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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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お知らせ
 

仕事が飽和しているため,納品等が遅れております。現在のところ解消の目処はたっておりません。すみませんが,短納期のご希望には添えないことがありますことをご承知下さい。






2018年5月31日




珪藻はどこにでもいるので,河川や沿岸などでちょっと採集すれば結構な量を入手することができます。しかしハンドリング可能なサイズで多様な種を得たいと思うと,これが案外大変です。大型の珪藻は海水,淡水に関係なく,泥の上にいるものが多いのです。たくさんの泥をとってきて中に入っている珪藻を分離して,洗って…と困難な作業の連続です。また日本国内では干潟がどんどん埋め立てられているので,干潟の珪藻を集めるにも一苦労です。きょうの画像のプレパラートでも,北海道から九州,国外はフィリピンの試料を使っています(画像/MWS)。








2018年5月30日




きょうの画像はギョロメケイソウ。干潟の泥の上で海に近いところで見つかります。といってもまとまった数が出ることはなく,ぽつんぽつんと見つかる程度です。大きな河川の河口域で多く,小河川が海に注ぐところではあまり見かけません。北海道方面では遠浅の大規模な砂地がありますが,そういったところでは,河口域でなくとも見つかることがあります。

ギョロメの目の部分は粘液を出すところで,この部分で隣の殻と接着して群体を形成するものと思いますが,群体を見たことがありません。。もし大発生した群体を入手できれば,一面ギョロメだらけという愉快なサンプルができるはずですが,それは夢の中での出来事かもしれません。そろそろ手持ちが少なくなってきたので,どうにかして入手したいと思っています(画像/MWS)。








2018年5月29日




きょうの画像はクモノスケイソウ。この珪藻を検鏡し始めてそろそろ10年という感じです。でも全く飽きません。覗くたびに目が釘付けになるという感じで,ついつい見入ってしまいます。この珪藻は殻に表裏があり構造が微妙に異なっています。中央部にスリットが放射状に並んでいるものと,スリットが存在しないものとがあります。イメージングすると,ピント面によっていろいろな姿を見せるので練習になります。10年経過して,少しは撮影がうまくなりましたかね?…(画像/MWS)。








2018年5月28日




当サービスの誇るJシリーズは暗視野検鏡で漆黒の闇ができるように作られています。真っ黒に抜けた背景に浮かび上がる珪藻はどこか天体観察を思わせる雰囲気もあります。

しかし,もし光路に光を散乱するものがあれば,真っ黒の背景が明るくなってしまいます。スライドグラスの裏側にホコリがついていたとか,対物レンズに結晶が吹き出ていたとか,接眼レンズの接着剤が濁っていたとか,そんなことでも視野は明るくなってしまい,場合によってはフレアが出ます。このため顕微鏡の光路の光学面はできるだけ完全に清拭されていることが望ましいのです。

標本が完全で,顕微鏡も完全にメンテナンス済みで,それでも背景が明るくなりフレアが出ることがあります。その原因は目の濁りです。白内障で水晶体が濁っていれば,そこで光の散乱が起きてフレアが出ます。実際,筆者がメンテナンスして,Jシリーズで状態をチェックして問題ないことを確認した顕微鏡で,ユーザー様の白内障が発見されたことがあります。暗視野にしたときに片方だけ見えがおかしいので,もう片方の目で覗いたところ光路は問題なく,自分の目が原因だったとのことでした。

つまりJシリーズの使用者は,顕微鏡の状態確認だけでなく,白内障の進行の確認までもができることになります。筆者も日々,背景の見えをチェックして気にかけるようにしています(画像/MWS)。








2018年5月27日




【J357】プレパラート捜索願は多くの方にご覧頂いているようです。拡散して下さった方,HPをチェックして下さった方,どうもありがとうございます。引き続きご協力頂ければ幸いでございます。

被害者となってしまった方とは,ずいぶん久しぶりに連絡をとったので,盗難を知るのが遅くなってしまいました。しかし,十分時間が経ったことから,もう存分に覗いたでしょうし,ひょっとしたら「返却してもいいかも…」という気になってくれるかもと期待しています。捜索願の情報が届くことを願っています。

