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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2016年1月31日


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カギのない顕微鏡の木箱があって捨てようか別のロック機構を取り付けようか迷っていました。箱自体はしっかりしていたので,手入れすれば使えそうな感じもあったので,まずはゴム足を取り付けて,全体を拭いて手提げ部分をチェックするとけっこうまともな箱です。ならばカギもどうにかならないかと分解してみたところ,けっこう単純な構造だったので,カギが作れそうだと思いました。手持ちにオリンパスGCのカギが大量にあったので,これを差し込んでみると,回りませんが,機構的には同じだったので,つっかえている部分を削ればそのまま使えそうでした。それで回転工具に砥石をつけて,ウィーンと削ること数分,なんとカギができてしまいました。こうなると捨てようと思っていた木箱が急に重要物品に見えてくるから不思議です。ちゃんと手入れして使うこととしました(画像/MWS)。








2016年1月30日


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ピンセットの使いやすさは先端のカッチリ合った感じも大事ですし,しなり具合も大事ですし,刃先のカーブも大事です。しかしもっと重要なのは「コシ」かと思います。コシというのは,開いたピンセットを握って先端が閉じるまでどのくらいの力がかかるかということです。筆者がFontaxのtaxal,No.3系を多用するのは,コシが120-160g程度の力で好みに合っているからです。細かい作業にはNo.5がよいのですけど,Fontaxのtaxal, No.5はコシが230g前後のものが多くて,これだと事故の可能性が増してしまうのです。ピンセットを使っていていちばん恐ろしいのは,握力がコシに負けて開いてしまい,つまんでいたものをポロッと落とすことです。

さてそれできょうの画像は2本のNo.5です。上のものは,コシの強さに嫌気がさして削ってしまったものです。根元のバネの部分を削って薄くするのです。10年くらい前にダメもとで延々と削って仕上げたもので,これでコシは170g程度になっています。したのものと比較すると,素人削りのあとが明白ですが,ちゃんと使えます。5千円以上もする高価なピンセットでも,使えなければただの金属片です。ですからガリガリ削ってしまうのは当然です。もったいないといって,仕舞いこんでおくのが,いちばんもったいないのです。

本ページの読者には研ぎ愛好家もおられることと思うので,ピンセット(に限りませんが)研ぎの重要なポイントを書いておきましょう。それは,世間で言われている,「最初は粗い研磨で細かい研磨へ移行」という手順がちっとも正しくないということです。粗い研磨が,どのくらい粗い研磨でいいのか一目で判別できれば上級でしょう。実際には,このくらいでいいかなと粗い砥石や耐水ペーパーを当てて深い傷が入り,それを消すために無駄に研磨することになるのです。ほんとうに上手な研磨とは,なるべく研磨しないのにも同じ結果を出すことなのです。ですから,「粗い研磨から細かい研磨」というのはほとんど嘘で,最初に細かい研磨から様子を見ながら粗い研磨に移行して傷の深さを見ていって,適当なところで止めて,再び細かい研磨に帰る,これが研磨の極意なのです。筆者のながねんの経験から得られた,誰でも思いつく,わざわざ書くまでもないけれども,でも言われないと気がつかないかもしれない結論です(画像/MWS)。



*1 もちろん,形を整える修正研ぎのときは最初から粗い砥石でガリガリやることもあります。しかし日常の微調整でも中砥から研ぎすぎていたら,切れ味回復は簡単ですが,刃物やピンセットはすぐに減ってしまいます。刃物を減らさずに調子を戻す,このバランスを見つけるのがキモということです。そのことに気づくまでに,何本,包丁を研ぎ減らしたことか…。研ぐの楽しいですからねぇ(^^;

*2 個人的な経験では,ピンセットは,いろんな刃物の中でも,たぶんいちばん簡単に研ぐことができるものの部類な気がします。すぐに研げますし,研ぐのに大げさな砥石なども必要ないし,結果がすぐにわかります。そういう意味では,研ぎ入門に適しているものなのかもしれません。振り返ってみても,筆者が研ぎをはじめたのは中学生の頃くらいに時計をこじ開けようとしてドライバーを薄くしたという覚えがあって,そのあとは高校生くらいにピンセットを尖らせていたように思います。大学の頃は精密ピンセットを研いでいた覚えがありますし,実用上問題はありませんでした。が,その頃に刃物研ぎができたかというと,全然だめでした。四半世紀も前のことです。

*3 1mmを切るような,手作業で使う細い刃物はゴマカシがきくことが多い感じがします。完全平面が要求されることもほとんどないですし。これに対して,幅広の平面の刃物や,長い刃物などは,とにかく誠実であることが要求されるように思います。ごまかせばどこかに歪みがきます。鉋や切り出しをまともに仕上げようとすると,気軽にピンセットを研ぐようなわけにはいきません。。

*4 ピンセットの困るところは,刃物のような試し切りができないことです。刃物なら,いつも切っているものを試験的に切れば,研ぎの結果は判別できます。ピンセットは,いつもつまんでいるものをつまんでみても,100点なのか50点なのか,わかりにくいのです。ホコリ一本をつまんで取ることは容易ですが,試験としては簡単すぎます。よいテスト方法を考えなければいけないと思っていますが,名案は浮かびません。。





