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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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お知らせ
 

8月は,不定期に夏休みを頂くことと,大きな仕事が入ったことにより,ゆっくりモードで標本関係の作業させていただきます。発送までお時間を頂くこともございます。ご了承ください。お急ぎのお客様には個別に対応できることもございますのでご相談下さい。






2017年8月22日


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Pleuraxを使った封入は加熱の工程があるので夏場はしんどい作業です。ただでさえ暑い室内に熱源を発生させるのですから,冷水性魚類の代謝が組み込まれている筆者はぷかーと水面に横たわりエラをぱくぱくといったつらさです…。が,なぜか今年は8月に入ってから過ごしやすくなり,大変助かっています。室温が30℃を下回っていれば,湿気の問題は別として,作業上はなんとかなります。有り難いことです。

画像は最近封じたもの。試料に含まれる珪藻の厚みを考慮して試料毎に封入の厚みは変えてあります。この違いは微妙なもので,粘度の高い封入剤ではディスペンサーは使えないので,ぬたぬたの接着剤を耳かきでとって擦りつける,というような感じの原始的な作業で分量を調節します。うまくいけば,カバーグラスから封入剤がはみ出ることも少なく,厚みも最小限に抑えられ,顕微鏡対物レンズの要求する条件を高いレベルで満たした標本となります。

ただしこのような良い標本でも,油浸や高NAでの検鏡では,できるだけカバーグラスの裏面に貼り付いている物体を観察すべきです。封入剤の屈折率は1.72〜1.74程度はありそうで,カバーグラスの1.52からは遠く離れています。このくらい異なると,油浸領域での完璧な結像のためには,5μmの厚さの封入剤でも球面収差を感じます。物体はガラスに直接接していた方がよいのです。

よい物体を選ぶのは簡単です。ざっと流して珪藻を選び,ピントを合わせ,ステージを下げる側(あるいは鏡筒を上げる側)にピントをずらして,最後にピントが合う物体がカバーグラス面にあるものとなります。このときカバーグラスにきれいに貼り付いているものは,平面性もすぐれいているので,正面を向いた別嬪さんになります。きれいに撮影してあげましょう(画像/MWS)。








2017年8月21日


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当サービスを開業して1,2年が経過した頃,技術士界隈では有名な大先生に当サイトをご覧いただいたことがあります。大先生いわく,「とてもよくできたページで中身も面白く,でも,人には教えたくないサイトだね」とのことでした。それから年月が経過し,大先生のご意見があまりにも正確だったことが証明された気もしています。。

当初は多数の情報を毎日掲載して訪問客を増やし,お客様がいろいろなところに紹介してくれて,リンクも増えていき,アクセスも増加…のシナリオだったのですが,実際に起きたことは,リンクはいっこうに増えず,紹介でお客様が増えることも滅多になく,「○○で紹介したよ」とのメールを頂くと決まって,○○からは一切の連絡もない,といった事態になりました。画像の無断利用はちらほら見かけるようになって現在に至ります。リンクが増えない代わりに,情報源としている人は増えたようで,本ページの話題をネタにして取り上げてweb上で活動してくださる方々が一定数いらっしゃるようでした。

よく考えれば,顕微鏡関連のかなりマイナーな情報を流し続けるというのは異常なことで,読者にとっては紹介先がないだろうし,個人の内緒の楽しみにしておいて,適当なときに,溜め込んでいた本ページのネタを誰かに披露するというのが現実的なかしこい使い方なのかもしれません。検鏡ネタにしても刃物・ピンセットなどの手作業系ネタにしても…。

数は少ないですが,当サイトの情報を利用したときは必ず出典を記してくださる方もおられまして,そういったサイトに検索などで行き当たると御礼申し上げたい気持ちになります。筆者は研究者でもあったので,情報の出典を記して下さる方を見ると,その人も研究者なのかしらと思ったりもします。じっさい研究者の方々も多く覗いてくれているようです。個人事業主の変態オヤジの書き連ねていることを毎日訪問下さるなんて,ホント有り難いと思うのです。

こうして毎日いろんな方が訪問下さって当サイトは成立しているのです。欠かさずアクセスしてくださる皆様に何か感謝の気持ちを示したいところですが,うまい具合によい題材がありました。それがきょうの画像です。国立科学博物館が顕微鏡の展示をしたことは記憶に新しいところですが,その科博の長野先生が,国産顕微鏡についての大変すばらしいレポートを完成させました。印刷版は今年の春に出ていて(ISSN 2187-462X)関係者には配布されており,筆者も読みました。大変な内容でした。この印刷版が一般に入手できればいいのですが,部数限定で増刷はないようでした。

