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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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2008年9月30日


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アクロマート対物レンズは色収差の補正が不十分で,照明光によっては盛大な色収差を見ることができます。上の画像はLEDライトで照明した珪藻で,青の色収差(青ハロ)が大きく出ています。市販のLEDライトはアクロマートの補正領域を超える短い波長の青色を出しているものがあって,そのようなランプを使うとたいへんな青ハロが出ます。このような照明で長時間観察すると目が疲れますし,写真撮影でも良いことはありません。そこで市販の緑色LEDを使って単色光照明を行っています。下の画像はアジレント社の526nm超高輝度緑LEDを4個使って照明したときの画像です。単色光照明ですから色収差は出ませんし,顕微鏡を覗いていてもすっきりとしていてコントラストの高い像を見ることができます。もちろん,ハロゲンファイバー照明に緑色フィルタを使っても同じような効果があります。しかしLEDの良いところは低消費電力で高輝度なところです。この自作の照明装置は1Wもあれば十分な照明ができるのです(DF,撮影/MWS)。





2008年9月29日


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栄養がたっぷりと流れ込む内湾や沿岸で大増殖して海水を茶褐色に変えてしまう珪藻がいます。スケレトネマ属(Skeletonoma)の珪藻がその代表で,特にSkeletonoma costatumという種が世界中に分布するとされてきました。この珪藻は群体の幅が数μm程度の非常に小さなものが多く,光学顕微鏡で乾燥系対物レンズを用いて簡易に検鏡したくらいでは,珪藻被殻の特徴はほとんどわかりません。それで細かい分類がされてこなかったという現状があります。最新の研究では,今までSkeletonoma costatumと言われていた種は幾つにも分けることができるらしく,電子顕微鏡により被殻の形態も詳しく調べられています。さて,このスケレトネマ属ですが,筆者の得意とする高分解能検鏡法によれば,被殻の特徴を明瞭に可視化できる場合があることがわかってきました。光学顕微鏡で見えれば便利ですし,誰でも取り組むことができます。詳細に検討してみる価値がありそうです。画像は相模湾に出現したスケレトネマ属珪藻の被殻を封じて標本にしたものです(VEC,撮影/MWS)。





2008年9月28日


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これはスルメイカの卵です。まだ体内にあって琥珀色の小さな塊として存在していました(上の画像)。蒸留水に放つとばらけて丸い様子がわかりますが,表面にシワができてしまいました。イカの卵は目で見てもわかりますが,顕微鏡で見るとまさに卵細胞の感じがします。なぜか卵細胞はどのような動物でも何となく似ている感じがあります。構造がありそうでなさそうな内容物の様子が,ウニでもイカでも似ているのです。これが受精して細胞分裂を繰り返し,やがてイカになるというのは,生物学で習う当然のことですが,それでも卵細胞を眺めていると不思議な感じがします(BF,撮影/MWS)。





2008年9月27日


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これは皆さんよくご存じの印刷物です。数センチ角に印刷されたものが多く,色とりどりで様々な図案があります。印刷品質は高く,中には蛍光印刷されたものもあります。上の画像は現在もっともポピュラーなものの一つです(BF,撮影/MWS)。





2008年9月26日


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古い「リンゴ酢」に沈殿(濁り)ができていましたので検鏡してみました。10倍対物レンズを用いて暗視野で検鏡すると,ところどころ大きな結晶の塊が見え,微細な粒子がたくさん発生しているのが見えます。40倍対物レンズで斜光照明にして検鏡すると,微細な粒子は何となく丸っこい角をもった粒子の集合体であるような感じに見えます。大きさは細菌サイズよりも小さく,運動性もなく,何らかの成分が化学反応で不溶化して沈殿したもののようです。さすがはお酢,賞味期限を2年以上も過ぎて沈殿を生じても,バクテリアが大量発生するようなことなはいようです(DF,annular,撮影/MWS)。





2008年9月25日


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Jシリーズの製作を再開するべく準備をしています。空気が動いていると落下物が多くなり,かといって空調を停止すると室温が35度まで上昇するので,夏期(7〜9月)は並べスライドの製作はお休みしていました。そろそろ気温も低下してきたので再開ですが,その前に,珪藻を揃えなければなりません。ある程度のデザイン性を持たせたり,種数が多いスライドを製作するには,事前に使える珪藻を拾い出して集めておく必要があります。拾い出しながら並べてゆくと,探すのに時間がかかりすぎてしまうからです。たとえば上の画像のように散らしたサンプルから,破損の少ない,鉱物などが付着していない,形の整った個体(珪藻・海綿骨針・放散虫など)をピックアップしてストックします。大きさ別のものが必要な場合は各種のサイズを揃えておくのです。整った室内環境と健康管理がなにより必須の作業です(DF,撮影/MWS)。