2016年1月29日


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工具箱の中に保管していたエポキシ接着剤(2液混合タイプ)の主剤の方が未開封にもかかわらず漏れだしており,ピンセット等を巻き込んで阿鼻叫喚の状態になっていました。。エポキシ接着剤は何十にも袋に入れるなど,厳重な保管がよいようです。経験者はご存じと思いますが,これの拭き取りは困難を極めるのです。溶剤で簡単にきれいに拭き取れるものではありません。ぬたぬたの接着剤を拭き取りながらどうにか元通りにピカピカに拭き取れる方法がないものかと考えていたら,天から光が射してきて,「中性洗剤を原液で溶剤のように使え」との啓示を受けました。早速やってみると,これが素晴らしいのです。中性洗剤とぬたぬたのエポキシ接着剤は混和すると拭き取れるようになり,これを繰り返すと拭き残すことなくきれいになりました。。新しい発見でしたのでここに書き記す次第です。

さてきょうの画像は,そのときに発掘されたピンセットをメンテナンスして,そのついでに手持ちのものもメンテナンスしたので,主要なものを並べて撮影してみたもの。メインはFontaxのtaxal,No.3です。たまにNo.5の出番があります。高級ピンセットを使いたくないときには,KFIのK-3GGを使っています。なかなか使いやすいピンセットで,何度も研いで使っているものです。画像二枚目の真ん中にあるのは100円ショップのピンセット。ダメダメなのですが,先端をかぎ針的に曲げてカッチリと合うようにしています。これを何に使うのかというと,綿や紙などが入り込んで引き抜けないときに使うのです。画像二枚目の左にあるものはどこかで拾ったもので,先が研いでありました。しかしまったくでたらめな研ぎで,先端が合っていなかったので,ヘラ状に整形して研ぎ直しました。最近整形したばかりなので,何に使いやすいか調べるのはこれからの課題です。

プラスチックのピンセットもあります。これは主に時計の電池交換などで小型電池をつまむときに使います。電池をきれいに脱脂して,そのあとに皮脂などでよこさないために使うわけです。竹製のものもあります。これは100円ショップの料理用品コーナーで見かけたもの。先端を円形に削ってあって小径レンズの側面をつまむようにしてあります。フッ化バリウムや臭化カリウムの光学結晶の基板などを傷つけずに側面をつまむために作ったものです。接眼レンズや対物レンズの分解メンテナンスで小さなレンズをつまむときにも使います。

ピンセットの研ぎについては,最近では本ページの2013年11月19日に書きましたが,あれはあくまでも筆者の作業に支障のない,日常的な修正研ぎの一例です。ピンセットの製作会社から見れば,形をきっちりつくる必要があるので石研ぎの工程も必要でしょうし,ユーザーの立場から見れば,形が多少歪んでいても先端だけが高精度で合っていれば問題ない場面も多いということもあるでしょう。刃物と同じで,使う人が自分に合った形に研いで使えばよいものと思っています(画像/MWS)。



*1 ピンセットは先端がきっちり合っていることが第一ですが,先端が開いていた方がよい場合もあるかもしれません。木材や樹脂などをつまむきには,先端がヘラ状で,開いていて,ゆるやかな面で接触するほうが傷をつけにくいでしょう。レンズの側面をつまむ竹のピンセットも,大きなものをつまむわけですので,つまんだ状態でしっかりとしていることが理想で,閉じた状態で刃先が合っていることは求められないように感じます。いっぽう,小さなもの,細いものをつまむのであれば,とうぜん先端の合わせ具合は高精度が求められます。




2016年1月28日


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約10mm径の薄い保護ガラスが必要になりカバーガラスを切りました。マツナミのNo.1(18x18mm)に40年? もののダイヤモンドマーカーと30年もののテンプレート(円)を用いて10mmの円形スコアーを入れます。これをひっくり返してゴム板の上において,実体顕微鏡で観察しながら,スコアーの上から竹針で押していきます。ヒビの走り具合を見ながらスコアーをなぞるように押していき,一周すれば円形にカットされた薄板ガラスのできあがりです。カバーガラスは薄いですが,材質的にはホウケイ酸ガラスで硬度が高いので傷がつきにくいてす。そのため,傷つきやすい光学平面に接着して保護膜とすることもできます。場合によっては,すでに傷ついてしまった面に,ガラスと同じ屈折率の封入剤を使って接着して傷隠しに使うこともできます。しかしまぁそれにしても,こんな作業,10年前の自分だったらお手上げだったはずで,仕事によって何かが上達するというのを実感したような気もしました。微量でも進歩しているんだなぁと感じられるのは悪くないものです(画像/MWS)。








2016年1月27日


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武蔵野冬景色  (画像/MWS)。








2016年1月26日


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欲しい古本はたくさんあるのだけれども,古本はネットで買ってはいけない感じがしていて,ついつい書店巡りをを選んでしまいます。本というのはふしぎで,はじめて見た本でも,「これ欲しい!」と思ったら財布をひっくり返して,なけなしの銭を払って持ち帰りたくなるのです。たぶんそれは,ひと目ぼれの一種でしょうが,そういった出会いがあるからこそ,書店巡りを選ぶのかもしれません。きょうの画像もそんな一コマで,なんの当てもなく,古本シーズンだからと近所の古書店に出向いたところ見つけたものです。全く買う予定もなかった本と巡り会い,それらの会計中に,入荷したばかりで詰んである本をちらっと見たら,何かが埋蔵されている雰囲気を感じたので会計を済ませてすぐに発掘作業に取りかかったのです。みつけた戦前の光学書は特上寿司が2回は食べられそうな価格でしたが即決でレジに向かいました。10年に一回レベルでしか出会えない本は,悩んでいる暇はありません。悩むくらいなら買ってから後悔すればいいのです。そして買ったあとの後悔も読み進むうちに吹き飛んでしまうに決まっているのです(画像/MWS)。



