡散をお願いする次第です。

水道料金の支払い猶予なんて,何の意味があるの? という方もおられるかもしれません。しかし法人まで含めてみれば,これは死活問題なのです。大口の利用者の代表は病院ですが,他にも,プール施設を運用する法人や,個人事業では医院や料理店などで水使用量は多いのです。これらの方々がリアルタイムで助かる処置を施した東京都のやり方は,正しいとしかいいようがありません。

生命の維持に直結する,水,食料,エネルギー,住居,衣料に関しては待ったなしなのです。政策でリアルタイムで対応するのは確かに難しいのですが,支払いの先延ばしは直ちに効果をもたらします。

筆者は政界風見鶏の東京都知事をこれまでは全く評価してきませんでしたが,この水道料金に関する措置にハンコを押したことは高く評価します。

現在の政権は,水道事業を自由化しようとしています。もし民営の水道事業体だったなら,今回の東京都水道局のような判断をするでしょうか?

すでに民営化されている電力会社が,自社の独自の判断として今回の東京都水道局と同じ判断で支払いの減免・猶予を行うでしょうか?

やってくれればいいのですが(画像/MWS)。








2020年3月25日




都内の中堅スーパー2店でオナガダイを連続して見かけたということは過去10年記憶にありません。ということは何かが起きているのでしょう。気になってつらつら考えるに,たぶん料亭やホテルに流れるはずの高級魚が,取引量が減ったためにだぶついて値崩れが起き,スーパーなどの小売店に流れたのではないかと。

調べてみると日経にそんな記事が出ていたので(こちら),この想像は当たっているかもしれません。刺身用のハッカクとかホッケなども並んでいたりするのです。通常ならかなり高価になる巨大なホウボウも,まるで大衆魚のような値付けです。

そういえばホタルイカも異常に安い状態が続いています。豊漁という事情もあるでしょうが富山湾の最高級ホタルイカが都内の中堅スーパーで手頃な価格で入手できることは滅多にありません。値崩れは確かに起きているのでしょう。

だとするならばなかなか由々しき事態です。今回はさまざまな業界が影響を受けているわけですが,こうして目に見える変化があると恐ろしいです。普段なら寿司屋や割烹に直行する高級魚がスーパーに並ぶ。それが何なのか理解できない庶民が手を出さずに売れ残る… 悪夢のような出来事です。

本ページの読者の方々はいろいろなことにひじょうにお詳しいので,たぶん高級魚に詳しい方もたくさんおられることと思います。ぜひ中堅以上のスーパーの鮮魚コーナーを視察して,安価に並べられている高級魚を救済していただければと思います。魚はよくわかんねえ,という方は,今まで見たことのない名前の魚がちょっといい値段で並んでいたら買ってみましょう。新たな経験ができるはず。

魚なんて料理できねえ,という方は,きまぐれクックさんを毎日眺めていれば,自然に調理技術が身につくようになります。イメージがインプットされていれば料理は難しくありません。

起きていることは経済縮小の恐ろしいことですが,個人の生活からは高級魚が安く食べられる機会でもあります。ぜひみなさま,日本の水産業を支えるためにも,スーパーでお魚をチェックしてみてください。

きょうの画像はオナガダイの尾。名前の通りに長いのです(画像/MWS)。



*1 日経の記事に添えられている画像の右奥側にキンメダイが並んでいます。そのキンメダイの上側にお腹を見せているのがオナガダイに見えます。いろいろなところで販売されはじめたようです。

*2 都内の一部店舗では以前からオナガダイは入荷していました。しかしこんな手頃な価格ではありませんでした。ちょっとした刺身の柵でも千数百円はしたのでした。





2020年3月24日










なんとオナガダイ(たぶん八丈島沖)が一匹転がり込んできました。中年オッサンの必殺技,「欲しい欲しい」を連発した結果です(笑)。まな板にやっとこさ乗るくらいの大きな魚ですが,オナガダイとしてはこれでも小型の部類です。すこし時間が経っている感じで,ぎりぎり刺身になるかな,という感じでしたので,さっそく三枚に下ろして刺身,炙り,あら煮を作りました。なかなか美味でしたが,オナガダイは皮目の脂が少ないので,炙りにするよりは皮を引いて刺身の方が味がよくわかりました。次回への教訓が得られました。

