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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2016年2月29日


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主力で活躍しているSMZ800の2x対物レンズですが,大物を覗くときには外します。たぶん,一年ぶりくらいに外して1xレンズを使いました。で,レンズ面を確認すると2x対物の物体側レンズがずいぶん汚れています。この程度の汚れでは結像への影響は皆無ですが,仔細に見れば,顕微操作で扱った試薬などが飛び散った痕跡があるのでよろしくありません。ちょうどよい機会なので清拭したのです。いつも感動を与えてくれる素晴らしいレンズには,これからも長く働いてもらわないと困りますので,愛情をもって接しなければいけません(画像/MWS)。








2016年2月28日


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27日は日本顕微鏡学会 第40回関東支部講演会(帝京大学・板橋)に出席しました(こちら)。トピックス講演の機会を拝受しまして,顕微鏡で仕事をするプロの方達に,バイオミネラルを並べた標本とはいかなるものかを,約40枚のスライドを用いて説明しました。大変立派な会場で第一線の研究者を前に,なぜか独学で顕微鏡と戯れてきた筆者が壇上で話をするのですから人生とは不思議なものです。講演がどのように受け取られたのかはわかりませんが,懇親会で,特別チューンの暗視野顕微鏡で珪藻スライド,放散虫スライドを紹介することができたので,約束の仕事は果たせたと思います。持ち込みました『珪藻美術館』も好評でした。これで大きな仕事が一つ終わったわけでホットしています。画像は会場となった帝京大学。ピカピカに磨き上げられた未来空間のような施設で,いろいろなものが整っている印象で,こんなに行き届いたところで学修できる学生さんを少し羨ましいとも思いました(画像/MWS)。








2016年2月27日


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こ,これは…。近所の公園で発見された盗難ハンガーの数々です(画像/MWS)。








2016年2月26日


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この放散虫テトラピレはRC GEARさんの努力によって透明樹脂模型になっています。その作品が新宿伊勢丹5階のアートスペースで展示されています(骨のある作品展,3月1日まで)。通常は見えない放散虫の内部構造もすべてイメージング,解析して,そのデータをもとに模型を製作しています。世界中のどこを探しても,このレベルで現物を忠実に再現したものはないと考えられます。RC GEARさんのところで詳しく紹介されていますので(こちら),まずそれをお読みになって,伊勢丹新宿店に向かうのもよいでしょう(画像/MWS)。



*1 美術大学の方に聞いたのですが,このようなアート作品を作るときに,美術屋さんは,造形としては同じに見えるものを作りますが,孔の数や,見えない内部構造までも,すべてもとの標本と同じに作るということはしないのだそうです。

*2 透明樹脂テトラピレは本物をそのまま拡大したものを目指しているので,見えない内部構造までも再現されています。そして再現された内部構造は,外部からは把握できない,そこも本物と同じです。しかしCTスキャンすれば,そこには正確な構造がある,そういう恐ろしい代物です。

*3 透明樹脂テトラピレを購入すれば,放散虫といっしょにお風呂に入れます(^^; 水に漬けて透明感を楽しみながら放散虫鑑賞をすればマッドサイエンティストの気分を味わえるかもしれません…。





2016年2月25日


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大変すばらしい書籍が刊行されました。国際的にみても日本は有害有毒プランクトン研究(≒赤潮研究)のレベルが高いのですが,その先端を走る方々による成果がまとめられた本です。最新の成果がまとめられているので,この分野の状況を眺めるのには最適な本となっています。一度でもお話ししたことがある執筆者は二十数人,拉致されて懇親会等で飲み屋に連行されたときに同席した執筆者はその半分くらいと,個人的なお付き合いの中でもなかかな面白いことになっています。皆さんよい仕事をする奴らばかりです。この中身のびっしりと詰まった有害有毒プランクトンの本は,とうぜんながら,ベースは顕微鏡観察によって支えられているのです。多数の顕微鏡写真も収録されていますので,大きな本屋さんに行ったなら,お手にとってパラパラと眺めてみるのもよいかと思います(画像/MWS)。








