画像のご利用について   サイトマップ





本日の画像

ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


【2022年】  1月  2月  3月  4月
【2021年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2020年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2019年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2018年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2017年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2016年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2015年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2014年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2013年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2012年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2011年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2010年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2009年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2008年】  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
【2007年】  9月  10月  11月  12月

【今月にもどる】 




『珪藻美術館』(福音館書店) 好評発売中!
 



『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』
(たくさんのふしぎ傑作集)

 奥 修 文・写真
 福音館書店,48ページ,1300円+税 
もらったら嬉しい気持ちになる科学絵本です。大人でも子どもでも楽しんでいただけます。プレゼントにも最適です。全国の書店やネット書店,amazonさん などでお買い求めいただけます。





2022年4月30日




ネット販売で珪藻や放散虫のプレパラートを売る,ということが本当に「仕事」になるのかはやってみなければわかりません。まいにち筆者が遊んでるだけで世の中からまったく相手にされないことも想像されます。それにもかかわらずこんな変なお店をはじめたのは自分の能力的にそのくらいしかできることがない,と自分では思い込んでいたからです。ある研究者に言わせると,どこにでも就職できる能力がありながらどうして就職しないんだろうね,ということなのだそうで,そのように影で噂されていた話が知人経由で伝わってきたこともあります。しかし本人の認知は歪んでいてそう思っていないのだから仕方ありません。

ただ,そういったやや投げやり的な思考のなかでも,やるからには本気であったことも事実です。開業するまで一年半,ほぼ無職(大学非常勤講師のみ)の日々を過ごしましたが,どんな仕事をしようか毎日考えて設計図を作っていました。一人で個人的にやる仕事だから資金が尽きなければそう簡単には潰れないだろうとは思いましたが,世の中からまったく相手にされないのなら存在価値はありません。他方,顕微鏡のテスト用標準となるプレパラートが世の中に流通していないことも事実でした。ニーズは間違いなく存在するはずなのです。

なぜ珪藻を売るのかというと,それをみて感動する方々がおられることを想定しているからです。かつての筆者のように。こんなにも小さくこんなにも精密なものがこの世に存在しているんだ,ということをこの目で確かめた瞬間は,多くの方々が何らかの形で感情を揺さぶられるだろうと思います。中には美しいと思う方々もおられるでしょう。

人々はどんなときでも美なるものを求めてきました。たぶん人間が感じる美なるものというのにはある程度の普遍性があって,どんなに時代が変わろうとも,必ず一定の需要があります。そしてその美なるものの中に珪藻も含まれるだろうと考えました。時代はどのように変わるかはわかりません。たとえ戦争が起きても美術品の取引が止まることがないように,戦時下でも珪藻を必要とする人はいるだろうな,そういった極限的なことまで開業前に想像していました。

じっさいに開業してみれば,大震災,疫病の流行,戦争,いろんなことがやはり起きたのでした。しかし,珪藻や放散虫には一定の需要がありました。15年前に予想していた通りです。科学絵本として出版された『珪藻美術館 ちいさな ちいさな ガラスの世界』(福音館書店)は世の中に広く受け入れられ,多くの方々から美しいとの評価を頂いています。

開業当初は泥をすくってちまちまとした作業をしている筆者をままごとのようだと鼻先で笑った人も何人かいました。最近は,こちら でも紹介され,筆者の一連の取り組みが「仕事」として認定されたような気もしています。有り難いことですね。

きょうの画像は佐渡の珪藻土に入っていた放散虫リクノカノマです。泥に埋もれていれば誰にも見えませんが,きれいに洗って標本にすればだれでも放散虫のガラスのきらめきを見ることができます。大事な商売道具(原料)ですがこういった生物が存在してくれていることに感謝したくなります(画像/MWS)。








2022年4月29日




きのうの記事をお読みになった読者の方から「このスタンスで末永く続けて欲しい」というような応援メールを頂戴しました。ブログですらない,見つけるのも容易でない本ページを探し出し,日々の読者になっていただいただけでなく,お便りも頂戴できるとは恐縮です。メール返信の代わりにこの場で感謝申し上げます。同時に,日々訪問下さっている皆様にも感謝でございます。

筆者がHPに固執してツイッター等に手を出さない理由はたびたび書いてきましたが,プラットホームそれ自体が偏りのあるもので,そこに出入りする人物も怪しい人がたくさんで,もしツイッターなど始めようものなら歪曲された質の低い情報に翻弄されて無限に時間を消費してしまい脳みそも悪情報に浸食されていくことと思うからです。

たとえばアベノマスクのカビの報道がその一例。毎日新聞が報じた記事だけを見ていれば正しい情報にアクセスすることができ,このマスクの契約の不透明さと相まって,もうちょっとどうにからなんのかね,という至極当然の感想を持つに過ぎません。ところが,これがツイッターの手にかかると, こんな ことになってしまいます。ネトウヨ的な素養を持つ方々が心の奥底に「毎日新聞を攻撃したい」との思いを秘めていて,ここぞとばかりにあらゆる想像や歪曲を駆使して,「事実をねじ曲げる」ことを行い,数の力で世論を変えてしまいます。そしてこういった現象には,特定の政党が公金を投入して情報操作活動している可能性がきわめて高いのです こちら 。だからなんとなくSNSを眺めているだけで特定の意図による歪んだ情報を飲み込まされることになるのです。

デジタルネイティブな世代は最初からこのような劣化した情報が「正しいもの」と誤解して接していますので,ツイッターのようなネトウヨ養成装置に育成されて偏った考え方を身につけている可能性もあります。本ページの読者には少ないですが30代より若い人は要注意ですね。残念なことです。虎ノ門ニュースが正しい情報源だと思っている若い方に会ったことがありますがもはや宗教に染まった思考形式なので救済の方法が思い浮かびません。筆者は選挙権を持つ前から政治ウオッチングを続けていますので,日本の政治の劣化,統計などの情報の操作,事実の隠蔽,あったことをなかったことにする改ざん,などの劣化にほんとうに嫌気がさしています。

ので,個人が自分の意見だけを記していくHPでえんえんと勝手な考えを書き連ねるのです。なお古くからの読者はご存じと思いますが,本ページは一回書いたら間違っていても修正しません。そのときの自分の認識だからです。都合のよいように勝手に不都合なことを消すのは阿呆のやることです。人間誰しも間違えます。それを認めた上で過去の発言を勝手に改ざんすることなくそのまま残すのは信用維持のためにも正しい方法と確信します。

きょうの画像はそんな話題とはまったく関係のない,カバーガラスのカット用の道具。Jシリーズやバルバドスニセ散布スライドなどでは約9x9mmのカバーガラスを使っていますが,これは自分でカットしているのです。以前はマツナミさんから特注で購入していましたが,厚さが0.17mmではないので(0.145mmくらい),DL-TESTには不向きでした。ので,カールツァイス社のハイパフォーマンスカバーガラス0.170±0.005mmの18x18mmのものをカットしているのです。

カバーガラスをプラスチックの定規で押さえてダイヤモンドマーカーで傷を入れます。その傷を下にしてゴム板の上に置き,傷の部分をステンレスの定規で押すと「ピン」という音とともに傷の方向にガラスが割れます。そのカバーガラスをFontaxのNo.3のピンセットで拾い上げてケースに移します。新品のカバーガラスにはガラスの粉が乗っていることがあります。これをそのまま取り扱うと表面にヒケ傷が入るもととなります。清拭して取り除きますが完全ではありません。

