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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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『珪藻美術館』(福音館書店) 好評発売中!
 



『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』
(たくさんのふしぎ傑作集)

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 福音館書店,48ページ,1300円+税 
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こちらの記事はデータ紛失に伴い,7月2日に一ヶ月分の全記事を書き起こしたバージョンとなります。その後オリジナルデータの復旧ができました。オリジナルのバージョンは こちら です。








2021年6月30日




これはAmphipleura pellucidaという珪藻。とても細かい構造があって,その周期は200nm,270nmと可視光の波長よりも小さいのです。この珪藻は100年以上前からテストプレートとして利用されてきたものです。この珪藻の微細構造を見るにはきちんと顕微鏡光学を学ぶ必要があり,闇雲に努力しても見えるものではありません。当サービスではRL-TESTとして商品化して開業当初から販売しています。もう一つの珪藻検査板,DL-TESTは開業後半年くらいで販売にこぎつけています。こちらは珪藻が並んだ使いやすい検査板です。

あくまでも脳内の記憶での話ですが,販売傾向を見ると,DL-TESTは法人さんも個人でも同じような感じで,広く利用されているような感じです。他方,RL-TESTはアマチュア個人ユーザーさんの利用がとても多いように感じ,次に研究関係の法人さんといった具合です。

顕微鏡の限界に挑むのは法人さんよりも個人の方が多いというのは興味深い現象です。その結果,一部のアマチュア顕微鏡観察家の技量はどんどん向上し,他方,研究界隈や教育界隈の方々の方はどうなんだろう,という現実が出てきそうな気もしています。

顕微鏡は物理学・光学に基づく機器ですので,その限界性能を確かめるには,そのための周期構造をもつ物体が必要になります。当たり前のことなのですけれども,このことに気づくまでが大変です。覗けば見えてしまうので,そのまま性能が発揮されているだろうと漠然と信じて使うことになります。そのような使い方では性能をフルに発揮することはできません。アッベが導いてくれた0.5λ/NAの意味を噛みしめて実践して,はじめて顕微鏡の限界性能が出てくるのです。

そういった挑戦をアマチュア顕微鏡観察家がやられていることには心より敬意を表したいと思います。ぜひ,研究業界や教育関係者の方々も取り組まれるとよいと思うのですが…(画像/MWS)。








2021年6月29日










さくねん本ページで紹介した船行包丁はその後も気に入って毎日使っています。鋼材がそれほどでもないので永切れはしませんが形がよいので使いやすいです。こまめに研ぐ人向けの包丁ともいえそうです。

包丁は刃先だけ研ぐとだんだん厚みが増してきて,食い込みが悪くなってきます。切れていたものが割れるようになります。包丁には切る側面と割る側面があって,キュウリなどはさくさくと「切れて」いますが,カボチャなどを二つに切ってみると,断面を見れば「割れて」いることがわかります。固い食材の場合は,包丁というV字の金属を差し込んで,「割る」ということになっている場合があるのです。

切るためには,包丁は薄ければ薄いほどよろしいです。ので,家庭用包丁などうんと薄くてもかまわないと思うのですが,そんな包丁はあまり売っていません。強度面の心配があるのだろうと思います。

そんなわけで,最近はこの船行を週に一度,しのぎからじっくり研いで切刃を広げるようにしています。その一例がきょうの画像。研ぎ前と研いだ後を比較すれば,切刃の面積が広がり,しのぎが上がっていることがわかるでしょう。見た目にはちょっとした違いですが,これだけでも食材に対する食い込みの改善は実感できます。ただ,あまりに刃を薄くすると極端に強度がなくなるので,刃先は適当に蛤刃にするか,糸引刃を入れて強度を保つようにします(画像/MWS)。








2021年6月28日






できあがった検査板を見るとGyrosigmaが何かおかしい。玉虫色に輝いている…。まぁ,一目みれば何が起きたのかはわかるのだけれども,これは,同じ大きさの殻が二枚重なっていて,そのために光の干渉がおきていつもと違う発色をしているのです。検査板製造時は低NAの条件でみているので,同じ大きさの珪藻が重なっていても見えないことがあるのです。