2016年2月24日


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本ページでは魚をのせることが多いけれども,魚ばかりを食しているわけではありません。食事の50%は野菜で30%がご飯で,あとはタムパク質という感じでしょうか…。きょうの画像は当店定番の菜焼き。葉っぱはアブラナ系なら何でもよい感じです。これに油揚げ(厳しく選別した上級品),ちくわ,きのこなどを入れて,酒,しょうゆをふりかけてフライパンで炒ればできあがり。この菜焼きは全国にいろんな派生型があるかと思いますが,当店は酒,しょうゆのみの味付けて素材を活かすところがポイントです。きょうの材料は菜の花ですが,この苦みがうんまいと思いつつ味わうのです(画像/MWS)。








2016年2月23日


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キンメでウロコ取りが重要だったのなら,シマホッケでもよいに違いありません。ということでホッケのウロコをごしごし…。落ちません。そこでお湯を流しながらゴシゴシ。今度は大丈夫です。ウロコをとったらお湯でよく洗います。身の方も皮の方も歯ブラシでごしごしやって,水を切り,ヒレを切り落として,キッチンペーパーで拭き取ります。こうしてから焼いたのが画像2枚目。見るからにうまそうです。

食べてびっくり。これはいままで食べていたホッケの干物とは別物です。表面の劣化層が洗い流され,皮目の風味も香ばしく,最上級の干物に変身です。いままでも洗ったり,酒を塗って焼いたりなどと工夫をしてきましたが,どうもこれがゴールのような気もします。表面の酸化層をていねいに落とすことが質の向上をもたらすのかもしれません(画像/MWS)。








2016年2月22日


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本日の画像。。魚屋さんに買い物ついでに撮影しました。こうして見ると,望遠レンズでがんばるよりも,いかに対象に近づくかが重要ということがよくわかります(画像/MWS)。








2016年2月21日


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先日掲載したヒビだらけの油浸対物レンズは,いつポロッと先端レンズが欠け落ちてきても不思議ではない状態でしたので,思い切って修復作業を行いました。きょうの画像は作業完了後のもの。傷だらけの虹色に輝いていた先端レンズが,いちおうは透明な超半球レンズに戻っています。飾り物としての修復以上の意味はありませんが,修復可能性を感じたら,硝子材の屈折率を推理して,作業工程をあれこれ想像して,その通りにできるのか試して,結果通りになればトレーニングとしては成功で,うれしいのです。

なお真似して損害を被る人が出るといけませんので何をやったかは記しません…。ひび割れした超半球レンズ(油浸対物レンズ)の修理法などという手引きがあるはずはなく,メーカーさんでも修理は不可能のはずです。作業そのものは恐ろしく難易度の高いものですが,やっていることは素人の遊びです。「修復」と書いたのは,光学的な意味での修理は不可能なので,文化財として補修するという意味合いで言葉を選んだのです。(画像/MWS)。








2016年2月20日


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銀細工のもととなったテトラピレは例えばこんな感じ。RC GEARさんの銀細工が立派すぎて,へたくそな顕微鏡写真が貧弱に見えてしまいます…。この放散虫はかなり華奢な部類で,取扱を間違えるとピーンと破片が飛んで壊れます。それを乾燥状態で並べて撮影したものです。画像は銀細工に質感を似せるために,透過と落射の二枚合成です(画像/MWS)。








2016年2月19日


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これがRC REAR さん制作のテトラピレ。この放散虫は本ページでも何度か登場しましたので,皆さん,「あ,あれだ」と思い当たることでしょう。シリカと銀では質感が異なりますが,この造形は放散虫にしか見えません。内部も相当忠実に作り込まれていて,観察するだけでも難しいのに,どうやってこれが完成してしまうのか,謎な感じがまた素敵です。この銀の塊を机の上に転がしておくと,なんとなく良い気分です(画像/MWS)。