カバーガラスだけきれいでもスライドグラスが傷だらけだったら顕微鏡で覗いてきれいな視野にはなりません。ので,あわせてスライドグラスの研磨も行いました。これもけっこう原始的な方法で,研磨パッドを作りガラス面を手研磨するという作業です。かなり力を込めて研磨しないといけないので1日10枚が限界です。手がやられます。以前,電動で研磨したこともあったのですが,研磨パッドが最適なものにできなくてあきらめました。相性がわるいとスライドグラスが傷だらけになります。

そんな家内制手工業の作業をへて,顕微鏡のテストプレートやJシリーズは生み出されるのです。こんなにレベルの高いものはひろい宇宙の中でも滅多に見かけないものだろうと思います。そしてそのことがわかるのは,顕微鏡を完璧に使いこなす人たちだけです。ので,DL-TESTやJシリーズを多数販売しても,そのレベルに言及してメールをくれる方々はごく少数です。そして筆者は,そのごく少数のメールを受け取るだけで,「ああ,この人は顕微鏡を高次元で活用されておられるんだなあ」ということが瞬時にわかります。本日の画像の読者とのやりとりも有り難いものですし,標本のインプレッションをお知らせいただくのも有り難いことです。なぜなら,「職人」という人種は,自分の仕事の完成度を極度に気にする人たちだからです(画像/MWS)。








2022年4月28日




こんげつの記事は料理が多すぎだろ!と思った方々も多いかもしれません。本ページは基本,顕微鏡や珪藻や微化石に関心がある方々向けに書いているわけですが,なぜか読み物として毎日アクセスしている方々もおられます。そしてなぜかウケがいいのが研ぎの記事だったり料理だったりするのです…。世の中の片隅で職人としてひっそり暮らしている筆者ではありますが,職人というのは「生き方」でもあって,随所に「こだわり」が発生するのです。ご近所に大学教員にカモフラージュした職人がいらっしゃるのですが,やはり「あらゆる分野で」異常な詳しさが発生していて,たまに紹介してもらう品々も筆者を唸らせるものだったりします。

…ということで,世の中の平均的なくらしをしている方々は,針が振り切れた自由人の暮らしをしている職人の生活をのぞき見て,それが面白かったりするのかもしれません。まー確かに,東京に暮らしながら筆者のようにホタルイカに執念を燃やす人は滅多に見かけないだろうと思います。これを書いているいまも,スーパーオオゼキの最高級富山湾産ホタルイカのぷっくりとしたヤツを15匹,口の中に放り込んだところなのです。

ふつうの暮らしをしている方々が日々,顕微鏡画像が更新される本ページを見ると,「難しくて分からない」ということになるのだそうです。筆者としてはうんと簡単に説明しているようなことでも,分野が異なればそういったことになってしまいます。これは仕方がありません。でも,「食」の問題は人類共通です。誰でもおいしいものを食べたいし,健康になりたいし,料理がうまくなりたいのです。ので,本ページとしても,筆者の日々の活動である料理をのせても,それは職人の生活の一端の紹介でもあり,読者の皆様の健康を願う意味でもあり,アイデンティティとしては顕微鏡の記事を載せているのとさして変わらないのです。

そしてさらに面白いことに過去20年以上の経験を記せば,顕微鏡の技量が高い人,本ページを見るなどして顕微鏡の技量が上達した人,本ページを趣味で毎日読んでいる人などで料理をしない,料理が下手でできない,という人に出会ったことがありません。皆さん料理好きで様々な工夫のできる方々です。これは一部例外を除きほとんど男性のことです。

だから,というのは言い過ぎかもしれませんが,料理記事に興味を持つ読者もおられるかも,と勝手に考えてこうなったりもするのです。ここで大事なことは,本ページはSNSとは無縁なこと。もし本ページの毎日の記事をツイッターで流したら,それなりのフォロワーがついて,それなりのいいねがつくことでしょう。でもそんなことに何の意味も感じません。皆無です。「貴方は,いいねの数で生き方を変えるの?」と思ってしまいます。個人的には,それは平均的人間に迎合して個人の生き方を変える最悪な方法と感じます。本ページは筆者の考えで日々更新していき,そこに独自性があり,頑固でダメダメな人生を送っている職人の恥ずかしさが開示されています。あとあと「あいつはバカだったなー」と思われても,それは筆者がリアルの場で築いてきた人生です。得体の知れないバーチャルではありません。それでいいじゃないですか(画像/MWS)。








2022年4月27日




カミさんはけっこう激務で朝早く出て行き夜もけっこう遅く帰ってきます。ので,兼業主夫たる筆者はカミさんの負担が最小限になるようにゴハンを作って待つことになります。そのむかし,「玄関開けたら二分でごはん」というテレビCMがあったような気がしますが,当室の場合はその気になれば,玄関開けたら30秒でゴハンが可能です。海藻,野菜,の順番に食べるのでその間に主食などの加熱時間ができます。近年はコロナ騒ぎのこともあるので,夫婦別々に食事をすることも多く,平日はきょうの画像のような和定食A?を準備して待つことも普通です。

そんなわけで筆者は二人分の食事を別々に作ることが日常でけっこうな負担なのですがもう慣れました。毎日,後片付けの時間も含めれば2時間くらい台所作業をしています。料理のほとんどは素材から作りますし,けっこう手の込んだものもあるので時間がかかります。素材はカミさんが買ってきて冷蔵庫に放り込んだものに束縛されているので自由度は低いですが,それらの食材を見てメニューを考えるのは頭を使うよい時間です。筆者は基本,料理を作るのにレシピは見ません。その代わりに,顕微鏡デスクに向かっているときには息抜きがてらいろんな料理サイトやyoutuberの情報を眺めています。それらの情報はきっと何かの役に立っています。

まいにち2時間以上もの時間を台所作業に費やしている理由のもう一つは,これがけっこうストレス解消になるのです。大量の食材を前に,これをおいしく消費する「最適化」を考えるのは脳みその訓練みたいなものです。刻みものを正確に行うにはよい包丁,高度な研ぎ技術が必要です。鶏肉一つ焼くだけでも言葉に尽くせぬくらいの方法がありますし試行錯誤を経てきています。毎日の経験を積み上げてよりハイレベルに向かっていくという作業を際限なく追求できるのが「料理」という作業です。

この表現は大げさでもなんでもありません。よろしければ こちら の動画をご覧になって下さい(*1)。91歳になっても微塵もボケを感じることもなく,溢れる創造力と確かな技術。この人は本当に大変なお方です。料理はボケ防止にも有効とのことですが( こちら と こちら),91歳の料理人がかくしゃくとしているところを見ると,本当にそうなのだろうと思う説得力があります。

脳みそは使うし,身体は動かすしでよいことだらけなのが料理や台所作業です。寒い冬はお湯で手を温めることもできますし夏は水で手を冷やせますし,物理的にもよいことがたくさんあります。もちろん栄養学的にも,いろんな食材を扱えばよいことばかりです。

当室ではサラダ油の類いを買うことがなく,油類はごま油,バター,オリーブオイル(たまに)しか在庫がありません。なぜ買わないのかというと,あるとき不要なことに気づいてしまったからなのでした。天ぷらは作りませんし,油炒めの頻度もひじょうに少ないので,サラダ油は不要なのです。炒め物のほとんどは油を使わなくてもできますし,素材の油を活用すればよいことも多いです。