2008年9月24日


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昨年度のプランクトン学会で使用したポスター発表のpdfファイルを情報コーナー(顧客向け)にアップしてあります。ビデオ顕微鏡法による珪藻類微細構造の観察事例についてまとめたものです。光学顕微鏡において光波の回折で決まる分解能ぎりぎりの点まで性能を引き出すテクニックと,それにより得られる珪藻の画像を紹介しています。珪藻の写真撮影を行う方には参考になることもあると思いますので,プレパラート購入時に配布したユーザー名・パスワードでご利用下さい。上の画像は海産珪藻(おそらくコスキノディスクス属)について微細構造を極限まで追求した画像例です。0.2μmを解像している画像となります(VEC,撮影/MWS)。





2008年9月23日


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これは砂消しゴムの画像です。4倍対物レンズを用いての撮影です。大小様々な砂粒子がよくみえます。かなり鋭いものもあり,砂消しゴム,というよりも,ガラスの粉が入っているような感じがします。これで紙の繊維をちぎり取り,ボールペンなどのインクが染みた部分を削り取るのでしょう。他の用途として重宝するのは,サビ落としです。流しや包丁などのさびた部分を砂消しゴムで軽くごしごしやるときれいにできます。研磨が趣味の筆者には必需品です(DF,撮影/MWS)。





2008年9月22日


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きのうの川砂を偏光観察すると,あら不思議,無色の鉱物のはずが,まるで万華鏡かステンドグラスのようです。鉱物粒子には偏光性を持つものも多く,これは偏光顕微鏡で観察すると,暗い背景に白く輝いて見えたり色がついて見えたりします。色がつくのは干渉と呼ばれる現象が起きているためです。専門的には,検鏡するための標準的な厚さが定められており,その厚さで偏光観察を行うと鉱物の種類を推定することができます。しかしここではあまり細かいことにはこだわらず,自然の妙を眺めることにしましょう。観察は難しくありません。低倍率の顕微鏡で,砂粒を試料として,コンデンサ下に偏光板を入れ,対物レンズ上にも偏光板を入れます。下の偏光板を回転させて視野が暗くなったときに上の画像のようになります。偏光観察は円偏光板でも可能です(この場合は右回りと左回りの円偏光板を用意しなければならないので面倒です)。その例が下の画像です(Pol,Cpl,撮影/MWS)。





2008年9月21日


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これは川砂の画像です。元はほどんど泥状で,これを気長に洗って濁り(粘土鉱物)を流し去り,残った微細な粒子です。一つ一つは一ミリの数分の1しかありません。目で見るとかろうじて,何種類かの粒子で構成されていることがわかりますが詳細は不明です。これを20倍程度の顕微鏡で観察すると,鉱物粒子の素性がはっきりして非常にみやすくなります。石英,長石,雲母らしきもの,火山灰の塊,ガラス状の鉱物,劈開のあるもの・ないものなど様々です。この「数十倍」程度の拡大率は,安価な顕微鏡でも十分楽しめ,身近なものを観察して知見を広めるのにとても適していると思います。高々数十倍,とバカにしてはいけません。倍率は低くとも,見えない物が見えるようになっているのですから(DF,撮影/MWS)。





2008年9月20日


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これはバレイショの表皮です。はじめて見ました。むいた皮をとっておき,身の方を向こう側に向けてゆっくりと折ります。すると表皮一枚でつながるので,そこからゆっくりと剥いでいくと,割と簡単に薄い皮だけにできます。上は10倍対物レンズを用いての撮影ですが,まさにこれぞ細胞,という感じの格子模様です。暗視野で検鏡すれば細胞の内部もある程度見えるようになります。材料としても手軽で試料作製も簡単,そして堂々たる細胞の姿は,初等中等教育の素材として適しているように思いました(BF/DF,撮影/MWS)。





