画像のご利用について





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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2013年6月30日


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当サイトはなるべく単純に,簡単に,情報へアクセスできるように構成しております。可能な限りに軽い画像とHTML,できるだけ浅い階層構造,トップページから各ページへのアクセスのしやすさなどは特に気を遣っているところです。しかしながら毎日更新ということもあってサイト内の情報量がかなり増えてきましたので,サイト内一覧の必要を感じるようになってきました。

こちら

にサイトマップを置きましたのでご利用いただければ幸いです。トップページの右上からもアクセスできます(画像/MWS)。








2013年6月29日


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珪藻プレパラートが持つ魅力を皆さまにも感じて頂きたく,ミクロワールドサービスにお寄せ頂いた『お客様の声』のページを作ってみました。個人情報は一切省略し,珪藻プレパラートの感想部分を主に編集してあります。初めて珪藻をご覧になった方々の息も弾むような言葉を見ることができます。

お客様の声(プレパラートに寄せられたご感想)

お寄せ頂いた方からの掲載許可は得ておりません。お客様にご迷惑がかかることはないと信じておりますが,万一,掲載に不都合という方がおられましたら,修正内容や削除該当箇所をメールでお知らせいただければすぐに対応いたします。またこの件につきましてご意見がございましたら,ご教示頂けますと有り難いです(画像/MWS)。








2013年6月28日


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これはサンプリング先で見かけた一コマ。きれいなハゼが何匹も打ち捨てられていました。状況から推測して,釣り人が外道を捨てた感じです。面倒がらずに食べてあげればいいのにねぇと思いつつ,タイドプールに並べて本ページの被写体になってもらうことにしました。筆者はハゼが大好きで,川からジュズカケハゼやヨシノボリを採集しては水槽に投げ込んで飼育したものです。ヨシノボリは産卵させることにも成功しましたが,さすがに卵からの飼育はできませんでした。ハゼは見ていて飽きない可愛らしい魚です。天皇陛下がご専門とするだけのことはあります。このハゼの名前は陛下に聞けば瞬時に答えてくれることでしょう(画像/MWS)。








2013年6月27日


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泥上のサンプリングにはいくつか方法があるように思いますが,直接泥をかき取る方法の他には,スポイトを使う方法が有効な気もしています。きょうの画像は相模湾西部でのサンプリングの様子ですが,消波ブロックの陰になる穏やかな場所で大きな石のあるところです。満潮時はこれより150cmは海水をかぶりますので,それだけ暗くなりますが,乾出しないので干潮のたびに珪藻が死ぬことはありません。泥の中はすぐに暗くなってしまうので,泥の内部は珪藻が光合成するには適していません。潮下帯でありながら,有光層で珪藻豊富な場所を見つける(例えば石の上)のがサンプリングのコツと言えるのかもしれません。画像二枚目の石の上には石灰質のサンゴが生えているのですが,その茂みにスポイトを突っ込んで吸い取ります。たくさんの濁りが採取できますので,それをペットボトルに収穫します。茶色の珪藻群集を狙ったサンプリングとは異なり,収量は多くないのですが,けっこう多様性がある試料が入手できることがあるので試してみる価値はあると思います(画像/MWS)。








2013年6月26日


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25日は浦賀水道方面にサンプリングでした。またもや雨が降らず,日射しも弱く,風がほとんどなくサンプリングにはこの上ないお天気でした。珪藻ツリーの枝を求めて,小さな干潟の泥上に生息している珪藻を狙いに行きました。浦賀水道は都心からほど近いところにあるとはいえ,筆者のところからは時間的に仙台と同等の感じで,けっこう遠いのです。それで昼の大潮にあわせてのサンプリングになります。ここは5年ほど通っているところですが交通の便が悪いためか人は少なく,漁業者と釣り人がぱらぱら,あとはハイキングの人が数人,それに磯もの目当ての人が数人,そんな感じでしょうか。皆さんそれぞれの目的に夢中です。筆者もギロシグマがいるであろう甘い水の入り込んだ部分を狙ってサンプリングです。でも本当の目的は昼のオニギリだったりします。きれいな空気を吸い込みながら食べるオニギリは,たとえそれがスーパーのオニギリだったとしても,おいっしいんですよねー。この3日間,総移動距離は550km以上。いやー疲れた疲れた(画像/MWS)。



