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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2008年3月31日


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MWSでは来月(4月)中旬頃よりプレパラートJシリーズの第2ロットを販売の予定です。一枚限りの限定品をはじめとして,受注生産可能な標準品も供給できるよう準備が進められています。画像は現在製作中の第2ロットから二枚を撮影したものです。今回のロットでは幾何学デザインをテーマとしています。ご期待ください(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月30日


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3月は試料採取・処理に大忙しでしたが,作業も順調に進み,いくつかの新しい珪藻試料を作ることができました。きょうの画像は処理中の一コマです。珪藻被殻に付着する有機物の酸化処理や純化処理の途中では頻繁に検鏡確認を行いますが,その合間に撮影したものです。海産の大型珪藻を濃縮している途中のもので,この試料がうまくできあがればJシリーズプレパラートの原料になる予定です(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月29日


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プランクトンの採集にプランクトンネットを利用することがありますが,珪藻類を採集する場合には注意が必要です。よく使われるネットの一つにNXX13(オープニング0.1mm)がありますが,多くの珪藻は0.1mm以下のサイズ(断面のサイズ)を持ちますので,簡単に抜けることがあるのです。しかし全部抜けてしまうわけではなく,ひっかかったり,ちぎれたり,実際には複雑な現象が起きています。この画像は珪藻被殻の洗浄処理中にプランクトンネットで漉したときのものですが,簡単に抜けそうな海面骨針がひっかかっていたり,斜めに入れば通過しそうな珪藻がネットに載っていたりして,サイズによってきれいに分画されるわけではないことを表しています(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月28日


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珪藻の被殻にある刻印は時として工業製品かのような整然とした配列をとります。この珪藻は海産の付着性種ですが,周期構造がきわめて一定したミクロの定規とでも言うべき構造を持っています。この種だけ集めれば対物レンズテスト用の精密スケールとして十分に使えるでしょう。珪藻の構造は最初にケイ酸が集積する小胞ができてそこでケイ酸の重合が起こり沈着するわけですが,小胞は有機膜でできています。この有機膜の型枠が整然と並んでいるからこそ,そこで重合したケイ酸被殻も整然としているわけです。実に不思議と言わざるを得ません(BF, 撮影/MWS)。





2008年3月27日


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珪藻の被殻は大小のシャーレが組み合わさったようなカプセル構造をしています。しかし被殻表面の構造は表裏で同じ種も異なる種もいます。この画像は3月25日に撮影したコッコネイス属珪藻の裏面です。ナビキュラなどでは表にも裏にも縦溝がありますが,この属では裏面に縦溝がありません。他にもアクナンテス属が表と裏で全く異なる被殻構造を持つことで有名です(BF, 撮影/MWS)。





2008年3月26日


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きょうの相模湾はところどころで赤潮が発生しており,濃密なところでは海面が朱色のペンキを流したように見えました(上の画像)。赤潮の原因となる生物は様々ですが,今回の場合はすぐにヤコウチュウだとわかりました。なぜなら,海岸に降り立って水面をみるとヤコウチュウ独特の濁り方で,ヤコウチュウのつぶつぶも見えたからです。この海水に手を触れるとほぐした生タラコを触っているようなプチプチとした感触があります。吹き寄せられてペンキのように見えた部分を持ち帰って検鏡すると(下の画像),ヤコウチュウの遺骸ばかりで生きている個体は見られませんでした(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月25日


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珪藻の形態は種々のバリエーションがあっておもしろいですが,ときおり,この珪藻のように微妙にS字状のカーブを持っているものがいます。なんとなく銀河を思い起こさせる形態ですが,どのような意味があるのでしょうか。宇宙の星々が重力で引き合って微分回転するとS字状になるかもしれない,というのは何となく想像できますが,波に揉まれる珪藻がどんな進化と適応の繰り返しでS字になったのでしょう(BF, 撮影/MWS)。





2008年3月24日


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海の珪藻(被殻)を検鏡していると,ときどき,ガラス質の丈夫なフレームのようなものが視野に入ることがあります(上の画像)。これは珪質鞭毛藻(けいしつべんもうそう)という,鞭毛を振りながら泳ぐ光合成生物の遺骸です。珪藻のようなケイ酸被殻は持ちませんが,丈夫なケイ酸質の骨格を持ち,これが死後も残ります。この骨格の形状は分類上重要な形質になります。珪藻被殻よりも緻密なケイ酸で,化学的な安定性も大きく,化石として残りやすいことが知られています。海底の泥を検鏡するとよく出てきます(BF, 撮影/MWS)。





