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ミクロワールドサービスが顕微鏡の世界を伝えるコーナーです。
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2016年5月31日


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これは昨日のシステムを使って撮影したサファイヤ(奈良県産)。このサンプルは過去にも何度か撮影していて,そのときの絵(こちら)と比較することができます。EL-Nikkor 50mm F2.8Nは,順方向で使って無限遠方に対してのF値が2.8ですから,これはNA=0.2程度にはなります。このNAを活かして使うには逆付けすればよいわけです。実際には設計上の推奨倍率内で使うのでNAは少し低下しますし,また実用的な絵になる程度(例えばf5.6)に絞ると,実効NAは0.1弱程度になります。過去にこのサファイヤを撮影したときはNA=0.2のプランアポを使っていますから,その絵よりも劣るのは当然で,設計値通りの結果となるだけの話です。実効NAがだいたわかれば,分解能もわかりますから,どの程度の絵でOKなのかも判別できます。きょうの絵は簡易照明の一枚撮りで追い込みが不足していますが,NA=0.1弱の絵としては,まあこんなものでしょう(画像/MWS)。








2016年5月30日


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これは昨日の絵を撮影したシステム。すでに2014年4月28日の本ページで紹介したものですが,New Nikkor 200mm F4のレンズを抜き取った筒の先端に接写用レンズをつけています。レンズはカメラレンズ,顕微鏡対物やRMSマクロなど各種のものが使えるようになっていますが,今回はEL-Nikkor 50mm F2.8Nをリバースで使っています。被写体のとげとげを焦点深度内に収めるためには絞りがあった方が便利だからです。絞ると分解能は低下して得られる絵は無効拡大になりますが,web用画像サイズまで縮小すれば無効拡大にはなりません。撮影倍率は約3倍,絞りはF5.6と8の中間,照明は白熱電球,カメラはNikon1J1です(画像/MWS)。



*1 New Nikkor 200mm F4は玉抜きして,周辺減光の原因となる遮光環を削り落としています。そのままでは迷光が発生するので筒内部を植毛紙処理しています。焦点距離の長いレンズをつけて望遠撮影用に使うときのために絞りは残しています。

*2 このシステムは適当につないだものではありません。このレンズの設計上の使用範囲(撮影倍率)に収まるように,しかしカメラの画素ピッチからみて無効拡大が過ぎないように設定しています。このレンズをリバースで使うときはフルサイズやもっと大きなフォーマットのカメラで光を受けたほうがよいのですが,振動を極端に嫌うこともあって,Nikon1で使っています。フルサイズ,完全電子シャッターのミラーレスカメラなら使ってみたいですが…。





2016年5月29日


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こんどは,改造に使って不要になったLEDライトから,ぼろぼろに錆びた電池ホルダーが発見されました。接点付近は青く粉を吹いており,どんな銅の鉱物かと,ぜひとも拡大撮影したくなります。それがきょうの画像。あの,青く粉が吹いたようになっているのは,こんな鉱物結晶が生成している途中だったのです。ちょっとした顕微鏡や,上等なルーペや,マクロレンズがあれば,電池室が液漏れで錆びただけでも人生が楽しくなります(^^; (画像/MWS)。








2016年5月28日


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鏡筒部の分解メンテナンスは気が重いものの一つです。ただのガラス面を拭くだけでも恐ろしく難しいのに,これが複雑に組み合わさった面を拭くのですから簡単なはずがありません。しかもプリズムは位置決めが重要で,バラしてしまうと組み付けが面倒です。ケガキを入れてばらし,元通りに組む方法もありますが,出荷時と完全に同じにはなりませんし,組み立てにも時間がかかります。そこで三眼鏡筒の清掃はプリズムをつけたまま行っています。そうすると,わずかな隙間にレンズペーパーを差し込んで,カビ取り,水拭き,溶剤拭きを行わなくてはならず,作業は困難な上に時間もかかります。

きょうの画像はそんな一コマ。写っているプリズムの面を清拭して満足行く仕上げにするのに,一日かかります。適当な拭きでよければもっと早くできますが,再びカビが生えるようでは困ります。レンズペーパーは小さくカットしたものを100〜200枚くらい使うでしょうか。そんなことをしないで,超音波洗浄で超純水で流せばずっと早くきれいにできますが,万一の事故が恐ろしいです。ひじょうに原始的ですが,もとのままの状態を維持しつつ,そろりそろりと拭いていくのが,時間はかかれども,安全な方法なのです(画像/MWS)。








2016年5月27日


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暗闇に蛍光を発するNikon刻印入り・レンズケース(画像/MWS)。








2016年5月26日


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25日午後は藻類−光合成系の研究者の訪問を受けまして積もる話に時間が過ぎゆきました。いつもお世話になっている先生ですがメールでの連絡ばかりで,直接会うのは2,3年振りという感じです。いつものことですが,話題が豊富すぎて顕微鏡を覗く暇がありません。当室にお越しになる先生で,顕微鏡の午後とはならない希有な存在です。お陰で大量の耳学問ができました。世の中の片隅でこそこそやっている筆者のような人をきちんと相手してくれるのですから,有り難いことです(画像/MWS)。