ということでこの検査板はお蔵入りなので,自分用に使うことにしています。DL-TESTは厳しい出荷基準があって通常は高い完成度のものしか出しません。こうして時々検査落ちの品物が出るのですけれども,でも今回は玉虫色が見られる標本ができたと思えばまあいいか,という気分も少しあります。この表現を安定的にできれば表現の幅が広がるのですが,そんな狂気に満ちたことを考えるとまずい気もします。職人は俗世間と離れて,こんな小さなことを考えていたりするのです(画像/MWS)。








2021年6月27日






ギンガメアジが入荷。たぶん自分で切って食べるのははじめて。さっそく切りつけてみると見たことのない身質。なんだろうこれは。細かくサシが入っていて脂がのっている。しかしブリともカンパチとも違う見た目。

食べてみるとしつこさのない脂とうまみがきちんとある味。硬すぎず柔らかすぎず,これは酢飯に合いそうな味だと思いました。にぎり寿司とか海鮮丼にはよろしいでしょう。

世の中にはまだまだおいしい魚があるのだなということが理解されるとともに,中年オッサンの魚履歴にまた一つあらたな種が加わったのでした(画像/MWS)。








2021年6月26日






珪藻とクンショウモ,小型の珪藻とバクテリアの大きさの比較例(画像/MWS)。








2021年6月25日












プレパラートを実習や展示会などで使用すると,室内の落下物が次々と標本に沈積していくので汚れる一方となります。きれいになることはありません。その一例がきょうの画像。実習等で使われてメンテナンスに戻ってきたものです。じつに様々な粒子や唾液の飛沫,角質,鉱物などが見られます。

この状況をみて筆者がどう思うのかというと,「これはきちんと標本を運用できる先生が,使用者に適切な指示を出して適性に使ったのだな」という感じです。それはなぜなのか。

まず標本の光透過面の裏側に擦り傷がはいっていません。これは標本をセットするときにスライドグラスをステージ上で滑走させていないことを示します。プレパラートは全面汚れていますが,指紋だけを見ると,両端に残っているだけです。これはプレパラートの持ち方を適切に指導していることを意味します。顕微鏡のプロでも,プレパラートのガラス面を指ではさんでべったり持つ人がかなりいます。それは間違いです。脂にまみれた標本はカビが生えたり劣化しますし,脂はステージ上にも移ります。次の標本を汚すことにもなります。暗視野など感度の高い検鏡法では特に注意が必要です。

さてこのくらい汚れている標本を出荷時状態に戻すにはかなり高い技量が必要です。基本は水拭きから溶剤拭きのステップですが,面積が広いので区画に分けての作業となります。一枚の標本を拭くのに何枚ものペーパーを消費して時間も費やします。今回の作業では10枚ほどの標本を完全に清拭するのに,休憩時間を含めて三時間半を要しました。拭きの技量が足りない方にはほぼ無理な作業です。

Jシリーズ等をお持ちのかたで,どうしてもうまく拭けないのできれいにして欲しいという方がおられましたら有償で対応したいと思います。価格設定はしていませんが,一枚,税込みで2,200円程度を考えています。高いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが,汚れの程度によって作業も異なりますし,何より落下物のある室内だと作業ができないので,まずは室内の空気を落ちつかせるところから仕事が恥じますのです。ので,おおがかりな作業となるのです。

それにしても,いつでも空気のきれいなところで作業したいものです(画像/MWS)。








2021年6月24日




きのうの深夜に立花隆が亡くなった(亡くなっていた)というニュースが流れた。さすがにショックだった。

立花氏の本にはずいぶん勉強させてもらいました。難しい問題に切り込んでいってそれを平易な言葉でかみ砕いて説明する能力は空前絶後といってよいかもしれません。何よりも守備範囲がひじょうに広く,サイエンスから文化,経済,なんでもござれの巨人でした。

一冊だけあげるとすると,『脳死』が最高峰だと思っています。筆者は環境倫理学や応用倫理学の一環として臓器移植問題についてかなり突っ込んだ勉強をしていた時期があって医学書なども読んでいました。立花隆の『脳死』はどこを切っても明晰なロジックで,全脳死,脳幹死などと内部意識の残存の問題について追及していました。中身は医学書といってよいくらいです。