2008年9月19日


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これはヒト心筋の画像で,油浸(NA=1.4)での撮影です。非常に薄い切片になっていて,シュモール染色でもコントラストはかなり弱くなっています。そこで,このような横紋筋のような微細構造が揃った性質を利用して偏光顕微鏡で観察しました。すると極めて細い筋繊維が一定方向に揃って配向している性質のため,偏光顕微鏡で繊維部分が浮き上がるように見えてきます。このように,物体の性質に応じた検鏡法の選択がよい結果を生むこともあります。染色標本は通常,透過明視野で観察するものですが,ときには偏光法や微分干渉法,位相差法などを試してみて,それぞれの像特性を把握しておくこともよい練習になると思います(Pol,試料作製/H.Tohyama,撮影/MWS)。





2008年9月18日


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MWSでは多数の珪藻プレパラート(散布スライド)をご用意しています。珪藻プレパラートは顕微鏡観察家にとっては非常に魅力的な商品ですが,入手は困難で,世界的に見ても販売箇所が限られています。その中にあって,当サービスが取り揃える散布標本はたくさんの種類があり,よく精製されて美しい上にお求めやすくなっています。上の画像は,教育用プレパラートの中でも特に評価の高いE-M1(900円)で,最も安価で最も美しいプレパラートといえるかもしれません(BF/oblique, 撮影/MWS)。





2008年9月17日


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これは海綿の骨針です。海綿はタイドプールなどでふつうに見られますが,そのような場所の泥やヨコエビの巣などには海綿の骨針が入っていることが多く,よい採集材料になります。海綿骨針はかなり純粋なケイ酸質で丈夫です。煮ても焼いても残りますので,薬品処理で壊れることも少なく比較的集めやすいものです。上の画像はこうして集めた海綿骨針を一つ一つ並べたものです。Jシリーズ今秋分から供給を開始する予定です(oblique, 撮影/MWS)。





2008年9月16日


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これはメロシラ・バリアンスという珪藻の被殻です。茶筒のような格好をしていますが,それを上から見たかたちになっています。この珪藻はゆるく流れる河川にふつうに見られ,水の浄化にも役立っているなじみ深い種です。MWSのプレパラートでもE-R2やSEK-01にたくさん入っています。この種は光学顕微鏡では,ガラスでできた透明な茶筒という感じに見えますが,電子顕微鏡で観察すると,その茶筒の一面に小さな穴があいていることがわかります。この小さな穴は,光学顕微鏡で観察できる限界付近ですので,専門的な機材をチェックするのに好適です。きょうは拡大率を抑え気味にして,解像限界の微細構造という雰囲気を出してみました。もちろん光学顕微鏡での撮影です(撮影/MWS)。





2008年9月15日


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きょうは機材運用の訓練日としました。いつも顕微鏡で仕事をしていても,すべての機材を均等に使うことはありません。したがって,たまにしか使わない機材の運用方法やテクニックが,だんだん記憶から遠ざかっていく可能性があります。これを防ぐために機材の動作確認や検鏡技術の確認を行うわけです。こうした技術訓練の目的には珪藻プレパラートが非常に役立ちます。「この珪藻の微細構造が見えれば機材・技術ともに申し分ない」というハードルを決めておき,それをクリヤできるかどうかを確かめればいいからです。久々の油浸検鏡で機材の動作と検鏡法の確認も行い,半日を要しましたが,十分な訓練になりました。やはり技術というのは手が覚えるもので,自然に手が動くようでなければいけません。上の画像(珪藻)は,シネドラ属の一種とディアトマです(撮影/MWS)。





2008年9月14日


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光学顕微鏡で微細構造を識別する際,分解できる大きさは光波長の制約を受けます。最高級の開口数1.3〜1.4程度の対物レンズを用いて,収差が最もよく除去された緑色付近の波長を用いると約240〜250ナノメートルの構造を判別することができます。しかしレンズによってはさらに短い波長が使えますので,たとえば青色光や青紫光を使うなどすれば,さらに分解能は上がります。そして封入剤を工夫して高コントラストで観察できる条件を作り出せばさらに微細な領域が見える可能性もあります。その領域になってくると照明法はもちろんのこと,物体や光学系の偏光特性も重要になってきて,これを改善するとさらに細かい領域まで可視化できる可能性があります。画像はそのような工夫を施して得たもので,淡水でふつうに見られる珪藻類ですが(当サービスのプレパラートでもいくつか入っています),通常は電子顕微鏡で観察されるような微細構造が可視化されています(撮影/MWS)。





2008年9月13日


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9月9日付けで紹介したポスター発表のpdfファイルを情報コーナー(顧客向け)にアップしてあります。深度合成法による画像が多数掲載されていますので,プレパラート購入時に配布したユーザー名・パスワードでご利用下さい。上の画像は海産珪藻(キートセロス属)の休眠胞子で,油浸検鏡により得られた画像を深度合成しています(BF,撮影/MWS)。