しかし科博によれば,PDF化して7月には掲載するとのことでしたので,皆様にお知らせすべくその日を心待ちにしていました。ようやくアップされたので,ぜひ皆様にもご覧頂きたいと思います。国産顕微鏡の歴史についてまとめられたとても良い資料です。

光学顕微鏡の技術系統化調査−長野主悦 技術の系統化調査報告24 国立科学博物館

読んでいるとあまりの興味深さに目が離せなくなります。うっかりこれを読み始めて仕事が手に着かなくなったことを思い出します(^^; (画像/MWS)。



*1 この資料はカールツァイス社の田中亨先生から教えていただきました。ありがとうございます。先生からはいつもいろいろなことを教えて頂いているのですが,この資料はどすんと重いもので,「読んだら仕事ができなくなるかも…」というような意味のことをおっしゃっていた記憶がありますが,まさにその通りでした。




2017年8月20日


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これもまったく何だかわからないバイオミネラル。砂浜と磯が混在しているような場所で一定の数出てきます。炭酸カルシウム系であろうことは間違いなさそうですが,甲殻類なのか,軟体動物なのか,棘皮動物のパーツなのか,さっぱりわかりません。まぁ,世の中のことをなんでもわかるということはあり得ませんので,わからなくていいのですが,生きているときの姿はどんなものなんだろうと思うと頭がぐるぐるします。ナマコの骨片など,あれから生きているときの姿など,全く想像もできませんからね(画像/MWS)。








2017年8月19日


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これは今週初めに封じたバイオミネラル標本(炭酸カルシウム系)の中に入っているもの。何の殻なのかは知りませんが,沿岸の微粒子分画を眺めていると一定の数,出てきます。明視野で見るとコントラストがひじょうに低くて,見て楽しめる構造も少ないものですが,これが偏光でみると一変します。水彩画のような何とも言えない色のグラデーションが飽きない眺めになるのです。納品先で果たして偏光で見てくれるかどうかはわからないので,作る側の心理としては,秘密のお楽しみを潜ませたという感じです。まぁ,Jシリーズを注文するような人はエキスパートの部類なので,気づかないはずはないんですけどね(画像/MWS)。








2017年8月18日


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16日午後は種々の仕事を片づける出張が都内某所であり,そこで小一時間を使いピンセット小会議も開かれました。世の中に数ある現在生産されているピンセットの中から,価格を度外視して,まったくの個人的な観点で,コレがイイかもというものを選ぶという趣旨です。筆者はFontaxのNo.3,taxalを普段つかっていますので,これを基準として選ぶこととなります。きょうの画像は比較に用いたピンセットの一部。小会議の結論を先に述べれば,FontaxのNo.3的な使い心地でもっとも気に入ったのはEREMの3C-SAです。買ってそのまま使えるレベルにあるような気がしました。先端の仕上げも誠実そのもので,耐酸性のある金属を使っていて,ネオジム磁石にも吸い付かない程度のアンチマグネチックでもあります。硬度はわかりませんが,買ったときの形を崩さずに刃先の合わせ角を維持するのであれば硬度的にもOKな気がします。

この情報を信じて「騙された…」となる可能性もありますので,筆者の個人的見解ということをここで強調しておきます。またFontaxのNo.3とEREMの3C-SAでは異なる点もたくさんあります。それらの点をふまえた上で,超精密ピンセットの世界に踏み込んでみたいという方に,オススメできるのではと思います。

超精密ピンセットの世界は,二枚の金属板をあわせたものに数千円を投じるという酔狂な世界でもあります。しかしその市場がなくならないのは,存在価値があるからです。存在価値の一つを言葉にすれば,操作ミスが減る,ということにつきます。刃先がしっかり合わさってずれない超精密ピンセットなら,コンマ数ミリの物体を操作しても,物体が飛んでいったりする可能性が激減するのです。デザインが悪ければ,大事な部品を落としたり飛ばしたりしてしまいます。一度のミスも許容されない工作系の世界では良い道具をつかうことが製品の完成度,完成速度に直結しているのです。

などと当たり前のことを述べましたが,超精密ピンセットというものは,深い満足感と幸福感を生み出す,合法的な向精神薬系合金である,ということはここだけの秘密です(^_^) わはは(画像/MWS)。