きょうの画像は今月製作した一枚。テスト封入品ですが,多様な珪藻の姿が拝めます。研究用の顕微鏡はほとんど双眼なので,この標本を覗けば,VR体験のように珪藻の世界に没入できます。完全透明な樹脂で封じられた標本を暗視野で覗けば,宇宙に珪藻が浮いているように見えて,何ともいえない気分になります。

こういった世界は人間社会の認識としてはマイナーなものではありますが,しかし珪藻は水のあるところならどこにでもいるといってよいくらいの生物なので,生物世界としてはメジャーな存在です。この魅力的な生き物を皆様にピュアな姿でお届けできるよう,今後もコツコツと作業を進めていこうと思っています(画像/MWS)。








2018年5月26日




一般の方々にはプレパラートという存在は身近なものではないので,昨日の捜索願に説明と画像を加えました。いまいちど,ご確認頂ければ幸いにございます。

こちら

上記リンクの情報は画像も含めまして,自由に拡散して頂いて構いません。どうかご協力をお願い申し上げます(画像/MWS)。








2018年5月25日




展示していたツリーデザインの珪藻標本が盗難にあったという連絡をいただきました。あまりにも悲しいことで,どこかで発見されないかと,指名手配を行います。

こちら

の文章をご参照の上,広く拡散していただくよう,読者の皆様にご協力お願い申し上げます。どうか皆様の力をお貸しください(画像/MWS)。








2018年5月24日






ハンディ顕微鏡DXは総合倍率に対する対物レンズのNA値は小さいので,無効拡大になりやすい光学系といえます。このことはシャープに観察するという点からは大きな欠点です。しかし低NAの像を無効拡大して有効な場面というものもあります。きょうの画像がその例で,現生の放散虫を撮影したものです。生サンプルを親水性の樹脂で封じた極めて低コントラストの標本で,物体を探すのも難儀するほどです。

こういったサンプルには低NA対物に低NA照明の方がコントラストが出るので探しやすいのです。そして放散虫のような立体構造を大きな焦点深度で表現するにも好適です。放散虫にはそれほど細かい構造がない,という種も多いので,低NAで特徴的な形態をすべて解像でき,しかも大きな焦点深度で表現できるというわけです。

画像は背景減算,ヒストグラム調整,コントラスト強調,トリミングを施したもの。7歳以上が対象年齢のプラスチックのおもちゃ顕微鏡ではありますが,貧栄養海域にプランクトンとして漂っている貧弱な放散虫が,明確に可視化されています (画像/MWS)。








2018年5月23日






きのうのフィルタ貼り付け画像(一枚目)は,UV-LEDに貼り付けてしまったものを間違えて掲載してしまったので差し替えました。正しくは修正後のように,チップLEDの上にフィルターをかけます。簡易に,ライトガイドとLEDの間にセロハンなどを挟むのであれば(色をみればわかるので問題ないですが,複数枚のフィルターでスペクトルをいじろうとするときなどは,光源に正しくフィルターがかかっているのかチェックが必要です。

きょうの画像は高演色化したハンディ顕微鏡DXで撮影した珪藻画像。色の出るヒトツメケイソウ属のテスト封入品を撮影したもの。背景減算をしています。安価な白LEDとは思えない感じの色の出具合です。もともと顕微鏡の色収差が巨大なので光源の演色性は二の次でよいという考えもありますが,面積体の場合は色再現がおかしいと見映えしないので,高演色化は実際に効果があります。こうして小さな工夫をしてわーいわーいと喜ぶのが豊かな人生というものです(^o^) (画像/MWS)。








2018年5月22日








レイメイ藤井のハンディ顕微鏡DXは,落射は3mmφの白LED,透過はチップLEDを採用しています。この機種はハメコミで作られていて,分解が面倒です。LEDを高演色電球色に交換したいのですが,けっこう難易度高めな気がします。そこでフィルターワークでより高性能に改良することにします。その一例がきょうの画像。

透過光路はアクリルライトガイドなので,LEDとライトガイドの間に薄いフィルターを挟むことができます。モノクロ撮影したいのなら,100円ショップの緑色セロハンを使えばOKです。色温度変換したいのなら,アンバー系のフィルタを挟むのもよいでしょう。当サービスでは減光して高演色化するフィルタセットを海洋大/東工大との共同研究で開発していますので,今回はそれを採用しています。透過照明側は,ライトガイドで光が直進することが重要なのでフィルタは透明度の高いものを使います。拡散板などを挟んではいけません。