それにしても安いですねこの価格は。うろこは丈夫ですが,ウロコ取りと出刃一本あれば簡単にさばける魚なので,店先で見かけたら挑戦するのもよいかもしれません。じゅうぶん価格に見合う味だと思います(画像/MWS)。








2020年3月23日




せんじつ入手した船行包丁は当室の主力として毎日活躍しています。形がよく,切れ味も家庭用としてじゅうぶんで,良い買い物だったと喜んでいます。ただ使ってみてわかったことは,砥石を選ぶかもしれないなあということ。包丁は数日から一週間に一度くらいはさっさと研いだ方が切れ味も継続してよろしいのです。このときに人造砥石で船行を研ぐと,研磨力がありすぎてカエリが多めに出てしまい,これが刃先にぺらぺらと残りやすい傾向があります。粘りのある鋼材でカエリが刃先にまとわりつくこと自体は問題なく,このカエリがきれいに取れれば素晴らしい切れ味になるのですが,カエリを無理に取り去ると刃先が荒れてザクザクとした切れ味になってしまいます。

こういった場合は段階的に目の細かな人造砥石でていねいに研いで最後は革砥をかければ良いのですが,当室には大量の天然砥石が転がっているのでそれらを活用することにしました。天然砥石を使うと研磨力と粒子の形,粒径のバランスがよく,人造砥石で研いだようなカエリがほとんど出ないのです。

そこでまず,人造の#3000,#8000で刃付けしたものを,天然砥石で研ぎ直します。まず,丸尾山・『合さ』で切刃を研ぎます。霞仕上げになります。これを産地不明の浅黄の合砥で研ぎ,次に尾崎の合砥で研ぎます。切刃は渋い輝きをもったつるつるの面になります。切れ味には刃先の精度だけでなく切刃表面のなめらかさも重要なので天然砥石の合砥で表面研磨するわけです。

この作業が終われば,こんどは丸尾山・『合さ』で刃先を研ぎ,産地不明の浅黄で刃先を研ぎ,尾崎の合砥で刃先を研ぎます。水洗いして拭いて乾燥し,こんどは革砥。まず青棒をつけた革砥。つぎにGC#30000パウダーを散布した革砥。これでミクロのカエリ取りはおわりです。最後は切れ味テスト。当室特製の布巻き巻きテストピースを使って評価。極高レベルの切れ味。まんぞく… となります。

単に研磨力を求めるなら人造砥石以外に選択肢はありません。しかし仕上げ研ぎは研磨力があればよいというものではなく,顕微鏡でも見えないレベルの刃先をどう処理するかという問題です。角の取れた丸い粒子が降り積もってできた堆積岩で鋼を研磨するというのは,経験的にはとても効果的なものと思っています。きょうの画像は研いだ包丁と使用した天然砥石。右から『合さ』,産地不明の浅黄,尾崎の合砥です(画像/MWS)。








2020年3月22日






夕暮れの彩雲とそれを映す川面 東京都八王子市 Nikon1J5 (画像/MWS)。








2020年3月21日




見るからに新鮮でおいしそうな『沼津加工』の巨大なキンメダイの干物が二枚で680円。信じられない低価格です。魚のことがわかっている中島水産がこの価格をつけているので,何かからくりがあるはずとパックをひっくり返すと,「クック諸島」の記載。このキンメダイは日本のはるか南から運ばれてきたものなのでした。

これはとっても有り難い話ではあるのですが,でもこんな,低価格競争を繰り広げてみんなが消耗するのはよくない気もします。何をどのように考えても,天然で海の中の深いところを泳いでいるキンメダイを一万キロ以上輸送して,沼津で干物に加工して東京に運んで,一枚340円というのはあり得ません。良い品物を安く供給して下さる販売者の方々の努力には感謝しかありませんが,その一方で,ものの価値に見合った価格設定が当たり前の世の中にならないかな,とも思うのです。

