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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2022年12月31日




ことしの後半はとにかく全力で仕事をして駆け抜けました。かこ数年,出版騒ぎとか相次ぐ取材とかコロナ騒ぎとかいろいろあって標本制作に集中できませんでした。それでストレスが限界に達しつつあったのですが,今年はようやくえいやっと力の限りに本気出してきた感じの成果となりました。それを受け止めて下さった多くのお客様には感謝するばかりです。ありがとうございます。

限界ぎりぎりの作業をきょうまで続けてことしの仕事は終わりです。海洋堆積物・第四紀放散虫の最後の1枚を販売ページに追加しました。早い者勝ちです。ご注文はいつものようにメールでお願い致します。セールのページは こちら です。



04:33に売れてしまいました。ありがとうございます(画像/MWS)。








2022年12月30日




ことしの放散虫スライドJシリーズはいろんな時代,産地のものをマウントしました。まんべんなく売れましたが,特にはやく売れたのが海洋堆積物から分離した第四紀放散虫スライドです。何も告知せず販売したのに2時間40分で全て売れてしまいました。気づいたときには遅かった…というお客様も多数おられたことと想像します。

このスライドは拾い出しがとにかく大変なものです。珪藻の破片が大量に含まれていて放散虫が珪藻まみれになっているので拾い出した放散虫を一つ一つ転がして珪藻の破片が付着していないかチェックする必要があります。破片が付着していた場合は基板の上で転がしながら毛先でつついたりして何とか剥がすことを試みます。珪藻の破片は極端に薄く実体顕微鏡下で強い照明を施してもほとんどコントラストを生じないものも多く破片除去作業は困難を極めます。

そういった作業をへて一個一個,放散虫在庫を増やしていってようやくマウントに至るのです…。その貴重な海洋堆積物から分離した第四紀放散虫スライド1枚を販売ページに追加しました。早い者勝ちです。ご注文はいつものようにメールでお願い致します。セールのページは こちら です。



掲示して1時間15分で売れてしまいました。ありがとうございます(画像/MWS)。








2022年12月29日




ことしのJシリーズ販売は発売日を告知せずにはじめたのですが,販売開始10分後くらいから注文が入り始めて,翌日には半分以上,4日間でほとんど売れてしまいました。ご注文下さるお客様はほぼ,当サービスの標本をお持ちの方々で,品質には納得しておられるのか,気に入ったものを瞬時に注文して下さいます。有り難いことです。

もちろん,「品質に納得」していただけるような超高レベルのものを制作しているつもりではあります。きょうの画像は今季販売物の位相差検鏡像ですが,見るべきところは背景です。位相差はけっこう鋭敏でちょっとしたチリもホコリもスライドグラスやカバーガラスの傷もコンデンサフロントレンズの汚れも全部コントラスト生成しますのでふつうの標本では背景が雑然とするのです。

しかしこの画像ではゴミが見えません。これは驚異的なことです。位相差レベルでゴミが見えない,そんな標本は見たことがありません。ひょっとすると歴史上初めて,背景にコンタミのないスライドを筆者は制作しているかもしれないのです。

お客様からもたまにご感想を頂戴します。「初めて顕微鏡でゴミのない視野を見ました」といった感じです。そうだろうと思います。筆者も自分で作るまでは,そんな視野は見たことがなかったです。

ゴミのない視野は「宇宙」を感じます。幼稚園の頃から夜空を見上げていた筆者にとっては,黒バックに輝く珪藻や放散虫は宇宙を感じさせるものです。宇宙を感じてしまったら,そのセンスを追求して突っ走ることになるのです…(画像/MWS)。










2022年12月28日




ものを売るという営為は調査行為でもあります。どんなものが売れてどんなものが人気がないのかわかる,そんな貴重な機会でもあります。今回販売ではどれも均等に売れましたが,バルバドスの詰め込みが出足的には遅かった感じもします。そうなった原因は,こちらの表示方法にも原因があるのです。パソコンのモニタと顕微鏡の視野の間には大きな違いがあるので,よほどのハイレベルの顕微鏡観察家でもなければ,本ページの画像から実際の顕微鏡視野の想像ができないのです。