落射光路はLEDからの直接照明なので,点光源による照明がきつく,コヒーレンスが高すぎて硬い像になります。そこで,落射側のLEDには,色温度補正などのフィルタを挟んで,その上からメンディングテープをかぶせます。メンディングテープの拡散面が拡散板の役割をすることになり,面積光源からの照明になるので像質が向上します。そういった工夫の様子がきょうの画像。皆様のお手本になるように,オモチャの顕微鏡といえど性能を引き出して使う。これが当サービスの方針です(^o^) (画像/MWS)。



*1 間違った画像を載せていたので修正。LEDに関する記述も誤っていたので修正(5/22)




2018年5月21日










昨日の画像で示したように,レイメイ藤井のハンディ顕微鏡DXで透過照明観察をすると,背景に大きな照明ムラが出ますし,プラスチックモールドのレンズ表面の荒れが,背景のざらつきとなって見えてしまいます。これは一つの欠点であることに間違いありませんが,もしこの顕微鏡にガラスのレンズを入れて,接眼側に非球面レンズを採用となると,3,500円の価格で収まるはずはありません。多くの子どもたちにての届く価格設定を優先して,多少の性能は犠牲にして,それでも一応は見える顕微鏡を開発/販売していることを評価すべきでしょう。

さて,照明ムラやざらつき(ノイズ)は顕微鏡に固有の問題です。デジタル時代にあっては,画像演算を施すことが容易なので,照明ムラ,ノイズだけを撮影した画像で減算すれば,物体の観察像だけを残すことができます。早速実行してみたのがきょうの画像。この処理によって,『ハンディ顕微鏡DX』の設計上の性能が見えてきます。

画像一枚目はズームを低倍側にして撮影したもの。照明にはフィルタを挟んでいます。画像は背景減算。明るさ等を調整しています。Nikon1J2に18.5mmをつけてコリメート法での撮影。トリミングはしていません。画像二枚目はズーム高倍率側で,こちらもトリミングしていません。背景のノイズや照明ムラが取り除かれ,この顕微鏡の透過観察での性能がわかる画像となっています。

画像三枚目は投影法によるもの。撮像素子はNikon1J2で,ハンディ顕微鏡DXから直接カメラのCMOSに投影しています。この場合でも多大な照明ムラやノイズは出るので減算処理しています。画像四枚目はGチャンネルを取り出してグレースケールとしてヒストグラム等を調整したもの。

いずれの像も,数十万円以上の研究用顕微鏡と比較すれば当然レベルが異なりますが,3,500円でこの性能を実現したと考えると,素晴らしい製品開発といってよいと思います。目の肥えた方には欠点も多数のこととは思いますが,この顕微鏡で今まで縁のなかったミクロの世界を覗く人々が増えるのは好ましいこと。レイメイ藤井さんの努力に感心するのです(画像/MWS)。








2018年5月20日










驚異的な製品が入荷しましたのでさっそく紹介します。レイメイ藤井の新しい顕微鏡,『ハンディ顕微鏡DX』です。RXT300系列となります。先週金曜日にこの顕微鏡の存在を認知して早速買おうと思ったのですが,家人に仮説社から仕入れてもらう関係で一週間後の入荷となりました。当室に入荷する数時間前に,国立大学の先生からこの顕微鏡を使って撮影した画像が送られてきたことからも判るように,「買い」の製品なのです。

画像一枚目は本体。電池は別売りなので単三を一本用意しましょう。スマホ撮影用のアダプターもついています。なんとテスト用のプレパラートも入っています。タマネギの細胞がちゃんと核まで染色されています。倍率はRXT203よりも高くなり100倍〜250倍です。顕微鏡をお使いの方ならお判りのように,この倍率は珪藻を確認可能なのです。