立花氏は本の重量で床を抜いたことがあり,その反省からコンクリートでビルを作りその中で本にうずもれて生活していました。そのビルは「猫ビル」といって大きく猫が描かれているのです。筆者は猫ビルも徒歩圏内なのでよく知っていましたが,その付近で立花さんを2,3回お見かけしたことがあります。一回目は十何年か前になりますが,猫ビル近くでばったりと出くわしてしまい,よく知る人でもあったのでついつい頭を下げた覚えがあります。立花さんは「あーはいはい」という感じでニコニコしながら駅の方に歩いて行きました。最近では数年前に猫ビル近くで,お買い物帰りの立花さんに出会いました。ガンを患ったあとのことなので気にしていましたがお元気な様子で安心したことを覚えています。

よく知る人の訃報に接してなんだか寂しくなり,商品発送のついでに猫ビルまで足を伸ばしてきました。23時半を過ぎた,主を失った猫ビルは明かりが消えてひっそりとしていました。玄関を見ると,長細い物体が置いてあります。最初はおりたたみの傘かと思ったのですが,よく見ると,薄いレースにくるまれた白い一輪の花でした。ファンの方が玄関に置いていったものと思います。もの悲しく,さびしくもあり,あたたかくもある情景でした。

きょうの画像は立花さんも見たであろう後楽園の夕景。猫ビルは後楽園から歩いて少しのところにあるのです(画像/MWS)。








2021年6月23日




youtubeに珪藻屋さんの動画が出ていました(こちら)。株式会社SeedBankさんの石井健一郎代表取締役によるものです。中身は珪藻のミニ講義みたいな内容でもありますし,珪藻類休眠胞子の話なども出てきますので,興味ある方も興味ない方もごらんになってはいかがでしょうか。

石井代表取締役とのつきあいは15年ほどになります。筆者が無職だった2006年の秋に,無職の身分で学会のポスター発表をしていました。肩書きはmicroscopistと書いたような記憶があります。その展示でノートパソコンをつり下げて,珪藻類休眠胞子の発芽過程の動画を流していました。そこに現れたのが石井(現)代表取締役でした。そのときに動画をのぞき込んで目をまん丸にした氏の姿はいまでも忘れることができません。

なぜ目がまん丸になるのか,それは数々の現場体験,培養実験,豊富な顕微鏡観察体験を通じて,「こんな動画は撮れるものではない」ということを知識のレベルでも技術のレベルでも一瞬で理解したからでしょう。つまりその時点で氏は相当な技量をお持ちであったことが拝察されます。

それから4年後,氏の要請を受けて,北国の大学で顕微鏡の集中講義も担当させていただきました。高度な研究を行うには,理論に基づいた確かな顕微鏡技術が必要であることを理解している数少ない研究者の一人です。現在は,珪藻を分離培養して提供する仕事を中心とした,株式会社SeedBankを立ち上げて,代表取締役に就任するとともに,研究者としての活動も続けておられます。

詳しくは動画をご覧いただきたいのですが,珪藻類は培養が難しく,産業利用がこれまであまり行われてきませんでした。だからこそ,珪藻を用いた研究はさまざまな分野でフロンティアでもあります。新規化合物などの宝庫でもあります。本ページをご覧の創薬関係や新規化合物探索関係のお仕事に取り組まれている方は,SeedBankさんに連絡をとって珪藻の株を分けてもらうのも,新たな事業展開にはよいかもしれません。SeedBankのwebサイトは こちら です。

石井取締役は筆者の教え子でもあり,また,株式会社SeedBankさんの倒立顕微鏡の一台は,筆者が分解メンテナンスを施してよみがえらせたものです。そのようなこともあり,youtubeの動画の中に出てくる珪藻類の画像はいずれも大変素晴らしいものになっています。

きょうの画像は東京湾から採集したChaetoceros compressusという珪藻。この珪藻も休眠胞子を作ります。きっと彼の会社なら,この珪藻の株も保有していることでしょう(画像/MWS)。








2021年6月22日




7月10日から釧路市立美術館で開催される「ガラスの不思議」という企画において,当サービスの珪藻アートも展示に加わることになりました。珪藻アートをを直接顕微鏡で観察できる展示も行います。期間は9月5日までですので,夏休み期間中はずっと開催されています。釧路市周辺の方々はもちろん,お近くに用事のあるかたは立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

筆者製作の珪藻アートの現物展示は滅多に行われません。今年は,1月に行われた「たかさき絵本フェスティバル」以来です。使用している顕微鏡・標本はそのときに使ったものと一緒です。群馬県での展示に続いてこんどは北海道でご覧頂くために,顕微鏡が単身でツアーに出ています。。