2016年5月25日


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薩摩半島西方沖の地震が止む気配がなく,ひじょうに不気味な感じがします。Yahooの地震情報欄で確かめられますが,熊本のM7級の地震のあとに,5月6日に覚醒して地震活動がはじまり継続している感じにみえます。エネルギーの放出状況は,本震−余震の感じで順調に減っているようには見えません。この場所は,昨年の11月に大きな地震を起こしているところでもあります。




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それを示したのがこの表で,2015年11月14日にM7の地震が起きています。そして余震とみられる地震が続いていましたが,年明けしばらくすると収まってきた感じだったのです。それが,熊本地震のあとに覚醒したのですから,ひょっとするとこの地震は互いに連動しているのかもしれません。現在ここで起きている地震が,11月14日の地震の余震の再活性化のような感じなのか,それとも,新たに近くの断層が破壊しているのか,そしてその破壊は広がるのか,広がるならどちらの方向に広がるのか,気になるところです。

もう一つ気になるのが,この11月14日のM7の地震が熊本に影響を及ぼしていたのではないかということです。調べてみましょう。





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これが2015年11月以降の熊本の様子ですが,確かに,地震の回数だけでみると,11月19日以降に覚醒している感じに見えます。お互いに影響を及ぼしあっているのかもしれません。




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両者の位置関係はこんな感じです。Hi-net自動処理震源マップから切り出した図で,直近30日間の地震を表したものです。両者ともに,10km程度の比較的浅い震源の地震が集中しているところが共通しています。

このどちらの震源(断層)も単独でM7の地震を起こすことは歴史が証明していますが,両者の中間には何があるのでしょうか。もし断層があるなら連動することはあるのでしょうか。もし不連続ながらも断層が密集して分布しており,熊本−大分で起こったような感じで,海側で大きな地震が起こればM7を大きく超える規模になる可能性は否定できず,そのときは津波も発生することになります。

以上は素人の推測ですが,確実な予知ができない以上,用心するに越したことはないように思えて仕方ありません(画像/スクリーンショット)。












2016年5月24日


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300円のアルミの溝が軸出し不要の光学ベンチに見えれば人生はもっと楽しくなるかもしれない…(画像/MWS)。



*1 最近,夜に顕微鏡メンテナンスしているせいか,アップを忘れてしまう事態が発生しています。すみません。




2016年5月23日


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これは中間鏡筒部に仕込まれた偏光素子の部分。着脱と回転ができるようなメカになっています。これの着脱用の金属棒が根元から抜けており,いやな予感がしたのですが,分解してみれば素子部分が破壊されていました。もはや万事休すの感じもしますが,悪あがきはしてみるつもりです。元通りにはならなくても使えるようにはできるでしょう。

このような破壊が起きる理由はいくつかありますが,今回の例では着脱部の固着が原因と想像します。ながねん放置されて固着したものを無理に動かそうとして,力を加えすぎて破壊に至ったものと考えられます。顕微鏡を壊す大半の原因は力の入れすぎで,力を入れていい部分などないのですが,固着が起これば止む終えないというところです。固着の原因は放置でしょうね。機械は使っていないと正常な状態を保てないのです。しかしほかにも原因があって,メーカーさんが精度を求めすぎて遊びの小さなキツキツの工作をしたところに,経年固化するグリスを仕込めば時限装置的に固着します。真面目でよいものを作るメーカーさんの弱点でしょうか…。

きょうの画像に写っている部分も必要以上に高精度に作られていて,しかも真鍮にアルミの組み合わせですから囓りが発生しやすく,グリスの固化が発生すればどうしようもありません。そこで修復に先立って,アリ溝を修正研磨して広げ,ごく軽い力で移動するようにして,経年で固まることのない軟らかい(しかし流れない)グリスを塗布しておきました。顕微鏡の修復は動作するようにすることも大事ですが,同じ故障が起きないようにすることも大事で,そのためには多少の加工をしてしまうこともあります(画像/MWS)。








2016年5月22日


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春の不眠まつりが終了したようで寝られるようになってきました。2時間おきに目が覚めるのはいつものことですが,そこからまた寝られるので,とりあえず生きていくことができます。4月は空前の不眠まつりで先は長くないな…と思うほど体調が悪かったのですが,ここのところは寝られたことによりあらゆる部分が回復してきて若返った感じに元気になってきました。ながねんの不眠症に苦しむ身には,サマージャンボで1億円当たるよりも,毎日きちんと熟睡できる方が比較にならないほど有り難いのです。

さて体調が復活してきたら顕微鏡も復活しなければなりません。ほとんど全ての可動部,光学系に不具合がある恐ろしい機材があるのですが,ここのところずっとコイツにとりかかっています。光学素子を出し入れする部分の金属がもぎ取れて折れていたり,手の届かない奥の奥にはめ込まれたレンズの可動部が完全固着していたり,アリ溝が傷ついて動かなくなっていたり,グリスが固まって接着剤になっていて完全固着していたり,金属部分は緑青の粉を吹き出していたり,普通ならそのままゴミ箱行きでもおかしくない顕微鏡です。