2008年3月23日


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珪藻類は何万種も存在しますので,新しく検鏡するサンプルなどには初めて見る種が入っていることもあります。そんなとき,種同定に注意を払いながら検鏡するのなら油浸が基本ですが,ざっとプレパラートの状態を確認したいときなどは開口数0.95の乾燥系で検鏡することもあります。このとき,分解能は300nm付近ですから,これ以下の構造は原則として解像しないことに注意が必要です。きょうの画像は海産の付着珪藻ですが,最初にみたときは何も構造が見えませんでした。しかし何かあるような気がして,補正環を最良の位置に回し,偏斜照明を行い照明波長を短くすると周期構造が浮かび上がってきました。300nm付近の構造です。このようなことがあるので珪藻の検鏡は気を抜けません(oblique, 撮影/MWS)。





2008年3月22日


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この大型珪藻はきのうの画像とは異なる海域で採取したももので,やはり海藻に付着していたものです。まだ名前を調べていませんが,群体のいくつかから糸が伸びているように見えたので多数の個体を検鏡したところ,上の画像のような糸を分泌しているのは間違いないようです。この珪藻は前日に取り上げた種とは異なり,他小型珪藻が大量に付着していたりゴミをまとっていたりということが,あまりみられません。生態の違いでしょうか,海域の違いでしょうか(DIC, 撮影/MWS)。





2008年3月21日


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きのうの画像の珪藻を,生きているうちに海藻から剥がすと,たとえばこんな感じです。粘液質(多糖類と思われます)の糸でしっかりと器物に付着していますが,それ以外にも多数の珪藻や鉱物がびっしりと付着している様子がよくわかります。これらの付着物の多寡はいろいろあって,細胞の若さや生理状態の指標になると考えられます。きちんと調べれば生理生態の研究テーマになりそうです(DIC, 撮影/MWS)。





2008年3月20日


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海藻類,とくに低潮線以深に分布する紅藻類などには多くの付着珪藻が棲息しています。中には目で見えるサイズのものもいますので,機会があったらよく観察してみると面白いかもしれません。打ち上げられた海藻などにも,よく見ると珪藻が付着していることがあります。羽状目で縦溝のある種は移動ができますので逃げたり剥がれたりしやすいですが,多糖類を分泌して器物にしっかりと付着している種は少々のことでは剥がれません(上の画像)。丸い物体がクモノスケイソウと呼ばれる仲間で,0.1mm以上の大きさが普通なので,なんとか目に見えるサイズです。このサンプルは水洗いして乾燥したものなので珪藻は死んでいて,下の画像のように,紫色励起で蛍光観察しても赤色蛍光はほとんど見えません(epiDF/epiFL, 撮影/MWS)。





2008年3月19日


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ここに写っている動物プランクトンは海藻類の間に潜んでいたものです。紅藻類などのフサフサした海藻類には多くの動物プランクトンが棲息しているので,揺すって濁った水をすくえば大量の動物プランクトンが簡単に採集できます。ホルマリンなどで固定すると形が崩れたりしてもとの形態が損なわれることがありますので,生きたまま持ち帰り,氷温室で貯蔵して動きが止まったものを取り出し,3%食塩水で洗ってからマウントして撮影すると比較的きれいな状態を保てるようです(epiDF, 撮影/MWS)。





2008年3月18日


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動物プランクトンなどの比較的大きな生物は,通常,透過明視野か落射照明(上の画像)で観察します。しかしときには蛍光観察も意義があるかもしれません(下の画像)。生体内の自家蛍光の色や分布によって分類や生理生態に関する情報が得られる可能性もあります。最近は実体顕微鏡でも蛍光観察が可能なものも出てきています。また,LED光源なども良いものが開発されてきていますので,例えばUV-LEDなどを用いて簡易蛍光観察装置を自作することもできるでしょう。長時間露出のできるデジタルカメラであれば,強力なブラックライトを用いただけでも簡易な蛍光顕微鏡画像が得られます(epiDF/epiFL, 撮影/MWS)。