その一例がきょうの画像に写っている鶏のしょうゆ焼きとナスの炒め物。鶏もも肉に脂身が多くついていたので,これを丁寧に剥がします。鳥皮にも脂が多いので一部を切り取ります。鶏肉はしょうゆに漬け込んでおきます。剥がした脂と鳥皮はテフロンのフライパンで弱火で熱して脂を搾り出します。そこに小ぶりのなす5本(4分割)を投入してフタをして加熱します。これをコショウ,すり下ろしショウガ,しょうゆで調味して皿にあけておきます。そうしたらテフロンの小鍋にしょうゆに漬け込んだ鶏肉を皮目を下にして置き,弱火で加熱します。アルミホイルでゆるいフタをします。皮目によい焦げ目がついてきたらひっくりかえしてさらに焼きます。両面に火が通ったらすぐにお皿に移します。フライパンには鶏肉から出た脂とうまみが残っていますので,先のナス炒めをもういちど放り込んで強火で加熱して,ナスを置いておいたときに出る汁気を飛ばすと同時に鍋に残った鶏油とうまみを移します。汁気が飛んだらできあがり。この操作は鶏を焼いたフライパンの掃除も兼ねています。

このようにすれば脂(油)を買わずに料理ができゴミも減らせますし料理の味は向上します。脳みそを有効活用できますし,ナス炒めを落ち着かせている時間で鶏肉を焼き,なす炒めの汁気と鶏肉焼きの脂を足し算して効率的に時間を使うこともできています。そして隣の部屋からは,調理法も何も聞いていない人から,「ナス,うまーい」というつぶやきが聞こえてきて,きょうの発案はよかったかな,となるのです。

素材面でみても料理を作ることはよろしいです。きょうの画像で使っている食材は,鶏肉,砂肝,ブナシメジ,ピーマン,ナス,ショウガ,小松菜,こんにゃく,しらす,タマネギ(生),キュウリ(生),湯通しわかめ,コンブ,もずく,ミョウガ酢漬け,リンゴ,七味唐辛子(特注品),日本酒(一ノ倉),藻塩(男鹿),しょうゆ(宮城),マヨネーズです。一食で16品目の食材を食べることができ,お肉,魚,野菜,きのこ,海藻も摂れるので健康維持に役立っていることは間違いないでしょう。健康維持になり,ボケ防止にもなり,ストレス解消にもなる。これを継続しない理由がありません。

でも問題が一つあります。カミさんは大喜びで食べてくれますが,たぶん筆者の料理を食べたいと思っている人がほかにも全国に数人くらいはいらっしゃると思います。まったく個人的な考えですが,その方々のなかの「女性」に限定して,ゴハンを食べに来てくれないかな〜,などと思ったりもしています。一夫一婦制では難しいですが,筆者が幸せにしたいのはカミさんだけではありません。激務で疲れ果てている女性は世の中に山ほどいます。そんな方々に,「ゴハンできてるよー」とゴハンを提供して,ぱくぱくと食べている姿をニコニコ眺めていたい気がするのです。

うーん進む道を間違えたか。来世では健康志向の「砂糖を使わないのにおいしいおかず」というお店を開くことにしましょうか(画像/MWS)。








2022年4月26日




きんじょのスーパーは土日に魚の売り出しをするようで平日には入らないものが並んでいる(カミさん談)。ので,土日はずっと魚を食べ続けることとなる。魚は身体には大変よろしいので習慣になるのはよいことです。ぜひ「よしや」さんと「ハナマサ」さんには今後もがんばってもらいたいところです。きょうの画像は直近の週末のお刺身。キンメダイの湯引き,オナガダイ,カサゴ,ブリです。これを酢飯にのっけて即席寿司にして食べてしまうのです。寿司屋でこれだけ食べるとサイフが大変なことになりますし,オナガダイとカサゴはよほど店を探さないと入荷していないでしょう。自宅でならお財布にも優しく好物の白身魚をたらふく食べることができます(画像/MWS)。








2022年4月25日






セリとえのきはざく切りにしてフライパンで酒,しょうゆで炒りつけます。水分がなくなったら仕上にごま油をかけてできあがり。あるいは,最初からごま油で炒めて酒,しょうゆで調味してもよろしいです。山菜ときのこの組合せはとても会うのですが,えのきとセリは出会いものといった感じのうまーいおかずになります。これ,中年オッサンだからこんな枯れたものを作って喜んでいるのではありません。こういったものは子どもの頃から好きだったのですよ。小さいときにはまっくどなるどなんて行っていないで,野菜でも魚でも本当に美味な素材をなるべく簡素な味付けて食べるのがよろしいかと思います。好きな物が増えて人生が豊かになるような気がします(画像/MWS)。








2022年4月24日






たまに修行のようなことをやりたくなることがあります。昨日と今日がその日だったようで,二日で5パックのこんにゃくを糸こんにゃくにしました…。一個のこんにゃくを5枚にスライスしてからイカそうめんのように切ります。きのうは巨大こんにゃくを2パック。きょうはこんにゃく3パック。どんぶり一杯の糸こんにゃくです。

切ったらよく水洗いして水切りします。それだけでもあくはずいぶん抜けます。フライパンで日本酒,しょうゆを加えてぐつぐつ煮込んで汁気を完全に飛ばします。そうしたらごま油と七味唐辛子を加えてまぜればできあがり。なんていう料理なのかは知りません。小学生の頃からこんにゃくが好きでこんな感じのものを食べていました。それを大人になって再現しただけです。

これがまことにおいしいものでして,たくさんあっても結構ぺろっと食べてしまいます。大して栄養がないので健康によいのか悪いのかは知りません。。わざわざ修行せずに糸こんにゃく買って作った方がラクだろうとは思いますが,お気に入りの銘柄のこんにゃくをカットした方が味はよいような気がします。当室の冷蔵庫には保存食品として常にこんにゃくが転がっているので,兼業主夫でもある筆者は包丁を振るいながら茶色くておいしいおかずを生み出し続けるのです(画像/MWS)。








2022年4月23日




なんの影響だったのかはまったく思い出すことができないのですが,幼少の頃から「実験」が大好きで,「実験器具」も好きでした。ビーカーとかシャーレとか,ガラス器具が好きだったようです。中学生の頃は,顕微鏡は持っていましたがスライドグラスとカバーガラスがほとんどなかったので,そこいらへんのガラスをカットしてスライドグラスを作ろうとしたりもしていました(失敗)。高校生の頃は化学クラブで水質分析をやっていてホールピペットなどを買ってもらって嬉しく楽しく使っていました。大学や大学院では自分専用のピペットセットを持っていて誰にも貸しませんでした。定量分析では再現性が求められるので,常に同じガラス計量器を同じ条件で使い続けました。

こうして振り返ってみると,筆者はガラスが好きだったのかもしれません。そういえば「レンズ」も大好きです。硬くて透明で透き通ったもので安定なもの,そういったものが好みなのかもしれません。。

きょうの画像は海綿骨針です。海綿の仲間はシリカの骨針をつくるものがいて大昔から生息しています。この骨針がまるで精密なピペットのようなガラス管なのです。そして微細構造も何もないこの単純なガラス管を眺めていて,なんか,魅了されるような気分になるのです。ガラスというのは人を惹きつける何かがあるんでしょうか(画像/MWS)。








2022年4月22日






まるっこい球状放散虫の仲間には,中身がからっぽにみえるものもありますが,二重三重の殻が内部に存在しているものもあります。その内部構造を見るには外側の殻を割ればいいのですが,これ,そんなに壊さなくてもいいのです。すこし欠けて隙間ができているようなものなら結構内部が見えます。そのことを示したのがきょうの画像で,最外殻がすこし壊れていますが,そこを正面に持ってきて内部にピントを合わせれば内側の殻構造がはっきりと見えています。このようなことがあるので,殻が壊れた放散虫は壊れた面が観察できるようにマウントすることもしばしばです(画像/MWS)。








2022年4月21日




このページは原則として同じ話題は繰り返さないようにしていますが,まいにち更新している本ページも十何年目になり,むかしからご覧頂いている読者と,『たくさんのふしぎ』出版後からの新規加入群の読者の方々とか,いろんな方々が混在するようになってきた感じで,新規の方々はむかしのページまで全部を通読することは少ないと思うので,過去に掲載した話題を再度触れてもいいかな,とも思っています。教育というのは大事なことを繰り返し伝えることが重要です。

