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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します


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お知らせ
 

作業時間確保のため,当面の間,在庫販売のみとさせていただきます。在庫についてはお問い合わせ下さい。お急ぎのお客様には個別に対応しますので,メールにてご連絡下さい。リサーチグレード,教育用セットの実質的な販売再開は4月末頃?となる見込みです。DL-TESTにつきましても当面の間,販売休止します。以上,ご了承下さい。






2017年3月31日


ps

多摩六都科学館,静岡科学館でミクロワールドサービスの誇るJシリーズ珪藻プレパラートを展示中です。企画展で設置された顕微鏡を覗いて,プレパラートを直接観察することができます。スマホやデジタルカメラを用いての写真撮影もOKです。接眼レンズをのぞき込むように撮影するだけで,けっこうよく写ります。多摩六都科学館からは ロクトリポート が届いています。春休み,休日を利用して,サイエンスの展示を眺めるのもよいかもしれません(画像/MWS)。








2017年3月30日


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ある種のナマコ骨片は,平行ニコルでも偏光色が出るという特性を持っていて,きょうの画像がその一例です。バイオミネラルでこのようなものは少なく貴重な感じがします。平行ニコルでの発色は,クロスニコルの発色の逆,補色関係のようになります。クロスニコルで撮影した画像をネガティブ処理すると,平行ニコルで撮影した絵とほぼ同じになります。ナマコ骨片をお手持ちの方は偏光顕微鏡で遊んでみるのもよいかと思います。

魚屋さんで売っているふつうのナマコでも骨片は豊富に入っているので,検鏡材料にできます。ただ,すでに調味してあるものなどは,骨片が部分的に溶解しているなど劣化しているものがあるとのことです。丸々としたものを一本買えば,骨片もよいものが入手できるかもしれません。食用ナマコは漁業権が設定されているので,海で採集するには事前の許可等が必要です。手続きが面倒なので,地元の魚屋さんで買うのが良いかと思います。

もう一つの手は,ナマコがたくさんいるタイドプールなどで,泥を採取してみることです。丹念に探せば,いろいろな生物遺骸に混じって,ナマコの骨片を見つけることができます(画像/MWS)。








2017年3月29日


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今月初めの出張でナマコ骨片の研究者と多量の情報交換ができて,帰宅した晩にさっそく標本を作り,その後も時間の合間をみてナマコの骨片をいじっています。画像は食用ナマコの仲間(マナマコ,クロナマコ系統)の骨片で,簡易偏光のクロスニコルです。個人的には素晴らしい偏光色の天然試料と思っています (画像/MWS)。








2017年3月28日


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ばっるばーどす ばーるばどすー♪ (画像/MWS)。








2017年3月27日


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いやーさすがに作るの大変でしたが,眺めると至福な感じがしますー。拡散板組込の偏斜照明でキラキラとさせると,目が,脳が喜びます。まったく見飽きません(画像/MWS)。








2017年3月26日


ps

昨年の秋頃から引きずっていた仕事がだいぶ片づいて霧が晴れるような気分になってきました。。来月には,ようやく2017年の正月を迎えられそうです…。忙しい忙しいと本ページに書くのはイヤなのですが,在庫販売のみの状態がずっと続いているので現状報告を書かないわけにもいかず,よろしくない日々だったのでした。もう少しで,のほほんとサンプリングにでも出向き,どこに何がいるのかもわからない状態からの珪藻狩りの挑戦が再開され,当サービスの仕事も正常に回っていきそうな気がします。ペースが狂ったのは2015年の秋頃からで,つらい日々が長かった…気もします。

きょうの画像はつい先ほど製作した特注品。バルバドスの小型放散虫を多様性に着目して収集,並べたものです。こんな恐ろしいものはたぶん,世界に一枚でしょう。バルバドスの放散虫は昔からマウンターの間では知られたもので,大型放散虫が好んで並べられてきました。しかし小型のものはまず見かけることはなかったのでした。どこからどうみても博物館クラスの標本です。こういったものを特注して頂けるということは,こちらの技術を信用しているということで,有り難いことと思っています。

この標本,放散虫の拾い出しだけでもえらい時間がかかります。400個ほど拾い,232個を並べています。個数だけなら大した時間がかかりませんが,バルバドスの小型放散虫に目を慣らし,NA=0.2の条件で放散虫個体の微妙な違いを見抜き,化石に含まれる群集の多様性を維持するように拾い集めるのには,脳を鍛えることが必要です。大変な時間がかかるのです(画像/MWS)。








2017年3月25日


ps

珪藻は何万種類もいるから,たくさんの種類を集めるのも簡単だろうという気がしますが,実際はそうでもありません。単に種類を増やすだけなら1000種くらいは集まるでしょうが,Jシリーズの在庫にできること,という条件をつけるととたんに数が少なくなります。拾って集められる大きさであることが重要で,サイズ的には0.02mmくらいは欲しいところです。また似通ったものばかり集めても面白みがないので,形態の多様性に着目して集めますが,そうすると例えばニッチアなどたくさんの種類がいますが,集められるのは数種類,などということになってしまいます。

そうすると,いろいろな試料をかき回していても,大体,見たことのある珪藻ばかりという状況になってきます。新規に珪藻を増やすことがだんだん難しくなります。きょうの画像に写っている細長い種は,そんな中で,何だコレはと思った数少ないもの。ぱっと見て,図鑑でも見覚えがなく,名前が浮かびません。こういうのを見つけたときは結構うれしいものです(画像/MWS)。








2017年3月24日


ps

Jシリーズを清拭するときは,凹面鏡の上に置いて暗視野照明を施し,いかなるゴミも見逃さないようにしています。凹面鏡の上に置くと,上と下から照明光があたって複雑な感じの輝きになり,これがけっこう見映えがするのです。きょうの画像がその一例ですが,キラキラした感じがわかるかと思います。欠点は,スライドグラスで反射した光が戻ってくることで,画面右のように盛大なゴーストが出ます。高倍率では気になりませんが,低倍率では避けようがありません。画像の標本は多少壊れたものも投入して194個でまとめたもの。すでに行き先は決まっています(画像/MWS)。