そう思いつつ,当室の定型手順にならい,キンメの干物はウロコ取りで丁寧にウロコを除去され,皮をこんがり焼かれて食べられてしまいました。価格からは考えられない超高品質。脂の風味が全く劣化していません。じつにおいしかったです。また売ってないかな〜(笑) (画像/MWS)。








2020年3月20日




砂浜を歩いているとレジンペレットが集積している場所が見つかります。ここ10〜20年くらいは,いつでもどこでも大量にあるという感じですが,そういえば子どもの頃には見た覚えがないですね。レジンペレットがふつうに漂着するようになったのはいつ頃からなのでしょう。レジンペレットは樹脂成形の材料なので,これが漂着するということは,この材料が大量に海に供給されているはずです。むかしは不要になったレジンペレットの処理に困り,雨の夜に川に流すなどということも行われていたと聞きますが,そういった野蛮なことが現在でも行われているのでしょうか…。

プラスチックは分解が遅いので海に集積して生態系に影響を及ぼす可能性もあります。入門的に解説している高田先生の記事が こちら にあります。興味のある方は覗いてみるのもいいかもしれません(画像/MWS)。








2020年3月19日






本ページは良いものを世の中から厳選して紹介するというのもテーマの一つですが,きょう紹介するのは「オナガダイ」です。お刺身にしておいしい魚はたくさんありますが,個人的にとっても気に入ってるのがオナガダイです。滅多に店先には並ばないので年に一度くらい出会えればラッキーという感じのもの。そんな高級魚が近所のスーパーに並んでいたのでさっそくいただくことにしました。八丈島辺りのものが最上な気がしますが今回は鹿児島産。特筆すべきは価格で,相場の半額という感じです。ちょと身割れしていたからか,それともこれが最近の相場なのか…とにかく安かったのです。

オナガダイは刺身にすると,得も言われぬ上品な甘さがあって,ご飯との相性もよく,寿司ネタとしても優秀でしょう。個性的な風味はないのに,なんかやめられなくなる旨さです。似ている味の魚は,そうですね,キンメダイが近いかもしれません。白身魚の淡い風味が好きな人にはオススメのお魚です。なお,刺身はしょうゆでいただきますが,オナガダイのような白身の脂の甘さを味わうときは,関東系のしょうゆがよろしいと思います。九州で一般的に販売されている砂糖,液糖,甘草,ステビア,サッカリンナトリウムなどが添加された甘いしょう油を使うと,せっかくの淡い脂の甘みをかき消してしまいます。素材を味わうには調味料も選ぶということです(画像/MWS)。








2020年3月18日




ガラス器具が大量入荷。柴田科学の誇るSPCガラステーパージョイント規格のものです(こちら)。このジョイントは溶融ガラスを冷却した表面の感じで,つるつるなのにオスメスでぴったり接続できる優れものです。むかしの砂ずりのジョイントではコンタミネーションが気になる場面でも使用でき,グリースを使わなくても気密を保てるので,有機溶媒を扱うときにはとても重宝します。当室でも,清拭作業等に極度の高純度有機溶媒が必要になることがあるので,今回の導入となりました。

高等学校時代は化学部に所属してエステル合成や水質分析を三年間行いました。その頃からガラス器具にはなんとなく愛着があって,ビーカーやフラスコは大好きでした。そこにSPCのガラス器具の入荷ですから,それだけでわくわくする気分です(笑)。

きょうの画像はSPCの三角フラスコと保存びんを撮影したもの。偏光クロスニコルでの撮影です。SPCジョイント部分はどうやって作られているのか知りませんが,たぶんガラスモールドだろうと想像しています。ならば,ひょっとすると大きな歪みが残っているかな?と,パソコン画面を光源として偏光クロスニコルにしてみたのです。ところが上の画像のように歪みらしきものは見当たりません。熱処理が良いのか徐冷しているのか,こんな高精度なジョイントが低歪みで作られているようで,感心したのです(画像/MWS)。