2016年2月18日


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17日午後は,お互いの納品を兼ねて RC REAR さんにお越し頂きました。何かを作ることが商売である職人どうしが話をするわけですので,いつまでもいくらでも話が続きそうな午後でした。RC GEARさんとは,ここのところは,放散虫模型制作に,当方がデータを提出するという関係でのお付き合いが続いています。放散虫は二重三重の殻に囲まれたような構造のものも多く,これの内部構造を正確に把握するためには,光学的な知識を駆使して物体に最適化した検鏡法が必要になります。筆者にとってはわけもないことですので,二つ返事で安請け合いしたところ,必要とされる画像枚数が数千枚以上の桁ということになり,恐ろしい労働量が必要になったという笑い話も生じました。でも,その多量の画像を全て解析して,そこから立体像を作り上げてしまうRC GEARさんの労働量は,たぶん数十倍にはなったはずで,世の中には恐ろしい人がいるものだと,いつも感心しています。話の合間に,放散虫の微分干渉像もご覧頂きました。当サービスのJシリーズは,視野にゴミが見えないので,微分干渉のカラーモードで見ると,抜ける青空に放散虫が浮かんでいるような,爽快な絵になるのです(画像/MWS)。








2016年2月17日


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きょうの画像は対物レンズの破損例。画像1枚目は,油浸の先玉のひっかき傷。きっとゴミがついていると勘違いして,針金の先かピンセットか,硬いもので取ろうとしたのでしょう。実際はゴミではなくて傷で凹んでいたところを,引っ掻いて傷だらけにしてしまったということになっています。内部にピントを合わせると,虹色に輝く美しいレンズ…(画像二枚目)。これは虹色方解石などと一緒で,ヒビが入っていてその間で干渉がおきて色が出ているのだろうと思います。先玉の裏側からみても,盛大にヒビが見えて,大変残念なことになっています。このレンズはだいぶ昔にドイツで生産されて,のちに米国に渡ったものですが,大雑把でひどい仕事をする人は世の中のどこにでもいるという見本のようなことになっています。資料的な価値があるので,いま現在は筆者の手元にあるわけですが,レンズのヒビはよいとしても,この引っ掻き傷は顕微鏡使いとしては低レベルな扱いで,なかなか許し難い気がします。顕微鏡を持っているわけですから,先端をよく観察して,傷か汚れかを判別するところからメンテナンスは始まるのです。それを飛び越していきなり突っつくとは,脳みその乱雑さが露呈していると言われても仕方がないかもしれません(画像/MWS)。








2016年2月16日


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日曜日は暖かかったので買い物ついでに望遠レンズをぶら下げてニコワンさんぽをしました。トキナーSL300mmF5.6という古いレンズで,購入したのは,なんと中学生のときです。当時はNikon FGにつけていましたが,いまではFT1を介してNikon1に使えます。軸上色収差も盛大に出るレンズですが,像の素性は悪くない感じです。Nikon1につけると810mm相当で,ピントを合わせるのも一苦労ですが,これを手持ちで使っています。ISO 3200で数撃てば方式による撮影。マニュアルフォーカスで810mm手持ちで鳥を写すなど無謀以外の何者でもないですが,まぁ,鳥が存在していることが確認できる程度の絵にはなります。カラスが雨樋の水を飲んでいることもわかったし,銀塩時代は写せなかったメジロもいちおうは写せて,なかなか面白い休日の午後だったのでした(画像/MWS)。








