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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2010年6月30日


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これは珪藻土(能登半島産)を利用したボードです。適度な粘土含量と珪藻被殻の性質を利用すれば,耐火性に優れたボードにもなりますし,調湿作用のある軽量ブロックも作ることができるでしょう。このボードは日本ダイアコム工業(株)の製品です(こちら)。粘土含量の異なる珪藻土を用いて,性質の異なる資材を開発供給しています。珪藻土と一口にいいましても,粒度の細かい粘土鉱物の多いものから,純粋な珪藻被殻が集積したものまで多くの種類があります。事業者はそれぞれの性質を見抜き,ろ過,調湿,耐火材料などに用いるわけです。能登の珪藻土というと七輪が有名ですが,建築資材にも使われています(撮影/MWS)。






2010年6月29日


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久しぶりに湿潤療法を行いましたので報告です。6月9日の夜にホウボウを下ろしていたところ,魚を開くはずが指先を開いてしまいました*1。けっこう深い傷で,瞬間的にビョウイン?と思いましたが忘れることにしました。さっと水で流し,圧迫止血をしながら魚をさばいて,あとは絆創膏で止めました。宴席が終わった後に絆創膏を外すとまだ若干出血が続きます。水で流し,傷口を合わせるようにしながらポリエチレンラップを巻き,湿潤療法の開始です。あとは一日数回,傷口を水道の流水で洗い,ラップで巻くだけです。指先は,ゴム製の指サックが使えるので便利です。

画像は28日夜のもので,湿潤療法を終えて4時間が経過したものです。十分な厚さで上皮化が終了し,多少の突っ張りがあるものの,機能に問題はありません。湿潤療法ならではのスピーディーな回復で,この方法を知っていて本当によかったと毎回感動します(前回は2008年5月14日の画像をご覧下さい)。何しろ,指を切ったときも痛くなかったし,そのあとも,一度も痛みを感じることなく傷口が治ったのですからね(撮影/MWS)。

*1 原因は判明しています。出刃の刃先が梨割で甘くなっていることに気づきながら,そのまま使い,しかも普段とは逆方向から背開きにしようとしたことです。刃先が滑り,魚を抑えている指を突き刺しました。この日はほかにも手近にあった修理中のフグ引きで刺身を引いて,刺身がつながっていたりと,散々な仕事でした。時間がないからと,普段と違うことをやるときに事故は起こるものです。頭ではわかっていても,ついつい急いで作業を行い,ケガをしてから,「そうだよなあ〜」「こーやれば手を切るよなぁ」と,当たり前のことが起こったことに感動する羽目になるのです。






2010年6月28日


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当サービスの珪藻試料は国内各地のものを収集中ですが,これには多くの方々の協力があります。先日も能登半島から珪藻土が入荷しましたが,専門家の協力を仰ぎました。能登半島は珪藻土(=珪藻化石が降り積もったもの)でできた半島といっても過言ではなく,この資源を活かして多くの製品が作られています。今回,貴重な試料をご恵送いただいたのは,日本ダイアコム工業(株)です(こちら)。この会社は能登珪藻土の性質を巧みに利用して,珪藻土の持つ特性を引き出した製品を供給しています。さすがに現場で永年活躍されてるだけのことはあり,すぐに珪藻土試料が集まりました。それぞれの試料は性状が異なりますので,処理後に比較検討し,美しい珪藻化石が観察できる試料を供給できるようにしたいと思います。下の画像は能登珪藻土から出てきた珪藻化石で,まぎれもなく,化石種の珪藻です。この珪藻が,人類が生まれるよりも前に海の底に沈んで,いま,人の手によって観察されているのです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月27日


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これは世界的に有名なスイスの計測器メーカ製品に付属してきたガラス基板です。開封時は目で見て分かるほどに汚れていて,顕微鏡で見ると細かい粒々に加えて油滴も見えます。清拭後に研磨剤で表面を磨き,再度精製水で清拭してから検鏡すると,油膜は取れ,大きな粒々もけっこう除去されています。しかしまだ,表面の汚れはかなり残っています。海外製品のガラス基板といえど,その表面の清浄性は国内のレギュラースライドと大差ないようです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月26日


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新鮮ならばきれいなスライドグラスもあります。これは有名メーカの水スライドで,製造から60日の製品です。箱から取りだして検鏡してみてもかなりきれいです(上の画像)。精製水+キムワイプで清拭してから検鏡してみると下の画像の如くです。これは素晴らしいですね。すぐに洗浄して冷凍庫にでも放り込んでおきましょうか(^^)。それとも油漬けにでもしましょうか。。(DF,撮影/MWS)。