たぶんそういったことが原因として売れ残ったものがきょうの画像。適切な視野数の接眼レンズと適切な倍率の対物レンズを用いれば視野一杯に広がる豪華な世界を鑑賞できるのですが,その豪華さをweb経由で伝える方法がありません…。

でも,売れなくても筆者のコレクションになるだけなのでなんの問題もありません。筆者制作の標本は光学的には世界最高の完成度なので,売れなくても,光学的に世界最高の標本が手元に残るのです。いつでもあらゆる試験に使えますし何枚あっても問題ありません(画像/MWS)。

(追記)朝になってみると売れてしまっていました…。








2022年12月27日(2)






めずらしい放散虫個体はその希少さからどうしても高価格になります。しかし希少さの実感は,標本制作の筆者とご購入の皆様とは温度差があるものとも思います。制作者の立場からは,山ほどの放散虫と格闘してきて1個しか見つからないようなものは本当に宝石のように思えます。しかし購買者にとっては希少さの実体験がないので,画像でみて「希少だよ」と言われて「ふーんそうなの」といった感じになるのだろうと思います。この温度差が価格設定の難しさです。

今回販売のもので温度差を感じたものが1つ。J658です。そこでこのスライドに限り77,000円 → 44,000円に値下げします。一枚のスライド上に2つのデザインで放散虫を並べています。多様な放散虫を拝めて,一個体ずつ撮影するのに最適なスライドです。セールのページは こちら です。大きな画像も追加しましたのでごらん下さい。

本アナウンスから一時間半で売れてしまいました。ありがとうございます(画像/MWS)。








2022年12月27日




ご注文頂いたJシリーズにつきましては,本州,九州については発送を完了しております。早ければ明日に届きますのでお受け取りよろしくお願いいたします。それ以外の地域につきましては数日ほどお時間を頂きますのでお待ち下さい。

今回販売したスライドはどれもひじょうにハイレベルなものです。なんで放散虫なの? 珪藻じゃないの? と思った方々が大半じゃないかと思います。でもこれには考えがあるのです。

ことしは偉大なケンプさんが亡くなった年なのです。「少しばかりの対価を払えば顕微鏡下の素晴らしい造形の生物プレパラートが入手できる」という文化を守ってきたのがケンプさんです。筆者も同じ仕事をしていますが,大先輩の仕事仲間を一人失ったのです。同業者は世界に数人しかいないのです。この状況で自分が何をやるのが最善か,それを考えることもありました。きっと筆者にやれることは,「とにかく品質を維持する」「この文化を絶やさない」ということだろうと想像しました。

この「品質を維持する」が問題なのです。例えば放散虫1つ封入するにも,1億年前の結晶化シリカと,1000万年前のアモルファスシリカと,数万年程度の薄いシリカと,現生のものでは求められる技術が全部異なります。できれば,どの時代でもいいので,完成された技術と思われるものを確立して製品を作りたいのです。

そこで今年は放散虫を並べて固定して封入する技術開発を行い,これまでできなかったことを乗り越えるブレークスルーの年にしました。もちろんそれ以外にもいろんな技術的な検討を行っていて,珪藻スライドの品質もさらに安定して良好な状態を保つようなことになってきています。制作と言うよりは開発投資の一年だった気がします。そして成果がでている感じです。少なくとも,これまでできなかったことが「完全に」解決したことが2点以上あります。これは本当に素晴らしい前進です。

さて,次期はよほど何らかのことがない限り,珪藻もマウントします。材料が少ないのが懸念されますがこれから全速前進で増やして参ります。珪藻の魅力は放散虫では望めない「微細構造」「色」があります。そこにフォーカスして皆様に地球生態系・水環境の素晴らしさを伝えたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