2016年2月15日


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きのうの組み合わせで撮影したのがきょうの画像。液浸蛍光用対物レンズの先端を写しています。照明はオプトサプライの電球色LEDを100円ショップのビッグ5に移植したもの(拡散板付き)。画像を見ればわかるように実用可能な絵になっています。きのう説明したように,ニコンさんとオリンパスさんを,トキナーさんのエクステンションチューブでつないだわけですが,これは投影距離をこのくらいにすると画質がまともなためです。RMSマクロレンズでも設計上は最適な鏡筒長があるはずです。が,その値が公開されているものを見たことがないので(調べたこともないので),撮影してみて適当な長さを探して,ま,このくらいでいいやと追い込むのです。低NAレンズならではの気楽さです(画像/MWS)。








2016年2月14日


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Nikon1で数ミリくらいのものを撮影したいときに適当なレンズがないので,そこいらへんに転がっているもので,あり合わせのマクロ撮影システム(大げさ)を組むことになります。これまでもいろいろな組み合わせでやってきましたが,高機能でも複雑なものは面倒なので思い切ってシンプルなものにしました。ニコンさんとオリンパスさんは見るからに仲が悪そうでしたので,トキナーさんに協力してもらい両者をつなげています。CマウントとRMSの変換はユニエル電子の製品を使っています。レンズの接続部分はRMSネジなので,顕微鏡対物レンズの低NAのものでも実用可能です。

こんなシンプルなものですが,対物レンズの先端くらいの大きさを撮影するのにちょうどよい感じになります。使えるレンズが少ないのはNikon1の宜しくないところですが,J1J2辺りはリモコンシャッターが切れるので,振動が気になるマクロ撮影には好適です(画像/MWS)。








2016年2月13日


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これは千石電商に転がっていたピンセット。なんとなく調子がよさそうに思えたので買ってみました。棚にぶら下がった段階ですでに,先端の太さはまちまち,刃先も合っていないという品物です。包丁などと同じように,ピンセットは買ってから自分に合わせて研げばよいので,すぐ使いとは考えずに素材としての購入です。これが意外によくて,コシの柔らかさも好みに合っています。ただよくわからないのは,素材のステンレスが軟らかすぎてグニャグニャ曲がるのです。これ,本来は細いピンセット向きの素材ではないはずです。。しかし力を入れない用途であれば使えそうなので,先端を研いできちんと合わせて,各部のバリをとって,机の上に転がしています。対物レンズのバレルの中を操作するときなどはけっこう使える感じです(画像/MWS)。








2016年2月12日


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ウチにはたくさんの石ころがあるのですが,それらの用途の一つがこれ。日替わりで箸置きが水晶だったり,紫水晶だったり翡翠だったりします。。ミネラルショーで適したものを探すのですがこれが難しい。でも,こういうところに天然物をそのまま置くというのは,なんとなくホッとするものでもあるのです(画像/MWS)。








2016年2月11日


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10日は山梨方面に調査を兼ねてサンプリングでした。雨が少なく渇水が続いた状況での珪藻群集を調べることを目的としています。数年以上前から訪れている定点ですが,珪藻群集のマットは厚みがあまりなく,群体も弱っているように見受けられました。原因はわかりませんが,極度の渇水で,栄養供給が追いつかなくなってリン酸欠乏になっているのかもしれないと思いました。そう判断する根拠は当然珪藻で覆われていてもよい河床での増殖が弱かったこと,生活排水の流入しているところから下流側で明らかにマットが肥厚になっていたことなどです。現場では千代田のポケットマイクロスコープで群集組成のチェックをしましたが,大小のキンベラに加えて,ディアトマ,ニッチアなどが散らばる,この場所としてはいつも通りのものでした。都内から山梨往復だと急いでも半日は潰れます。しかし電車の中は暖かく,絶好の読書タイムとなって少しばかりリフレッシュしたのでした(画像/MWS)。