2008年3月17日


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大型の動物プランクトンは迫力があって被写体としても魅力的ですが,技術的にはかなり難しい相手になります。特に10〜50倍程度でプランクトン全体を撮影する場合など,ライティングの強度や方向,光源や光の選別,プランクトンを入れる容器の選択とセッティング,光学系の選択,露出,ホワイトバランスの加減,適切な倍率,画像の読みと処理などなど,考慮すべき項目が多岐にわたります。ヒゲのある種とゼラチン質の種ではライティングも画像処理も変わります。良い画像はなかなか得られませんが,たまにきれいな絵がとれるとうれしいですね(epiDF, 撮影/MWS)。





2008年3月16日


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MWSでは珪藻の美しさを多くの方に周知するためにリンクキャンペーンを行います。きょうの画像のような珪藻を含むプレパラートが無料で入手できます。という企画だったのですが,皆様心優しく,いずれもお買いあげをいただき,キャンペーンへの応募は芳しくありませんでしたので終了致しました(BF, 撮影/MWS)。





2008年3月15日


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海は生命をはぐくむ培養液です。ふだんは目にも留めませんが,海水をコップ一杯すくえば,そこにはバクテリア,各種の藻類,原生生物,甲殻類の幼生など,多種多様なプランクトンが入っています。大型の動物プランクトンなどは倍率20倍程度でもよく観察でき,実体顕微鏡や低倍率の生物顕微鏡の観察試料として好適です。しかも,プランクトン収穫にはボウズはありません。釣りに出て何の獲物もなかったときには,潮だまりをかき混ぜて濁らせた海水を,ペットボトルに入れて持ち帰ってみてはいかがでしょうか。そこには色とりどりのプランクトンに満ちた素晴らしい眺めが広がっているかもしれません(epiDF, 撮影/MWS)。





2008年3月14日


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珪藻被殻にある微細な構造は,水封ではよく見えません。生きている珪藻の被殻構造はさらにコントラストが低くてほとんど見えないことが多いです。しかしこれ明視野検鏡で肉眼観察の場合です。ヒトの目はウェーバー・フィヒナの法則でコントラストを認識しますから,低コントラスト物体が見づらいのです。そこで微分干渉法や偏斜照明法によって微細構造のコントラストを上げ,さらにデジタル画像を処理してコントラストを強調すると,生きている試料でも被殻構造が見えてきます(上の画像)。また,珪藻被殻は透明体ですから,ちょっとピントをずらすと細胞の内部構造を鮮明に観察できます(下の画像)。表面も内部も観察できるところが光学顕微鏡の強みです。この画像の珪藻はクラチキュラの一種です(DIC, 撮影/MWS)。





2008年3月13日


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珪藻狩り,という言葉があるかどうか知りませんが,春は河川/湖沼/海洋でも珪藻狩りのシーズンです。ここのところ連日のように試料採取や処理が続きますが,なかなか欲しい珪藻に巡り会えません。しかしたまにはきょうの画像のような美麗な珪藻が採取できることもあり,顕微鏡下に表れた姿に小躍りして喜ぶことになります。しかし勝負はこれからです。果たしてどのくらいの数が入っているのか,鉱物はどのくらいか,壊さずに処理できるか,処理が完全にできるか?,歩留まりは?,形良く封じることができるのか,などなど,気の抜けない作業が延々と続きます。その結果,涙を飲んで商品化を断念せざるを得ないものも多いのです。さて,この試料はどうなることでしょう(DIC, 撮影/MWS)。





2008年3月12日


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試料採取の合間にオニギリを食べていると,高潮線のやや下方付近に海苔のようなものが目にとまりました。試しにつまんでみると確かに海苔の風味です。持ち帰って検鏡すると見覚えのある細胞が並びます。葉緑体の自家蛍光は鮮明で,星形の葉緑体と,全体が赤く光る細胞と,青色蛍光を発する細胞があります。細胞の生死などによって自家蛍光は種々変化することがあるので,新鮮な試料や固定サンプルなど,いろいろな状態の試料を観察しておかないと本物の状態がどれだかわからなくなることがあります。縁の部分が検鏡できていないのでよくわからないのですが,スサビノリでしょうか。軽く焼いて風味を調べても,やはりノリの風味でした(BF/epiFL, 撮影/MWS)。