*1 正しいかどうかまったくわかりませんが,知識というのは,無理に一方向に伸ばそうとするよりも,古本との予期せぬ出会いなどで「ひと目ぼれ」したものなどの方向性を大事にして積み重ねていったほうが,最終的にたくさん積み上がる気がします。一つを究めようとそのことだけを勉強する方法は,瞬間値としてはよくても,長い時間のなかでは,効率がわるい方法なのかもしれません。(だからネットで買わずに古本屋に通うのは筆者的には合っている感じがします)






2016年1月25日


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近所のエネルギースーパー系列の店では,魚の粕漬けがよく入荷していて安いのです。赤魚と称して売っていて,これが子どもの頃だったらアコウダイなのだろうけれども,そんなものが198円で売っているはずはない。何の魚かわからないまま食するのは水産系の課程を修了したものとしてはなんとなく落ち着かない。。味はメバルっぽい感じがするけれども,粕漬けの味が強くてあまり自信がない。ネットで調べるとアラスカメヌケということになっているけれども,そう安易に信じてよい物でもない。

でもまぁ,安くてうまくて,健康を害さないものであればついつい買って喰うわけです。この粕漬け関係は,筆者には味が濃すぎるので,水洗いして水分を拭き取ってから焼くことにしています。で,この赤魚は,ウロコがついたままなので,洗うついでにウロコ引きでウロコも取ってしまうのです。そうしてキッチンペーパーで水気をとって,弱火でグリルで身から焼いて,皮に焦げ目をつければ焼き上がりです。こうすれば皮まで食べられますし,多くの魚は皮がうまいのです。手間はかかりますが,一皿100円にしては,ずいぶん上等なおかずになります。そんなことをちまちまとやりながら,顕微鏡をいじって,日々の暮らしを続けるのです(画像/MWS)。








2016年1月23日


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快晴だと空は青い。けれどもただ青い画像だと空とは思われない。そこで電柱と電線を構図に入れた。

空がなんで青いのかは,レーリー大先生が,レーリー散乱という理論にまとめてくれている。きれいな海が青いのも,きれいな湖が青いのも,レーリー散乱とされている。分子で散乱すると散乱光は青くなるのだ。




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青い光をバックに写すCD-Rのケースは,なかなかよい被写体だ。プレスして作られるポリスチレンの透明感が際だっている。




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さて青空の光は,ある方角で偏光している。太陽を背にして自分の日陰を見つめ,手を広げれば,右手,左手の方角で偏光が極大になっている。けれども,目では偏光が簡単には見えないので,偏光フィルタをカメラにつけて撮影すれば,空が暗くなるところが見つかる。そこが偏光の純度が高いところだ。偏光フィルタを使うと,青空を深い色で撮影でき,奥行きのあるような作画ができる。

まぁ,そんなことは誰でも知っていることで,カメラ小僧だった筆者は14歳で一眼レフと偏光フィルタを買い,風景写真をとっていたくらいだ。何十年も前からの当たり前のことです。




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けれども,空が偏光光源だとは,誰も教えてくれない。いまではパソコンの液晶モニタが偏光光源として代表的なものだけれども,そんなものが世の中に出てくるよりもむかしから,空の光は偏光光源なのであった。

だから偏光フィルタをつけたカメラでクロスニコル的(空が暗くなる位置)にして,それを光源(背景光)にして撮影すれば,この通り。ポリスチレンがプレスされて硬化するときに生じた歪みが,光の振動状態(偏光)に影響を及ぼして乱してしまうので,こんなふうに見えるわけです。

もちろん,カメラは不要。偏光フィルタが一枚あれば,それを目にあてて同じことができる。




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カメラにつけた偏光フィルタを回すと,明るくなる位置がある。空の偏光を,偏光フィルタがそのまま通すので明るいのだ。




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その配置でCD-Rのケースを撮影すると,やはり色がつく。偏光が乱されているのだ。

という風に,世の中は光で遊ぶ題材がそこいらに転がっているのです(撮影/MWS)。









2016年1月22日


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紫外線顕微鏡は,そんなにおどろおどろしいものではないですよ,といった手前,実例を示さないといけません。ということで,きょうの画像は,20日付けの記事でギョロメケイソウの目玉を撮影したときのシステム。携帯顕微鏡H型を使い,アームは跳ね上げてしまいます。倒立顕微鏡なので,対物レンズ(100倍)にグリセリンを半滴つけて標本を逆さまにセットして,ギョロメケイソウの目玉に合わせます。スライドグラスの上からはグリセリンを一滴たらしてカバーグラスを密着します。そのカバーグラスの上にもグリセリンを一滴たらして,こんどはツァイスのAchr-Aplコンデンサのレンズユニットだけをのせます。コンデンサの入射側にはスライドグラスに貼り付けた遮光板を載せます。こういった構成にしておいて,上から紫外線LEDで照明します。コンデンサと遮光板とLEDを動かして,ギョロメケイソウの目玉の構造がよく見える位置で撮像するのです。