で,その重要話題が「ポン酢しょうゆ」です(笑)。ニッポンには世界に冠たる調味料,ポン酢しょうゆがあるわけです。加熱した野菜にかけてもいいし,豆腐にかけてもいい,しゃぶしゃぶしたお肉でもいいですし,生野菜でもOKです。海藻類との相性は抜群ですし,白身魚の刺身ともあいます。まったく偉大な発明です。

偉大といいましたがその意味は守備範囲の広さです。日本の代表的な調味料としては塩,しょうゆ,味噌がありますが,ではしゃぶしゃぶのお肉に塩,しょうゆ,味噌,刺身に塩,しょうゆ,味噌,となると会う会わないの問題が出てきます。海藻類にしょうゆだけではだるい味のこともありますし,加熱した温野菜にしょうゆだけというのも,病明けにはいいかもしれませんが,味気ないですね。ところが,ポン酢しょうゆはこういったものをみんなカバーしてしまうのです。素材と合わさることによって味覚の要素,甘酸苦辛を満たすのかもしれません。

ポン酢しょうゆは,むかしはミツカンポン酢としょうゆを混ぜたり,ゆずを搾ってしょうゆを加えたりして自分で作っていたものですが,21世紀に入りひじょうにハイレベルのものが流通するようになってから,当室では馬路村の製品を贔屓にしています。もう15年かそれ以上,愛用している気がします。きょうの画像の製品です。15年前は売っているところが少なく,探さないといけませんでしたが,最近は勢力拡大したようでいろんな店舗で販売されているようです。

この製品はとにかくバランスが最高です。へんな後味が残らないのですっきりしていますし,それでいて深いうまみもあり物足りない感じもありません。酸味も尖っているわけではなく,それでいてしっかりしていて,何にでも使える万能調味料です。油を加えてドレッシング風にもなりますし,シソやミョウガ,ショウガなどの薬味と用いて相乗効果を発揮させることもできます。海藻類,温野菜との相性は特筆すべきかもしれません。

これと同等,これ以上かもというポン酢しょうゆもたぶんあります。すこし前に会津の京子ちゃんから送られてきたゆずポンしょうゆは最上級のものでした。ただ,東京ではまったく見かけません。ポン酢しょうゆ論争は以前からあった気がしますが,最近では こちら にまとめられています。

ということで,この情報を初めて知った方は,この全国ブランドとなった馬路村のポン酢しょうゆをぜひお試しいただきたいと思います。沖縄産のもずくにかけて食べてもいいですし(かけたらすぐに食べて下さい。浸透圧の関係でもずくが縮むので),ミズダコとキュウリとワカメをポン酢しょうゆで和えればさっぱりとした明るい味で一日の疲れもどこかに行ってしまうというものです。

たった調味料一本のことですが,本当によいものに出会うと人生が変わります。本ページは読者に有益な情報をお伝えして全人類のQOLをあげることを目的に毎日更新されています。読んだだけで何もしなければ決してQOLは上がりません。ぜひ高知県・馬路村(*1)が生み出したポン酢しょうゆをお試し下さい。そこから世界は広がります(画像/MWS)。



*1 なぜここの調味料が全国ブランドになりつつあるのか。これは一考に値する気がしています。ふだん一切,砂糖や甘いものを食べず,味覚を研ぎ澄まして素材の味わいを重視する筆者が,甘くない,くどくない,後味がよいと思う製品を開発できたのは何故なのか。それは高知県の方々の味覚が優れていたからだと思うのです。学会出張などで高知県にはたぶん十泊くらいお邪魔したことがあります。いろんなものを買い食いして,また,お世話になっていた先生に寿司屋にも案内していただきましたが,とにかく素材がすばらしいのです。沖ボラもウツボもカツオも,野菜も,現地近くのものはみんなおいしいのです。東京の,輸送により劣化した食料品に必要なポン酢しょうゆは味の濃い調味料で食べさせるものの感じでしょう。でも,高知県馬路村なら,素材はそのまま食べてもおいしいものばかりなので,都会で必要になる濃いレシピは不要だったのでしょう。そんな感じもします。




2022年4月20日




ホタルイカは富山湾産が最高,なのかもしれませんが,それは産地から遠く離れた消費地でのお話。日本海側の現地ではどこでも優良なホタルイカが水揚げされていることでしょう。きょうの画像の産地はどこだかわかりますか? 兵庫産です。富山湾産と並べれば違いがわかりますが,鮮度も処理もよく有り難くいただきました。生鮮食料品は日々ものが変わりますので,固定観念にとらわれることなく「おっこれいいな」という自分の目を信じて購入してみることも大事かもしれません。

カミさんは買い物担当ですが,新婚当初は魚にはまったく詳しくなく,種類もわからないし鮮度も見抜けませんでした。それで「安い」ものだけを連れてきたのですが,筆者の胃腸は最悪の攻撃を受けて大変なことになりました。これでは生きていけないと,カミさんの首根っこを捕まえて,御徒町の吉池や他の店舗に連れて行き「鮮魚実習」を行いました。鮮度の見抜き方,養殖魚と天然魚の見分け方,魚種について,干物の選び方,いろいろ現地実習しました。

その結果,筆者が胃痛で苦しむ回数は激減し,優良なお魚が次々に入荷することになりました。それらのお魚は筆者が調理して上卓することになるので,自分で購入した魚がうまかったフィードバックがかかり,さらにうまい魚を購入できることになるのです。今ではふつうのひとはあまり買わない「ヒラスズキ」「オナガダイ」「チビキ」「ハタ」「クエ」「スジアラ」「ホウボウ」「イサキ」「アイナメ」「モンゴウイカ」「ブリ」「ヒラマサ」「カンパチ」「ボラ」などのサクや半身が常時入荷し,誰でも買う「メバチ」「アジ」「マイワシ」「スルメイカ」「キンメダイ」も入荷してニッポンの魚食文化を一ミクロンでも支えるようなことになっています。今ではものによってはカミさんの方がよい魚を選べるかもしれません。

ことほどさように教育というのは大事なのです。筆者が行ったことは,20年前に魚屋に行って選び方を指導したこと。あとは日々の食事で,これはダメ,これはよかったね,というのを説明すること。極端にダメなものの場合はパックをあける前に説明すること,そしてそれを実際に食べて評価すること。そんな感じです。毎日の食卓が日々,品評会になっているといってもいいかもしれません。

こんな感じの暮らしをしていると,あーあそこの店はお肉が間違いないなーとか,お野菜はこっちの店だなー,とか,刺身は数店舗回ってここだよなーとか,そんな感じになります。それで巡回する店が決まり,安定して良好なものが入手できるようになります。筆者もデータを与えましたが,それを活かしてスーパーを開拓したカミさんも大したものです。ま,夫婦というものはそーやってお互いの足りない点を補って暮らしていくものです(画像/MWS)。








2022年4月19日




ここ数年になって「乗り鉄」「撮り鉄」「音鉄」などの専門用語(^^; が一般市民にも少しずつ浸透している感じです。本ページにも定期的に鉄道画像が掲載されるので疑い深い読者の方々は,MWSの中の人はひょっとして鉄ちゃんなのでは? などと思っているに違いありません。そこで筆者の鉄道経験を振り返ってみると,うーん,保育園の頃は以前にもお話ししたように自家中毒症(アセトン血性嘔吐症)でゲロゲロしていてお休みばかり。小学生になっても2年生くらいまでは休んでばかり。そしてそのときに買ってもらった小学館の鉄道図鑑,おおおばに買ってもらったNゲージ(EF-65),これを眺めていたのですね。