2020年3月17日




こんなシーンに出会うと,水中カメラが欲しくなりますね…。むかし欲しかったのはニコノスVだったのだけれども高価で買えなかった。当時,高校の先生がダイビング好きでよく海外に行っていて,写真を撮っていた。そのカメラがニコノスVだったかな。けっこう年配の女教師だったのだけれども,さすがは理科教員だなとおもったことでした。ニコノスVクラスになると,カメラの素人ではちょっと扱えないですから…。

それが現在では数万円も出せば押すだけで写る水中カメラが買える。にもかかわらず,うじうじと買うか悩んでいるのは生来の貧乏性ゆえ。この貧乏性のせいで,これまでどれだけ人生損してきたかと思うとなんだかなーの気分ですが,わかっていても貧乏性のケチというのは抜け出られないものなんです。ははは(画像/MWS)。








2020年3月16日




ノザキのコンビーフ,コンミート系のくるくる缶詰が生産終了になるとの公式アナウンスがだいぶ前に出ていました。筆者にとってこれらは山の非常食であるとともに,ときどき酒のつまみになる優秀なものでした。若い頃はよく食べました。

で,コンビーフ自体は生産継続なのですけれども,どうしてもこのくるくる缶詰が欲しくて買ってきてもらいました。それがきょうの画像。なんで買ってきたもらったのかというと,このくるくる用の金具が,何かの工具として使えそうな気が以前からしていて,工具箱に放り込んでおこうと思ったからです。持ち手付きの金属棒にスリットがあるだけの簡素なものですが,作ろうと思うとこれは面倒です。さっそく「ニューコンミート」をくるくるとやって,そのあとに巻き付いた缶を外して,「工具」を一個確保したのでした。

中身はもちろん食べます。マイタケをばらして電子レンジ加熱します。これにニューコンミートを混ぜて,コショウとしょうゆ少々で味を調えます。これを電子レンジで軽く加熱してよく混ぜます。そこに長ネギを投入してよく混ぜてできあがり。ニューコンミートのマイタケネギ風味です。脂がマイタケとよくマッチして,ネギの爽やかさも相まって,ちょっと洗練された感じの味わいになります。人様にオススメするほどのものでもない気もしますが,手軽なので,忙しいときの一品にはいいかもしれません(画像/MWS)。








2020年3月15日




近所のスーパー「よしや」は土日になると良い鮮魚が入荷して有り難いのですが,きょうは富山湾産のホタルイカがたったの500円でした。他県産のものと比較しても1.5〜2倍はあるぷっくりとしたサイズで,一パックの量も多く鮮度も他県産よりもよろしい。のに価格はたったの500円。富山から何かを運べば,レターパックだって500円くらいするのに,これで利益は出ているのだろうかと心配になります。こんなに良い物なら980円でもいいです。漁師さんも流通の人もスーパーの人も,正当な賃金を受け取って欲しいと思うのです。

このくらいデフレ?になると,地方と都内の価格差もほとんどなくなってきます。都内で鮭の腹子を買う場合と函館で買う場合で,価格の差はほとんどありません。このホタルイカも現地価格とそれほどの差はないだろうと思います。良い物が安く入手できることは有り難いことでもあるのですが,でも,地方と中央の情報の落差がなくなることでもあり,面白くないことでもあるのです。旅行に行っても発見がなくなります。地方の良いものはブランド化して,中央で高価販売してもよいだろうとも思うのです(画像/MWS)。








2020年3月14日




この画像で場所がわかる人も,本ページの読者ならいるかもしれませんー。いや,必ず3人くらいはいるはずです(画像/MWS)。



* フジヤカメラの2階だったのでした。ここで中古レンズをお願いすると,試してみますか?といってレンズを出してくれるのです。それを持参したボディーにつけて撮った一コマです。中古屋さんとしてとても良心的と思います。筆者は中学生の頃から通っていますが,もう中年のオッサンになってしまいましたー。