2017年8月17日


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東北ブロック農水産物調査では抜き打ちサンプリング調査も行います。定点観測地で生鮮野菜等のサンプリングを行い,これを当サービスに持ち帰り各種分析を行うのです。「おおまち」は市場に回らないB品が生産者により持ち込まれるところで,よほど品物に自信がないとB品のために売れ残ります。ここでのサンプリング調査はかなり難しく,朝どれの枝豆が昼には消えているといった競争率です。置いてある野菜は一部の例外を除き超高品質でむしろそこいらへんのスーパーで買うよりも鮮度が高く味がよいのです。

画像二枚目のリンゴは,驚異的な低価格ですがたぶん,台風での落下リンゴの可能性があります。品種的にはもう少し大きくなるものですが,途中で摘果したものかもしれません。ふつうなら,見切り品の感じで,決して手を出してはいけない品物ですが,「おおまち」においてあるということは,小粒ながらもうまいに決まっているのです。早速連れ帰り,その味に感動…することになるのです。

画像三枚目は,レジで前に並んでいた人が6パック買っていたのをみて,これは間違いないとあわててカゴに放り込んだものです。確かに豆の風味に違いがあり,そこいらへんで売っているものとの比較なら,トップを争うよい納豆でした。農水産物調査では,他人の買い物を参考にすることも重要なのです。

画像四枚目は,朝どれの湯上がり娘。これの驚異的なおいしさは数年前に体験済みだったので,今回の調査では,電子レンジ用のフタ付き皿を持ち歩き,この枝豆を購入して,旅行中に電子レンジして食べたのでした。もちろんすばらしい味わいでした。枝豆は鮮度が命で,採ってから半日以内に食べたいのです。帰宅日にも湯上がり娘を買い,その日の晩ごはんになりましたが,間違いのない品物でした。

画像五枚目は,食べられるものではありませんが,光学機器中古流通状況調査も併せて行いましたので,その産物です。右に写っているNタイプは以前から持っていましたが,旧タイプを持っていませんでした。それが調査中に酒一本程度の価格で並んでいたので連れて帰ることとなりました。おそらく未使用品で,仲良く新旧タイプが揃うこととなったのです。たとえ台風の中であろうとも,かように東北ブロックの各種調査は人類に満足をもたらす素晴らしいものなのです(画像/MWS)。








2017年8月16日


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レイメイのRXT203とデジタルカメラを連れて歩けば,さんぽの途中でも顕微鏡写真撮影が可能。当たり前のことですけど,気仙沼の安波山をさんぽするついでに,やってみました。道ばたにたくさん生えているきのこをとってひっくり返し,ヒダを写せばこのとおり。すでに成熟して胞子がぶら下がっている感じがかすかに見えます。平面性がよさそうなシダの葉っぱをみてみれば,けっこう気孔がびっちりついていて,はて,こんなんだったっけと認識も新たになるのです。こんな顕微鏡がポケットに入ってしまい重さも気にならないというのは大変有り難く,多数の顕微鏡を保有している当サービスであっても,これからも連れて行くんじゃないかと思うのです(画像/MWS)。








2017年8月15日


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平成29年度東北ブロック農水産物利用状況調査により判明した佳品をふたつ。気仙沼のふかひれまんは,よくある調味料でごてごてに味付けしたものとは違い,おとなしい味付けで自然な感じ。うるさい筆者のお腹も文句をいいません。シャークミュージアムを見たあとにコレで一休みするのにも最適です。一関でよくみかける関山というブランドのお酒は,後味がすっきりしているものが多い印象で,海産物をつまみながら一杯やるのにちょうどいいかもしれません。あまりにすっきりしているのでつい飲み過ぎるのがヤバイのですが…(画像/MWS)。








2017年8月14日


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気仙沼の名物も復活。こんかいはじめて見てみました。魚を氷に封じ込める必然性はないし,それを見に行かなければならない理由もない。冷凍技術のアピールでもなければ,多用な魚種が拝めるわけでもない。第一,説明がないので,多くの入場者はカナガシラなのかホウボウなのかもわからないと思う…。

そういった,全くもって存在意義不明のものを見るのは楽しい(^_^) じつに面白い。マイナス20℃の世界というのもはじめてで,あっというまにお茶が冷えて,カメラも冷え,メガネも冷えて,5分もいればダウンコートをきていても指先から冷たくなってくる。筆者は冷水性魚類の代謝が組み込まれているので,冷え冷えの冷凍庫内はじつに愉快な空間だったのでした(画像/MWS)。