画像二枚目はお決まりのテスト。Nikon1J2に標準レンズをつけて覗き込んで撮影しただけですが,ホログラムの四角いブロックが鮮明に解像されています。画像三枚目は珪藻の透過明視野画像。この顕微鏡は何と,アクリルライトガイド兼用ステージを採用することにより,透過照明ができるのです。しかも恐ろしいことに,照明が透過と落射で自動的に切り替わります。画像四枚目は落射照明の珪藻画像。おもちゃ顕微鏡とは思えない,いつもながらのまともな像です。

驚きはこれにとどまりません。画像3,4枚目をみてお判りのように,視野周辺までフラットな像です。像面湾曲を感じません。なぜそんなことができるのかというと,筆者の推測ですが,この顕微鏡の接眼レンズは非球面のようなのです。アイポイントを短くして瞳の球面収差を若干残したことと引き替えに,スマホでコリメート法で撮影したときにフラットで視野周辺までまともに写る設計を採用したように見えます。

些細な欠点を探せば,プラスチックモールドのレンズはうねりが残っており透過照明では表面の荒れが見えてしまうので背景がすっきりしないといったことがありますが,全体的な完成度は高く,この小型の顕微鏡で透過も落射もできてしまうというのは有り難いことこの上ありません。100倍〜250倍という倍率は,「細胞」を確認することが可能な領域で,学校教育上も有用でしょう。水中微生物のうち,原生生物を観察することも可能な倍率です。ぜひ本ページの読者の方々も,実物を手にとって確かめて欲しいと思います(画像/MWS)。








2018年5月19日




気温の上昇とともにぱったりと寝られなくなり,不眠まつりも最高潮に向かいつつあるようです。一応は,深夜に床についたあと1.5時間くらいは意識がないのですが,そこでぱったりと寝られなくなり,足はだるくて熱く,ごろごろとつらい時間を過ごすと明け方がやってきて…という寸法です。うまくいけば6〜7時頃から30分ずつ数回,といった間欠的な睡眠をとることができるのですが,ダメなときはなにをやっても無駄。。

毎年かなり正確に同じ時期に同じことが起こるので,気温の変化に身体がついていけない症状であろうことと思います。仕方なく,大潮なのにサンプリングは諦めて,標本関連の作業をのろのろと進めています。助かるのは,珪藻標本というのは,きょうの画像のようにいつまでも見ていられる不思議さなのです。眺めているだけで時間が過ぎゆくので作業がそれほどは苦痛でないことも多いのです。。

ところで先日,こんな ものを見つけました。これは安い! 最安値で,入手した人はホクホクではないかしら。幸せになって欲しいと思ったりもするのです。

不思議なのは流通ルート。売上げカードが挟まっているものがオークションに出るということは,どうしたことか。出版社の献本が送付先で不要になり,開かれもしなかったものが廃棄になって流出。あるいは筆者が献本したものが読まれることなく売上げカードを挟んだまま流出。書店から盗まれたもの。出版社が裁断せずに廃棄して流出。このくらいの可能性しかないように思います。実際のところはどうなんでしょう。気になって夜も眠れません…。もっとも解明されたところで眠れませんが…(画像/MWS)。








2018年5月18日








コメのとぎ汁は植木鉢の植物に与えて肥料代わりにしているのですが,雨が続くと撒くわけにも行きません。それで放置しておいたところ表面にカビが生えてきて,水も濁ったままだったので顕微鏡で覗いてみました。きっと,一口飲めば即死レベルの雑菌溶液だろうと想像していましたが,目の前に広がった世界はどうみても,酵母だらけの世界でした。あとはカビが少々とバクテリアが少し。

いかに想像というものがいい加減なものであるかを実感しました。酵母はどこにでもいて,樹液などに大量発生することもでも有名ですが,こんな身近にも発生していたわけです。うまく発酵させると何ができるんでしょう…。気になります(画像/MWS)。








2018年5月17日








クローズアップレンズというと,けっこう焦点距離の長い凸レンズが使われることが多いのです。市販品もFL=200mmとか,300mmとか,そんなものをよく見かけます。しかしもっと焦点距離が短いものでも利用可能です。きょうの画像(一枚目)がその一例で,そこいらへんに転がっていたNA=0.55のレンズ(WD:約20mm)をマイクロニッコール55/2.8につけたもの。画像二枚目は,顕微鏡ガチャの標本を撮影してみたところで,全視野です。画像三枚目は等倍切り出し。顕微鏡写真レベルになっています。撮影はNikon1J2で,高輝度LEDによる透過明視野,高速電子シャッターの特徴を活かして手持ち!撮影なのです(画像/MWS)。