2020年3月13日




雨上がりの夕暮れ 東京都八王子市 Nikon1J5 30-110mmF5.6  ちょっと大きな画像は こちら です。こういう風景,好きだなー(画像/MWS)。








2020年3月12日




出先でリサイクルショップを見つけたときは,時間のある限り立ち寄ることにしています。目指すはカメラ関係のジャンク箱。何が入っているかわからない機材箱を漁るのは宝探しの楽しさです。きょうの画像は収穫物の一例。Cマウントエクステンションチューブ(110円/本),ニコン顕微鏡の干渉フィルター(110円/枚)に,ニコン実体顕微鏡の接眼レンズ(880円)です。なぜリサイクルショップにプロ用顕微鏡機材の部品が迷い込むのか謎なのです。プロ用顕微鏡の本体を見かけることは滅多にありません(画像/MWS)。








2020年3月11日






画像は昨年夏の気仙沼。あの大災害から少しばかりの時間が経ったわけだけれども,あまりそんな感じはしない。脳裏にはあの悲しすぎる災害が貼り付いたままだ。地震は必ず起きるので,せめて被害を最小限にするよう努力しなければなりません。そのためには東北各地(に限りませんが)が活性化して経済的にも余力があることも大事です。被災地の物産を利用するのも,大局的には減災につながるだろうと思います(画像/MWS)。








2020年3月10日












実母の急死から一ヶ月半が経過しましたが,その間,ふしぎなことに厄災が連続することとなって事務作業以外の仕事がほとんどストップしたままになっています。代わりに実家に通うことが増え,都内で暮らす筆者にとっては郊外の空気を吸える健康的な時間だったりもします。ならば,さらに健康的に暮らすために『のらぼう』を補給すべきなのです。

画像一枚目は9日に購入したのらぼう。なんと7束。なぜ9日に購入したのか? それは8日に八王子の実家にいたからなのですが,もう一つ理由があって8日は雨の日曜日だったのです。…ということは,9日は晴れの月曜日になったわけで,前日に雨でしっとりと洗われた『のらぼう』が翌朝に収穫され,この上ない新鮮さと柔らかさで店頭に並ぶと予想したのです。

画像二枚目は,実家近くの直売所。いつも筆者が強調しているように,「のらぼう菜」という呼び名は正しくなく,栽培されている地元での呼称は『のらぼう』です。そのことを画像にしてみました。

画像三枚目はいつもの秋川駅から大岳山方向を眺めてみたもの。この時期,秋川駅周辺では『のらぼう』をふつうに見かけます。スーパーオザムがオススメです。とても品質のよい朝どれのものが並びます。

画像四枚目は適当にカットして丼に入れたところ。湯通しが面倒なときは,このまま電子レンジでチンしてもOK。この方が甘みが強く味が濃い仕上がりになりますが,チンの加減が難しいです。

画像5枚目はセオリー通りに,たくさんのお湯で2分30秒茹でて冷水にとったもの。きれいな仕上がりですね。

これで今年も順調に『のらぼう』を食することができ,筆者の春の活力となるのです(画像/MWS)。








2020年3月9日












お世話になっている先生から中国製の謎の対物レンズ(画像一枚目)の品質テストを依頼されましたので,当サービスの珪藻プレパラートを用いてのイメージングテストを行いました。

画像二枚目はアラクノイディスクス(クモノスケイソウ)の明視野絞り込み。画像三枚目はスタウロネイス(ジュウジケイソウ)の微分干渉像,画像四枚目はギロシグマの微分干渉像,画像五枚目はプレウロシグマの微分干渉像です。いずれも絞り開放です。全ての画像はヒストグラム調整をしています。

使用した対物レンズは40倍(NA=0.65)のアクロマート。鏡基はオプチフォトDICです。撮影は直流電源を用いたハロゲン光源に狭帯域のGIFフィルタを使い,Nikon1J5のモノクロモードで直接焦点法で撮影しています。対物レンズはコンペンタイプですが狭帯域の単色光での撮影なのでコンペンにする必要はありません。