2017年8月13日


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これはスゴイ。はじめて知った。人間の歯はどーしてダメになったらそれっきりなんだろうか…。海水(=炭酸カルシウムの飽和溶液)と比べて陸上ではカルシウムが貴重品だからなのか…(画像/MWS)。



*1 気仙沼シャークミュージアムでの撮影です。




2017年8月12日


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8月7日の昼に東京を離れて東北に向かい10日の夜に帰ってきました。当サービスが毎年実施している バカ夫婦の食べ歩き 平成29年度東北ブロック農水産物利用状況調査です。例によって目的は何もなく,東京で使うカネを東北で使うというだけのことです。例年通りにまずは一ノ関駅周辺で農産物調査,つぎに気仙沼で海産物調査を行いました。筆者には冷水性魚類の代謝機構が組み込まれていて高温に晒されるだけで活力が低下してスライム化します。ので,少しでも涼しい東北に逃げることは,生きていく上でも必要なのです…。

今回は東北入りして台風5号を待ち伏せし,ずっと台風の影響下で農水産物の利用調査を行うというハードなものとなりましたが,初日の一関からすでに涼しく,気仙沼も涼しく,そのあとの一関も涼しくて仙台も涼しく,東京に戻ってきたら涼しくなっていたという夢のような避暑となりました。当サービス最寄りの気象観測施設では9日に39.5℃を記録しており生きるのが困難なほどの高温でしたが,それを避けることができました。7日からずっと涼しい日の連続で,身体がすっかりラクになった感じがします。東北地区の素晴らしい農水産物のお陰もあって,元気回復なのです(画像/MWS)。








2017年8月11日


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蚊の羽根はうんと細かな構造があるのでレイメイ藤井のRXT203では性能が足りないというのが正直なところではあります。しかしこの程度は十分に見えて,決して肉眼では知ることのできない世界を確かめられることも事実です。直接目で見れば,もっと細かいところもわかります。先日述べたように照明法は大切で,背景を白にするか黒にするかだけで,これだけ違いがあります。ぱっと覗いてわかった気にならないように注意したいところです(画像/MWS)。








2017年8月10日


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台風のせいなのか,松葉が落ちていた。松ぼっくりのこどももついている。





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松の葉は断面が面白いのでカットしてみる。とりあえず手近にあったオルファのクラフトナイフLと,EREMのピンセット3SAと下敷き代わりにペットボトルのキャップを使った。ひじょうにいい加減な徒手切片。




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ちょっと分厚すぎて,さらに落射照明だと,判りにくい絵に。それでも細胞らしきものは見えるし,周囲に大きめの穴があいていて水の通り道かな,などと推測できる。




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葉っぱの表面を見ると,白い何かが。これはワックスかヤニ成分か,そんなものだろうと思う。何せ,ナイフの刃はべとべと,ピンセットは先端がねちゃねちゃします…。




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照明方向をかえると葉の表面にある筋状構造がよりはっきりと見えます。以上,レイメイ藤井のRXT203を使った顕微鏡写真でした(画像/MWS)。








2017年8月9日


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夕飯のおかずでも探しにとスーパーに向かって歩いていたら目に付いた草本。たぶんカヤの仲間とヨモギの仲間。顕微鏡で見た記憶はあるようなないような遠い昔の話です。すでにイメージを覚えていないので脳みそを叩き直すために摘んで帰りました。そして早速,レイメイ藤井のRXT203で観察。画像二枚目はヨモギの仲間の葉っぱの裏側。ヨモギの葉は裏に白い毛が生えているのは皆さんもご存じのことと思います。これを拡大するとこのようになっていたわけです。これを集めてモグサに…というのはなかなか大変なことのような気もします。。

画像三枚目はカヤっぽい葉の表面。整然とした周期構造が見られます。照明方向によっては見えなくなるので,斜めから照らして構造を浮き上がらせるようにします。画像は縮小しているのは判別しにくいですが,けっこう細かな周期構造が配置されています。画像四枚目は,葉っぱのふち。ススキの葉っぱで手を切ったことのある人も多いでしょう。カヤも同じで,ごわごわとして,不用意に葉が皮膚に当たれば切れてしまいます。その原因は,シリカに富むガラス質のノコギリが葉っぱのふちについているからです。レイメイのRXT203で見るにはちょうどよい大きさで,鋸歯がはっきりと写っています。こんなもので皮膚をガリガリやられたら,そりゃああ痛いですよね…(画像/MWS)。








