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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2014年1月31日(2)


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30日は研究プロジェクトのグループリーダー他をお迎えして珪藻談義となりました。エンジニアリング分野で珪藻を活用しようという動きは,10年ほど前からさかんになっていますが,当サービスでも,それに関係した打ち合わせなどがポツポツとあります。来訪者は様々な経験を積んでおられましたので非常に話がしやすく,喜んで珪藻をみてくれたので筆者としても嬉しい時間となりました。話題は様々な事項に及びましたが,培養や分類,観察,顕微鏡,洗浄法,取り扱い法などについて意見を交わしました。時間が足りなくなるだろうとの予想はありましたが,実際あっというまに5時間強の時間を使い切り,またの機会ということになりました。2名の先生方には心より御礼申し上げます(画像/MWS)。








2014年1月31日


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きのう中央のマスコミがまともな報道をしていないことを書きましたら,きょうの画像の通りです。まったく困ったものです。筆者などはそれを嗅ぎ取ることもできますが,世の中の大半の人は,『原発は絶対安全』を信じて,五重の壁で放射能は漏れないとする噴飯ものの説明でも信じてしまうのですから,今回の知事選でも,多くの人が洗脳されて,間違った判断に誘導されるのでしょうね。画像の出典は

こちら

です。じっくりお読みになってください(画像/MWS)。








2014年1月30日


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都知事選の話を続けて書いていましたら,読者から次のようなメールをいただきました。

こんばんは、東京は選挙で盛り上がっていますか? 都知事選挙は必要経費50億円だそうです。石原、猪瀬と連続で途中やめ それぞれまともに勤めた場合に比較し100億の無駄な経費 猪瀬さんの退職金2000万円とか?


本当にその通りで,くらくらするような壮大な無駄ですよね。石原,猪瀬に投票した人は,自分たちの一票の結果が,多額の税金の無駄となったことに,どんな感想をお持ちなのでしょうか。そしてまた今回,舛添氏に投票しようとしている人は,

こちら

に書かれているような,真っ黒なカネ関する疑いを,どう考えているのでしょう。この記事が正しいのなら,どうみても有罪は逃れられないように見えます。また都民の税金が50億円も無駄になるのでしょうか。それとも,政府が特別な力を使って,捜査を行わせないよう封じ込めるのでしょうか…。

今回の都知事選に関する報道を見ていると,福島第一原子力発電所事故とそっくりな感じがします。あのときのマスコミ報道も,読売と日経,産経をはじめとした中央各紙は事態を矮小化したような報道を繰り返した印象があります。そして日刊ゲンダイが一人で立ち向かうといった感じの構図でした。今回もなぜか,中央各紙は政権に有利な報道ばかりを流し,そして日刊ゲンダイが一人奮闘しています。そして面白いのは,日刊ゲンダイは「証拠に基づいた根拠」をきちんと示す努力をしているのに対し,中央マスコミは,「都合のよい一部分」だけを報道するように見受けられることです。

さてきょうの画像は液浸対物レンズのいろいろ。話題があまり面白いものではないので,画像だけでもクールなものを。これらの対物レンズは,油浸検鏡が終われば,オイルをきれいに拭き取り,レンズケースホルダ側にねじ込んだ後,ケースをしっかりと持って,対物レンズのボディーをきれいに清掃します。きわめて少量のエタノールか,あるいは精製水を少量つけたレンズペーパーで鏡胴部分を拭いて指紋を除去します。それから乾燥して,ようやくキャップをねじ込むのです。そしてレンズケースごと,生石灰の入った密閉容器に保存します。このようにすれば,レンズがケース内で蒸れることもなく,指紋からサビやカビが発生することもなく,油浸オイルでレンズが曇ることもなく,よい状態を保つことができます。ま,必要なのは,レンズに対する愛ですね(画像/MWS)。








2014年1月29日


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きのう篠原孝さんのお話をとりあげたので,きょうの画像ではご本人に登場いただきました。昨年秋に,TPPと原発問題の勉強会に出席したときのものです。ご本人に許可はとっていませんが,許してくれるでしょう。この講演で篠原さんは,「小泉は本気だ」ということを述べておられました。篠原さんはずっとむかしから,原発問題をウオッチしてきた人で,チェルノブイリにも2回,足を運んでいます。小泉氏は,その篠原氏の話に注目しているというのです。

それにしても,TPPと原発問題の勉強に行ったつもりが,フタをあけてみれば,東京都知事選挙の勉強になっていたわけで,人生,何が役に立つのかわからない,そう思った中年オヤジなのでした。