ところで,今季の制作物では視野数にこだわりました。これまで,放散虫では視野数をあまり考えずにマウントしてきました。しかし珪藻のマウントでは約1.5mm程度の視野に多数を詰め込んで,それを適度な倍率と視野数で観察すると,視野一杯に物体全体が見えて,しかもそれぞれの微細構造がある程度見えるという独特のバランスが達成されるということがわかりました。放散虫でもそれを達成したいと思ったのです。

しかし放散虫を狭い視野に多数詰め込むというのは技術的には簡単ではありません。球体のものも多くあるので転がるのです。個体ごとの間隔をあけて詰め込むのは難しいのです。全部を接触させてしまえば簡単ですが。そこで狭い視野に詰め込むにはどうしたらいいか,という物理化学に基づいた思考がはじまることになります。まーでもある程度の解決策はあるものです。ある秋の日に,寝る前にそのテクニックは浮かびました。

翌日,その手順に導かれて作ってみると間違ってはいない感じがします。それがヒントとなり,様々な技術が派生的に生じて一気にいろんな問題が解決に向かいました。職人として生きているとこういった瞬間がたまにあるのです。有り難いことです。

きょうの画像はそんな技術開発で生まれたかもしれないスーパースライド。どこがスーパーなのかは,本ページを毎日ごらんの皆様には説明不要と思います。もちろん,スーパーであってもなくても,こんな世界は誰がみてもおおっと思う形のふしぎかもしれません。大きな画像は こちら です。ぜひごらん下さい(画像/MWS)。








2022年12月26日




さきほどやっと発送準備が終わりました。伝票の入力,送付先の入力に始まり,取説の印刷,請求書の印刷,宛名シールの印刷,ケースラベルの印刷。それぞれの印刷物のカット。ケースへのラベルの貼り付け。標本全体の清拭と光学面の仕上拭き。注文内容ごとに整理。レターパックの買い出し。レターパックへのシールの貼り付け。照合作業を行いながらの梱包。膨大な作業量でした。。でも十分な体力がある感じもしていて,特に疲れなどは感じませんでした。いまはカミさんの手みやげ(チキン丸揚げ半身)をつまみに寝酒タイムです。

例年ならばこれから深夜受付にレターパックを出しに行くのですが郵便局が夜間受付を廃止してしまい出せません。ポスト投函も可能ですが,素性を知らないポストに投函するととんでもない事故が起こることもあるので,急がずに,明日に郵便局まで差出に出向くことにしました。

都心のポストは恐いのです。休日など昼で収集が終わってしまうので20時間くらい放置されるケースもあります。そんなときに大口の発送があるとポストが満杯になってしまうのです。満杯になったポストはどうなるのかというと,まるでクサビを打ち込むかのように,力一杯郵便物を押し込められて地獄の様相になるのです。場合によっては内容物が破壊されます。

…ということで,ご注文頂いた皆様,明日に発送となりますのでご了承下さい。いつもいつもありがとうございます(画像/MWS)。








2022年12月25日




クリスマスイブの夜に本ページをご覧頂いている顕微鏡ファンの皆様に朗報です。ただいまより今季制作の放散虫スライド大セールを行います。極度にハイレベルな各種の放散虫スライドからお選びいただけます。ご購入をお考えの方はお早めにごらん下さい。購入予定のない方も,めくるめく放散虫の多様な世界を画像で見ることができますので,ぜひともアクセスして下さい。気に入ったらいろんな人に情報を広めて放散虫画像をご覧頂けますと幸いです。

なお,今回販売はJシリーズのみです。ほかのスライドとの同時購入はできません。ご注文はいつものようにメールでお願い致します。セールのページは こちら です。

プロの方がご覧になればお分かりいただけると思いますが,多くのもので今回価格は希望価格の半分以下に設定しています。試料そのものの調達が難しいものも多いです。また永年の技術と経験が詰め込まれている点でも貴重です。彫刻家の作品を購入するようなものともいえますが,それらよりはずっと低価格で入手できるのが当サービスのスライドです。ぜひこの世界を生の光でご覧頂きたく思います(画像/MWS)。