当時は八高線沿線に住んでいて,はじめての遠足(青梅鉄道公園)なのに自家中毒になりゲロゲロしていました。みんなは八高線にのって遠足に行くのだろうなぁと,自宅から線路を眺めていました。そうしたら通りがかったキハ20系の窓から,みんながこっちに向かって手を振っているではありませんか。病気が回復して登校すると青梅鉄道公園の鉄道車両下敷きが机の上にのっていました。四十数年前の出来事ですけれども忘れられません。粋な計らいをしてくれたS先生は思慮の深い人なのだなあと,中年オッサンになってから気づきます。先生,お恥ずかしい限りです。これからもまじめに生きていきます。。

その頃から鉄道はなんだか好きでした。理由はわかりません。のるだけでわくわくしたものでした。ただ,体が弱くて乗り物酔いしやすい体質だったので,はじめてのった地下鉄千代田線でくたばってしまい金町の親戚の家で横になったりもしていました。小学校6年生になって,どこか遠くにいってみようということで,同級生と八高線で八王子→高崎→高崎線経由→武蔵野線→八王子などということもやってみました。乗り物に弱い筆者は,高崎でだるま弁当を食べた辺りまでは好調でしたが,八王子駅に帰ってきたことはゲロゲロで,駅のトイレでさんざん吐いてからバスに乗って帰宅しました。筆者は自家中毒で幼少の頃から吐き慣れているので,そこいらへんに突然嘔吐することは希です。つねに着陸地点を意識してトラブル時には緊急着陸するキャプテンと似た感じで,常に安全な嘔吐地点を探しているという幼少の頃の人生でした。

小学生に撮り鉄という概念はほとんどありません。当時残っている写真も110フィルムという,今の時代の人はほぼ知らないものです。

中学生の頃になると遠くに行きたくなって時刻表ばかりを眺めていました。家出したかったのですね(笑)。中学生くらいの頃は,一日で東京から九州の荒尾駅までいけました。実行しなかったけど。いまはどうですかねー。

きもったまの小さな筆者が家出できるはずもなく,それでも遠出したのが親戚のいる仙台でした。当時は新幹線開業前で,どうやって仙台までいくかというと,上野発仙台行きという客車普通列車があったのです。八王子の自宅からだと上野の始発に間に合わないので松戸の親戚宅に泊めてもらい,松戸から乗車しました。あさとても早いのに松戸の親戚はサンドイッチの昼食を準備してくれていました。子どもには想像できない大人の温かさです(涙)。

仙台ではほんとうによくしてもらい,一生忘れられないような経験をしました。婆様には松島に連れて行ってもらいました。そのときに,唄が趣味だったおじから,当時は珍しかったポータブルのカセット録音・再生機をもらい,狂喜乱舞してカセットテープを購入して,仙山線のレールジョイント音を録音しました。いま振り返るとここに「音鉄」の要素が見られます。。このテープはいまでも残っていて,70系電車だったかな,の音を聞くことができます。

その仙台からの帰りは,これがメインなんですが。『L特急ひばり』での帰宅です。いまではL特急という名前も知る人が少なくなりましたが,本線を代表する定時(00分,15分,30分,45分)出発の特急列車だったのでした。当時は食堂車もあり数時間の旅に必要なものがコンパクトに詰め込まれた感じのもので,在来線なので高架を走ることもなく,沿線の風景を楽しみながら,沿線の地理,文化,いろんなことを学べる貴重な機会なのでした。

もちろん録音しました。でも,筆者はむかしから,大事なときに邪魔が入るというジンクスを抱えているので警戒していました。最後尾の車両の最後尾の席で静かに録音しようとテープレコーダーをセットしていたのに,途中から隣席に子連れのお母さんが乗ってきて,子どもさんが暴れたりして大変でした。でも子どもさんは暴れることが商売なので,今おもえば仕方がないことだと思います。

撮り鉄,というのは鉄道を撮るためにわざわざ出かけるとう動作を伴うはずなので,その観点からいえば,筆者のはあんまり撮り鉄ではない感じもします。八王子駅100周年記念のときに,八高線にD51 498を走らせましたが,このときは土地勘があるのでかつて住んでいたところまで自転車を走らせて雨合羽を着込んで撮影しました。今から20数年以上むかしの出来事です。当時の撮り鉄はマナーがよく,一番乗りで特等席にいた筆者に何らの文句はなく,「私はここですから,あなたはここですねー」という感じで,十数人の撮影隊の配置は自然に組み上がりました。なんのトラブルもなかったです。

…ということで,筆者は音鉄,乗り鉄,撮り鉄の気分をそれぞれに中途半端に体験しているのですが,その後深入りすることはありませんでした。その理由はじつに単純で,お金がなかったからです。音鉄の乗り鉄も「乗らないと商売にならない」ので,お金が必要なのです。でも小学生時代に400〜800円/月,中学生時代に2000円/月,高校生時代に5000円/月(いずれも飲食代・本代・教材費・交通費等を含む)では,公共交通機関を使うことすら躊躇しました。それで,「カネがない」という制限因子によって筆者は乗り鉄にも音鉄にも撮り鉄にも「なれなかった」のです。それが良いか悪いかは振り返る必要もないでしょう。時代の変化なので無駄なことです(画像/MWS)。








2022年4月18日




よくじつの体調は前夜に飲んだ日本酒の銘柄と密接に関係しています(笑)。そのことに気づいたのが大学院生の頃。万年不眠症だった筆者が寝酒を覚えてすこしは寝られるようになったころです。当時はI正宗,高尾錦,八重洲といった銘柄を飲んでいました。どれもだいたい同じくらいの「重さ」で,一合半くらいを飲んでいました。どんなに多くても4合弱まで。

あるとき剣菱を飲んでみました。翌日は後頭部が破壊されているのではないかと思われるほどの頭痛。それで思い出しました。大学4年の頃に乗船実習に剣菱を積んで皆で寝る前に飲んでいました。翌朝は激しい頭痛。当時はそれを船酔いだと勘違いしていて,期間中毎日起こる激しい頭痛に耐えていたのでした。その頭痛と一緒なのです。それで頭痛原因が剣菱だったと知るに及んで,日本酒の銘柄には警戒するようになりました。それまでは何でも飲んでいました。

体調に影響しない優良銘柄はこれまでも紹介してきましたが,震災で失われた酔仙がもっともお気に入りでした。これがなくなったので困っていたところ,一ノ倉無鑑査を見つけてこんにちに至ります。

そんなわけで,知らない銘柄の酒を飲んだら,とりあえず撮影しておくのです。そうすれば,これは翌日ひどかったなーとか,これは大丈夫だったなーとか,学習できるわけです。きょうの画像も今月飲んだ知らない酒。そんなにたくさんは飲みませんでしたが,筆者にとって有害な感じはありませんでした。きっとこのお酒を用意してくれた先生が,筆者の性質も勘案して選んでくれたのだと思っています。有り難いことです(画像/MWS)。








2022年4月17日




めでたく顕微鏡を入手したら,ぜひとも持っていないといけないのがブロアーです。レンズ面,コンデンサの上面,標本,鏡筒内部のプリズム表面,フィールドレンズなど,顕微鏡に存在するたくさんの光学面にはチリ,ホコリが付着します。それをブロアーで吹き飛ばすのです。必ず顕微鏡の横にブロアーが一個は転がっていないといけません。どうしてもブロアーがイヤだという方がいたとすれば,その代わりに「強力な掃除機」でもいいです。使い方は難しいですが同じくらい効果があります。観察前にブロアーをシュッシュしてホコリを飛ばすことはもちろん,レンズ類の清拭前にまずブロアーを一吹きして粗大ゴミを飛ばすのです。