画像は中間鏡筒部分を外したもの。中間レンズ2個にフォーカスが組み込まれているという驚異的に凝った設計です。ここの可動部が完全固着して緑青も吹いていたのでバラしました。レンズは数ミリです。レンズの前に金型の開口がありますが,これがレンズの開口をふさいでいました。当然これは不良品ですが誰も気づかずにそのままになっていたようです。ヤスリで開口を広げて使えるようにしました。はじめて見る部品もあり機能を想像しながらメンテナンスをすすめます。非常に難易度の高い作業で頭を使いますが,ふだん顕微鏡と真面目に向き合って,顕微鏡全般について勉強していれば,やるべきことはわかります。メンテナンス終了後の,すっきりとした像を思い描きながら朝から夜中まで顕微鏡を磨くのです(画像/MWS)。








2016年5月21日


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リサイクルショップに転がっていた謎の光学機器の一例。ジャンクカメラが山と積まれた一角の,ストロボと書かれたジャンク箱の中で発見しました。値札の傷み具合からみて数年は転がっていたものと思います。この機器は内部の光学素子が傷んでいることも多いのですが,コレは正常そのものでした。本ページの読者であれば,これが何なのかお判りの方が大半かと思います。ワンコインで買えるような代物でないことは確かで結構な貴重品です。日々,顕微鏡と真面目に向き合っていれば,こういう幸運に巡り会うこともあります(画像/MWS)。








2016年5月20日


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光学技術者でもないのに最近,光学屋さん関連の方々とつながりが増えてきているような気がします。専門は何かと聞かれると困るのですけど,学生時代は海洋学をお勉強していたわけで,光学の専門教育を受けたことはありません。頭の中に入っている知識は基本的に売っている本を買って読んで,自分で実験して得たものです。どんな本かと言えば,昨年3月に本ページで特集したようなものがメインな程度で,どう考えても素人の聞きかじり的な感じです(マクスウェル方程式をいじれない…)。それなのに専門の方々から相手にして頂けるのは有り難いことです。少しでも勉強を欠かさないようにと思うのです。

きょうの画像は先週(11日),分光機器の会社に訪問したときのもの。勉強会のような内容で会社の代表と過ごしました。13:30からはじまって解放されたのが(笑)21:30頃だったので,ちょうど8時間労働です…。その間,話題が尽きないのですからふしぎです。カメラから光学実験,発光生物や顕微鏡の話が延々と続きました。夕暮れ時に外に出て二人でお散歩カメラを振り回し,適当なお店で夕飯を食べながらも話題は光学なのです。

何がいいたいのかというと,売っている本を読んで,気になったことを試すのはよいことだ,ということです。レベルは関係なく,初歩的でも基礎的でもよいと思います。確かめることが重要です。世の中,高度に専門的なものもありますが,専門技術者と話をするときでも案外,基礎的なことがわかっていることが大切で,そして基礎をきちんと確かめている人は多くないのです。売っている本を読んで自作の道具で実験をしてというような作業を続ければ,本ページの読者の方々も,光学屋さんと楽しく話ができるかもしれませんし,リサイクル屋さんに転がっている謎の光学器械で楽しく遊ぶこともできるかもしれません(画像/MWS)。








2016年5月19日


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レンズのフィルターサイズはメーカーさんによってまちまちですが,一つのメーカーさんの中では決まった系列になっていることが多いです。そのせいか,旧製品と新しい製品で同じフィルターサイズが存在していることもあります。きょうの画像がそれで,1 Nikkorの標準ズームや単レンズのフィルターサイズ(ネジ)は40.5mm(P=0.5)ですが,むかしのEL-Nikkorと同じなのです。こういうのは結構有り難いですね。

これなら,40.5→52mmステップアップリングを使いBR-2Aに持ち込めば簡単にFマウントで逆付けできます。それだけでは投影距離が不足して性能が出ませんので,指定の倍率になるまで延長チューブを噛ませるといいですし,別法としてはBR-2Aを使わずに,ケンコーの52mmオス−オスを使い,例えばBORGの【7509】に持ち込んで,あとは好みの延長筒やヘリコイドを仕込むのもいいでしょう。EL-Nikkorは,指定の使い方を守れば(簡単ではありませんが),低NAの乾燥系プランアポ絞り付きとして機能しますから,低倍域の拡大撮影系でも使い途があります。順方向で使うと,市販の高性能マクロと比較してもあまり優位ではないので,逆さまに使うのがいいのです(画像/MWS)。








2016年5月18日


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珪藻も負けてはいません。放散虫のような大型で立体構造が素敵なものが少ないですが,代わりに微細構造という武器があります。これを油浸で検鏡すれば自然界のなんと精巧なことと畏怖を感じずにはおれません。そしてこの微細構造と同程度の波長の光が絡み合って複雑な色彩を見せます。画像は今月納品した特注品。製作は言語に絶する難しさですが,何とか仕上げて暗視野で見ると,自分で作ったものなのに驚異の眺めです(画像/MWS)。








2016年5月17日


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放散虫はカッコイイやつが多いのですけど,たまに飛び抜けたやつがいます…。これまで一つしか見つけていないような気がしますが,もう手元にはありません(画像/MWS)。








2016年5月16日


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採取したサンプルは何らかの処置をしないとすぐに腐敗してしまいます。海のサンプルの場合は直ちに無酸素,硫酸還元が起こり硫化水素が発生し,還元状態で可溶化した鉄イオンと結びついて硫化鉄が生成して黒くなります。淡水のサンプルでは,珪藻は死滅して,栄養の放出が起こり,そこから緑藻などが増殖してきて手を付けられなくなります。こういったことが起きないように,早めに簡易処理して,なるべく珪藻の殻だけになるようにします。