2022年12月24日




この時期になると「クリスマスにクルシミマス,はっはっはー」と笑って課題を出したドイツ語の教授を思い出します。筆者の第二外国語はドイツ語だったのでした。でも英語すらまともにできない筆者がドイツ語をマスターできるはずはありません。いくつかの単語,スパチーレンゲーエンとかを覚えて終わったのでした。でも大学院入試では,ドイツ語は合格なのに英語の点数が不足で落とされました。もちろん専門科目はほぼ満点(たぶん)。二次試験でなんとか合格。このときもドイツ語の方が出来がよかった記憶があります。つまりは(語学の)出題者のさじ加減で(できのわるい人は)人生は決まってしまうのだなあと思った出来事でもあります。東大の頭脳を持っている人はすいすいと世の中を泳いでいくのだろうけれども…(画像/MWS)。








2022年12月23日




DL-TESTやJシリーズは特殊なスライドグラスを使っており物体がマウントされている面はレンズと同等の光学面になっています。レンズと同等なのですから,金属製の顕微鏡ステージに直接置くなどということは禁物です。一度で傷が入り不良品になってしまいます。ので,光透過面は常に浮かして使うのが正解です。しかしそれでも浮かしていない光透過面以外の部分には傷が入りますし,取り扱い中の事故もあり得ます。そこで当室では集中的に標本撮影をするときなどは即席でステージにカバーをつけてしまいます。書類用のクリアファイルを現品合わせでカット。両面テープで貼り付けたものですがこうするとだいぶ安心感があります。使用前にエタノールで清拭してから使うと標本の汚損も防げますし,セットするときもクリアファイルの表面がなめらかなので操作しやすいです(画像/MWS)。








2022年12月22日




ほうさんちゅうの画像ばかり続いたのでたまには珪藻の画像も掲載。記事を書く時間がとれないのでまた明日…(画像/MWS)。








2022年12月21日




なんとかして皆様にこのようなガラスの世界をお届けしないといけません…。モニタ越しでもまぁそれなりには見えますが,こと質感に関しては肉眼観察にまさるものはありません…(画像/MWS)。








2022年12月20日




ガラスの質感を表現する照明は難しいですね。構造の表現は透過明視野中央絞りなのだけれども,ガラス感の表現は背景光と表面反射光のバランスです。デジタル時代ではラチチュードが低下しているので表現も難しいものがあるのかもしれません。見た目と何かが違うんですよね。でもせっかくの放散虫なのでガラスであることの質感は何とか表現しないといけません…(画像/MWS)。








2022年12月19日






きょうの画像はつい最近の作品。海底堆積物から分離した第四紀,それもたぶんかなり新しい感じの放散虫です。これらはたぶん骨格がすかすかで,バルバドス産のような立派なガラスの感じは皆無です(一部の種を除く)。ガラスの微粉末をゆるく固めた感じで人間で言えば骨粗しょう症でしょうか? 当然,取り扱いも難しく,少しでも強く扱えば「骨折」して破片が飛び散ります。封入には最上級のテクニックが必要なものに感じられます。

同じ放散虫化石でも最終的に得られるマウント用試料の性質によって,工程はまったく異なるものになってきます。放散虫といいながら珪藻よりも脆弱なものも多数あります。そんな個体を完璧にマウントするには専用の工程を見つけるしかありません。きょうの画像の第四紀の試料も扱い初めてかなりの時間が経過しましたが,最近になってより適した扱い方が見つかった気がしています(画像/MWS)。








2022年12月18日




ひさしぶりにヒラスズキが入荷。小躍りして熱燗でいただくことにして切りつけたのがきょうの画像。何かが違う。食べてみてもヒラスズキではない。かといって何の魚種だかさっぱり分からない。味のない白身魚を冷凍して解凍したような感じ。うまくはない。いったい何なのか。。このスーパーはチビキをオナガダイ,アイナメをホウボウと称して販売していた前科があるのですが今回も引っかかってしまいました。それにしても何なのか知りたい。食べた魚種が不明というのはどうにも落ち着きません(画像/MWS)。