2017年8月8日


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レイメイ藤井のRXT203は,LEDによって物体表面を上から照明しています。こういうのを落射照明といいますが,光軸上から照明しているわけではありませんし,片方から一点で照明しているので,正確にいうならば軸外落射偏斜暗視野照明ということになります。この照明法は不透明な物体の表面に陰影をつけつつ観察するのに適しています。透明物体の場合は,透過照明も効果的になりますので,物体の下から照明を施して(透過照明)観察するのもよろしいことは先日述べた通りです。

きょうの画像は透明体と不透明物体の両方が混ざったような試料で,砂浜から採取した細かい砂をアルカリ洗剤で洗ったものです。厚さ5mmのアクリル板の上に水と一緒に吸い取って垂らしています(余分な水は吸い取っています)。画像一枚目はアクリル板の下に植毛紙を敷いて背景を暗黒にしたときの作例。軸外落射偏斜暗視野の照明となっており,物体表面の色がよくわかり,背景の暗黒によってコントラストが高くなっています。

画像二枚目は,同じ視野を,アクリル板の下に白紙を敷いて,透過明視野+軸外落射偏斜の組み合わせとしたもの。背景光が物体を通過してくることにより,透明体の鉱物などが透き通った感じに表現されています。二枚の比較でわかるように,顕微鏡による像は照明によって大きく変わるので,自分が表現したい絵が得られるよう種々くふうしてみることが肝要です(画像/MWS)。



*1 画面中央に写っているのは有孔虫です。砂浜の砂の中に見つかることがあります。砂浜をあるいて砂の様子を観察していると,黒っぽく砂鉄が濃縮しているところや,白っぽく生物遺骸が集まっているところなどがあります。有孔虫は比較的軽いので,風で飛ばされた砂が吹き溜まっているような場所で数多く見つかることがあります。内湾の砂浜ではそれほど多くない印象で,瀬戸内海や東京湾などでは見つけるのが面倒かもしれません。相模湾東部は比較的多い印象があります。南の島などでは有孔虫だらけの砂浜があるそうですが,まだ行ったことがありません。。

*2 有孔虫などの炭酸カルシウム系のバイオミネラルはアルカリに溶けませんので,アルカリ系の洗剤で洗うことができます。砂浜の砂などを採取したら,まず水で洗って十分水分を含ませてから,パイプ洗浄剤などの塩素系アルカリ洗浄剤を加えて洗えば,かなりきれいになります。アルカリはシリカを溶かしますので,理屈の上では石英などの鉱物も溶かすわけですが,実際には石英や長石などの溶解速度は極端に遅く,加熱しない限りはそうそう溶けるものではありません。ので,珪酸塩鉱物も炭酸カルシウム系バイオミネラルも,一緒に洗えます。





2017年8月7日


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ここのところアップしている画像をどうやって撮影しているかというと,一例がこんな感じです(一枚目の画像)。黒いゴム板の上に標本を置いて,そこにレイメイ藤井のRXT203をのせてピントを合わせ,Nikon1J1でセルフタイマー(またはリモコン)でシャッターを切っています。顕微鏡写真にはブレが大敵なので,ミラーレスカメラを使って電子シャッターでセルフタイマーというのは,原理的に振動が生じないよい方法です。

しかしながら,RXT203の照明は強力なので,反射率の高い物体であれば手持ちでもまともに写ることが多く,助かるのです。。ただこのときに,カメラのレンズは顕微鏡にくっつけて手ブレを軽減させる必要があるかもしれません。歩留まりが悪い場合は,早々とあきらめて,何かで固定して撮影した方が幸せになれると思います。パソコンの液晶モニタのRGBを撮影する,などといったケースでは,透過光の撮影となり,物体の輝度が低いのでシャッター速度はかなり遅くなります。手持ちはきついだろうと思います(にもかかわらず問題を解決し,RXT203の色収差をRGB発光素子を使って表現しているのは,ただ者ではない気がします…)。