画像がその一例。水で洗ったサンプルに過酸化水素を加えて直射日光に当て続けます。過酸化水素は紫外線の作用でヒドロキシラジカルを生じますが,このラジカルの酸化力は天下一品級で,難分解性の有機物も徐々に酸化分解してしまいます。しかし珪藻被殻はガラス質のケイ酸ですから酸化されることはありません。この分解性の差を利用するわけです。激しく発泡するわけでもなく,静かに処理ができるので,湿式灰化としてはひじょうにマイルドな処理で繊細な珪藻も処理可能です。しかし欠点もあって,時間がかかります。延々と…。その点を除けばけっこう優れている感じもする方法です。

この段階ではまだいろんなものが混在していますが,主要な有機物を分解してしまえば,あとは水置換して,防腐剤を入れるなりすれば長期間保存可能です。こういった処理を行うときに注意すべきことは蒸発乾固しないことです。一度でもやってしまえば,何かの鉱物が生成し,それが結合剤となって珪藻被殻などがくっついてしまい,きれいな被殻に戻すことは不可能になります(画像/MWS)。








2016年5月15日


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14日は大学教員をお迎えしての顕微鏡の午後となりました。まいとし学会で元気〜?と再会を喜ぶ間柄で顕微鏡では受講生でもあります。当室に足を踏み入れた瞬間から話題に花が咲き,大の大人が脳内お花畑状態でわうわうきゃんきゃんと楽しい時を過ごしました。水マウントで油浸領域の微細構造を見る手法を検討して,いろんな現代大学事情を話して,夕飯たべて,必修科目であるところの刃物研ぎをやってお開きとなりました。画像はカバーグラス水浸対物でご覧いただいた藻類。油浸対物だと大きな球面収差が発生して像が霞みますが,カバーグラス水浸対物では水マウントの試料でもクリアに見えます。コンデンサも液浸にして,偏斜照明を施し,微細構造のコントラストを変える体験もしていただきました(画像/MWS)。








2016年5月14日


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お料理をはじめた人が体験することの一つとして,『キュウリがつながっている』というやつがあります。包丁の切れ味と刃の運び方,まな板との相性がわるいとキュウリがつながるわけです。つながったキュウリは素人料理の代表みたいに,食卓で指摘されたりもします。しかし考えてみれば,キュウリがつながっていればまな板から転がり落ちることがないのです。そして塩もみにも問題はないし,つながったキュウリを適当なサイズにカットすれば一口サイズで食べやすくもなります。ということで,これからキュウリはつなげて切ることにしました(^^; きょうの画像はその一例。これにゆずの村か,ビミサンを少々振ってしばらく置くだけで,すぐれたおかずに変身です(画像/MWS)。








2016年5月13日


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石灰質の砂地上にいる珪藻は,こんな感じで採集しました。精製水の容器で作ったカップで水面下の砂地の表層をかきとります。直射日光が当たるところでは,珪藻は表面にいるものと少し潜っているものがいますので,表層1cmくらいをかきとればいいと思っています。この砂に海水を含ませてシェイクして珪藻をはがします。海の水はきれいなのにどろどろに濁ります。このどろどろの中に何かが入っているのです。珪藻はどんなに大きくても特例を除けば0.5mmくらいまでのサイズなので,貝殻とか,砂粒などの大きなものは茶こしで取り除くことができます。この地道な作業を何度も何度も繰り返しながら処理用の原料とするのです。なおこの方法では強く付着している珪藻はとれません。そのような珪藻を採取するには砂ごと試料処理の必要がありますが,面倒なのでやっていません。

このように採集は比較的容易なのですが試料処理は大変です。どろどろの濁りは,ほんの少しの珪藻と,あとはほかの生物の排泄物などが大量,それに微少な鉱物,といった感じです。昼間に砂地を見ると生物の姿がほとんど見えませんが,夜中に観察すると状況は一変します。ナマコがはいずり回ったり,アメフラシが歩いていたり,ウニがチクチクしていたり,ヒトデが滑走していたり,エビが何かをむしっていたり,ギンポが餌を探していたり,カニさんが何かを食べていたりと,驚くほど豊かなのです。だからそれらの生物の残していったものが大量に含まれるのです。

こうした生物相の豊かさを支えているのは,この砂地に含まれている珪藻と,その周囲に生えている海藻類です。その珪藻や海藻を育てているのは,宇宙空間から8分19秒かけて地球に到達した可視光線です。珪藻や海藻など光合成を行う植物は,宇宙光エネルギーを地球上で化学結合エネルギーに変換する,結ぶ架け橋のような存在です…。などと考えることにより,大量の夾雑物を除去するイヤな気分を中和して,ちまちまと作業をするのです(画像/MWS)。








2016年5月12日


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10日の夕方に荷物が届き開いてみると修理を終えたメガネが入っていました。筆者は職人の部類に属しているわけですので,たとえチタンの破断であろうとも,まず最初に考えることは修復です。自分ではできないことは明らかなので,今回はプロの職人さんを探しました。そして早速お願いとなったわけです。