2022年12月17日




きょうもあっという間に一日が過ぎゆきましたが,金曜日の晩はカミさんと熱燗で宅飲みというのが恒例ですので仕事は途中で切り上げました。きょうのメインの肴がきょうの画像。なんとビワマスの一夜干しです。これが信じがたい佳品なのでありまして,焼いていると脂が漏れ出てきてジュージュー状態になります。この脂は少しもしつこさがなくエキストラバージンビワマスオイル,といった感じなのです。

身を食べると骨やヒレやカマ,頭が残るわけですが,これは電子レンジで200W,7分の処理でからっと揚がります。これをパリパリと食べると最高の味わいです。ビワマスはほぼ全部が可食部です。京都の社長さんから頂いた干物は1グラムも残すことなく有り難くいただきました(画像/MWS)。








2022年12月16日




ひれ酒というとトラフグなどのフグヒレが定番ではあります。炭火や電気オーブンやストーブなどでじりじりと炙ったヒレを沸騰直前の熱燗にじゅーと入れてフタをして数分放置して,フタをあけてアルコールに火をつけて飛ばしてから頂くやつです。これ,ふぐ以外の魚種でも問題ありません。大学院生のころに家に転がっていたカワハギの干物の尾ひれで試したところフグを上回るのではという味わいでした。まぁ,ヒレでなくても,スルメを炙って入れてもいいんですが。

きょうの画像は鮭のヒレ。大量のアラが安価だったので鮭バター,焼き漬け,鮭ほぐしにして,骨はカリカリに焼いて食べました。ヒレはもったいないので天日干し。そのあとジップロックに乾燥剤とともに封じて冷蔵庫に入れておけばいつまでも保存できます。あまり口に合わない酒が入荷したときなどに出番です。ヒレを炙ってじゅーっとやると,マズイ酒もけっこう上等な味わいになるのですからふしぎです(画像/MWS)。








2022年12月15日




あっというまに一日が過ぎゆきます。。遅くに起きて出がらしのお茶を飲み,世の中の流れをチェックして,食事をとり,仕事をして,また出がらしのお茶を飲んで,仕事をして切り上げて,夕飯を作って食べ,世の流れをチェックして,カミさんに夕飯を献上して,洗い物と片付けと明日の朝ご飯の用意をして,夜からまた仕事。完了したら本日の画像を書きながら寝酒。深夜にバタンQ。こんな感じの日々です。これはですね,忙しいですけれども,しあわせな日々なんです(画像/MWS)。








2022年12月14日






いつもお世話になっている京都の社長さんから大変なものを頂いてしまいました。琵琶湖の幸つめあわせセットです。刺身用のビワマス,一夜干しのビワマスに,氷魚の釜揚げ。氷魚とは鮎の稚魚のことで,本来は内湾の河口域ににいるものですが,琵琶湖では陸封されてしまい海に下れないので,琵琶湖を海と勘違いして産卵して,稚鮎が琵琶湖を泳いでいるのです。

琵琶湖産の稚アユは放流事業で多くの河川に放たれてきましたが,じつのところ地元の貴重なタンパク源でもありました。日本の内水面漁業はほとんど壊滅していますが,戦前の頃であればどこの河川や湖沼でもふつうに漁獲がありましたし地元で利用されていました。氷魚はその頃の名残でもあります。

釜揚げを直送いただいたので,まずは酢飯で軍艦巻き的な食べ方を試しました。これが最高なんです。独特の苦みがありこれがじつに深い味わいとなるのです。個人的には,仙台味噌少々にわさびを添えての軍艦巻き的な食べ方が調和のとれた味だと思いました。しょう油は強すぎます。煮きり醤油か煎り酒で割ったしょう油ならいいかもしれません。