さて一昨日にも書きました細川氏の佐川1億円問題,続報が出ました。

こちら

これで二人の元自民党議員からの証言が出たわけです。そして二人の言うことには矛盾が見られません。二人の証言を総合すると,世間的に何となくダーティーなイメージを付与されていた細川氏は,逆に当時もっともクリーンな政治家であったことになります。記事にも「無茶苦茶」と書かれていますが,政権の座から引きずりおろすためなら手段を問わずデッチ上げすら行う,こんな理不尽なことがあってもいいものでしょうか。

この「無茶苦茶」は党を除名処分となった人を,党が都知事選では支援するという今回の構図と何か似通っている気もします。政策に信念があるわけでもなく,有権者の方を向いているわけでもなく,権力入手だけが目的化しているという点において。

筆者がこの問題を本ページで取り上げるのは,いつも真実を追究していたいということに尽きます。正しい情報を拾い上げる努力を怠れば,うさんくさいガセネタによってすぐに認識がゆがんでしまいます。どこに正しさがあるのかは永遠にわからないでしょうが,それを追い求める姿勢がなくなったら終わりです(画像/MWS)。








2014年1月28日


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この本は現職の国会議員が書き下ろしたもので,2012年4月20日の発行です。著者の篠原さんは,原発事故当時,農林水産副大臣として,種々の問題への対応を行いました。この本には,政権内部から見た原発事故対処の様子が詳しくかかれており,一見に値します。また特筆すべきことは,ソ連のチェルノブイリ原発事故と,日本の福島第一の事故をくわしく比較して,日本の対応のまずさを浮き彫りにしている点です。多くの皆様に読み継がれることを希望しています。

さて,この本をきょうになって紹介したのは,著者の篠原さんは,現在行われている東京都知事選の戦いをほとんど予言していたからです。その部分を抜粋してみると(p.314)

原発は,政治が止めなければならない。細川,武村コンビだったら,メルケル首相よりも速やかに脱原発を決めたに違いない。しかし,残念ながら,今の民主党の政権幹部の中に,原発輸出など世界に対する大恥だとわかり,止める者がいない。政治(政治家)の劣化の一つである。

  中央のマスコミは「殿,ご乱心」とバカにするかのような論調ですが,細川氏の人物像をよく知る政治家の筋からは,当然この人だったらやるだろう,という最有力候補であるわけです。政治が劣化(篠原氏)した中で,次の国政選挙まで時間が空きすぎ,右傾化した政権が暴走するのを見ていられない総理経験者(小泉・細川)が,東京都知事選を政策論争の場として使うことを決意したのでしょう。ですから,細川氏は担ぎ上げられたのではなくて,環境保全論者としての経験と実績を買われたといってよいのです。

と,ここまで書いて気づきましたが,この本の著者,篠原孝さんがブログでことの詳細をアップしてくれていました。ぜひ こちら もご覧になってください(画像/MWS)。



*1 篠原さんは農水省で永く勤められたあとに国会議員になった経歴の持ち主です。筆者は,少なくとも20数年前から篠原さんの話を読んでいました。農業を大切にする,環境保全にも熱心な,本当に素晴らしい方です。昨年秋には講演を聴くことができ,それで本を入手できたのでした。




2014年1月27日


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買い物と運動をかねて外出しましたら,ちょうど選挙演説がはじまるところに出くわしたので,予定外でしたが聞いてきました。筆者は都民でもありますので,都知事選候補者がどのようなことを考えているのかは知っておく必要があります。演説の概要はネットで検索すると全文が出てきますので省略しますが,候補者の本気は感じることができました。候補者の隣にいるライオンのような人も,拳を振り上げての応援演説でした。

筆者は10年以上前くらいに,このライオンのような人が日本を劣化させることを直感して,宜しくないと思ってきました。当時のライオンさんは,バリバリの原発推進でした。それが福島の原発事故に直面し,そして自身でオンカロを視察に行き,「原発は何があっても止めるべき」との考えに到達したようです。何をいまさら,とは思いますが,現在のライオンさんの話は筋が通っていて聞くに値します。

中央のマスコミでは都知事選に原発問題はそぐわないとの報道がさかんになされていますが,地方紙をみると逆に,電力消費地である東京で原発の是非を問うのは当然との論調も見られます。原発は送電線で東京につながっていて,東京が地方の原発を操っているともいえるわけですから,これを論点にするのは悪いことではないと,個人的には思います。そして何より,選挙は有権者が意思表示ができる数少ない場です。原発問題がテーマになったなら,それに対してyesかnoかを表明できるチャンスともいえます。