チタンの破断は添え木をつけて高周波溶接で修理できるらしく,その職人さんのHPをみて,背景に写る道具群をみて腕前は確信しました。メールでお願いしたところ,すぐに返事を頂戴し,無事に修理依頼となったわけです。修理はフレームの溶接と全体の形直しもお願いしました。幾度か踏みつけられて形もゆがんでいたからです。また先セルの交換もして頂きました。じつに迅速な修理で,一週間もかからずにメガネは完全に修復されて戻ってきました。フィッティングをしたわけでもないのに,修復されたメガネをかけると,きちんとフィットしてずれにくいのには驚きました。きっと「こうでなければならない」という形があるのでしょうね。

修理は完全でしたが,念のため,わりとハードな仕事の日に一日中修理品のメガネをつかってみて,全く問題のないことを確認しました。ふるいガラスのメガネですが,透過率99%のレンズを使っていてゴーストが少なく快適です。ガラスレンズは耐久性がたかく薬品を使う作業にも使用できます。またこのメガネは,少し度の弱いレンズを入れていて,手元用に使えます。先日作ったメガネは遠く用にしたので,使い分けができます。

球面レンズに慣れた筆者の脳にはガラス球面レンズは自然な見えに感じます。先日新調したJINSの非球面プラスチックレンズのメガネもよく見えますが,視野内の位置によって,わずかながら物体がゆがむのです。球面であれば一点を見つめながら首を横に振っても物体のゆがみは小さいです。メガネの修理屋さんには,オリジナルのメガネケースまでつけていただきました。このケースが優れもので,大人が踏んづけてもメガネが壊れない設計なのです。力がうまく分散されるようになっていて,まるで潜水艦のような設計なのです。

こうしていろいろな発見と喜びがあって,メガネを捨てずに修理に出して本当によかったと思っています。修理を依頼したのは,修理専門の タムラ というお店です。これだけの技術と迅速な対応力をお持ちなのに,修理料金も安いのです。次回以降も安心して頼むことができるぞと,とても心強く思いました。(画像/MWS)。








2016年5月11日


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10日は相模湾西部でサンプリングでした。サンプリングといってもサンプルを必ず採取するわけではなく,視察だけということもあります。10日は一点だけサンプルを採取して,あとは2時間ほど海の様子をみて歩きました。見て海の変化を感じて歩くことは大事な仕事です。

この場所も長年通い詰めているところですが,来るたびに変化があります。10年弱くらいむかしには,クモノスケイソウやミスミケイソウがたくさん採れたことがあって,よい場所だと思っていたのですが,それから2,3年で全然とれなくなって,海藻群落の種組成も変わってしまい,別の珪藻を狙うこととなりました。その後もどんどん生物相が変化していって,2年振りに訪れた今回はかなり変わり果てた感じになっていました。石灰質の生物群集が幅をきかせているようで,細かなサンゴや二枚貝が大群落を作っています。砂地だった汀線は炭酸カルシウムの殻で覆われています。こういった変化が珪藻群集にどんな影響を与えているのかわかりませんが,種組成は大きく変わるだろうと思います。そこで今回は石灰質の砂上にいる珪藻を採取してみたのです(画像/MWS)。








2016年5月10日


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これはサンプリング先でみかけた石。大きさがわかりにくいですが,人間の背丈くらいあります。どうみても2,3トンくらいの重量がありそうで一トンは下らないでしょう。この巨石,2年前には見た覚えがありません。よく観察してみると,石灰生物がたくさん付着していて,かつて海の中にあったことを示しています。石灰生物の付着状態をみると,この石は海中にあったときと天地がさかさまになっているように感じます。そして周囲は高潮線よりも上なので海洋生物は付着していません。ということは,この巨大な石は海が荒れたときに運ばれてきたのですね…。

この石ころのほかにも,巨大なコンクリートブロックが動いているような感じでしたし,何に使うのかわからない巨大な鉄骨がタイドプールに突き刺さっていたりしました。3.11の大津波のときに,金属の塊の顕微鏡が浮き上がって高い窓から外に流れ出て,数百メートル海側で見つかったという話は本ページでも紹介しましたが,こんなでかい石が運ばれるのを見ると,波のエネルギーというのは想像を絶するものだと思いました(画像/MWS)。








2016年5月9日


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8日は相模湾東部方面にサンプリングでした。昨年は諸事情で海のサンプリングに行っていないので,2年振りということになってしまいました。この景色,オレの職場なんですが…。

手持ちの試料はたくさんありますし,放散虫などの化石試料もあるので,珪藻等の原料が不足しているということはありません。けれども,種数はまだまだ増やしたいので,新しい出会いを求めてサンプリングに行くことになります。また重要なことは,体が覚えているということです。現場に出向いて海を眺めて,そこで何をすべきかが自動判定されて自然に体が動かなくては仕事になりません。大潮の干潮時間帯は短いのです。そういった現場でのカンを維持するためにも,何が採れなくても,サンプリングに行くのが大事です。あとはストレス解消でしょうか。日頃のちまちまとした作業は,場合によっては体に負担がかかり,大きなストレスになります。月に2,3回でも,水辺に出向いてサンプリングすることは,肉体的にも精神的にもよいストレス解消法なのかもしれません。