偏光モードで対物BFPをチェックすると少し歪みがあるように感じます。偏光顕微鏡用には不向きでしょう。しかし簡易に微分干渉で使うことはできます。多少レンズ面に汚れが残存しますが致命的な瑕疵はみられません。

珪藻の微細構造の再現具合を見ると,NA=0.65の対物レンズの解像限界をほぼ満たしているように見えます。安価なアクロマート対物レンズですが,趣味の検鏡や学校教育用にはじゅうぶんに使える品物と思えます。

聞いた話では,この40倍対物レンズは一本で二千円程度の価格なのだそうです。何をどのように考えても使用可能なNA=0.65の対物レンズの価格が二千円というのはあり得ないという気がするのですが,中国という国は不可能を可能にする夢のワンダーランドなのでしょうか(画像/MWS)。








2020年3月8日






ニコンのCマウントダイレクトアダプタは,少なくとも2種類ある。画像左のものは,約10年くらい前に市販されていたもので国産です。右のものは数年前から市販されている中国製のものです。どちらもCマウントダイレクトアダプタなのですが,画像をみてお解りの通りに,微妙に違いがあります。国産の方が背丈があり差し込みが深いです。Cマウント接続部分は中国製の方が薄く作られていて内径が少しだけ広いです。基本的な機能は変えずに改良設計しているようです。どちらが優れているかといえば現行製品でしょう。

ということで,Cマウントダイレクトアダプタを探している人は,オークションなどで古い品物を探すよりも,新品をニコンから購入した方がよろしいでしょう。このようなことは現物を並べないとなかなか気づかないので,筆者も知らないままでしたが,2,3年前にテクノシナジーさんを訪問したときに転がっていたCマウントダイレクトアダプタをみて,「おや?」と思ったのでした。筆者の手持ち国産品と明らかに違ったのです。

光学製品は絶えず改良しているものなので,カタログに乗らない小さな違いというのはたくさんあるだろうと思います。ながねん顕微鏡を使っていると,そんな違いを発見することもあるのです(画像/MWS)。








2020年3月7日




今年は暖かく,のらぼうは2回目。八王子市内のスーパーでカミさんがみつけてきました。ここ数年の平均からは一ヶ月早い。ぜひともあきる野に出向いて採れたてを入手したいのだけれども…。あと三回は食いたい(画像/MWS)。








2020年3月6日




スズメ 東京都八王子市 Nikon1J5 1NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6 別の日に再チャレンジ。光が十分にあってもライティングが悪いとスズメはダメだ…(画像/MWS)。








2020年3月5日






スズメ 東京都八王子市 Nikon1J5 1NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6 動き回るので光が足りないとまともに写らない…(画像/MWS)。








2020年3月4日








筆者は風邪ひかない記録を11年まで伸ばしたところで先月風邪をひいてしまったのですが,でもこの記録は日々の体調管理の結果でもあると思っています。もっとも効果があるのは何かというと,甘いものを食べないことです。これは劇的に効きました。2007年から砂糖・ブドウ糖果糖などの単糖類や二糖類の入った甘いものをやめたのですが,直後から体調がよくなりました。これは2週間もあれば実感できるほどのもので,みなさまにもオススメです。体が軽くなるんです。

粉食をやめるのも効果が大きいです。小麦粉を練って砂糖で味付けたようなものは体調を崩す爆弾みたいなもので,現在の筆者には食品には見えません。麺類も問題が多く,特にそうめん,うどんがよろしくないです。パンは小麦粉を練った粉食そのものでこれもよくないですね。あとは,海藻類ときのこを常食するのがよろしいということは本ページでもたびたび書いてきました。炭水化物は基本,ごはんからで,和食中心の食生活です。

きょうの画像は当室特性のネギ味噌。これも冬場の風邪対策です。ネギを刻んで仙台味噌に練り込みます。そこに鰹節を加えて混ぜて完成。生ネギは体をあたため,風邪予防にも最適です。このままご飯のおともでもいいですし,豆腐にのせたり,お湯で溶いてネギ味噌汁にしても体が温まります。朝の寝起きにこれを飲んでもよろしいでしょう。