2016年2月10日


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キンメの干物はいつも皮までこんがり焼いてウロコごと食することも多かったのですが,テクスチャは今ひとつなのでどんなもんかと思っていました。よく考えればウロコを取ればいいんですよね。。で,ばりばりとウロコ取りでこすれば,あちこちにウロコが飛び散りますがちゃんととれます。これを焼いて食せば皮目の脂のうまさもちゃんと味わえるわけなのでした。もともと,アジの干物でもぜいごは取って焼いていましたが,そこから赤魚の粕漬けのウロコ取りに発展し,ついにキンメダイの干物のウロコ取りに進化しました。なんという進化の遅さ…。こんなことを発見するのに何十年もかかるのですから,頭を使うというのは本当に難しいと思う今日このごろなのです(画像/MWS)。








2016年2月9日


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桐の板に丸い孔をあける必要が生じてハタと悩みました。が悩んでいても解決しないので,まずはドリルで穴掘りして,これを円周に沿って点々と一周。この点々をつなぐように糸鋸で切ればいいのですけど,あいにく糸鋸は手持ちがない。そこでひらめいたのが,『登録高級肥後阿形丸』。これには小さな鋸がついているので,使えるかとやってみるとまことに具合がいいのです。サクサクとカットすることができました。そのあとはヤスリで大きな出っ張りをなくしてから,筒に紙ヤスリを巻き付けたもので整形すればきれいな円のできあがり。小一時間かかりましたけど,思い立ったらすぐに完成となるわけで,仕事が進んだ気分です。この工作は一応,業務的な作業の一つで顕微鏡に関係したものです。顕微鏡いじりでは金物細工やネジ切りなどできると便利な場面がありますが,木工で済ませても十分な部分もあり,柔軟に考えると問題解決も早いのです(画像/MWS)。








2016年2月8日


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ここのところ古い対物レンズをメンテナンスしています。きょうの画像は90年くらいは経過していそうな古いライツのレンズ。これの一本が失透していたので分解メンテナンスとなりました。対物レンズは素人が分解してはいけない最たるものですが,もはやメーカー修理も不可能でしょうから,筆者は自分でやってしまいます。『拭き』は素人レベルではありませんし,『修理後の検査』も各種の珪藻標本を用いた検鏡テストができるので素人レベルではありません。でも,対物レンズの製造・修理の専門教育を受けたことはないので,全体としては素人そのものです。

この時代のレンズはいろいろな症状を抱えているものが多く,内部が油滴で曇っているものや,ガラス自体が曇っているもの,ホコリが混入しているもの,サビが落下して汚れているもの,研磨がいいかげんなものなどがあります。まずそれらを顕微鏡観察で見抜いて,最適と思われる方法で問題を解決していきます。ばらしてみたところ,今回のレンズは油滴があって,これは悩んだ末に乾拭きで対処しました。接着面があると溶剤拭きで破壊する恐れがあるからです。ほかのレンズ面も曇っていたので,これは水拭きで様子をみました。後端レンズは曇っていたので,水拭きを繰り返してみましたが,変化がなかったので,ダメもとで研磨剤で曇り取りをしました。これですっきりきれいになりました。古いレンズはコーティングされていないので研磨はしやすいですね。

各エレメントを注意深くチェックして組み立てればメンテナンスは終わりです。しかしそれだけではいけません。レンズが期待通りの性能を復活したかどうかを調べる必要があります。そこでDL-TESTやJシリーズなどのプレパラートが活躍します。鏡筒長をあわせた鏡基を用いて,各種照明法を駆使しながら,レンズの開口数を調べ,その開口数から期待される解像限界を調べます。像のコントラストも重視します。うんと古いレンズは反射防止コーティングがない分だけ,迷光が増加し,コントラストが低下しますが,その分は割り引いて考えます。そして総合判断として,当時の設計値通りの見えと結論すればメンテナンスはOKです。えらく時間のかかる作業ですが,顕微鏡を覗けますし,レンズ拭きもできるので,けっこう楽しく作業ができます(画像/MWS)。