*1 サンプリング現場についてまずすることは,オニギリとおかずを密閉袋に入れ,日の当たる最も温まった岩の上に置くことです。うまくいけば,サンプリングも終わった頃には,ほかほかのお昼ご飯になります。お腹が空いているからといっても,冷たい食品を胃に流し込むような食事は体調悪化を招きます。いつも元気でいられるような工夫が最優先の作業となるのです。




2013年6月25日


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24日は相模湾西部方面にサンプリングでした。梅雨というのに二日連続で天気に恵まれて大助かりという感じです。しかも暑すぎずに作業でき,ほぼ無風という好条件です。潮も良く引いています。これほどまでに条件の良いこといは珍しく,底質のサンプリングにはまたとないチャンスでした。いつもは作業を終えるとさっさと帰るのですが,24日は何となく帰るのがもったいない気がして,潮がほどよく満ちてくるまで磯をうろついてから帰りました。曇天のわりには紫外線が強かったようで,手と顔がずいぶん日焼けしました(画像/MWS)。








2013年6月24日


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23日は相模湾東部方面にサンプリングでした。今年は大潮がことごとく土日にひっかかるような感じで,サンプリング地点も多くの人で賑わうところもあるので,場所選びがむずかしい感じです。しかも例年よりも干潮のピークが早めの時間な感じがしていて,遠方に出向くのが億劫になります。。今年は春の嵐が少ない感じがしていて,海藻がよく残っているように見えます。同じところを見ているのに,打ち上げられている海藻の量や種類,低潮線下の海藻,タイドプールにいる魚種などは毎年違いがあって,野生の生物がいかに自然条件に左右されながら生きているかということを思い知らされます。珪藻在庫補充のためのサンプリングでしたが,穏やかな年の珪藻はどんなものがいるのか楽しみです(画像/MWS)。








2013年6月23日


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これはフリッケア(Frickea)という珪藻です。薄い被殻上には精密な点紋列があり,暗視野では深い青色に輝きます。報告の少ない種で,国内でも海外でもこの標本を持っている人はごく僅かではないかと思います。どこにいるのか分からず,汽水域の種だろうというくらいしかわかりません。筆者は東京湾と有明海からそれぞれ数被殻ずつ見つけています。数被殻みつけるのに要した試料量は,散布スライド500枚分は超えるように思います。こんなに希少では有性生殖して生きていけるはずがないので,どこかにまとまって生息しているはずですが,いったいそれがどこなのかはまったく分かりません。珪藻は殻が見つかっても生きているときの姿が不明なものもあり,謎が多いのです(画像/MWS)。








2013年6月22日


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携帯顕微鏡H型は比較的メンテナンスしやすい機種ですが,レボルバ周りは巧妙な設計で調整がかなり難しい気がしています。レボルバ全体は2本の並行バネによって本体に固定されていますが,この固定部分は隠しネジになっていて,シボ革をはがさなければなりません。じつに厄介な作業です。しかもネジが深部にあり,電池室に液漏れの履歴などがあると,まともにネジが回る保証もありません。大事な機種に一か八かの作業をしたくないものですが,光軸ズレなどの故障が発生した場合はやるしかありません。竹を削ってヘラを作り,シボ革を少しずつ伸びないように,傷めないように注意しながらはがします。隠しネジが見えたらドライバーを突っ込んでみて,ネジに適合しているかどうか感触をみます。深いところにあるので目視の確認はできません。感覚で勝負の世界です。じつに気を遣う作業です。画像は隠しネジに到達するための孔です(画像/MWS)。








2013年6月21日


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Jシリーズに用いる珪藻を増やしたいのですが,いつどこで採集しても似たような珪藻ばかりということが続いていて,思い通りにはいかないものです。しかしたまには良い試料に行き当たることもあって,Rhopalodia,Epithemiaをある程度は集めることに成功しました。採集河川は湧水起源で年間の流量変化が少ないところです。関東地方ではそのような河川は少なく,遠征しないとよいところがないですね…。一攫千金珪藻を追い求める旅はまだまだ続くのです(画像/MWS)。