2017年3月23日


ps

これはスライドグラスに散りばめた海の珪藻類。乾燥状態でむき出しの標本です。これを眺めているときの気分は,紅葉を眺めているような,渓流の水底を眺めているような,そんな感じがします。脳がどこかで「よいものだ」と言っている気がします…。

乾燥マウントにすると,珪藻と空気の屈折率差が大きいのでコントラストよく見えます。きょうの画像は明視野絞り込みに簡易偏光を加えたもので,色とりどりという感じで個人的には見応えのある感じがします。コスキノディスクやタラシオシラは,封入してしまうと絞り込んでも色はあまりつかないのに,乾燥マウントだと濃いブルーになります。ギロシグマやプレウロシグマは茶色に見えます。微細構造が生み出す光のいたずらなのでしょうが,ふしぎで見飽きないのです。

乾燥マウントに透過明視野+偏光ですから,本ページの読者であればわけもなくできることでしょう。論文を書くわけでなし,珪藻は観察者がそれぞれ好きな方法で好きな像をつくって楽しめばよいのだと思っています(画像/MWS)。








2017年3月22日


ps

さいきん,シシャモのオスがスーパーの店頭に並ぶようになった。昔からあったのかもしれないけれども,見た覚えがない。オスはどこの国に行ってしまったのだろうという感じでした。学生の頃に先輩から,シシャモの腹に注射器で魚卵を注入するアルバイトがあると聞いたことがあります。そういうアルバイトはアラスカだったか,国外の話だったように記憶しているが自信はありません。。もしその話がホントなら,卵が注入されたオスを食べていた可能性もあったわけだ。

でも,オスなら,ヒレをみればすぐにわかるはずだ。きょうの画像をみても,ちゃんとオスはオスの感じになっている。シシャモを食べているときには筆者の脳みそが劣化していてあまり深く考えずに口に放り込んでいた可能性もある。だから気がつかなかっただけなのか。それとも,卵が注入されたオスは,日本国内には入ってこなかったのか。謎はとけないのです。。

などと,どうでもいい話を書いてしまいましたが,シシャモのオス,うまいのです。個人的には卵はいらない。弱火でじっくりと枯らし気味に焼き上げれば,酒のつまみとして最上。そのまま南蛮酢に漬けてもいいし,ポン酢しょうゆ(=ゆずの村)をかけてもよろしいのです(画像/MWS)。








2017年3月21日


ps

カバーガラスの入れ物は,ずいぶん前にプラ容器から紙製に変更になってしまい,取扱がひじょうに不便になりました。きょうの画像に写っているのは以前のプラ容器ですが,切ったカバーグラスを扱うのに好都合で,未だに大切に使っています。世の中なんでもかんでもエコエコエコでリサイクルを推進するのは間違っています。対物レンズにしっかりとしたケースが必要なように,カバーグラス,スライドグラスなど,顕微鏡の光軸上に存在するものはきちんと管理できることが重要です。…とここで吠えてみたところで,世の中が変わるはずもなく,何だかなぁ…な気分で,ほかのよい物を探すのです。

Jシリーズ用のカバーグラスは,カールツアイス社製のハイパフォーマンスカバーグラス0.17±0.005mmをカットして使っています。カットしたガラスはマツナミの古いカバーガラス入れにストックしておき,そこから,予備清拭して汚れの99.99%以上を取り除いたものを,プラスチックの棒瓶に入れて保管します。使用時はここからFONTAXのNo.3で取り出し,表面の汚れを100%取り除いた上で使用します。こういった段階的な管理をすると作業効率が上がるのです(画像/MWS)。








2017年3月20日


ps

スライドグラスはロット単位でまとめ買いして品質チェックしているので,大量買いになります。今月は3000枚買いました…。このうち,Jシリーズ用のスライドグラスは,いかなる傷も劣化も許されないので,「豆腐に傷をつけないような」細心の注意を払った扱いが必要になります。現在使用しているガラスはS1215,S1214がメインですが,購入時の箱のままですと,扱いにくく,劣化の危険が増すので,別の箱に移しています。きょうの画像がその一例で,S7213の箱に詰め替えているところです。ガラスは,湿気が厳禁なので,詰め替えでも素手で触れることはできません。詰め替えたガラスは乾燥雰囲気中で保管します。永年の経験からわかってきた取扱法です(画像/MWS)。








2017年3月19日(2)


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【業務連絡】 昭島〜五日市方面で,のらぼう出現中…(画像/MWS)。








2017年3月19日


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30年も使ってきたカシオの腕時計が遅れ始めたので電池を交換したところ,また遅れる…という事態になりました。この腕時計は臨海実習用に購入した防水のもので,いまは野菜のゆで時間を管理する大変重要な役割を担っています。さあどうするべえか。もちろんメンテナンスです。

動いているけど遅れる,というときに疑うべきは軸受けの劣化です。ぱかっと裏蓋を開けて軸受けを実体顕微鏡で観察すれば,おおっ。安かったのに4石ですね。でも3石で粉を吹いています。予想通りです。おそらくはもともとのグリスが劣化して固化し,それが回転で削れて粉になったのかと想像します。

ということで,まずは粉掃除。放散虫操作用の毛先を使って粉を削って剥離させブロアで吹きました。これを2回。次は油を差す必要があるのですが下手な油を差すと具合が悪くなるので,どうしたものかと悩みました。まずは,オイルスプレーの油を軸の表面がほんの少し濡れる程度つけました。これで様子見でもいいのですが,10年くらいは順調に動いて欲しいので,堅めのグリスを塗布しました。見た目かたくても,顕微鏡的にはじゅうぶん液体なので大丈夫なのです。

作業は簡単ですぐに終わりました。裏蓋を閉めて,バンドももとにもどし,台所にセットして,これからも野菜のゆで時間管理に,そばのゆで時間管理に役立つことと思います。珪藻や放散虫をいじくり回すという仕事は,時計のメンテナンスにも役立つようで,習ったことも調べたこともないのに,故障したブツを見て,簡単にメンテナンスできた…。なんだかうれしいのです(画像/MWS)。