2008年3月11日


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珪藻は浮遊・移動・付着など生活形態は様々です。この珪藻(ゴンフォネマ Gomphonema属)は長い柄を持っていてその先にケイ酸の被殻があります。この柄は他の藻類や植物の茎や木の杭などにくっついています。これにより,器物から遠ざかることができ,それが生態上何か有利に働いていると考えられます。さて,何に有利になるのでしょうか。水中から栄養塩類を吸収しやすくなるのでしょうか(oblique, 撮影/MWS)。





2008年3月10日


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沼などの水際に生えているヨシやススキの茎をしごいて付着物を採集すると,いろいろな原生生物が一度に捕まえられます。良い試料を採集できれば珪藻や緑藻,ミドリムシ,ラッパムシなど驚異の世界のオンパレードです。この画像はラッパムシ属の一種と思われますが,全身に繊毛があり,ラッパの先が開いていて繊毛が高速に運動して水流を起こします。この水流に流れて乗ってきた生物を取り込みます。画像を見ると取り込まれた珪藻が見えます。摂餌の様子は繊毛型掃除機といったところで,嫌いなものははじいて飛ばし,好きなものだけ取り込みます。瞬時の出来事ですが,どのようなメカニズムによって餌の選択が行われているのか,とても不思議です(oblique, 撮影/MWS)。





2008年3月9日


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いまごろの時期にゆるやかな流れの河川に出向くと,流れの淀みや,本流から取り残された水たまりなどに茶色のドロドロが観察されることがよくあります。何となく汚物をイメージさせるのか,大抵の人がヘドロや汚濁と思っているようです。これを顕微鏡で見ると,たいていメロシラ・バリアンスという糸状珪藻を中心とした珪藻群集です。つまり,汚れと思っていた茶色のドロドロは珪藻の塊なのです。メロシラ・バリアンスはゆるやかな流れの河川で卓越する珪藻で,糸状の群体が巨大なコロニーを形成するため,これを中心とする一大生態系が形成します。そこにはメロシラを初めとして,他種類の珪藻,アメーバ,ミドリムシ,ツリガネムシ,イタチムシ,ワムシなど多くの原生生物が生活しています。そしてこの生物群集は,バクテリアや栄養塩類はもとより,有機物や,ひいては合成洗剤までも摂餌/吸収/分解してしまう能力を持ち,自然の浄化機構という意味できわめて大きな役割を担っているのです(BF−DIC, 撮影/MWS)。





2008年3月8日


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これは脳切片(ニッスル染色)の画像です。ニッスル染色性の物質は粗面小胞体由来のRNAが多いといわれ,核の近くがよく染まります。他の部分はあまり染まらないのでコントラストが弱くなります。この染色部分と非染色部分を同時観察するには,染色標本といえども検鏡法の選択が必要になってきます。上の画像は透過明視野で,染色部分が明瞭に判別できる一方で,神経繊維等の他の部分が非常に低いコントラストとなっています。そこで微分干渉法を用いて検鏡すると,中段の画像のように非染色部分のコントラストが増加して全体像が判別しやすい画像になります。位相差を用いると非染色部分のコントラストをさらに上げることができますが,ニッスル染色性の部分との判別はできなくなります(下の画像)。これらのコントラスト法が素早く切り替えられる顕微鏡があれば観察/撮像の自由度が増し,様々な染色物体や位相物体に対応できることになります(試料作成/H.Tohyama, BF/DIC/Ph, 撮影/MWS)。





2008年3月7日


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珪藻のサイズは大小さまざまです。上の画像はスタウロネイスといい,淡水の池や沼などにいる種類ですが,100μm(0.1mm)以上になる比較的大型の種です。下の画像は湧水に出現した珪藻群集【KYY-01】ですが,アクナンテス属の一種など,5μm(0.005mm)付近の微少な種が多く入っています。両方の画像は同じ倍率(40倍対物レンズ)で撮影していますが,大きさがまるで違うことがおわかりいただけることと思います。これほどサイズや形態が違っても,ケイ酸被殻を持つことは同じであり,4重膜の色素体を持つことも同じであり,したがって両者ともに珪藻なのです(oblique, 撮影/MWS)。