ゴールデンウイークのあとの日曜日で,たくさんの人がいてもおかしくないのですが,いつものフィールドは穴場とでも言うべき場所で,ほとんど人がいません。散歩に来た人が数人,釣り人が少しと,地元の方がウニを採取しているくらいです。そんなのどかなところで,海藻に付着した珪藻と,石に付着した珪藻を採取して,石の上で暖めたホカホカのKQストアの昼食を食べ,多少の磯遊びをして帰路につきました。こんなふうに,例年通りのペースで仕事がしたいと思う今日この頃です(画像/MWS)。








2016年5月8日


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なんと近所でナラタケが爆発していました。すでにバクサレていましたが,全部とれば買い物かごに一杯くらいの発生量で,久々にきのこ心が躍りました。ご存じの方もおられると思いますが,筆者は一時期,『八王子のきのこ』と毎日戯れて暮らしていたのです。そんな名前のホームページもどこかに存在していたような気もします…。

秋に出るきのこの半分くらいは春にも出ているような話を誰からか聞いたことがありますが,これを見ると納得の感じもします。春ナラタケはずいぶん久しぶりに見ましたが,時期がわかって大変よろしい。秋には10月初旬に出始めて11月に終わりますが,春は4月に出て5月に終わるのですね。エノキダケも春にも見かけますが,これはもう少し早かった印象があります。

ナラタケ菌に取り付かれたこの樹木は,もうおしまい。枯れる以外にないでしょう。そしてこの木から奪い取った栄養でナラタケ菌は前線を進んでいき,数年のうちには,付近の弱った木にとりついて大発生を起こすことでしょう。都心の公園などできのこ狩りが許されているところはないと思いますが,たくさん発生していたら,少しばかり頂戴して煮物にでも放り込みたくなりますね。ナラタケはしっかりとしたダシが出て,とてもうまいのです(画像/MWS)。








2016年5月7日


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新調したメガネはその後も問題なく,目が疲れるということもなく,遠くがよくみえて近くは35〜40cmまでという感じで,価格を考えればじゅうぶんに使い物になる感じです。しかし気になることもあって,それがきょうの画像。クロスニコルでの撮影ですが,盛大な歪みがみられ,まるで歪んだレンズの見本のようになっています…。JINSさんのほかのレンズをみると歪みが弱いですし,フレーム周辺で応力集中的にも見えるので,これはフレームに入れる加工も関係しているのかなと思います。あるいは製造段階での歪みも残っているのでしょうか。よくわかりません。

筆者の目はシャコの目のように円偏光が見えたりするわけではなく,パソコン作業で毎日ハイディンガーブラシを確認している程度の偏光感度しかありません。ので,これだけ歪んだレンズのメガネでもまったく問題は感じません。ただこれだけ歪みがあると耐久性はどうなの,という気はします。プラスチックとコーティングの膨張率が違うところに,外からのストレス,あるいは内部応力の残留があるわけですから,ある日ぽろっとコーティングが剥げたりしないかと,少し心配です。ま,そういったことも含めて,プラスチックレンズというのは消耗品なのですけど。

最初にメガネを作ったときもわざわざ重いガラスにして,透過率99%のHOYAのレンズにしてもらい,流れ星がよくみえるように大口径フレームにしたというくらい,筆者にとってメガネは光学製品なので,歪んだプラスチックレンズを眺めていると,レクチファイヤを貼り付けて消光してやりたくなります。そんなものは実在しないだろうけれども(画像/MWS)。








2016年5月6日


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やっぱし北海道の景色は空気感が違う…。

といいたくなりそうな東京都心の風景。文京区にある小石川植物園は5月4日に限って無料なのです。それで気晴らしにさんぽとなるわけですが,昨年,今年と快晴で空の色が日頃と違います。新緑も美しくて,オウム(のように見えるインコ)も飛んでいて,ストレス解消には最適です。

さてそれでこの画像を掲載したのにはわけがあって,カメラのWBをデーライトにしているのです。晴天なんだからデーライトにして当たり前じゃないかと思ったそこの人,理屈の上ではその通りなんですけど,どうも都心では晴天でデーライトのWBにすると空の色がおかしくなるように感じていて,外出時には,数年前からカメラのWBは曇天に固定というのが筆者流だったのです。ところが,先日の5月4日に限っては,デーライトのWBで空がちゃんと青く写ることがわかり,ふーむと思ったのでした。

つまりカメラメーカーさんがWB晴天のデーライトの基準としているのは,田舎の山の中や海辺などで降雨後にすかっと晴れたような澄み渡る青空のときの光を基準にしているのかと(当たり前ですよね…)。薄汚れたスモッグの下でミー散乱と共に生活しているケースでは,WBを晴天デーライトにすると合わなくなるわけです。こんなことに気づくのに,こんなに時間がかかるとは…脳みそが回転していない証拠のようなものです(画像/MWS)。








2016年5月5日


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2日(月曜日)の夜中に寝ようかと思っていたらメガネが壊れた…。23年間もの間よく働いてくれたよい子だった。。これまでもいろいろトラブルがあったけれども,この子はホントよい子で,必ず手近に修理部品があるときに壊れてくれた。例外は一度もなく,そのたびに応急処置を施して,部品をかえて,長い間使ってきました。今回も連休前の深夜に,レンズとフレームに少しのすき間が見つかっておかしいなあと確認していたら,ぽろっとフレームが破断。金属疲労です。人に踏んづけられたりしていろんなところにゆがみが出ていたので,まあ仕方がありません。それよりも使い切ったというすがすがしさを感じます。