それにしても,歴代の総理大臣経験者の少なくとも3人が,脱原発の先頭に立って旗を振るという事実は,重く見なければならないと思います。総理の座を降りても,あるいは国政から遠ざかっても,国の将来を考え,よりよい未来のために原発はやめようと言っているその主張を聞いていると,政治家なのだなぁと思わずにはいられません。

聴衆は多く,関心も高いようで,寒風に小雨が降るという悪条件の中,多くの人がそのまま聞き入っていました。

帰宅してから早速,この候補者のHPを読んでみました。そこには明快な主張が書かれており納得できるものでしたが,それ以上に筆者が驚いたのは,「佐川1億円問題」を真正面から取り上げて,その疑惑を晴らそうと努力していることです。3回読んでみましたが,これを読むかぎり問題は感じられません。筆者は何となくグレーなのかなと思っていましたが,不勉強でした。それが修正されただけでも演説を聴いてよかったと思いました。この問題に関しては こちら や こちら のリンクも参考になります(画像/MWS)。



*1 それにしても,「佐川1億円問題」は,問題ですらなかったことになります。その,問題ではないことを大問題のように取り上げて,印象操作して,失脚に追い込む。これが自民党の手口なんでしょうか。それは少なくとも,政治ではありませんね。

*2 候補者の話を直接聞いて,投票先を決めるのが望ましい政治のあり方かと思います。現代では操作された情報が多量に流されているので,その情報を信じてから候補者の話を直接聞くと,まるで印象が異なることがあります。寒いですが,街頭演説を聴いてみるのもよいかもしれません。

*3 東京ローカルの話ですみません。しかし起きていることは,現内閣に対して問題を感じた勢力が戦いを挑んでいる,といった感じになっています。選挙はローカルですが,内容は国政レベルです。注視していただければと思います。

*4 石原が当選したときに手をたたいて喜んだ高齢者が多数いたことが忘れられません。彼らの多くはその後に,猪瀬のようなチンピラに投票したはずです。その猪瀬が消えれば今度はまた政権よりに投票するのでしょうか。そういった人たちは,いったい何を望んでいるのか,なかなか理解ができません…。





2014年1月26日


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筆者は子どもの頃から魚が大好きで,小学生の頃に,誕生日祝いの夕飯にニシンの塩焼きをねだった覚えがあります。刺身も好きでしたが,小学生の頃にはすでに白身の刺身が好物でした。グチ,メバル,カサゴ,ハゼ…,そうそう食べられるものではありませんでしたが,楽しみでしたね。そういえば,大学も魚に関係したところだったのでした。。そんな魚好きが好む刺身は何かというと,たとえばきょうの画像です。ヒラスズキは,鮮度のよいものだと,得も言われぬ,ほんのりとした甘みとうまみがあって,白米との相性もよく,最上級の刺身と思います。淡い味わいなので,濃い味好みの方には向かないかもしれません。ほかに似ているのはオナガダイですが,両者は,そこいらへんのデパ地下程度ではなかなか置いていないので巡り会うのがむずかしいですね。画像のヒラスズキは3年ぶりくらいに見つけたものですが,残念ながら身が割れていて,流通に要した時間での積算温度も高く,イマイチの味わいでした(この魚は,寝かせてもそれほどうま味が増えないように思います)。でも,自分で釣るのは大変なので,このくらいの価格なら,買って味見をしてしまうのです…。相模湾にも泳いでいるのですが(画像/MWS)。








2014年1月25日


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この画像はJシリーズユーザー様から届いたもので,トリケラチウム属の珪藻に存在する微細構造をとらえたものです。乾燥系の対物レンズによる撮影だそうです。この構造は注意深く観察しないと見つかりにくいものですが,さすがに当サービスの開業当初からのお付き合いであることもあってか,素晴らしい絵に仕上がっています。このような微細構造は,そこに何かがあるかもしれない,と思いながら種々の検鏡法で可視化を試みて発見するものです。はじめての珪藻を見るときは特に注意深く観察します。そういった経験を積むと,自然に技術が身に付きます。珪藻プレパラートの検鏡は検鏡技術の向上やハイレベルの技量維持に有効です。時折いただく画像を拝見すると,Jシリーズのユーザー様は,そのようなことを自然に行っている方々のように思います(画像/MWS)。








2014年1月24日


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名古屋駅構内で濃硝酸のびんが割れて異臭騒ぎが発生したようです。ことの詳細はわかりませんが,不要になった濃塩酸,濃硝酸を輸送する途中だったとのこと。指定された数量以上のものを列車内に持ち込むのはもちろん禁止ですが,今回の事件はそれ以前にあまりにもお粗末としかいいようがありません。割れて困るびんは,割れないように梱包しなければならないのです。