似たものにスプレー缶タイプのエアーダスターというものがありますが,あれは絶対に顕微鏡には使ってはいけません。昔懐かしい公式 PV = RT によって,吹き出してくる気体の温度は非常に低くなっています。これが光学面に熱衝撃を与えるので,ただでさえガラスには応力残存があるのにそこに熱衝撃が加わったら割れる恐れがあります。大昔に何も知らなかった頃,プリズムにエアダスターで吹き付けたら端っこが欠けて飛んでいったことがあります。

ので,そこいらへんの常温常圧の空気を吹き出すブロアーがよろしいのです。筆者は永らくエツミのジャンボブロアーを愛用しています。これと同じものは販売されていないので現在は後継品を探すことになりますが,エツミの製品は信頼できると思っています。むかし,粗悪品のブロアーを手にしてしまい,なんとゴム球内部の付着防止に粉がまぶしてありました。粉が吹き出てくる恐ろしい製品でしたのですぐにゴミ箱に放り込みました。エツミさんの製品ではそんな経験はありません(画像/MWS)。








2022年4月16日




なぜこの虫は自然がほとんどない都会で暮らして,そしてわざわざ何もないマンションまで飛んできて洗濯物に止まるのか。カメムシって洗濯物でよく見かけるんですよね。洗剤の香りを何かと勘違いしているのだろうか…(画像/MWS)。








2022年4月15日




いまコレを食べながら一ノ倉で一杯やって本日の画像を書いているのです…。ことしも富山湾産のホタルイカは好調なようで,近所のスーパーでは「よしや」「しまだや」「オオゼキ」で富山湾産ホタルイカの入荷を確認しています。有り難いことです。

ホタルイカの選び方は見た目がつやつやしていてぷっくり膨らんでいて身にはりがあって,すこしオレンジ色っぽいドリップが見えることといったところでしょうか。ゆで加減が甘くて身が柔らかすぎるものは傷みも早いですしうまみも少ないです。強めの塩でよく茹でたものはぷっくりしていて弾力のある身質になります。オレンジ色は甲殻類のアスタキサンチンだと思いますが新鮮なものはこの脂質が染み出てくるのです。鮮度が失われると全体的に暗い色になって黒ずんできます。

ホタルイカに限りませんが,いっぴき丸ごといただく食材は栄養学的にも優れていると思います。貝アレルギーで貝が食べられなくなった筆者は,春にはホタルイカをバクバク食べて栄養補給をするのです。

このホタルイカ,たまには変わった趣向でバターしょうゆ和えでも素晴らしいおかずになります。作り方は簡単で,深鉢にバターを入れて電子レンジで溶かし,そこにしょうゆ,コショウを入れて再び電子レンジで加熱して水分を飛ばします。これでソースのできあがりです。あとは水気を切った(常温の)ホタルイカを投入してよく混ぜ混ぜします。そのあとに電子レンジの解凍キーなどの弱モードで加温します。40〜50゚Cに温めればじゅうぶんです。フライパンで炒めて作るものとはひと味違うジューシーな味わいです。

もう一つおすすめはわさびと食すことかな。チューブ入りのわさびではありません。わさびの根っこをすり下ろしたやつです。これの明るい香りとホタルイカの風味はじつにマッチする気がします。刺身などについてくる小さなわさびパックは砂糖入りなので不自然な味です。すり下ろしたわさびがいいのです。しょうゆはつけません。ホタルイカのシーズンはわさびが伸びて花が咲く頃です。葉わさびも合いそうですね。試して見たいなぁ(画像/MWS)。








2022年4月14日




ラベルを貼り間違えると大変なことになるので作ったスライドを顕微鏡で確認することが必要となります。とくに多種類のスライドをいちどに作ったときなどは,作った順番などでラベルを貼ると思わぬミスを引き起こすことになります。検鏡作業はスライドの種類がわかればいいので100倍で観察できれば充分です。そのために巨大な顕微鏡を使うのは愚というものです。作業スペースも減りますし。

そこで登場するのが携帯顕微鏡H型です。これほどスペースを要しない顕微鏡も珍しいでしょう。ラベル貼り作業の横に置いてまったく無理なく動線上で作業できます。省スペースだけでなく作業効率もあがるのです。

携帯顕微鏡H型を持っているという話は結構聞くのですが使っているという話はあまり聞きません。活用している方々はほぼ博士の学位を持った研究者ばかりです。ニコンコレクターの方々もこの顕微鏡を所有しておられる例が散見されますが活用例は見聞きできていません。もし所有しているだけというなら,それは本当にもったいないです。この顕微鏡は本格的な正立型生物顕微鏡と遜色ない像品質を目指して設計されていて,小さなボディながら素晴らしい像を結ぶのです。

この顕微鏡を欲しいと思ったのは大学院生の頃。それから10年経過せずに転がり込んできました。それから20年くらいの時が過ぎ去りましたが,しまい込んで死蔵するようなことはまったくなく,いつになっても比較的稼働率の高い機材として傍らにあります。ぜひこの顕微鏡をお持ちの方は仕舞い込むことなく,よいサンプルをのせて本来の機能を発揮させてあげてください(画像/MWS)。








2022年4月13日






いろんなものが在庫払底してきてアワアワした状況に追い込まれています。大学院生の頃などは学会講演要旨の締め切りなどが迫ってくると火だるま状態になりつつ原稿を書いたものです。個人事業主になってさしたる締め切りもなく牧歌的な生活ができるかと思いきや,一人で全ての仕事をした上に兼業主夫として5,6品の夕飯も作らなくてはならないという自転車操業状態に追い込まれています。。カミさんの実家は自転車屋さんだったし,筆者は自転車屋さんでアルバイトしていたこともあるし,大学時代はサイクリング部で東日本学生サイクリング連盟にも入っていたので,自転車操業には慣れている…のかな? そんなはずはありません。

きょうの画像は開業当初から販売しているRL-TESTに入っている珪藻,Amphipleura pellucidaです。カバーガラスに散布してマウントメディア(Pleurax)で封入しています。DL-TESTのように並べることもできなくはありませんが,拾い出しの手間が半端ではなく,被殻が脆弱で壊れやすく,またDL-TESTの条件では低コントラストになるので採用していません。この珪藻のようにひじょうに薄い被殻を持つものはPleuraxで封入して最適な条件でマウントされているものが最もよく見えます。

そしてこの「最適な条件でマウントされている」というのがくせ者で,この珪藻はわずかに湾曲しているのでカバーガラスから外れやすく,少しでもカバーガラスから離れてしまったらその被殻は最適条件から外れます。また表裏の問題もあります。表側がカバーガラスにぴったり密着して,かつ周囲にほかの珪藻や鉱物が存在せずといった条件が揃うことは滅多にありません。

さらにまた,顕微鏡上級者の方々はご存じのことと思いますが,「大事なものはカバーガラスの端にある現象」というのがありまして,これは散布時,封入時の物理的な条件によるものだろうと思いますが,不思議なくらい望んだ物体はカバーガラスの端にあります。皆様,散布スライドを検鏡するときは中央ばかりを見ないで全体を精査しましょう。そして端っこの1〜2mmの領域を丹念にみてみましょう。

RL-TESTは油浸で完璧な像品質となる被殻にマーキングを施してあります。その個体を十分な技量で検鏡すれば光学顕微鏡の解像限界に近い約200nmの構造を見たり,イメージングしたりすることができます。過去150年以上の珪藻テストスライドの歴史の中で,検品済みの見える保証がなされたAmphipleura pellucidaの標本は希有なものです。理想的な標本はJ.D.メラーが供給していたことがわかっていますが検品済みかどうかは不明です。球面収差補正を念頭に置いたスライド製作ができるマウンターは世界的にもそれほど多くはない印象です(画像/MWS)。