釧路市立美術館のwebサイトは こちら です。どうぞ皆さん,この機会をお見逃しなく!(画像/MWS)。








2021年6月21日












うちのカミさんは夕飯食べながら一杯やると気が大きくなり,もよりのスーパーの値引き品をリサーチしたくなる習性があるのだけれども,その成果としてなんとマアナゴが入荷。マアナゴ食べたかったのです。しかも驚異的な価格。アナゴは一日放置するだけでも風味が劣化するので,夕食後であろうとすぐに調理して頂きます。それが生命に対する礼儀というものです。

アナゴの扱いは20年くらい前に料理人さんにならったことがあります。包丁でウロコをとるような感じでひたすらごしごしやるのです。そうすると大量の粘液がこそげとれます。ここに風味を悪くする成分があるらしいので,徹底的に除去します。そのあと水洗いしてからよく水気を切って,そのまま白焼き。わさびとしょうゆで頂きます。

あっさりとしながらもふっくらとして,久しぶりのマアナゴは佳品でした。こうして緊急入荷したマアナゴは24分後にはその役目を無事に終えたのでした。

それにしてもスーパーライフ,どうしたのでしょう。マアナゴが入荷するとは。仕入担当と調理担当が同じ人なのかもしれません。アナゴをさばいてパック詰めして販売できる程度の人材が配属されたことは間違いなく,今後もよいものが入らないかと楽しみです。できれば「ハモ」を入れて欲しいのだけれども。バーナーで炙ってポン酢で食べると最高なんです(画像/MWS)。








2021年6月20日




ヒキコモリが得意な筆者は相変わらず蛸壺の奥まったところで生活しています。今年に入って人と会った回数は,カミさんを覗くと片手で数えられます。人と会っていないと精神的におかしくなるという方々が世の中の大多数でしょうが,社会と隔絶したところで仙人暮らしをしている筆者はぜんぜん大丈夫で,まったく平常心の毎日です。

そんな暮らしをしていて久しぶりに外に出てみればアジサイが終わろうとしています。昼間の外出自体が珍しいのでカメラを持っていくことが多いのですがきょうは中望遠でガクアジサイをねらってみました。(画像/MWS)。








2021年6月19日




みんな大好き2倍レンズ。特に鉱物愛好家などで人気のある倍率領域ですが,このレンズを使いこなすのは簡単ではないように思っています。低倍対物レンズはピント合わせもとても難しいのです。絞り込めば回折ボケになるし,開けば被写界深度は浅いしで,深度合成を精密に行える達人の方々なら良好な絵ができるでしょうが,筆者はまだまだですね(画像/MWS)。








2021年6月18日




コレを知っている人は相当なマニアあるいは本職の人かもしれません。。

いまから約20年前,ニコンのクールピクス9xx系というスイバル式のカメラがあって,当時としては高い総合画質で定評がありました。そのカメラを使い顕微鏡でコリメート法撮影するためのレンズがきょうの画像のもの。当時から欲しかったのですが,価格を理由にあきらめていました。というのも,ニコンさんはカメラとレンズのセットのみで販売していて,レンズだけを売ってくれなかったのです。

しかもその販売価格が22万8000円という素敵なお値段で,フィルム用写真撮影装置P-V(17万3000円)をも上回るものでした。研究費を投入するにしても買えるわけがありません。。

それで接眼レンズCFWN10xを利用して同じようなシステムを自作して使っていました。とてもよく写るシステムで,本ページでも2011年8月頃までの記事の画像は自作のクールピクス顕微鏡写真システムを用いています。それ以降はNikon1系です。

現在はクールピクス系の出番は滅多になく,年に一度あるかないかくらいです。でも,中年オッサンの必殺技「いつまでも忘れない」を発動した結果このレンズが舞い込んでしまったわけですので,これをきっかけにクールピクスミクロシステムが起動して,何らかの展開があるかもしれません。選択肢が多いのはよいこと。楽しみが増えたのです(画像/MWS)。








2021年6月17日




たかさき絵本フェスティバルで利用した展示用顕微鏡が手元に戻ってきました。この顕微鏡を仕立てて5ヶ月が経過しましたが,筆者の小学生レベルのペットボトル,セロテープ工作技術によって,珪藻アートの表面には一つのチリもありませんでした。良い子ちゃんです。先日書きましたように,チリをつかないようにするのは空気の流れを遮断することが重要です。この展示用顕微鏡は小さな隙間も埋めてあってチリの侵入を許さない作りになっています。整備したあとに次の展示に向かいます(画像/MWS)。