2013年6月20日


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キュウリやカブ,ダイコンなどを漬け物や塩もみにすると,本来野菜が持っていた水分の一部を捨てることになります。この栄養豊富な水がもったいないと感じるときがあって,野菜の水も活用する調理法を考案したりもしています。夏の暑い日に体の火照りも抜けないときに,キュウリの水は体を冷やす大事な食材です。で,その一例がきょうの画像です。キュウリとカブを千切りにします。薬味としてシソ,あるいはショウガを少々刻みます。あとは乾燥めかぶを適量混ぜ込むだけです。野菜から出る水分で乾燥めかぶを戻し,同時にめかぶの持っている旨味と塩分で調味します。ほかの調味料は一切加えません。乾燥した海藻の吸水力は強力で,キュウリやカブと混ぜただけで水分が海藻に移り,塩もみのようにしんなりします。めかぶのぬめりにより抗ウイルス作用を高め野菜の水分により電解質を補給し,食物繊維の効果により食事時の血糖上昇を緩やかにします。おすすめの薬菜です。この,料理とはいえないほどの簡単な一品を作るのには一つだけコツがあって,よく切れる包丁でキュウリやカブを細く刻むことです。きょうの作例では市販の三徳包丁,仕上げは丸尾山砥石,『合さ』です(画像/MWS)。








2013年6月19日(2)


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三重県に素晴らしい刃物店があることが明らかになりました。それが画像の刃物屋(月山義高刃物店)です。お店の方(研ぎ師さんです)とお話しさせていただきましたが,刃物に対する非常に深い知識はもちろんのこと,研ぎの追求が大変なもので大いに勉強になりました。手研ぎの鬼とでも表現したらよいでしょうか。全国にある刃物屋さんは,どれもよい品物を扱っていると思いますが,手研ぎの技術はピンからキリまであるというのが筆者の個人的な思い込みです。月山義高刃物店の手研ぎは,極めてハイレベルに思います。刃物屋さんでありながら,ほとんど研ぎ屋さんみたいにも見えます。当サービスのユーザー様で三重県方面の方は一度覗いて見るのも良いかもしれません(画像/MWS)。



*1 お店に行かれる方は藤原店主様にミクロワールドサービスのユーザーですと言えば,きっと「あーそうなんですかー」という返事くらいはもらえるかもしれません(笑)。それ以上はどんな話題になるかは,わかりませんがー。

*2 このお店は『研ぎ講習』もやっていますので,本ページの読者のような研ぎファン,つまり刃物よりも研ぎに興味をお持ちの方にも面白いところではないかと。天然砥石を使っているとのことなので,店主秘蔵の仕上砥石を見ることができるかもしれません。





2013年6月19日


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柔らかい食材は鈍った包丁でも切れるのですが,ちゃんと切ろうとすると最高級の切れ味が必要になる気もします。きょうの画像はその一例で,生協で売っている木綿豆腐を切ってみたものです。数ミリ角の豆腐をつくるには,豆腐を潰さないように包丁を入れる必要があり,切れる刃先が必要に思います。包丁は安価な割り込み鋼のもので,仕上砥石は丸尾山の『合さ』を使っています(画像/MWS)。








2013年6月18日


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2年の時を経て再開再会。ワカメをみて涙が出そうになりました…。最高級の品質を誇るJFおもえのワカメ,ようやく都内でもふつうに見かけるようになってきました。人間の組織とチームワークは津波ごときでは壊れないんだということを高らかに証明しています。筆者もこのワカメを食べてチームの一員に加わります。皆さんもぜひ,このワカメをどうぞ。北辰水産に置いてあるのを見かけます(画像/MWS)。








2013年6月17日


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都内で研ぎの専門家が集結する会合に呼ばれましたので参加させていただきました。筆者は研ぎの専門家ではありませんが,HPで研ぎの話を書いている以上は「研ぎはできません」とはいえないわけです。専門家に刃物をみてもらう良い機会でもあるので,手持ちの刃物や種々のアイテムを鞄に放り込んでの参加となりました。約半日に及ぶ会合は,最高に吟味された料理を楽しみながら,その合間に席の間を刃物が飛び交うという楽しいものでした。皆さんが研ぎの専門なわけなので何の心配もなく,取扱を間違えれば生命にかかわるような刃物を手渡すことができます。後半には研ぎの実演も行われ,見たことのない研ぎ方もみることができ,ひじょうに勉強になる会合でした。皆さまに御礼申し上げたいと思います。筆者は当然のごとく携帯顕微鏡2台を持ち込み,刃物でカットした切片と,珪藻プレパラートを皆さまにご覧頂きました。きょうの画像はその一つで,特注品のJシリーズです(画像/MWS)。