さて,二枚目の画像は,手元に転がり込んできたピンセット,EREMの3SAの刃先です。年代物で,荒く扱われて刃先はねじれていて,樹脂関係の用途に使われたようで全体を謎の樹脂が覆っているというものでした。しかしピンセットの修復は,顕微鏡のメンテナンスに比べたらずっと簡単です。樹脂を落とし,磨きをかけて錆を落として,形を整形し直し,刃先をあわせて,本研ぎ。それでねじれを確認し,微修正して刃先を合わせて刃先の合わせ角度を修正します。形が決まれば先を尖らせて修正し,刃裏も合わせて,#5000で仕上げてできあがりです。

EREMのピンセットは,FontaxとDumontの中間くらいの形で,FontaxのNo.3を使い慣れている人には,かなり扱いやすい部類だろうと思います。EREMの3番がよろしいということは本ページでも2016年のはじめ頃に書いたわけですが,中年オヤジの必殺技,「よいものは忘れない」を発動した結果,たったの一年半で手元に転がり込んできたのです。皆さんも,良いものを見極めて,楽しい日々をすごしませう(画像/MWS)。








2017年8月6日


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レイメイ藤井のRXT203は,もちろん仕事用の顕微鏡としても使えます。生物研究などの精密用途には向きませんが,精密ピンセットの刃先確認にはちょうどよい倍率です。そのことを示してみたのがきょうの画像。上の画像は超精密ピンセット,DUMONTのDumostar3番です。肉眼ではひじょうに細い刃先がカッチリ合っているように見えます。しかし顕微鏡でみれば,新品の刃先は粗く,機械でバリバリ仕上げたようなラインです。このまま使えるとはとても思えない雑な仕上がりであることがわかります。刃物というのは自分で研いで刃先を作るものなので,これで問題ありませんが…。

画像二枚目はFontaxのtaxalの3番。新品です。明らかに仕上げ研ぎが施されており,角を落としてあり,先端のバリもていねいに落としてあります。ラインは職人の手研ぎのような感じがします。刃先の角度は浅いのにカッチリ合っていて,好みの問題を別にすれば,このままハイレベルで実用可能です。DumontとFontaxは似たような価格帯のピンセットで,後者の方が少し安かった印象がありますが,個人的な意見としては,FontaxのNo.3の方が遙かに高次元を目指した製品に思えます。なのにFontaxは会社がなくなってしまい,Dumontは残っている…というのは,ユーザーがブランド力だけをみていて製品の質を見る目がなかったのか,それともDumontの粗っぽい方が世界的には受け入れられたのか,ふしぎなところです。

などということがRXT203での刃先観察でわかったりもするのです。(画像/MWS)。








2017年8月5日


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レイメイ藤井のRXT203は,まともな顕微鏡なんだよ〜ということを,昨年の晩秋頃から繰り返しお伝えしてきたわけでございますが,ふと振り返ってみると,まともなことを誰にでも明白に知らせることのできる画像情報を掲載していなかったような気もします。深く反省するのです。そこできょうの画像は,誰でも知っているアレを撮影しまして,皆様にお知らせする次第なのです。使ったRXT203は,LEDを電球色に取り替えただけのものです。カメラはNikon1J1,レンズは1Nikkor 18.5mmF1.8絞り開放です。目で見たそのままのところに,カメラのレンズをぴったりくっつけて撮影した,ただそれだけの代物です。この絵をご覧頂いて,RXT203という顕微鏡がどんなものなのか,ご理解頂ければと思います…(画像/MWS)。








2017年8月4日


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3日は顕微鏡関係の打ち合わせで出張でした。多量の機材を目の前に,延々と顕微鏡関係の課題を片づけてゆくという仕事内容で,終わってみれば6時間40分,休憩なしというヘビーなものでした。ところが,まったく疲れないのです。微塵も疲れを感じません。これが顕微鏡のふしぎなところです。おそらく皆さんも経験があるかもしれません。機材の手入れをして半日飛ぶように時間が過ぎても,撮影機材のテストを行って1日過ぎても,珪藻を覗いていて夜中になっていても,疲れないんですよね。きっとこれは,楽しいということと関係があるような気がします。楽しいときには時間も感じないし疲れも軽いのかも。みなさん,疲れたら顕微鏡を覗いて機材いじりをしましょう(画像/MWS)。








2017年8月3日


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きのう,「ウロコを採取してガラスに貼り付けると見やすい」と書いたところ,教育関係者から助言のメールを頂きました。先生曰く,