まずは壊れた部分をよく観察しましたが,チタンの破断とわかった段階で,できることはないとあきらめて,メガネ屋さんを探しました。こういうときに都区内は便利です。その日に注文して,1時間くらいでメガネができてしまう店が,徒歩圏内に何軒も存在するのです。




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その結果,翌日の午後には新しいメガネを手にすることとなりました。緊急事態でしたから,ガラスレンズなどという贅沢なことは言っていられません。はじめてのプラスチックレンズです。

お店は JINS というところで,池袋のパルコP’というところにある店舗にしました。パルコは若者が行くところという認識なので中年オヤジには若干の抵抗がありましたが,そのお店にしか,お目当てのフレームがなかったので仕方がありません。店舗にいくとすぐにフレームが見つかり,それをレジに持っていき,検眼をお願いしました。検眼が済めばレンズが決まるので,あとは30分後に受け取りに行くという感じです。じつにシステマチックな販売手法で,webサイトの情報も十分で,フレームの店舗在庫まで検索でき,価格は明瞭,店員の質も高く,お店としては文句のないものでした。

できあがったメガネはどうだったかというと問題ありません。ちょっと度を上げすぎた感じもしましたが,これまで以上に遠景が鮮明に見え,特に夜間の視力が上がった感じになりました。他方,手元が見えにくくなる距離がちょっと伸びてしまいました。ま,これはROGANという治ることのない病ですから仕方がありません。光学的にうんと精密なことを言えば,瞳孔間距離やレンズの角度などが完全であるかどうかは不明なのですが,実際に見えは問題なく,また光軸の問題はメガネのかけかたによっても変化するので,あまり深追いをしていません。

価格を下げるためと軽量化のためか,鼻あての部分はオールプラスチックになっています。樹脂の質にもよりますが,数年程度はもつでしょう。レンズはフレアの少ない画像でわかるように表面仕上げはかなり良好です。一万円弱でこの程度のメガネが即日で入手できるのは驚嘆すべきことかもしれません。レーザーをあててみても表面の散乱はかなり少ない感じがします。このレンズは,アッベ数がいちばん大きなものということでn=1.6を選んだのですが,レターパックプラスなどの宛名書きで,明るいところで白地に黒線のはっきりとした印刷を見ていると色ニジミを感じます。この点はガラスレンズの方が勝っているような気がします。しかし全体的には,じゅうぶんな品質で,JINSというメーカーさんの企業努力にひじょうに感心しました。





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さて話はここで終わりません。筆者のよく知る人が視力の不調を訴えていて,特に夜間,遠くの光がおかしく見えるとのこと。そういった症状は目の内部に毛細血管ができたり飛蚊症で回折像に変化が出てきた症状でもあるので眼科受診をアドバイスしました。そうしたらば,視力自体は正常とのこと。

そこでご覧頂きたいのがこのレンズです。このレンズは,大田区や築地にあるような鮮魚や生鮮野菜のように扱う場所のような名前をつけたメガネ店で2.5万円で購入したとのことです。千葉県内新小岩付近で買ったそうです。レンズからの反射光を見ると,一面のフレアが観察できます。このフレアは擦り傷のようなものから発生しています。

上の光源付近フレアは緑色です。これはコーティングが剥げていないことを示しています。下のフレアは白っぽいものが混じっています。これはコーティングがポツポツと剥げているのです。




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さらに拡大したものがこれ。なんとレンズ全体に研磨痕が残存し,それをそのままポリッシングして,研磨痕が残ったまま反射防止コーティングを施しています。そして,研磨痕どうしがクロスした部分から,コーティングがはげ落ちています。恐るべき画像です。





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さらに拡大したのがこれ。傷だらけのレンズにコーティングをしているのが一目瞭然です。そしてコーティングの劣化が,研磨痕上で起きていることもよくわかります。

このメガネをかけると,もやのかかったような見えになります。昼はもちろん夜も常にかすみ目の状態になります。驚くべきことに,このメガネは,右も,度数の異なる左も,同じような傷だらけの新品レンズだったのでした。ということは,偶然不良品が紛れ込んだのではなく,この銘柄のレンズはみな傷だらけの不良研磨が『正常なもの』として納品されていたことになります。

大田区や築地にあるような鮮魚や生鮮野菜を扱う場所のような名前をつけたメガネ店は,この,プロが見れば一目で不良品とわかるレンズを加工時にも販売時にも見逃して,客から2.5万円を取り,客に数年間に渡り不利益を被らせたわけです。これは訴訟/損害賠償レベルの過失と言わざるを得ません。

このようなレンズは人に危害を与える有害物なので,そのことが判明すれば存在価値はありません。直ちに,JINSさんでメガネを注文することになるわけです。




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そして即日で受け取り,その結果,以前よりはるかにクリアな視野になったとのことでした。

現在,メガネレンズでも安価なものは海外生産がほとんどでしょう。海外生産でも最新の設備で生産しているわけですので,作られるものの基本品質が低いということはありません。しかし,人間の質は低いこともあり,信じられないようなものが紛れ込んだりします。かつて,研磨していないレンズを使った望遠鏡アイピースを掴まされた話は本ページに書きました。故意にしか起こりえないようなことが,海外工場では起こるのです。今回のメガネレンズも同じ構図でしょうね。皆さんもダマされないように注意してくださいませ(撮影/MWS)。