2010年6月25日


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これはオリオン座の大星雲M42の画像…ではなくてスライドグラスの表面です。スライドグラスは生もので,鮮度が命です。ガラスは製造後から劣化が始まっています。何年も放置すると使いたくないほど曇ってくることもあります。こういったスライドグラスはよい標本ですから,ぜひ検鏡してみましょう。暗視野法がオススメです。あちらこちらに,金砂・銀砂が散りばめられ,結晶のお花畑があちこちに見られることでしょう。生物顕微鏡用の対物レンズで検鏡するときは,よく洗ったカバーグラスを載せて検鏡すれば高倍率の対物レンズでもOKです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月24日


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写真撮影中にCFカードがお亡くなりになりました。初めての経験です。カメラの温度上昇が原因なのか,取りだしたカードは42℃くらいはありました。もはやパソコンでもカメラでも認識せず,フォーマットされていません,と表示が出てきます。きのうと今日の2日分,100枚ほどの画像データが失われました。上の画像のような,けっこう貴重な記録が詰まっていたのですが,勿体ないことをしました(DIC,撮影/MWS)。






2010年6月23日


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顕微鏡下の世界は未知にあふれています。まいにち顕微鏡を覗いていても,見たことのない,何か見当もつかない不思議なものに行き当たります。上の画像もその一つで,イワシのフンを蛍光顕微鏡で観察していたときに遭遇したものです。紫外線励起で青色に光るこの物体は,いったい何なのでしょう。渦鞭毛藻のシストでこのような形態のようなものがあったような,なかったような。顕微鏡を覗き始めると,しばし俗世間を忘れて,自然の不思議な世界にあれこれと想像を巡らせることになります(epiFL,撮影/MWS)。






2010年6月22日


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イワシのフンにはいろいろな植物プランクトンが入っていますが,なかには生きているのでは?と思うものも見られます。上の画像は何だかよくわからない植物のようです。シストにも見えます。これを蛍光顕微鏡で観察すると,葉緑体らしき構造が鮮明な赤色蛍光を放っているのが見えます。死んでいるようには見えませんね。たぶん,海水中に戻ったあと,再び増殖活動を開始するのでしょう(DF/epiFL,撮影/MWS)。






2010年6月21日


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イワシを塩焼きにする前にフンを検鏡してみました。方法は簡単で,腹をつまんでフンを出し,スライドグラスにとります。これにカバーグラスをかけて静かに押しつぶせばOKです。イワシはプランクトン食性なので,珪藻の破片をはじめとしていろいろなプランクトンの残骸を見ることができます。上の画像は渦鞭毛藻(うずべんもうそう)で,鞭毛を振り回して泳ぎ回る藻類です。細胞内に残存色素が見えています。下の画像は花粉です。沿岸を泳いでいて,降り注いでくる花粉も一緒に食べたようです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月20日


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これは拾ってきた石から出てきた珪藻です。熊谷駅から西に数キロほど行った荒川河川敷には,堆積岩が露出している場所があります(2008年8月5日付け画像参照)。風化が進んでいるところもあり,ハンマーがなくとも堆積岩が採取できます。これをほぐして検鏡すると珪藻が出てきます。この珪藻は海産で,カザグルマケイソウ属の仲間です。現在の海にも棲息しています。熊谷というとかなり内陸の印象がありますが,大昔は海だったわけです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月19日


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♪裏の浜辺でポチが鳴く 正直おじさんが掘ったれば 大判小判がざーくざーくざっくざく (上の画像)。とでも歌いたくなるような珪藻群集です。先日採取した砂試料から珪藻をはがして濃縮してみたところです。カロネイス(ニセフネケイソウ属)とハンチア(ユミケイソウ属)がたくさん入った群集のようです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月18日


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これはコスキノディスクス(コアミケイソウ属)の比較表面を高分解能で撮影した画像です。コアミケイソウはCOS-01として販売していますが,他のプレパラートにも時々出没します。分類はけっこう難しく,アミアミ模様が見えたからといって種や属が判明するわけではありません。コアミケイソウは被殻の外側に,上の画像に見られるような微細構造があります。ピントをそっとずらしていって,被殻の表面からさらに外側にピントをずらす瞬間に,この模様が出てきます。微細構造が被殻の内側にあるのか,外側にあるのかは,分類上,大事な指標となります(oblique,撮影/MWS)。