2016年2月7日


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現代の対物レンズは45mm同焦点や60mm,75mmなど大型化していますが,むかしは30数ミリというものが多く,いまよりも小型でした。これが持ち運び用の顕微鏡には軽くて都合がよく,また鏡筒長も160mm,170mmのものが多かったので,レンズ単独で結像できて,現代の無限遠補正系のような大がかりになることもありませんでした。きょうの画像は日本光学(当時)の生物用顕微鏡対物レンズ。ふるいものですが,極限的な性能にこだわるような使い方をしなければ,光学的に何の問題もありません。ただ困ったことは,この当時の説明書を読むと,油浸オイルの拭き取りにキシロールが推奨されていることです。質の悪いアルコールなどをつかうとレンズがだめになるとも書いてあります。清拭でキシロールを使うのは大げさな感じですし,労働衛生上もよくないので,どうしたものだろうかと悩んでいます。n-ヘキサンも毒性があるのであまり使いたくないですし(画像/MWS)。








2016年2月6日


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NIKKEN顕微鏡の改造記事を読んでいると,簡単に短時間で改造ができるんだろうな〜と思ってしまうかもしれません。web記事では作業中の雰囲気は伝わりませんから,どんなに過酷な作業でも,あっさり片づけたように書くこともできます。じっさいのところは,それなりに時間をかけて作業をしているわけです。備忘録的に書いておけば,

・顕微鏡狩りに出かける。そこでNIKKEN顕微鏡をゲット
・木箱付きの重たい顕微鏡をハンドキャリーで持ち帰る。重い…。
・帰宅して動作チェック
・対物レンズの点検(3本),接眼レンズの点検(1本)
・全部のレンズの清拭

・顕微鏡本体の清掃
・固着したネジの解除
・機構を知るために分解
・ブロワでほこり取り(内部)
・もういちど組み立て

・対物レンズの相性テスト(33.6,36.65,45mm)
・鏡筒長テスト
・使用対物レンズの候補絞り
・使用接眼レンズの選別
・本体ゴム足(欠損分)の修理

・鏡筒内部の迷光処理(植毛紙)
・プリズムを外して清拭
・円孔絞り盤を除去
・下部ミラーホルダ,ミラーを除去
・プリズムセット,光路調整

・塗装磨き(#5000,コンパウンド+セーム革)
・掃除機で微粒子を吸引,清掃
・ステージ磨き
・微動,粗動ハンドル磨き
・粗動グリス交換

・微動注油(ごまかし)
・暗視野コンデンサ材料買い出し
・暗視野コンデンサ製作
・照明用パワーLED放熱板磨き
・放熱用ニッケル板磨き

・LEDハンダ付け。
・AC-DC電源製作(制限抵抗タイプ)
・コレクタレンズ取り付け(ホットボンド)
・コレクタレンズにLBB12と拡散板を接着
・照明系を台座に接着

・木箱の内側外側を清掃
・木箱にゴム足4つを取り付け
・木箱のカギを取り外して分解清掃
・木箱のキー(欠損品)を製作
・カギを取り付けて動作確認

・顕微鏡固定ネジ(M8)買い出し
・固定ネジ用ドライバー買い出し
・防塵用テフロンテープ買い出し
・ペットボトルで防塵ドーム製作
・ペットボトルで保護カバー製作

・顕微鏡全体を清掃
・暗視野コンデンサ清拭
・標本清拭
・標本をステージに固定
・直ちに防塵ドーム取り付け

・保護カバー取り付け
・ドーム,カバーともにテープで目張り
・ドライバー,キーを箱にとりつけ
・木箱の取っ手部分を補強,ワッシャ追加。
・ブロワー準備

・都内で約半日間の試験運用
・運用後の点検

だいたいこんな感じでしょうか。後から思い出して書いているので,細かい作業はまだまだたくさんあったと思います。とにかく,一つ一つステップを踏んで片づけないときちんとしたものが構築できないので,急ぐことなく飛ばすことなく,確実に作業をするしかありません。