撮影側はエドモンドのCマウントアダプタに,エクステンダー(レンズ入り)をつけています。そこに130万画素のモノクロCMOSを接続しています。もっとまともにやるのであれば,浸液のマッチングを検討して,迷光のハロを消すために遮光絞りを数段に入れなければいけないのですが,そこまではやっていません。システム全体はコンパクトで手のひらにのるようなサイズです。こんな簡単な構成で長波とはいえ紫外線顕微鏡になるのですから,おどろおどろしいものではないのです(画像/MWS)。








2016年1月21日


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紫外線顕微鏡というと,なんだかおどろおどろしいムズカシイものというイメージをお持ちの方もおられるかもしれません。けれども,ぜんぜんそんなことはなくて,可視光の代わりに紫外線で見た,というだけのことです。学者先生の中には,ちょっと変わったことをしただけで,「これは特殊な方法」などと言って自分がいかに専門家であるかを振りかざそうとする人がいるので注意が必要です。いちいち「特殊な方法」などと言わずに,ふつーのことです,当たり前のことです,と言っていれば,ふーんそうなんだ,ということになって技術も知識も普及していくのです(*1)。

21世紀の現代では,紫外線LEDなど,容易に入手できますし,各種の光学データも揃っているのですから,それらを読み解いて,紫外線で使える機材を選んでイメージングすれば,紫外線の絵が得られる,ただそれだけのことです。紫外線顕微鏡は100年以上の歴史がありますし,可視光からほんの少し外れた程度の波長でイメージングする程度なら,特別な材料も必要ないので,特別視することもないでしょう。

きょうの画像は紫外線によるギョロメケイソウの絵。顕微鏡は携帯顕微鏡H型で,対物レンズは40倍(NA=0.65)のアクロマートです。コンデンサはアッベの乾燥系。照明は5mmφの紫外線LEDで波長ピークは371nmです。これをモノクロCMOSで撮像しています。画像は20枚コンポジットで,背景減算,コントラスト調整をしています。約50年ものの古い顕微鏡でも,このような絵が得られます。もし現代の顕微鏡でこのような絵が得られないとすれば,それは何かが間違っているのです(画像/MWS)。



*1 むかし何かを読んでいたときに,暗視野法という特殊な照明法という記述にぶちあたったことがあって仰天しました。照明光が背景光にならないようにしているだけで,何も魔法を使ったわけでもありません。暗視野法というのは顕微鏡と同じくらいふるい歴史のある方法です。教科書にもふつうに書いてあります。メーカーさんも,むかーしから普通に暗視野コンデンサを販売してきました。アマチュアは自作するのが通例でしたし,筆者は大学院の頃から紙を丸く切ってコンデンサの下に置いて暗視野にしていました。こうするとバクテリアがよく見えるのです。何をどう考えると暗視野が特殊な照明法になるのか,よくわかりません。。




2016年1月20日


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顕微鏡は光学理論に基づいて作られた機器ですから,その理論にしたがって操作すれば,目的の絵が得られます。きのう,おとといと載せたギョロメケイソウ(Auliscus属)の目の部分を,携帯顕微鏡H型で,もっと解像しようとするならば,あと残された道はコンデンサを液浸にすることです。で,やってみたのがきょうの画像。そこいらへんに転がっていたツァイスのAcr-Aplコンデンサをグリセリンで液浸にしています。対物レンズはNA=1.25の油浸用をグリセリン浸で使っています。照明は紫外線LEDライトで波長ピークは365nmです。これをモノクロCMOSで撮像しています。画像は5枚コンポジットで,最大エントロピー法で軽く画像復元をかけています。コンデンサ液浸の偏斜照明によって,きのう,おとといの絵よりも微細構造のコントラストが上がっていることが一目瞭然です。こうして,できることをやって欲しい像を得る,これが光学顕微鏡です(画像/MWS)。








2016年1月19日


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これはギョロメケイソウ(Auliscus属)の別の個体(被殻)の目の部分。何か構造があるぞという感じには解像していますが,完全に構造が見えているわけではありません。撮影は携帯顕微鏡H型で,乾燥系のアッベコンデンサ。対物レンズはNA=1.25の油浸をグリセリン浸で使っています。照明は紫外線LED5mmφで波長ピークは371nmです。これをモノクロCMOSで撮像しています。画像は5枚コンポジットで,最大エントロピー法で軽く画像復元をかけています。顕微鏡を究めるには,こういった,その対物レンズでぎりぎり解像する寸法の構造を撮影して練習するのが効果的です。そのためには,珪藻はよい材料なのです。そんなマニアックなことをして何の意味があるの?と思う人もいるかもしれません。しかし顕微鏡を少し勉強するとすぐにわかるように,解像限界ぎりぎりを撮像できる人は,それより多少でも余裕のある寸法のものを撮像すると,すばらしい切れ味の画像を得られるのです。そのことは対物レンズのMTF曲線を見ても明らかで,これを理解していれば当たり前の練習ともいえるので,マニアックでも何でもないのです(画像/MWS)。