2010年6月17日


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東京湾での珪藻サンプリングでは,泥水も採取してきました。干潮時に干上がった砂浜にできる水たまりの,底の方に沈んでいる泥を採取します。その周辺にいる死んだ珪藻の被殻が堆積していることがあるのです。上の画像がその試料ですが,ほとんどが鉱物粒子です。一滴(0.025ml)に数個くらい,大きめの珪藻被殻が見られます。ということは,採取した泥水1リットルには,4万被殻くらいの,大きめの珪藻被殻は入っていそうだということになりますね。珪藻被殻を集める作業というのは,数打てば当たる力業なのです(BF,撮影/MWS)。






2010年6月16日


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珪藻サンプリング試料から透明な砂粒,−恐らくは石英の破片なのでしょうが−,を顕微鏡で拡大し,深度合成してみました。簡易的な最低限の処理しかしていませんので妖しさが漂う品のない画像ですが,珪藻がたくさん写っています。砂粒の上半分を撮影・合成していますが,30細胞程度の珪藻が付着しています。いったい現場には,どれほどの珪藻がいることでしょうか。銀河系内の星の数よりは多いような気がします(BF,撮影/MWS)。






2010年6月15日


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きのう採取した砂を検鏡してみると,たくさんの珪藻が見られました。この砂は,砂浜などにあるものと同じサイズで,0.2〜0.3mm程度です。そんなに小さな砂ですが,珪藻からみると,大きな岩のようです。いくつも珪藻が付着していたり,すき間から顔をのぞかせたり,凹みで休んでいたりしています。砂というものが珪藻の付着基盤として優れている様子がうかがえます(BF,撮影/MWS)。






2010年6月14日


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きょうの東京湾は強い南風でサンプリングの条件としてはよくありませんでした。今年は雨が多く,津波もあり,個人的な事情も重なって,これが最初の沿岸サンプリングとなりました。手ぶらで帰るわけにもいきませんので,砂地の珪藻と定点調査の試料をなんとか採取して持ち帰りました。この場所は何度も来ていますが,まだ珪藻群集の全容は掴めていませんので,何かを持ち帰れば何かの情報が得られるものと思っています。画像はサンプル採取地点で,茶色い部分が珪藻群集です。この部分を表層数ミリ採取して珪藻を持ち帰ります(撮影/MWS)。






2010年6月14日(2)


『はやぶさ』は無事にTCM-4を乗り切ったあと,13日19時51分にカプセルを分離し,大気圏突入をくぐり抜け(本体は燃え尽き),パラシュートの展開も問題なく,ウーメラ砂漠に帰還しました。ビーコンも予定通り発信され,直ちにヘリにより目視発見されるという,パーフェクトな運用でした。さらに『はやぶさ』は,カプセル放出後に姿勢を変え,通信が途絶えるまでカメラの撮像と地球へのデータ送信を試み,地球が写っている最後の画像を送信してきました。

これは大変なことです。世界中の宇宙科学に携わる方々が,心の中でスタンディングオベーションをしていることでしょう。宇宙開発の歴史に残る金字塔であることは間違いなく,この成功をライブで味わうことができた喜びを感じます。関係者には深く敬意を表します。

はやぶさラストショットほか(JAXA)

NASAが専用にDC-8を飛ばし,はやぶさの燃え尽きる様子を撮影しています。
こちら(NASA)  こちら(NASA)

無事帰還したカプセル(JAXA)

* 未確定情報が多いので文章は随時書き直しています





2010年6月13日


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これは当サービスで供給している珪藻プレパラートIZR-S1を暗視野で撮影したものです。中央の曲がった珪藻は奇形というわけではなく,このような形態が特徴の種です。Hannaea属に分類される珪藻で,河川上流部などで見られます。この珪藻がいつ頃から発生してきたのかわかりませんが,このような曲がった形態,中央部のコブ,これらは生き抜いていくために必要な形態だったのでしょうか。それとも珪藻の(栄養細胞の)形態と生態戦略はあまり関係なく,他の要素が生き残りに重要なのでしょうか。いろいろな形の珪藻を見るたびに不思議に思います(DF,撮影/MWS)。






2010年6月12日


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これは当サービスで供給している珪藻プレパラートASK-02を暗視野で撮影したものです。その道の方がご覧になれば,河川中流〜上流部で流れのある瀬などの石から採取した試料であることを見抜くでしょう。同時に,鉱物がないことにも気づくことと思います(そうだとうれしい)。河川試料には大量の鉱物が混在していることがふつうです。この試料は沈殿分離を繰り返したら,たまたまきれいになってしまったという珍しいものなのです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月11日