筆者がもし,500mlの濃硝酸を運ばなければならないとなれば,2リットルのペットボトルの下半分を利用して(底はくりぬかない),そこに硝酸のガラス瓶を入れ,さらに厚手のビニールに密閉して,それをプチプチでくるんだ上で,専用の発泡スチロール輸送箱に入れると思います。こうすれば,ぶつけたり,落としたりしても割れません。万一,予期せぬ事故で割れてもガラスがペットボトルを破ることはなく,ビニール内部に硝酸がこぼれるだけで,短時間のうちに被害が拡大することなど起きないでしょう。

ほかに注意すべきことは,混触危険に対して十分な配慮をすることです。濃硝酸は強い酸化剤ですから,下手な還元剤と混合すれば爆発的に反応して,手がつけられなくなります。そういったことが起きないように,濃硝酸を輸送する容器の成分はもちろん,そこに使用するクッションや同梱する薬品等にも十分な注意が必要です。混触危険を理解していないなら,その時点で,薬品を取り扱う資格はないようにも思います。

ついでに書けば,危険なのは「薬品」として認知されているものだけでなく,誰でも入手できる洗剤や燃料などでも同等以上に危険なものがあります。専門家でなくても,じゅうぶんな知識を身につけてふだんから対策を施すことが大事です。

きょうの画像は筆者が採用しているびんの保管方法。中身はエタノール(ふつうのアルコールです)とグリセリンです。このような,飲んでも大丈夫なくらい安全な試薬であっても,ペットボトルを使ってびんの肩がぶつからないようにして,割れを未然に防いでいるのです。ペットボトルの底をカットしてあるのは,床に置くためです。こういった工夫により,あの大地震でもびんなどは一つも破損しませんでした(画像/MWS)。



*1 当サービスでは,濃硫酸,濃硝酸,濃塩酸などの薬品は使用しておりません。理由はいろいろありますが,これらの薬品は,硫酸を別として,光学機器を徐々に劣化させるのです。大事な顕微鏡を守るために,危険な薬品は避けているわけです。そういうわけで,珪藻は家庭用洗剤やマイルドな薬品を用いた処理しかできず,ひじょうに手間がかかります。しかし壊さずにきれいにできるメリットもあります。

*2 【問い】 ドラフト内に置いた1Lのビーカーに100グラムの生物試料を入れ,そこに濃硝酸200mlを注いだところ,二酸化窒素の赤褐色の煙が大量に吹き出し,急激に反応して沸騰がはじまり危険な状態になった。試料を守りつつ,この状態を脱する方法を述べよ。(所要20秒以内)

【こたえ】 ビーカー内部に十分量の氷を投入する。これにより反応は抑制され,試料も破壊されない。反応が穏やかになったら,試料を小分けにして加熱し,必要ならば硝酸を追加して湿式酸化を継続する。有機物−酸化剤の反応では注水では十分な効果がないことがあるが,氷は効く。この事故は大学院生時代に遭遇したもの。事故原因は実験の規模を間違えたこと。どうしていいか分からない実験担当者(だいぶ年上)に,「氷もってこい!!」と指示を出し,あふれる寸前のビーカーに氷を落とし込んで事なきを得ました。。もちろん,試料も無事でした。

答えは上に書いてあります。





2014年1月23日


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レンズというものは,それを知っている人には大事な宝物ですが,知らない人にとっては何かの部品程度,という認識でしょう。そうすると,研究室の引っ越しや,プロジェクト担当者の入れ替え,古い機材の整理などのときに,「何かの部品」として正体不明の扱いを受け,場合によっては捨てられる運命のものもあります。画像のレンズもその一つで,あやうく捨てられそうになっていたところを拾われて,管理を命じられた筆者が受け取りにいったものです(要するにタダでもらった…)。中年オヤジになると不思議な現象がいろいろおこるのですが,想像もしなかったレンズがある日突然に転がり込んでくることもあるのです。レンズや顕微鏡というのは,最初はなかなか集まりませんが,ある一定数を超えると,吸い寄せられるかのように,自然と集まってくる,そんな気がします(画像/MWS)。