2016年1月18日


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これはギョロメケイソウ(Auliscus属)の目の部分。電子顕微鏡的には細かい孔が密集しているのですけど,光学顕微鏡でも限界的なイメージングを行えば見えます。きょうの画像では放射状の模様がうっすら見えている程度ですが,携帯顕微鏡H型で,乾燥系のアッベコンデンサしか使えない状況の絵と言えば,許してもらえるかもしれません。対物レンズはNA=1.25の油浸をグリセリン浸で使っています。照明は紫外線LED5mmφで波長ピークは371nmです。これをモノクロCMOSで撮像しています。画像は25枚コンポジットで,最大エントロピー法で軽く画像復元をかけています(画像/MWS)。








2016年1月17日


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ふるい顕微鏡を修理しようとして六角レンチを差し込んだら1.5mmが合わずに1.27mmでは空回り…ということは,1.4mmですかこれは。。1.4mmの六角レンチは見た覚えがなく手持ちもなかったので,はてどうしようと,とりあえずgoogle先生に聞いています。でも,そこいらへんに転がってはいなさそうな感じということしかわかりませんでした。そこまで分かればじゅうぶんです。作ってしまえ!なのです。手持ちの古い2mmをダイヤモンドの回転工具で削って六角形を崩さないように小さくしていきます。1.4mmを作ろうなどとは夢にも思ってはいけません。現品合わせでいくのです。しかもテーパーを適当につけて,どこかでしっかりはまるようにすれば,六角ネジは大抵焼き入れしてあるような硬い材質ですから,何とかなるはずです。

で,ウィーンと削っては合わせてみて作業時間は10分弱くらいでしょうか,ちゃんと1.4mmの六角ネジを開けることができ,修理もできたのでした。若い頃だったら工具店をハシゴして,ないよないよと困った状態になったのでしょう。としとって少し良い具合に脳みそがとろけてきて,今回はめでたしめでたしだったのでした(画像/MWS)。








2016年1月16日


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携帯顕微鏡H型は,ひょっとすると,もっとも紫外線顕微鏡に適している機種かもしれません。コンデンサ油浸が簡単ではないことを除くと,あとはよい点が目立ちます。電球の口金をLEDの差し込み式にして,内部に定電流回路を仕込んでしまえば,あとは市販のLEDを交換して使うだけで,各種波長対応の先端的な顕微鏡に生まれ変わります。必要な工作技術は中学生レベルのハンダ付けくらいです。内部の長大なプリズムは,この時代のことですから,まずBK7でしょう。ならば365nm程度の波長であれば吸収は無視できます。

きょうの画像は多波長対応の携帯顕微鏡H型。これまでも,各種の単色LEDを使ってきましたが,先月の大学院集中講義で波長と分解能の関係を実演する必要があったので,より進化した形に作り替えました(*1)。主な変更点は波長範囲を広げたことと,市販のLEDを各種検討して,対物レンズBFPをなるべく満たすものを選んだこと,光強度のなるべく高いものを選んだこと,使用するCMOSで満足なS/Nを得られることを目的にチューニングしたものです。

画像上は使用する主な単色LED。波長はそれぞれ,370, 400, 470, 505, 526, 590, 610, 660nmです。これだけの波長範囲ですと,波長によって珪藻の微細構造が見えたり見えなかったりということを実演するのも容易ですし,LEDの発光色を直接確認してもらえるので教育上の効果も高くなります。画像下は紫外線LED(370nm)を点灯しているところ。このLEDは樹脂での封止ですが,樹脂自体が蛍光を発していて紫外線を吸収しています。ちょっともったいない感じがします。削っちゃいましょうかね…(画像/MWS)。



*1 これまで,大学院集中講義等ではオプチフォトを輸送して分解能と波長の関係の実演をしていました。それにはLED照明やドライブ装置,さらには各種のバンドパスフィルタも必要だったので,準備も大変でしたし,それ以上に大変だったのが輸送でした。定価換算で400万円クラスの機材だと,クロネコさんが保険付きでも,なかなかOKを出さず,保険会社と連絡して納得してもらうのに時間がかかりました。送料も往復で一万円を超え,それらの経費は講義先から支給されないので困ったものでした。携帯顕微鏡H型で同じことができれば,輸送は簡単ですし,荷物も小さくなりますし,バンドパスフィルタも必要ありません。壊れてもバックアップがある点も安心材料です。改造はけっこう面倒なのですけれども,講義で使ってみると,わるくない感じでした。




2016年1月15日


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珪藻は同じ種なら被殻上の構造は同じなので,いつも同じような画像ばかりになってしまいます。新しい鮮度の高い画像でも,どこかで見たことのある絵だ,と思われてしまいがちです。きょうの画像の珪藻(プレウロシグマの一種)も,皆さんは何度も目にしているものです。けど,これを撮影するのに使った機材は『携帯顕微鏡H型』で,液浸対物レンズを使って,紫外線LED照明(λ=371-376nm)を施していると言ったなら,少しはふふんと思ってもらえるかもしれません…。9枚コンポジットしてレベル調整,ビニング以外は何もしていない絵です(画像/MWS)。