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当サービスで供給している珪藻プレパラートにはいろいろな種が含まれています。全体像は製作者にもわからないので,お買い上げの方がじっくり検鏡して初めて全容が明らかになります。中には一枚で100種程度の種が観察できるプレパラートもあるようです。上の画像はDDM-STDに入っていた珪藻です。代表的な種以外にも,こういった珪藻がぽつぽつ見つかると嬉しいですね(DF,撮影/MWS)。






2010年6月10日


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当サービスでは蛍光顕微鏡の練習用プレートとしてF-TESTを供給しています。無機系の蓄光粒子を用いていますので耐久性は抜群です。照明の心出し,写真の練習,デモ用などに使えます。メリットはいろいろありますが,たとえばF-TESTを常備して照明の心出し調整用に使えば,心出し対物は必要なくなりますので,レボルバに観察用レンズを一本多く装着することができます。上の画像は紫外線LEDを用いて落射蛍光の照明調節中です。UV-LED発光体の構造がよくわかります(epiFL,撮影/MWS)。






2010年6月9日


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珪藻の微細構造に正確にピントを合わせた画像を一枚,そこから少しだけピントをぼかした画像を一枚,この二枚の間で減算処理を行うと,「ピントをぼかしたときに消えた部分」の強調ができます。一種のシャープ処理(アンシャープマスク)といえますが,いろいろなボケ画像を用意することにより好みの作画を行うことができます。上の画像はそのような処理を施したもので,MZR-02に入っていたClimacospheniaの一種(オオヘラケイソウ属)の微細構造が高いコントラストで写し出されています(oblique,撮影/MWS)。






2010年6月8日


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接眼ミクロメータ単独では大きさを与えられないということをお話ししましたが,きょうはその実例を掲げてあります。きょうの3枚は全て同じ対物レンズ(Plan40 NA=0.65)と接眼レンズ,接眼ミクロメータ,対物ミクロメータ,カメラを用いています。この条件で上の画像はA鏡筒で撮影したもの,画像中段はB鏡筒で撮影したものです。拡大率が同じならば接眼ミクロメータと対物ミクロメータの目盛りが,同じ数で重なるはずですがそうはなっていません。これは鏡筒に組み込まれたリレーレンズ系の拡大率が微妙に異なるからです。画像下段はB鏡筒に微分干渉用の中間鏡筒を装着したときのもので,中間鏡筒の倍率がかかり,拡大率はさらに大きくなっています。

このように,接眼ミクロメータの指し示す値は物体の大きさを与えません。対物ミクロメータで校正(キャリブレーション)して使用しないのであれば,まったく意味のない値となるばかりか,誤った数値を与えるという意味では有害ともいえます。しかし残念なことに,接眼ミクロメータだけで大きさを測定できると思っている人は多く,筆者も出先などでしばしば遭遇してきました。研究者もアマチュアも関係なく,信じ込まれているようです。高校生物で習った知識が活かされていないのです。

正確な大きさを測りたいならば,データとして残したいならば,定規の一本(対物ミクロメータ)を常備して下さい。信用ある光学メーカーの取扱製品でも安価なものがあります(メイジテクノなど)。一度購入すれば一生使えますから,出費が無駄になることはないと思います(BF,撮影/MWS)。

注)対物レンズ固定式の顕微鏡で,接眼ミクロメータを校正後に出荷している製品では,接眼ミクロメータの直読で物体のサイズが計測できます。しかしこのような場合でも,対物ミクロメータで確認するという作業の重要性が減じられるわけではありません。






2010年6月7日


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接眼レンズに組み込んで使う『接眼ミクロメータ』というものがあります(上の画像)。これは何の大きさを見積もっているのかというと,対物レンズ(または結像レンズ)で作られた「像」の大きさです。像の大きさは対物レンズの倍率によっても変化しますし,同じメーカーの同じ倍率の対物レンズでも変化しています。ですから,像の拡大率を測定できないときは,接眼ミクロメータはただの「周期的な刻み模様」でしかありません。「周期的な刻み」を像に当ててみたところで,像の大きさなどわかるはずがありません。ですから,下の画像のように,接眼ミクロメータを珪藻に当てても,大きさに関する情報はわかりません。