大量に頂いたので,素材の味ばかりを味わうなどと気取らずに,やってみたいものも作りました。それがきょうの画像。ごぼうを氷魚サイズにささがきにして煮て,氷魚を加えてさっと煮て,卵でとじた柳川風です。氷魚の風味と苦みがドジョウを連想させるもので,これは柳川風が合うだろうと作ってみたもの。いやーこれは最高です。マジ最高。皆さんやって下さいとはなかなか言いづらいですが…。東京に居ながらにして琵琶湖沿岸の方々の真似事ができるのですから,ほんと,京都の社長さんには感謝感謝なのです(画像/MWS)。








2022年12月13日




たまには有孔虫の画像を。滅多にマウントしないので画像がないのです。すみません…。ベーリング海の海底堆積物から取り出したほぼ現生の有孔虫です(画像/MWS)。








2022年12月12日




あたらしい時代の放散虫化石,たとえば石川県から秋田県にかけての日本海側の珪藻土に含まれるような種は,約1000万年前くらいのものが多く,ジュラ紀の放散虫と比較してシリカの変成度合はずっと小さいです。屈折率も現生の生物ケイ酸と変わらずn=1.43付近です。骨格も分厚いものが多く封入標本にすると高いコントラストで観察できます。このような標本は位相差にはそれほど適していません。もともと見えるものが位相差でも見えるだけで,特に新たな情報が付加される感じがしないからです。きょうの画像はその一例。ただでさえはっきり見えるリクノカノマを位相差でみても,はっきり見えるだけです。位相差法の変調したコントラストを楽しむにはアリかもしれませんが…(画像/MWS)。








2022年12月11日








ジュラ紀の放散虫は明視野ではコントラストが低く代わりに内部構造が見やすいです。暗視野光束を混ぜた輪帯照明にするとコントラストが上がり輪郭構造が把握しやすく分解能も高くなります。位相差ではひじょうに高いコントラストで観察できますが分解能は若干低下します。きょうの画像をじーっと見比べるとその特性がよくわかるかと思います(画像/MWS)。








2022年12月10日




ジュラ紀・放散虫化石の内部構造。外面はスポンジタイプの放散虫ですが内部はこうなっています。これと似たタイプの放散虫は,この化石から一億年以上あとの時代にも出てきます。こうしてみると,この骨格構造を記憶している遺伝情報,DNAというのは恐ろしく安定度が高いものだと思わされます(画像/MWS)。








2022年12月9日








ジュラ紀といえば恐竜がどしんどしんと歩いていた時代です。億年単位の過去というのは想像すらできない世界です。そんなむかしの放散虫が溶けずに,チャートのように石ころにもならずに,ノジュールの中に守られて繊細な骨格を維持しているというのは,これまた想像を絶する奇跡のようなものです。そしてその「奇跡」を母岩からそっと外してきれいに洗い,壊さずに構造を完璧に把握できる方向にマウントして,誰でも便利に観察できる。これまた奇跡的です。球状放散虫の内部構造がこれほど鮮明に見える標本は学術的にも価値の高いものと考えられます。

よのなかには珪藻の専門家,放散虫の専門家,いろいろおられます。そのプロ中のプロが見ても超ハイレベルに見える世界最高の標本を作る,それが筆者のお仕事なのです(画像/MWS)。








2022年12月8日




ジュラ紀の放散虫は封入剤の屈折率に近いようで,封じるとかなり透明になりコントラストが低くなります。ぱっとみた感じは「薄い」と感じるのですが,透明であるというのは内部も見やすいということでもあります。また,コントラストが低くて明視野では見づらい物体は位相差法では抜群の見えとなります。それがきょうの画像で,位相差法で見るとジュラ紀の放散虫化石の骨格が鮮明に浮き上がります。この見えの良さは「位相差用」として販売して差し支えないほどのものです(画像/MWS)。