2014年1月22日


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古本屋の愉しみは,思いもよらなかった本に巡り会えることです。ランダムとしかいいようのない組み合わせておいてある書籍を高速スキャンして,自分の脳みそが反応した活字に反応します。まったく予期しなかったことでも,脳みそが反応してしまい,数千冊の本から秒速で興味深い本が見つかったりします。じぶんの脳が何を考えて何を期待しているのか自分でもわかりませんが,古本屋はそれを教えてくれる機会でもあります。画像の本は,大きな古本市でみつけたもの。このような本があることも知らなかったし,このような本を探していたわけでもありません。しかしある本屋の店先で,数十秒で見つけ出し,数分後には連れて帰るわけですから,人間の行動というか,能力というものは,不思議です。「日本刀職人職談」,大変なタイトルですね。「職人談義」ではないのです。「職人」の「職談」なのです。猛烈に勉強になります…(画像/MWS)。








2014年1月21日


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1枚目の画像の真ん中に写っているのはクチビルケイソウの一種です。富士山麓(富士吉田市)から採集したものです。この珪藻は1枚目の画像で見るように,NA=0.75程度の簡易な検鏡では,抜群のコントラストで全体の姿形,周期構造などが見えます。これを油浸で高分解能イメージングをしてみると,だいぶ印象が変わります。画像二枚目は被殻の内側にピントを合わせたもので,丈夫な裏打ち構造のような感じで,低開口数で見られるものと似た周期構造が見えます。ところが被殻の表面にピントを合わせると,複雑な突起が出た四角い開口という感じで外界と接しているようです。この構造はどちらかといえば,ディディモ(ディディモスフェニア属)の特徴です。なんだか不思議な気分です(画像/MWS)。








2014年1月20日


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きのうの画像で左側に写っているナビキュラを油浸で拡大したものがきょうの画像です。被殻の表面にピントをあわせても,整然とした周期構造があるのみで,特別な形で開口している様子はありません。被殻の内側にピントをあわせても,同じように整然とした周期構造が見られます。構造にクセがないので,テストプレート用にもよさそうです(画像/MWS)。








2014年1月19日


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画像左2つの種はナビキュラで,画像真ん中の種もナビキュラです。いっけんすると,画像中央のナビキュラは,画像左のナビキュラの大型のもの,という感じがします。実際,NAが0.65以下で検鏡していると,それほどの違いは感じなくて,珪藻を拾い集めているNA=0.2程度の検鏡では,まったく違いがわかりません。大きいか,小さいか,だけの違いです。しかしきょうの画像に見るように,暗視野撮影して,その色を見ると,左の二つと,中央のナビキュラは色が違います。色が違うということは構造から生じる回折光や干渉色が異なるということで,違う種であることを暗示しています。そして実際,油浸で見ると,左の二つは同じ構造を持ち,中央の種は異なる構造を持つのです(画像/MWS)。








2014年1月18日


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先月末に販売開始した第8期Jシリーズも少なくなり珪藻関連はあと4枚です。多くの皆様にお求めいただきまして心より感謝申し上げます。今月,来月といろいろな仕事が詰まっていて,プレパラートの製作にはほとんど時間を使うことができない見込みになっています。次回販売できるのは当分先になりますので,Jシリーズを見てみたい方や,法人様の年度末予算で魅力あるお買い物を考えている方…は,せひこの機会に入手して下さいませ。いつも,全力を投入して製作したものが売れ残る不思議現象は今回も健在です。覗いてみればオドロキの世界が広がります画像/MWS)。








2014年1月17日


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16日は光合成研究のトップランナーの訪問を受けました。すぐ近くで会議があったとのことで,合間の時間を使っていただきました。大変話題豊富な方で貴重な情報を居ながらにして得ることができ,いつもながら有り難く思うばかりです。淡水産の藻類培養の話や佐鳴湖のプランクトン組成,瀬戸内海の適正栄養塩供給に関する話,バイオマスエネルギーと藻類など,話題は尽きることがないまま,約3時間の滞在時間を使い切り,また今度,となりました。勉強のヒントになる話をいくつかもらい,とても刺激になったので,先生が帰られたあとに早速,関連書籍を買いに走りました。

画像はそんな話題とはあまり関係のない,宮城県塩竃市,七ヶ浜の海岸です。奥に写っている崖の下から珪藻化石を見つけて,それがJシリーズ誕生のきっかけとなったのです。あの津波が襲う前の,のどかな風景が記録されている貴重な絵です(画像/MWS)。








2014年1月16日


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きのうパーフェクトなプレパラートを紹介しましたが,そうでないものを作ってしまうこともあります。今日の画像がその一つで,すべてが完璧にできたと思って検鏡してみたら,クモノスケイソウの陰にゴミが一つあったのでした。。このゴミは真っ黒なので,硫化鉄か炭素か何かでしょう。製作時は暗視野照明を多用するので,小さなゴミも見逃さないのですが,こうした黒いゴミが照明の陰に入ると見えないことがあるのです。そんな現象は滅多に起きないのですが,忘れた頃に起きてしまうのも事実です。がっくりとするような現象ですが,これも経験の一つとして,次回からはこのようなことが生じないように対策を考えなければなりません(画像/MWS)。