*1 反対側の軸はどうなってるの? などということを考えてはいけません(笑)。ちゃんと遅れずに動いている。その事実が大事です,と固く信じることにしています。。




2017年3月18日(2)


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きのうの珪藻と似た種類で壊れていないものを探すとこんな感じです。薄くてぺらぺらな殻に極微のライン,点紋が刻まれているという繊細な構造です。なんとなく宇宙を感じさせるような,この世のものではないような,ふしぎなデザインです。これは砂浜近くの,石が積み上げられて泥が溜まっているようなところで,石に歯ブラシをかけて採集したものです。似たような種類は,貝殻に付着していることもあり,アマモに付着していることもあり,とにかく何かにくっついているので,ブラシがけしないと集まりにくい仲間です(画像/MWS)。








2017年3月18日


ps

昨年12月に,当サイトが検索に引っかからなくなったという記事を書きましたが,それの続報です。検索流入数は順調に減っていき,これまで月間500くらいの検索流入数があったのが,1/5程度になっています。変曲点は11月くらいにありそうです。「珪藻」という言葉に限ってみると,すでに当サイトは検索結果から除外されているようで,検索流入数はゼロになっています。

当サイトは,珪藻という言葉でgoogle検索すれば,常に上位5位以内に入る状態を5年間程度維持してきました。多くの方々に検索で当サイトを見つけていただきました。また多くのお客様から,当サイトの「珪藻とは」が,他のサイトと比較しても断然分かりやすいと好評でした。

これまで,一ヶ月で30人くらいが,珪藻という言葉で検索して当サイトに行き当たり,新たな世界に足を踏み入れていたわけですが,今後はそのようなこともなくなるのでしょう。これは,「珪藻」という言葉で検索した学習者にとっては,不幸なことだろうと思います。

なぜこのようなことが起きるのかはわかりませんが,当サイト,あるいは筆者を憎み,世の中から抹殺したいと思っている人がどこかにいて,グーグル八分となるように工作していると推理するのが自然に思えます。当サイトは何もしていませんし,googleのアルゴリズムの変化だけでこのようなことは起きないでしょう。

このサイトはもともと世の中の片隅に存在しているひっそりとしたもので,上記の検索流入数からみても,少しのアクセス数しかないことはバレバレです。その少しのアクセス数が減ったところで,もともと少ないものがさらに少なくなる程度のことなのかもしれません。筆者は10年前にこのサイトを開始して,誰も読んでいないのに毎日更新して現在に至ります。今後,検索流入数が途絶え,当サイトが認知されなくなっても,ついにアクセス数がゼロになっても,たぶん毎日更新するだろうと思います。それしか能がないのです。

ということで,当サイトを消し去りたいと思っている人が存分に妨害しても,こちらは何も致しません。というかできません。珪藻を並べるという仕事は,もともとは19世紀の,インターネットもテレビもない時代のものです。筆者はその時代に合っているようで,クルマも運転できませんし,スマホはおろか,携帯電話も所持したことがありません。時代についていけないのです。もしwebサイトが抹殺されても,19世紀と同じように,珪藻を並べることはできるわけで,ちまちまと同じように仕事を続けていることでしょう(画像/MWS)。








2017年3月17日


ps

きょうの画像は割れている珪藻。信頼関係が破壊されたことを珪藻で表現してみました…というのは冗談ですが,デリケートで破壊されやすいことは確かです。ガラス質でできているので,ぱりんと割れる感じに壊れます。本ページは無傷の珪藻画像ばかりを掲載してきましたので,たまには割れているものを載せなければいけないなあと,ちょっと撮影してみたものです。過去画像を発掘しても割れている珪藻画像が極端に少ないので…。

ところで,きょうも少し,どろどろ系の話に追加を書きました。興味ある読者はごらん下さいませ(画像/MWS)。





契約書がないと何がまずいのか,昨日書かなかったことが一つあって,それは契約解除です。強制的に契約解除を行うには法定解除権を満たす必要があります。その際に,相手が契約を破ったことの証明が必要になるのです。口約束でも契約は成立しますが,トラブルが起きたときに,「言った,言わない」の争いになってしまい,法定解除権まで持ち込むのが困難になってしまいます。そこで,契約内容に関することを,日付入りの文章で残す必要が出てくるのです。日付入りの文章というのは,メールでも有効です。

このことを知った上で,昨日の文章をお読み頂くと,なぜ筆者が出版社にメールで基本事項の確認を求めたのかが理解できると思います。最初から,契約を破られることを想定しているのです。そして契約を破られたら,解除権を行使することを考えているのです。

契約解除は強制解除と合意解除に分類できます。後者は合意の上でいつでも解除が可能です。前者は,一方が片方に対して問答無用で解除を行使できますが,民法上の条件を満たさなくてはなりません。例えば,債務不履行による強制解除では,支払いの催促を期限付きで一度行い,それに相手が応じなければ解除可能です。

したがって印税未払いに苦しんでいる人は,期限が過ぎても契約通りの送金がなかったことを明示した上で,○月×日までに印税全額の送金がない場合,法定解除権を行使し,貴社から当該書籍の版権を引き上げます。と通知すればよいのです。まず出版社は印税を払うでしょう。但し,そのあとの関係は悪化するでしょうが。

筆者は未払いに苦しんでいたというわけではなく,「むかつき」の発生をどうにかしたかったので,債務の督促は行わず,合意解除を選びました。出版など頼みもしないのにうちにやってきて,執筆依頼のときだけぺこぺこ頭を下げて嫌がる筆者を説得し,本が出版されればしらんぷり,契約書もない。契約内容の自発的な明示もない,支払い遅延の連絡もなく,支払いもなく,債務不履行後の連絡もない。これは出版社としてあり得ない対応で,無礼の一言に尽きます。こんな無礼者に貴重な成果,利益,売上げを渡せるものかと思ったわけです。このことに比べれば,印税など消し飛ぶような些細なことです。こんなバカは一千万円持参して謝罪に来ても追い返します。