2022年4月12日






てもちの顕微鏡はたくさんありますが全部,中古市場などから調達したものです。一台まるごと完全な状態で購入することは少なく,鏡基や部品を個別に入手することも多いです。微分干渉顕微鏡は16年ほど前に中古理化学機器屋さんから購入しましたが,ポラライザなどが欠品しており位相差顕微鏡として売られていたものでした。当然,そのような顕微鏡に工具がついているはずはなく,回転ステージの心出しもできない状態だったのでした。

最初はラジオペンチで回してみたりしましたが,よく見ると心出し部分の形状は六角レンチみたいに見えました。ならば話は早いと東急ハンズに駆け込んで六角ネジとナット類を組み合わせて心出し用工具を作りました。それがきょうの画像。回すときに使いやすいようにシリコンチューブにはめ込んであります。使い勝手はよく今でも便利に使っています。

中古品やジャンク品から顕微鏡を組み上げるときにはどうしても欠品の部品や工具を補う必要が出てきます。なかなか困った状況に陥ることもあるのですが,たまにはぱっとひらめいてすぐに問題解決することもあります。そこいらへんの才能と忍耐力のある方ならば中古顕微鏡集めも楽しい趣味になるかもしれません(画像/MWS)。








2022年4月11日




はくないしょう(白内障)というのは,目の水晶体が濁ってしまい光が散乱してよく見えなくなる(主に)加齢性の疾患ですが治療法は確立しています。小さな孔から水晶体にアプローチして水晶体を砕いて吸引除去してきれいに清掃し,そこにレンズの代わりになる眼内レンズを入れるのです。水晶体と異なりピント合わせはできませんので,単焦点レンズが多重焦点レンズを選ぶかといったことになります。像質は単焦点の方が理論上はよいですが代わりに遠近どちらかのメガネ併用となります。多焦点レンズは遠近両用で便利ですが夜間の暗視野条件では理論上,フレア(回折リング)を許容することになります。

白内障になるのは生物ばかりではないようです。顕微鏡に使われているレンズ類は,ガラスそのものが白濁することがある上に,接合レンズの場合は接合部が白濁することもあり,これまでに様々なメーカー,機種で白内障のような症状が報告されています。

白内障が起こる原因は解明されていませんので製造不良であってもメーカー名を公表するのは不適切でしょう。ので,メーカー名は書きませんが,研究用の顕微鏡において複数のメーカーでこの"白内障"を確認しています。それが起こる部位は接眼レンズの接合面,対物レンズの接合面,対物レンズのガラス表面,コンデンサの接合面,実体顕微鏡の中間レンズ,熱線吸収ガラスなど,特定の場所ではなくいろんなところで起こります。

これらのうち修理可能なものはごくわずかで,ヒトの白内障に比べると予後はよくありません。残念なことです。

コンデンサは濁っても観察像のシャープネスには影響を与えませんが,対物レンズから撮像面・網膜までの素子は濁れば像質は劣化します。たとえば当サービスのJシリーズを完璧に清拭して,完全に調整した欠陥のない暗視野顕微鏡で覗いてみて,フレアがひどくてどこが濁っていると感じたなら,それは観察する肉眼の水晶体か硝子体がおかしいのです。硝子体の場合は欠陥が投影されるケースが多くてフレアを感じることは少ないので,大抵は水晶体の白濁が原因と思います。

筆者の経験でも,筆者が完璧にメンテしたある先生の顕微鏡で先生にJシリーズを検鏡頂いたところ,フレアを感じるとのことでした。後日伺うと,右目と左目でフレアの様子が異なるとのことで,目に原因があることがわかったとのこと。そんなこともあるのです。

…ということで,究極の透明度を誇る当サービスの製品は,使い方によっては白内障の進行度合もわかるというものなのでした。。きょうの画像は白内障を起こしたコンデンサ。そのまま使えますがエネルギー的には落ちるわけで面白くありません。拡散板を仕込んで偏斜専用にすべきかなやむところです。

それにしても,人間の白内障は生誕70年以降のものが多いのに対して,顕微鏡レンズ群の白内障は20〜30年でも生じるので,生物ってのはどういった修復機構が働いているのか知りませんが,丈夫なものだなあと思ったりもします。でもワンちゃんだと十数年で白内障になったりするので,生物レンズの耐久性は単に時間ではなく老化・寿命とリンクしているような気がします。正常細胞を維持できるかどうかの問題ならば免疫学的な問題かもしれませんね(画像/MWS)。








2022年4月10日






ことしの桜も都内ではもう終わりです。桜がみたければ桜前線とともに北上しなければなりません。また来年〜ですね(画像/MWS)。








2022年4月9日




ものごとの限界に挑むにはどんなことでも細心の注意が必要になってくるものです。顕微鏡での解像限界撮影もその一つです。低倍率の観察なら何にも気にせず鼻歌まじりに覗くこともできますが,170nmを解像するような限界的なイメージングになるとあらゆることに注意が必要になってきます。顕微鏡の性能をパーフェクトに引き出せるようにレンズや撮影系の状態を保つことはもちろんですし,最良の標本を作ることや撮影条件を見つけることも大事です。それ以外にも物理的な障害をどうやって克服するかという問題もあります。特に大きなものはカメラブレで,筆者はフォーカルプレーンシャッターのカメラは使いません。レンズシャッターか電子シャッターのミラーレスを使っています。

当室は都心に位置していますがいろんなところから振動がやってきます。カメラブレが克服できても,100m離れた建設現場の振動を拾うこともあります。マンションの近隣の室内で誰かが歩けばその振動はわかります。もちろん筆者が発生する振動も画質劣化の原因になります。比較的長時間の露光を必要とするときは,筆者の「心臓の鼓動」も顕微鏡を揺らしますのでセルフタイマーでシャッターを切り露光時間中はその場を離れています。振動は適当な防振ゴムなどを敷いても根本的な解決にはなりません。どこかの周波数は通してしまいますので。

長時間露光のときは顕微鏡の鏡基によっては熱によるピントずれ,光軸ズレが生じるので温度管理や,熱膨張の恐れのある部分を決して手で触らないなどの注意も必要になります。無限遠補正系の時代に入り,電源が鏡基に縦に配置されている顕微鏡は熱設計の点でおかしなことになっているので,電源を入れただけで鏡基が膨張を続けます。条件によっては,精密にピントを合わせても数十秒後にはピンぼけなどということが普通に起きてしまいます。

ピント合わせは困難を極めます。珪藻のような位相物体はピント位置によりコントラストが逆転したりしますし,珪藻の被殻は表と裏で構造が異なるので表現したい構造に対して完全なピントを持ってくることが大事です。そしてその完全なピント面はたぶん光の波長程度のごく薄い領域です。つまり顕微鏡の微動ハンドルを光の波長レベルで操作しないといけないわけです。そして金属というのは光の波長程度の距離なら自由自在にグニャグニャ動くので,剛体のように見える顕微鏡も「そーっと」扱わないといけないのです。

ふだん細かいことを気にせず撮影している人にはここで書いたような細かいことは仰天するようなものかもしれません。その一方で,解像限界をきちんと追求してきた人にとっては,ここで書いたことは当たり前以外の何物でもなく,基本中の基本が書いてあるようにしか見えないだろうと思います。顕微鏡は覗けば見えてしまうので,いろんなレベルで使うことができます。高いレベルを目指したいのでしたら,技量がないと見えないような物体を繰り返し検鏡・イメージングしてみることです。これまで気づけなかったことがだんだんと理解されるようになると思います(画像/MWS)。