2014年1月15日


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昨秋頃から続いていた慢性的な忙しさもようやく区切りが見えてきました。ちょっとした対応や特注品の製作でも,どんどん時間がなくなっていくので,Jシリーズ製作期間はわっせわっせの生活が続くのです。ここにきて,やっとこさつかの間のオアシスが見えそうな気配なので,そういう時期を利用して,新しい試料起こしをしたいと思います。淡水産の比較的小型の珪藻や,在庫がなくなってきたツリーの枝や飾りを集めなければなりません。新しい珪藻との出会いもあるので,楽しみもあるのです。画像は昨年末に製作した特注品です。同じ種類の珪藻のサイズがすべて合わせてある,こういったパーフェクトな珪藻プレパラートを,これからも供給できるように日々努めなければなりません(画像/MWS)。








2014年1月14日


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この珪藻は,アウラコセイラ(Aulacoseira)属の一種で,湖などで見かけるものです。Jシリーズとしては,まだ供給できていない種で,次回からマウントできればと思っています。画像に写っているのは二つの被殻で,途中でつながっていますが,その境目にギザギザ模様で噛み合っている様子が,かすかに浮かび上がっています。微細構造のイメージングとしてはけっこう難しい構造です(画像/MWS)。








2014年1月13日


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画像1枚目の珪藻は,今期から少数ながら供給できるようになったFrustulia vulgarisです。2枚目の画像はこれまでも供給していたFrustulia amphipleuroidesです。両者ともに形態が似ていますが,大きさが大人と子どもくらい違います。それだけ大きさが違うのに,微細構造や基本構造が似ているということは,この構造が力学的に意味のあるもののように思えてなりません。珪藻を観察していると,最小の材料で最大の強度を確保しているように思えますが,実際のところはどうなのでしょう(画像/MWS)。








2014年1月12日


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画像1枚目の真ん中に写っているのは,今期から供給できるようになったナビキュラ属と思われる珪藻の一種です。多種類系のJシリーズにマウントしています。この珪藻も構造がおもしろく,条線内部を拡大して,被殻の内側にピントを合わせるとシマシマの周期構造が現れます。ところが,被殻の表面にピントを合わせると,なんといったら良いのか…,小さなチョウチョのような模様によって開口しています。こういうのを見つけると,なんだか良い種を入手したような気分になって,うれしいのです。Jシリーズを製作する作業というのは,体力も精神力も要求される,本当に大変なものなのですが,こういったちょっとしたうれしさというのもあって,一人で「おおっ〜」と喜んだりもしています(画像/MWS)。








2014年1月11日


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さいきん,ミクロワールドサービスというと「Jシリーズを売っているところ」という感じになりつつあるような気もします。確かに,人気は絶大で,評判も良く,多くのお客様からお褒めの言葉を頂戴しています。そういう意味では「Jシリーズのお店」は正しいのですが,その製作を支える根幹技術は高分解能イメージングです。もともとミクロワールドサービスは,顕微鏡下の世界を多くの人に紹介したくて,珪藻を材料として開店したのが始まりですが,同時にテストプレートも販売開始しています。珪藻はむかしから顕微鏡のテスト試料として使われてきましたが,その使われ方は相当に怪しいものだというのが筆者の認識です。

どういうことかというと,珪藻を使って顕微鏡の検査をしても,その珪藻標本が不適切なものだった場合,まともな検査にならないのです。たとえば,合格と判定されるレンズがすべて不合格になり,不合格と判定されるレンズが合格してしまう,そういうことが起こります。そのような怪しい珪藻テストプレートが海外を中心に出回っていて,今なお多くの人が,そのテストプレートを信じて利用しています。

このようなことが起きてしまうのは,標本製作者が,高分解能イメージング技術を持っていないことが原因です。製作した標本からどのくらい球面収差が発生しているか判定できない,あるいは無知でそのような現象を知らないので,目的の珪藻がマウントされていればOKにしてしまいます。

いっぽう,ユーザー側には高分解能イメージング技術をお持ちの方が多く存在しています。では,その方々が標本の善し悪しを判定できるかというと,それもほとんど無理です。理想的にマウントされた珪藻の像と比較することができないからです。検鏡してみて,こんなもんか,と思えばそこで追求は終わりです。