合意解除でも「証拠」は必要ですので,メールの内容をコピペして明示し,半年経っても契約内容が履行されず何の連絡もないお宅の会社は,これ以上ない無礼な存在ということを論証して,契約解除書類としたのです。契約解除の理由は信頼関係破壊であって,債務不履行ではありません。利子付きでカネ払ってもお前の会社には版権やらないよ,信頼関係ないもん,ということです。人間として当たり前の判断だと思っています。

バカはどこにでもいるので,歩いていればバカに当たってしまうことは避けられないかもしれません。ので大事なことは,バカに当たったときにどう対処するか,ということかもしれません。あの本は完全に売れるモードに入っていて,

・出版間もなくamazon生物カテゴリー1位
・毎日新聞夕刊(全国紙,社会面)
・聖教新聞
・北海道新聞
・しんぶん赤旗

・朝日中高生新聞
・日経サイエンス
・雑誌『化学』
・日本プランクトン学会報
・日本生物教育学会誌

・紀伊国屋書店基本図書通信
・全国の教育機関で推薦図書
・大日本印刷カレンダーコンペ
・本の雑誌2017年1月号

などに書評が掲載されたほか,

・朝日小学生新聞(4万2千部)

では連載記事で当該書籍を紹介の予定でした。また今週末から始まります

・静岡科学館企画展
・多摩六都科学館企画展

では,実物の標本とともに当該書籍が展示,あるいはミュージアムショップで販売の計画でした。また,

・岩国ミクロ科学館
・国立科学博物館

ではすでに展示,ショップでご利用頂いておりました。これらは筆者の知る範囲のことですので,ほかにも多くのところで紹介,利用されていたことと思います。一冊の小さな本にしては大きな反響で,これからも息の長い本となり,出版社にも筆者にも,そして読者にも利益をもたらすはずでした。

ところが無礼者に販売売上げを渡す根拠(=信頼関係)がなくなり,これ以上売れてしまうとこの無礼者に数百万円の利益が発生してしまいますから,早急に版権を引き上げて,無法者が不当な利益を手にすることを止めたのです。

ビジネスの基本は信頼関係です。出版社の行為は,誠心誠意尽くして仕事をした筆者に対し,恩を仇で返す以上の仕打ちです。ので,契約解除してすっきりなのです。契約解除書類をポストに投函して,そのままさんぽに出向き,秋の空を眺めながら,新たに日が昇るような,まぶしい気分になったことが思い起こされます。





*1 なぜ債務の督促を行わずに契約解除したのかというと,債務の督促をすると,この出版社は直ちに支払うだろうと予想したからです。何せ法務のプロですから。契約解除の匂いを感じたら,自分たちの損失が大きくなるので,印税などすぐに払うのです。しかしこちらはすでに信頼関係は喪失しているので,版権を渡したくありません。そこで,印税支払いがないままの状態が半年続いたタイミングをねらい,確実に信頼関係が破壊されたことを確認し,合意解除請求したのです。

*2 筆者を怒らせたのはあまりの無礼さです。不払いでも,事前に「すみません」と連絡があれば許しましたよ。その程度の,最低限の礼儀もない出版社は,もはや宇宙人の類なので,人類がつきあう対象ではありません。

*3 絶版にしなくてもよかったのではという意見もわかりますが,でも,ほかの誠実な出版社に失礼です。ちゃんとしたところはいくらでもあります。今回の出版社のように,人をバカにした仕事をするところが不当に売上げを手にするというのは,筆者には許せないことです。

*4 でも優れた本を作る能力があったのでは? という意見があったとすれば,まぁ,それはそうかもしれません。しかしこの出版社でなくても,筆者と,デザイナーさんと,写真提供のお二方と,図版提供の先生のこのコンビで本を作れば,どんな編集者と仕事をしても優れた本になったと思いますよ。それは珪藻が人を惹きつける力を持っているからです。









2017年3月16日


ps

きょうは今なお問い合わせのある,あの本に関係したことについて,長めに書いてみました。どろどろとした内容ですが,他人の不幸は蜜の味,という言葉もありますし(笑),そうでなくても,どろどろ系の話は読み応えがあったりするものですから,読者,とくに経営者の方々の参考になるように努力してみました。以下に記しますので,読みたい人だけごらんになってください。なお,予備的な知識としては こちら の内容が優れています。下記をお読みになったあとにごらんになれば,知識が整理されることと思います(画像/MWS)。







書籍出版では,多くの場合,印刷が終わり配本日が決まり,あとは店頭に並ぶのを待つだけ,という段階になって「出版契約書」が交わされます。担当者が「見本」と呼ばれる,出来上がった本を数冊持参して著者に渡し,このときに出版契約書を交わしてサイン,押印するという感じの流れです。仕事の始めに契約書を交わさないのは,出版が頓挫することもあるからで,契約に縛られてスケジュールを無理に通そうとすることを嫌う業界の慣習みたいなものでもあります。

さて,きょうの画像の中央に写っている書籍の場合,2015年12月初めに,担当者が筆者のところまで「見本」を持ってきました。当然そこで出版契約書が交わされるわけですので,ハンコとボールペンを準備して待っていました。

担当者は,浮かない顔をして,印刷部数の1/4しか配本に回らなかったと嘆き,溜息ばかりついていました。ふつうなら,出版まで持ち込めたことについて,お互い感謝の言葉を述べて本の完成を喜ぶ場面ですが,暗い表情で頭を抱える担当者の演技(と判断します)は異常なものでした。その場では,こちらが営業に関する協力・支援の話をして担当者を元気づけるような,おかしなことになっていました。

それで話が終わり,担当者が帰ろうとするのです。



筆者:出版契約書はないんですか?

担当:え?


筆者:甲は○○,乙は○○と書面があって,お互いサインしてハンコ押す書類ですよ。

担当:詳しいですねー(苦笑)


筆者:そりゃ本くらい出したことありますから


筆者:ハンコ用意して待ってたんですけど

担当:うちはやっていないんですよ。


筆者:契約書交わさないの?