2021年6月16日






あるいて2分くらいのところにあるスーパーは,鮮魚コーナーが弱々しくて,以前は冷凍マグロとキンメダイのアラを買うくらいだったのだけれども,ここのところきわめて鮮度良好な高級魚などが入荷するようになって驚いています。20年も暮らすといいことあるもんですね。

きょうの画像のカンパチなど,漁港近くの鮮魚店レベルと言って差し支えのない高鮮度なものでしたし,チビキもひじょうに良好なものでした。そして恐ろしく低価格です。

これままでは「よしや」さんが魚がよかったのですが,「ライフ」もよくなったのですね。選択肢が増えるのは嬉しいことです。せっせと魚を買って,水産業を応援したいと思います(画像/MWS)。








2021年6月15日






むかしは塩蔵わかめを水で戻すと何匹も「われから」が出てきたものなのだけれども,最近はまったく見かけなくなった。エビカニアレルギーというのもありますし,「われから」も甲殻類なのでアレルギー対策なのかしら。きょうの画像一枚目は,日本海側のもずく塩蔵品の中から出てきた「われから」です。

画像二枚目は驚異的な絵本『われから』です。何が驚きなのかというと,「われから」を絵本にしてしまうという発想そのものが信じがたいからです。なんとマニアックなという気もしますし,でもわれからはごく普通の海の生き物なので紹介することには大いに意義がある気もします。

本書はわれからの生活をきれいな絵とともに平易に述べたもので,4,5歳のお子様でもじゅうぶんに楽しめて海の不思議さを感じることができるでしょう。他方,本編以外の「ふろく」の部分は資料集になっており,なんとわれからの分類や生態が学べるようになっています。この部分は小学校高学年でも歯ごたえのある充実の内容です。

このような本書の特性を鑑みると,『われから』は学級文庫として小学校の各学年・各クラスに一冊配備するというのがよい選択のように思えます。きっと一部の児童は『われから』を手にとって,このカマキリのような可愛らしい生き物に興味を抱くでしょう。

そして家に帰り,お父さんお母さんに,「われから取りに行きたい」とリクエストする子もいることでしょう。「われから」が何のことだかわからないお父さんお母さんは慌ててスマホでピコピコして,「われから」が何であるか初めて知るのです。そして子どもと一緒に海に行ってわれから採集をして,海の豊かさを学ぶ機会を,子どもから得るのです。

これは教育の反対で,『逆教育』とでもいうものでしょう。絵本→児童→大人の順番に情報が流れていき,『逆教育』されるのです。こうして世の中は少しずつよくなっていくのです。

こういう素朴な絵本が出版される世の中は捨てたものではありません。『われから』はamazonさんで こちら です。bookmeterさんでも こちら のように多くのレビューを見ることができます。ちょっとした新しい視点をくれる絵本なので,プレゼント用にも最適な気がします(画像/MWS)。








2021年6月14日




エイジングのために上方1cmのところにアクリル板のホコリよけをのせて2日間放置した検査板。全面を微少な粒子が覆っています。画像に写っているのは一部で,もっと細かい粒子がこの数倍のっています。チリで汚れるのを防ぐには,ホコリよけをのせるのではダメで,空気の流通を止めることが大事なことがよくわかります。

例年ですと6月辺りは空気がきれいなことが多いのですが今年は違います。黄砂と思われる非常に細かな鉱物系粒子がずっと途切れません。このような作業環境だと検査板のようなものなら何とか作れますが,大型の作品は製作不可となります。

作業時は部屋を閉め切り粒子の汚染が少ないとしても,夜寝るときに室温が高すぎるとどうしようもないので窓を開けて換気をします。一般的には新鮮な外気を取り込んでよいことなのだろうけれども,筆者的には,大量のこのような粒子を導入することにもなっていて,なんだかなぁという気もするのです(画像/MWS)。








2021年6月13日








きょうの画像は究極に色収差を補正した対物レンズで撮影した放散虫(一枚目)。その画像をグレースケールにしたもの(二枚目)。三枚目はその差分画像です。

差分画像を見ると色収差を補正したレンズでも何らかの色が残存していることがわかります。そして放散虫の画像二枚を見比べると,なんか質感が違うのがわかります。色が出る原因はレンズの収差以外にもありますし,何らかの原因で発生したちょっとした色が,ガラスの質感に影響を及ぼしているようにも思います。でも画像で比較すると非常に微少な量ですね(画像/MWS)。