2018年5月16日




きのうの撮影に使った標本はミニサイズなのですが,写真からは伝わりにくいので別に撮影。SDカードサイズと比較しても小さなことがわかると思います。スライドグラスは長さ26mmです。カバーグラスは5×5.5mmです。もちろん,スライドグラスもカバーグラスも自分で切っています。スライドグラスは切っただけだと切断面が鋭利なので,ダイヤモンド砥石3種を使い丸めています。小さなカバーグラスにはJシリーズ基準で完璧に洗った無傷の珪藻を並べて,スライドグラスとの平行を確保して封入しています。じつに手の込んだ標本で,高額販売したいところですが,誰もこんな取扱困難なものは買わないだろうなぁ。

でもいいのです。こういった遊び心が技術を育てるのです。大まじめに言えば,こういった難しい作業は標本製作の再開に向けてのリハビリなのです(画像/MWS)。








2018年5月15日








顕微鏡は安いものほど使いこなしに技量を要します。300万円の顕微鏡は快適にイメージングできますが,300円の顕微鏡は応用光学とカメラの知識がなければ,イメージングは困難…というレベルになります。このことを生産的に考えれば,300円の顕微鏡を使いこなすというのは,技量試験を受けているのと同じことともいえます。

顕微鏡ガチャの超小型顕微鏡をカールツァイスのトレーニング部門のマネジャーに標本とともに謹呈したのですが,まもなく,この顕微鏡を社内で展示している様子と,この顕微鏡で撮影した顕微鏡写真を見せて頂きました。さすがはトッププロで,展示写真の美しさはもとより,顕微鏡画像も,この顕微鏡の特性を見抜いて追い込んだものでした。

それらの画像を見て深く反省し,顕微鏡ガチャと真面目に取り組んでみたのがきょうの画像。この顕微鏡は照明で像が激変するので,いかに照明側の調整をするかが第一関門です。そのほかにも,瞳のマッチングやコヒーレンス,波長,拡大率,いろいろ考えることはあります。プラスチック単レンズの組み合わせっぽい光学系でしかも倒立像なので,倍率色収差は甚大です。

そこでまず,標本はJシリーズとして,照明は多灯LEDライトを用い距離でNAを制御。GIFフィルタ(ZEISS)を入れて拡散板(光栄堂EB-04)を入れます。顕微鏡のミラーを調整して適切な照明としてフォーカスをあわせます。カメラは久しぶりのNikonクールピクス995の出番です。モノクロモード,ズーム望遠側。画質Fineで,カメラはクランプで固定して手動で光軸あわせ。画像はヒストグラム調整と,背景の周囲を減算処理(カメラレンズの研磨痕等が出るため)。輪郭以外をぼかすコマンドを使い,縮小,シャープネス処理。

とまあこんな具合です。ZEISSさんのお陰で気合いを入れての撮像となりました。有り難い限りです。像を見て,こういった「やるべきこと」が直ちに浮かべばプロの領域でしょう。安定して目的の像を得られるかと思います。そこに到達するには,知識と経験が融合した,現在進行形の取り組みが必要なことは言うまでもありません。とにかく,思いついたあらゆることは「やってみる」ことが大事なのです(画像/MWS)。








2018年5月14日




持ち帰った画像処理装置(C5510,Hamamatsu Photonics)は早速テスト運用。携帯顕微鏡H型に505nmのLED(拡散キャップ付き)を装着し,エドモンドの投影レンズに拡大投影用のエクステンダーを挟み,Watec,WAT120Nで撮像。フレーム蓄積。映像信号はC5510に入力。標本はJシリーズ見本品(J166),コンデンサはアッベ,NA=0.9で絞り開放。対物レンズは40倍(NA=0.65)。C5510は背景減算,コントラスト強調,128フレーム平均化処理。映像出力は10.1インチ液晶モニタにRCA経由で入力。