2013年6月16日


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都内はようやく梅雨入りの一週間という感じで恵みの雨が続きました。近所の公園や神社などでもあじさいがいい感じです。このあじさい,学生の頃だったかに,土壌中の窒素とアルミニウムの含量等で青になるか紫になるか決まると図鑑で読んで,早速試したことがありました。根本にみょうばん(カリウムアルミニウムみょうばん)を撒いたり,硝酸塩を撒いたりしたところ,翌年のあじさいが非常に鮮やかな濃い紫色になって驚いたものでした。それで,そう言う目で見ると,犬の散歩コースにあるあじさいと,そこからちょっと奥まったところにあるあじさいでは,同じ並びにあるのに色が違っていたりして,なるほどねーと思ったりもしたのです(画像/MWS)。








2013年6月15日


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これはバクテリアストラム(Bacteriastrum)という珪藻の一部分です。連鎖群体からこのような刺毛が放射状に伸びているのです。なかなか見事な群体をつくるのですが分布的にはさほど珍しいものでもなく,やや内湾〜外海の中間くらいのところで浮遊珪藻を採取するとよく入っています。こういった繊細で大きな群体をつくる珪藻は乾燥した被殻を得ることが困難なので,群体をJシリーズに加えることはまず不可能です。しかしこのように部分的なパーツであれば取扱が可能なこともあります。恐らく強度的な問題でしょうが,恐ろしく繊細な珪藻でも,激しい処理を経たあとに,特定のパーツは壊れずに残ることがあるのです(画像/MWS)。








2013年6月14日


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簡易な携帯顕微鏡にはコンデンサが省略されたものもあります。こういった顕微鏡は曇天の空を光源にして検鏡するぶんにはそれなりに見えますが,直射日光が当たると強烈な偏斜暗視野になったり透過明視野ギリギリ絞り込みの汚い絵になったりします。また室内では照明器具に向けて使いますがちょうどよい光源サイズと言うケースはまれで,やはり像質が落ちます。そこで照明装置の自作となるわけです。きょうの画像は日頃便利に使っている倒立型の千代田ポケットマイクロスコープに特製照明装置を取り付けた例です。

画像一枚目は拡散板型の明視野照明,画像二枚目は暗視野照明の例です。微調整すれば偏斜照明もできます。この100円LEDライトはクリップでステージの支持棒に挟んであるので,回転させれば光軸ずらしができるというわけです。LED部分は一度分解して拡散板を装着してあります。この拡散板の拡散度合いと大きさ(直径)と標本からの距離がミソで,NA=0.1-0.3程度の対物レンズで,ちょうどよい光源サイズ(=絞り込み度合い)になるようになっています。拡散板がなければ点光源になってしまい,とても見られたものではありません。

いっけん100円ショップのLEDライトを取り付けただけに思えるかもしれませんが,顕微鏡照明理論を正しく適用した高度な照明装置なのです。正しく位置あわせすると見かけからは想像できないくらいに上等な照明になります。より本格的に工夫するなら,ライトの発光部分以外に遮光用の笠をつけると背景光が抑えられてGOODです。数ヶ月前にもデモで多くの人に回し見しましたが,よく見えると好評でした。何十年もむかしの顕微鏡に現代のテクノロジーをちょっとだけ加えてやり,劇的に使える道具として生き返る,こーゆーの,好きですねぇ(画像/MWS)。








2013年6月13日


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低倍率で珪藻を見ていると,似たようなものがいっぱい…。分類などなかなかできるものではありません。珪藻の分類は油浸で行うのが基本なのです。でも,NA=0.25の10倍対物レンズでも,同じ種ではない,ということくらいなら見分けることもできます。きょうの画像がその例で,どれもこれも似ているメガネケイソウ(プレウロシグマ属)です。上の画像は明視野ですが,どれも似ていて決定的な区別がつきませんね。でも,暗視野で適切な照明を施せば,珪藻の発色が異なります。色が変わるのは微細構造が異なるからで,同種ではない,ということの根拠になるでしょう。こういった光の特性に着目した構造解析のようなことはすでに19世紀に議論されていたと,何かで読んだ記憶があります。メガネケイソウの回折光を観察して,この珪藻の構造は恐らく六角形だろうとか,そんな数学的議論が100年以上前になされていたらしいのです(画像/MWS)。