2016年1月14日


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久しぶりに原料いじりをしました。本の出版騒ぎ辺りから全然手をつけられなくなって,息抜きとしてもっとも重要な在庫作りができなかったのです。ストレスも溜まるわけです。原料いじりのついでにSMZ800の撮影装置の動作テスト。2倍対物をつけたSMZ800に撮影鏡筒を挟んで,Cマウント経由でNikon1J2に持ち込んでいます。特に問題もなく写りますが,実体顕微鏡のカラーでの絵は褒められたものではありません。。

この試料は国内の珪藻土を洗ったもので,放散虫を濃縮した分画です。珪藻もたくさん入っています。珪藻の多様性はほとんどないのですが,絞り込むと少し色が出てコントラストの高くなる珪藻がざくざく入っているので,状態のよいものを拾い出し,クリスマスツリーの土台の下に使っています。ほかに色の出る珪藻シリーズなどでも使います。放散虫はそこそこ出てきますが,珪藻の破片を噛んでいるものが多く,使いづらい印象です。すでに拾い出しをはじめてから3年以上のものですが,まだ拾えるものが入っているので,なかなか捨てられません(画像/MWS)。








2016年1月13日


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サバの水煮は筆者の重要食糧であって,ひじょうに良質なタンパク質,不飽和脂肪酸をとれるとともに,うまーい!と思うところが秀逸です。これの食べ方はながねんの経験より,次の方法に行き着きました。まず小鍋に水を入れ,サバ缶を開ける面を上にして,水に浸して火にかけます。小鍋の水が沸騰するくらいのところで火をとめて数分おきます。そうしたらサバ缶をひきあげて,そっと缶をあけます。上に浮いている油が黄色みを帯びていたら煮汁ごと捨てます。あまりにも黄色い場合は,熱湯で1回すすぎます。

そのような処理を経たサバ缶は毒性も低く栄養価は高く,食後に珪藻並べも可能な高性能食品なのです。忙しいときにはサバ缶丼にしてもいいですし,ワカメやタマネギ,レタスとともにサラダにしてもいいでしょう。ネギを混ぜ込んで食せば風邪予防にもよろしい。まことに優れた常備菜なのです。

サバ水煮は品質の差が大きいものですが,安定して高品質という点では,「月花」が最高峰といって差し支えありません。あらゆるブランドを食してきましたが,「月花」は,一時期の品質低下以外は安定しています。知人に献上したところ,カンズメがこんなに美味しいとは思わなかったとの言葉も頂戴しています。ええ,うまいんですよ。そうでなければ差し上げたりはしませんから。

しかしそれにしても,いくら「月花」のサバ缶ブランド力が大きいからといっても,きょうの画像のようなことはいただけません。サバ缶コーナーにサンマ缶が紛れていたのです。筆者は用心深いのでダマされたりはしませんが,ここまでデザインが似ていると,サバ缶だと思って購入してしまう人がいるかもしれません。サンマの方が脂質含有量が大きいので,同じ感覚で食べることはできません。どちらの製品も高度不飽和脂肪酸を手軽に得られるという点ではよい製品ですが,油ばかりをとればよいというわけでもないので,「月花」を買うときにはご注意を(画像/MWS)。








2016年1月12日


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これは位相差検鏡時に使う心出し望遠鏡。ツァイス,ニコン,オリンパス各社の有限補正系時代のものです。メーカーさんは,これを,位相差検鏡時の環状絞りの位置あわせに使うために供給しています。筆者はこれを頻繁に利用していますが,位相差検鏡は滅多に行わないので,ほかの用途に使っています。顕微鏡をまともに使おうとすると,対物レンズ後側焦点面(BFP)の状態を観察することが重要になってくるので,心出し望遠鏡でこれを見て,観察像との関係を理解しながら,よりよい像を追求するのです。まぁ,さすがに10本は必要ありませんが…。でも数本は転がっていた方が安心です。心出し望遠鏡はそれ単体で使うようにできているので,有限補正系,無限遠補正系に関係なく使えます。ただバレルの太さは異なりますので,そこのところは工夫が必要です(画像/MWS)。








2016年1月11日


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このレンズの先端は超半球レンズの中心が凹んでいて,そこに別の硝材のレンズがはめ込んであるという,なかなか恐ろしい設計なのです。そして,その先端を顕微鏡で見れば,レンズがはめ込んであるにもかかわらず,ぴったりと平面が出ていて,細い線で接着面の境界が判るという,超高度な組み立て技術を要するような難しさを感じるのです。明るくて分解能もよいのでよく使っていたレンズで,久しぶりにメンテナンスをと,先端を見ると,少し油が残っているような感じでした。こんなへたくそな拭きでしまい込むはずはないので,おかしいなと思いましたが,さっと純エタノールで溶媒拭きを行い,それでも何か残っている感じでしたので,EE-3310でもう一度拭きました。

するとぐにゅっとイヤな手触りがしました。ほんの微少な感覚ですが,何かが起きたことがわかります。先端を観察すると,なんとはめ込んで接着してあるはずのレンズが動いています。。お陀仏です。