2022年12月7日








メジナの半身は刺身にして,残りは煮付けにしました。もちろん皮もアラもすべていただきます。寒メジナは脂が乗っているのでショウガを多めに加えて,付け合わせにゴボウと一緒に煮付けます。調味料は日本酒としょう油だけ。あとは水を少々。これに炊き立ての白米があればまずは文句のない夕飯です。しかも今回の白米は,またまた京子ちゃんが送ってくれた「つきあかり」という2016年登録の新品種。粒が大きくしゃきっとしています。このご飯とメジナの刺身と煮付けの組合せは当然,ウマウマだったのでした(画像/MWS)。








2022年12月6日




メジナ(グレ)を敬遠する人も多いのだけれども,それはたぶんボラと同じで本当にうまいメジナを食べたことがないのだろうと思います。このように書くといろんなところから非難がごうごうと飛んでくる気もしますが,ここ15〜20年でメジナもボラもまずいものに当たったことがありません。

きょうの画像はたぶん京都舞鶴辺りの定置にはいったもの。スーパーシマダヤで760g,590円。あり得ない安さです。鮮度は申し分ありませんしメジナは熟成もできるので迷うことなく連れて帰りました。

冬場の沖メジナはぜひとも皆様,一度は味わって下さい。見た目からは想像できない繊細な脂の甘味があるねっとりとした食感で白身の刺身では最高クラスの味わいです。天然物のマダイとヒラメとアカムツ(ノドグロ)とメジナが並んでいたら,筆者は迷わずメジナを指名します。そのくらい飛び抜けた特徴ある味わいです。

本ページには研ぎファンも多いですが,メジナはそこいらへんの包丁でも三枚おろしは簡単です。アラも煮付けにすると素晴らしいので魚おろしの練習用としてもよいかもしれません。まだ「高級魚」に格上げされていないので価格は低めです。しかしブラインドテストすれば,冬の沖メジナはあらゆる魚種でも上位にランキングする高級魚の味わいであることは筆者の経験が物語っています(画像/MWS)。








2022年12月5日




ジュラ紀の放散虫は本来アモルファスシリカであるところの生物ケイ酸が,続成過程により結晶化が進んで石英に近い状態になっているようです。屈折率は上昇し,偏光性が出ているのでわかります。おそらくこのことが原因で封入していると困ったことが起きます。アモルファスシリカは丈夫で柔軟性があるのですが結晶性シリカは硬くて壊れやすいのです。

これを封入すると,封入剤というのは多かれ少なかれ固化するときに収縮するので,物体に力がかかります。現生の珪藻や放散虫はアモルファスシリカで柔軟なのでそのまま壊れずに封入できることがほとんどですが,ジュラ紀の結晶性シリカの放散虫化石の場合は,ある割合で部分的な剥離が生じます。続成過程による不均一な結晶化の過程で割れやすい部分が生じているのかもしれません。剥離があるとその部分だけコントラストが変化します。物体の形態には影響ありません。

これは封入剤との相性を探る以外に解決方法がないと思います。しかし解決できなくても,恐竜がのさばっていたジュラ紀に生きていた放散虫の微少なシリカの骨格が現生に残っているだけで奇跡みたいなものです。多少の剥離があったところで,「これはこういうものです」と言って販売してもいいような気もします。

きょうの画像のように落射暗視野にすると剥離面は輝点に見えるので判別が容易ですが,検鏡法によってはほとんど気にならないです。そもそもジュラ紀の放散虫化石は鉱物まみれであって,もともと完全クリアなガラス感を楽しむものではありません。完璧を目指して放散虫在庫をお蔵入りにするよりは,多少の剥離があっても販売した方がよいですかね。制作する立場としてはなかなか気乗りしないのですが(画像/MWS)。