2013年6月12日


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久しぶりに大物を製作してみました。体調はまだ万全ではなく,3月中旬に故障した右手はまだおかしい感じで,それどころか,4月後半から5月には頸椎から脊椎,両手の薬指から小指にかけてさまざまな症状が出て苦しい思いをしました。どうも指を故障したという考えは根本的に間違いで,運動不足により全身の筋肉が落ちて,どこかの骨がずれて頸椎症の症状が出てきたという解釈の方が治療に役立ちそうな気もします。そういえば昨年末から今春にかけてハードな標本製作の日々でしたが,そのときに肩から手にかけて張りが発生する頻度が増していたのでした。そのときに血行や筋力などに気を配るべきだったのですが,ついつい作業に没頭していると,アドレナリンが体をマヒさせてしまい,体がボロボロになってから気付くことになります。

そういうわけでDL-TESTなどの注文には迅速に応じていましたが,Jシリーズのような大物の製作は休止して症状の経過を観察していました。6月に入り症状が悪化しない感じになったので,ピークは過ぎた頃と判断し,徐々に細かい作業を増やして様子をみて,そして標本製作の試運転となったわけです。いつもやっている作業を行うことで体調が判断できるわけです。結果はなかなかむずかしいもので,肩と腕に血行障害が起きやすい感じです。連続作業で指先がしびれる感じもあるので,休み休み作業するという感じです。しかし二週間前には顕微鏡を覗くのに首を45度曲げるものきつかったので,そこから考えるとずいぶんまともになりました。

作業自体は無事に完了し,特注品のスーパースライドが出来上がりました。標本製作お休みの間に精製に成功した試料も加えることができ,淡水産の小型珪藻を増やすことができたのがうれしいですね。画像は完成した標本の一部で,ヒトツメケイソウが明視野で干渉色を放っている様子です(画像/MWS)。








2013年6月11日


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運動不足解消に近所の公園まで散歩していたらカメがいました。画像に写っているのは一匹ですが,たぶん7匹はいたのです。のどかに甲羅干しと思いカメラに収めてみました。ところがこのカメ,どうもミシシッピーアカミミガメのようです。誰かが手に余ってこの池に放したのかもしれません。東京都心の池や川はほとんど全てが埋め立てや暗渠にされてしまいましたので,現在残されている池は数えるほどしかありません。そこに都民数百万の手に余ったペットが放り込まれたらどうなるでしょう。たぶんこのカメさんは,その実例なのでしょうね。

国内の内水面はどこもかしこもメチャクチャな放流が行われ,日本の固有種どころか,海外の魚を拝みに行く場所になりつつあります。諸悪の根源は,想像ですが,団塊の世代が若者であった頃の日本において,異常なゲームフィッシングのブームが起こったことではないかと思います。いまでは珍しくもないブラウントラウトが幻の魚とされ,日光,奥只見,それに富士山麓に放流されてゲームの対象となっていました。時を同じくして,オオクチバスが全国各地のあらゆるところに放流されてバスフィッシングの対象となりました。いまではこれらの魚種を至るところで見ることができるでしょう。筆者も10年ほど前に,郊外の神社を訪れたときに,そこの一平方メートルほどの池にオオクチバスが泳いでいるのを見て絶句し,その数年後に福島県の奥地でコクチバスが泳いでいるのを見て絶望感を感じ,最近は入間川にサンプリングで訪れたときにオオクチバスが群れて泳いでいるのをみて厭世的になりました。。

まぁ都内の池に自然環境保全を求めるのは難しいので,ある意味,金魚池と化しても仕方のない面もあるかもしれません。しかしいまや河川でも湖沼でも外来種のオンパレードです。日本の清流にはウグイが泳いでいて瀬にはオイカワがいて,下流の淵にはコイがいてというのが相場でした。いま育った子どもは,清流にはブラックバスがいるのが「日本の自然」と思って育つのかもしれません。池や沼には金魚やミシシッピーアカガメがいるのがふつうと思っているかもしれません。それは何か壮大な間違いのような気がします。

で,画像二枚目はカルガモさん。これは純国産です。毎年この公園でひなをつれて歩いているのですが,今年は4羽のひながあっという間に姿を消してしまいました。誰かに食べられてしまったのでしょうか(画像/MWS)。