2021年6月12日




いぜん掲載したミドリゾウリムシの分裂風景。色再現がダメダメでほんと残念な絵だったのだけれども,ちょっと画像処理をかけてそれっぽくしてみました。緑がきちんと出るだけでずいぶん見た感じがよろしくなりますね(画像/MWS)。








2021年6月11日




シシャモを焼くとお腹が爆発するとお嘆きの奥様,シシャモは魚焼きグリルでうんと弱火にしてじっくり焼くのです。そうするとふっくらこんがり焼き上がって,強火で爆発させたものとは別次元の味わい(画像/MWS)。








2021年6月10日










尾身会長:「そもそも今回のオリンピック、こういう状況の中で、一体、何のためにやるのか。目的。そういうことが明らかになってないので、このことを私はしっかりと、はっきりと明言することが、人々の協力を得られるかどうか非常に重要な観点だと思う。なぜやるのか。あるいは五輪委員会の人が、どれだけ汗をかくのか。そういうことが明確になって、初めて、一般の市民は“それならこの特別な状況を乗り越えよう”と。協力しようという気になると思う(中略)関係者が、しっかりとしたビジョンと理由を述べることが、私は極めて重要だと思う」




筆者は20年前から知っていましたよ。オリンピックの目的を。環境破壊やりたい放題,お金使いたい放題の下品なイベントに成り下がっていることを。そのことを示してみたのがきょうの画像。

でも,尾身さんは知らなかったのだろうなぁ。それでついホンネを述べてしまったら歴史に残る名演説になってしまった。政府は困っただろうね。右往左往。緑のタヌキは物陰に隠れて出てこない。さすが。

きょうの画像は自治体職員からもらったもの。大阪オリンピックは幻に終わり,それは本当によかったねえということで東京在住の筆者も喜んだのです。そうしたらなんとオリンピックが東京に来てしまった。もはや絶望しかありません。。東北復興で使うはずの機材や人員の一部が東京に行ってしまったことは疑いようがないでしょう。罪なことだと思います。

それにしても本当にやるんでしょうか。筆者の個人的な感想ですが,日本人の能力的に,もし開催したらグダグダのハチャメチャの連携ミスなどが頻発して,目を覆うばかりの恥ずかしい結末が待っている気がしてならないのですが(画像/MWS)。








2021年6月9日




ぶたやまさんといえば「ぶたやまライス」なのだけれども,そしてそのレシピは『やり過ごしごはん』にも書いてあるのだけれども,筆者は作れません。なぜなら,筆者は買い物担当ではないので,入荷した材料をもとに日々料理しているのです。そして過去20年で,ぶたやまライスに必要な合い挽き肉とナンプラーが同時に存在したことがありません。。

しかし日曜日の夕方に検査板の製作を終えて作業部屋を出て台所に行くとそこにはぶたやまライスが鎮座している。カミさんによると『やりすごしごはん』を見て作ってみたくなり,ナンプラーと合い挽き肉を買ってきたとのこと。そして「作るの簡単だったよ」とのこと。カミさんいわく「ぶたやまライスは冷やし中華だね」とも。なるほど,炭水化物の周囲に好きな肉と野菜を並べるわけで,その通りですね。

そしてこのお味はどんなもんかというと,これはもう食べてみて下さいとしかいえないもの。カレーでもないし,さりとて単なるおかず載せごはんでもない。一つの料理としてまとまっている感じがします。タマネギのマリネがよい仕事をしている感じがありました。合い挽き肉はどちらかというと若者向けで,年寄りには肉肉しいので,好みの豚肉などで作った方がよいかも,とも思いました。キムチをのせても合うだろうな,というお味でした。

こうしてぶたやまライスは全国に広がっていき,それぞれの家庭の味を生み出していくのでしょう。『やり過ごしごはん』の発売からまだ日が浅いのに,その波及効果は恐るべきものがあります(画像/MWS)。








2021年6月8日














ひさしぶりに鉱物の画像。奈良県のサファイアです。照明法は先日書いた放散虫のものと同じ。画像二枚目以降はサファイアをPleuraxで封入したものを撮影しています。サファイアの屈折率は約1.7ですが,Pleuraxもそのくらいの屈折率なので,封入すると表面の段差などが見えなくなり,内部のインクルージョンが格段によく見えるようになります。