担当:なしでやっています。


筆者:そうですか,ないんですか…

担当:(ものすごく嫌そうに)ううう,じゃあああ,作りましょうか。。


筆者:いや,いいです。信用しますから。

担当:ではそういうことで…


出版契約書を交わさないということがどういうことなのかを簡単に説明すると,

・相手を法務の素人と判断している
・契約内容を明示しないことで条件を後から変更できる
・支払期日を明示しないことによって支払いを遅らせる
・契約書という証拠がないので訴訟を起こしにくい。
・不払い訴訟を起こされた場合でも証拠がないので負けにくい

ということです。この出版社は,労働者の権利保護を専門分野として,70年近く出版活動を行ってきた会社です。フリーランスへの賃金未払い問題をユニオン交渉によって解決,などというような内容の報文をずっと出版し続けてきた会社です。その法務のプロ,契約の大切さを十分にわかっている会社が,自社で企画を立ててフリーランスに一年以上仕事をさせて,無事に書籍が出版されたのにもかかわらず,その相手に契約書を提示しなかったわけです。

この時点で「舐められた」と感じました。相手の心の内は,

「コイツは貧乏そうなフリーだし,カネがなくて困っているだろうから,印税不払いが続けばきっと支払いを催促してくるだろう。そのときに社内に現金があれば払えばいいし,なければ引き延ばしにして払わなければ,また催促してくるだろう。もし支払い催促がなければそれはそれでラッキーだし,法務は素人だろうから訴えられる危険もなさそうだし,フリーランスはカネを持っていないので,そもそも,訴訟・裁判には経済的に耐えられないだろう。」
ということです。契約書を提示しないということは,こういう可能性を持つということなのです。

危険な事態であることは瞬時に理解しました。が,こちらの意志で契約書を作らせても仕方ありません。もともと「見本」を持参する段階で,出版社が筆者を舐めていたわけですから,この時点ですでに信頼関係にヒビがはいったのです。今後も信頼関係を維持するには,出版社に「自分で言ったことの責任をとってもらう」ことが必要です。出版社は,筆者に対して,仕事に関する約束を守り,信用を維持する義務があります。

そこで筆者は,この出版社にメールを送り,

出版契約については以下でお願いをいたします。
『○○美術館』○○社 12月 10 日発行
1300円 4000 部 印税 10 %
初版分 2016 年4月末日にお振り込み
増刷分 販売の実数を弊社期末(2月末)にて計算し、10 %分をお支払い

> 2015/12/07 11:26、OKU Osamu_ MWS  のメール:
>
>
> ○○さま
>
> ・出版契約書は特に交わしていないということは了解しました。
> ただ,販売部数とロイヤリティーだけは文面で残しておいた
> 方がよいと思うので,このメールへの返信の形で結構ですので,
> 著者名,書名,出版社名,発行日,発行部数,ロイヤリティーを
> 記していただけませんでしょうか。あとで忘れてしまっても
> いけませんので。
このような答えを引き出しました。法務上はこれが出版契約書と同等の効力になります。もし出版社が,事前の協議なく,ここに書いてあることを無視すれば,契約不履行となります。

もし出版社が,筆者のことを舐めている(法務の素人だと思っている)なら,いつも通りに「口約束だけの出版」扱いして,印税不払いを行うことでしょう。

もし出版社が,筆者が法務に詳しいと判断したなら,送ったメールは契約書に該当するので,訴えられるとまずいので,きっちりと履行することでしょう。

結果は皆様ご存じの通りです。この出版社は,事前の連絡を一度もよこすことなく,印税=著作権使用料の振込期限を無視しました。結果,債務不履行となりました。そしてその後も連絡なく半年間以上債務不履行を放置しました。つまり,

「コイツは貧乏そうなフリーだし,カネがなくて困っているだろうから,印税不払いが続けばきっと支払いを催促してくるだろう。そのときに社内に現金があれば払えばいいし,なければ引き延ばしにして払わなければ,また催促してくるだろう。もし支払い催促がなければそれはそれでラッキーだし,法務は素人だろうから訴えられる危険もなさそうだし,フリーランスはカネを持っていないので,そもそも,訴訟・裁判には経済的に耐えられないだろう。」
こういうことだったわけです。出版社側は「違う」と反論するかもしれません。しかし反論の説得力は皆無です。著者の仕事で書籍が無事に出版されたのに,著者に対して契約書を準備しないことの,メリット・合理的説明が存在しないからです。

この出版社の行為は明らかに背信行為であり,世界最高の素材を提供した当方に対する侮蔑です。著作権使用料を払わず出版を継続するというのは,盗みや詐欺に近い行為でもあります。よって,この出版社から当該書籍に関する出版権を剥奪するに十分な理由が生じました。信頼できない相手,正しくない商行為を行う相手に利益を与えるほど不道徳なことはありません。当該書籍が世の中に必要とされていることは確かですが,地球上でこの出版社だけが,当該書籍を出版できる資格がありません。信頼関係を破壊するというのは,そういうことです。

さて3月に入り,立て続けに出版関係者と会う機会がありました。そのときに上記の様子を伝えたところ,中堅出版社の方は,「年単位で仕事をする書籍出版で,契約書がないというのは考えられない」ということでした。フリーの編集者さんは,「悪質,盗みに類すること」というようなことを仰っていました。同業者の客観的な評価がこのようなものであったということは,ここに記しておくべきでしょう。

このような記事を今ごろ書く気になったのは,先月の出来事があります。2月に4人の方から,当該書籍を書店,ネットショップから入手できたという報告を頂いたのです。2月中に自分でも確認に行きましたが,きょうの画像のごとく,書店に本が存在していました。つまり絶版になったはずの本が売られているのです。