こういう言い方では理解しにくい人は,次のケースを考えてみてください。虫眼鏡で太陽の像を作ります。その像の大きさをモノサシで測ります。その大きさが2ミリだったら,「太陽の大きさは二ミリだ」と言えるのかということです。

というわけで,接眼ミクロメータだけでは,観察している物体のサイズを与えることはできないのです。このことは高等学校の生物の時間で習うことになっていて,題材として噛み砕いて丁寧に採り上げている先生方もおられます。熱心な先生は,生徒が理解しにくいポイントを的確に把握しているようです(BF,撮影/MWS)。






2010年6月6日


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小惑星探査機「はやぶさ」は無事にTCM-3を乗り切り,珪藻の星・地球に帰還することが決定的になりました。これまでも数々のトラブルを乗り越えよくやってきました。打ち上げから注目していた筆者は,「はやぶさ」がニュースに出るたびに,何度も,胸を締め付けられる思いにさせられました。特に,電気推進エンジンに異常が発生したニュースの見出しを見たときには,とうとう来るべきものが来たかと,怖くて続きを読むことができませんでした。それから数日後,回路変更により飛行継続しているという記事を読んだ瞬間,両目に液体レンズが発生し,パソコンのモニタがぼやけました。

技術者の必死の努力にも関わらず,宇宙空間で制御不能になった惑星探査機には「のぞみ(Planet-B)」があります。このときの,プロジェクトスタッフの苦闘の記録は『恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年―』という本にまとめられています。誰でもよめる必読書で,エンジニアなら手に汗握ることでしょう。今回の「はやぶさ」は,この時と同様に信じがたい困難の連続でしたが,ようやくここまで来ました。地球までは来ました。もう少しでカプセルは再び大地に戻れます。がんばれはやぶさ! 来週はみんなで祝杯をあげられるように,成功を祈念しましょう(DF,撮影/MWS)。






2010年6月5日


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この珪藻はMZR-02に入っているクモノスケイソウを暗視野で撮影したものです。毎回違う個体を撮影していますが,もう何度も登場したので,「またか…」とお感じの読者もおられるかもしれません(済みません…)。でも,この珪藻が入っているプレパラートを購入すれば考えが変わるかもしれません。何度見てもきれいで,不思議で,何回でも撮影したくなるのです(DF,撮影/MWS)。






2010年6月4日


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この珪藻はタラシオシーラ(ニセコアミケイソウ属)の仲間です。被殻がひじょうに薄く,水封での精密検鏡にはかなりのテクニックを要します。そういう珪藻はスライドグラスに載せて乾燥させてしまえば,比較的コントラスト良く検鏡できます。上の画像はそのようなマウントで検鏡したもので,照明波長440nm,対物レンズ開口数0.70(ノーカバー),偏斜照明です。微細構造についてもコントラストが高くなっています(oblique,撮影/MWS)。






2010年6月3日


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MZR-02にはこんな珪藻も入っています。たびたび紹介してきたTrigonium(ミスミケイソウ属)という種類です。和名も学名も三角形に由来していますが,上の画像のように四角形のタイプもあります。この珪藻,三角形のTrigoniumが多数見られるところに,ぽつぽつと出現します。四角形のタイプだけで占められる群集はまだみたことがありません。元は三角形で,何かの拍子に四角形になるものと思いますが,何が制御しているのでしょうか(DF,撮影/MWS)。






2010年6月2日


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当サービスで販売中の珪藻プレパラートは,どれも見本画像以外の種をたくさん含んでいます。種数が多いプレパラートでは一枚で50〜100種の珪藻を見つけることもできます。もちろん丹念に探す必要がありますが…。きょうの画像はMZR-02にぽつぽつと見られるActinocyclusという珪藻で,ヒトツメケイソウ属という和名が与えられています。9時の位置にぽっかりと穴があいていますが,これが特徴の一つです(DF,撮影/MWS)。

大型珪藻画像がリンク切れしていたので修正しました こちら





2010年6月1日


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美麗な珪藻の大型画像が好評なようなので,第二弾をお届けします。Hyalodiscusという珪藻で,時計皿にうんと精密な網目を入れたような形態です。今回は暗視野で干渉色を活かした作画としています。湾曲した珪藻なので深度合成を行い,さらに微細構造の強調をしています。それなりの画像になっているとは思いますが,輝きの質感などはモニタからはわからないようです。でも,きれいで不思議な画像です。こちらからダウンロードしてください(DF,撮影/MWS)。





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