2008年9月12日


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深度合成法では,もちろんカラー画像も扱えます。きょうの画像はヒザラガイの歯舌ですが,複雑な立体構造のすべてにピントが合い,また,マグネタイトが沈着して黒っぽくなっている部分から透明な角質部分までの,色の違いもよく表現されています。ヒザラガイの歯舌についてはすでに7月7日に採り上げていますが,全焦点画像ではないために,上から撮影して全体像を表しました。深度合成法によれば,きょうの画像のように奥行きのある画像でも表現できますから,構図の自由度が著しく増加します。これもメリットの一つです(epiDF,撮影/MWS)。





2008年9月11日


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深度合成法によれば,湾曲した珪藻などについても,全体にピントの合った画像として表現できます。この画像をネガティブ処理すれば明暗反転し,暗いバックに珪藻が輝く電子顕微鏡写真のようになります。上はゲフィリア属の一例です。この珪藻は8月18日に採り上げていますが,この画像と比較するとあまりの違いに驚かされます。下の画像も同様な処理を施したもので,ビドルゥフィア属珪藻のガードルバンドです。標本として封入された試料は動かすことができないので,このように斜めになったものが全焦点画像として表現できる意義は大きいと言えるでしょう。なお,全焦点画像は二次元上ですべてピントの合った像として表現しますので,手前側,向こう側の区別が難しくなるときがあります。表示法のルールなどを定めた方が良いかもしれません(BF,撮影/MWS)。





2008年9月10日


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深度合成の一例はこのようになります。これは放散虫の仲間ですが,非常に複雑な骨格を持ち,光学顕微鏡である程度の倍率をかけると全体像の把握が困難です。低倍率にすればある程度,全体の形が推測できますが細かい部分の構造がわかりません。そこでこの放散虫を,すこしずつピントをずらして撮影し,深度合成ソフト(シェアウエア,フリーソフトなどいろんなソフトがあります)を用いて合成します。すると下の画像のように,高倍率で微細構造が保たれつつ,全体にピントが合った画像が得られます。焦点深度を稼ぐためだけに,電子顕微鏡を利用していた研究者も,これからは光学顕微鏡を使えるケースも出てきます。コツはいくつかありますが,丈夫な鏡基でブレのない連続画像を撮影することと,深度合成できれいな結果が得られるような照明を行うこと,それに相性がよいソフトウエアを使うことなどが重要です(BF,撮影/MWS)。





2008年9月9日


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日本プランクトン学会・日本ベントス学会の秋季大会では,筆者はプランクトン・ベントス観察における深度合成技術の活用事例について報告してきました。多数枚のピントの異なる画像を用いて,全面にピントの合った画像をデジタル合成する技術は,昆虫関係や電子工学分野などでは当たり前の技術になりつつありますが,プランクトン分野で高倍率の顕微鏡観察を行うような分野ではなかなか普及していないのが現状です。そこで筆者の得意とする,珪藻や放散虫などのガラス質でできた生物の殻や骨格の標本を用いて,深度合成の実例を多数示しました。発表はポスターセッションにしました。パネルに発表内容を貼り,集まった聴講者を前に説明を行うのです。長時間深い議論ができ,細かい部分についても説明できるので,ステージ上で15分程度の発表(と2,3の質疑応答)を行うよりも好みです。2時間以上も大声で話すとのどがガラガラになるのですがー(撮影/MWS)。





2008年9月6-8日


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これはおまけの画像なのですが,九州方面に行っていましたよ,という報告です。関東地区にお住まいの方々には想像しにくいかもしれませんが,九州方面の鉄道サービスは非常に充実しており,普通列車から特急列車に至るまで,あらゆる部分にサービス向上の工夫がみられます。普通車でもJR東日本ならグリーン席かと思うような,ゆったりとした立派な座席です。新幹線に乗り換えると窮屈なほどです。ですから,いったん九州に入れば車窓の風景を楽しみながらの実に快適な旅行日程となります。上の画像は特急有明からの一コマです。画像中段は特急有明,下段は特急かもめで,いずれもJR九州を象徴するサービス精神満載の車両です(撮影/MWS)。