できあがったものはメンテナンスフリーで,150倍で暗視野検鏡できる顕微鏡です。木箱で輸送可能で,本体は鉄製なので頑丈です。照明はAC-DCアダプタをコンセントに挿してコネクタをつなぐだけです。輝度は最適にセットされています。ピントも追い込んであり,微動だけの操作でOKです。ほかに操作する部分はなく,観察者はメガネを外して覗くだけです。接眼レンズにホコリが積もるので,ハケ付きのブロワーでしゅっしゅとやっていただくのは仕方のないところです。

試験運用では顕微鏡や写真関係の専門家にみてもらいましたが概ね好評のようでした。20人程度が出入りしてホコリやタバコの煙もあるような場所でしたが,運用テストには好都合だったと解釈しています。そのような場所でも筆者製作のJシリーズにはチリ一つ落ちることなく,完全黒バックの暗視野像をいつまでも見ることが可能で,またピントも一度合わせた状態で全く不動のままでした。試験運用の結果をもって改造の完成としました。これでJシリーズを常設展示も可能な移動式の暗視野顕微鏡が完成したことになります。

このような顕微鏡を構築するにあたって重要なことは,とにかく手を動かすことです。上のように作業リストにすれば,簡単な流れ作業に思えますが,実際は悩んでいる場面も多く,アイデアをひねり出すのが大変なのです。いろいろなアイデアは,とにかく手を動かしていると,どこからともなく答えが沸き上がることも多いので,困ったときはとにかく関連作業をすすめることにしています(画像/MWS)。








2016年2月5日


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膨大な作業となりつつも,古いボロボロの顕微鏡をメンテナンスし続けたのには理由があります。パーフェクトな見えを取り戻すことができると踏んだからです。この顕微鏡には2回反射のプリズムが入っていて45度の傾角で倒立像が見えます。プリズムを取り出して清拭したところ,ひじょうに良い状態になったので,像の劣化は起きないことを確信して各部に手を入れたのです。鏡筒内部は内面反射防止を施し,対物レンズと接眼レンズはもっともマッチングのよいものを選び,片眼で見るのに最適な倍率,その倍率に適した標本を制作…などというシステマチックに考えられた校正になっています。

その結果,予想どおりにパーフェクトな見えを達成しました。それを示すには,接眼レンズをのぞき込んで撮影して示せば説得力もあるでしょう。そこでNikon1J2に1Nikkor18.5mmF1.8をつけて,接眼レンズをのぞき込んでコリメート法で撮影すれば,きょうの画像の通りです(手持ち撮影)。まるでそのまま目で覗いたようなイメージで,品質の高い像になっています(画像/MWS)。








2016年2月4日


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さて顕微鏡を暗視野専用機に仕立てたら,最重要課題はホコリ,チリ対策といっても過言ではありません。当サービスの誇るJシリーズは,混入物ゼロを目指していて,標本自体は完全黒バックの暗視野で検鏡することが可能なものがほとんどです。しかしいくら標本のレベルが高くても,検鏡中に落下する粒子で汚されればそこが輝いてしまうので背景にゴミとして見えてしまいます。ふつうの室内なら1cm四方に数秒に1個くらいのペースで落下し,空気が落ち着いた室内でも,数分に一個は落ちてきます。暗視野で展示など行うのであれば数日後にはゴミだらけの,見るに堪えない,これのどこが綺麗なの?というようなものになってしまいます。

そこで当サービスの小学生レベルの工作技術を活かして中身が見える防塵カバーをつけています。対物レンズは固定。スライドグラスも固定して,ペットボトルの注ぎ口をカットして固定しています。照明系も汚れないようにカバーをつけています。コンデンサとランプ部分を保護する意味もあります。こうして防塵仕様にした暗視野顕微鏡は,Jシリーズを固定したまま外に持ち出して出先で披露しても,チリ一つ着くことはありませんでした。まずは改造に成功です。大変な手間がかかりますが,それをやるだけの意味がありますし,顕微鏡を眺めているとやらなくてはいけないことが次々と浮かんでくるので,やるしかありません(画像/MWS)。