2013年6月10日


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きょうの画像の珪藻はHyalodiscusの一種で,海産です。この珪藻を暗視野で観察すると見事な色が見えます。この場合は対物レンズの開口数はある程度低く,照明側の開口数は高い方がよいようです。今日の画像ではこの珪藻のもつ網目状の構造が少し解像できていますが,同時に色もよく見えています。発色の機構はよくわからないのですが,高開口数のレンズで観察すると色が消えることが多いので,回折光の乱反射を見ているのかもしれません。しかし明視野で色の出る珪藻もいて,この場合は干渉が卓越しているのでしょう。珪藻のもつ微細構造が生み出す色彩は,何度見ても見応えがあります。なお,きょうの珪藻はMZR-01,MZR-02,E-M1,E-M2に「運が良ければ」入っていることがあります。他にはJシリーズに少数利用しています。お手持ちの方は探してみてください(画像/MWS)。








2013年6月9日


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顕微鏡の分解能は開口数(NA)で決まります。倍率ではありません。開口数が大きいほど高分解能になります。ですから同じ倍率の対物レンズでも,開口数の大小いによって微細構造が見えたり見えなかったりします。きょうの画像がその例で,同じ40倍対物レンズで比較しています。上がNA=0.55,下がNA=0.95で,照明波長は440-500nmです。どちらもコンデンサは対物開口数の70%に絞ってあります。珪藻(クラチキュラ)の微細構造が上では見えていないのに,下のNA=0.95でははっきり見えています。このようなテストを行うには珪藻プレパラートが最適なことは言うまでもありません。こうして機材の特性を一つ一つチェックしていくと,何を見るためにはどんな機材の組合せが必要かが明確になり,知識と経験に裏打ちされた技術になります(画像/MWS)。








2013年6月8日


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ここのところ高分解能を狙った画像が多かったので,一般的な検鏡での撮影画像ものせてみます。珪藻は荒川河口の泥から拾ったもので,ジュウジケイソウの仲間です。対物NAは1.4,コンデンサNAは0.9で,乾燥系です。照明波長は約400nmです。コンデンサNAが制限されているため分解能が落ちますが,珪藻が光学的に正しい位置にマウントされていることと,照明波長が短めなこと等の効果で,対物油浸の珪藻画像としては十分な絵になっていると思います。顕微鏡写真では良いレンズを使うことが重視されますが,それと同等以上に重要なのは標本が収差を生み出していないことです。当サービスの検査板はそこの部分も考えて製作していますので,安心してご利用いただけます。海外製品の検査板では,標本が正しい位置になく,まともに見えないものが存在します。それを使って対物レンズのテストを行うと,完璧なレンズが不合格になってしまうという,恐ろしいことが起こるのです(画像/MWS)。








2013年6月7日


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本ページではよいものだけを精選して皆さまにお知らせしているわけでございますが,先日100円ショップに出向いたところ,きょうの画像の商品(画像左側)を見つけました。小学生の頃に夜光塗料というものに目を奪われ,釣具屋で少ない小遣いを投入してそれを買い,カメラレンズの刻みやラジオに塗りたくって過ごしてきた筆者ですから,この商品も買うわけです。夜光塗料の業界では20年くらい?前に革命が起こって,市販の夜光塗料はそれまでのあまり光らない硫化亜鉛:マンガン系の夜光塗料から,アルミン酸ストロンチウムなどの高輝度/長残光の製品に変わりました。根本特殊化学のルミノーバがその代表例です。このルミノーバのテープは量販店などでは以前から売っていて,筆者は十年以上も前から,出入り口,扉の取っ手,照明のスイッチ,照明のカサなどに貼り付けて使用していました。暗闇でも場所がわかり大変便利なのです。

ただ,欠点もあって,ルミノーバテープはひじょうに高価だったのです。画像右上の巻き巻きテープでも数百円,下の正方形のものは1000円くらいもするのです。前世がカラスでなければ,このような製品を買うことはできません。。それが全く同じ品質の夜光テープが小分けで100円ですから,これは買わないわけにはいきません。店頭から売り切れる前に100円ショップに走れ走れ(画像/MWS)。