筆者は版権引き上げに際して14の項目をあげて守ることを要求しています。その中で,
1)『珪藻美術館』の出版契約は,本書面の貴社配達日(2016 年 11 月 16 日)に解除とし
ます(当然,絶版となります)。本書面の到着時点で,貴社が書面の未開封を主張し
たとしても,貴社の出版権はすでに消滅したものとなります。当方は二度と,貴社に
出版権は与えません。貴社がどのような手段をとろうとも,『珪藻美術館』の出版権
が貴社に付与されることはありません。
2)取次等には直ちに当該書籍の絶版通知を出し店頭からの書籍の引き上げを命じます。
同時に本書面到着日(2016 年 11 月 16 日)以降,『珪藻美術館』の一切の出荷を禁じ
ます。
3)在庫,回収書籍は裁断/溶解等適切な手段で再利用不可能とし処分を命じます
(以下略,計14項目)
としています。さらに,
15)上記を全て実行し,貴社が当方に不利益を負わせる行為をこれ以上行わないのであれ
ば,当方から損害賠償請求(訴訟)を起こさないことを確約します。

としているのです。この出版社は,「店頭引き上げ命令」に従わなかったことになります。自社のHPから削除し,amazonから消しただけで,絶版通知を取次には出さなかったものと判断されます。バレないとでも思ったのでしょうか? 一つの項目に従わなかったことが明らかになったわけで,どこまで人をバカにするのかと,呆れた気分でもあります。

ここではっきりと書いておきます。当該書籍は絶版です。著作権使用料を払っていないこの出版社が,今なおこの本を書店に並べ,この本から利益を上げるのは正しい商行為ではありません。

この出版社が約70年間,継続してきたということは,その間に不渡りを出したことがない,ということです。手形が落ちなかったことがない,ということです。つまり,この出版社は,法人にはきっちりと「契約書通りに」支払いを行っていると判断できます。その一方で,フリーランス等の著者には無断で不払いを行い,社内の資金を確保しているのです。

支払期日にカネを払わない,ということは,支払先から,無審査/無利子/無担保/無連絡でカネを借りることと同等です。そしてそのカネはいつまでも借りられます。期限なしなのです。フリーランスのような弱い立場,切り捨て可能な立場の人たちに印税不払いを繰り返せば,銀行にも消費者金融にも頼らずに数百万円を簡単に調達できるのです。その金で自分たちの給与をまかない,印刷所への支払いに充て,決算上健全な運営に見せかけているのです。

このようなことを可能にしているのが日本の法令で,契約通りにカネを払わなくても逮捕されることはありません。日本では,契約違反罪という法令はないのです。

ここまでお読みいただき,なぜこの出版社が契約書を準備しなかったか,なぜ平気で著作権使用料を払わなかったのか,理解できたことでしょう。

さすがは労働者の権利問題を専門分野とする出版社だけのことはあります。労働者の立場を詳しく解析した知識を活用し,どこに媚びへつらうと利益があり,どこをカスになるまで搾り取ればうま味があるのか,知り尽くしているわけですね。

皆様も騙されないように用心しましょう。そして,相手を信頼できないと感じたら,対価の支払いを求めてはいけません。奴隷になるだけです。契約解除を叩きつけ,それまでの相手の労働もゴミ箱にぶちこんでやりましょう。そうやって関係を清算してすっきりし,クールに楽しく生きていくことが重要なのです。それがじんせいというものです。


*1 しかしまぁ,支払期限が出版から4ヶ月半も先というのも,バカにしたもんですね。刷り印税なわけですし。なるべく支払いに関することを忘れてもらうために,先の日付に設定したのではと疑いたくもなります。

*2 この出版社は,こちらからの質問には答えない,という特性を持っていました。こちらからの問い合わせには,「すぐにお返事します」と言っておきながら,以後音信不通。返事だけ調子がよいのです。

*3 この出版社は,書評が掲載されても連絡がありませんでした。連絡が来るときは,取材を受けろという命令のときばかりでした。

*4 この出版社は,書評掲載紙が送られてきても,それを著者に回しませんでした。掲載紙の記者からあとになって知らされました。

*5 そういうわけで,筆者は書評がどこに掲載されたのか,自分で調べた以外には知らないのです。今となってはどうでもいいことですが。

*6 もしこの出版社が,「見本」と同時に「出版契約書」を持参して,きちんと契約を交わしたなら,無断で債務不履行となっても絶版にはしなかっただろうと思います。一度は「どうなってるの」と問い合わせ,相手がおかしなことを言ったなら,契約解除になりますが。最初から契約書提示なし,自分の言ったことも守らない,支払いなし…。どこをどう考えても救いようがありません。

*7 この本に取りかかるとき,筆者は「印税なしも可能です」と言っているのです。しかし「規定の印税をお支払いしますよ」と言って提案は却下されました。にもかかわらず印税を払わなかったわけです。筆者が求めているのは,自分の言ったことくらい守れよ,という,じつにやさしいことです。この出版社は言っていることとやっていることがまるで違うのです。

*8 例えば,うちの会社は支払いが滅茶苦茶です。支払いが何年先になるかわかりません,と言ってくれればいいのです。言行が一致すれば,まあ正直だよなとの判断にはなります。無断で不払い連絡なし,これで相手がむかつかないわけがないでしょう。おいおまえふざけるなよ,となったら関係修復ができないでしょう。もっともこの出版社が,当該書籍を絶版にして,筆者との一切の関係を切りたくて不払いを意図的にやったのなら,敵ながらあっぱれと褒めてやりますが。

*9 ここに書いたことは現時点での事実の記載です。こういった体験談は,判断の一つの事例として,多くの人に役立つ可能性があるので掲載するわけです。例えば著者の立場からも参考になりますし,出版社の立場からも,契約トラブルを防ぐため,著者との関係を良好に保つためのヒントとして参考になるでしょう。皆様の賢明なる利用を希望します。

*10 こうやって振り返るに,この本は出版前(2015年12月)から絶版に向かっていたわけです。。

(本項は随時,加筆するかもしれません。)









2017年3月15日


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きょうの画像は色の出る珪藻。まるいので画像処理での切り抜きがらくです。。そうやって切り抜いて白バックに貼り付けてみました。わざとらしい画像になってしまいましたが,色ははっきり表現できてわるくない気もします(自己満足)。いずれの珪藻も相模湾で採取したものです。こういう絵をじっと眺めて,業務活動に必要なインスピレーションを得ることも大事な気がするのです…(画像/MWS)。