2008年3月6日


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珪藻プレパラートの開発は先の見えない作業です。種々の珪藻を集めたいのですが,望みの種がいつも入手できるわけではありません。採集してきた試料が泥だらけで,どうしても鉱物が除去できず,商品化を見送ったものも数多くあります。培養すれば純粋な珪藻が得られますが,種組成が単調になりますし,被殻が薄くなって検鏡しにくくなってしまう種が多くいます。ひたすら良質な天然試料を探索するのが良いようです。きょうの画像はMWS珪藻プレパラート【SEK-01】に含まれていた珪藻ですが,湧水がコンクリートの水路を流れているところで増殖していたものです。散歩中に何気なく採取した試料が思いがけなく良質だったということがよくあるので,外出時には採集セットが欠かせません(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月5日


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珪藻プレパラートには干渉色を観察/撮影するという利用法もあります。暗視野法で美しい干渉色が観察できる珪藻はたくさんありますが,MWS珪藻プレパラート【FSD-01】はその最たるものでしょう。自作の暗視野照明でも本格的な暗視野コンデンサでも,美しい干渉色が楽しめます。対物レンズは4倍〜10倍(開口数0.1〜0.25)で赤〜オレンジ〜黄色の干渉光がよく観察でき,20倍の対物レンズ(開口数0.4)ですと,とても美しい干渉色が珪藻のおおまかな構造とともに楽しめます(上・中段の画像)。40倍対物レンズ(開口数0.65)の場合は構造が見え始めますが,まだ青色の干渉光が残りこれもきれいな眺めです。アポクロマート系レンズでは開口数が大きくなり,干渉色があまり出なくなるので,アクロマート系レンズでの観察がお薦めです(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月4日


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暗視野法で珪藻を検鏡していると,ときどき鮮やかな色のついた珪藻が見られます。たとえばこの画像は珪藻プレパラート【HKZ-01】に含まれるフルスツリア属の珪藻ですが,開口数0.65程度までの暗視野法ですと鮮やかな青色に輝きます。これは干渉色といって,珪藻の構造により回折した光が干渉を起こし,その青色の成分が見えているものです。音楽CDのデータ記録面で虹色が見える現象と似ています。青の干渉光がみえるということは,もう少し対物レンズの開口数を上げて青の回折光がレンズに入射すれば,珪藻の構造が見えるということになります。この珪藻の場合は開口数0.95の対物レンズですと構造が見えますが,開口数0.65のレンズだと青い干渉光が見えます(DF, 撮影/MWS)。





2008年3月3日


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ヤナギのまな板は刃当たりが柔らかくてとても使いよいのですが,端がカビてくるので時々削って手入れしなければなりません。断面を鉋で削るとちょうど良い屑が出たのでさっそく検鏡してみました。師管にそってカビが侵入するのがみられましたが,なかなか良い絵が撮れないので諦め,年輪を蛍光顕微鏡で撮影してみました。自家蛍光が強いので無染色で紫色励起を行っても十分に観察できます。冬目が詰まっている様子(中央の細胞が密になっている部分)がはっきりと写っています(epiFL, 撮影/MWS)。





2008年3月2日


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珪藻化石を含む試料を検鏡していると,時々,よくわからない物体が見られます。この画像の物体もそうで,珪藻被殻の一部なのか,他の生物のケイ質骨格などが残ったものなのか,よくわかりません。つついて見るとペラペラで,なんとなくリゾソレニア属の被殻を想像させますが,模様が全く違います。全体的に大きく,破損した殻しか見つかりません。さて,これは何なのでしょう。誰かご存じの方はおられませんでしょうか。このように,現在覗いているこれは何なのか?という問題に毎日直面するのが検鏡という作業です。一つ一つ疑問が氷解してゆくのは,また,楽しいものです(BF, 撮影/MWS)。





2008年3月1日


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サルナシの植木鉢に敷いてある水受けの皿に水が溜まっていました。どうも生物が沸いているようなので検鏡してみると,数は少ないですが画像のような珪藻が見られました。形態からニッチア属のようです。この水受けはたびたび干上がりますし,河川や池の水などを補充したこともありません。するとこの珪藻は,雨水に含まれていたか,植木鉢の土の中に棲息していたか,風に舞って飛んできたかのいずれかということになります。このように,珪藻はどこからかやってきて増えてしまいます(DIC, 撮影/MWS)。






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