このようなことから,検品済みの完璧なテストプレートを製作できるのは,標本製作技術を持っており,顕微鏡光学を理解した上で,高分解能イメージング技術を持っている人,ということになります。そのような人は少ないので,それでは筆者がやってみましょうか,ということにしたのです。きょうの画像は分解能テストに利用されるAmphipleura pellucidaという珪藻で,点紋の幅が約200nmです。これをイメージングしろと言われれば,筆者はいつでも可能です。技術を持っている,というのはそういうことです。こういった考え方や技術が出発点となって,Jシリーズなど高度なプレパラートの製作が可能になっているのです(画像/MWS)。



*1 もちろん,イメージング技術がなくても,光学理論に忠実に製作すれば良いテストプレートは作れます。半世紀以上前頃には,そのようなテストプレートを製作する会社が海外にあったのですが,現在は廃業しているようです。




2014年1月10日


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Jシリーズは一度覗くとやみつきになり,また欲しくなるということになるらしく,販売開始とともに常連さんの争奪戦になります。しかし,そこに食い込む新規のお客様もいらして,とてもうれしく思っています。きょうはそんなお客様から届いた画像です。WEB上の情報で勉強して顕微鏡を注文し,自分で撮影システムを組み上げるという高いセンスの方です(ここまでやられては顕微鏡販売店も真っ青でしょう)。画像1枚目はJ270の明視野画像で,2枚目は暗視野画像。画像を一目見てわかりますが,ただものではありません。画像1枚目はNA=0.30での撮影だそうですが,この絵を見るとコンデンサ絞りはNA=0.2-0.25の間にあるように思います。ここで踏みとどまり,解像感を活かしつつ,さらに露出をプラスに振って全体のクリア感を表現し,コントラストの高い珪藻が潰れないように配慮しています。いっけん何気ない画像に見えますが,これはプロの領域の絵ですね。暗視野の方も同じセンスで,ヒストグラムをチェックしているように思われます。なお,原画は大きなサイズで頂戴しましたが,筆者の責任で縮小しています(加重平均)。アンシャープマスク(半径0.80,強さ80, PaintShopPro8)のみかけています(画像/J270ユーザー様,縮小加工MWS)。



*1 明視野画像の方で周辺減光が見られますが,これは顕微鏡の光学系に原因があります。これを消すには,物体のないところで少しピントをぼかして撮像して,物体の写っている画像との間で減算処理をすればOKです(背景の明るさでバイアスをかけます)。撮像素子やレンズに乗っているゴミも消えますし,周辺減光もきれいに消えます。




2014年1月9日


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先月22日に販売開始したJシリーズも残り少なくなってきました。ツリーはあと一つ,宝石デザイン系も,多種類系も数枚ずつの在庫です。次回まとめて販売できるのは当分先になりますので,Jシリーズを見てみたい方は,まずはこの機会に入手してみると良いかと思います。どの在庫品も覗けば納得のクオリティーであることは製作者が保証いたします。背景は完全にクリアで,選別された珪藻たちによって自然の造形を満喫できます(画像/MWS)。








2014年1月8日


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今期からメロシラ・バリアンス(Melosira variance)という淡水珪藻も安定供給可能になっています。ゆるやかに流れる河川などできわめてふつうに見られ,自然の浄化機構を担うきわめて重要な珪藻種といえます。この珪藻,つるつるのガラスの容器に見えますが,油浸で解像限界付近を狙うと,一面に微少な孔があいていることがわかります。通常は電子顕微鏡で見る構造ですが,光学顕微鏡でもイメージングできる領域です。本種は今期製作分のJシリーズで多種類系の標本の多くに入っています。DL-TESTでマウント指定することもできます(画像/MWS)。








2014年1月7日


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画像1枚目の真ん中に写っているのは,今期から供給しているナビキュラ属珪藻の一種です。中央部分を拡大して,被殻の内側にピントを合わせるとナビキュラ独特の整然とした周期構造が現れます。ところが,被殻の表面にピントを合わせるとビックリ。開口部は被殻内部の周期構造そのままではないのです。ふしぎな形の模様で開口しているようにみえます。珪藻を検鏡していると時々このようなことがあるので,気を抜けません。なお画像は油浸・波長400nm・輪帯照明等の種々のテクニックを用いて,画像は平均化,ヒストグラム調整などをしています。相当に微細な構造なので簡単には見えません(画像/MWS)。