2017年3月14日


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ミクロワールドサービスの誇る超高級プレパラート,Jシリーズは,贈答品にも向いています。高価ではありますがそれに見合った価値がありますし,他にない一枚物であることは明白なので,もらった方も嬉しいのではないかと思います。研究者の方などは出張で気の利いた手土産があるとうれしい場面がありますが,そんなときにも使えるものと思います。もっとも,そのような使い方を思いつくお客様は,例外なくJシリーズのユーザーさんです。そこのところのハードルがあるので,贈答品としての利用は多くないのが現実のところですが…。画像は今年製作したものです。組み上げるのがとんでもなく大変だった一枚です(画像/MWS)。








2017年3月13日


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確定申告が終わりました…。これが過ぎるとなんとなく気が軽くなりますので,もっと早く提出するべきなのですけれども,今年は納期に追いつめられた状態が続いていて,そこに学会出張も割り込んで,時間が皆無でした。それで金土日をまるまる使ってようやく終わらせました。

当サービスは白のBを使っています。青でもいいのですが,ほぼ全ての業務を一人でやっているので,事務作業量の増大は深刻です。税金などいくら払ってもいいから楽な方がよいのです。確定申告の計算は,事業所得だけならそんなに手間はかかりませんが,これに給与所得,雑所得などが積み重なると,飛躍的に面倒になります。今年がそれに当たってしまいました。源泉徴収された分を差し引いて,あまり大きな損をしないために,細かな計算でうんと面倒な思いをすることになります。。

作業にはたぶんコツがあります。まず経費の類を集計するのにどれだけ楽ができるかということが重要。筆者はポケットファイルを使い,経費の内容毎に,レシートや領収書を分別収集しています。これで,そのポケットの山を集めれば「図書費」とか「学会参加費」とか「旅費」「消耗品費」などの仕分けが簡単にできます。

経費内訳書に記入する項目は毎年だいたい同じなので,メモ帳などでファイルを作っておきます。そうすれば,毎年,その部分の数字を書き換えれば下書きが完成します。もちろん,経費内訳だけでなく,収入,所得,控除の数字も記入しておけば,申告書に記入するときに転記するだけなので楽になります。

確定申告はけっこう長くやっていますが,税務署にはまだ出向いたことがありません。いつも郵送です。税務署で係員の支持に従いながらパソコンで作成して提出すれば簡単にできるという話しもありますが,それだと,中身を理解しないで申告書を作成することになりかねません。それはよろしくないので,あの面倒な書類を読んで,一つ一つ確かめて,手計算して記入し,紙を切り貼りして郵便で提出しているのです。

最初は気が重かった作業も終わりに近くなると霧が晴れてきた気分で,特に売上げを確認しているときに,お客さんとのやりとりが回想されて,まぁそこそこの一年だったなという感じになったりもします。皆様のおかげで確定申告できるわけで感謝なのです。

画像はそんな話題とは完全に関係のないクチビルケイソウ。無効拡大でコンデンサ絞り込み。なぜ,茶色と青がみえるのか,ふしぎなのです(画像/MWS)。



*1 版権を引き上げ,印税全額を放棄して書籍を絶版にした一つの理由が確定申告でした。出版社の名前を二度と目にしたくないのです。出版社の名前が付された支払調書を見るだけで全身にむかつきが発生してしまい仕事に悪影響があることが明らかでした。書籍出版で150万円以上の損失を出し,出版社からは一円の支払いもありませんでしたが,切って正解でした。確定申告の作業中にも,あの出版社に関係した書類は一つもなく,気分よく作業ができたことでした。




2017年3月12日


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静岡科学館ではJシリーズの展示に向けて準備が進んでいます。ミクロワールドサービスの技術研修員が出向き,顕微鏡のチェックを行うとともに,照明法,セッティング,防塵状態も確認しています。標本は完璧に清拭してセットして,人が出入りする科学館でも可能な限り汚れのない状態で標本を見てもらおうと努力しています。

きょうの画像は技術研修員による一コマ。静岡科学館には当サービスから顕微鏡を寄贈しており,防塵型の暗視野顕微鏡も設置される予定です。画像の右側の黒い顕微鏡がそれで,長時間の展示用に設計された暗視野顕微鏡とはどんなものなのか,それも見どころの一つになるかもしれません。企画展開催まであと一週間です。春の予定に加えてみてはいかがでしょうか(画像/MWS)。








2017年3月11日(2)


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国立科学博物館においてもJシリーズが展示されています。地球館1Fの「水の中のただよう宝石」のコーナーで,1日4回,展示が行われます( こちら )。簡素なスライドですが生の光で珪藻を実感できる貴重な機会です。展示はまもなく終了するので興味ある方は今週末にでも覗いてみてくださいませ(画像/科博サイトのスクリーンショット)。








2017年3月11日


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これは昨年夏の気仙沼。雨雲が重く垂れ込めた中での撮影。あれから6年…。何か書こうとすると,何を書いてもリアルじゃない気がして,手が止まってしまいます。これからも地震は起きますし津波も来ます。その避けられない現象の中で我々は暮らしているんだと,覚悟を持ちつつ暮らしていくのが必要なことなのかもしれません。これからもつねに,減災に向けて考慮を巡らしつつ,東北沿岸各地に幸あれと願わずにはいられません(画像/MWS)。








2017年3月10日


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多摩六都科学館において,3/18〜5/7の日程で,春の特別企画展

ZOOOOOOM!〜みるみる おおきく して みる と?〜 

が開催されます。この企画展において,ミクロワールドサービス・Jシリーズ珪藻プレパラートの展示が行われます。お近くの方,Jシリーズを直接顕微鏡で観察できるチャンスです。ぜひごらんになって,珪藻の繊細なる様子をご自身で確かめてみてください。多摩六都科学館のHP(企画展)は こちら です。アクセスは こちら になります。東京西部から,東京東部から,どちらからでも似たような距離のところにあります。お近くの方,東京見物の行き先を探している方,レンズが好きな方,多摩六都科学館/春の特別企画展にGo!(画像/MWS)。