得られた画像は上の通り(画面を複写しています)。Mastogloia属の珪藻ですが,じつに滑らかに良好な絵となっています(画像/MWS)。








2018年5月13日






12日は修理機材の引き取りで外回りでした。年代物の旧式の画像処理装置ですが,リアルタイム画像処理ができて出力信号系統が複数あり,カメラの画素数制限によって視野が狭くなること以外は問題なく現在でも使えます。特に,目視で発見できない微細構造をリアルタイムで走査して画面での検査ができるのが強力な機能です。

画像は出先の駅で降りたところと,修理工房のラボで動作確認したところ。映像信号は顕微鏡と関係なくてもいいのですが,せっかくですので,携帯顕微鏡H型とモノクロCCDを持ち込み,乾燥系40x対物レンズでJシリーズをビデオ信号に変換してリアルタイム画像処理を施しました。ライレラの微細構造が偏斜照明を使うことなく,透過明視野中央絞りで鮮明に見えています。修理は完璧です。

本ページでは何度も述べていますが,肉眼コントラストは限りがあります。一度カメラを通して電気信号に変換し,それを増幅することによって,肉眼でも見えていない構造を可視化できます。画像処理装置はそのためのものですが,現在はデジタルカメラでも同じようなことができますので,顕微鏡観察を追求したい人はぜひ試してみてください(画像/MWS)。








2018年5月12日




ニコン携帯顕微鏡H型は中心遮光法で暗視野にするのが簡単なので,最近は,一台を暗視野専用機にしています。携帯顕微鏡H型の主要な使い途は人様にJシリーズをご覧頂くこととなっており,そのためにはぜひとも暗視野が必要なのです。初見で感動してくれれば好印象は一生続きます。初見で汚らしいものを見せたら,そのイメージを払拭することは至難の業です。だから完璧にマウントした珪藻を暗視野でご覧頂き,「珪藻だけが見える」視野を提供したいのです。

きょうの画像はH型の暗視野専用機で撮影したJシリーズ。J二桁番台のデモ用のものですが少しの劣化もなく珪藻の姿が堪能できます。光源がLEDになって高輝度になったので暗視野は電球時代よりもはるかにくっきり鮮明になりました。顕微鏡というものは古いアンティークなものでも,照明に手を入れれば生き返るのですが,きょうの画像もその一例といえましょう(画像/MWS)。








2018年5月11日




きのこは電子レンジでチンして加熱して人工香料を飛ばします。油揚げは細長く切ります。小松菜は泥を落として洗ってざくざく切って水を切っておきます。これを大きめのフライパンに入れて,油を敷かずに炒めます。小松菜がしんなりしてきたら,酒,しょうゆを投入して強火で炒め続けます。つねに混ぜながら炒めて小松菜から出る水を飛ばします。汁気がなくなれば出来上がりです。

という誠に単純なものが当室の常備菜。名前はありませんが,どこかの地方の菜焼きというのが似ているかもしれません。小松菜と油揚げだけでも成立しますが,きのこが入った方が味に深みが増してよろしいと思います。小松菜の代わりに,菜の花でものらぼうでもOKです。野菜をそのまま炒めると硝酸塩摂りすぎでよろしくないのでは? ということを気にする人がいるとすれば,そういった方は一度,小松菜を湯がいてから水にさらし,絞っておけばOK。

この料理に似た物が子どもの頃にたまに出てきて,あまりにウマイのでたくさん食べたらひどく叱られたという記憶があります。今は自分で好きなだけ作って好きなだけ食べても誰にも怒られることもなく,幸せだ\(^_^)/ (画像/MWS)。








2018年5月10日




9日は都内で夕方から位相差顕微鏡に関する集まりがあり,顕微鏡の夕べとなりました。標本製作で時間的にはぎりぎりだったのですが,自転車で全速前進で駆けつけてなんとか間に合いました。筆者はむかしからチャリダーだったので,だいたいの感覚はあります。都内の10km程度の移動であれば地下鉄よりもバスよりも速く,タクシーとあまり変わりません。。画像は待ち合わせ場所のもの。ウルトラフォトが飾ってありますので,本ページの読者であれば,どこなのかはお判りでしょう。この顕微鏡はなんと,個人の私物らしいです。。