2014年1月6日


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Jシリーズ販売での悩みは,Webサイト掲載の画像程度では,繊細かつ雄大なこの製品の価値が伝わらないことです。人によっては,「ふーん」で終わってしまうかもしれません。一つの珪藻を全体像と微細構造を両立して表現するだけでもある程度のサイズが必要になってきますので,全体像を表すには画像そのものが巨大化してしまいます。きょうお届けするリンク先画像は,そんな巨大画像を作ってしまう先端的ユーザー様から送付いただいたものです。

こちら(3.2 MB)
こちら(24.2 MB)

プレパラートはJ285で,1枚目は一枚撮り,2枚目はつなぎ合わせの画像です。これでJシリーズの真価が伝わりやすくなったようにも思います。ありがたいことです(画像/J285ユーザー様)。








2014年1月5日


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今期製作のJシリーズではナマコの骨片もいくつか封入しました(まだ残りが二つあります)。この骨片は鮮明な偏光色が観察できるので,偏光顕微鏡ユーザーにはおすすめのものです。Jシリーズのユーザー様のなかには,本格的な偏光顕微鏡使いの方もおられまして,さっそく検討を開始されています。以下のリンクをぜひ参照いただければと思います。

こちら
こちら

偏光顕微鏡は奥が深く,理論がわかっていないと使いこなせないものでもあります。筆者もまだまだ勉強途上で,ユーザー様がこうした分析を行ってくれることに,大変助けられる思いです。ありがたいことです。もっとも,ナマコの骨片は研究材料というよりは,偏光顕微鏡で見て美しいということに主眼をおいて封じたものです。気軽に覗くのもアリです(画像/MWS)。








2014年1月4日


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Jシリーズのユーザー様は全国に広がっていて,ご自身のサイトで素晴らしい画像を公開している方もおられます。きょうの画像はJ287タイプの暗視野画像ですが,この標本を用いてまともに撮影するとこうなる,という絵を公開されているユーザー様がおられますので,ぜひ次のリンクを参照いただければと思います。

こちら

モノクロでの撮影は,顕微鏡光学として基本のものですが,それにしても素晴らしい絵になっています。標本がまともであることは間違いありませんが,それでも,こうして珪藻の美しさを引き出していただくと,制作者としては安心するというか,うれしいというか,そんな気分になります(画像/MWS)。








2014年1月3日


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きょうの画像もユーザー様から頂戴したもので,J282,淡水の小型珪藻ばかりを詰め込んだものです。すっきりと抜けたバックに,色とりどりの珪藻が浮かび上がり,軸上色収差,さらには倍率色収差が感じられないという驚異の画像です。自作の撮影システムの場合は,対物レンズと投影レンズの相性,CMOSまでの投影距離などのマッチングを相当に詰めないとこのような画像にはなりません。こういった画像がいとも簡単に送られてくる,これはJシリーズのユーザー様にとってはふつうのことです。なぜなら,Jシリーズのプレパラートは標本そのものから生み出される収差が皆無なので,経験豊富な人が検鏡しながら調整していけば,最終的にはきれいな絵になるのです。検鏡技術を極めたい人にこそ手元に置いて欲しい,それがJシリーズでもあります(画像/J282ユーザー様)。








2014年1月2日


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きょうもユーザー様から頂戴した画像を紹介致します。J241を撮影したものです。J241は高コントラストのクモノスケイソウやクチビルケイソウが周囲に配置され,低コントラストの珪藻が内部に存在していて,それでいて中央部は高コントラストのアクチノキクルスを配置してありますから,露出がむずかしいのです。しかしさすがの写りです。中央部の飽和ぎりぎりの露出が絶妙で,この部分とクモノスケイソウの部分で白飛びを防いで,低コントラストの珪藻を映し出しています。ガンマ補正すればより多様な表現も可能ですが,この硬い光の感じでこのように表現するのは,それなりの経験がなければ,手にすることは難しいでしょう(画像/J241ユーザー様)。








2014年1月1日


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年末恒例大忘年会もアンコウで盛り上がり,忙しかった昨年も過ぎ去り,気持ちも新たに一年が始まろうとしています。みなさま,今年もよろしくお願い申し上げます。

さて,本日の画像の初日は,J278のユーザー様から頂戴した画像です。大型のプレウロシグマを完璧に封じた標本で,照明を調節すると素晴らしい色が出るような設計になっています。さすがに争奪戦を勝ち抜いたお客様だけあって,届きました画像を拝見すると,こちらが想定した最高の見えを完全に再現しています。素晴らしいですね。皆様にもご覧いただきたく,本欄でご紹介させていただく次第です。なお,元画像を

こちら

にアップしてありますのであわせてご覧下さいませ。そして皆様,お正月はゆっくりと顕微鏡を楽しんでいただければと思います(画像/J278ユーザー様)。









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