このレンズは中古で入手して,それでもかなりの価格でした。バックアップ用に入手したのですが,テスト使用してみて性能的には大きな問題がなかったので,きちんとメンテナンスして保管していたのです。間違った使い方は一度もしていないし,力を加えて何かをしたこともありません。にもかかわらず先端レンズがこのようになっていたということは,自然劣化か,あるいは中古流通する前に,何かをやってしまったものなのかもしれません。埋め込んである半球レンズは,きちんと埋め込まれていれば軸出しの必要はなく,接着層が薄ければ性能上は劣化が少ないことが予想されます。それで油浸オイルか何かではめ込んで,中古に流してしまったのか。。

いずれにしても,もう使い物になりませんね。定価327,000円。さようならなのです。中古品を買うと高い買い物になってしまうということもあるというケースの紹介なのでした(画像/MWS)。



*1 まる一日,レンズの接着に費やしてよい時間がとれれば,悪あがきするつもりです。が,いまは時間がありません。じーっと作戦を練りましょう。




2016年1月10日


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9日は研究者からの依頼で,対物レンズのレーザー焼けを判定するという仕事で顕微鏡の午後となりました。対物レンズの劣化判定は,ものによっては高度な技術やいろいろな機材が必要なので,当サービスの保有機材をフルセットで待ちかまえていました。最初の50分くらいは,あまりまともな成果が出ずに,どうしたものかと思っていましたが,そのあとに解法が見つかり,ほぼ最善の機材構成で対物レンズ劣化の証拠をイメージングすることができました。気づいてしまえばなんでもない光学的配置なのですが,やってみなければわからないので,やってみる,ということがいかに大事なのかを気づかされた気がします。与えられた時間を無駄にせずにほっとしました。それ以上に無心にレンズと戯れた時間が爽快で貴重なものでした(画像/MWS)。








2016年1月9日


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8日は,こまごまとした用事を済ませてから,夕方に 仮説社さん を訪問しました。滅多なことでは表敬訪問などしないのですが,ここの編集者さんには大きなご縁をいただきましたので,そのご報告を編集者さんと社長さんにはしておかないといけないと思い,出向くこととなったのでした。でむくと言っても,仮説社さんが近所に引っ越ししてきましたので,ウチから歩いて10分くらい…東京化学同人さんよりは遠いですが,すぐ近くです。そういえば,『珪藻美術館』でお世話になった 旬報社さん も徒歩圏内です。。

仮説社さんでは,いろいろお話しが楽しく,5分のつもりが45分くらいお邪魔してしまいました。お時間を頂きました皆様や社員の皆様に感謝でございます。きょうの画像はそんな話題とはいっけん関係のないJシリーズ。でもじつは関係があって,これの持ち主は仮説社さんからいくつか出版物を出しているのでした。妙ちゃんと呼んで尊敬しているその先生のところに訪問したところ,むかーし作ったJシリーズがあったので,懐かしく検鏡して,写真をとらせてもらったのでした。ええ,筆者は,こんなこともあろうかと,乾燥系暗視野コンデンサを持ち歩いているのです。それってふつうのことですよね。ふつうふつう(画像/MWS)。








2016年1月8日


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これは,相対速度540km/hですれ違っている新幹線『のぞみ号』のマーク。Nikon1J2のシャッター速度優先モード1/16000秒での撮影です。カメラをふつうにかまえると斜めにひしゃげた絵になりますが,縦構図にすると,横方向に圧縮がかかっただけの絵になりますので,あまりゆがみを感じません。このN700のデザイン,はじめてまじまじと見ました。マークの中に新幹線が走っている,知らなかった…。Nikon1は恐ろしいカメラですね(画像/MWS)。








2016年1月7日


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お休み中といいながら,一日中物書きとメール対応。しかも仕事が降って来るという有様。家から一歩も外に出ませんでした。ま,これが現実というやつなのでしょう。。個人事業主は下手すると何でも屋さんの器用貧乏になるわけですけど,まさに,そんな状況で行く先を考えたくなる気もします。職人の方には理解頂けると思うのですが,本業(筆者の場合は珪藻いじりなど)に着手できない日々が続くと,どれほど仕事があろうとも,ものすごいストレスが溜まるものなんです。最後に珪藻をいじったのはいつだったか覚えていません。困った困った(画像/MWS)。








2016年1月6日


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きょうの画像は修理に挑戦した対物レンズ。40年もののレンズです。ニコンの倒立顕微鏡などで使われていたものと思います。スプリングは固着して,補正環も全く動かないという故障品で,ゴミ箱行き状態のものを救済したのです。こういったものはダメもとで作業ができるので破壊的な作業で修理できます。まずレンズをよく観察し,可動部分はどこなのか,どこを押してよいのか,どこをいじってはいけないのかを見極めます。押して良いところが判明すれば,傷をつけないように樹脂などを使って固着を解いてみます。大抵は無理なので,そういうときには治具にセットして,万力で力を加えます。やりたくない作業ですが仕方ありません。

めりめりっと動けば,可動部を何度もゆっくりと動かして,ときには針先で微量の注油を行い,摺動部が完全に元通りになるようにします。スプリングも元通りに働くようになったら,全体を掃除して,レンズを清拭したあとに,対物レンズをレンズペーパーに包んで数日以上放置します。注油の揮発成分が完全になくなるのを待つためです。すぐにレンズケースにしまうと,レンズが曇ってしまったりしたら困ります。