2016年5月4日


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連休中のお買い物の一例。これは富士フイルムのTAC(トリアセテート)ベースの色温度変換フィルム。タングステン光源をデーライトの色調に変換したり,その逆を行ったりするためのフィルタです。むかしの一眼フィルムカメラを使っていたような人なら誰でも知っている部類の品物で,コダックなども同じような特性のものを販売していました。ところが,このTACのフィルタシリーズのうちLBB/LBAが出荷終了してしまい在庫販売だけになってしまいました(こちら)。

これは困るのです。LBAはこの時代,使う場面が少ないのは確かでなくなっても何とかなります。しかしLBBは電球色をデーライトにできるものですから現在でも幾らでも使う場面があります。本ページでも電球色LEDに改造したショートランチャー9にLBBフィルタをつけて高演色の照明を製作した例を書いた記憶があります。現在市販の白LEDは赤色が欠損しているものがほとんどですから,これにLBAをつけても,もともと含まれていない波長が生じるわけではなく演色性はあまり改善しません。しかし電球色LEDでは赤色蛍光体が使われていて,これにLBBを入れて白色にすることにより波長特性が比較的フラットな演色性の高い白色(に近い色)を再現できるわけです。

さて困ったと,だいぶ前から安価に入手できるところを探し回っていたのですが見つからず,かといって新品で10パック以上買うと無駄に散財することになりかねません。ところが連休中にリサイクルショップと森林浴とラーメン&ギョウザでストレス解消と出かけたら,リサイクルショップで108円/枚のLBBと遭遇することになったのでした。誰も手を付けずに放置されていたので救済して連れ帰りました。これで当面のカスタムフィルタの製作材料が確保できて一安心でした。

豆電球や電球色LEDで顕微鏡照明にすると背景が電球色になってしまい肉眼観察時の青色の再現がおかしくなります。これを補正するのにLBBの8〜12くらいを使うと背景をニュートラルな感じにできて,色再現もよく,心理的にもシャープなすっきりとした像を見ているような気分になります。携帯顕微鏡H型(電球内臓)や自作の顕微鏡などで高演色を目指すならLBBフィルタはかなり重要です。店頭在庫がなくなる前に確保しておくのもよいかと思います(画像/MWS)。








2016年5月3日


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機材整理をしようと古いスピードライトを取り出してみるとオキシライド電池がお漏らししていたのでした…。結婚披露宴の写真をフィルムカメラで撮影したときに,スピードライトでバウンス撮影した覚えがあるので,大雑把に10年間もの間,電池を入れっぱなしだったことになります。不注意にも程がある。。ボロボロになって緑青を噴き出している電池ケースをよくみると,ふつうの緑青でない感じがします。そこでRMSマクロを持ち出してNikon1で撮影すればこの通り。じつに鮮やかな青で,色は硫酸銅そのものですが,オキシライドの液漏れで硫酸銅はできそうにありませんし結晶の形が違います。放射状に針状結晶が育ってイガグリ的になっています。形は塩基性炭酸銅の気もしますが,こんな色ではないように思います。よくわからないふしぎなものですが,自宅の機材に鉱物が生長していて面白かったのでした(画像/MWS)。








2016年5月2日


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1日は買い物ついでに森の中で肺の空気を交換して過ごしました。キンランが満開でヤマツツジも美しく雑木林の醍醐味を堪能しました。あちこちでガビチョウがピーポープイとさえずり,ニホンミツバチが木の洞穴で巣を作り,わんこは楽しくさんぽしていてのどかな一日でした。途中で河原によってツバメの泥採取を観察。一枚だけ,なんとか写りました。

このツバメの絵,中学生の頃に買ったレンズで撮影しているのです。トキナーのMFレンズでSL300mmF5.6というものですが,当時の型番を知る人も少ないようで,SL300mmでは検索でヒットしません。レンズの刻印でRMC Tokina 300mm F5.6と検索するとヒットします。古い設計のレンズで軸上色収差も多いですが,トキナーレンズは設計が素直で優秀で,用途によってはいまでもじゅうぶん実用になります。中学生が小遣いを握りしめてフジヤカメラで買ったレンズは数十年の時を経て,今なお中年オヤジにメンテナンスを受けながら働くのです(画像/MWS)。



*1 そうは言っても,Nikon1でFT-1経由で使うとフルサイズ810mm相当になりますから,手持ち撮影は歯ごたえがあります…。フレーミングだけでも厳しいところにマニュアルでフォーカスを鳥の目にあわせて絞りを制御して露出補正をいじってシャッターを押すのは,オートフォーカス自動露出に慣れている人には罰ゲームの領域の困難さでしょう。そんな苦労をして古いレンズを使う価値があるかというと,ないとしかいいようがありません。。




2016年5月1日


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連休中は都区内の空気も少しはましです。人混みの混雑に揉まれると疲れそうなので近所の公園でぼーっと新緑をみていました。山猿だった筆者にとっては雑木林の新緑こそが心のふるさとみたいなもので,いくらでも眺めていられます。春の不眠症祭りが一息ついたようで,2時間寝ては起きることを数回繰り返す程度で済むようになってきました。連休中は近所をさんぽしつつ,こまごまとした仕事をして過ごす感じになりそうです(画像/MWS)。









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