2022年12月4日




ひさしぶりにマウントした放散虫リクノカノマ。非常に透明度の高い厚みのある骨格をもっていてガラスの質感を鑑賞するには最高峰といってもよい種です。日本海側の珪藻土から少量出てきますが状態のよいものは希少です。ある意味バルバドスの放散虫よりも貴重なものかもしれません。優美な姿でキラキラと輝く姿はいつまでも眺めていられます。完璧にマウントできたものはまさに宝石といっても過言ではありません(画像/MWS)。








2022年12月3日




よいものを世の中から厳選してお知らせしている本ページでひさしぶりに紹介すべきものを見つけました。それがきょうの画像です。これは「わさび」というよりはわさびソースとでも言うべきもので,塩分も入っていますしそのままで調味料になるものです。塩気があるのでそのまま肉類や厚揚げ,薩摩揚げなどにつけてじつにちょうど良い感じがします。

パッケージをみても使用例に「刺身」が入っていません。塩味のあるわさびの茎は,刺身にのせてしょう油をちょんとつけて食する場合には相性がよくないのです。

ところが,です。しょう油にわさびを溶いてどろどろにしたわさび醤油なら話が変わります。通常のわさびなら風味も辛みも落ちてしょう油も塩分が薄まるところですが,本製品を使ってわさび醤油にすると,塩分を保持したまま,粒わさびが風味と辛みを保持するという相乗効果が発揮されるのです。このわさび醤油で海鮮丼をやってみて下さい。ワンランクアップの味わいになるかもしれません。

もともと塩味が付与されているのでそのままドレッシング的にも使えます。チャーシューやローストビーフ,焼き鳥,温野菜,いろんな場面で使うことができます。

欠点があるとすればコストパフォーマンスかもしれません。辛みがマイルドでおいしいので,すぐになくなってしまいます。それは良いことなんですが,どこでも売っている感じでもないので入手が難しく,常用するには販売店を押さえるなど工夫が必要な感じです(画像/MWS)。








2022年12月2日






じぶんで言うのもなんですが大発見をしてしまいました。それがきょうの画像。柿は季節の果物として美味なものですが風味を味わうというよりは糖度を楽しむという感じの素材に感じていました。料理長たる筆者は何かを補えば大化けする食材だなーといつも思っていました。それでつい数日前に誕生したのが「柚子柿」です。柚子を薄切りにして,薄く切った柿にのせるだけの簡単なものです。しかしこれの相乗効果は,個人的には,古今東西のあらゆる食材の組み合わせでも上位に位置するのではと思うくらいの相性の良さです。

そこいらへんに転がっている柚子と柿をあわせるだけで,突然,宮内庁御用達レベルの高級料理の味わいになってしまうのです。作った本人がいちばんびっくりです。

むいた柿の皮は電子レンジでチンすれば美味な味わいであることは以前に本ページで紹介しましたが,柚子の皮を刻んで一緒にチンすればさらに高級な味わいになります。

甘味に酸味,そこに香味,不味いはずがないのですが組合せの妙を発見するまでが大変なのです。筆者の脳内では,「レモンでもおいしい」という解をはじき出していますが,それは単においしいというだけで,ちょっと無粋です。やはりこの時期に同時に収穫できる柚子と柿,この組合せが大事かと思います。皆さんぜひお試し下さい(画像/MWS)。








2022年12月1日




まいにち少しずつ標本制作を進める日々が続いています。きょうも1枚作ろうと思ったのですが,顕微鏡照明用のLEDが輝度低下を起こしているのが気になったので交換しました。LEDは電球のように球切れはしませんが,蛍光体の劣化は起きるので徐々に暗くなっていきます。毎日使っていると一年で交換したほうがよろしいです。

交換作業はハンダゴテでちょちょいと終わったのですが,その後が大変でした。はんだ付けで発生した煙の粒子が延々と落下してきて標本製作作業が不可能になりました。。絶妙に小さな粒子で室内に侵入する黄砂よりちょっと小さいくらいです。未だにこんな馬鹿げたミスをするのですから救いようがありません。作業は早々と切り上げて,豪華な夕飯を作ることに時間を費やしました…(画像/MWS)。









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