さてこれで検鏡してみると,ひどい球面収差で使い物になりません。おかしいなとレンズを点検すると,補正環を回して動いていたのが緩衝装置のスプリングで,レンズの後群は動いていないことが判明…。こうなると全部ばらすしかありません。仕方なく全部ばらしてみると,補正環のバレルが固着して動きません。これでは使い物にならず,どうにもなりません。そこで万力に挟んでバレルを動かしてみます。いくら力をかけても動きません。。

ここでハタと思いついて,テコを差し込んで逆方向に動かしてみると抜けました,,,が,すでに遅し。力のかけすぎで,一部のレンズにヒビが入ってしまいました。こういう失敗はあまりないのですが,やってしまいました。。もったいない。残念ですが,一応はほかの摺動部分などを修理して組み直します。ちゃんと動くようになりました。こうなるとよけいに悔しいですね。。ニコンS型に装着して,放散虫や珪藻をみてみましたが,補正環は問題なく動き,球面収差も補正されます。しかし内部のレンズにヒビが入っているのでコントラストは低めで,お世辞にも良像とはいえません。我慢すればつかえなくもない,そんなところです。

そんなわけで,対物レンズの性能はいちじるしく低下しましたが,機構的には修理ができました。実用性は低いので検鏡に使うことは少ないでしょうが,対物レンズのもう一つの価値であるところの,飾って触って鑑賞するという機能は全く劣化していないのでよしとしましょう(画像/MWS)。








2016年1月5日


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正月休みを頂いているわけですけど,じっさいのところは休んでいるというよりは,用事をこなしているという感じで,何やってんだろ状態の2016年の幕開けです。年が明けて,包丁6本,ハサミ6本,ナイフ一本,ピンセット6本を研ぎ,鉋を研いで,まな板削り一つ,電子回路修理が一つ,対物レンズ修理一本が終わったところです…。でもまぁ,休みと宣言すれば,何かに追われるように仕事をしなくても済むという点では,気分的にラクな気もします。

きょうの画像は刃先調整をしたピンセット。愛用しているFontaxのNo.3が3つ,No.5が1つ,No.5cが一つ,あとは安価な普及品。しばらく研がないうちに刃先が顕微鏡レベルで曲がってしまいホコリ一つがつまめない状態になっていたのでした。Jシリーズの清拭などでは,ピンセットでホコリを拾うこともしますので,刃先の状態は重要です。今回は少し修正研ぎを要したので,耐水ペーパーの#2000で形をつくって,#5000,ラッピングフィルムの#8000,#15000で仕上げています。調整作業は実体顕微鏡(20倍)で頻繁に確認しながら,研磨作業は手先の感覚で行います。

Fontaxのtaxalを使ったNo.3は手に馴染みきっているので手放せません。レンズや標本の清拭もこのピンセットを使って行っています。とてもよい物ですが,さいきん,他にもかなりよいピンセットがあることに気づいて欲しくなったりしています。EREM というブランドなのですが,コシの強さが強すぎず,長時間握っていても手が疲れません。また磁石につかないという点もうれしいところです。Fontaxのピンセットは,inox-no mag.と書いてあるのに,ネオジム磁石に吸い寄せられるのです(画像/MWS)。








2016年1月3日


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これは水浸対物レンズ。ずいぶん前に購入したものですが,まだ本ページに登場していなかったかもしれません。水浸対物レンズには何種類かあって,これは先端を試料水に浸して中の物体を観察するタイプのものです。作動距離が大きく,比較的高NAで,プランクトンの検鏡にも適します。優れた点は,水中の物体に対して収差補正されているので,先端を正しく水に浸して気泡がないように留意すれば,球面収差を気にすることなく良好な像で検鏡できます。ぼけ像も素直です。ただ浮遊物体に使うのは難しいので,そのような試料はカバーグラスでサンドイッチした方がよろしいです。水浸対物レンズは,先端の水浸部分を良好に保つために,検鏡が終われば先端を水から引き上げて,精製水や蒸留水を含ませたレンズペーパーでそっと拭います。これを繰り返します。仕上げは溶剤拭きです。もし試料水が付着したまま乾燥させてしまうと,おそらくは二度と取ることのできない固形物が発生してレンズ先端を汚します。怖いのは乾燥です。そうならないように,水を含ませたペーパーで洗うのです。もちろん,精製水や蒸留水に先端を浸して洗うのも有効です(画像/MWS)。








2016年1月1日


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半日以上飲みっぱなしの年末恒例大忘年会も終わり,単眼顕微鏡の整備を終えて発送し,年越し蕎麦を作って食べ,部屋を片づけて風呂にでもとバタバタしている間に2015年は過ぎ去っていきました。もう忘年したわけですので,昨年の生産的でなかった日々はもうどうでもよく,また新たな年を有意義に過ごすべく暮らしていこうかと思います。皆様,本年もどうぞよろしくお願い致します。

きょうの画像は,あらあら,年が明けてしまったわ,と外を眺めたら目に入った木星と月。かなり良い具合に並んでいて,まぁこんな新年もいいかなと撮影したものです。新年初の光学機器いじりは,Nikon1J2と,Tokina AT-X M90mm F2.5ということになりました。

新年年明けから,一週間くらい,お休みをいただきます。メールはいつでもどうぞ。顕微鏡デスクに座っていることも多いので,何か対応できることがあれば,時間のある範囲で対応させて頂きます(画像/MWS)。









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