それにしても今月はどうしたものか。2日は訪問,3日は来訪,6日は集会,8日は来訪,9日は集会と,9日間のうち5日間は人との交流でした。いずれも綿密な準備と荷ほどきがあるので前後の時間も潰れます。標本製作も1日,5日,9日と行ってはいるのですが,枚数も稼げないまま一ヶ月の1/3が過ぎ去ってしまいました。とても楽しい時間を過ごしたわけですが,それだけでは収益上の問題があるので挽回しなくてはいけません…(画像/MWS)。








2018年5月9日






8日は国立大学教員の訪問を受けまして談義のひとときとなりました。いつも話しているうちに時間が過ぎゆくので,目の前に顕微鏡があっても覗くことは希です。今回もそんな感じで,先生のお話に耳を傾けて現代的な世相をつかみ取るよい時間となりました。筆者の同期世代が各地の研究機関で活躍しているのを聞くことも多くなり,大先生方の引退話を聞くことも多くなり,世代交代を感じる今日この頃です。

画像は,そんな話題とは何の関係もない,サクラマスの干物。サクラマスを干物にすることが許されるのか? と,全く考えてもいなかった商品に行き当たると感動します。筆者が上野の水族館とひそかに呼んでいる「吉池」の自社製品なので味は問題ないでしょう。それで夕飯に試してみたところ,佳品といってよいものでした。塩焼きだと身がほろほろと崩れるサクラマスですが,一夜干しだと身に締まりが出て,きめの細かい筋肉繊維が噛んでいて嬉しく,淡泊な魚が好物の筆者には素敵な御馳走だったのでした(画像/MWS)。








2018年5月8日




世界のカメラ Nikon いつごろの広告だろうか。看板のデザインは古い感じがするけれども,ニコンの文字がイタリックなのでバブルの頃なのか(画像/MWS)。








2018年5月7日








これは昨年秋に3台購入した小型顕微鏡。当サービス保有機材の中でも最軽量を誇ります。はやく紹介したかったのですが,顕微鏡であるからには珪藻標本をセットして像を結ぶことを確認しないと,当サービスの仕事としては面白みがありません。それで遅くなりました。。

で,最近,珪藻標本を製作してこの顕微鏡に載せてテストをしたわけです。第一のテストは照明と像の関係で,この顕微鏡は倒立像であり,コヒーレント照明専用仕様であることがほぼ明らかになりました。また,大型珪藻の形態が判別でき,クモノスケイソウとミスミケイソウ,イトマキケイソウなどの形態が判別できることも明らかになりました。

第二のテストは客観試験です。10人程度の顕微鏡のプロに見てもらい,この顕微鏡が実際に見えるかどうか評価頂きました。結果は「ちゃんと見える」というものでした。

以上のような厳しい試験を経て,この顕微鏡ガチャを本ページで紹介することとなったのです。。取扱は仮説社(巣鴨駅前)でした。今も売っているのかな? 顕微鏡好きにはじつに面白いアイテムです(画像/MWS)。








2018年5月6日






5日は標本製作。特別仕様のスライドをどうやったら作れるかの練習です。幸いに少しは寝られたので十分な集中力が確保できます。まずは自転車で上野→秋葉原と徘徊して身体を温めたあと,一息ついてから午後ひたすら標本製作を行いました。小型の標本でしたのでハンドリングが難しく,また特別仕様なので視野数など考えることも多く,いろいろ工夫しました。製作はうまくいき,使えるものができたので一安心です。個人事業主はいつでも休日ができていつでも仕事の日なのですが,筆者のように春の不眠まつりに苦しめられるような人は,休日とか平日とかは関係なく,身体が動く日は働く,というのが実際のところです。今年の連休は例年よりも仕事モードが多かった気がします。これはきっとよいことですね(画像/MWS)。








2018年5月5日




ここのところバタバタし過ぎてくたびれたので,4日は連休らしくだらだらと過ごすことにしました。午後は近所の公園の木の下で一時間くらい昼寝。きょうの画像は昼寝から見上げた緑の様子。春の不眠まつりは相変わらず続いていて十分な睡眠がとれないので,デカフェな生活をしたり,シイタケ食べて日光に当たったり,歩く時間を増やしたりといろいろやっています。きょうの昼寝もその一環みたいなものですが,暖かい日差しのもとで一時間横になったくらいでうとうとできるなら何も苦労はありません。実際は,ただ横になっている,という感じです。まあでも紫外線を浴びてビタミンDもできただろうし,夜の就寝には多少はよいのではと期待しています。