*1 夜光シートは何に使うのかって? そりゃあー使い方は無限大です。405nmレーザーでお絵かきするなどという素晴らしい遊びもできます。

*2 硫化物系の夜光塗料は作ってみたこともありますが,できなかったー。Feが入っていると光らなくなるのですが,たぶんそれが原因かと思っています。

*3 夜光塗料と書きましたが,正確には蓄光塗料というべきでしょうか。





2013年6月6日


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有名なホームページ『きのこ屋』さんが本編のコンテンツを店じまいするそうで,大変残念に思っています。きのこ系のHPとしてはかなり老舗の部類で,画像が美しく,文章は簡潔でありながら店主の個性が読み取れて大変面白いページです。このHPに影響を受けて全国各地にきのこ系HPが増殖したものと思っています。筆者も大いに影響を受けた一人で,それはどのような影響かというと,『きのこ屋』の管理人さんに中古顕微鏡の業者さんを教えてもらい,それが現在使っている顕微鏡(の一つ)なのです。管理人さんとの出会いがなければ,惚れ込むような顕微鏡との出会いもなく,いまの筆者はなかっただろうと思います。幸いなことにブログは継続するそうなので,いままで通り,毎日覗きに行こうかと思っています。そして今月20日に本編が消えるらしいのですが,その前にもう一度目に焼き付けておこうかと思います。きのこ屋さんのHPは こちら です(画像/MWS)。








2013年6月5日


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この珪藻はKBG-01に入っているディアトマです。微細構造の撮影はきわめて難しい部類です。条線だけでもかなり難しいですが,点紋を写すとなると相当な追い込みと,珪藻を選ぶ必要が出てきます。筆者が高分解能のイメージングをはじめるきっかけになった想い出の珪藻で,絶対に見るんだという信念が大切なことを学びました。きょうの画像は7年ほど前の撮影ですが,いまみてもかなりよく写っていると思います(画像/MWS)。








2013年6月4日


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この珪藻は名前がよくわからない種で,ひょっとするとIsthmia属かなぁというほどのものです。相模湾西部でときどき見かけるもので,珪藻としては大形の種です。大きさの割りには被殻は薄っぺらく,処理中によく壊れます。これを高分解能でイメージングすると,不思議な模様が浮かび上がります。珪藻の微細構造は多種多様で,高倍率のイメージングでこれらが解像できるようになると面白さもぐっと深まるように感じています(画像/MWS)。








2013年6月3日


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先月Surirella gemma(=Petrodictyon gemma)を本ページで紹介しましたが,大事なことを一つ言い忘れていました。当サービスで供給しているこの種類には,被殻の厚さが異なる2つのタイプがあって,多くは被殻の薄いものです。これは検鏡していてもコントラストがきわめて低く,イメージングの対象としても難易度の高いものかと思います。作例がきょうの画像です。先月このコーナーで紹介したものは被殻に厚みがあるものの画像と比べると,細部がきちんと出るようには写せていません。そのうち機会があれば同じ機材でイメージングしてみたいと思います(画像/MWS)。



* 詳しく調べれば両者はきっと別種ではないかと思います。しかしながらどうも同一種としてテストプレートとして利用されてきたように見受けられます。海外の掲示板などでも,良く写るSurirella gemmaと,そうでないものの絵が散見されます。どちらの種でも検鏡の訓練用としてはよい素材です。




2013年6月2日


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えーとこの珪藻は単独で登場したことがあったかしら…。スリレラの一種で,沿岸でふつうにみられます。甘い水の入ってくるような干潟上の泥をかき取るとたくさん入っていることがあります。大きさにはかなり幅があって,大きいものではそのままでも迫力ある姿が拝めるのですが,小さなものになるとJシリーズのツリーの飾り付けサイズです。この珪藻,表裏がわかりにくく,Jシリーズ製作中は何度もひっくり返してみたりして,表裏を間違えないようにしています(画像/MWS)。








2013年6月1日


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サンプリング先で生物撮影を行うときに,ポリエチレンのカップ(深いもの)に入れると具合がよいことに気付きました。要するに周囲から完全拡散光により照明されるわけなので,黒っぽくてわけのわからない物体などを撮影しても,何が何だかわからない画像になることを防げます。その作例がきょうの画像で,ナマコの一種と思われる生物を海水で洗い,ポリエチレンカップに入れて真上から撮影したものです。この生物,黒っぽくて地味で,地面に置いて撮影するとわかりずらい絵になることが多いのです(画像/MWS)。









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