2008年9月5日


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熊本で開催された日本プランクトン学会・日本ベントス学会の秋季大会に参加してきました。FTPが使えないため,更新をお休みしましたが,さかのぼって掲載いたします。日本プランクトン学会は世界的に見ても歴史あるプランクトンの研究組織で,プランクトンに関連したあらゆる研究分野から多くの研究者が参加しています。2002年からは秋期に研究発表大会を単独開催するようになり,2003年度以降はベントス学会(ベントスとは底生生物一般のことです)との共催でさらに賑やかになりました。今年の大会も多くの研究発表があり,活発な討論が行われました。学会につきものの懇親活動も活発で歓楽街でプランクトンのごとく浮遊する学会員が多く見られました。画像は,渦鞭毛藻分野の研究発表における一コマです(撮影/MWS)。





2008年9月4日


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ある物体が光を吸収してそれよりも長い波長の光を放出する現象を蛍光と呼びます。蛍光現象は紫外線を当てると色とりどりに光る蛍光ペンなどで日常的に見る現象でもあります。蛍光を観察するには,十分な照明光と,その照明光が眼(あるいはカメラ)に届かないような仕掛けがあると効率がよくなります。たとえば,昆虫の目は複眼・単眼ともに紫外線を当てると青緑色に光るものが多くいます。ブラックライト蛍光灯(1000円程度で市販品があります)を使って照明すれば,肉眼では照明光がほとんど見えないので,昆虫の目が光る様子が簡単にわかります。しかしカメラの場合,紫外線も感じてしまうので,照明光自体で画面が明るい紫色になってしまいます(上の画像)。これを防ぐためには,照明光をカットする黄色のフィルタをカメラに装着する必要があります。すると照明光の紫外線がカットされ,蛍光を発している部分だけがはっきりと見えるようになります(下の画像)。簡単な工夫ですが,これは蛍光顕微鏡の光学配置に他なりません。このような工夫が自在に行えるようになると,様々な蛍光を可視化することができるようになります(撮影/MWS)。





2008年9月3日


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先週の大雨+気温低下が発生刺激となって,東京都区内でも,きのこが大量に発生してきています。ここ2,3日は暑いのですぐに成長して,そして傷みやすく,すぐに跡形もなくなってしまいます。きのこの名前を調べることはけっこう難しく,街角で何気なく採集したきのこの名前が専門家でもわからない,ということがあったりします。きょう見つけたきのこは,一目見てベニタケ系だな,ということまではわかるのですが,さて,その先がたいへんです。きのこのカサをくさび型に切り取り,カサ側からひだ側に刃物を走らせて切片を作り,それを検鏡します。あきらかにベニタケ属の胞子が見え,特徴的なシスチジアらしきものも見えるのですが,さて,これは何でしょう。まだまだ勉強が足りません(oblique, 撮影/MWS)。





2008年9月2日


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きのうのヤブ蚊を実体顕微鏡で撮影してみました。背景も変更して光を吸収する植毛紙を使っています。一見してわかるように,黒いヤブ蚊が暗い背景に明るく見えています。背景が暗すぎて,細部が見にくいところもありますが(上の画像),羽が干渉光で虹色に光る様子などは逆に見やすくなっています。焦点深度は著しく浅くなり,全体像の把握は難しくなります。数ミリ程度の昆虫などは実体顕微鏡〜マクロ撮影の対象ですが,上の例に見られるように,機材の選択により得られる画像は大きく異なります。昨日の画像と比較すると,実体顕微鏡が必ずしも優れているわけではなく,カメラレンズと望遠鏡接眼レンズで作成した即席顕微鏡でも撮影対象によっては適した機材であることが明らかです(撮影/MWS)。





2008年9月1日


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ここのところの雨で小さな水たまりがたくさんできて,ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)が大発生をはじめたようです。どこからともなく室内に侵入し,攻撃されないようにか,上下にふらつきながら襲ってきます。きょうだけで4匹仕留めましたが,3匹はつぶしてしまいました。一匹はめずらしく,吸血して,しかも生きた状態のまま捕獲しました。小さなカップをかぶせて,レンズクリーナーを染みこませた紙片を入れて動きを止め,観察に供しました。ヤブ蚊のような黒い物体は撮影しにくく,ピントもあわせにくければ露出も決めにくいです。今回は背景との輝度の差がつかないようにグレーの紙に載せ,露出補正は+4段付近で撮影しました。憎きヤブ蚊の腹部が血液で膨れている様子がわかるでしょうか。できあがった画像を見て妙な美しさを感じてしまいました。この画像も簡易顕微鏡(8月24日付け画像参照)での撮影です(撮影/MWS)。






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