こんな食生活で風邪をひくことがなくなったのです。年に数回風邪をひいていたカミさんも,すっかり風邪をひかなくなりました。それでも勤め先で風邪をもらってくることがありますが,年に一回未満となりました。そして筆者は,カミさんから風邪をもらうこともなく11年を過ごしたわけです。

…ということで,まともな食事は大事だよ,というお話でした。ちゃんと体をつくっておけば,新型コロナウイルスがやってきても重症化することもないでしょう。テレビやネットを見て新型コロナウイルス感染症にビクビクするよりも,ちゃんとした自分に合った食生活を続けることが大事です。

風邪ばかりひいている人をみていると,昼食はカップ麺,職場の引き出しにはスナック菓子が入っていて小腹が空けばバリバリ。コーヒーに砂糖を入れて一日数杯も。コーラやカルピス大好き。そんな感じだったりします。本人はまったく気づいていないでしょうが,それでは体に必要な栄養素が足りているわけがありません。好んで病気になりに行っているようなものです。わかっちゃいるけどやめられない…のかもしれませんが(画像/MWS)。








2020年3月3日










ひきこもり型の趣味として先日,顕微鏡観察をオススメしたところですが,アウトドア派の方にはちょっと不満があるかもしれません。そんな方には鳥見もよろしいでしょう。といっても,日本野鳥の会の例会も全て新型コロナウイルス感染症対策として中止になってしまったので,簡単に鳥見もできなくなってしまいました。そこでひきこもりながら鳥見をする方法として,エサ台を作ってしまいましょう。自然の方を身近に引き寄せればヒキコモリ型の鳥見ができます。

きょうの画像はエサ台に来たヒヨドリ。撮影は室内からのお気楽なもの。ふつうに野外でバードウオッチングを行うよりも近づいて撮影が可能なので,なかなか良い絵が撮れるものです(画像/MWS)。








2020年3月2日




新型コロナウイルス感染症の関係で世の中のいろいろなことが自粛になり,外出を控えるようにとのお達しが出ているわけですが,生命にかかわるような出来事には待ったなしで駆けつけなければいけないので,外出もやむを得ません。応援先に危篤の患者さんがいるので,普段にも増して新型コロナウイルスを持ち込まないように最高の細心の注意を払った行動が必要になります。

このウイルスはどんな素性を持つのかまだよくわからないのですが,筆者はむかし,藻類の培養をひたすらやっていたので,「感染症」についてはある程度の経験があります。そこで今回の応援移動では,相手先を安心させるために経験をいかして移動してみることにしました。

まず,当サービス室内でエタノール殺菌消毒を実施します。JR回数券は数日以上前に購入して手を触れずに放置したものを使います。移動先に持ち込むものは,生ものは全て加熱してウイルス失活済みとして,そうでないものは全て10日間以上の放置でウイルス失活を狙います。

出発前によく手を洗い,手指をエタノール処理します。玄関の扉はカミさんに開けてもらいます。自分では触れません。そのままJRの駅まで向かい,回数券を自動改札に突っ込みます。このとき自動改札機には手を触れません。出てきた回数券をつまみとって胸ポケットにしまいます。

まず山手線に乗車。先頭車に乗ります。なぜなら,車内の空気は前から後ろに動くので,先頭車の最前部がいちばん新鮮な空気にだからです。これは筆者が最も嫌いな常磐線の中距離列車を長年利用して,朝でも夜で酒臭いこの最悪な列車のどこが,いちばん我慢できるかを5年半にわたり体当たり調査した結果,先頭車の最前部という科学的?な調査結果を得ているのです(*1)。

そのまま新宿に移動して,中央線に乗り換え。中央線でも先頭車の最前部に立ったまま乗ります。もちろん,手すりにもつり革にも手を触れません。そして鉄ちゃんのフリをしながら,最前部で運転席付近に「かぶりつき」をして,ときどき気になる風景を激写しながら,立ったままで,リュックを背負ったままで,目的地まで乗ったのでした。車内はひじょうに空いているので,リュックをおろして抱える必要は完全皆無でした。