「ガラス」をどうやって手に入れるかも教えた方が良いかと。あと、親はガラスは忌避するから、それも配慮必要かも。


とのことで,全くその通りなのです。本ページとしては,何でもかんでも「教える」よりは,毎日の記事をヒントにして頂いて読者ご自身が創意工夫で新しい世界を拓いていく,ということを期待しているわけです。その意味ではガラスの入手法を書く必要がないともいえますが,しかしレイメイ藤井のRXT203の主たるユーザーは,未来の学者であるところの,小学生中学生かもしれないわけです。すると,ガラスをどうすべきか書いた方が親切というものです。

で,きょうの画像がガラスの入手法の一つ。調理用の耐熱ガラス(パイレックス)の皿です。これの裏側には,パイレックスの刻印が凸の文字で書いてあって,そのお陰で平面部分の傷が少なく,良好なガラス面がありました。これも十分に「ガラス」であって,表面の散乱が少なくて,ウロコや薄い切片などの落射照明観察には,背景が光らないので好都合です。画像二枚目はこの皿にツノナシオキアミ(乾燥品)をのせて,尻尾の部分を撮影したもの。皿は大きいので安定性もよく,背景をさらに暗くしたければ下に黒のフェルトなどを敷けばよく,使いやすい「ガラス」かと思います。ほかにもコップとか虫眼鏡のレンズとか工夫のしどころはいろいろあるでしょう。

こういった工夫は案外大事です。思いついたことを身の回りの工夫で乗り切っていく能力は,研究者に必須ともいえます。研究者でなくとも,「使える人材」の基本能力ともいえるでしょう。何でも買えばいいやと,スライドグラスを100枚買って数枚しか使わない人と,手元のものを活用してどんどん観察を勧めていく人とでは,将来身に付く能力がだいぶ異なるでしょう。

もちろん,スライドグラスを通販や,東急ハンズの理科用品コーナーなどで購入して,標本作りをやってみることも良い経験になるので,手当たり次第の観察を卒業したらやってみるのも手です。でも標本なんてものは,作りたくなったり,作る必要があるから仕方なく作るものです。まだ顕微鏡一年生のうちは,とにかくいろいろなものを見て,世の中にどんな面白いものがあるのか次々と体験するのが先のような気がします。好き嫌いだらけで,偏った食材しか口に入れたことのないひとが料理を作るよりは,いろいろなものを食べて知っている人が料理した方が,技術的にも質的にもよいものができるでしょう。それと似たようなものです。たぶん…(画像/MWS)。








2017年8月2日


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顕微鏡で何かを見るときには手当たり次第いろいろ探すわけですが,使う機材でちょうどよく拡大されるサンプルに出会うと,とても良く見えて気分がよいですね。ふつうの珪藻なんて小さなものが多くて,レイメイ藤井のRXT203ではとても見えません。巨大な珪藻なら楽勝ですが,そういったサンプルがいつも入手できるとは限りません。そんな中で比較的手に入りやすく,大きさも適当なものの一つが魚の鱗(うろこ)です。魚屋さんで売っているサンマやアジなどのウロコを採取してガラスに貼り付けると見やすいです。きょうの画像一枚目はアジ,二枚目はカタクチイワシです。どちらも筆者の夕飯材料で塩焼きと摘み入れになりましたが,ウロコはサンプルとなって簡易教材になったっりもしています。

顕微鏡観察の難しさは,「見てみよう」と思いつくこと。見てみないと,どんな風景が広がっているかわからないので,手当たり次第眺めてみればいいのですが,これがなかなか難しいものでして,「こんなものもまだ見ていなかったのか…」と思わされるものが身の回りにたくさん転がっていて,年に数回,おのれの気付きの鈍さを思い知らされたりするのです(画像/MWS)。








2017年8月1日


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レイメイ藤井のRXT203で透過照明観察したいときには,簡単には,LEDライトの上にのせてしまえばいいのですが,不安定ですし,台座を工夫するのも面倒です。もしお手元に,学校教育用の初級顕微鏡があれば,それを使うのが簡単です。鏡筒を引っこ抜いてしまい,ステージの上にRXT203をのせればOKです。LEDなどで下から透過照明にすれば目的を達成できます。斜めに照明光を入れれば偏斜照明もできますし,単色のLEDでモノクロ照明にするのも簡単です。絞り板を使って照明側の開口も制御できますし,拡散板を入れてムラの少ないマイルドな照明にもできます。知っておいて損はない方法かと思います(画像/MWS)。









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