2022年4月8日




ことしは不漁かなと思われたホタルイカも,桜が咲く頃になれば順調に入荷しています。富山湾産も兵庫県産も同じように入ってきています。異なるのは価格で,100gあたりで兵庫県産が98円なのに対して,富山湾産は298円です。これはマグロでいえば赤身とトロの価格差に匹敵するものですが,富山湾産はそれほどのブランド力があるということなのでしょう。並べて試食すると確かに目をつむっても産地がわかるほどの違いがあります。決して兵庫県産のものが「まずい」というわけではないので,ぜひ兵庫の漁協さんも,ホタルイカの処理と流通を研究して富山湾産並の品質を達成してほしいところです。

このホタルイカ,目玉と軟骨とカラストンビを外して,キッチンペーパーの上に並べていきます。料理屋では冷たいホタルイカをわさび醤油や酢味噌で…というのが定番となっていますが,当室では電子レンジ(200W)で1〜1.5分程度加温してそのまま食します。釜揚げで食べているような味わいです。市販のホタルイカは塩茹でされているので調味料不要です。そのまま海の味を噛みしめるのがいいのです。鮮度良好なものが入手できたらば,ぜひ皆様にもおすすめしたいところです(画像/MWS)。








2022年4月7日




たまに特別マニアック?な作業が舞い込むことがあるのですが,6日がその日だったようです。ヘンゾルトのTAMIちゃんを出張・分解メンテナンスするというもので,なかなか恐るべき仕事です。TAMIちゃんは単純な構造ですがかといってメンテナンスがかんたんなわけではないのです。固着部分も多く,100年ものの顕微鏡のメンテなので汚れを落とすだけでも大変です。レンズにはカビや腐食も多く,固着して外れない箇所もあってこの単純な顕微鏡のメンテには4時間を要しました。もちろん仕事でありますので相当な対価を頂くわけですが,今回は日本銀行券の代わりに,ステンレスと超合金を接合した工具でお支払いいただきました。お金は単なる交換可能性に過ぎませんが,欲しい物品が直接入手できるなら遙かに効率的でお金は不要です。仕事の方も無事に終わり大変有意義な一日となりました(画像/MWS)。








2022年4月6日




ひさしぶりに高解像での珪藻の殻の画像。珪藻の殻の表面は,たいていは凹面だったり凸面だったりして平面なものはごく希です。なので顕微鏡写真にするとピントがどこかでズレてしまいます。きょうの画像はAmphipleura pellucidaという対物レンズテスト用に使われてきた珪藻です。平面性がよく油浸対物レンズの解像限界付近の構造があるので現在までレンズテストに愛用されてきたものですが,じつはこの珪藻もたぶん完全平面ではありません。これまで数万被殻はみてきたと思うのですが,この珪藻はゆるやかな凸面のように感じています。

でもたまに完全平面に見えるものがあって,それはなぜなのかというと,「たぶん」珪藻被殻を含む溶液を滴下して乾燥する過程で溶媒の表面張力ほかの関係で,珪藻被殻に応力がかかって強制的にカバーガラスに貼り付いて,見かけ上,平面に見えているのではないかと想像しています。きょうの画像を見ると,ピントが上半分と下半分で異なることがわかります。おそらくは,被殻の湾曲を表しているのかと。

…そうは言っても,カバーガラスの傾きとか,対物レンズの像平面の傾きとか,いろんな要素がありますので,この問題に完璧に決着をつけるのは結構むずかしいだろうと思っています(画像/MWS)。








2022年4月5日




このところ地震が多すぎますね。4日は顕微鏡デスクで3回の地震を感じました。しばらくおとなしかった地震が頻発するようになるとイヤでも大地震の予兆と感じてしまいます。東北ではどこでもM8級が起きても不思議ではありませんし南海トラフも同じです。ただこれだけの地震災害が多い国なので観測網の備えも世界有数だろうと思います。気象庁の内部に潜入した こちら の映像を見るとほんとうに頭が下がります。医療分野や海運などではシフト制の夜勤勤務も当たり前ですが,気象庁では防災のためにエンドレスの監視活動が続けられています。これらの情報を活かして我々も少しでも減災に結びつくような行動をしなければなりません(画像/MWS)。








2022年4月4日






ずいぶんひさしぶりに電車に乗る機会があったので流し撮りをしてみました。ムズカシイですねえ。。平面と球面の戦いなのでピントは一点になるのかな? 画像を見るとそんな感じに見えます。それでも列車が動いているように写っていることが面白いです。

きれいに写すには平面と平面の戦いにしないとムズカシイ気がします。いまから30年以上前に,廣田先生という方が『動止フォトグラフ』という技法を用いた写真集を出版していて,これはきれいにピント平面が出ているのです。カメラも専用のものを使わないとできないはずで,やはり先端的な素晴らしい絵を発表する先生がたはきっと『光学』にも通じていらっしゃるんだなぁと思ったことでした(画像/MWS)。








2022年4月3日










のらぼうは数ある野菜の中でも最高峰と筆者は感じているのですが,いつでも最高というわけでもありません。葉物なのでタイミングが難しいのです。料理人のプロはよく知っていると思いますが,野菜は肉や魚以上に鮮度にうるさい食材なのです。のらぼうなど,その最たるもので,収穫したタイミング,収穫してからの温度履歴,時間などで味が変わってしまいます。

最高のタイミングは栽培者でないと難しいですが,コンスタントに出荷してくれている農家を知っていれば,最高に近いタイミングでのらぼうを入手することはできます。筆者はのらぼう歴,数十年のつわものですので,そのタイミングを狙っていました。ちょうど3/31の夜に雨が降り,4/1の朝に止んで午後は晴れ,4/2も朝から晴れ,という絶好のタイミング訪れたのでのらぼうをハントしに行きました。一日水をたっぷり吸って日光を浴びた最高のタイミングののらぼうを狙ったわけです。

さて秋川駅からスーパーオザムに行くと,朝どれっぽいのらぼうが並んでいます。ぱりっとしていて鮮度はよろしいです。野菜は嵩張るのですが7束買って帰宅。たっぷりのお湯で4分間湯がいてバターを絡めてしらすで調味すれば,これは天皇陛下に献上しなければと思うほどの味わい。狙いはたぶんあたっています。ここ数年で最高ののらぼうを入手することができました。

のらぼうは最近,知名度が上昇中ですがどこでも入手できるものでもありません。もともとは東京西部,五日市方面のものです。でも東京西部に行ってもどこでも入手できるわけでなく,東急系列のスーパーにはなくても,そこいらへんの道ばたで売っていたり,小さなスーパーではふつうにあったり,そんな地元密着のものです。ちょうどいまは花見のタイミング。東京西部で染井吉野を眺めてのらぼうをお土産に帰るという風流かつアーバンライフなひとときを皆さんにもお勧めしたいと思います(画像/MWS)。








2022年4月2日




せんじつの地震で伊達政宗像がひん曲がってしまったので,ひん曲がる前の画像を掲載。この画像に優れている点があるとすれば,それはカラスが写っていることですね。ほんの小さな物体ですが,画面がきりりと引き締まっているように見えます(画像/MWS)。








2022年4月1日










いま春の驟雨のような感じになっていて,ああ冬は終わったんだなあという感じがします。気温の変化で冬の終わりはわかるわけですが,体感的には3月4月の雨が春らしく感じますね。この時期は樹木が新芽をいっせいに伸ばすために大量の水分を土壌から吸い上げる時期でもあって,ちょうどそのタイミングで雨が降るのです。きょうの画像はそんな感じの冬が終わった画像を並べてみることにします(画像/MWS)。









Copyright (C) 2022 MWS MicroWorldServices All rights reserved.
(無断複製・利用を禁じます)
本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/


トップに戻る



.