インクルージョンにはさまざまなものがありますが,特に興味深いのが,きょうの画像で示したような閉じた空間に液体と気体が入っているもの。これは何億年前の熱水と気体が封じ込められたものなんだろうかと想像するとロマンがあります。手の届かない過去からの贈り物という点では,隕石のように貴重なもののように感じられます(画像/MWS)。








2021年6月7日






たしかに破綻回避の法則は機能しているようです。いままで何を見てきたのか…(画像/MWS)。








2021年6月6日




いぜん本ページに書いたように,珪藻では六角形構造のとなりに五角形があると隣接して七角形が存在して破綻を回避しているのだけれども,クンショウモではそうならないで破綻が回避できるらしい。細胞壁が硬くないからかな。

…と書いて一晩経過したら,デンマーク在住の本ページの読者から七角形がちゃんとありますよ,とのツッコミが。筆者の目がいかにフシアナかを如実に表すこととなったのです…(画像/MWS)。








2021年6月5日






ひきこもりの筆者の自然観察用に1リットルの小さな池があるのですが,その中でクンショウモが好調です。クンショウモは細胞の中身が空っぽになる前に,細胞の色が変色するようです。きょうの画像でも,緑色の細胞と黄色っぽい細胞が確認できます。これは陸上で言うところの紅葉みたいなもんでしょうかね(画像/MWS)。








2021年6月4日






とうめい感を出すには透過光と反射光のバランスが大事なのですが,これがじつに微妙です。きょうの画像はきのうの照明からほんの少しバランスを変えてみたもの。印象がずいぶん変わります(画像/MWS)。








2021年6月3日




酒を解禁したことによりよく寝られるようになり,仕事意欲が増大した結果,こんな画像を撮ってみました。放散虫骨格はガラス質ですので,顕微鏡で眺めてもとてもキラキラしていい感じなのです。でも写真表現はけっこう難物で,ガラス感が出しにくいのでした。

似たような絵は放散虫を扱い始めた当初から得ていましたが,追い込み度合が甘く,きょうのような表現はできていませんでした。単純に機材の組合せと照明の組合せが全部試せていなかったせいなのですが,こういった表現ができそうな組合せを思いつくこと自体が筆者には難しく,なかなか進展しなかったのです。。

ということで,7年もの時間を要することになりました。アホとしかいいようがないような気もしますが,でも一歩前進したと思うことにしませう(画像/MWS)。








2021年6月2日




ゆうはんを食べた後はすぐに洗い物をしてしまいますが,そのあとにまた料理をしたりすることも結構あります。というのも買い物担当はかみさんなので,夜に食材が入荷するからです。そのまま置いておきたくないものは,夜中に料理してしまうこともあります。

きょうの画像は手羽先,ダイコン,きのこの煮物。3品ありますが,じつは一つの鍋で作っています。手羽先をフライパンに入れ,きのこをのせて,ダイコンの薄切りを敷き詰めます。これに酒,しょうゆを投入してフタをして弱火で煮込みます。ダイコンの落としぶた効果で手羽先が柔らかく味染みもよくなります。食べるときに一緒だと食べにくいので,それぞれの材料は煮上がったら別々に取り分けます。

これで3品完成。60分の所要時間ですが一品あたり20分の計算。きのこはほかの料理に入れるなど具材としても使えます。こつこつと地道に生きる筆者はこんな夜を過ごしていたりするのです(画像/MWS)。








2021年6月1日






包丁を記念品に贈るのは個人的に悪くないと思っています。これまでも,退職される方とか,自宅を新築した方とか,結婚した方などに包丁と砥石を贈ったりもしていました。

包丁は買った物をそのまま贈ったことはなく,たいてい魔改造します。安価な素材でも研ぎによって生き返るものが多いので,刺身包丁などの安価なものを買いこんで,反りを修正して,切刃を本刃づけして,鏡面化してと,楽しい作業になります。一般家庭で刺身包丁をお持ちのところは少ないので,たいていは喜んでもらえます。

きょうの画像は最近なかまに送ったもの。土佐の黒打ち,両刃の刺身包丁です。素材としては安価ですが魔改造の結果,恐ろしくよく切れるものになりました。本焼きのふぐ引きに近い切れ味です。おいしいお刺身を切り出してくれることでしょう(画像/MWS)。









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