2017年3月9日


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静岡科学館る・く・るにおいて,3/18〜5/7の日程で

企画展2017 サイエンス × アート 展 〜魔法って、カガク!?〜 

が開催されます。この企画展において,ミクロワールドサービス・Jシリーズ珪藻プレパラートの展示が行われます。お近くの方,Jシリーズを直接顕微鏡で観察できるチャンスです。ぜひごらんになって,珪藻の繊細なる様子をご自身で確かめてみてください。静岡科学館のHPは こちら です。静岡駅前ですのでアクセスは大変便利になっております。企画展のチラシは こちら になります。ご活用ください(画像/MWS)。








2017年3月8日


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昨年秋頃から慢性的に時間がなくなってしまい休める日がない状況が続いています。納品が遅れているお客様には大変ご迷惑をお掛けしております。すみません。

休めていないからといって特に弊害も問題もなく日々過ごしていて,休む必要があるかといえば,健康上は問題ないし,休む理由もなさそうなので,何も気にする必要がないともいえます。でも,どことなくなんとなく,ずーっとしごとに追われている状態からは一度開放されて,自分の意志で忙しくしたい気もします。あれこれ注文をつけられて忙しいのと,自分で取り組みたい課題を思いつきどんどん作業を進めていくのでは,ストレスの度合いが違うのでしょう。

7日は朝から都内近場で放散虫会議。一度足を踏み入れてしまえば,業界のしがらみ(泥沼ともいう)が生じるので,そこから抜け出るのは容易ではありません(^^;  悪あがきをしつつ,しかし今年は珪藻にも十分な力を注ぎ込みたいと思っています(画像/MWS)。








2017年3月7日


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ニコンS型顕微鏡は木調の重厚なオーディオ機器にとけ込む風格を持つ(画像/MWS)。








2017年3月6日


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雪景色と うし (画像/MWS)。








2017年3月5日


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2日から4日まで研究発表関連で山形に出張でした。この忙しいのに学会報告している暇など皆無なのです。なので今回はパスと,発表申し込みもせずに放置したところ,すでに名前が記載された参加者名簿が送られて来るという恐ろしい事態が発生して観念しましたorz…。仕事は2つあって,一つは研究発表,もう一つは標本の展示販売です。しかし後者は時間的余裕が皆無で販売用ストックが皆無。手持ちのものを展示することしかできませんでした。発表については,今までの持ち駒から,この研究集会に適したものをえらびました。

出発直前まで3日かけて30ml×3本の封入剤をろ過していて,多忙を極めていたのですが,仕事をほっぽり出して強行軍の出張に出向いてみると,そこには見たこともない白銀の世界が広がっていて,都内の空気で汚れた脳内が澄んでいくのでした。会場に着くと,さっそく先生方と会話が盛り上がり,得がたい情報交換もできて,出席して一時間で「もとはとれた」と思いました。

講演会場ではいつも通りに質問を飛ばし,Jシリーズは多くの方にごらん頂き,また新たな仕事の発生もあり,楽しい時間を過ごしました。時間がなく山形初訪問だったのにほとんど見物できなかったのが残念でしたが,やはりたまには都内脱出をしないといけないなと反省したのです(画像/MWS)。








2017年3月4日


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珪藻は幾何学模様とよくいわれますが,幾何学であるからには直線があってもよさそうです。しかし珪藻で直線を作ろうとすると,それほどの選択肢がありません。。どれも曲がったり,湾曲したり,円の一部だったりします。そのような中でひじょうによい直線をもっているのがきょうの画像で,ラブドネマの仲間でしょう。これの殻の末端は平らです。何個みても平らで,別なものとくっつけると,ぴったりとくっつきます。その例が画像二枚目のクルマです(画像/MWS)。








2017年3月3日


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珪藻に珪藻を重ねたら新しい色の表現ができるのでないかしらとやってみたのがきょうの画像。あまり面白いことは起きていない模様…。ヒトツメケイソウをクモノスケイソウに乗っければ確かに色は加わるのだけれども,ぼやけた感じになるし,印象をよくするには工夫が必要です。などということを大まじめに考えて実行してしまうのはもはや変態の領域な気もしますが,ま,そんなことは気にしないに限ります(^^; (画像/MWS)。








2017年3月2日


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一個の珪藻被殻がいろいろな色を発してくれるとうれしいのですが,なかなかそういうものがありません。暗視野で色が出る条件にはいろいろあって,その一つが,使用している対物レンズでは解像できない微細構造があることです。暗視野での発色は回折が関与しているようで,珪藻を傾けると色が変化したりすることもあります。たぶんこれらの複合的な理由で,微細構造があってドーム状の珪藻は,一個でいろいろな色が出るのかと思っています。でも,同じようなドーム状で,一色にしか光らない種もあるので,ほかにも発色の要因はあるのでしょう。いろんな種を封じては暗視野でみて色探しをしているのですが,赤,黄色が難しくて,青は普通です。…などと普通の生活をしていたら絶対に考えないであろう余計なことをちまちまと考えながら,珪藻を転がして暮らす今日この頃なのです(画像/MWS)。








2017年3月1日


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バイオミネラルを数種類の屈折率の異なる樹脂で封じるという仕事があるのですが,いつもこの種の仕事に苦しめられています。今回も15回の封入試験が全て失敗…。失敗の原因は技術上の問題ではなく封入剤が不良品なのです。大変な苦労をして入手した高価な樹脂が,仕様通りの屈折率ではないと分かったときの落胆は,とても言葉で表現できるものではありません。3種類購入して全部,ラベルの屈折率とは異なります。そのうち2種は,大量の顆粒とフロックが混入していて,使う前から失透気味です。怒髪が天を突く怒りとむかつきですが,この海外のメーカーに文句を言ったところで,とりあってくれそうもありません。以前も樹脂を精密ろ過するように進言しましたが8年経過しても知らんぷりです。

正直言ってこの種のトラブルは堪えます。失敗から何も学べないからです。口も聞きたくないほど疲れました…(画像/MWS)。









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