2016年2月3日


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NIKKENの顕微鏡は単レンズのコンデンサに円孔絞りというものでしたが,このコンデンサは誰が発明したのか,国内の旧式顕微鏡でよくみられます。そしてこの単レンズが正しい位置に配置されているものをまだ見たことがありません。レンズのパワーからみて,間違った位置に配置されているので,性能がかえって低下しているものがほとんどです。そういったものが日本顕微鏡工業会の正会員の製品でもふつうに見られ,理振法準拠品になっていたりもしました。光学も何もあったものではありません。。

さてその単レンズのコンデンサ,今回は暗視野顕微鏡に改造するので活かすこととしました。市販のLEDライトからなるべく高NAで口径のあるものを採取し,このレンズからの光束を単レンズコンデンサに入射して,プレパラート面にフォーカスがくるように調節します。そうしたら使用する対物レンズNAを覆い隠すような円形の植毛紙をセットして暗視野光束だけが標本に照射されるようにします。じつに簡単な改造です。

単レンズコンデンサの物体側は,特別にきれいな面であることが要求されます。そうでないと,ゴミや傷などが暗視野光束で輝いてしまい,これが物体観察時の背景光となって,バックが明るく,ムラになるからです。今回の単レンズは50年もので,傷だらけでしたので,丸く切って完璧に清拭したカバーグラスを封入剤で貼り付けてあります。こうすることによって,単レンズの傷は屈折率が等しい封入剤によって埋まってしまい見えなくなります。もちろん,表面は完璧にきれいになります。こうして長い間放置されて誰にも相手にしてもらえなかった顕微鏡が息を吹き返して,本気出してくるのです(画像/MWS)。








2016年2月2日


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これは昨日の顕微鏡の照明部分。3W電球色のパワーLEDにコレクタレンズをつけたもの。コレクタレンズは秋葉原辺りで500円くらいで転がっているジャンク双眼鏡の接眼レンズ。あの接眼レンズは高NAでパワーLEDのコレクタレンズに向いていることは以前にも書きました。複雑な形状で工作が面倒だったので,ホットボンドで接着してあります。LEDの放熱基板は熱伝導テープでニッケル板に接着して,そのニッケル板を両面テープで顕微鏡に固定しています。接着面は平面研磨して脱脂してあるので,かなり強い接着ができます。

配線は黒のガムテープで固定して,黒のカッティングシートで隠してあります。コレクタレンズの出射側には,LBB12をカットしてのせて,上から拡散板を接着してあります。これにより照明ムラを少なくして同時に輝度調節もしています。電源はAC-DCアダプタに,制限抵抗を噛ませたものです。こうして昔の顕微鏡が現代の機能を装備して生まれ変わっていきます(画像/MWS)。








2016年2月1日


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少し前に,なんだか顕微鏡に呼ばれている気がして,顕微鏡狩りに出かけました。田舎に住んでいた頃はきのこ狩りも,ムカゴ採りも,山菜摘みもふつう日常でしたが,都心では何もできません。それで頭を切り換えて顕微鏡狩りに出かけることにしたのです。そして顕微鏡はやはり筆者を呼んでいたようで,土曜日の午後に出かけて,夕方には収穫物に恵まれて帰路についたのでした。NIKKEN,つまり日本顕微鏡製作所の単眼顕微鏡です。画像はすでに改造後の姿ですが,もともとはミラー採光型で円盤絞りというものでした。これにオリンパスの短頸40xが2本,NIKKENの10xが1本付属して,接眼はオリンパスの5x。木箱がついて3240円。ちょっと高いし,ぼろぼろの状態でしたが,復活可能なことをすぐに見抜き,連れて帰ることにしたのです。各種バラしてメンテナンスすると,じつに使える可能性が判明して大改造の素材としたのです(画像/MWS)。









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