目的地ではドアーが開いたらゆっくりと降り,全ての乗客がエスカレーターで消え去ったあとに,息を止めつつエスカレータに乗り,もちろん手すりには触れることなく改札に行き,回数券を突っ込んで改札を出ました。

そのまま駐輪場まで歩いて,自転車に乗る前に,エタノールをハンドル,サドル,ブレーキに垂らしてゴシゴシしてウイルスの失活をねらいます。あとはいつものように目的地まで自転車で移動するだけです。

ここまで,両手も全身も荷物も,何にも接していません。この移動でもし感染があるとすると,JRの運転士が感染していて,そこからエアロゾル感染したケースと,あとはひじょうに希薄な,そこいらへんの空気感染だけです。でもその可能性は皆無と思っています。

目的地に着けば,もういちどエタノール殺菌して,ドアを開けて入り,そこでマスクを外してマスクにはエタノールを噴霧して,そのまま洗面所に移動して石けんで手洗い,ようやく入室となります。

このほとんど冗談のような移動は,もちろん本日の画像の話題として遊びでやってみたものです。でも,本当に不安でたまらない人を安心させるには,このくらいのことをやらなければならないという見本でもあります。

でも,同じことを考える人はいるもので,帰路では「かぶりつき」の位置にN95マスク(と思われる)をした若い女性が立ったままで,手すりにもつり革にも触れず,スマホをのぞいたままでした。その女性は途中で乗り換えましたが,やはり先頭車両の一番前で,どこにも触れずにスマホをいじっていました。

おー,きっとこの方は科学的思考をお持ちなのだろう,仲良くなれるだろうなー,でもオレは中年オッサンだから相手にされないだろうなあーと,ちょっと面白く(悲しく)思ったのでした(画像/MWS)。



*1 その先頭車の最前席で,筆者が座っている横に酒を持って乗り込んできて,グビグビ大量の酒で最悪の経験もありましたが…

**2 ところが,その先頭車両でてんかん発作の患者が出たのです。いきなり車内でひっくり返りけいれんして,誰の目にも異常事態でした。筆者は,次の駅で運転士に急病人発生を知らせて駅に連絡してもらいましたが,そのとき,そのグビグビ酔っ払いオヤジがてんかん患者のもとに駆けつけて介抱をはじめたのでした。

***3 筆者はそのときまで,明確にはてんかん患者を認識したことがなかったのですが,たぶんそのグビグビ酔っ払いオヤジはそうではなかったらしく,車両後部にいたてんかん患者に向かって走って行き,転がっている患者を起こして,座席でなだめながら,ことをまるく収めたのでした。

****4 その後,列車は安全確認をしてそのまま進行しましたが,今でも,筆者の急病人発生の連絡は正しかったのか,ふと気になることがあります。





2020年3月1日










新型コロナウイルス感染症の関係で世の中のいろいろなことが自粛になり,学校もお休みになり,外出を控えるようにとのお達しまで出ることとなっております。こんな世の中でオススメなのが顕微鏡(けんびきょう)です。顕微鏡というのは微なるものを顕わにする鏡(レンズ)というもので,きょうの画像のように,池の水の沈殿物をのぞいてみれば,微なるものが顕わになって,ミカヅキモやミドリゾウリムシが踊る世界を堪能することができます。

顕微鏡のよいところは外出する必要がないところ。雨が降っても関係なし。新型コロナウイルスが蔓延していても部屋に閉じこもっていればいいので好都合です。覗くものはたくさんあります。池の水がなければ排水管のぬめりでも,野菜の薄切りでも,飛んできた花粉でも,さかなの鱗でもいいでしょう。

繰り返し流される,感染症が広まっているというニュースを一日見ていても,大した情報は得られません。気晴らしに顕微鏡を覗き,新たな世界を手に入れましょう(画像/MWS)。









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