ところで,ここ数日,ネット接続が不調です。ぜんぜんつながらない時間が断続的にあり,また,接続しているときでも通信速度が極端に遅いことが多く,どうしたものかと思っています。メールの返事もなかなかできないことがあります。本ページの更新がなかったり,メールの返事が遅いなどの場合は通信障害かもしれませんので,気長にお待ち頂ければと思います(画像/MWS)。








2018年5月4日




3日は国立大学(教育系)の名誉教授の訪問を受けまして顕微鏡の午後となりました。植物切片に詳しくたくさんの顕微鏡を自宅で保有しているという,人生そのものが研究という感じの先生でした。筆者の「プレパラートを売る」ということに興味を示されてのご縁となりまして,世界最高峰の完成度を誇るJシリーズを暗視野で検鏡頂きました。顕微鏡を日常的に使っている方で,左ハンドルに慣れていないということで使いにくそうでしたが,それはそれだけ右ハンドルを使いこなしている証で,大変な仕事量をこなしてこられたものと拝察しました。

しかし話の途中で先生は「研ぎ」につよい興味を示され,当室にお越し頂いた以上は,「研ぎ講習」をやらないわけにはいかなくなりました。当初目的の検鏡を済ませると,こんどは包丁研ぎ実習となりました。テストピースの作り方,包丁の切れ味,刃先というものの繊細さ,研ぎの技法,カエリ取りの技法などを全て手取り足取り伝授させていただきました。最後は刃先を潰した包丁で切れ味再生の試験を行い,見事に合格。研ぎの技術を身につけてお開きとなったのでした(画像/MWS)。








2018年5月3日




2日は都内某所で顕微鏡の午前午後でした。国内外の旧型小型顕微鏡の世界を堪能し,ニコンのS型系統などの機材いじりをして,微分干渉法での豪華標本の検鏡,新たに入荷した水浸対物レンズの性能チェック,レンズエレメントの状態判別の方法,生サンプルの水浸対物レンズ−微分干渉法による検鏡(NA=1レベル),乾燥系暗視野コンデンサによる珪藻の発色度合い,その対物レンズよる違い,などと愉快な課題で6時間ほどを過ごしました。しかし実際には2時間くらいな気分で,あっというまに時間が過ぎ去っていきました。久しぶりに顕微鏡をいじっていてストレス解消になりました。。

きょうの画像は検鏡用に持ち込んだサンプルを採取した場所。近所の水たまり(人工池)ですが,いい具合に珪藻が沸いていました。珪藻屋さんには,この色は珪藻以外には見えません(笑)。少しスポイトで吸い取っただけでたくさんの珪藻,主にニッチアでメロシラが少し,という感じでした。ミジンコ関係も泳いでいて,見た目以上に生物相が豊かな感じでした。

この人工池,もう少したって茶色が濃くなると,業者が入ってデッキブラシをかけてゴシゴシと磨いてしまいます。せっかくの珪藻も剥がされて流されてとひどいことになります。でも大丈夫。それから一ヶ月もたてば,また茶色く珪藻が復活するのです。謎なのは,この池には昔はメロシラが見られなかったのだけれども,いったいどこから来たのでしょう。流している水は二次処理水か中水道かという感じですが,そこに入っていたとも思えません。水鳥が飛んでくるようなところでもないし,ホント不思議です(画像/MWS)。








2018年5月2日




Diploneis高解像画像。縦溝の始点がぐるぐるしている…(画像/MWS)。








2018年5月1日




これは出先で見かけたキャベツ。雑草と一緒に生えているように見えますが,ハコベとムギの間にキャベツを植えているのです。こうすると都合のよいことが多々あるのでしょう。広大なキャベツ畑の横にこのような一角があるのをよく見かけます。農家の方々の自家消費用と思いますが,この植え方にするとどんな味になるのか興味がありますね。単一栽培で促成して収穫したキャベツしか食べたことがないので,こういった混成栽培で時間をかけて育てたものがどんな味なのか知らないのです…(画像/MWS)。









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